(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
本明細書において用いられる用語はその通常の意味を有し、かかる用語の意味は、その各々の出現で独立している。それにもかかわらず、別段の断りがない限り、以下の定義は明細書および特許請求の範囲の全体を通して適用される。化学名、一般名、および化学構造は、同じ構造を説明するために同義的に使用されてよい。化学物質が化学構造と化学名の両方を用いて言及され、その構造と名称との間に曖昧さが存在する場合は、構造が優先する。これらの定義は、用語がそれ自体で使用されるかまたはその他の用語と組み合わせて使用されているかに関らず、別段の断りがない限り適用される。そのため、「アルキル」の定義は、「アルキル」、ならびに、「ヒドロキシアルキル」、「フルオロアルキル」、「−O−アルキル」などの「アルキル」部分にあてはまる。
【0015】
本明細書においておよびこの開示を通じて、以下の用語は特に断りのない限り以下の意味を有するものと理解される。
【0016】
「患者」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。一実施形態では、患者はヒトである。別の実施形態では、患者はチンパンジーである。
【0017】
本明細書で使用される場合に「治療上有効量」という用語とは、疼痛または炎症性の疾患もしくは障害に罹患している患者に投与した場合に、所望の治療、寛解、阻害もしくは予防効果を生じるのに効果的な式(I)の化合物および/または別の治療薬、またはその組成物の量を指す。本発明の併用療法では、治療上有効量は、各々の個別の薬剤であってもよいし、全体としての組合せであってもよく、ここで、投与されるすべての薬剤の量は、全体として効果的であり、しかしここで、組合せの成分となる薬剤は、個別には有効量で存在しない可能性がある。
【0018】
疼痛または炎症性の疾患もしくは障害に関して本明細書で使用される場合に「予防する」という用語は、疼痛または炎症性の疾患もしくは障害の起こり易さを低減することを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合の「アルキル」という用語は、それの水素原子の1個が結合によって置き換わっている脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は、直鎖または分岐であってよく、約1から約20個の炭素原子を含むことができる。一実施形態において、アルキル基は、約1から約12個の炭素原子を含む。異なる実施形態では、アルキル基は1から6個の炭素原子(C
1−C
6アルキル)または1から3個の炭素原子(C
1−C
3アルキル)を含む。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルおよびネオヘキシルがあるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、アルキル基は直鎖である。別の実施形態において、アルキル基は分岐している。別段の断りがない限り、アルキル基は置換されていない。
【0020】
本明細書で使用される場合の「アルキレン」という用語は、アルキル基の水素原子の1個が結合で置き換わっている上記で定義のアルキル基を指す。アルキレン基の例としては、−CH
2−、−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2CH
2CH
2−、−CH(CH
3)CH
2CH
2−、−CH(CH
3)−および−CH
2CH(CH
3)CH
2−があるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、アルキレン基は1から約6個の炭素原子を有する。別の実施形態において、アルキレン基は、1から3個の炭素原子を有する。別の実施形態において、アルキレン基は分岐である。別の実施形態において、アルキレン基は直鎖である。一実施形態において、アルキレン基は−CH
2−である。「C
1−C
3アルキレン」という用語は、1から3個の炭素原子を有するアルキレン基を指す。別段の断りがない限り、アルキレン基は置換されていない。
【0021】
本明細書で使用される場合の「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、それの水素原子の1個が結合に置き換わっている脂肪族炭化水素基を指す。アルケニル基は直鎖または分岐であってよく、約2から約15個の炭素原子を含むことができる。一実施形態において、アルケニル基は約3から6個の炭素原子を含む。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エンイル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルがあるが、これらに限定されるものではない。「C
2−C
6アルケニル」という用語は、2から6個の炭素原子を有するアルケニル基を指す。別段の断りがない限り、アルケニル基は置換されていない。
【0022】
本明細書で使用される場合の「アルケニレン」という用語は、アルケニル基の水素原子の1個が結合と置き換わっている上記で定義のアルケニル基を指す。アルケニレン基の例には、−CH
2CH=CH−、−CH
2CH=CHCH
2−および−CH(CH
3)CH=CH−があるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、アルケニレン基は3から6個の炭素原子を有する。別の実施形態において、アルケニレン基は分岐である。別の実施形態において、アルケニレン基は直鎖である。「C
3−C
6アルケニレン」という用語は、3から6個の炭素原子を有するアルケニレン基を指す。別段の断りがない限り、アルケニレン基は置換されていない。
【0023】
本明細書で使用される場合の「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、それの水素原子の1個が結合に置き換わっている脂肪族炭化水素基を指す。アルキニル基は直鎖であるか分岐であることができ、約2から約15個の炭素原子を含むことができる。一実施形態において、アルキニル基は約3から約6個の炭素原子を含む。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルがあるが、これらに限定されるものではない。別段の断りがない限り、アルキニル基は置換されていない。
【0024】
本明細書で使用される場合の「アルキニレン」という用語は、アルキニル基の水素原子の1個が結合に置き換わっている上記で定義のアルキニル基を指す。アルキニレン基の例には、−CH
2C≡C−、−CH
2C≡CCH
2−および−CH(CH
3)C≡C−があるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、アルキニレン基は3から6個の炭素原子を有する。別の実施形態において、アルキニレン基は分岐である。別の実施形態において、アルキニレン基は直鎖である。「C
3−C
6アルキニレン」という用語は、3から6個の炭素原子を有するアルキニレン基を指す。別段の断りがない限り、アルケニレン基は置換されていない。
【0025】
本明細書で使用される場合の「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を指し、アルキル基は上記で定義の通りである。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびt−ブトキシがあるが、これらに限定されるものではない。アルコキシ基は、それの酸素原子を介して結合している。
【0026】
本明細書で使用される場合の「アリール」という用語は、約6から約14個の炭素原子を含む芳香族単環式または多環式環系を指す。一実施形態において、アリール基は約6から10個の炭素原子(C
6−C
10アリール)を含む。別の実施形態において、アリール基はフェニルである。アリール基は、同一または異なっていても良く、本明細書において下記で定義される1以上の「環系置換基」で置換されていても良い。一実施形態において、アリール基は、シクロアルキルまたはシクロアルカノイル基に縮合しても良い。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルがあるが、これらに限定されるものではない。別段の断りがない限り、アリール基は置換されていない。
【0027】
「アザ−またはジアザビシクロヘテロシクロアルキル」という用語は、1個もしくは2個の窒素環原子を有し、環原子の残りのものが炭素原子である5、6もしくは7員環である第1の環および第1の環の2個の隣接しない環炭素原子に結合している1個もしくは2個の炭素原子を有するアルキレン架橋から形成された第2の環を有する飽和もしくはモノ不飽和環系を指す。一実施形態において、アザ−またはジアザビシクロヘテロシクロアルキルは、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよび2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタンおよび8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから選択される基である。
【0028】
本明細書で使用される場合の「カルバミル」という用語は、結合箇所がカルボニル炭素原子を介したものである−C(O)NH
2部分を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合の「シクロアルキル」という用語は、約3から約10個の環炭素原子を含む非芳香族単環式または多環式環系を指す。一実施形態において、シクロアルキルは約5から10個の環炭素原子を含む。別の実施形態において、シクロアルキルは、約3から約7個の環原子を含む。別の実施形態において、シクロアルキルは約5から約6個の環原子を含む。単環式シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルがあるが、これらに限定されるものではない。多環式シクロアルキルの例には、1−デカリニル、ノルボルニルおよびアダマンチルがあるが、これらに限定されるものではない。「C
3−C
7シクロアルキル」という用語は、3から7個の環炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。別段の断りがない限り、シクロアルキル基は置換されていない。
【0030】
本明細書で使用される場合の「ハロ」という用語は、−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味する。一実施形態において、ハロ基は−Fまたは−Clである。別の実施形態において、ハロ基は−Fである。
【0031】
本明細書で使用される場合の「フルオロアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子の1個以上がフッ素で置き換わっている上記で定義のアルキル基を指す。
【0032】
一実施形態において、フルオロアルキル基は1から6個の炭素原子を有する。別の実施形態において、フルオロアルキル基は1から3個のF原子で置換されている。フルオロアルキル基の例には、−CH
2F、−CHF
2および−CF
3があるが、これらに限定されるものではない。「C
1−C
3フルオロアルキル」という用語は、1から3個の炭素原子を有するフルオロアルキル基を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合の「ヒドロキシアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子の1個以上がヒドロキシル部分で置き換わっている上記で定義のアルキル基を指す。一実施形態において、ヒドロキシアルキル基は1から3個の炭素原子を有する。ヒドロキシアルキル基の例には、−CH
2OH、−CH
2CH
2OHおよび−CH
2CH(CH
3)CH
2OHおよび−CH(CH
3)CH
2OHがあるが、これらに限定されるものではない。「C
1−C
3ヒドロキシアルキル」という用語は、1から3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合の「ヘテロアリール」という用語は、環原子の1から4個が独立してO、NまたはSであり、残りの環原子が炭素原子である約5から約14個の環原子を含む芳香族単環式または多環式環系を指す。別の実施形態において、ヘテロアリール基は単環式であり、5個または6個の環原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリール基は二環式である。ヘテロアリール基は環炭素原子を介して連結されており、ヘテロアリールのいずれの窒素原子も酸化されて相当するN−オキサイドとなっていても良い。「ヘテロアリール」という用語は、ベンゼン環に縮合している上記で定義のヘテロアリール基も包含する。ヘテロアリール類の例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換されたピリドン類を含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
一実施形態において、ヘテロアリール基は5員のヘテロアリールである。別の実施形態において、ヘテロアリール基は6員のヘテロアリールである。別の実施形態において、ヘテロアリール基は、ベンゼン環に縮合した5から6員のヘテロアリール基を含む。別段の断りがない限り、ヘテロアリール基は置換されていない。
【0036】
本明細書で使用される場合の「複素環」という用語は、環原子の1から4個が独立してO、SまたはNであり、環原子の残りが炭素原子である3から約11個の環原子を含む非芳香族飽和単環式または多環式環系を指す。複素環基は、環炭素原子または環窒素原子を介して連結されていることができる。一実施形態において、複素環基は単環式であり、約3から約7個の環原子を有する。別の実施形態において、複素環基は単環式であり、約4から約7個の環原子を有する。別の実施形態において、複素環基は二環式であり、約7から約11個の環原子を有する。さらに別の実施形態において、複素環基は単環式であり、5個もしくは6個の環原子を有する。
【0037】
一実施形態において、複素環基は単環式である。別の実施形態において、複素環基は二環式である。「複素環」という用語は、アリール(例えばベンゼン)またはヘテロアリール環に縮合している上記で定義の複素環基も包含する。複素環の窒素原子または硫黄原子は、酸化されて相当するN−オキサイド、S−オキサイドまたはS,S−ジオキサイドとなっていても良い。単環式複素環の例には、オキセタニル、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、δ−ラクタム、δ−ラクトンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
一実施形態において、複素環基は、5から6員の単環式複素環である。別の実施形態において、複素環基は、5員の単環式複素環である。別の実施形態において、複素環基は、6員の単環式複素環である。「5から6員の複素環」という用語は、5から6個の環原子を有する単環式複素環基を指す。別段の断りがない限り、複素環基は置換されていない。
【0039】
「ヘテロシクレニル」は、約3から約10個の環原子、好ましくは約5から約10個の環原子を含む非芳香族単環式または多環式環系を意味し、環系中の原子の1個以上が、炭素以外の元素、例えば窒素、酸素もしくは硫黄原子であり、単独でまたは組み合わせてよく、そして、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含む。環系の具体的な実施形態では、環原子の1から4個が独立してO、SまたはNであり、環原子の残りのものは炭素原子である。その環系中には隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクレニル環は約5から約6個の環原子を含む。ヘテロシクレニル幹名の前の接頭語であるアザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも窒素、酸素または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。別段の断りがない限り、ヘテロシクレニル基は置換されていない。ヘテロシクレニルの窒素または硫黄原子は、酸化されて相当するN−オキサイド、S−オキサイドまたはS,S−ジオキサイドとなっていても良い。好適なヘテロシクレニル基の例には、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、1,2−ジヒドロピリジニル、1,4−ジヒドロピリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
「置換されている」という用語は、指定された原子上の1以上の水素が、示されている基からの選択物で置き換えられている(ただし、存在する環境下で指定された原子の正常な原子価を超えない)こと、置換が安定化合物をもたらすことを意味する。置換基および/または可変要素の組合せは、そのような組合せが安定化合物をもたらす場合にのみ容認できる。「安定化合物」または「安定構造」は、反応混合物から有用な純度までの単離および効果的な治療剤への製剤化に耐えるだけ十分に堅牢な化合物を意味する。
【0041】
いずれかの構成要素または式(I)の化合物中で置換基や可変要素が複数回登場する場合、各出現でのそれの定義は、別段の断りがない限り、他の全ての出現でのそれの定義から独立している。
【0042】
本明細書で使用される場合の「精製形態で」という用語は、化合物が合成工程(例えば、反応混合物から)、天然源、またはそれらの組合せから単離された後のその化合物の物理的状態を指す。「精製形態で」という用語は、化合物が、本明細書に記載されているまたは当業者に公知の1以上の精製工程(例えば、クロマトグラフィー、再結晶等)から、本明細書に記載されているまたは当業者に公知の標準的な分析技術によって特性決定可能となるだけの純度で得られた後の、その化合物の物理的状態を指す。
【0043】
留意すべき点として、本明細書中の本文、スキーム、実施例および表における原子価を満たしていない炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たす十分な数の水素原子(複数可)を有すると仮定される。
【0044】
1以上の本発明の化合物は、非溶媒和形態、および水、エタノール等の医薬として許容される溶媒との溶媒和形態で存在することができ、本発明は溶媒和および非溶媒和形態の両方を包含することを意図する。「溶媒和物」は、本発明の化合物の1以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合を含む多様な程度のイオン結合および共有結合を含む。ある場合では、例えば1個以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物を単離することができる。「溶媒和物」は、液相および単離可能な溶媒和物の両方を網羅する。好適な溶媒和物の例には、エタノレート、メタノレートなどがあるが、これらに限定されるものではない。「水和物」は、溶媒分子がH
2Oである溶媒和物である。
【0045】
式(I)の化合物は、不斉またはキラル中心を含有し得ることから、異なる立体異性形態で存在し得る。式(I)の化合物の全ての立体異性形態およびラセミ混合物などのそれらの混合物は、本発明の一部を形成するものである。
【0046】
ジアステレオマー混合物は、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶などの当業者に公知の方法により、その物理化学的差異に基づいて個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、エナンチオマー混合物を適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物等のキラル補助基)との反応によってジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを相当する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば加水分解する)ことによって分離できる。また、式(I)の化合物の一部はアトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であってもよく、本発明の一部とみなされる。エナンチオマーは、キラルHPLCカラムの使用によって分離することもできる。
【0047】
式(I)の化合物が異なる互変異型で存在する可能性もあり、そのような形態は全て本発明の範囲に包含される。
【0048】
エナンチオマー形態(不斉炭素の不在下であっても存在し得る)、回転異性形態、アトロプ異性体およびジアステレオマー形態などの各種置換基上の不斉炭素のために存在し得るような、本化合物のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体等)(化合物の塩および溶媒和物の立体異性体、ならびにプロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルの立体異性体を含む)は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体が実質的になくてもよく、あるいは、例えばラセミ体としてまたは他の全てのもしくは他の選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって定義されている通りのSまたはR配置を有し得る。
【0049】
式(I)の化合物は塩を形成することでき、それも本発明の範囲内である。本明細書において式(I)の化合物への言及は、別段の断りがない限り、それの塩への言及を含むものと理解される。本明細書で用いられる場合の「塩」という用語は、無機酸および/または有機酸で形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基で形成される塩基性塩を指す。さらに、式(I)の化合物がピリジンまたはイミダゾールなど(これらに限定されるものではない)の塩基性部分とカルボン酸など(これに限定されるものではない)の酸性部分の両方を含む場合、両性イオン(「内部塩」)が形成されていても良く、それは本明細書で使用される「塩」という用語に包含される。本発明の範囲内で使用されるそのような酸付加塩および塩基付加塩は、医薬として許容される(すなわち、無毒性の生理的に許容される)塩である。式(I)の化合物の塩は、例えば塩が沈澱する媒体などの媒体中で式(I)の化合物をある量(例えば当量)の酸もしくは塩基と反応させるか、または水系媒体中で反応させ次に凍結乾燥することで形成することができる。
【0050】
酸付加塩の例には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩とも称される)などがある。さらに、塩基性医薬化合物からの医薬として有用な塩の形成に好適と考えられる酸については、文献に議論がある(例えば、P.Stahl et al,Camille G.(eds.) Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties,Selection and Use.(2002) Zurich:Wiley−VCH;S.Berge et al, Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)
66(1)1−19;P.Gould,International J. of Pharmaceutics(1986)
33 201−217;Anderson et al,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.;当局のウェブサイト)。これらの開示は、参照を行うことで本明細書に組み込まれるものとする。
【0051】
塩基性塩の例には、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン類、t−ブチルアミン類などの有機塩基(例えば、有機アミン類)との塩、ならびにアルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩などがある。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチルおよびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチルおよびジブチル)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリルおよびステアリルクロライド、ブロマイドおよびヨージド)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルブロマイド)などの薬剤で4級化することができる。
【0052】
本発明はさらに、式(I)の化合物を全ての単離形態で含む。例えば、上記で定義の化合物は、溶媒和物、水和物、立体異性体および互変異体などのその化合物の全ての形態を包含するものとする。
【0053】
本明細書で使用される場合の、「組成物」という用語は、特定成分を特定量含む生成物および特定成分の特定量の組合せから直接的または間接的に起因する任意の生成物を包含するものとする。
【0054】
一般式(I)の化合物において、原子はそれらの天然同位体の豊富さを示してよく、または1以上の原子は、同じ原子番号を持つが原子質量または質量数が自然界で主に認められる原子質量または質量数とは異なる特定の同位体に人工的に豊富とすることができる。本発明は、一般式(I)の化合物の全ての好適な同位体形態を包含するものとする。例えば、水素(H)の異なる同位体型は、プロチウム(
1H)および重水素(
2H)を包含する。プロチウムは、自然界で見られる支配的な水素同位体である。重水素豊富とすることで、イン・ビボ半減期の延長または必要用量の低減など、ある種の治療上の利点が得られることがあり、または、生体サンプルの特性決定用の標準物として有用な化合物を提供することができる。一般式(I)の範囲内の同位体豊富化合物は、当業者に周知の従来の技術または本明細書におけるスキームおよび実施例に記載されたものに類似のプロセスにより、適切な同位体豊富試薬および/または中間体を用い、過度の実験を行わずに製造することができる。
【0055】
本発明の化合物
本発明は、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩を提供し、ここで、J
1、J
2、R
1、R
2、R
3、R
22、R
a、R
b、R
c、R
d、X、Y、b、nおよびqは、式(I)の化合物について上記で定義の通りである。下記で詳細に記載される式(IA)、(IB)および(IC)の化合物は、式(I)の化合物の実施形態である。下記に示した構造式は、環系の周囲の番号付けを示すものである。
【化7】
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【0056】
R
1が−C(O)−N(R
6a)(R
6b)または−S(O)
2−N(R
6a)(R
6b)であり、R
6aおよびR
6bがそれらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成している式(I)の化合物の具体的な実施形態では、2個のR
9部分がR
6Hの共通の環炭素上でジェミナルに置換されていることでR
YCを形成して、R
1が下記の基を形成することができることが理解される。
【化8】
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【0057】
式中、R
6HおよびR
YCは上記で記載の通りであり、R
11は非存在であるか存在している。
【0058】
Yが、
【化9】
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【0059】
である式(I)の化合物のある種の実施形態では、理解すべき点として、示したシクロアルキル環を鎖に連結する結合は、異なる環炭素原子上、例えば隣接する炭素原子上または同一炭素原子上で結合していることができる。例えば、一部の実施形態において、下記の基:
【化10】
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【0060】
は、
【化11】
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【0062】
式(I)の化合物の実施形態1において、R
1は式1の図示の二環式環の6位または7位上で置換されている。
【0063】
実施形態2では、R
1は式(I)の図示の二環式環の7位または8位上で置換されており、J
2はC(H)、C(R
1)またはC(R
22)である。すなわち、R
1は、下記に示したように図示の二環式環の環縮合に対してベータである環炭素原子上で置換されている。
【化12】
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【0064】
実施形態3において、当該化合物は式(IA)を有する。
【化13】
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【0065】
式中、
J
1およびJ
2は、独立して、C(H)またはC(R
22)またはNであり、下記の条件が適用され、
(i) J
1およびJ
2の1個以下がNであり、そして
(ii)J
1およびJ
2の1個以下がC(R
22)である。
【0066】
実施形態4では、R
1は、
(i) −C(O)−N(R
6a)(R
6b)、および
(ii)−S(O)
2−N(R
6a)(R
6b)、からなる群から選択される。
【0067】
実施形態5では、R
1は実施形態4で前述の通りであり、
(i) R
6aは、Hであり、そして
R
6bは、−Q−R
AHまたは−Q−R
HCであり、または
(ii)R
6aおよびR
6bは、それらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成している。
【0068】
実施形態6において、R
1は−C(O)−N(R
6a)(R
6b)である。
【0069】
実施形態7において、R
1は−C(O)−N(R
6a)(R
6b)であり、R
6aはHであり、R
6bは−Q−R
AHまたは−Q−R
HCである。実施形態7の具体的な例では、R
6bは−Q−R
HCであり、ここで、Qは非存在であり、R
HCは、
【化14】
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【0070】
であり、vは1または2であり、そして、R
12は存在しているか非存在である。
【0071】
実施形態8において、R
1は−C(O)−N(R
6a)(R
6b)であり、ここで、R
6aおよびR
6bは、それらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成している。実施形態8の具体的な例では、R
6Hは、
【化15】
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【0072】
であり、uは1、2または3であり、そして、R
9は存在しているか非存在である。
【0073】
式(I)の化合物の実施形態9において、R
1は−C(O)C(R
7a)(R
7b)(R
7c)である。実施形態9の具体的な例において、R
1は−C(O)C(H)(R
7a)(R
7b)であり、R
7aおよびR
7bは、それらが結合している炭素原子と一緒になってR
PCを形成しており、R
PCはC
3−C
7シクロアルキルである。例えば、実施形態9の1例では、R
1は
【化16】
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【0075】
式(I)の化合物の実施形態10では、R
1は−C(O)−O−C(R
7a)(R
7b)(R
7c)である。例えば、実施形態10の一例では、R
1は−C(O)−O−CH
3である。
【0076】
実施形態11において、Yは、
(i) 結合、
(ii)
【化17】
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【0077】
(iii)
【化18】
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【0078】
(iv)
【化19】
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【0079】
及び、
(v)
【化20】
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【0081】
実施形態12において、基:
【化21】
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【0082】
は、
【化22】
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【0085】
実施形態13において、当該化合物は、実施形態3に記載の式(IA)を有し、基:
【化23】
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【0086】
は、実施形態12に記載の通りである。
【0087】
実施形態14において、R
2はフェニル、ピリジル、またはチエニルであり、R
2は置換されていないかまたはフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C
1−C
3アルコキシ、−CNおよび−OCF
3からなる群から独立して選択される1から2個のR
5基によって置換されている。
【0088】
実施形態15において、bは0であることで、R
22は非存在である。
【0089】
実施形態16において、当該化合物は、実施形態3に記載の式(IA)を有し、R
1が実施形態4に記載の通りであり、基:
【化24】
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【0090】
が、実施形態12に記載の通りであり、R
2が実施形態14に記載の通りであり、bが0である。
【0091】
実施形態17において、当該化合物は、実施形態3に記載の式(IA)を有し、R
1が実施形態5に記載の通りであり、基:
【化25】
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【0092】
が実施形態12に記載の通りであり、R
2が実施形態14に記載の通りであり、bが0である。
【0093】
実施形態18では、式(I)の化合物は式(IB)を有し、
【化26】
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【0094】
式中、
J
1は、C(H)またはNであり;
R
1は、−C(O)−N(R
6a)(R
6b)であり;
I)R
6aはHであり、R
6bは、
a)−Q−R
AH[ここで、R
AHはフェニルまたはピリジルであり、R
AHは置換されていないかまたはハロ、C
1−C
3アルキル、C
1−C
3アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシおよび−CNからなる群から独立して選択される1から2個のR
8部分で置換されており;
Qは、
(i) 結合;
(ii)
【化27】
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【0095】
(ここで、R
eおよびR
fは、独立して、H、C
1−C
3アルキルまたはトリフルオロメチルである);
(iii)C
2−C
4アルキレン(ここで、前記C
2−C
6アルキレンは置換されていない)、
からなる群から選択され];
b)−Q−R
HC[ここで、R
HCは、
(i) NおよびOからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含む5から6員の複素環;または
(ii)C
5−C
7シクロアルキル(ここで、前記C
5−C
7シクロアルキルはベンゼン環に縮合しても良い)、であり;
R
HCは、置換されていないかまたはC
1−C
3アルキル、ハロおよびヒドロキシルからなる群から独立して選択される1から2個のR
12部分で置換されており、または2個のR
12部分が同一炭素原子上でジェミナルに置換されている場合、その2個のジェミナルに置換されたR
12部分は、それらが結合している炭素原子と一緒になって−C(O)−を形成している]、であり;
II)または、R
6aおよびR
6bは、それらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成しており、ここで、R
6Hは、独立して、
a)1個の別の窒素原子を含んでいても良い4から6員の複素環(前記4から6員の複素環はフェニルに縮合しても良い);および
b)1個の別の窒素原子を含んでいても良い5から6員のヘテロシクレニル(前記4から6員の複素環は、フェニルに縮合しても良く)、から選択され、
ここで、R
6Hは置換されていないか1から2個のR
9部分によって置換されており、
各R
9部分は、独立して、C
1−C
3アルキル、F、Cl、−CNであり、または
R
9は−Z−R
CYであり、
ここで、Zは結合または−CH
2−であり;
R
CYは、
(i) フェニル;
(ii) 1から3個のN原子を含む5から6員のヘテロアリール;または
(iii)2個のN原子を含む5から6員の複素環、からなる群から選択され、
ここで、R
CYの前記5から6員の複素環は、フェニルに縮合しており;
ここで、R
CYは、置換されていないか1から2個のR
10部分によって置換されており;
各R
10部分は、独立して、C
1−C
3アルキル、ハロ、C
1−C
3アルコキシ、−(C
1−C
3アルキレン)−(C
1−C
3アルコキシ)もしくは−CNであり、または2個のR
10部分が、共通の炭素原子上でジェミナルに置換されている場合、それらが置換されている炭素原子と一緒になって−C(O)−を形成しており;
または、場合により、2個のR
9部分は、R
6Hの共通の環炭素上でジェミナルに置換されている場合、その2個のR
9部分はそれらが置換されている環炭素と一緒になってR
YCを形成しており、ここで、R
YCは、
(i)5から6員のシクロアルキル(前記または5から6員のシクロアルキルは、フェニルに縮合している);または
(ii)1から2個のN原子または1個のO原子を含む4から6員の複素環(前記または4から6員の複素環は、フェニルに縮合しても良い)、であり;
ここで、R
YCは置換されていないかまたは1から3個のR
11部分によって置換されており;
各R
11部分は、独立して、C
1−C
3アルキル、−C(O)−(C
1−C
3アルキル)またはフェニルであり、または2個のR
11部分は、共通の炭素原子上でジェミナルに置換されている場合、それらが置換されている炭素原子と一緒になって−C(O)−を形成している;
Yは、
(i)結合、
(ii)
【化28】
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【0096】
および、
(iii)
【化29】
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【0097】
からなる群から選択され;
R
cは、Hまたはメチルであり;
R
dは、Hであり;
R
2は、フェニル、ピリジル、またはチエニルであり;
ここで、R
2は、置換されていないかまたはフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、C
1−C
3アルコキシ、−CNおよび−OCF
3からなる群から独立して選択される1から2個のR
5基によって置換されており;
qは、0、1または2である。
【0098】
実施形態19において、J
1はCHであり、構造式および残りの可変要素は実施形態18に記載の通りである。
【0099】
実施形態20において、R
2は置換されていないかまたは置換されているフェニルであり、構造式および残りの可変要素は、実施形態18に記載の通りである。
【0100】
実施形態21において、基:
【化30】
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【0101】
は、
【化31】
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【0102】
であり、構造式および残りの可変要素は実施形態18に記載の通りである。
【0103】
実施形態22において、式(I)の化合物は式(IB)を有し、
J
1は、C(H)であり;
R
1は、−C(O)−N(R
6a)(R
6b)であり;
I)R
6aは、Hであり、R
6bは、
a)−Q−R
AH(ここで、R
AHはフェニルであり、
そしてここで、R
AHは置換されていないかまたはフルオロおよびクロロからなる群から選択される1個のR
8部分で置換されており;
Qは、
(i) 結合、
(ii)
【化32】
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【0104】
(ここで、R
eはHであり、R
fはHまたはメチルである)、からなる群から選択され);
b)−Q−R
HC(ここで、R
HCはC
5−C
6シクロアルキルであり、前記C
5−C
6シクロアルキルはベンゼン環に縮合しており;
そしてここで、R
HCは、置換されていないかまたはフルオロおよびクロロからなる群から独立して選択される1から2個のR
12部分で置換されている)、であり;
II)または、R
6aおよびR
6bは、それらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成しており、ここで、R
6Hは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルであり;
ここで、R
6Hは、−Z−R
CYによって置換されており;
ここで、Zは結合であり;
R
CYは、置換されていないフェニルであるかまたはフルオロおよびクロロからなる群から選択される1から2個のR
10部分によって置換されているフェニルであり;
基:
【化33】
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【0105】
は、
【化34】
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【0106】
であり;
R
2は、置換されていないフェニルであるかまたは1から2個のフルオロまたはクロロによって置換されているフェニルである。
【0107】
実施形態23において、式(I)の化合物は、式(IC)を有し、
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0108】
式中、
R
1は、−C(O)−N(R
6a)(R
6b)であり;
I)R
6aは、Hであり、そして、R
6bは、
a)−Q−R
AH(ここで、R
AHは、フェニルであり、
そしてここで、R
AHは、置換されていないかまたはハロおよび−CNからなる群から選択される1個のR
8部分で置換されており;
Qは、
(i) 結合、
(ii)
【化36】
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【0109】
からなる群から選択され;ここで、R
eはHであり、R
fは、Hまたはメチルである);
b)−Q−R
HC(ここで、R
HCはC
5−C
6シクロアルキルであり、ここで、前記C
5−C
6シクロアルキルはベンゼン環に縮合しており;
そしてここで、R
HCは、置換されていないかまたはハロおよび−CNからなる群から独立して選択される1から2個のR
12部分で置換されている)、であり;
II)または、R
6aおよびR
6bは、それらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成しており、ここで、R
6Hは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルであり;
ここで、R
6Hは、−Z−R
CYによって置換されており;
ここで、Zは結合であり;そして
R
CYは、置換されていないフェニルであるかまたはハロおよび−CNからなる群から選択される1から2個のR
10部分によって置換されているフェニルであり;
R
6Hは、1から2個のR
9部分によって置換されていても良く、ここで、各R
9部分は、独立してC
1−C
3アルキル、ハロまたは−CNであり、
R
2は、置換されていないかまたはフルオロ、クロロ、C
1−C
3アルキル、トリフルオロメチル、C
1−C
3アルコキシ、−CNおよび−OCF
3からなる群から独立して選択される1から2個のR
5基によって置換されている。
【0110】
実施形態24において、式(I)の化合物は式(IC)を有し、
R
1は、−C(O)−N(R
6a)(R
6b)であり;
I)R
6aは、Hであり、そしてR
6bは、
a)−Q−R
AH(ここで、R
AHはフェニルであり、
そしてここで、R
AHは置換されていないかまたはフルオロおよび−CNからなる群から選択される1個のR
8部分で置換されている);
b)−Q−R
HC(ここで、R
HCはC
5−C
6シクロアルキルであり、前記C
5−C
6シクロアルキルはベンゼン環に縮合しており;
そしてここで、R
HCは置換されていないかまたはハロおよび−CNからなる群から独立して選択される1から2個のR
12部分で置換されている)、であり;
II)または、R
6aおよびR
6bは、それらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成しており、ここで、R
6Hはピロリジニル、ピペリジニルまたはピペラジニルであり;
ここで、R
6Hは−Z−R
CYで置換されており、ここで、R
CYは置換されていないフェニルであるかまたはハロおよび−CNからなる群から選択される1から2個のR
10部分によって置換されているフェニルであり;
R
6Hは、1から2個のR
9部分によって置換されていても良く、ここで、各R
9部分は、独立してC
1−C
3アルキル、ハロまたは−CNであり、
R
2は、置換されていないフェニルであり;
QおよびZは、実施形態23で上記の通りである。
【0111】
実施形態25において、R
6aおよびR
6bは、それらが結合しているN原子と一緒になってR
6Hを形成しており、R
6Hはピペラジニルであり、構造式および残りの可変要素は実施形態24に記載の通りである。
【0112】
本発明は、下記の実施例セクションにおける表AおよびBで具体的に示された化合物のいずれかを提供するものであり、これらの表は、化合物3、3T、3U、3V、3W、3X、3Y、3Z、3AA、3AB、3AC、3AD、3AE、3AF、3AG、4、4D、4E、4F、4G、5、5G、5N、5o、5P、5Q、5R、5S、6、6F、6G、7、7C、8、8G、9、10、10C、10D、10E、10F、11、11D、11E、11F、12、13、14、14C、14D、14E、14F、14G、14H、15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15i、15J、15K、15L、15M、15N、15o、15P、15Q、15R、15S、15T、15U、15V、15X、15Y、15Z、15AA、15AB、15AC、15AD、15AE、15AF、15AG、15AH、15Ai、15AJ、15AK、15AL、15AM、15AN、15Ao、15AP、15AQ、15AR、15AS、15AT、15AU、15AV、15AW、15AX、15AY、15AZ、15BA、15BB、15BC、15BD、15BE、15BF、15BG、15BH、15Bi、15BJ、15BK、15BL、15BM、15BN、15Bo、15BQ、15BR、15BS、15BT、15BU、16、16F、16G、16H、16i、16J、16K、16L、16M、16N、16o、16P、16Q、16R、16S、16T、16U、16V、16W、16X、16Y、16Z、16AA、16AB、16AC、16AD、16AE、16AF、16AG、16AH、16Ai、16AJ、16AK、16AL、16AM、16AN、16Ao、16AP、16AQ、16AR、16AS、17、17D、17E、17F、17G、17H、17i、17J、17K、17L、17M、17N、17o、17P、17Q、17R、17S、17T、17U、17V、17V、17W、17X、17Y、17Z、18、18D、18E、18F、18G、18H、19、19F、19G、19H、19i、19J、19K、20、20F、20G、20H、21、22、22D、23、24、24H、24i、25、26、26E、26F、26G、26H、26i、26J、26K、26L、26M、26N、26o、26P、26Q、26R、26S、26T、26U、26V、26W、26X、26Y、26Z、26AA、26AB、28、29、30、30E、31、31C、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、44、44D、44E、44F、44G、44H、44i、44J、44K、44L、44M、44Nおよび10から728、またはこれらの医薬として許容される塩を含む。これら化合物の構造式および名称は、下記の実施例セクションに記載されている。
【0113】
別の実施形態において、本発明は、下記の実施例セクションにおける表Aで具体的に示された化合物のいずれかも提供するものであり、その表は、化合物3、3T、3U、3V、3W、3X、3Y、3Z、3AA、3AB、3AC、3AD、3AE、3AF、3AG、4、4D、4E、4F、4G、5、5G、5N、5o、5P、5Q、5R、5S、6、6F、6G、7、7C、8、8G、9、10、10C、10D、10E、10F、11、11D、11E、11F、12、13、14、14C、14D、14E、14F、14G、14H、15A、15B、15C、15D、15E、15F、15G、15H、15i、15J、15K、15L、15M、15N、15o、15P、15Q、15R、15S、15T、15U、15V、15X、15Y、15Z、15AA、15AB、15AC、15AD、15AE、15AF、15AG、15AH、15Ai、15AJ、15AK、15AL、15AM、15AN、15Ao、15AP、15AQ、15AR、15AS、15AT、15AU、15AV、15AW、15AX、15AY、15AZ、15BA、15BB、15BC、15BD、15BE、15BF、15BG、15BH、15Bi、15BJ、15BK、15BL、15BM、15BN、15Bo、15BQ、15BR、15BS、15BT、15BU、16、16F、16G、16H、16i、16J、16K、16L、16M、16N、16o、16P、16Q、16R、16S、16T、16U、16V、16W、16X、16Y、16Z、16AA、16AB、16AC、16AD、16AE、16AF、16AG、16AH、16Ai、16AJ、16AK、16AL、16AM、16AN、16Ao、16AP、16AQ、16AR、16AS、17、17D、17E、17F、17G、17H、17i、17J、17K、17L、17M、17N、17o、17P、17Q、17R、17S、17T、17U、17V、17V、17W、17X、17Y、17Z、18、18D、18E、18F、18G、18H、19、19F、19G、19H、19i、19J、19K、20、20F、20G、20H、21、22、22D、23、24、24H、24i、25、26、26E、26F、26G、26H、26i、26J、26K、26L、26M、26N、26o、26P、26Q、26R、26S、26T、26U、26V、26W、26X、26Y、26Z、26AA、26AB、28、29、30、30E、31、31Cおよび100から253、または医薬として許容されるその塩を含む。
【0114】
別の具体的な実施形態において、本発明は、14、14D、14G、15A、15B、15C、15D、15E、15K、15N、15P、15Q、15R、15S、15T、15X、15Z、15AB、15AC、15AD、15AF、15Ai、15AJ、15AK、15AL、15AN、15Ao、15AP、15AR、15AU、15AV、15AW、15AX、15AY、15AZ、15BA、15BB、15BC、15BD、15BF、15BH、15BK、15BM、15BN、15BQ、15BR、15BS、15BT、15BU、16、16F、16H、16i、16J、16K、16L、16N、16P、16R、16S、16T、16U、16V、16Y、16AB、16AC、16AE、16AG、16AH、16AK、16AQ、17、17D、17M、17S、18、19、19G、20、24i、26E、26J、26K、26L、26N、26o、26P、26S、26Y、39、40、41、44H、44i、100、102から107、109から113、117、119から132、135、136、142、143、145、147、148、162、163、164、166、167、172、174、217、231、251、254、255、256、375、412、426、457、491、507、512、585および628または医薬として許容されるその塩からなる群から選択される化合物のいずれかを提供する。
【0115】
別の具体的な実施形態において、本発明は、14、14D、14G、15A、15B、15C、15D、15E、15K、15N、15P、15Q、15R、15S、15T、15X、15Z、15AB、15AC、15AD、15AF、15Ai、15AJ、15AK、15AL、15AN、15Ao、15AP、15AR、15AU、15AV、15AW、15AX、15AY、15AZ、15BA、15BB、15BC、15BD、15BF、15BH、15BK、15BM、15BN、15BQ、15BR、15BS、15BT、15BU、16、16F、16H、16i、16J、16K、16L、16N、16P、16R、16S、16T、16U、16V、16Y、16AB、16AC、16AE、16AG、16AH、16AK、16AQ、17、17D、17M、17S、18、19、19G、20、24i、26E、26J、26K、26L、26N、26o、26P、26S、26Y、100、102から107、109から113、117、119から132、135、136、142、143、145、147、148、162、163、164、166、167、172、174、217、231、251、254および255または医薬として許容されるその塩からなる群から選択される化合物のいずれかを提供する。
【0116】
本発明は、純粋な形態での式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩も提供する。
【0117】
組成物および投与
本発明は、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩および医薬として許容される担体を含む医薬組成物に関するものでもある。
【0118】
好ましい用量は、式(I)の化合物約0.001から100mg/kg/日である。特別に好ましい用量は、式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩約0.01から10mg/kg/日である。
【0119】
「医薬組成物」という用語は、1を超える(例えば2種類)医薬活性薬剤、例えば本発明の化合物と、本明細書で下記に記載の別の薬剤のリストから選択される別の治療薬とを、任意の医薬として不活性な賦形剤と共に含んでなるバルク組成物および個別の単位製剤の両方を包含するものとする。バルク組成物と各個別の単位製剤とは、一定量の前記「1を超える医薬活性薬剤」を含んでいることができる。バルク組成物は、個別の単位製剤にまだ成形されていない材料である。単位製剤の例としては、錠剤、丸薬などの経口単位製剤がある。同様に、本明細書に記載の、本発明の医薬組成物を投与することによる患者の治療方法もまた、前記バルク組成物および個別の単位製剤の投与を包含するものである。
【0120】
本発明によって記載されている化合物から医薬組成物を製造するための、不活性な医薬として許容される担体は、固体または液体のいずれであってもよい。固体製剤は、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤を含む。散剤および錠剤は、約5から約95パーセントの有効成分を含んでいてよい。適切な固体担体は当技術分野において公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースである。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適した固体製剤として使用され得る。製薬上許容される担体の例および種々の組成物の製造方法は、A.Gennaro(ed.), Remington′s Pharmaceutical Sciences, 18 (1990), Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvaniaにある。
【0121】
液体製剤は、液剤、懸濁剤および乳濁液を含む。そのような液体製剤を形成する上で有用な材料の例には、非経口注射用の水または水−プロピレングリコール溶液、または経口溶液、懸濁剤および乳濁液用の甘味料および乳白剤などがある。液体形態製剤には、鼻腔内投与用の溶液または懸濁液もあり得る。
【0122】
吸入に適したエアロゾル製剤は、溶液および粉末形態の固体を含み得、不活性圧縮ガス、例えば窒素等の製薬上許容される担体と組み合わせられていてもよい。
【0123】
使用直前に、経口または非経口投与いずれか用の液体製剤に変換するための固体製剤も含まれる。そのような液体形態は、溶液、懸濁液および乳濁液を含む。
【0124】
本発明の化合物は、経皮的に送達可能であってもよい。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態をとってよく、これに関して当技術分野において慣例的であるように、マトリックス型または貯蔵型の経皮貼付剤に含まれていてよい。
【0125】
本発明の化合物は、皮下送達することもできる。
【0126】
好ましくは、化合物は経口投与される。
【0127】
好ましくは、医薬製剤は単位製剤である。そのような形態において、製剤は、適量の、例えば所望の目的を達成するために有効な量の活性成分を含有する適切にサイズ決定された単位用量に細分される。
【0128】
単位用量の製剤における活性化合物の量は、約0.001mgから約100mg/哺乳動物体重kg、好ましくは約0.01mgから約10mg/kgで変動または調節できる。用いられる実際の用量は、患者の必要条件および治療される症状の重度に応じて変動し得る。特定の状況のための適正な投薬計画の決定は、当技術分野の技量の範囲内である。便宜上、総日用量を分割し、必要に応じて1日の中で分割して投与してよい。
【0129】
本発明の組成物はさらに、下記でさらに詳細に記載されている1以上の別の治療薬を含むことができる。従って、一実施形態において、本発明は、(i)式(I)の化合物もしくは医薬として許容されるその塩;(ii)式(I)の化合物ではない1以上の別の治療薬;および(iii)医薬として許容される担体、を含む組成物を提供し、その組成物中の量が一緒になって、上記で記載の疾患または症状のいずれかを治療する上で有効である。
【0130】
化合物の使用
式(I)の化合物はCRTH
2に結合することから、CRTH
2を含む組織の特徴を決定し、CRTH
2に結合する別の化合物を同定する上で有用である。CRTH
2受容体への結合における本発明の化合物の大体の価値は、例えば実施例セクションで下記に記載されている放射性リガンド結合アッセイを用いて求めることができる。
【0131】
式(I)の化合物は、CRTH
2受容体機能の調節剤としても有用であり得る。一部の実施形態では、式(I)の化合物はCRTH
2受容体の拮抗薬である。CRTH
2受容体機能への拮抗における本発明の化合物の大体の価値は、例えば実施例セクションで下記に記載されている化学発光に基づくcAMPアッセイ、β−アレスチンアッセイまたは好酸球形状変化アッセイを用いて求めることができる。
【0132】
いずれか具体的な理論に拘束されるものではないが、本出願人らは、式(I)の化合物が、CRTH
2受容体に拮抗する能力を有することから、CRTH
2機能の未制御もしくは不適切な刺激に関連する疾患もしくは症状を治療する上で有用であると考えている。従って、一実施形態において、本発明は、処置を必要とする患者に対して治療上有効量の式(I)の化合物を投与することを含む、CRTH
2機能の未制御もしくは不適切な刺激に関連する疾患または症状を治療する方法を提供する。ある種の実施形態において、その方法で使用される式(I)の化合物は、実施例セクションに記載の表Aに挙げた代表的化合物の一つから選択される。
【0133】
CRTH
2機能の未制御もしくは不適切な刺激に関連する疾患もしくは症状には、ヒトその他の哺乳動物における喘息、鬱血、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患(「COPD」)、皮膚炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、アレルギー性腎炎、結膜炎、気管支喘息、食物(fold)アレルギー、全身性肥満細胞障害、アナフィラキシーショック、蕁麻疹、湿疹、掻痒、炎症、虚血−再潅流傷害、脳血管障害、胸膜炎、潰瘍性大腸炎、好酸球関連疾患(チャーグ・ストラウス症候群および副鼻腔炎など)および好塩基球関連疾患(好塩基球性白血病および好塩基球増加症など)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0134】
ある種の実施形態において、本発明は、処置を必要とする患者に対して、治療上有効な量の式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩を投与することを含む、喘息、鬱血、アレルギー性鼻炎またはCOPDの治療方法を提供する。ある具体的な実施形態では、治療対象の疾患または症状は喘息である。別の実施形態において、治療対象の疾患または症状はCOPDである。
【0135】
さらに、CRTH
2受容体拮抗薬として作用する式(I)の化合物は、収縮性プロスタノイド類に拮抗するか弛緩性プロスタノイド類を模倣することでプロスタノイド誘発平滑筋収縮を阻害することができることから、月経困難症、早産および好酸球関連障害の治療で用いることができる。
【0136】
別の実施形態において、本発明は、喘息、鬱血、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、COPD、皮膚炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、アレルギー性腎炎、結膜炎、気管支喘息、食物アレルギー、全身性肥満細胞障害、アナフィラキシーショック、蕁麻疹、湿疹、掻痒、炎症、虚血−再潅流傷害、脳血管障害、胸膜炎、潰瘍性大腸炎、好酸球関連疾患(チャーグ・ストラウス症候群および副鼻腔炎など)および好塩基球関連疾患(好塩基球性白血病および好塩基球増加症など)からなる群から選択される疾患または症状を治療するための医薬の製造に用いられる式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩を提供する。当該使用におけるある種の実施形態では、式(I)の化合物は、実施例セクションに記載の表Aに挙げた代表的化合物の一つから選択される。
【0137】
別の実施形態において、本発明は、喘息、鬱血、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、COPD、皮膚炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、アレルギー性腎炎、結膜炎、気管支喘息、食物アレルギー、全身性肥満細胞障害、アナフィラキシーショック、蕁麻疹、湿疹、掻痒、炎症、虚血−再潅流傷害、脳血管障害、胸膜炎、潰瘍性大腸炎、好酸球関連疾患(チャーグ・ストラウス症候群および副鼻腔炎など)および好塩基球関連疾患(好塩基球性白血病および好塩基球増加症など)からなる群から選択される疾患または症状の治療で使用される式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩を提供する。その使用のある種の実施形態では、式(I)の化合物は、実施例セクションに記載の表Aに挙げた代表的化合物の一つから選択される。
【0138】
上記の方法および使用の具体的な実施形態において、上記の方法または使用で使用される化合物は、化合物3T、3U、3V、3W、3X、3Y、3AA、3AB、3AC、3AD、3AE、3AF、4、4D、4E、4F、5N、5P、5R、5S、6F、7C、8、8G、10、10C、10D、10F、11、11D、11E、11F、12、14、14C、14D、14E、14F、14G、14H、15A、15B、15C、15D、15E、15F、15H、15i、15J、15K、15L、15M、15N、15o、15P、15Q、15R、15S、15T、15X、15Z、15AA、15AB、15AC、15AD、15AE、15AF、15AG、15AH、15Ai、15AJ、15AK、15AL、15AM、15AN、15AP、15AR、15AU、15AV、15AW、15AX、15AY、15AZ、15BA、15BB、15BC、15BD、15BE、15BF、15BH、15BJ、15BK、15BL、15BM、15BN、15Bo、15BQ、15BR、15BS、15BT、15BU、16、16F、16H、16i、16J、16K、16L、16N、16P、16S、16T、16U、16V、16W、16X、16Y、16AB、16AC、16AD、16AE、16AG、16AH、16AJ、16AK、16AQ、16AR、17、17D、17E、17G、17M、17S、17Y、17Z、18、19、19F、19G、19J、20、20F、20G、20H、22、22D、23、24H、24i、25、26E、26F、26G、26H、26i、26J、26K、26L、26M、26N、26o、26P、26Q、26R、26S、26T、26U、26V、26W、26X、26Y、26AA、26AB、28、29、30、31、31C、100、102、104から128、130から136、143、145、148、155、156、160、162から164、166、167、169、170、172、174から176、180、182から191、198、199、204から212、215、217から222、224から229、231、232、234から243、245から249および251から255または医薬として許容されるその塩の選択されたものである。
【0139】
併用療法
式(I)の化合物または医薬として許容されるその塩は、単独の製剤としての、または少なくとも1種類の別の治療剤との別個の製剤としての、共投与で併用して、本明細書に記載の疾患および症状を治療または予防することができる。これらの別の治療薬には、(1)S−5751およびラロピプラントなどのDP受容体拮抗薬;(2)コルチコステロイド、例えば、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニド、ベクロメタゾン、フルチカゾンおよびモメタゾン;(3)β2−アドレナリン作動薬、例えば、サルメテロール、フォルモテロール、アルホルモテロール、テルブタリン、メタプロテレノール、アルブテロールなど;(4)モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカストなどのロイコトリエン受容体拮抗薬をはじめとするロイコトリエンモディファイヤーまたは5−リポキシゲナーゼ阻害剤をはじめとするリポキシゲナーゼ阻害薬およびジレウトンなどのFLAP(5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質)阻害剤;(5)抗ヒスタミン剤、例えば、ブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミンピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリシン、フェキソフェナジン、デスカルボエトイシロラタジンなど;(6)フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エフィネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン、またはレボーデスオキシフェドリンをはじめとする鬱血除去薬;(7)コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン、またはデキストロメトルファン(dextramethorphan)をはじめとする鎮咳剤;(8)ラタノプロストなどのプロスタグランジンF作動薬を含めた別のプロスタグランジンリガンド;ミソプロストール、エンプロスチル、リオプロスチル、オルノプロストル(ornoprostol)、またはロサプロストル;(9)利尿薬;(10)非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えばプロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパック、オクスピナク(oxpinac)、スリンダック、チオピナク(tiopinac)、トルメチン、ジドメタシン、およびゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸、およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサル)、オキシカム系(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム、およびテノキシカム)、サリチル酸系(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)、およびピラゾロン系(アパゾン、ベズピペリロン(bezpiperylon)、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);(11)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えばセレコキシブおよびロフェコキシブ;(12)ホスホジエステラーゼIV型(PDE−IV)の阻害剤、例えばアリフロ(Ariflo)、ロフルミラスト;(13)ケモカイン受容体の拮抗薬、特に、CCR−1、CCR−2、およびCCR−3;(14)コレステロール低下剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、およびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンその他のスタチン類)、金属イオン封鎖剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラート、およびベンザフィブラート(benzafibrate))、およびプロブコール;(15)抗糖尿病薬、例えばインスリン、スルホニル尿素、ビグアナイド系(メトホルミン)、α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース)、およびグリタゾン系(トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、ロシグリタゾンなど);(16)インターフェロンβの製剤(インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b);(17)抗コリン作用薬、例えばムスカリン受容体拮抗薬(臭化イプラトロピウムおよび臭化チオトロピウム)、ならびに選択的ムスカリンM3受容体拮抗薬;(18)ステロイド系、例えばベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾン、およびヒドロコルチゾン;(19)片頭痛の治療によく使用されるトリプタン系、例えば、スミトリプタンおよびリザトリプタン;(20)骨粗鬆症のためのアレンドロネートおよびその他の治療;(21)その他の化合物、例えば5−アミノサリチル酸およびそのプロドラッグ、代謝拮抗薬、例えばアザチオプリンおよび6−メルカプトプリン、細胞傷害性癌化学療法薬、ブラジキニン(BK2)拮抗薬、例えばFK−3657、TP受容体拮抗薬、例えばセラトロダスト、ニューロキニン拮抗薬(NK1/NK2)、VLA−4拮抗薬、例えばUS5,510,332、WO97/03094、WO97/02289、WO96/40781、WO96/22966、WO96/20216、WO96/01644、WO96/06108、WO95/15973、およびWO96/31206に記載されるものなどがあるが、これらに限定されるものではない。さらに、本発明は、プロスタグランジンD
2介在疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、直前に列挙されたような成分のうち1以上と同時投与しても良い非毒性の治療上有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法を包含する。
【0140】
投与を必要とする患者に対して併用療法で投与を行う場合、組み合わされる治療剤またはそれら治療剤を含む医薬組成物もしくは医薬組成物類は、いずれの順序でも投与することができ、例えば順次、同時、一緒、一斉などで投与することができる。
【0141】
一実施形態において、式(I)の化合物は、前記別の治療剤がその予防効果もしくは治療効果を発揮する時に投与し、またはその逆で投与する。
【0142】
別の実施形態において、式(I)の化合物および前記別の治療剤は、そのような薬剤を障害治療のための単独療法として用いる場合に一般に用いられる用量で投与される。
【0143】
別の実施形態において、式(I)の化合物および前記別の治療剤は、そのような薬剤を障害治療のための単独療法として用いる場合に一般に用いられる用量より低い用量で投与される。
【0144】
一実施形態において、式(I)の化合物および前記別の治療剤は、経口投与に好適な同一組成物中に存在する。
【0145】
式(I)の化合物および前記別の治療剤は、相加的または相乗的に作用し得る。相乗的組み合わせによって、1以上の薬剤の使用する用量を低くし、および/または併用療法の1以上の薬剤の投与回数を減らすことが可能となる。1以上の薬剤の用量を低下させるか投与回数を減らすことで、治療法の効力を低下させずに毒性を低下させることができる。
【0146】
疾患もしくは障害の治療もしくは予防用の本発明の併用療法で使用される前記別の治療剤の用量および投与方法は、添付文書中の承認されている用量および投与法;患者の年齢、性別および全身の健康状態;およびウィルス感染または関係する疾患もしくは障害の種類および重度を考慮して担当医が決定することができる。
【0147】
本発明の別の態様は、治療上有効量の式(I)の化合物もしくは医薬として許容されるその塩、場合により少なくとも1種類の上記で挙げた別の治療剤、および医薬として許容される担体、媒体もしくは希釈剤を含むキットである。
【0148】
式(I)の化合物の製造方法
概して、本発明における化合物は、当業者に公知の各種方法またはその方法に類似の公知の方法によって製造することができる。本明細書に開示の発明は、下記の製造および実施例によって例示されるが、それらは本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。別の機構的経路および類似の構造は、当業者に明らかであろう。実施者はこれらの方法に制限されるものではない。
【0149】
当業者には、付属の置換基の選択に応じて一つの経路を至適化することは明らかであろう。さらに、当業者には、場合により段階の順序を管理して官能基の不適合性を回避しなければならないことは明らかであろう。
【0150】
製造された化合物は、それの組成および純度について分析することができ、さらには例えば元素分析、NMR、質量分析およびIRスペクトル測定などの標準的な分析技術によって特性決定することができる。
【0151】
当業者には、実際に使用される試薬および溶媒を、当業界で有効な等価物であることが知られているいくつかの試薬および溶媒から選択することができることは明らかであろう。従って、具体的な溶媒または試薬について言及する場合、それは、その特定の反応スキームまたは下記に記載の製造に望ましい条件の例示的な例であることを意図したものである。
【0152】
NMRデータが提供される場合、
1Hスペクトラムは、Varian VXR−400(400MHz、1H)、Varian Gemini−300(300MHz)、Varian Mercury VX−400(400MHz)、Bruker−Biospin AV−500(500MHz)またはBruker Avance DRX−500(500MHz)で得たものであり、化学シフトは、括弧内に示したプロトン数および多重度とともにppmとして報告している。
【0153】
LC/MSデータが提供される場合、分析は、1.8μM Zorbax SB−C18カラム(2.7分かけて10%から95%のMeCN−H
2O(0.1%TFA含有)、1mL/分)またはApplied Biosystems API−150質量分析装置およびGemini C18カラム(50×4.6mm、5分間かけて0%から95%CH
3CN−H
2O(0.05%TFA含有)、1mL/分)を使用する1200シリーズAgilent 6140 Quadrupole LCMSを用いて実施した。
【0154】
下記の溶媒および試薬は、括弧内のそれらの略称によって言及することができる。
【0155】
Me−メチル;Et−エチル;Pr−プロピル;Bu−ブチル;t−Bu=tert−ブチル;Ph=フェニル、およびAc=アセチル
μl=マイクロリットル
Acac=アセチルアセトン
AcOEtまたはEtOAc=酢酸エチル
AcOHまたはHOAc=酢酸
ACN=アセトニトリル
aq=水性
Ar=アリール
atm=気圧
9−BBN=9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
Bn=ベンジル
BocまたはBOC=tert−ブトキシカルボニル
Bz=ベンゾイル
Boc=tert−ブトキシカルボニル
BINAP=2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビスナフチル
cat=触媒または触媒量の
Cbz=ベンジルオキシカルボニル
DAST=三フッ化ジエチルアミノ硫黄
DBU=1,8−ジアザ−7−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン
DCMまたはCH
2Cl
3:ジクロロメタン:
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
DIBAL=水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEAまたはヒューニッヒ塩基=N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DME=1,2−ジメトキシエタン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMS=ジメチルスルフィド
DMSO=ジメチルスルホキシド
Dppf=1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCIまたはDEC=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
g=グラム
h=時間
HetAr=ヘテロアリール
HMDS=1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン
HATU=N,N,N′,N′−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウラニウム・ヘキサフルオロホスフェート
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
Im=イミダゾール
LAH=水素化リチウムアルミニウム
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
LCMS=液体クロマトグラフィー質量分析
LG=脱離基
min=分
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mmol=ミリモル
MeOH:メタノール
MS=質量分析
NBS=N−ブロモコハク酸イミド
NMR=核磁気共鳴スペクトル分析
PG=保護基
Pyr=ピリジン
racまたは(±)=ラセミ混合物またはエナンチオマー
RTまたはrt=室温(環境温度、約25℃)
sat=飽和
SM=原料
TBSCl=t−ブチルジメチルシリルクロライド
TBS=t−ブチルジメチルシリル
TEA=トリエチルアミン(Et
3N)
TFA=トリフルオロ酢酸
TFAA=トリフルオロ酢酸無水物
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
TMS=トリメチルシリル
TosまたはTs=p−トルエンスルホニル(トシル)
Tol=トルエン
IBMX=3−イソブチル−1−メチルキサンチン
HBSS=ハンクス平衡塩溶液
HEPES=1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタン−2−スルホン酸。
【0156】
本発明の化合物は、下記のスキームに示した一般的手法によって製造することができる。これらのスキームは本発明を説明することを目的として提供されている。その意図に関して支援を行うべく、通常の技術を有する者は、Chemical Abstracts; Beilstein, Protective Groups in Organic Synthesis 2nd Edition T. W. Greene, P.G.M. Wuts 1991, Wiley and Sons; Comprehensive Organic Transformations, Advanced Organic Chemistryなどの文献についての十分な知識を有するものと考えられる。
【0157】
スキーム1には、アミノアニリンS1を、置換されたオキソ酢酸(R
2=アリールまたはヘテロアリール;R=H;クロルギ酸エステル、オキサリルクロライドなどによって前活性化したもの)またはオキソ酢酸エステルS4(R
2=アリールまたはヘテロアリール;R=アルキル)で処理して、キノキサリンS2a(R′=OH)を得る手法が示されている。次に、この中間体をS2b(POCl
3、SOCl
2、P
2O
5/Bu
4NCl、P
2O
5/Bu
4NBr、Tf
2O、PhNTf
2などで処理することで、R′=OTf、Cl、Brまたは他の好適な基)に変換し、S5(9−BBNまたは類似のホウ素系試薬を用いるハイドロボレーション反応を介して前活性化されたもの;Y
S=適切なアルキル、シクロアルキル、アリールまたは複素環連結基;R
3S=エステル、またはニトリルもしくはアルコールなどのその他の適切な基)とカップリングさせてS3aを得る。次に、当業者には公知である多くの適切な合成方法の一つ(R
3S=エステルである場合の酸加水分解もしくは塩基加水分解、R
3S=ニトリルの場合の加水分解など)によってS3bへの最終変換を行う。さらに、R
3Sがニトリルである場合、適切なアジドとの反応によって、炭素連結されたテトラゾールへの変換を行うことができる。
【0158】
左側の変換(Aがエステル、ニトリル、ハロゲン、官能化されていても良いアルコール、スルホン酸その他の基などの官能基であるものを、A=アミド、ケトンまたはスルホンアミドなどのR
1の各種定義の一つへの変換)は、当業者に公知の方法によって行う。例えば、活性化アルコールまたはハロゲンを金属が触媒する方法または金属によって促進される方法によってカルボニル化してエステルまたは酸を得ることができ、それをさらに変換してアミドまたはケトンとすることができる。酸のアミドへの変換の場合、適切なアミンおよびカップリング剤(EDCI、HOBt、PyBop、HATUなど)または活性化方法(オキサリルクロライド、塩化チオニルなど)を用いることができる。
【0159】
スキーム1
【化37】
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【0160】
スキーム2には、S1を置換されていても良いオキソ酢酸またはオキソ酢酸エステルS7(Y=適切なアルキル、シクロアルキル、アリールまたは複素環連結基)で処理する手法を示している。得られた生成物S6aをS6b(R′=OTf、Cl、Brその他の好適な基)に変換し、金属触媒もしくは金属促進される方法(スティルカップリング、スズキカップリング、ネギシカップリングなど)によって適切に活性化された置換されていても良い相手とカップリングさせることでS3aを得る。
【0161】
スキーム2
【化38】
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【0162】
スキーム3には、S2aをS9(X
Sはハロゲン、活性化アルコールなどの脱離基である)および適切な塩基(LiOtBu、Cs
2CO
3、DIPEA、LDA、NaHその他の適切な試薬など)と反応させてS8aを得る手法を示している。
【0163】
スキーム3
【化39】
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【0164】
スキーム4には、段階的にキノキサリン合成を行う別途手順を示している。ニトロアニリンS10をS4(R
2=アリールまたはヘテロアリール;クロルギ酸エステル、オキサリルクロライドなどによって前活性化したものなど)と反応させる。得られたケタミドS11について、ニトロ還元(水素化またはSnCl
2による処理、または他の方法によって)および同時に環化を行ってS2aを得る。
【0165】
スキーム4
【化40】
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【0166】
スキーム5には、置換されたアミノベンズアルデヒドS12についてケトンS14(R
2はアリールまたはヘテロアリールであり、Yは連結基である)および水酸化物塩基を用いるフリードランダーキノリン合成を行ってS13を得る手法を示している。
【0167】
スキーム5
【化41】
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【0168】
スキーム6には、置換されているアミノベンズアルデヒドS12をケトンS16(R
2はアリールまたはヘテロアリールであり、Yはアルキル連結基である)および水酸化物塩基で処理してS15を得る手法を示してある。
【0169】
スキーム6
【化42】
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【0170】
スキーム7には、置換されたアミノベンズアルデヒドS12を、置換された酢酸S19(R
2はアリールまたはヘテロアリールであり;無水酢酸などで活性化したもの)で処理してS17a(R′=OH)を得る手法を示してある。次に、この中間体をS17b(R′=OTf、Cl、Br)に変換し、S5(Y
S=適切な連結基;R
3S=エステル)とカップリングさせ、スキーム1に記載の方法に従って加水分解して酸S18を得る。
【0171】
スキーム7
【化43】
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【0172】
記載の化合物の製造で用いられる原料(S1、S4、S5、S7、S9、S10、S12、S14、S16、およびS19など)および試薬は、Aldrich Chemical Co.(Wisconsin、USA)およびAcros Organics Co.(New Jersey、USA)などの商業的供給者から入手可能であるか、または当業者に公知の文献法によって製造した。
【0173】
式S3b、S3c、S8b、S13、S15およびS18bに記載のものなどの化合物は、上記で記載の一般的方法によって製造することができる。例示化合物は、下記の実施例に記載の方法に従って、または当業界で公知の原料から製造した。商業的供給者から入手できない場合、文献に公知の方法に従って原料を合成する。これらの実施例は、本発明をさらに説明するために提供されるものである。それらは例示のみを目的としたものであり、本発明の範囲はそれによっていかなる限定を受けると見なされるべきではない。
【0174】
実施例
実施例1
【化44】
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【0175】
ペント−4−エン酸1A(8.00g、80.0mmol)のDCM(50mL)中の溶液を窒素下に冷却して0℃とした。TFAA(25mL、80mmol)を加え、反応液を0℃で40分間撹拌した。tert−ブタノール(86mL、896mmol)を加え、反応液を昇温させて室温とし、16時間撹拌した。その後、飽和NaHCO
3水溶液で反応停止し、Et
2Oで希釈した。水層を分離し、Et
2Oで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0%から20%Et
2O/ペンタン)によって精製して、1を得た(4.47g、収率=18%)。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ5.92−5.76(m、1H)、5.12−4.96(m、2H)、2.49−2.43(m、1H)、2.42−2.36(m、1H)、2.36−2.27(m、2H)、1.44(s、9H)。
【0176】
実施例2
【化45】
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【0177】
段階1
2−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸
【化46】
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【0178】
2−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸エチル(2A)(3.14g、16.0mmol)のTHF(120mL)中の攪拌溶液に、LiOH(1.64g、31.9mmol)の水溶液(水40mL)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌した。この後、反応液を水およびヘプタンで希釈した。水層を分離し、0℃まで冷却し、1N HClによりpH3まで酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、2B(2.32g、収率=86%)を得た。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ9.30(brs、1H)、8.18−8.12(m、1H)、8.05−7.96(m、1H)、7.60−7.51(m、1H)、7.45−7.39(m、1H)。
【0179】
段階2
2−(3−フルオロフェニル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化47】
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【0180】
2B(1.65g、9.81mmol)およびトリエチルアミン(1.37mL、9.82mmol)のTHF(3mL)中の攪拌溶液に、0℃で窒素下にクロルギ酸エチル(0.93mL、9.76mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で20分間撹拌し、3,4−ジアミノ安息香酸メチル(1.79g、10.8mmol)のTHF(27mL)中の溶液を50分間かけてゆっくり加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し、室温まで昇温し、3日間撹拌した。この後、反応液を濃縮し、残留物をEt
2Oおよび水で磨砕した。固体を減圧濾過によって回収し、フィルターケーキをEt
2Oで洗浄し、減圧下に乾燥して、2Cを得た(2.56g、収率=87%)、
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6)δ12.82(s、1H)、8.26−8.05(m、2H)、8.01−7.91(m、2H)、7.90−7.80(m、1H)、7.64−7.51(m、1H)、7.46−7.36(m、1H)、3.91(s、3H)。
【0181】
段階3
3−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化48】
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【0182】
2C(2.56g、8.58mmol)およびPOCl
3(23mL)の懸濁液を110℃で窒素下に24時間撹拌した。反応液を冷却して室温とし、濃縮した。残留物をDCMに溶かし、氷をゆっくり加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。水層を分離し、DCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、2Dを得た(2.00g、収率=74%)。MS(M+H)=317。
【0183】
段階4
3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−(3−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化49】
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【0184】
1(1.14g、7.30mmol)の無水THF(10mL)中の溶液に、窒素下、0℃で、9−BBN(0.5M THF中溶液、14.6mL、7.30mmol)を加えた。反応液を0℃で30分間撹拌し、3時間で室温まで昇温させた。2D(1.00g、3.16mmol)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(310mg、0.380mmol)およびK
3PO
4(1.88g、8.86mmol)を加えた。懸濁液を脱気し(真空/窒素を3回)、60℃で18時間加熱した。この後、反応液を冷却して室温とし、濾過した。濾液をDCMおよび水で希釈した。水層を分離し、DCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、2Eを得た(1.43g、収率=99%)。MS(M+H)=439。
【0185】
段階5
3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル−2−(3−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
2E(1.43g、3.16mmol)およびLiOH(265mg、6.32mmol)のTHF(20mL)および水(10mL)中の溶液を室温で1時間撹拌した。この後、反応液を水で希釈し、ヘプタンで抽出した。水層を1N HClで酸性とし、DCMで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して、2を得た(1.13g、収率=84%):MS(M+H)=425。
【0187】
上記で記載の方法と同様にして、化合物2FをLiOHで処理して2Gを得て(
1H NMR、300MHz、CDCl
3:δ8.48(d、J=8.1Hz、2H)、7.81(d、J=8.3Hz、2H))、次いで、3,4−ジアミノ安息香酸メチルと反応させた。得られた3−オキソ−キノキサリン2H(MS:M+H=349)を、順次、POCl
3と反応させ(2iを取得、MS:M+H=367)、化合物1とカップリングさせ(2Jを取得、MS:M+H=489)、そして、LiOHで加水分解して2Kを得た(MS:M+H=475)。
【化51】
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【0188】
実施例3
【化52】
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【0189】
段階1
5−{3−(3−フルオロフェニル)−7−[メトキシ(メチル)カルバモイル]キノキサリン−2−イル}ペンタン酸tert−ブチル
【化53】
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【0190】
2(304mg、0.716mmol)、O,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(175mg、1.79mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.62mL、3.56mmol)およびBOP−Cl(547mg、2.15mmol)の無水THF(10mL)中の溶液を室温で窒素下に18時間撹拌した。この後、反応液をEtOAcで希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(30%から50%EtOAcヘプタン)によって精製して、3Aを得た(308mg、収率=92%)。MS(M+H)=468。
【0191】
段階2
5−[7−(シクロプロパンカルボニル)−3−(3−フルオロフェニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル
【化54】
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【0192】
3A(150mg、0.321mmol)の無水THF(1mL)中の攪拌溶液に、−40℃で窒素下にシクロプロピルマグネシウムブロマイド(0.5M THF中溶液、1.93mL、0.965mmol)を加えた。添加後、反応液を1時間かけて10℃まで昇温した。この後、飽和NH
4Cl水溶液で反応停止し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、3Bを得た(102mg、収率=71%)。MS(M+H)=449。
【0193】
段階3
5−[7−(シクロプロパンカルボニル)−3−(3−フルオロフェニル)キノキリン−2−イル]ペンタン酸
【化55】
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【0194】
3B(102mg、0.227mmol)のDCM(2mL)中の溶液にTFA(1mL)を加え、溶液を室温で1.5時間撹拌した。この後、反応液を濃縮し、残留物を水(0.1mL)、DCM(3mL)およびヘプタン(20mL)の混合物で磨砕した。固体を減圧濾過によって回収し、フィルターケーキを2:2:0.2CH
3CN/H
2O/1M NH
4OH(2.2mL)に溶かし、凍結乾燥して3を得た(70mg、収率=75%)。MS(M+H)=393。
【0195】
上記の3Aについて記載の方法と同様にして、化合物2を適切なアミンとカップリングさせて、下記の化合物を得た。
【表1】
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【0196】
上記の3Aについて記載の方法と同様にして、化合物2を適切なアミンとカップリングさせて、下記の化合物を得た。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0198】
上記の3Bについて記載の方法と同様にして、化合物3iをシクロプロピルマグネシウムブロマイドと反応させて、下記の化合物を得た。
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0199】
化合物3について上記で記載の方法と同様にして、示した原料(SM)のTFA脱保護から、下記の化合物を製造した。
【表4】
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【0201】
実施例4
【化56】
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【0202】
段階1
(S)−5−{7−[1−(ビフェニル−3−イル)エチルカルバモイル]−3−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]キノキサリン−2−イル}ペンタン酸tert−ブチル
【化57】
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【0203】
3L(59mg、0.090mmol)、フェニルボロン酸(11mg、0.090mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.46mg、0.005mmol)、および炭酸ナトリウム(25mg、0.225mmol)のトルエン(2mL)および水(0.1mL)中の攪拌溶液を、16時間加熱還流した。この後、反応液を冷却して室温とし、セライトの短い層で濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して4Aを得た(47mg、収率=79%)。MS(M+H)=654。
【0204】
段階2
(S)−5−{7−[1−(ビフェニル−3−イル)エチルカルバモイル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]キノキサリン−2−イル}ペンタン酸
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0205】
4A(47mg、0.071mmol)のDCM(2mL)中の攪拌溶液に、TFA(1mL)を加え、溶液を室温で1.5時間撹拌した。この後、反応液を濃縮し、残留物を水(0.1mL)、DCM(3mL)およびヘプタン(20mL)の混合物で磨砕した。固体を減圧濾過によって回収し、フィルターケーキを2:2:0.2CH
3CN/H
2O/1M NH
4OH(2.2mL)に溶かし、凍結乾燥して4を得た(21mg、収率=47%)。MS(M+H)=598。
【0206】
4Aについて上記で記載の方法と同様にして、下記の化合物を製造した。
【表5】
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【0207】
化合物4について上記で記載の方法と同様にして、示した原料(SM)のTFA脱保護を介して、下記の化合物を製造した。
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0208】
ラセミ混合物4Eをセミ分取Chiralpak ICカラム(15%エタノール−ヘキサン−0.1%ジエチルアミン)で分離して、純粋なエナンチオマー4F(エナンチオマー1、>99%ee、LCMS:M+H=598)および4G(エナンチオマー2、>99%ee、LCMS:M+H=598)を得た。
【0209】
実施例5
【化59】
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【0210】
段階1
2−(4−フルオロフェニル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化60】
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【0211】
0℃に冷却した2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸(507mg、3.02mmol、実施例2に記載の方法に従って2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸メチルから製造)およびトリエチルアミン(0.42mL、3.0mmol)の溶液に、クロルギ酸エチル(0.29mL、3.0mmol)を加えた。得られた混合物を0℃で20分間撹拌し、3,4−ジアミノ安息香酸メチル(551mg、3.32mmol)をTHF(10mL)中の溶液として50分間かけてゆっくり加えた。反応液を0℃で1時間、室温で72時間撹拌した。反応液を濃縮してほとんどのTHFを除去した。固体をEt
2Oおよび水で希釈し、0℃に冷却した。固体を濾過し、Et
2O(20mLで1回)およびDCM(20mLで1回)で洗浄して、2−(4−フルオロフェニル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン−6−カルボン酸メチルを得た(5A、665mg;収率=73.9%)。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6)δ12.77(s、1H)、8.50−8.38(m、2H)、7.98−7.89(m、2H)、7.84(dd、J=8.5、1.8Hz、1H)、7.41−7.29(m、2H)、3.91(s、3H)。
【0212】
段階2
3−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化61】
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【0213】
2−(4−フルオロフェニル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン−6−カルボン酸メチル(5A、2.20g、7.38mmol)、ホスホリルクロライド(20mL、200mmol)の懸濁液を脱気し、110℃で40時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、過剰のPOCl
3の一部を濃縮し、冷却して0℃とした。混合物をDCMで希釈し、氷をゆっくり加えた。この混合物を0℃で1時間撹拌した。有機層を除去し、水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0%から50%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチルを得た(SB、2.1g;収率=90%)。MS(M+H)=317。
【0214】
段階3
3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化62】
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【0215】
0℃に冷却したペント−4−エン酸tert−ブチル(1、1.5g、9.8mmol)のTHF(10mL、100mmol)中の溶液に0.5M 9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンのTHF(19.6mL)中の溶液を加えた。反応液を0℃で30分間および室温で3時間撹拌した。この溶液に、3−クロロ−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(5B、1.33g、4.20mmol)、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン錯体(1:1)(0.423g、0.518mmol)およびリン酸カリウム(2.5g、12mmol)を加えた。得られた溶液を脱気し、60℃で16時間撹拌した。濾液をDCMおよび水で希釈した。有機層を除去し、水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0%から60%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(5C、1.82g;収率=98%)を得た。MS(M+H)=439。
【0216】
段階4
3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸
【化63】
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【0217】
3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(5C、1.82g、4.15mmol)のTHF(30mL、400mmol)および水(15mL、830mmol)中の溶液に、水酸化リチウム・1水和物(352mg、8.39mmol)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌し、0.1N HClで反応停止した。反応液をEtOAcで希釈し、有機層を除去した。水層をEtOAcで抽出し(3回)、合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮して5Dを得た(1.67g;収率=94.8%、MS:M+H=425)。取得物を精製せずに用いた。
【0218】
段階5
5−(3−(4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ(メチル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル
【化64】
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【0219】
粗3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸(5D、1.67g、3,93mmol)、Ν,Ο−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(534mg、5.47mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.40mL、13.8mmol)のDCM(40mL、600mmol)中の溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.802g、5.94mmol)およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.53g、7.98mmol)を加えた。反応液を室温で18時間撹拌した。反応液を0.3N HClで希釈した。有機層を除去し、水層をDCM(3回)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO)、濾過し、および濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0%から100%EtOAcヘキサン)によって精製して、5−(3−(4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ(メチル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチルを得た(5E、1.50g;収率=81.5%)。MS(M+H)=468。
【0220】
段階6
5−(7−(シクロプロパンカルボニル)−3−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル
【化65】
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【0221】
−40℃に冷却した5−(3−(4−フルオロフェニル)−7−(メトキシ(メチル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル(5E、80mg、0.2mmol)のTHF(2mL、20mmol)中の溶液に、0.5Mのシクロプロピルマグネシウムブロマイド/THF(0.530mL)を加えた。反応液を10℃まで徐々に昇温させながら45分間撹拌した。希HClで反応停止し、DCMで希釈した。有機層を除去し、水層をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0%から70%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、5−(7−(シクロプロパンカルボニル)−3−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチルを得た(5F、58mg;収率=80%)。MS(M+H)=449。
【0222】
段階7
5−(7−(シクロプロパンカルボニル)−3−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化66】
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【0223】
5−(7−(シクロプロパンカルボニル)−3−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル(5F、57mg、0.13mmol)およびTFA(0.4mL、5mmol)のDCM(1.6mL、25mmol)中の溶液を2時間撹拌した。残留物を逆相クロマトグラフィー(10:90から100:00CH
3CN/H
2O(0.1%TFA))によって精製して、5−(7−(シクロプロパンカルボニル)−3−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸(5)を得た。MS(M+H)=393。
【0224】
上記で記載の方法と同様にして、化合物5G(MS、M+H=429)を5Eから製造した。
【化67】
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【0225】
上記の3Aについて記載の方法と同様にして、化合物5Dを適切なアミンとカップリングさせて、下記の化合物を得た。
【表7】
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【0226】
上記で記載の方法と同様にして、示した原料(SM)のTFA脱保護から、下記の化合物を製造した。
【表8】
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【0227】
実施例6
【化68】
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【0228】
実施例5に記載のものと同様の方法で、3,4−ジアミノ安息香酸メチルを2−オキソ−2−フェニル酢酸と反応させた。得られた生成物6Aを化合物6Eとし、それを用いて下記の化合物を製造した。
【表9】
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【0229】
上記のものと同様の方法で、6CをTFAによって脱保護して、7−(メトキシカルボニル)−3−フェニル−2−キノキサリンペンタン酸6Hを得た(MS、M+H=365)。
【化69】
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【0230】
実施例7
【化70】
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【0231】
段階1
5−[3−(4−フルオロフェニル)−7−(メチルカルバモイル)キノキサリン−2−イル]ペンタン酸tert−ブチル
【化71】
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【0232】
5E(154mg、0.329mmol)の無水THF(5mL)中の攪拌溶液に、−20℃で窒素下にtert−ブチルマグネシウムクロライド(2M THF中溶液、0.330mL、0.660mmol)を加えた。反応混合物を40分間かけて10℃までゆっくり昇温させ、飽和NH
4Cl水溶液で反応停止した。得られた混合物をDCMで抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(50%から70%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、7Aを得た(58mg、収率=40%)。MS(M+H)=438。
【0233】
段階2
5−[3−(4−フルオロフェニル)−7−(メチルカルバモイル)キノキサリン−2−イル]ペンタン酸
【化72】
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【0234】
7A(58mg、0.133mmol)およびTFA(1mL)のDCM(2mL)中の溶液を室温で2時間撹拌した。この後、反応混合物を濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(2%から10%MeOH/DCM)によって精製し、CH
3CN(2mL)、H
2O(1mL)および1M NH
4OH(0.2mL)から凍結乾燥して、3−(4−フルオロフェニル)−7−[(メチルアミノ)カルボニル]−2−キノキサリンペンタン酸7を得た(43mg、収率=81%)。MS(M+H)=382。
【0235】
上記で記載の方法と同様にして、化合物5Eをイソプロピルマグネシウムブロマイドと反応させて7B(MS、M+H=451)を得て、次にTFAによって脱保護して、3−(4−フルオロフェニル)−7−(2−メチル−1−オキソプロピル)−2−キノキサリンペンタン酸7Cを得た(MS、M+H=395)。
【化73】
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【0236】
実施例8
【化74】
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【0237】
段階1
3−ニトロ−4−{[オキソ(フェニル)アセチル]アミノ}安息香酸メチル
【化75】
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【0238】
0℃に冷却したベンゾイルギ酸(1.26g、8.41mmol)のTHF(19mL)中の溶液にDMF(0.030mL、0.382mmol)を加えた後、オキサリルクロライド(0.74mL、8.4mmol)を滴下し(激しく発泡)、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、2時間かけて室温まで昇温した。反応溶液を、4−アミノ−3−ニトロ安息香酸メチル(8A、1.5g、7.7mmol)およびトリエチルアミン(2.1mL、15mmol)のTHF(57mL)中の0℃に冷却した溶液に滴下し、終夜かけて室温まで昇温した。反応液をEtOAcとNaHCO
3水溶液(飽和)との間で分配した。有機層を食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、黄色固体8Bを得た。
【0239】
段階2
2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化76】
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【0240】
黄色固体8B(2.45g、7.46mmol)およびPt/V(0.73g、0.037mmol)のTHF(50mL)およびMeOH(50mL)中の溶液を、水素雰囲気(風船)下、室温で30分間撹拌した。反応液をセライトによって濾過し、濃縮して黄色固体を得た。SiO
2でのクロマトグラフィー(0%から20%EtOAc/DCM)による精製によって8Cを得た。
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6)δ12.85(s、1H)、8.33(s、1H)、8.29(d、J=8.1Hz、2H)、8.06(d、J=8.6Hz、1H)、7.48−7.52(m、3H)、7.39(d、J=8.6Hz、1H)、3.88(s、3H);MS(M+H)=281。
【0241】
段階3
2−クロロ−3−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化77】
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【0242】
8C(300mg、1.1mmol)のPOCl
3(3mL)中の懸濁液を110℃で終夜撹拌し、濃縮して乾固させた。残留物をDCMに溶かし、1N NaOH、水で抽出し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮した。SiO
2でのクロマトグラフィー(0%から50%EtOAc/DCM)による精製によって8Dを得た。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ8.87(s、1H)、8.39(d、J=8.8Hz、1H)、8.11(d、J=8.6Hz、1H)、7.87−7.89(m、2H)、7.55−7.56(m、3H)、4.02(s、3H);MS(M+H)=299。
【0243】
段階4
2−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−3−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化78】
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【0244】
ペント−4−エン酸tert−ブチル(1、230mg、1.47mmol)のTHF(2mL)中の0℃の冷却溶液に、0.5M 9−BBNのTHF中の溶液(3.0mL、1.47mmol)を加え、0℃で30分間撹拌した。反応液を2.5時間かけて室温まで昇温し、8D(110mg、0.368mmol)、PdCl
2(dppf)−CH
2Cl
2(39mg、0.048mmol)およびH
3PO
4(190mg、0.88mmol)の入ったフラスコに加えた。その新たな溶液を窒素ガス吹き込みによって15分間脱気し、60℃まで加熱し、終夜撹拌した。反応液をDCMおよび水で希釈し、層を分離した。水層をDCMで抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮した。SiO
2でのクロマトグラフィー(0%から50%EtOAc/ヘキサン)によって8Eを得た。MS(M+H)=421。
【0245】
段階5
2−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−3−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸
【化79】
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【0246】
メチルエステル8E(85mg、0.20mmol)のTHF(1mL)中の溶液に1M LiOH水溶液(1mL)を加えた。2時間撹拌後、反応混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl、水で抽出し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮して8Fを得た。MS(M+H)=407。
【0247】
段階6
5−(6−{[(3−クロロベンジル)オキシ]カルボニル}−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化80】
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【0248】
酸8F(20mg、0.049mmol)、3−クロロベンジルアミン(9μL、0.07mmol)、HOBT(11mg、0.074mmol)およびEDC(19mg、0.098mmol)のDCM(1mL)中の溶液を室温で終夜撹拌した。反応液にTFA(160μL)を加え、2時間撹拌し、濃縮した。逆相クロマトグラフィー(MeCN/水)によって、所望の最終生成物8を得た。
1H NMR(500MHz、DMSO−d
6)δ9.44(t、J=5.9Hz、1H)、8.62(s、1H)、8.25(d、J=8.8Hz、1H)、8.14(d、J=8.8Hz、1H)、7.69(m、2H)、7.55(m、3H)、7.30−7.40(m、3H)、4.53(d、J=6.1Hz、2H)、3.02(t、J=7.4Hz、2H)、2.14(t、J=7.5Hz、2H)、1.71(t、J=7.5Hz、2H)、1.46(m、2H);MS(M+H)=474。
【0249】
8の合成について記載の方法と同様にして、酸8Fを(R)−1−(4−フルオロフェニル)−エタンアミンにカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで、化合物8G(MS、M+H=472)を製造した。
【化81】
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【0250】
実施例9
【化82】
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【0251】
段階1
3−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブトキシ)−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化83】
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【0252】
6A(300mg、1.1mmol)およびCs
2CO
3(500mg、1.5mmol)のDMF(5mL)中の懸濁液を4−ブロモブタン酸tert−ブチル(300mg、1.3mmol)で処理し、100℃で3時間撹拌した。DCMで希釈し、2N HCl、水で抽出し、乾燥し、濃縮した。SiO
2でのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAcヘキサン)によって、所望のO−アルキル化生成物9Aを、少量の所望しないN−アルキル化生成物とともに得た。MS(M+H)=423。
【0253】
段階2
4−{[7−(エトキシカルボニル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル]オキシ}ブタン酸
【化84】
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【0254】
tert−ブチルエステル9A(100mg)をDCM 1mLおよびTFA 1mLに溶かし、1時間撹拌し、濃縮した。逆相クロマトグラフィー(MeCN/水)によって、所望の標題生成物9を得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6)δ12.2(s、1H)、8.36(s、1H)、8.06−8.14(m、4H)、7.54(m、3H)、4.53(t、J=6.3HzHz、2H)、3.92(s、3H)、2.41(t、J=7.3Hz、2H);2.04(m、2H);MS(M+H)=367。
【0255】
実施例10
【化85】
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【0256】
段階1
3−(4−tert−ブトキシ−4−オキソブトキシ)−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸
【化86】
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【0257】
メチルエステル9A(200mg、0.47mmol)のTHF(3mL)および水(1mL)中の溶液をLiOH(20mg、0.84mmol)で処理し、終夜撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、1N HCl、水で抽出し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮して、中間体酸10Aを得た。
【0258】
段階2
4−({3−フェニル−7−[(ピリジン−3−イルメチル)カルバモイル]キノキサリン−2−イル}オキシ)ブタン酸tert−ブチル
【化87】
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【0259】
酸10A(20mg、0.05mmol)、1−(ピリジン−3−イル)メタンアミン(15mg、0.14mmol)、EDC(20mg、0.10mmol)およびHOBt(10mg、0.065mmol)のDCM(1mL)中の溶液を終夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、2N HCl、2N NaOHおよび水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮して10Bを得た。
【0260】
段階3
4−({3−フェニル−7−[(ピリジン−3−イルメチル)カルバモイル]キノキサリン−2−イル}オキシ)ブタン酸
【化88】
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【0261】
中間体tert−ブチルエステル10B(24mg)のDCM(1mL)およびTFA(1mL)中の溶液を1時間撹拌し、濃縮した。残留物を逆相クロマトグラフィー(MeCN/水)によって精製して、最終の酸10を得た。MS(M+H)=443。
【0262】
10の合成について記載の方法と同様にして、酸10Aを適切なアミン試薬とカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表10】
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【0263】
実施例11
【化89】
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【0264】
段階1
5−{7−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−フェニルキノキサリン−2−イル}ペンタン酸tert−ブチル
【化90】
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【0265】
3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸6D(0.8g、1.97mmol)の入ったフラスコに、tBuOH(13mL)、Et
3N(6.0当量)およびジフェニルホスホリルアジド(2.0当量)を加えた。混合物を20時間加熱還流した。混合物を冷却して室温とし、濃縮してほとんどのtBuOHを除去し、EtOAcおよび飽和NaHCO
3で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィー(0%から15%EtOAc/CH
2Cl
2)によって11Aを得た。MS(M+H)=478。
【0266】
段階2
5−(7−アミノ−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸メチル
【化91】
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【0267】
5−{7−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−フェニルキノキサリン−2−イル}ペンタン酸tert−ブチル11A(0.5g、1.1mmol)のDCM(6mL)中の溶液に、室温でTFA(2mL)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、粗残留物をMeOH(0.15M)に溶解した。次に、SOCl
2(3当量)を0℃で加え、反応混合物を同じ温度で1.5時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3でゆっくり反応停止した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をH
2O、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。濃縮によって標題化合物を得たが、それは少量の微量不純物によって汚染されていた。この取得物を、精製せずに次の段階に用いた。MS(M+H)=336。
【0268】
段階3
5−(7−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸メチル
【化92】
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【0269】
5−(7−アミノ−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸メチル11B(50mg、0.15mmol)のCH
2Cl
2(2mL)中の溶液に、3,4−ジクロロフェニル酢酸(1.0当量)、ヒューニッヒ塩基(3.0当量)、HOBt(1.2当量)およびEDC(1.4当量)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、後処理を行わずにフラッシュクロマトグラフィーによって精製して11Cを得た。MS(M+H)=522。
【0270】
段階4
5−(7−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化93】
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【0271】
5−(7−{[(3,4−ジクロロフェニル)カルボニル]アミノ}−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸メチル11C(68mg、0.13mmol)のTHF(1.5mL)およびMeOH(0.7mL)の混合物中の溶液に1N NaOH(3当量)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、1N HClで酸性とした。混合物を逆相クロマトグラフィー(MeCN/水)によって精製して、所望の酸11を得た。
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6)δ12.0(brs、1H)、10.72(s、1H)、8.52(s、1H)、8.03(d、J=9.0Hz、1H)、7.86(d、J=7.8Hz、1H)、7.62−7.70(m、4H)、7.52−7.60(m、3H)、7.40(d、J=8.4Hz、1H)、3.85(s、2H)、2.99(t、J=7.2Hz、2H)、2.17(t、J=7.2Hz、2H)、1.69−1.74(m、2H)、1.45−1.51(m、2H)。MS(M+H)=508。
【0272】
11の合成について記載の方法と同様にして、アニリン11Bを適切な酸試薬とカップリングさせ、次にエステル加水分解を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表11】
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【0273】
実施例12
【化94】
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【0274】
攪拌CH
2Cl
2(1mL)中、5−(7−アミノ−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸メチル(11B、50mg、0.149mmol)に、トリエチルアミン(0.083mL、0.596mmol)およびα−トルエンスルホニルクロライド(56.8mg、0.298mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮した。残留物をTHFで希釈し、NaOH(0.5mL、0.500mmol)をMeOH(0.05)とともに加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。翌日、反応液を減圧下に濃縮し、1N HCl(0.5mL)を加えて、反応液を再度濃縮した。残留物をMeOHで希釈し、精製して(1%TFAアセトニトリル/水勾配で溶出を行う逆相C18 HPLC、次にEtOAc/ヘキサンで溶出を行い、5%MeOH/酢酸エチルで洗い流すシリカゲルBiotage SNAP KP−Sil 10gでのカラムクロマトグラフィー)、5−{7−[(ベンジルスルホニル)アミノ]−3−フェニルキノキサリン−2−イル}ペンタン酸(12)を得た。
1H NMR(600MHz、CDCl
3)δ8.01(d、J=8.9Hz、1H)、7.83(d、J=2.4Hz、1H)、7.56(d、J=6.9Hz、2H)、7.44−7.50(m、3H)、7.42(dd、J=9.0、2.4Hz、1H)、7.20−7.36(m、6H)、4.44(s、2H)、3.02(dd、J=17.3、9.5Hz、2H)、2.22−2.35(m、2H)、1.72−1.83(m、2H)、1.56−1.67(m、2H)。MS(M+H)=476。
【0275】
実施例13
【化95】
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【0276】
段階1
7−ブロモ−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン
【化96】
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【0277】
ベンゾイルギ酸(4.0g、27mmol)のCH
2Cl
2中の溶液に、触媒量のDMF(0.05当量)を加え、次にオキサリルクロライド(1.0当量)をゆっくり加えた。反応混合物を4時間撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物をTHF(20mL)中に溶解し、得られた溶液を5−ブロモピリジン−2,3−ジアミン(13A、1.0当量)およびEt
3N(1.0当量)のTHF(100mL)中の混合物に0℃でゆっくり加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌を維持し、室温で2時間撹拌し、終夜還流加熱した。反応混合物を冷却して室温とし、NaHCO
3水溶液およびCH
2Cl
2で希釈した。有機層を分離し、水層をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層をH
2O、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濃縮した。得られた粘稠暗色油状物に、CH
2Cl
2(約80mL)を加え、15分間激しく撹拌した。混合物を濾過し、得られた褐色固体をCH
2Cl
2で洗浄して13Bを得たが、それは少量の不純物によって汚染されていた。この材料を、精製せずに次の段階に用いた。
1H−NMR(600MHz、DMSO−d
6)δ12.7(s、1H)、8.58(s、1H)、8.28−8.30(m、2H)、7.83(s、1H)、7.45−7.55(m、3H)。MS(M+H)=302。
【0278】
段階2
7−ブロモ−2−クロロ−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン
【化97】
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【0279】
7−ブロモ−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン(13B、1.2g、4.0mmol)の入ったフラスコに、オキシ塩化リン(20当量)を加え、混合物を2時間加熱還流した。反応混合物を冷却して室温とし、NaHCO
3水溶液の入ったビーカーにゆっくり投入し、CH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層をH
2O、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィーによる精製によって13Cを得たが、それは少量の不純物によって汚染されていた。純粋な標題化合物を、EtOAcからの再結晶によって得た。MS(M+H)=320。
【0280】
段階3
2−クロロ−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−7−カルボン酸メチル
【化98】
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【0281】
7−ブロモ−2−クロロ−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン(13C、1g、3.1mmol)のジオキサン(20mL)中の溶液の入ったフラスコに、Et
3N(10mL)およびMeOH(10当量)を加えた。N
2を10分間吹き込むことで混合物を脱気した。次にPd(OAc)
2(0.1当量)およびxanphos(0.2当量)を加え、CO(気体)を充填した風船を、3方アダプターによって反応フラスコに接続した。混合物を減圧し、CO(気体)風船によるCO(気体)再充填を3回行った。混合物を70℃で終夜加熱した。反応混合物を冷却して室温とし、CH
2Cl
2およびNaHCO
3水溶液で希釈した。有機層を分離し、水層をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィーによって13Dを得た。
1H−NMR(600MHz、CDCl
3)§9.70(d、J=2.4Hz、1H)、9.15(d、J=2.4Hz、1H)、8.01−8.03(m、2H)、7.54−7.60(m、3H)、4.07(s、3H)。MS(M+H)=300。
【0282】
段階4
2−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−7−カルボン酸メチル
【化99】
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【0283】
ペント−4−エン酸tert−ブチル(0.47g、3.0mmol)のTHF(3mL)中の溶液に、0℃で、0.5M 9−BBN/THF(1.05当量)を滴下し、反応混合物を0℃で30分間、次に室温で3時間撹拌した。
【0284】
2−クロロ−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−7−カルボン酸エチル(13D、0.28g、0.95mmol)のTHF中の溶液(0.3M)の入ったマイクロ波反応容器に、K
3PO
4・H
2O(2.5当量)、および上記ポットからのアルキル9−BBN試薬の溶液(1.8当量)を加えた。10分間のアルゴン吹き込みによって混合物を脱気した。次に、Pd(OAc)
2(0.08当量)およびS−Phos(0.16当量)を加え、混合物を70℃で1.5時間加熱した。反応混合物を冷却して室温とし、NaHCO
3水溶液で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。濃縮およびフラッシュクロマトグラフィーによって13Eを得た。MS(M+H)=422。
【0285】
段階5
5−[7−(メトキシカルボニル)−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル]ペンタン酸
【化100】
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【0286】
2−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−7−カルボン酸メチル(13E、35mg、0.08mmol)のCH
2Cl
2(2.0mL)中の溶液に、TFA(0.5mL)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、最小量のTHFを加えた。標題化合物(13)が沈殿し、それを濾過によって回収した。MS(M+H)=366。
【0287】
実施例14
【化101】
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【0288】
段階1
2−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−7−カルボン酸メチル
【化102】
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【0289】
2−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−3−フェニルピリド[2,3−b]ピラジン−7−カルボン酸メチル(13E、0.25g、0.60mmol)のTHF/H
2O混合物(3.0mL/1.5mL)中の溶液にLiOH(2.0当量)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をEtOAcおよびH
2Oで希釈し、1N HClでpH=3〜4に酸性化した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。濃縮によって、所望のカルボン酸14Aを得て、それを精製せずに次の段階に用いた。
【0290】
段階2
5−(3−フェニル−7−{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]カルバモイル}ピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル
【化103】
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【0291】
カルボン酸14A(40mg、0.1mmol)の入ったフラスコに、DMF(0.05)中、アミン(1.5当量)、ヒューニッヒ塩基(3.0当量)、HOBT(1.7当量)およびEDC(1.3当量)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して14Bを得た。
1H−NMR(600MHz、CDCl
3)δ9.49(s、1H)、8.75(d、J=2.0Hz、1H)、7.46−7.63(m、10H)、7.24(d、J=2.0Hz、1H)、4.74(d、J=5.4Hz、2H)、3.08(t、J=7.2Hz、2H)、2.15(t、J=7.2Hz、2H)、1.75−1.80(m、2H)、1.54−1.58(m、2H)。MS(M+H)=565。
【0292】
段階3
5−(3−フェニル−7−{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]カルバモイル}ピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)ペンタン酸
【化104】
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【0293】
5−(3−フェニル−7−{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−カルバモイル}ピリド[2,3−b]ピラジン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル(14B、41mg、0.07mmol)のDCM(2mL)中の溶液に室温でTFA(0.5mL)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濃縮し、最小量のEt
2Oを加えた後に標題化合物14が沈殿し、それを濾過によって回収した。MS(M+H)=509。
【0294】
14の合成について記載の方法と同様にして、酸14Aを適切なアミン試薬とカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表12】
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【0295】
実施例15
3Aの合成について記載の方法と同様にして、酸6Dを適切なアミン試薬とカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表13】
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【0305】
製造例16
【化105】
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【0306】
前述のものと同様の方法で、3,4−ジアミノ安息香酸メチルを2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ酢酸(実施例2に記載の方法に従って2−(4−クロロフェニル)−2−オキソ酢酸メチルから製造)と反応させて、16Aを得た(MS:M+H=315)。
【0307】
16A(13.43g、42.67mmol)、SOCl
2(70mL、1000mmol)およびDMF(0.4mL、5mmol)の混合物を、80℃で4時間、次に40℃で終夜撹拌した。
【0308】
過剰のSOCl
2を除去した。得られた残留物を冷水とともに2時間撹拌した。固体を濾過し、終夜真空乾燥して、3−クロロ−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチルを得た(16B、12.94g;収率=91.04%)。LCMS(M+H)=333。
【0309】
前述のものと同様の方法で、16Bを順次、化合物1とカップリングさせ、LiOHで加水分解し(16Dを取得)、4−クロロベンジルアミンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して標題化合物16を得た。LCMS(M+H)=508。
【化106】
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【0310】
同様にして、酸1Dを適切なアミン試薬にカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表14】
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【0316】
実施例17
【化107】
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【0317】
前記のものと同様の方法で、3−クロロ−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(16B)を3−メチルペント−4−エン酸tert−ブチル(化合物1について記載の方法と同様にして3−メチル−4−ペンテン酸、TFAAおよびtBuOHから製造)とカップリングさせて17Aを得て(LCMS:M+H=469)、それを次に、LiOHで加水分解し(17Bを取得、LCMS:M+H=455)、4−フェニルピペリジンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して、3−(4−クロロフェニル)−β−メチル−7−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)カルボニル]−2−キノキサリンペンタン酸17を得た。LCMS(M+H)=542。
【化108】
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【0318】
同様にして、酸17Bを適切なアミン試薬にカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表15】
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【0321】
上記のものと同様の方法で、3−クロロ−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(2i)および3−メチルペント−4−エン酸tert−ブチルから調製し、続いて順次、LiOHで加水分解し、適切なアミンとカップリングさせ、TFAで脱保護することで下記の化合物を製造した。
【表16】
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【0323】
実施例18
【化109】
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【0324】
前記のものと同様の方法で、3−クロロ−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(2i)を2−メチルペント−4−エン酸tert−ブチル(化合物1について記載の方法と同様にして2−メチルペント−4−エン酸、TFAAおよびtBuOHから製造)とカップリングさせて18Aを得て、それを次に、LiOHで加水分解し、4−フェニルピペリジンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して、α−メチル−7−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)カルボニル]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−キノキサリンペンタン酸18を得た。LCMS(M+H)=576。
【化110】
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【0325】
同様の方法で、酸18Bを適切なアミン試薬とカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで下記の化合物を製造した。
【表17】
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【0326】
実施例19
【化111】
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【0327】
段階1から2
2−(3−ビニルフェニル)酢酸tert−ブチル
【化112】
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【0328】
化合物1について記載の方法と同様にして、2−(3−ブロモフェニル)酢酸をTFAAおよびtBuOHと反応させて、2−(3−ブロモフェニル)酢酸tert−ブチル(19A)を得た。
【0329】
19A(600mg、2.21mmol)、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(296mg、2.21mmol)、Pd(dppf)
2Cl
2・CH
2Cl
2(180mg、0.221mmol)および炭酸セシウム(2.16g、6.63mmol)の水(1mL)および1,4−ジオキサン(9mL)中の溶液を、窒素下90℃で8時間撹拌した。この後、反応液を室温まで冷却し、水およびDCMで希釈した。水層を分離し、DCMで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0%から20%EtOAc/ヘプタン)によって精製して19Bを得た(268mg、収率=56%)。
1H NMR(500MHz、CDCl
3)δ7.32−7.24(m、3H)、7.18−7.15(m、1H)、6.70(dd、J=23.5、14.5Hz、1H);5.75(d、J=23.5Hz、1H)、5.24(d、J=14.5Hz、1H)、3.52(s、2H)、1.44(s、9H)。
【0330】
段階3から6
2−(3−(2−(3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)エチル)フェニル)酢酸
【化113】
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【0331】
前記のものと同様の方法で、2−(3−ビニルフェニル)酢酸tert−ブチル(19B)を次に、3−クロロ−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(16B)とカップリングさせ、LiOHで加水分解した。得られた酸19C(3−(3−(2−tert−ブトキシ−2−オキソエチル)フェネチル)−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸)を4−フェニルピペリジンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して、−[2−[3−(4−クロロフェニル)−7−[(4−フェニル−1−ピペリジニル)カルボニル]−2−キノキサリニル]エチル]ベンゼン酢酸19を得た。LCMS(M+H)=590。
【0332】
同様の方法で、酸19Cを適切なアミン試薬とカップリングさせ、次にTFA脱保護を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表18】
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【0333】
実施例20
【化114】
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【0334】
段階1
2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチル
【化115】
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【0335】
メチルトリフェニル−ホスホニウムブロマイド(60.3g、168.8mmol、2.4当量)のTHF(500mL)中の混合物を℃まで冷却し、KOtBu(18.9g、168.8mmol、2.4当量)でゆっくり処理した。反応液を℃で30分間撹拌し、THF 200mL中の2−ホルミル−1−シクロプロパンカルボン酸エチル(10g、70.34mmol、1.0当量)を滴下し、室温で2時間撹拌した。混合物を℃まで冷却し、水で処理し、エーテルで抽出した(2回)。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(0%から25%エーテル/ペンタン)によって、オレフィン20A(8.15g)を得た。
【0336】
段階2
(2−ビニルシクロプロピル)メタノール
【化116】
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【0337】
2−ビニルシクロプロパンカルボン酸エチル(20A、4.26g、30.4mmol、1.0当量)のTHF(100mL、無水)中の溶液を0℃まで冷却し、LAH(1.60g、38.0mmol、1.25当量)でゆっくり処理した。反応液をゆっくり室温まで昇温し、終夜撹拌し、次に水で反応停止した。沈殿を濾過し、THFで洗浄した。濾液のクロマトグラフィー(0%から60%エーテル/ヘキサン)によって、アルコール20Bを得た(2.0g)。
【0338】
段階3
3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)エチル)−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化117】
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【0339】
(2−ビニルシクロプロピル)メタノール(20B、0.5g、5.10mmol、2.0当量)の無水THF(20mL)中の溶液に、0℃で窒素下に9−BBN(0.5M THF溶液、20mL、10.2mmol、4当量)を加えた。反応液を0℃で30分間撹拌し、4時間で室温まで昇温した。3−クロロ−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル6B(0.76g、2.55mmol、1.0当量)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(310mg、0.380mmol、0.15当量)およびK
3PO
4(1.62g、7.65mmol、3.0当量)を加えた。懸濁液を脱気し(真空/窒素を3回)、68℃で終夜加熱した。反応液を室温まで冷却し、濾過した。濾液をDCMおよび水で希釈した。水層を分離し、DCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(20%から50%EtOAc/ヘキサン)によって精製して20C(0.84g)を得た。混合物のさらなる精製(SFCキラルクロマトグラフィー)によって、それぞれ高純度で4種類の立体異性体を得た。
【0340】
段階4から6
2−(2−(3−フェニル−7−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)エチル)シクロプロパンカルボン酸
【化118】
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【0341】
前記のものと同様の方法で、20Cの各々の純粋な立体異性体をLiOHで個別に加水分解し、4−フェニルピペリジンとカップリングさせて、(3−(2−(2−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル)エチル)−2−フェニルキノキサリン−6−イル)(4−フェニルピペリジン−1−イル)メタノン(20E)を得た。次に、第1の立体異性体について下記の酸化を行った。
【0342】
アルコール20E(103mg、0.21mmol、1.0当量)、過ヨウ素酸ナトリウム(135mg、0.629mmol、3.0当量)および塩化ルテニウム・3水和物(3mg、0.011mmol、0.05当量)の混合物をCCl
4 3mL−H
2O 4mL−CH
3CN 3mL中で合わせた。混合物を室温で終夜撹拌し、飽和NH
4Cl水溶液10mLで反応停止し、濾過した。沈殿を濾過し、EtOAcで洗浄した。水層をEtOAcで抽出した(1回)。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(0%から10%MeOH/CH
2Cl
2)によって標題化合物20を得た(74mg、LCMS:M+H506)。
【0343】
20Eの他の3種類の立体異性体についても同様にこの酸化を行って20F(LCMS:M+H506)、20G(LCMS:M+H506)、および20H(LCMS:M+H506)を得た。
【0344】
実施例21
【化119】
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【0345】
段階1から2
(R)−5−(3−(4−フルオロフェニル)−7−(メチル(1−フェニルエチル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化120】
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【0346】
(R)−5−(3−(4−フルオロフェニル)−7−(1−フェニルエチル−カルバモイル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル(21A、62mg、0.118mmol;前述の5Dおよび(R)−1−フェニルエタンアミンのカップリングから誘導)のDMF(5mL)中の溶液を0℃に冷却し、NaH(60%、7mg、0.176mmol、1.5当量)で処理した。0℃で20分後、MeI(15μL)を加え、反応液を2時間で室温まで昇温した。反応液を濃縮し、CH
2Cl
2およびH
2Oで希釈した。H
2O層をCH
2Cl
2で抽出した(1回)。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(0%から50%EtOAc/ヘキサン)によって、(R)−5−(3−(4−フルオロフェニル)−7−(メチル(1−フェニルエチル)カルバモイル)−キノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチルを得た(21B、46mg)。
【0347】
前述のものと同様の方法で、21BをTFAによって脱保護して21を得た。LCMS(M+H)=486。
【0348】
エナンチオマー−(4−フルオロフェニル)−7−[[メチル(1(S)−フェニルエチル)アミノ]カルボニル]−2−キノキサリンペンタン酸21Cを同様にして合成した。LCMS(M+H)=486。
【化121】
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【0349】
実施例22
【化122】
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【0350】
段階1
3−(3−シアノプロピル)−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化123】
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【0351】
実施例2に記載のものと同様の方法で、下記の反応を行った。3−ブテンニトリルの0℃に冷却したTHF中の溶液に、9−BBNを加えた。反応液を0℃で30分間および室温で3時間撹拌した。この溶液に、3−クロロ−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル(6B)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2およびK
3PO
4を加えた。得られた溶液を脱気し、60℃で16時間撹拌した。濾液をDCMおよび水で希釈した。有機層を除去し、水層をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して22Aを得た。
【0352】
段階2から4
N−(3−クロロベンジル)−3−(3−シアノプロピル)−2−フェニルキノキサリン−6−カルボキサミド
【化124】
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【0353】
前述のものと同様の方法で(例えば実施例2から3)、22AをLiOHで加水分解し、3−クロロベンジルアミン、DIPEAおよびBop−Clで処理して22Cを得た。
【0354】
ニトリル22Cおよびトリメチルシリルアジドのトルエン中の溶液にジブチルスズオキサイドを加え、ニトリルが消費されるまで反応混合物を110℃で終夜加熱した。混合物を濃縮し、メタノールに溶かし、再濃縮し、EtOAc(20mL)と10%NaHCO
3溶液(20mL)との間で分配した。有機層を追加の10%NaHCO
3溶液(20mL)で抽出した。合わせた水性抽出物を10%HClでpH2に酸性化し、EtOAcで抽出した(20mLで2回)。合わせた有機抽出物を乾燥し、濃縮し、逆相(C18、5%から95%MeCN−H
2O(0.1%TFA含有))によって精製して、5−置換テトラゾール22を得た。LCMS(M+H)=484。
【0355】
同様の方法で、段階1での4−ペンテンニトリルを用い、次に記載の手順に従って、N−[(3−クロロフェニル)メチル]−2−フェニル−3−[4−(1H−テトラゾール−5−イル)ブチル]−6−キノキサリンカルボキサミド22Dを合成した。LCMS(M+H)=498。
【化125】
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【0356】
実施例23
【化126】
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【0357】
実施例6および10に前述したものと同様の方法で、3−ブテン酸tert−ブチルを6Bとカップリングさせ、次に記載の手順によって生成物を処理することで、7−[[[(3−クロロフェニル)メチル]アミノ]カルボニル]−3−フェニル−2−キノキサリンブタン酸23(LCMS、M+H=460)を合成した。
【0358】
実施例24
【化127】
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【0359】
段階1
4−アミノ−2−フルオロ−5−ニトロ安息香酸アンモニウム
【化128】
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【0360】
2,4−ジフルオロ−5−ニトロ安息香酸(24A、10.0g、49.2mmol)の0.5NH
3/ジオキサン(250mL)中の溶液を封管チューブ中にて90℃で終夜加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、それを濾過し、固体を回収し、真空乾燥して、生成物を黄色固体24Bとして得た(8.3g、77%)。
【0361】
段階2
4,5−ジアミノ−2−フルオロ安息香酸アンモニウム
【化129】
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【0362】
24B(3.5g、16.1mmol)のMeOH/CH
2Cl
2(体積比4:1、50mL)中の懸濁液に10%Pd/C(含水、0.88g)を加え、H
2風船下に終夜撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮して粗生成物24C(3.3g)を得て、それを精製せずに次の段階で用いた。
【0363】
段階3
3−(5−エトキシ−5−オキソペンチル)−7−フルオロ−2−ヒドロキシキノキサリン−6−カルボン酸
【化130】
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【0364】
EtOH(50mL)中、粗生成物24C(3.3g)に2−オキソヘプタン−1,7−ジカルボン酸ジエチル(5.6g、24.2mmol)を加え、混合物を終夜加熱還流した。それを室温まで冷却し、1N HClでpH=5に酸性化し、減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH)によって精製して、24Dを灰色固体として得た(1.9g、2段階で35%)。
【0365】
段階4
(S)−5−(6−フルオロ−3−ヒドロキシ−7−(3−フェニルピロリジン−1−カルボニル)−キノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化131】
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【0366】
24D(509mg、1.4mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中の溶液に、(S)−3−フェニルピロリジン塩酸塩(220mg、1.2mmol)、HATU(912mg、2.4mmol)およびDIPEA(1.0mL、6.0mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。それをCH
2Cl
2で希釈し、H
2O、食塩水によって洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、生成物24Eを無色油状物として得た(500mg、90%)。
【0367】
段階5
(S)−5−(6−フルオロ−7−(3−フェニルピロリジン−1−カルボニル)−3−(トリフルオロメチル−スルホニルオキシ)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化132】
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【0368】
24E(700mg、1.5mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、PhNTf
2(591mg、1.7mmol)およびDBU(252mg、1.7mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。次に、それをEtOAcで希釈し、H
2O、食塩水によって洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、生成物24Fを無色油状物として得た(400mg、45%)。
【0369】
段階6
(S)−5−(3−(4−クロロフェニル)−6−フルオロ−7−(3−フェニルピロリジン−1−カルボニル)−キノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化133】
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【0370】
封管チューブ中、24F(100mg、0.17mmol)のジオキサン(10mL)中の溶液に、4−クロロフェニルボロン酸(52mg、0.33mmol)、K
3PO
4(71mg、0.33mmol)およびKBr(40mg、0.33mmol)を加え、混合物を5分間脱気した。次に、Pd(PPh
3)
4(53mg、0.046mmol)を加え、得られた混合物を80℃で終夜加熱した。それをEtOAcに溶解し、H
2O、食塩水によって洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、生成物24Gを無色油状物として得た(90mg、95%)。
【0371】
段階7
3−(4−クロロフェニル)−6−フルオロ−7−[(3(S)−フェニル−1−ピロリジニル)カルボニル]−2−キノキサリンペンタン酸
【化134】
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【0372】
24G(90mg、0.16mmol)およびLiOH・H
2O(10mg、0.24mmol)のTHF/H
2O(3:1(体積比)、4mL)中の混合物を室温で終夜撹拌した。次に、それを1N HClによってpH=5に酸性化し、減圧下に濃縮した。得られた残留物を逆相HPLCによって精製して、生成物24を無色油状物として得た(50mg、59%)。MS(M+H)=532.0。
【0373】
同様の方法で、適切なボロン酸を24Fとカップリングさせ、次に加水分解を行うことで、下記の化合物を製造した。
【表19】
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【0374】
実施例25
【化135】
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【0375】
段階1
3−(5−エトキシ−5−オキソペンチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノキサリン−6−スルホン酸
【化136】
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【0376】
3,4−ジアミノベンゼンスルホン酸25A(4.6g、24.6mmol)および2−オキソヘプタン−1,7−ジカルボン酸ジエチル(7.4g、32.0mmol)のEtOH(100mL)中の混合物を終夜加熱還流した。次に、それを減圧下に濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH)によって精製して、25Bを褐色固体として得た(4.5g、52%)。
【0377】
段階2
5−(3−オキソ−7−(4−フェニルピペリジン−1−イルスルホニル)−3,4−ジヒドロキノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化137】
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【0378】
25B(1.2g、3.45mmol)のピリジン(10mL)中の溶液を30分間撹拌し、減圧下に濃縮して、25Bのピリジン塩を得た。異なるフラスコで、Ph
3PO(2.1g、7.6mmol)のCH
2Cl
2(20mL)中溶液に、Tf
2O(0.58mL、3.45mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。次に、上記の溶液を25Bのピリジン塩にカニューレで加え、得られた混合物を30分間撹拌した。4−フェニルピペリジン(1.1g、6.9mmol)およびEt
3N(4.2mL、15.2mmol)のCH
2Cl
2(3mL)中の溶液を上記の混合物に0℃でゆっくり加え、終夜撹拌した。それをCH
2Cl
2で希釈し、H
2O、食塩水によって洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH)によって精製して、25Cを褐色様油状物として得た(300mg、17%)。
【0379】
段階3
5−(7−(4−フェニルピペリジン−1−イルスルホニル)−3−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−キノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化138】
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【0380】
25C(300mg、0.6mmol)、PhNTf
2(268mg、0.75mmol)およびDBU(114mg、0.75mmol)のDMF(6mL)中の混合物を終夜撹拌した。それをEtOAcで希釈し、H
2O、食塩水によって洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、25Dを無色油状物として得た(170mg、45%)。
【0381】
段階4
5−(3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−イルスルホニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化139】
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【0382】
封管チューブ中、25D(170mg、0.27mmol)のジオキサン(6mL)中の溶液に4−クロロフェニルボロン酸(84mg、0.54mmol)、K
3PO
4(115mg、0.54mmol)およびKBr(64mg、0.54mmol)を加え、混合物を5分間脱気した。次に、Pd(PPh
3)
4(94mg、0.08mmol)を加え、混合物を80℃で終夜加熱した。それをEtOAcに溶解し、H
2O、食塩水によって洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製して、生成物25Eを無色油状物として得た(40mg、25%)。
【0383】
段階5
5−(3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−イルスルホニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化140】
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【0384】
25E(34mg、0.057mmol)およびLiOH・H
2O(3.6mg、0.086mmol)のTHF/H
2O(3:1(体積比)、2.7mL)中の混合物を室温で終夜撹拌した。次に、それを1N HClによってpH=5に酸性化し、減圧下に濃縮した。得られた残留物を逆相HPLCによって精製して、生成物25を白色固体として得た(10mg)。MS(M+H)=564。
【0385】
実施例26
【化141】
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【0386】
段階1
3−(5−エトキシ−5−オキソペンチル)−2−ヒドロキシキノキサリン−6−カルボン酸
【化142】
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【0387】
3,4−ジアミノ安息香酸(0.5g、3,29mmol)および2−オキソヘプタン−1,7−ジカルボン酸ジエチル(0,757g、3.29mmol、1.0当量)のAcOH/EtOH(1:1)(10mL)中の懸濁液を加熱して100℃とした。2時間加熱後、反応混合物を室温まで冷却して、若干の沈殿が生じた。固体沈殿を濾過し、冷EtOHで磨砕し(5mLで2回)、乾燥して、0.35gの所望の化合物26Aを褐色固体として得た。
【0388】
段階2
5−(3−ヒドロキシ−7−(3−フェニルピロリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)−ペンタン酸エチル
【化143】
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【0389】
26A(0.25g、0.785mmol)、3−フェニルピロリジン・HCl(0.144g、0.785mmol)、HATU(0.597g、1.57mmol、2.0当量)およびDIPEA(0.273mL、1.57mmol、2.0当量)のCH
2Cl
2(5mL)中の混合物を室温で終夜撹拌した。完了した時点で水(10mL)を加えた。混合物をCH
2Cl
2で抽出し(10mLで2回)、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(3%MeOH/CH
2Cl
2)によって精製して、0.2gの26Bを得た。
【0390】
段階3
5−(7−(3−フェニルピロリジン−1−カルボニル)−3−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−キノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化144】
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【0391】
26B(0.1g、0.22mmol)のDMF(3mL)中の混合物に、0℃で、DBU(3μL、0.25mmol、1.1当量)を加えた。その温度で30分間撹拌後、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.094g、0.26mmol、1.2当量)を加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し、その後、水(10mL)を加えた。反応混合物をEtOAcで抽出し(10mLで2回)、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒留去して乾固させた。フラッシュクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)による粗生成物の精製によって、0.1gの所望の生成物26Cを淡黄色固体として得た。
【0392】
段階4
5−(7−(3−フェニルピロリジン−1−カルボニル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノキサリン−2−イル)ペンタン酸エチル
【化145】
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【0393】
26C(100mg、0.17mmol)、4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸(49mg、0.26mmol、1.5当量)、Pd(PPh
3)
4(20mg、0.017mmol、10mol%)およびK
3PO
4(55mg、0.26mmol、1.5当量)の1,4−ジオキサン/H
2O(4:1)(2.0mL)中の混合物を2時間で90℃まで加熱した。冷却後、反応混合物をフラッシュカラムに乗せ、40%EtOAc/ヘキサンで溶出することで精製して、72mgの化合物26Dを得た。
【0394】
段階5
5−(7−(3−フェニルピロリジン−1−カルボニル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化146】
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【0395】
26D(72mg、0.13mmol)のTHF(3mL)中の混合物に、水1mL中のLiOH(22mg、0.25mmol、4.0当量)を加えた。反応混合物を2時間かけて50℃まで加熱し、その後、追加のLiOH 11mgを加え、さらに30分間撹拌した。完了後、反応混合物を4N HClで中和し、EtOAcで抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して乾固させた。分取TLCによる精製(60%CH
2Cl
2/30%ヘキサン/9%MeOH/1%AcOH)によって、25mgの所望の生成物26をオフホワイト固体として得た。MS(M+H)=548。
【0396】
上記のものと同様の方法で、下記の化合物を製造した。
【表20】
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【0400】
実施例27
【化147】
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【0401】
上記のものと同様の方法で(例えば、実施例5)、4,5−ジアミノピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(Pd−Cでの水素化によって4−アミノ−5−ニトロピリジン−2−カルボン酸メチルエステルから入手可能)を2−オキソ−2−フェニル酢酸と反応させる。得られる生成物27Aについて、前述の手順を行って(POCl
3による塩素化、ペント−4−エン酸tert−ブチルとのカップリング、LiOHによる加水分解、α−メチルベンジルアミンとのアミドカップリング、TFAによる脱保護)、27を得る。
【0402】
実施例28
【化148】
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【0403】
段階1
3−オキソシクロペンタンカルボン酸tert−ブチル
【化149】
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【0404】
3−オキソシクロペンタンカルボン酸(11.0g、85.9mmol)のCH
2Cl
2(200mL)中の溶液にTFAA(23.9mL、171.9mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。次に、t−BuOH(64.4mL、687.5mmol)を加え、反応液を終夜撹拌した。混合物をCH
2Cl
2で希釈し、H
2Oおよび食塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物28Aを無色液体として得た(10.8g)。
【0405】
段階2
3−メチレンシクロペンタンカルボン酸tert−ブチル
【化150】
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【0406】
Ph
3PMeBr(35.7g、100mmol)およびKOtBu(11.2g、100mmol)のTHF(200mL)中の混合物を室温で3時間撹拌し、次いで、28A(9.2g、50mmol)で処理した。得られた混合物を室温で終夜撹拌し、EtOAcで希釈し、H
2Oおよび食塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物28Bを無色液体として得た(9.5g)。
【0407】
段階3
3−((3−(tert−ブトキシカルボニル)シクロペンチル)メチル)−2−(4−クロロフェニル)−キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化151】
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【0408】
28B(2.1g、11.3mmol)のTHF(12mL)中の溶液に、9−BBN(28.2mL、0.4M/ヘキサン)を加え、室温で3時間撹拌した。化合物16B(1.5g、4.5mmol)、Pd
2(dba)
3(103mg、0.11mmol)、cataCXium A(161mg、0.45mmol)、K
2CO
3(1.24g、9.0mmol)およびH
2O(3mL)を上記の混合物に加え、80℃で終夜加熱した。反応液をEtOAcで希釈し、H
2O、食塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物28Cを無色油状物として得た(2.0g、シス/トランス=3:1)。
【0409】
段階4
3−((3−(tert−ブトキシカルボニル)シクロペンチル)メチル)−2−(4−クロロフェニル)−キノキサリン−6−カルボン酸
【化152】
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【0410】
28C(440mg、0.92mmol)およびLiOH−
2O(46mg、1.10mmol)の混合物を室温で終夜撹拌した。次に、反応液を1N HClでpH=5に酸性化し、減圧下に濃縮して粗残留物を得て、それをHPLCによって精製して、生成物28Dを無色油状物として得た(429mg、シス/トランス=3:1)。
【0411】
段階5
3−((3−(4−クロロフェニル)−7−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチルカルバモイル)−キノキサリン−2−イル)メチル)シクロペンタンカルボン酸tert−ブチル
【化153】
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【0412】
28D(429mg、0.92mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、(R)−1−(4−フルオロフェニル)エタンアミン(258mg、1.84mmol)、HATU(699mg、1.84mmol)およびDIPEA(0.32mL、1.84mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。次に、反応液をEtOAcで希釈し、H
2O、食塩水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、生成物28Eを無色油状物として得た(320mg、シス/トランス=3:1)。
【0413】
段階6
3−((3−(4−クロロフェニル)−7−((R)−1−(4−フルオロフェニル)エチルカルバモイル)キノキサリン−2−イル)メチル)シクロペンタンカルボン酸
【化154】
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【0414】
28E(320mg、0.54mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中の溶液にTFA(0.84mL)を加え、混合物を終夜撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、残留物をHPLCによって精製して、生成物28をオフホワイト粉末として得た(170mg、シス/トランス=3:1)。LCMS(M+H)=532。
【0415】
実施例29
【化155】
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【0416】
段階1
2−ヒドロキシ−3−メチルキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化156】
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【0417】
3,4−ジアミノ安息香酸メチル(5.0g、30.09mmol)およびピルビン酸エチル(3.34mL、30.09mmol、1.0当量)のAcOH/EtOH(1:1)(60mL)中の懸濁液を100℃まで加熱した。2時間加熱した後、反応混合物を室温まで冷却し、少量の沈殿が生じた。固体沈殿を濾過し、冷EtOH(10mLで2回)、続いてEt
2O(30mLで2回)で磨砕し、乾燥させて、2.42gの化合物29Bを褐色固体として得た。母液に、Et
2O 150mLを加えたところ、追加の沈殿が生じた。その固体沈殿を濾過し、Et
2Oで磨砕し、乾燥させて、1.16gの所望の化合物29Aを褐色固体として得た。
【0418】
段階2
3−メチル−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化157】
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【0419】
29A(1.81g、8.29mmol)のDMF(30mL)中の混合物に、0℃でDBU(1.37mL、9.12mmol、1.1当量)を加えた。その温度で30分間撹拌後、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(3.56g、9.95mmol、1.2当量)を加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し、その後に水(50mL)を加えた。反応混合物をEtOAc(30mLで2回)で抽出し、食塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒留去して乾固させて、2.9gの29Cを褐色固体として得た。その生成物を、それ以上精製せずに用いた。
【0420】
段階3
2−(4−クロロフェニル)−3−メチルキノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化158】
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【0421】
29C(2.9g、8.3mmol)、4−クロロベンゼンボロン酸(1.95g、12.45mmol、1.5当量)、Pd(PPh
3)
4(958mg、0.83mmol、10mol%)およびK
3PO
4(2.64g、12.45mmol、1.5当量)の1,4−ジオキサン/H
2O(4:1)(30mL)中の混合物を90℃に2時間加熱した。冷却後、反応混合物を濃縮してその体積の半量とし、フラッシュカラムに乗せ、40%EtOAc/ヘキサンで溶出することで精製して、1.49gの化合物29Dを得た。
【0422】
段階4
3−(ブロモメチル)−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化159】
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【0423】
29D(1.39g、4.44mmol)のAcOH(25mL)中の混合物に、HBr(33%AcOH中溶液)1mL、続いて三臭化ピリジニウム(1.56g、4.88mmol、1.1当量)を加えた。原料が全て消費された後、H
2O(30mL)を加えた。反応混合物をEt
2Oで抽出し(20mLで2回)、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒留去して乾固させて、生成物の混合物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)による精製によって、白色粉末として250mgの所望の生成物29E、および120mgの29Fを得た。
【0424】
段階5
3−((3−tert−ブトキシ−3−オキソプロポキシ)メチル)−2−(4−クロロフェニル)−キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化160】
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【0425】
NaH(54mg、1.35mmol、3.0当量)のTHF(5mL)中の混合物に、0℃で、3−ヒドロキシプロピオン酸tert−ブチル(200μL、1.35mmol、3.0当量)を滴下した。30分後、THF(3mL)中の29E(175mg、0.45mmol、1.0当量)を滴下し、反応液を室温まで徐々に昇温した。3時間撹拌後、0.5N HCl溶液5mLを加えた。反応混合物をCH
2Cl
2で抽出し(5mLで2回)、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒留去して乾固させた。分取TLC(20%EtOAc/ヘキサン)による精製によって、30mgの所望の生成物29Fを得た。
【0426】
段階6から8
3−((3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)メトキシ)プロパン酸
【化161】
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【0427】
前記のものと同様の方法で、化合物29Fを順次、LiOH(2当量、THF−H
2O、50℃、2時間)で処理し、4−フェニルピペリジン(HATU、DIPEA、DCM、RT終夜)とカップリングさせ、そしてTFAによって脱保護して、標題化合物29を得た。LCMS(M+H)=530。
【0428】
実施例30
【化162】
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【0429】
段階1
2−(4−クロロフェニル)−3−((3−シアノシクロブチル)メチル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル
【化163】
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【0430】
3−メチレンシクロブタンカルボニトリル(0.218g、2.34mmol、1.5当量)のTHF(1mL)中の攪拌溶液を、窒素下、0℃に冷却した。9−BBN(0.5N THF中溶液、5.62mL、2.81mmol、1.8当量)を加え、溶液を60℃で3時間加熱した。この後、反応混合物を室温まで冷却し、3−クロロ−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル16B(520mg、1.56mmol)、Pd(dppf)
2Cl
2−CH
2Cl
2(255mg、0.312mmol、20mol%)およびK
3PO
4(993mg、4.68mmol.3.0当量)を加えた。反応混合物を脱気し、60℃で窒素下に12時間加熱した。この後、反応液を室温まで冷却し、水およびCH
2Cl
2で希釈した。水層を分離し、CH
2Cl
2で抽出し(15mLで2回)、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(10%から15%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、256mgの所望の生成物30Aを得た。
【0431】
段階2から3
3−((3−(4−クロロフェニル)−7−{4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)メチル)シクロブタンカルボニトリル
【化164】
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【0432】
前記のものと同様の方法で、30AをLiOH(2当量、THF−H
2O、3時間、室温)で加水分解し、4−フェニルピペリジン(1当量、2当量HATU、2当量DIPEA、DCM、終夜、室温)とカップリングさせて、30Cを得た。
【0433】
段階4から5
3−((3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)メチル)シクロブタンカルボン酸
【化165】
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【0434】
30C(150mg、0.29mmol)のMeOH(5mL)中の溶液に、HCl(気体)を0℃で吹き込んだ。3分間吹き込んだ後、反応混合物を室温で1時間撹拌した。過剰の溶媒およびHClを濃縮し、H
2Oで希釈し、CH
2Cl
2で抽出し(10mLで2回)、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%から30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、50mgの所望の生成物30Dを得た。
【0435】
段階6
3−((3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)メチル)シクロブタンカルボン酸
【化166】
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【0436】
30D(50mg、0.09mmol)のTHF(2mL)中の混合物に、水1mL中のLiOH・H
2O(15mg、0.36mmol、4.0当量)を加えた。反応混合物を50℃で2時間加熱した。完了後、反応混合物を2N HClで中和し、CH
2Cl
2で抽出し(5mLで2回)、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して乾固させた。粗生成物を分取TLC(60%CH
2Cl
2/30%ヘキサン/9%MeOH/1%AcOH)によって精製して、44mgの所望の生成物30を得た。LCMS(M+H)=540。
【0437】
段階3において(R)−1−(4−フルオロフェニル)エタンアミンを用いて、同様の方法で化合物30Eを製造した。LCMS(M+H)=518。
【化167】
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【0438】
実施例31
【化168】
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【0439】
段階1
2−(アゼチジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化169】
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【0440】
化合物1,2−フェニレンジアミン(1.0g、9.25mmol)および1−Boc−3−アゼチジンカルボキシアルデヒド(2.1g、11.10mmol)のIPA(60mL)中の溶液に、Pd/C(10%、0.8g)を加えた。80℃で2時間加熱した後、混合物を室温まで冷却し、セライトで濾過し、濃縮し、精製した(2.1g)。生成物を4N HCl(8mL)/1,4−ジオキサン(20mL)で処理して、2gの化合物31Aを得た(収率=83%)。
【0441】
段階2
5−(7−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)アゼチジン−1−カルボニル)−3−(4−フルオロフェニル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化170】
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【0442】
化合物31A(0.11g、0.46mmol)および5D(0.13g、0.31mmol)のDCM(5mL)中の溶液に、DEC(0.088g、0.46mmol)、HOBT(0.062g、0.046mmol)およびDIEA(0.16mL、0.93mmol)を加えた。室温で20時間撹拌した後、混合物をDCMおよび飽和NaHCO
3(水溶液)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮し、精製した(0.063g)。生成物31BをDCM 5mL中のTFA 0.5mLによって脱保護して、標題化合物31を得た(0.051g)。MS(M+H)=524。
【0443】
段階1において2−アミノフェノールを用いて同様の方法で、化合物31Cを製造した。MS(M+H)=507。
【化171】
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【0444】
実施例32
【化172】
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【0445】
段階1
2−(3−アリルフェニル)酢酸tert−ブチル
【化173】
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【0446】
19A(2.0g、7.38mmol)のトルエン(20mL)中の溶液に、アリルトリ−n−ブチルスズ(2.382mL、9.59mmol)およびPd(Ph
3P)
4(0.852g、0.738mmol)を加えた。反応混合物を脱気し、窒素雰囲気下に90℃で終夜加熱した。混合物をEtOAcで希釈し、H
2Oで洗浄した。その有機混合物にフッ化カリウム(10g、172mmol)およびH
2O 200mLを加え、混合物を1.5時間撹拌した。層を分割し、固体をセライトによって濾過し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。濃縮物を0%から10%Et
2O/ヘキサンでのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル120g)によって精製して、1.24gの19Bを得た(収率73%)。
【0447】
段階2から5
2−(3−(3−(3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)プロピル)フェニル)酢酸
【化174】
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【0448】
前記のものと同様の方法で、19Bを3−クロロ−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(16B)とカップリングさせ、LiOHで加水分解した。得られた酸32Dを4−フェニルピペリジンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して32を得た。MS(M+H)=604。
【0449】
実施例33
【化175】
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【0450】
段階1から2
(R)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチル−N−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)キノキサリン−6−カルボキサミド
前記のものと同様の方法で、33AをLiOHで加水分解し、(R)−テトラヒドロナフタレン−1−アミンとカップリングさせて33Cを得た。
【0451】
段階3
(R)−2−(4−クロロフェニル)−3−ホルミル−N−(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)キノキサリン−6−カルボキサミド
ジオキサン(1mL)中、33C(50mg、0.117mmol)に、封管チューブ中にて二酸化セレン(19.45mg、0.175mmol)を加えた。混合物を100℃で12時間加熱した。冷却後、過剰の溶媒を濃縮し、反応混合物を、3:1Hex/EtOAc、続いて2:1Hex/EtOAcで溶出を行う分取TLCによって精製して、49mgの33Dを得た。
【0452】
段階4
5−(3−(4−クロロフェニル)−7−(((R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)−5−ヒドロキシペンタン酸メチル
DCM(5mL)中、33D(246mg、0.557mmol)およびCuCN(4.99mg、0.056mmol)に、4−エトキシ−4−オキソブチル亜鉛ブロマイド/THF(3.34mL、1.670mmol)を加えた。反応液を22℃で終夜撹拌し、その後、水および1N塩酸(1mL)で反応停止し、酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。0%〜25%〜50%EtOAc/ヘキサンでのフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル80g)による精製によって59mgの33E(収率=19%)を得た。
【0453】
段階5
5−(3−(4−クロロフェニル)−7−(((R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)−5−ヒドロキシペンタン酸
THF(0.1mL)、水(0.100mL)およびMeOH(0.100mL)中で、33E(10.1mg、0.018mmol)に、LiOH(3.04mg、0.072mmol)を加えた。反応液を22℃で3時間撹拌した。混合物を水で反応停止し、1N HClでpH<1の酸性とし、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。混合物を10:1DCM/MeOHでの分取TLCによって精製して、3.0mgの所望の生成物2(収率=29%)を得た。MS(M+H)=530。
【0454】
実施例34
【化176】
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【0455】
段階1
(R)−5−(3−(4−クロロフェニル)−7−((1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)−5−オキソペンタン酸メチル
DCM(1mL)中で、33E(50mg、0.090mmol)に、デス−マーチンペルヨージナン(76mg、0.179mmol)を加えた。反応混合物を22℃で終夜撹拌した。MSで反応が完了していることが示された後、混合物を1mm分取TLCプレートに負荷し、2:1Hex/EtOAcで2回溶出して、13mgの34Aを得た(収率26%)。
【0456】
段階2
(R)−5−(3−(4−クロロフェニル)−7−((1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)−5−オキソペンタン酸
THF(0.3mL)、MeOH(0.300mL)および水(0.300mL)中で、34A(13.0mg、0.023mmol)に、LiOH(3.92mg、0.094mmol)を加えた。反応液を22℃で撹拌し、10:1DCM/MeOHでの分取TLCによって精製して、5.0mgの生成物34(収率41%)を得た。MS(M+H)=528。
【0457】
実施例35
【化177】
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【0458】
段階1
5−(3−(4−クロロフェニル)−7−(((R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)−5−フルオロペンタン酸メチル
ジクロロエタン(1mL)中、33E(40mg、0.072mmol)に、DAST(0.024mL、0.179mmol)を加えた。反応混合物を22℃で終夜撹拌した。塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。混合物を2:1Hex/EtOAcでの1mm分取TLCプレートで精製して、38mgの35Aを得た。
【0459】
段階2
5−(3−(4−クロロフェニル)−7−(((R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)−5−フルオロペンタン酸
THF(0.3mL)、MeOH(0.300mL)および水(0.300mL)中で、35A(38.7mg、0.069mmol)に、LiOH(11.60mg、0.276mmol)を加えた。混合物を22℃で2時間撹拌した。水および塩酸で反応停止し、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。混合物を10:1DCM/MeOHでの分取TLCによって精製して、2.5mgの35を得た。MS(M+H)=532。
【0460】
実施例36
【化178】
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【0461】
段階1から4
(R)−4−(7−((1−(4−フルオロフェニル)エチル)カルバモイル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ブタン酸
前記のものと同様の方法で、36Aを3−クロロ−2−フェニルキノキサリン−6−カルボン酸メチル(6B)とカップリングさせ、LiOHで加水分解した。得られた酸36Cを(R)−1−(4−フルオロフェニル)エタンアミンとカップリングさせて36Dを得て、それをTFAによって脱保護して36を得た。
【0462】
実施例37
【化179】
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【0463】
段階1
2,2−ジフルオロ−5−(7−(メトキシカルボニル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸
2,2−ジフルオロペント−4−エン酸(1.110g、8.16mmol)の0℃に冷却した攪拌混合物に、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(32.6mL、16.32mmol)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌してから、それを室温まで昇温し、終夜撹拌した。反応物6B(1.4g、4.08mmol)、ブチルジ−1−アダマンチルホスフィン(0.117g、0.326mmol)、三塩基性リン酸カリウム(1.732g、8.16mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加物(0.084g、0.082mmol)をH
2O(13.60mL)およびTHF(27.2mL)に溶かした。溶液を9−BBN付加物に加え、80℃で窒素下に1時間撹拌した。混合物を冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈し、塩酸で洗浄し(1M、20mLで1回)、乾燥し(Na
2SO
4)、濾過し、溶媒を減圧下に留去した。残留物をEtOAc/ヘキサン(10%から80%)で溶出を行うシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50g)によって精製して、37Aを黄色泡状物として得た。MS(M+H)=508。
【0464】
段階2
(R)−2,2−ジフルオロ−5−(7−((1−(4−フルオロフェニル)エチル)カルバモイル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸
(R)−1−(4−フルオロフェニル)エチルアミン(313mg、0.225mmol)および6A(45mg、0.112mmol)のTHF(1124μL)中の0℃に冷却した攪拌混合物に、イソプロピルマグネシウムクロライド(281μL、0.562mmol)を加え、混合物を室温で終夜撹拌した。NH
4Clによって反応停止し、後処理した。残留物を、アセトニトリル/水+0.1%TFAで溶出を行う分取HPLC逆相(C−18)によって精製して、20mgの37(収率34%)を橙赤色固体として得た。
【0465】
実施例38
【化180】
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【0466】
前記のもの(段階3)と同様の方法で、2−フルオロペント−4−エン酸エチル(J.Am.Chem.Soc.2003,125,15521,S−21に記載の方法に従って、HMPAおよびベンゼン中、フルオロ酢酸エチル、NaHおよびアリルヨージドからの80℃で12時間でのアリルヨージド化により製造)を、9−BBNおよび6Bの順に反応させて所望のエチルエステルを得て、それを次にLiOHで処理して、2−フルオロ−5−(3−フェニル−7−(((R)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)キノキサリン−2−イル)ペンタン酸を得た(38、LCMS、M+H=498)。
【0467】
38のエナンチオマーを超臨界液体クロマトグラフィー(ADカラム、MeOH中で注入、55%MeOH共溶媒および45%CO
2)によって分離して、38A(LCMS、M+H=498)および38Bを得た。MS(M+H)=498。
【0468】
実施例39
【化181】
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【0469】
段階1
(R)−4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
(R)−2−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.7g、8.49mmol)、1−ブロモ−4−フルオロベンゼン(1.63g、9.34mmol、1.1当量)、Pd
2(dba)
3(0.78g、0.85mmol、0.1当量)、P(tBu)
3(0.343g、1.70mmol、0.2当量)およびt−BuOK(0.952g、8.49mmol、1.0当量)のトルエン(8.0mL)中の混合物を、窒素雰囲気下、マイクロ波下に110℃まで1時間加熱した。反応完了後、混合物を水(100mL)で希釈し、CH
2Cl
2で抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、溶媒留去して乾固させた。粗反応混合物を、10%から20%EtOAc/ヘキサンで溶出を行うカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.9gの39Aを得た。
【0470】
段階2
(R)−1−(4−フルオロフェニル)−3−メチルピペラジン
39A(1.9g、6.45mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中の溶液に、TFA(3.0mL、38.7mmol、6.0当量)を加え、反応液を室温で2時間撹拌した。反応完了後、過剰のTFAを濃縮して生成物39Bを得て、それをそれ以上精製せずにそのまま用いた。
【0471】
段階3
(R)−5−(7−(4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−カルボニル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸tert−ブチル
カルボン酸6D(2.2g、5.41mmol)の入ったフラスコに、CH
2Cl
2(40mL)中、(R)−1−(4−フルオロフェニル)−3−メチルピペラジン(1.16g、5.95mmol、1.1当量)、ヒューニッヒ塩基(3.75mL、21.65mmol、4.0当量)およびHATU(4.12g、10.82mmol、2.0当量)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌してから、混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(10%から30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、2.3gの39Cを得た(収率69%)。
【0472】
段階4
(R)−5−(7−(4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−カルボニル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸
39C(2.3g、3.95mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中の溶液に、TFA(1.83mL、23.68mmol、6.0当量)を加え、反応液を室温で2時間撹拌した。反応完了後、過剰のTFAを濃縮して生成物39を得て、それを、2%から4%MeOH/CH
2Cl
2で溶出を行うカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.9gの所望の生成物39を得た。
1H NMR(DMSO、500MHz)δ8.16(d、1H、J=8.5Hz)、8.08(s、1H)、7.82(dd、1H、J=1.5Hz、J=8.5Hz)、7.71−7.69(m、2H)、7.60−7.57(m、3H)、7.08(t、2H、J=9Hz)、7.00−6.97(m、2.H)、3.61−3.36(m、3H)、3.03(t、2H、J=7.5Hz)、2.91(d、1H、J=9.5Hz)、2.72(dt、1H、J=2.5Hz、J=11.5Hz、J=14.5Hz)、2.47(m、2H)、2.16(t、2H、J=7Hz)、1.74−1.70(m、2H)、1.51−1.46(m、2H)、1.42−1.32(m、3H)。MS(M+H)=527。
【0473】
実施例40
(R)−5−(7−((6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)カルバモイル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化182】
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【0474】
上記のものと同様の方法で、6CをLiOHで加水分解した。得られた酸6Dを(R)−6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−アミンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して40を得た。
1H NMR(DMSO、500MHz)δ11.97(s、1H)、9.17(d、1H、J=8.5Hz)、8.65(d、1H、J=2Hz)、8.28(dd、1H、J=1.5Hz、J=8.5Hz)、8.13(d、1H、J=9Hz)、7.71−7.69(m、2H)、7.58−7.56(m、2H)、7.30(t、1H、J=7Hz)、7.02−6.98(m、2H)、5.28(q、1H、J=7Hz、J=12Hz)、3.02(t、2H、J=7.5Hz)、2.86−2.75(m、2H)、2.15(t、2H、J=7Hz)、2.03−1.97(m、2H)、1.94−1.87(m、1H)、1.80−1.71(m、3H)、1.51−1.45(m、2H)。MS(M+H)=498。
【0475】
実施例41
(R)−5−(7−(2−メチル−4−フェニルピペラジン−1−カルボニル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)ペンタン酸
【化183】
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【0476】
上記のものと同様の方法で、6CをLiOHで加水分解した。得られた酸6Dを(R)−3−メチル−1−フェニルピペラジンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して41を得た。
1H NMR(DMSO、500MHz)δ8.16(d、1H、J=8.5Hz)、8.08(d、1H、J=1.5Hz)、7.82(dd、1H、J=2Hz、J=8.5Hz)、7.71−7.69(m、2H)、7.59−7.57(m、3H)、7.26−7.22(m、2H)、6.96(d、2H、J=8Hz)、6.82(t、1H、J=7Hz)、3.71−3.49(m、3H)、3.03(t、2H、J=7.5Hz)、2.98−2.92(m、1H)、2.76(dt、1H、J=3.5Hz、J=12Hz、J=15.5Hz)、2.44(m、2H)、2.16(t、2H、J=7.5Hz)、1.76−1.70(m、2H)、1.51−1.45(m、2H)、1.43−1.30(m、3H)。MS(M+H)=509。
【0477】
実施例42
2−(3−(2−(3−(4−クロロフェニル)−7−(4−フェニルピペリジン−1−カルボニル)キノキサリン−2−イル)エチル)−5−フルオロフェニル)酢酸
【化184】
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【0478】
化合物19について上記のものと同様の方法で、3−ブロモ−5−フルオロフェニル酢酸をTFAAおよびt−BuOHと反応させて、2−(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)酢酸tert−ブチル42Aを得て、ビニルトリフルオロホウ酸カリウムとカップリングさせて42Bを得た。得られたビニル化合物42Bを3−クロロ−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸メチル(16B)とカップリングさせ、LiOHで加水分解した。得られた酸42Dを4−フェニルピペリジンとカップリングさせ、TFAによって脱保護して42を得た(LCMS、M+H=608)。
【0479】
実施例43
化合物16Cからの4−クロロフェニルR
2置換基を有する化合物の平行製造
【化185】
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【0480】
24個の2ドラムバイアルに、アミン(R′)(R)NH(0.044mmol)を加え、次に3−(5−tert−ブトキシ−5−オキソペンチル)−2−(4−クロロフェニル)キノキサリン−6−カルボン酸16C(15.0mg、0.034mmol)およびDIEA(24μL、0.137mmol)のDCM(1.0mL)溶液を加えた。混合物を室温で5分間振盪し、1−プロパンホスホン酸環状無水物(EtOAc中50重量%)(30.0μL、0.050mmol)を加え、バイアルにキャップを施し、室温で終夜振盪した。
【0481】
トリフルオロ酢酸(50%)/DCM(1.0mL、6.49mmol)を各バイアルに加えた。バイアルに再度キャップを施し、室温で2時間振盪した。各バイアルから、減圧下に溶媒を濃縮した。
【0482】
DMSO(1.0mL)を各バイアルに加えた。全てが溶液状となるまでバイアルを超音波処理し、得られたDMSO溶液を減圧下に、深底プレートのフィルタープレートを通過させ、逆相クロマトグラフィーによって精製した。
【0483】
実施例44
段階1
【化186】
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【0484】
N−メチル−2−ピロリジノン(50mL)中、化合物6B(8.6g、28.8mmol)、H−γ−ABU−OtBu・HCl塩(7.04g、36.0mmol)およびCs
2CO
3(23.45g、72.0mmol)の混合物を撹拌し、100℃で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)および食塩水(150mLで3回)で後処理して、褐色ペーストを得た。そのペーストを、10%から20%EtOAc/ヘキサンで溶出を行うフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル220g)によって分離して、化合物44Aを得た(10.5g、82%)。
【0485】
段階2
【化187】
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【0486】
THF/MeOH/H
2O(50mL、2:2:1)中の44A(10.3g、24.4mmol)およびLiOH−H
2O(2.05g、48.9mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を1N HClで中和し、CH
2Cl
2で抽出した(100mLで2回)。有機溶液を乾燥し(Na
2SO
4)、濃縮して化合物44Bを得た(9.4g、76%)。
【0487】
段階3
【化188】
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【0488】
39A(0.95g、3.23mmol)のジクロロメタン(2mL)および4N HCl/1,4−ジオキサン(4.03mL、16.14mmol)中の混合物を室温で2時間撹拌した。過剰のHClおよび溶媒を減圧下に除去して、0.74g(0.74g、99%)の化合物39B・HClを得た。
【0489】
段階4
【化189】
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【0490】
化合物44B(2.0g、4.91mmol)、化合物39B・HCl(1.13g、4.91mmol)、ヒューニッヒ塩基(1.59g、12.27mmol)およびHATU(2.80g、7.36mmol)のジクロロメタン(20mL)中の混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(100mL)/水(40mL)で後処理し、20%から30%EtOAc/ヘキサンで溶出を行うフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル120g)によって精製して、化合物44Cを得た(1.6g、51%)。
【0491】
段階5
(R)−4−((7−(4−(4−フルオロフェニル)−2−メチルピペラジン−1−カルボニル)−3−フェニルキノキサリン−2−イル)アミノ)ブタン酸
【化190】
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【0492】
化合物44C(1.4g、2.40mmol)のジクロロメタン(2mL)およびTFA(2.73g、23.99mmol)中の混合物を室温で2時間撹拌した。過剰のTFAおよび溶媒を除去して、褐色ガム状物を得た。そのガム状物を2N NaOHで中和し、40%から60%EtOAc/ヘキサンで溶出を行うフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル40g)によって精製して、化合物44(1.15g、86%)を得た。MS(M+H)=528。
【0493】
下記に示した化合物44Hを同様にして製造した。
1H NMR(DMSO、500MHz)δ7.84(d、1H、J=8.5Hz)、7.74−7.72(m、2H)、7.61(d、1H、J=1.5Hz)、7.60−7.57(m、2H)、7.36(dd、1H、J=1.5Hz、J=8Hz)、7.10−7.05(m、2H)、7.02−6.99(m、2H)、6.95−6.88(m、1H)、3.88−3.74(m、2H)、3.63−3.5(m、2H)、3.46(q、2H、J=6.5Hz、J=12.5Hz)、3.38−3.05(m、4H)、2.29(t、2H、J=7Hz)、1.86(t、2H、J=6.5Hz)。
【0494】
上記の実施例44で記載のものと同様の方法で、下記の化合物を製造した。
【表21】
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【0496】
上記の実施例で例示されたものと同様の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【表22】
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【0518】
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【表23】
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【0594】
生物アッセイ
放射性リガンド結合アッセイ
放射性リガンド結合アッセイを、最終容量0.2mLで、2mM MnCl
2および3.0nM[
3H]PGD
2(New England Nuclear, Boston, MA)(171Cimmol
−1)を含有する50mM Tris−HCl pH7.4、1mM EDTA中、室温で実施した。競合リガンドは、最終インキュベーション容量の1%(体積比)で一定に維持されたジメチルスルホキシド(Me
2SO)で希釈した。反応は、ヒト胚腎臓(HEK)−hCRTH
2細胞系から製造した膜タンパク質8〜20μgの添加によって開始した。総結合および非特異的結合は、それぞれ、10μM PGD
2の非存在下および存在下で決定した。これらの条件下で、放射性リガンドの受容体への特異的結合(総結合−非特異的結合)は、50分以内に平衡に達し、最大180分まで安定であった。反応は室温で60分間にわたりルーチンで実施し、Tomtec(登録商標)ハーベスタ(Hamden,CT)を用いる、予め濡らした(0.3%ポリエチレンイミン)96ウェルの印刷フィルターメート(filtermate;商標名)(Wallac)での急速濾過によって停止した。冷却緩衝液で洗浄した後、フィルターをマイクロ波下に2分間乾燥させ、Meltilexシンチレーターシート(Wallac)を2分間溶融させた。Betaplate1205型(Wallac)で放射能を測定した。下記の表AおよびBには、結合データとともに本発明の代表的な化合物を挙げてあり、そのデータによってKi値が「A」、「B」、「C」、「D」または「E」と評定されている。Ki値は、0.1から2.0nMの範囲のKi値には「A」と評定し、2.1から20nMの範囲のKi値には「B」と評定し、20.1から200nMの範囲のKi値には「C」と評定し、201から700nMの範囲のKi値には「D」と評定し、701から2300nMの範囲のKi値には「E」と評定している。「NT」と書かれているのは、記入されている化合物については、この結合アッセイでの試験を行っていないことを示している。
【0595】
表A
【表24】
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【0600】
表B
【表25】
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【0606】
本発明の代表的化合物は、上記のアッセイにおいて、化合物番号の直後に括弧内に記載のKi値を有していた:3(3.2nM)、5P(265.6nM)、6G(0.5nM)、11F(222.9nM)、15H(152.4nM)、15i(282.9nM)、15o(16.7nM)、15Ai(1.9nM)、15Ao(1.0nM)、15AR(1.6nM)、15AX(3.0nM)、15BL(69.9nM)、15BR(0.1nM)、16S(0.7nM)、16V(2.7nM)、16W(0.4nM)、16AG(1.2nM)、16Ao(0.4nM)、26o(1.4nM)、26Q(96.7nM)、36(716.1)39(8.0nM)、40(5.7nM)、41(8.8nM)、44H(3.1nM)144(117.9nM)、146(132.0nM)、152(2.9nM)、159(564.4nM)、173(1.6nM)、180(0.6nM)、193(14.6nM)、197(464.1nM)、217(1.2nM)、231(4.0nM)、246(1.9nM)、251(1.0nM)、254(1.2nM)、255(1.5nM)、264(15.4nM)、292(39.2nM)、368(21.4nM)、438(4.2nM)、507(1.3nM)、526(259.3nM)、637(4.2nM)、657(37.4nM)および709(18.4nM)。
【0607】
i[cAMP]測定
化合物がcAMPの形成に拮抗する能力は、本例に記載のELISAに基づくアッセイを用いて分析することができる。HEK−hCRTH
2細胞を80%から90%の密集度まで増殖させる。アッセイ当日、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、細胞解離緩衝液中で2分間インキュベートし、室温にて7分間300gで遠心することで回収し、20mM HEPES pH7.4および0.75mM IBMXを含むハンクス液(HBSS/HEPES/IBMX)中に細胞1.25×10
6個/mLで再懸濁させる。細胞12500個および試験化合物70〜75nLおよび各種濃度のDK−PGD
2を含む0.01mLHBSS/HEPES/IBMX/ウェルでの384プレート形式でアッセイを行う。37℃で試験化合物によって細胞を0から10分間前インキュベートした後、HBSS 20mM HEPES中の30μMフォルスコリン希釈液0.005mLを最終濃度10μMで加えて、反応を開始する。室温または37℃で10〜60分間インキュベートした後、cAMP XS+HitHunter化学発光アッセイ(GE Healthcare90−0075)を用いてcAMP含有量を定量した。フォルスコリン対照およびEC85D−PGD
2対照を用いて、阻害パーセントを計算する。
【0608】
β−アレスチンアッセイ
DiscoverXから入手されるCHO−K1細胞を、ヒトCRTH
2で安定にトランスフェクションする(増殖培地:F−12、10%FBS、300μg/mL hygBおよび800μg/mL G418)。細胞をT175cm
2フラスコで増殖させる。対数期中、0.05%トリプシン処理を介して細胞を回収する。粉砕細胞を濾過し、384ウェル白色透明底プレートで、ウェル当たり40μL(10K細胞)を蒔き、O/Nでインキュベートする。反転によって細胞プレートを空にし、乾式ブロットする。各ウェルにHBSS(Ca
++およびMg
++含有)35μLを充填し、5分間インキュベートする。化合物を1μLの容量で加え、プレートを2分間優しく振盪し、次に37℃で20分間インキュベートする。全ての化合物および対照を、適切な半対数増加での11点用量−応答曲線で最終濃度範囲10
−5Mから3×10
−11MでHBSSアッセイ緩衝液(Ca
++およびMg
++含有)で希釈する。最終DMSO%は、<0.3%である。作動薬アッセイ:1μL/ウェルの化合物を細胞プレートに加え、37℃で90分間インキュベートする。拮抗薬アッセイ:1μL/ウェルの化合物を細胞プレートに加える。37℃で30分間インキュベートする。1μL/ウェルのPGD
2[100nM](最終濃度)で細胞を刺激する。プレートを37℃で60分間インキュベートする。得られた発光シグナルを、製造者の説明に従って、Discoverx PathHunter検出キットによって検出する。各ウェルに、合計12μL/ウェルを加える。プレートを覆い、優しく振盪しながら60分間インキュベートする。SpectraMaxプレート読取装置によって、化学発光検出を行う。
【0609】
ヒト全血における好酸球形状変化アッセイ
EDTAを含むバキュテーナーに採血を行う。拮抗薬を血液に加え、室温で10分間インキュベートする。DK−PGD
2(13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD2)を血液に加えて、流水浴にて37℃で4分間経過させる。Ca
++およびMg
++を含まない75%(体積比)DPBS中で調製した冷0.25%(体積比)パラホルムアルデヒドの存在下に氷上で1分間にわたり、血球を固定する。固定血液175μLを冷155mM NH
4Cl細胞溶解溶液870μLに移し入れ、4℃で少なくとも40分間インキュベートする。次に、溶液を430gで5分間遠心し、上清を廃棄する。遠心した細胞を残留上清に再懸濁させ、アジ化ナトリウムを加える(1%最終濃度)。サンプルをFACs Caliburフローサイトメーター(Becton Dickinson)で分析する。Divaソフトウェアを用い、高自己蛍光に基づいて好中球から好酸球を単離し、光散乱を増加させながら総好酸球のパーセントを測定することで、フローサイトメトリー生データを解析する。それぞれ10μM DK−PGD
2およびDPBSの存在下に、最大(100%)および最小(0%)形状変化を求める。全てのアッセイについて、DK−PGD
2での用量応答曲線を実行することで、各血液供与者についてEC
50を求める。50nM DK−PGD
2の存在下に11用量滴定曲線で化合物を調べて、拮抗薬IC
50を求める。
【0610】
本発明の化合物は、DP受容体と比較してCRTH
2受容体に対して選択的である。DP、ならびに他のプロスタノイド、受容体に関するアッセイは、WO2003/06220に記載されている。
【0611】
以上、上記に記載の具体的な実施形態との関連で本発明について説明したが、それらの多くの代替物、改変および他の変形は、当業者には明らかであろう。そのような代替物、改変および変形は全て、本発明の精神および範囲に包含されるものである。