(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1処理実行部は、前記第1処理において、前記サーバ識別情報として前記ホームサーバのmacアドレスを示すmacアドレスデータを前記ホームサーバから受信し、前記macアドレスデータが示す前記macアドレスに基づいて前記建物識別情報を割り当てることを特徴とする請求項2に記載の建物管理用通信システム。
前記ホームサーバには、前記入力操作において前記居住者によって参照される文字情報として前記サーバ識別情報が表示されたラベルが貼り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の建物管理用通信システム。
前記センターサーバは、前記ホームサーバが前記センターサーバと最初に通信するに際して、前記ユーザ端末に対して前記第1送信処理及び前記第2送信処理の実行を要求し、
前記ホームサーバが前記センターサーバと通信不能な状態となってから前記センターサーバと通信可能な状態に復帰した場合、前記センターサーバは、前記ホームサーバが前記センターサーバと通信可能な状態に復帰した後に、前記ユーザ端末に対して前記第1送信処理及び前記第2送信処理の実行を再度要求することを特徴とする請求項4に記載の建物管理用通信システム。
前記センターサーバは、前記ホームサーバに搭載されたプログラムの種類を前記ホームサーバの状態に関する情報として含む前記受信データを前記ホームサーバから受信し、
前記ホームサーバに搭載することが可能なプログラムを保存したプログラム保存部と、
前記センターサーバが受信した前記受信データに基づき、前記プログラム保存部に保存されたプログラムのうち、前記ホームサーバに搭載されていない未搭載プログラムを特定し、特定した前記未搭載プログラムを前記ホームサーバに向けて送信するプログラム送信部と、を備え、
前記ユーザ端末は、前記居住者が前記プログラム送信部によるプログラム送信を許可するために行う前記入力操作を受け付けて、前記入力データとしての送信許可データを前記プログラム送信部に向けて送信する第3送信処理を更に実行し、
前記プログラム送信部は、前記ユーザ端末から前記送信許可データを受信した場合に限り、前記未搭載プログラムを前記ホームサーバに向けて送信することを特徴とする請求項6に記載の建物管理用通信システム。
建物別に又は該建物の部屋別に設置された建物側サーバと、該建物側サーバと通信可能な建物管理用通信サーバとが通信して、前記建物管理用通信サーバが前記建物側サーバから受信データを受信することと、
記憶機器が前記受信データを記憶することと、
前記記憶機器とは別機器として分かれた第2の記憶機器が、前記建物のユーザに関する個人情報を示す個人情報データを、ユーザに対して固有の識別情報として割り当てられたユーザ識別情報と関連付けた状態で記憶することと、
前記建物管理用通信サーバに備えられた第1処理実行部が、前記建物側サーバに対して固有の識別情報として割り当てられたサーバ情報に基づいて、前記建物又は前記建物の部屋に対して固有の識別情報である建物識別情報を割り当てる第1処理を実行することと、
前記建物管理用通信サーバに備えられた第2処理実行部が、前記受信データを前記建物識別情報と関連付けた状態で前記記憶機器に記憶させる第2処理を実行することと、
前記建物管理用通信サーバに備えられた紐付け処理実行部が、前記記憶機器に記憶された前記受信データと前記第2の記憶機器に記憶された前記個人情報データとを紐付けるための紐付け処理を実行することと、を有し、
前記個人情報データを前記記憶機器及び前記第2の記憶機器のうち、前記第2の記憶機器にのみ記憶し、
前記紐付け処理では、前記ユーザ識別情報と前記建物識別情報とを含んだテーブル情報を示すテーブルデータを前記記憶機器に記憶させ、
前記テーブル情報には、前記建物側サーバが通信不能な状態となると前記建物管理用通信サーバによってオフされるフラグが含まれていることを特徴とする建物管理用通信方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、センターサーバがホームサーバから受信したデータについては、データベース等の所定の記憶機器に記憶されることになる。この際、上記の受信データについては、ホームサーバに対して割り当てられた固有の識別情報、例えば、MACアドレスと関連付けてデータベースに記憶されることがある。つまりセンターサーバがホームサーバから受信したデータについては、ホームサーバの識別情報をキーとしてデータベースに登録される場合がある。
【0006】
ただし、上記の場合、ホームサーバの交換等によってサーバ識別情報に変更があると、それまでのサーバ識別情報を使用することができなくなる。このためにデータベースの登録情報としてのサーバ識別情報を修正する必要が生じ、特に、サーバ識別情報がキーとして用いられている場合には、当該情報の修正は複雑となり、手間を要することになる。
特に、セキュリティ上、ホームサーバ保有者の個人情報データとホームサーバから受信した受信データとを互いに異なる記憶機器に記憶することがある。この場合、両データの紐付けをするためのキーとしてサーバ識別情報を用いると、当該サーバ識別情報を修正するのが非常に煩雑となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、建物や建物の部屋に設置された建物側サーバから取得したデータを管理するうえで、建物側サーバの交換があった場合にも手間を要さずにデータ管理を継続することが可能な建物管理用通信システム及び建物管理用通信方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、建物や建物の部屋に設置された建物側サーバからデータを取得する建物管理用通信サーバとして、建物側サーバの交換があった場合にも手間を要さずにデータ管理の継続を可能とする建物管理用通信サーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明の建物管理用通信システムによれば、建物別に又は該建物の部屋別に設置された建物側サーバと、該建物側サーバと通信可能な建物管理用通信サーバと、該建物管理用通信サーバが前記建物側サーバから受信した受信データを記憶する記憶機器と、前記建物のユーザに関する個人情報を示す個人情報データを、ユーザに対して固有の識別情報として割り当てられたユーザ識別情報と関連付けた状態で記憶する第2の記憶機器と、を有し、前記記憶機器と前記第2の記憶機器とは、互いに別機器として分かれており、
前記個人情報データは、前記記憶機器及び前記第2の記憶機器のうち、前記第2の記憶機器にのみ記憶されており、前記建物管理用通信サーバは、前記建物側サーバに対して固有の識別情報として割り当てられたサーバ識別情報に基づいて、前記建物又は前記建物の部屋に対して固有の識別情報である建物識別情報を割り当てる第1処理を実行する第1処理実行部と、前記受信データを、前記第1処理実行部が割り当てた前記建物識別情報と関連付けた状態で前記記憶機器に記憶させる第2処理を実行する第2処理実行部と、前記記憶機器に記憶された前記受信データと前記第2の記憶機器に記憶された前記個人情報データとを紐付けるための紐付け処理を実行する紐付け処理実行部と、を有し、該紐付け処理実行部は、前記紐付け処理として、前記ユーザ識別情報と前記建物識別情報とを含んだテーブル情報を示すテーブルデータを前記記憶機器に記憶させる処理を実行
し、前記テーブル情報には、前記建物側サーバが通信不能な状態となると前記建物管理用通信サーバによってオフされるフラグが含まれていることにより解決される。
【0009】
上記の建物管理用通信システムによれば、建物側サーバから受信した受信データを記憶機器に記憶する際、建物又は建物の部屋に対して固有の識別情報である建物識別情報に関連付けて記憶する。このように建物側サーバからの受信データと関連付けられる情報が上記の建物識別情報であることにより、サーバを交換したとしても、引き続き同じ建物識別情報を用いれば、サーバ交換に伴って特段の手間を要することなく上記受信データの管理を継続することが可能となる。
【0010】
また、上記の建物管理用通信システムにおいて、前記建物側サーバは、エネルギー使用機器が使用される住宅に設置されたホームサーバであり、前記建物管理用通信サーバは、前記住宅の管理会社が保有するセンターサーバであり、該センターサーバは、前記ホームサーバと通信することにより、前記ホームサーバの状態に関する情報、及び、前記エネルギー使用機器の運転に伴って前記住宅内で使用されるエネルギー使用量に関する情報のうち、少なくともいずれか一方の情報を示す前記受信データを受信することとしてもよい。
上記の構成では、ホームサーバからの受信データとして、ホームサーバの状態に関する情報や住宅内でのエネルギー使用量に関する情報を管理することが可能となる。すなわち、本発明の建物管理用通信システムは、ホームサーバを中心として住宅内に構築されるエネルギー管理システム(Home
Energy Management System、以下、HEMS)に適用することが可能である。
【0011】
また、上記の建物管理用通信システムにおいて、前記第1処理実行部は、前記第1処理において、前記サーバ識別情報として前記ホームサーバのmacアドレスを示すmacアドレスデータを前記ホームサーバから受信し、前記macアドレスデータが示す前記macアドレスに基づいて前記建物識別情報を割り当てることとしてもよい。
上記の構成では、macアドレスに対して所定の演算(例えば、ハッシュ関数による演算)を施すことにより建物識別情報が決定するので、比較的容易に建物識別情報を割り当てることが可能となる。
【0012】
また、上記の建物管理用通信システムにおいて、
前記第2の記憶機器は、前記住宅の居住者に関する個人情報を示す個人情報データを、前記居住者に対して固有の識別情報として割り当てられた居住者識別情報と関連付けた状態で記憶
し、前記居住者の入力操作を受け付けて、該入力操作において前記居住者が入力した内容を示す入力データを送信するユーザ端
末を更に備え、前記ユーザ端末は、前記居住者に対して付与された認証情報が前記入力操作において入力された際に、前記入力データとして、入力された前記認証情報を示す第1入力データを前記センターサーバに向けて送信する第1送信処理と、前記居住者が保有する前記ホームサーバの前記サーバ識別情報が前記入力操作において入力された際に、前記入力データとして、入力された前記サーバ識別情報を示す第2入力データを前記センターサーバに向けて送信する第2送信処理と、を実行し、
前記紐付け処理実行部は、前記紐付け処理として、前記ユーザ端末から受信した前記第1入力データが示す前記認証情報と対応する前記居住者識別情報、前記ユーザ端末から受信した前記第2入力データが示す前記サーバ識別情報、及び、前記建物識別情報とを含んだテーブル情報を示すテーブルデータを前記記憶
機器に記憶させる処理を実行することとしてもよい。
上記の構成では、住宅の居住者によって認証情報及びサーバ識別情報の入力操作が行われると、それを契機として、建物識別情報、居住者識別情報及びサーバ識別情報を含むテーブル情報を示すテーブルデータが生成されて記憶機器に記憶される。このテーブルデータが生成されて記憶されることにより、建物識別情報と関連付けられた状態で記憶機器に記憶されたホームサーバからの受信データと、居住者識別情報と関連付けられた状態で第2の記憶機器に記憶された個人情報のデータとが紐付くようになる。
【0013】
また、上記の建物管理用通信システムにおいて、前記ホームサーバには、前記入力操作において前記居住者によって参照される文字情報として前記サーバ識別情報が表示されたラベルが貼り付けられていることとしてもよい。
具体的に説明すると、例えば、サーバ識別情報を示す文字情報をハガキ等で住宅の居住者に知らせるケースにおいて、当該ハガキが誤送されてしまうと、居住者は、自身が保有しているホームサーバとは異なるサーバの識別情報を入力してしまうことになる。この結果、ホームサーバからの受信データと紐付けられる個人情報のデータは、当該ホームサーバの保有者とは異なる者の個人情報データになってしまう虞がある。
これに対して、上記の構成では、ホームサーバ自体に当該ホームサーバに割り当てられたサーバ識別情報がラベルにて表示されている。これにより、上述した不具合が生じることなく、ホームサーバからの受信データは、当該ホームサーバの保有者の個人情報データと適切に紐付けられるようになる。
【0014】
また、上記の建物管理用通信システムにおいて、前記センターサーバは、前記ホームサーバが前記センターサーバと最初に通信するに際して、前記ユーザ端末に対して前記第1送信処理及び前記第2送信処理の実行を要求し、前記ホームサーバが前記センターサーバと通信不能な状態となってから前記センターサーバと通信可能な状態に復帰した場合、前記センターサーバは、前記ホームサーバが前記センターサーバと通信可能な状態に復帰した後に、前記ユーザ端末に対して前記第1送信処理及び前記第2送信処理の実行を再度要求することとしてもよい。
上記の構成では、ホームサーバがセンターサーバと通信不能な状態となって再び通信可能な状態に戻るたび、居住者による認証情報の入力を要求することになっている。このような構成であれば、例えば住宅の転売により居住者が変わったときに転売済みの住宅に設置されたホームサーバが転売前の居住者の認証情報の下で管理されてしまうのを防ぐことが可能となる。
【0015】
また、上記の建物管理用通信システムにおいて、前記センターサーバは、前記ホームサーバに搭載されたプログラムの種類を前記ホームサーバの状態に関する情報として含む前記受信データを前記ホームサーバから受信し、前記ホームサーバに搭載することが可能なプログラムを保存したプログラム保存部と、前記センターサーバが受信した前記受信データに基づき、前記プログラム保存部に保存されたプログラムのうち、前記ホームサーバに搭載されていない未搭載プログラムを特定し、特定した前記未搭載プログラムを前記ホームサーバに向けて送信するプログラム送信部と、を備え、前記ユーザ端末は、前記居住者が前記プログラム送信部によるプログラム送信を許可するために行う前記入力操作を受け付けて、前記入力データとしての送信許可データを前記プログラム送信部に向けて送信する第3送信処理を更に実行し、前記プログラム送信部は、前記ユーザ端末から前記送信許可データを受信した場合に限り、前記未搭載プログラムを前記ホームサーバに向けて送信することとしてもよい。
上記の構成では、ホームサーバに向けて未搭載プログラムを送信することが可能である一方で、ホームサーバに向けてこれらのプログラムを送信する場合には、住宅の居住者の許可が必要となる。これにより、居住者の意思に反して上記のプログラムがホームサーバに送信されてしまうのを防ぐことが可能となる。
【0016】
さらに、前述の課題は、本発明の建物管理用通信方法によれば、建物別に又は該建物の部屋別に設置された建物側サーバと、該建物側サーバと通信可能な建物管理用通信サーバとが通信して、前記建物管理用通信サーバが前記建物側サーバから受信データを受信することと、記憶機器が前記受信データを記憶することと、前記記憶機器とは別機器として分かれた第2の記憶機器が、前記建物のユーザに関する個人情報を示す個人情報データを、ユーザに対して固有の識別情報として割り当てられたユーザ識別情報と関連付けた状態で記憶することと、前記建物管理用通信サーバに備えられた第1処理実行部が、前記建物側サーバに対して固有の識別情報として割り当てられたサーバ情報に基づいて、前記建物又は前記建物の部屋に対して固有の識別情報である建物識別情報を割り当てる第1処理を実行することと、前記建物管理用通信サーバに備えられた第2処理実行部が、前記受信データを前記建物識別情報と関連付けた状態で前記記憶機器に記憶させる第2処理を実行することと、前記建物管理用通信サーバに備えられた紐付け処理実行部が、前記記憶機器に記憶された前記受信データと前記第2の記憶機器に記憶された前記個人情報データとを紐付けるための紐付け処理を実行することと、を有し、
前記個人情報データを前記記憶機器及び前記第2の記憶機器のうち、前記第2の記憶機器にのみ記憶し、前記紐付け処理では、前記ユーザ識別情報と前記建物識別情報とを含んだテーブル情報を示すテーブルデータを前記記憶機器に記憶させ
、前記テーブル情報には、前記建物側サーバが通信不能な状態となると前記建物管理用通信サーバによってオフされるフラグが含まれていることにより解決される。
上記の方法によれば、建物側サーバが交換したとしても、引き続き同じ建物識別情報を用いて受信データを管理することで、サーバ交換に伴って特段の手間を要することなく、受信データの管理を継続することが可能になる。
【0017】
さらにまた、前述の課題は、本発明の建物管理用通信サーバによれば、建物別に又は該建物の部屋別に設置された建物側サーバと通信可能な建物管理用通信サーバであって、前記建物側サーバに対して固有の識別情報として割り当てられたサーバ識別情報に基づいて、前記建物又は前記建物の部屋に対して固有の識別情報である建物識別情報を割り当てる第1処理を実行する第1処理実行部と、前記建物管理用通信サーバが前記建物側サーバから受信した受信データを、前記第1処理実行部が割り当てた前記建物識別情報と関連付けた状態で記憶機器に記憶させる第2処理を実行する第2処理実行部と、前記記憶機器に記憶された前記受信データと、前記記憶機器とは別機器として分かれた第2の記憶機器に記憶された前記建物のユーザに関する個人情報を示す個人情報データと、を紐付けるための紐付け処理を実行する紐付け処理実行部と、を備え、前記個人情報データは、前記建物のユーザに対して固有の識別情報として割り当てられたユーザ識別情
報と関連付けられた状態で
、前記記憶機器及び前記第2の記憶機器のうち、前記第2の記憶機器に
のみ記憶されており、前記紐付け処理実行部は、前記紐付け処理として、前記ユーザ識別情報と前記建物識別情報とを含んだテーブル情報を示すテーブルデータを前記記憶機器に記憶させる処理を実行
し、前記テーブル情報には、前記建物側サーバが通信不能な状態となると前記建物管理用通信サーバによってオフされるフラグが含まれていることにより解決される。
上記のサーバによれば、建物側サーバを交換したとしても、引き続き同じ建物識別情報を用いて受信データを管理することで、サーバ交換に伴って特段の手間を要することなく、受信データの管理を継続させることが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の建物管理用通信システム、建物管理用通信方法及び建物管理用通信サーバによれば、建物側サーバが交換されたとしても、引き続き同じ建物識別情報を用いて受信データを管理すれば、サーバ交換に伴って特段の手間を要することもなく上記受信データの管理を継続することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る建物管理用通信システム、建物管理用通信方法及び建物管理用通信サーバの実施形態について、
図1乃至14を参照しながら、その一例を説明する。
なお、以下では、一戸建ての住宅Hにおけるエネルギー使用状況、特に電力使用状況を管理する建物管理用通信システム及び建物管理用通信方法を具体例に挙げて説明する。ただし、あくまでも住宅Hは建物の一例に過ぎず、本発明は、他の建物、例えば商業ビル、工場内の建屋、店舗等に対しても適用可能なものである。また、本発明は、建物の部屋、具体的には、マンションの一部屋やオフィスビルの一フロア等にも適用可能である。
【0021】
さらに、上述したように、以下では、エネルギー使用機器の一例としての電気機器が使用される住宅Hを例に挙げて、宅内での電力使用状況を管理するシステムについて説明する。ただし、エネルギー使用機器については電気機器に限定されるものではない。つまり、本発明に係る建物管理用通信システム及び建物管理用通信方法は、電気機器以外のエネルギー消費機器、具体的には、ガス使用機器や水道使用機器等が使用される場合の各種エネルギー使用状況を管理するものとして利用することも可能である。
【0022】
先ず、
図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る建物管理用通信システム(以下、本システムと言う)Sについて説明する。本システムSは、住宅Hに設置されたホームサーバ1、複数のセンターサーバ10、11、12からなるセンターサーバ群、及び、データベース13,14を主たる構成要素として有する。
【0023】
ホームサーバ1は、住宅H別に設置された建物側サーバに相当する。このホームサーバ1は、宅内ネットワーク8を介して、住宅H内にある電気機器群4、センサ群5及び分散電源6と通信可能である。このような宅内通信により、ホームサーバ1は、電気機器群4の各機器を制御したり、センサ群5の各々から電力使用量データを収集したり、分散電源6を制御したりすることが可能である。すなわち、ホームサーバ1は、住宅HにHEMSを構築するための装置であり、かかるホームサーバ1の機能により、例えば、住宅Hの居住者(以下、ユーザと言う)は、住宅Hで実際に使用された電力使用量を視認することが可能である。
【0024】
なお、ユーザは、ホームサーバ1の機能を利用するにあたり、ユーザ端末7を通じて所定の入力操作を行う。そして、ユーザ端末7は、ユーザの入力操作を受け付けた後でホームサーバ1と通信し、上記入力操作の内容に応じたデータをホームサーバ1に送信する。ここで、ユーザ端末7とは、ブラウジング機能を有するデータ処理端末であり、本システムSではPDAのことである。ただし、これに限定されず、スマートフォン、ノートパソコン、住宅H内に設けられた操作パネル等であってもよい。
【0025】
ホームサーバ1は、ルータ2及びモデム3を経由してインターネット等の宅外ネットワーク9に接続しており、当該宅外ネットワーク9に接続されたサーバと通信することが可能である。そして、宅外ネットワーク9に接続されたサーバの中には、本システムSを構築するセンターサーバ群が存在し、ホームサーバ1は、宅外ネットワーク9を介してセンターサーバ群の各々と通信する。
なお、ユーザ端末7についても、宅外ネットワーク9を介して、当該宅外ネットワーク9に接続されたサーバと通信することが可能である。ただし、本システムSにおいてユーザ端末7は、上述のセンターサーバ群のうち、後述の会員専用サーバ12のみと通信することが可能である。
【0026】
センターサーバ群は、ホームサーバ1と通信可能な建物管理用通信サーバに相当する。本システムSでは、住宅Hの管理会社Cがセンターサーバ群を保有している。そして、本システムSにおいて、センターサーバ群は、ホームサーバ1に対して各種サービスを提供する。ここで、センターサーバ群が提供するサービスとしては、「ホームサーバ状態管理」、「バンドル提供」、及び「電力使用状況に関する情報提供」である。「ホームサーバ状態管理」とは、定期的にホームサーバ1と通信して、ホームサーバ1の状態、特に通信の可否やホームサーバ1に搭載されているプログラム(具体的には、アプリケーションプログラムのことであり、以下、バンドルとも言う)の種類及びバージョンを収集することである。「バンドル提供」とは、ホームサーバ1が利用可能なバンドルや、ホームサーバ1に搭載されたバンドルの中でバージョンアップ可能なバンドルをホームサーバ1に向けて送信することである。「電力使用状況に関する情報提供」とは、各住宅H内で使用される電力使用量に関する情報を示すデータをホームサーバ1を通じて収集し、電力使用量の削減に関するアドバイス等、ユーザの節電意識を向上させるための情報を提供することである。
【0027】
本システムSにおいてセンターサーバ群は、複数のサーバ、具体的には3個のサーバ10,11,12によって構成されている。一つ目のサーバは、ホームサーバ1の死活監視を行う監視サーバ10であり、定期的にホームサーバ1と通信して、ホームサーバ1の状態に関する情報を示すデータ(以下、サーバ状態データ)を取得する。ここで、サーバ状態データが示すサーバ情報とは、ホームサーバ1が通信可能な状態であるか否か、ホームサーバ1に搭載されたバンドルの種類及びバージョンに関する情報である。なお、サーバ状態データは、監視サーバ10がホームサーバ1から受信する受信データの一例である。
【0028】
また、監視サーバ10は、上記のサーバ状態データを取得する際に、ホームサーバ1に割り当てられたIPアドレスを示すデータ(以下、IPアドレスデータ)を取得する。IPアドレスは、ルータ2のDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によって割り当てられる。
【0029】
二つ目のサーバは、各種APIを実装し、データベースとセンターサーバとの間を中継するアプリケーションサーバ(以下、APサーバ)11である。このAPサーバ11は、データベースに記憶されたデータを読み出して他のセンターサーバ(具体的には、会員専用サーバ12)に引き渡すとともに、他のセンターサーバからの要求に応じてデータベースにデータを書き込む。また、APサーバは、ホームサーバ1と通信して、ホームサーバ1が設置された住宅Hにおける電力使用量を示すデータ(以下、電力使用量データ)を収集する。なお、当然ながら、電力使用量データとは、電気機器の運転に伴って住宅Hで使用される電力使用量に関するデータである。
【0030】
さらに、本システムSにおいて、ホームサーバ1に搭載することが可能なバンドルがデータベースに保存されており、APサーバ11は、データベースに保存されたバンドルのうち、未搭載バンドルを読み出し、読み出したバンドルの送信を監視サーバ10に要求する。監視サーバ10は、APサーバ11からの要求に応じて、未搭載バンドルをホームサーバ1に向けて送信する。ここで、未搭載バンドルとは、未搭載プログラムに相当し、監視サーバ10に保存されたバンドルのうち、ホームサーバ1に搭載されていないバンドルである。なお、未搭載バンドルの中には、ホームサーバ1に搭載済みのバンドルを更新によりバージョンアップさせるためのバンドルが含まれる。
【0031】
三つ目のサーバは、ユーザがユーザ端末7を通じてアクセスする会員専用サーバ12であり、電力使用状況に関する情報をユーザ端末7に向けて発信するものである。また、会員専用サーバ12は、上述したサービスを提供するにあたり、ユーザに対して認証操作を要求する。より具体的に説明すると、ユーザがユーザ端末7にて所定の入力操作(例えば、URL入力操作)を実行すると、会員専用サーバ12は、所定の入力画面データをユーザ端末7に向けて送信する。そして、ユーザ端末7側で入力画面が描画されると、ユーザは、当該画面に表示された指示に従って認証操作に相当する入力操作を行うようになる。
なお、会員専用サーバ12は、データベース13,14に対して直接接続されておらず、データベース13,14からのデータの読み込み及びデータベース13,14へのデータの書き込みを実行する際には必ずAPサーバ11を経由することになる。
【0032】
データベース13,14は、センターサーバ群とともに管理会社Cに設置されており、本システムSでは複数設けられている。一つのデータベースは、監視サーバ10がホームサーバ1から受信した受信データ、具体的には、サーバ状態データ等を記憶するサーバ情報管理用データベース13であり、記憶機器に相当する。もう一つのデータベース14は、ユーザに関する個人情報を示すデータを記憶する個人情報管理用データベース14であり、第2の記憶機器に相当する。このようにサーバ状態に関するデータと個人情報に関するデータとが互いに異なるデータベース13,14に記憶する構成は、セキュリティの観点から見ると好適である。
【0033】
また、本システムSにおいて、個人情報管理用データベース14は、プログラム保存部に相当し、ホームサーバ1に搭載することが可能なバンドルを保存している。なお、ホームサーバ1に搭載することが可能なバンドルを保存する機器に関しては、個人情報管理用データベース14に限定されず、サーバ情報管理用データベース13であってもよく、あるいは、第3のデータベース(不図示)であってもよい。さらには、監視サーバ10自体にバンドルが保存されていることとしてもよい。
【0034】
次に、
図3及び4を参照しながら、各データベース13,14に記憶されたデータについて説明する。
図3に図示された4つのテーブル情報T1,T2,T3,T4は、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたテーブルデータが示す情報である。上記4つのテーブル情報T1,T2,T3,T4について説明すると、紐付けテーブルT1は、住宅ID、居住者ID、ホームサーバ1のmacアドレス、シリアル番号及び出荷日時、並びに、認証フラグを含む。ここで、住宅IDとは、住宅Hに対して固有の識別情報であり、建物識別情報に相当する。居住者IDとは、ユーザに対して固有の識別情報として割り当てられた居住者識別情報に相当する。認証フラグとは、ホームサーバ1側でサービスを享受するにあたってユーザが行う認証操作が完了しているか否かを判別するためのフラグである。
【0035】
そして、紐付けテーブルT1は、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたサーバ状態データと、個人情報管理用データベース14に記憶された個人情報に関するデータとを紐付けするために生成されるテーブルである。より具体的に説明すると、紐付けテーブルT1は、後述する紐付け処理において生成される。
【0036】
取得バンドル管理テーブルT2は、ホームサーバ1に搭載されたバンドルに関する情報を管理するためのテーブルであり、住宅ID、サービスID、及び、ホームサーバ1に搭載されたバンドルのバージョン情報を含む。ここで、サービスIDとは、監視サーバ10からのバンドル送信サービスの種類に対して割り当てられた識別情報である。なお、取得バンドル管理テーブルT2におけるサービスIDは、ユーザが申し込んだバンドル送信サービスの種類を特定するための情報である。そして、取得バンドル管理テーブルT2は、ホームサーバ1が初めて監視サーバ10と通信した時点で生成され、以後、監視サーバ10がホームサーバ1からサーバ状態データを受信する度に更新される。
【0037】
サービス管理テーブルT3は、監視サーバ10からのバンドル送信サービスの内容を管理するためのテーブルであり、サービスID、サービス名、サービスのバージョン情報、バンドルID、バンドルがバージョンアップした際の更新内容を含む。このサービス管理テーブルT3は、サービスの種類及びバージョンと送信対象のバンドルとの対応関係を示す。つまり、ある種類のサービスを申し込んだ場合、当該種類に相当するサービスID及びバージョン情報には対応したバンドルIDが存在し、当該バンドルIDによって特定されるバンドルが送信されることになる。そして、サービス管理テーブルT3は、バンドル送信サービスが登録される時点で生成され、以後、バンドルがバージョンアップする度に更新される。
【0038】
サーバ状態管理テーブルT4は、ホームサーバ1の状態のうち、通信に関係する内容を管理するためのテーブルであり、住宅ID、サーバIPアドレス、最終オンライン日時、住宅H内においてホームサーバ1と通信可能に接続している機器の死活監視情報を含む。ここで、サーバIPアドレスとは、ルータ2がホームサーバ1に対して割り当てた現在のIPアドレスであり、最終オンライン日時とは、監視サーバ10がホームサーバ1と通信した直近の日時のことである。そして、サーバ状態管理テーブルT4は、ホームサーバ1が初めて監視サーバ10と通信した時点で生成され、以後、監視サーバ10がホームサーバ1からサーバ状態データを受信する度に更新される。
【0039】
図4に図示された3つのテーブル情報T11,T12,T13は、個人情報管理用データベース14に記憶されたテーブルデータが示す情報である。上記3つのテーブル情報T11,T12,T13について説明すると、会員情報テーブルT11は、ユーザの個人情報を管理するためのテーブルであり、居住者ID、ユーザの氏名、住所及びメールアドレスを含む。そして、会員情報テーブルT11は、ユーザが住宅Hを購入する手続として上述のサービスを申し込む時点で生成される。
【0040】
申し込みサービス管理テーブルT12は、ユーザが申し込んだサービスの内容を管理するためのテーブルであり、居住者ID、サービスID、利用可能フラグを含む。ここで、利用可能フラグとは、サービスIDに対応するバンドルについて送信完了、送信予約受付中、未送信のいずれの状態にあるのかを判別するためのフラグである。そして、申し込みサービス管理テーブルT12についても、ユーザが住宅Hを購入する手続として上述のサービスを申し込む時点で生成される。
【0041】
バンドル管理テーブルT13は、監視サーバ10が送信可能な各バンドルに関する情報を管理するテーブルであり、バンドルID、バンドル名、バンドルのバージョン情報、バンドルがバージョンアップした際の更新内容を含む。そして、バンドル管理テーブルT13は、バンドルが登録される時点で生成され、以後、当該バンドルがバージョンアップする度に更新される。
【0042】
以上までに説明してきたように、本システムSでは、センターサーバである監視サーバ10がホームサーバ1から受信した受信データ、例えば、サーバ状態データが住宅IDと関連付けられた状態でサーバ情報管理用データベース13に記憶されている。このようにホームサーバ1からの受信データと関連付けられる情報が、住宅Hに固有の識別情報である住宅IDであれば、故障等によりホームサーバ1を交換したとしても、引き続き同じ住宅IDを用いれば、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたデータの書き換えを最小限に抑えることが可能となる。
【0043】
具体的に説明すると、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたデータ中、紐付けテーブルT1に含まれたmacアドレス及びシリアル番号についてのみ修正すればよく、サーバ状態データが関与する他のテーブル(具体的には、取得バンドル管理テーブルT2やサーバ状態管理テーブルT4)については修正を要しない。したがって、本システムSでは、サーバ交換に伴って特段の手間を要することなく、サーバ状態データをはじめとするホームサーバ1からの受信データの管理を継続することが可能となる。
【0044】
次に、
図2を参照しながら、本システムSにおける各機器の構成を機能面から説明する。
ホームサーバ1は、電力使用量データ取得部31と、サーバ状態データ取得部32と、HSデータ送信部33と、HSデータ受信部34と、macアドレスデータ記憶部35と、IPアドレスデータ記憶部36とを有する。これらの部分は、ホームサーバ1が備えるCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、及び、ホームサーバ1に搭載されたバンドルによって構成されている。
【0045】
電力使用量データ取得部31は、住宅Hに設置された複数の電力センサからなるセンサ群5と宅内ネットワーク8を介して通信し、センサ群5から取得したデータに基づき、住宅Hにおいて所定期間内に使用された電力量を算出する。これにより、当該算出結果を示す電力使用量データが取得される。サーバ状態データ取得部32は、ホームサーバ1に搭載されたバンドルの種類及びバージョンに関する情報を不図示のメモリから読み取ることにより、サーバ状態データを取得する。
【0046】
HSデータ送信部33は、宅内ネットワーク8や宅外ネットワーク9を通じて各種データを送信する。HSデータ送信部33が宅外ネットワーク9を通じて送信するデータの中には、上述の電力使用量データやサーバ状態データをはじめ、macアドレスデータ記憶部35に記憶されたmacアドレスデータや、IPアドレスデータ記憶部36に記憶されたIPアドレスデータも含まれる。
HSデータ受信部34は、宅内ネットワーク8や宅外ネットワーク9を通じて各種データを受信する。HSデータ受信部34が宅外ネットワーク9を通じて受信するデータの中には、監視サーバ10から送信されたバンドルが含まれる。ただし、これに限定されるものではなく、監視サーバ10から送信されたバンドルについては、HSデータ受信部34とは別に設けられたバンドル受信部(不図示)によって受信されることとしてもよい。
【0047】
ユーザ端末7は、操作受け付け部41と、データ生成部42と、UTデータ送信部43と、UTデータ受信部44とを有する。操作受け付け部41は、ユーザ端末7に備えられたタッチパネルからなり、ユーザの入力操作を受け付ける。データ生成部42は、操作受け付け部41がユーザの入力操作を受け付けた際に、当該入力操作においてユーザが入力した内容を示す入力データを生成する。なお、データ生成部42は、ユーザ端末7に内蔵されたCPU、ROMやRAM等のメモリ、及び、ユーザ端末7にインストールされたプログラムによって構成される。
【0048】
UTデータ送信部43は、宅内ネットワーク8や宅外ネットワーク9を通じて各種データを送信し、例えば宅外ネットワーク9を通じて上述の入力データを会員専用サーバ12に向けて送信する。UTデータ受信部44は、宅内ネットワーク8や宅外ネットワーク9を通じて各種データを受信し、例えば、宅外ネットワーク9を通じて会員専用サーバ12から後述の入力画面データを受信する。なお、UTデータ送信部43及びUTデータ受信部44は、ユーザ端末7に内蔵されたCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、及び、ユーザ端末7にインストールされた通信プログラムによって構成される。
【0049】
監視サーバ10は、RMデータ送信部51、RMデータ受信部52、RM読み込み部53、RM書き込み部54及びバンドル送信部55を有する。RMデータ送信部51は、宅外ネットワーク9を通じてホームサーバ1に向けてデータを送信したり、他のサーバ(APサーバ11や会員専用サーバ12)にデータを引き渡したりする。RMデータ受信部52は、宅外ネットワーク9を通じてホームサーバ1からサーバ状態データ等のデータを受信したり、他のサーバからデータを受け取ったりする。なお、RMデータ送信部51及びRMデータ受信部52は、監視サーバ10のCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、監視サーバ10にインストールされた通信プログラムによって構成される。
【0050】
RM読み込み部53は、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたデータを読み込む。RM書き込み部54は、サーバ情報管理用データベース13に新たなデータを書き込んだり、既に記憶されているデータの内容を更新したりする。より詳しく説明すると、RM書き込み部54は、本発明の第2処理実行部に相当し、RMデータ受信部52がホームサーバ1から受信したサーバ状態データ(受信データの一例)をサーバ情報管理用データベース13に記憶させる処理(以下、サーバ状態データ記憶処理)を実行する。
【0051】
サーバ状態データ記憶処理は、本発明の第2処理に相当し、サーバ状態データを前述の住宅IDに関連付けた状態でサーバ情報管理用データベース13に記憶させる処理である。より具体的に説明すると、サーバ状態データ記憶処理では、RM書き込み部54が、前述した取得バンドル管理テーブルT2のテーブルデータや、サーバ状態管理テーブルT4のテーブルデータをサーバ情報管理用データベース13に記憶させる。
【0052】
そして、取得バンドル管理テーブルT2やサーバ状態管理テーブルT4では、ホームサーバ1からの受信データが示す情報、具体的には、バンドルのバージョン情報、サーバIPアドレス、最終オンライン日時、死活監視情報が住宅IDをキー情報として登録されている。つまり、RM書き込み部54は、住宅IDをキー情報としてサーバ状態情報をサーバ情報管理用データベース13に登録する。これにより、登録されたサーバ状態情報を示すデータが同データベース13にテーブルデータとして記憶されるようになる。
【0053】
バンドル送信部55は、APサーバ11のバンドル送信命令部66及び会員専用サーバ12の許可通知部75と協働して本発明のプログラム送信部を構成し、宅外ネットワーク9を通じて上述の未搭載バンドルをホームサーバ1に向けて送信する。なお、RM読み込み部53、RM書き込み部54及びバンドル送信部55は、監視サーバ10のCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、及び、監視サーバ10にインストールされたプログラムによって構成される。
【0054】
APサーバ11は、住宅ID割り当て部61、APデータ送信部62、APデータ受信部63、紐付け処理実行部64、AP読み込み部65、バンドル送信命令部66及びAP書き込み部67を有する。
住宅ID割り当て部61は、本発明の第1処理実行部に相当し、APサーバ11に内蔵されたCPU、ROMやRAM等のメモリ、APサーバ11にインストールされたプログラムによって構成される。住宅ID割り当て部61は、ホームサーバ1が設置された住宅Hに対して上述の住宅IDを割り当てる処理(以下、住宅ID割り当て処理)を実行する。
【0055】
住宅ID割り当て処理について説明すると、当該処理は、本発明の第1処理に相当する。そして、住宅ID割り当て処理では、住宅ID割り当て部61が、ホームサーバ1に対して固有の識別情報として割り当てられたサーバ識別情報に基づき、そのサーバ識別情報と対応するホームサーバ1が設置された住宅Hに対して住宅IDを割り当てる。ここで、サーバ識別情報とは、ホームサーバ1のmacアドレスである。住宅ID割り当て部61は、住宅ID割り当て処理において、ホームサーバ1のmacアドレスを示すmacアドレスデータから当該macアドレスを特定する。
【0056】
その後、住宅ID割り当て部61は、特定したmacアドレスに対して所定の演算処理を適用して、無二の番号を算出し、当該番号を住宅IDとして割り当てる。ここで、macアドレスから住宅IDに相当する番号を算出する方法としては、例えば、ハッシュ関数を用いた方法が挙げられるが、これに限定されるものではなく、macアドレスから無二の番号を算出する方法であれば他の方法であってもよい。また、本システムSでは、住宅IDとして無二の番号を割り当てることとしたが、番号のみでなく、番号と文字(例えば、アルファベット)を組み合わせた文字列を住宅IDとして割り当てることとしてもよい。
【0057】
APデータ送信部62は、宅外ネットワーク9を通じてホームサーバ1に向けてデータを送信したり、他のサーバ(監視サーバ10や会員専用サーバ12)にデータを引き渡したりする。APデータ受信部63は、宅内ネットワーク9を通じてホームサーバ1からサーバ状態データ等のデータを受信したり、他のサーバからデータを受け取ったりする。
【0058】
また、本システムSにおいて、APデータ受信部63は、前述の住宅ID割り当て部61とともに本発明の第1処理実行部を構成する。具体的に説明すると、APデータ受信部63は、住宅ID割り当て処理において、ホームサーバ1のmacアドレスを示すmacアドレスデータを当該ホームサーバ1から受信し、同データを住宅ID割り当て部61に引き渡す。本システムSにおいて、APデータ受信部63は、ホームサーバ1が最初に宅外ネットワーク9に接続された際に、ホームサーバ1に対してmacアドレスデータの送信を要求する。この要求に応じてホームサーバ1、より具体的には、HSデータ送信部33がmacアドレスデータをAPサーバ11に向けて送信すると、APサーバ11側ではAPデータ受信部63が宅外ネットワーク9を通じてmacアドレスデータを受信するようになる。
【0059】
なお、APデータ送信部62及びAPデータ受信部63は、APサーバ11のCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、APサーバ11にインストールされた通信プログラムによって構成される。
【0060】
紐付け処理実行部64は、APサーバ11のCPU、ROMやRAM等のメモリ及びAPサーバ11にインストールされたプログラムによって構成され、紐付け処理を実行するものである。紐付け処理とは、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたサーバ状態データと、個人情報管理用データベース14に記憶された個人情報データとを紐付けるための処理である。より具体的に説明すると、紐付け処理実行部64は、上記紐付け処理として、前述した紐付けテーブルT1のテーブルデータを生成して、同データをサーバ情報管理用データベース13に記憶させる処理を実行する。
【0061】
紐付けテーブルT1によるデータの紐付けについて説明すると、サーバ情報管理用データベース13には取得バンドル管理テーブルT2のデータやサーバ状態管理テーブルT4のデータが記憶されており、これら2つのテーブルT2,T4の各々では、前述したように、住宅IDをキー情報としてサーバ状態情報が登録されている。また、個人情報管理用データベース14には会員情報テーブルT11や申し込みサービス管理テーブルT12が記憶されており、これら2つのテーブルT11,T12の各々では、
図4から分かるように、居住者IDをキー情報としてユーザの個人情報が登録されている。
【0062】
一方、
図3から分かるように、紐付けテーブルT1は、住宅ID、居住者ID、macアドレスを含んだテーブル情報である。このように住宅IDと居住者IDの双方を含む紐付けテーブルT1のデータが記憶されると、紐付けテーブルT1が、サーバ状態情報に関するテーブルT2,T4と、個人情報に関するテーブルT11,T12との間を仲介するようになる。換言すると、サーバ状態情報に関するテーブルT2,T4と個人情報に関するテーブルT11,T12とが紐付けテーブルT1によって紐付けされるようになる。
【0063】
AP読み込み部65は、サーバ情報管理用データベース13や個人情報管理用データベース14に記憶されたデータを読み込む。バンドル送信命令部66は、個人情報管理用データベース14に保存されたバンドルのうち、送信対象として抽出したバンドルを監視サーバ10に引き渡し、監視サーバ10に当該バンドルの送信を命ずる。ここで、監視サーバ10が送信対象として抽出するバンドルは、ホームサーバ1に搭載されていない未搭載バンドルである。
【0064】
AP書き込み部67は、サーバ情報管理用データベース13や個人情報管理用データベース14に新たなデータを書き込んだり、既に記憶されているデータの内容を更新したりするものである。前述の紐付け処理実行部64は、前述の紐付け処理において紐付けテーブルT1のテーブルデータを生成すると、AP書き込み部67を通じて当該テーブルデータをサーバ情報管理用データベース13に記憶させる。
【0065】
なお、AP読み込み部65、バンドル送信命令部66及びAP書き込み部67は、APサーバ11のCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、及び、APサーバ11にインストールされたプログラムによって構成される。
【0066】
会員専用サーバ12は、MBデータ送信部71、MBデータ受信部72、紐付け要求部73と、居住者認証部74と、許可通知部75とを有し、これら各部は、会員専用サーバ12のCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、及び、会員専用サーバ12にインストールされた通信プログラムによって構成される。
【0067】
また、前述したように、会員専用サーバ12は、データベース13,14に直接アクセスすることができず、データベース13,14からデータを引き出したりデータベース13,14にデータを書き込んだりする際にはAPサーバ11(より具体的には、AP読み込み部65やAP書き込み部67)を経由することになる。
【0068】
MBデータ送信部71は、宅外ネットワーク9を通じてユーザ端末7に向けてデータを送信したり、他のサーバ(監視サーバ10やAPサーバ11)にデータを引き渡したりする。MBデータ受信部72は、宅外ネットワーク9を通じてユーザ端末7からデータを受信したり、他のサーバからデータを受け取ったりする。MBデータ受信部72がユーザ端末7から受信するデータの中には、ユーザ端末7を通じて行う入力操作においてユーザが入力した内容を示す入力データが挙げられる。
【0069】
そして、MBデータ受信部72がユーザ端末7から入力データを受信すると、MBデータ送信部71が当該入力データを解析し、ユーザの入力操作に応じたデータをユーザ端末7に向けて送信する。ユーザ端末7側では、MBデータ送信部71から送信されたデータが受信されると、同データが展開されて同データに基づく画面(ページ)が描画される。
【0070】
紐付け要求部73は、APサーバ11の紐付け処理実行部64に対して紐付け処理の実行を要求するものである。本システムSでは、センターサーバ群が提供するサービスの利用を開始するにあたってユーザが行う認証操作で正常な操作が行われた場合に、紐付け要求部73が紐付け処理実行部64に対して紐付け処理の実行を要求する。
【0071】
居住者認証部74は、会員専用サーバ12のCPU、ROMやRAM等のメモリ、通信用インタフェース、及び、会員専用サーバ12にインストールされた通信プログラムによって構成される。そして、居住者認証部74は、ユーザが行う認証操作において正常な操作が行われたか否かを判断し、正常な操作が行われていた場合に紐付け要求部73を介して紐付け処理の実行を要求するものである。具体的に説明すると、居住者認証部74は、ユーザが認証操作を行う際に所定の入力画面をユーザ端末7に描画させるためのデータ(以下、入力画面データ)をユーザ端末7に向けて送信する。さらに、居住者認証部74は、ユーザの認証操作に伴ってユーザ端末7から送信されるデータを解析し、認証操作が正常になされたか否かを判断する。
【0072】
ここで、認証操作について詳しく説明すると、居住者認証部74は、先ず、上記の入力画面データとしてID等入力画面データをユーザ端末7に向けて送信する。ID等入力画面データを受信したユーザ端末7側では、ID等入力画面データが展開される結果、ID等入力画面が描画される。ユーザは、当該入力画面の所定欄にアカウントID及びログインパスワードを入力する。アカウントID及びログインパスワードは、ユーザに対して付与された認証情報であり、管理会社Cからユーザに予め通知されている。そして、当該認証情報が入力操作において入力された際、ユーザ端末7は、当該入力操作を受け付け、入力された認証情報を示すデータ(以下、ID等入力データ)を生成し、ID等入力データを会員専用サーバ12に向けて送信する処理を実行する。かかる処理は、第1送信処理に相当し、ユーザ端末7が入力データとして送信するID等入力データは、第1入力データに相当する。
【0073】
居住者認証部74は、ID等入力データを解析して、ユーザが入力したアカウントID及びログインパスワードを特定する。さらに、居住者認証部74は、特定したアカウントID及びログインパスワードが整合しているか否かを判定し、両者が整合している場合には、第2の入力画面データとしてアドレス等入力画面データをユーザ端末7に向けて送信する。アドレス等入力画面データを受信したユーザ端末7側では、
図12に図示したアドレス等入力画面が描画される。ユーザは、自宅に設置されたホームサーバ1のmacアドレス及びシリアル番号を、アドレス等入力画面中の入力欄P1,P2に入力する。
【0074】
そして、ユーザがアドレス等の入力完了後でアドレス等入力画面中の実行ボタンP3にタッチすると、このタッチ操作を契機として、ユーザ端末7が、入力されたmacアドレス及びシリアル番号を示すデータ(以下、アドレス等入力データ)を生成し、アドレス等入力データを会員専用サーバ12に向けて送信する処理を実行する。かかる処理は、第2送信処理に相当し、ユーザ端末7が入力データとして送信するアドレス等入力データは、第2入力データに相当する。
【0075】
居住者認証部74は、アドレス等入力データを解析して、ユーザが入力したmacアドレス及びシリアル番号を特定する。さらに、居住者認証部74は、特定したmacアドレス及びシリアル番号が整合しているか否か、すなわち、macアドレス及びシリアル番号が同一のホームサーバ1に対する識別情報であるか否かを判定する。両者が整合している場合、認証操作が完了する。そして、認証操作が完了した後、ユーザは、センターサーバ群が提供するサービスを享受することができるようになる。換言すると、センターサーバ群は、ユーザ端末7からID等入力データ及びアドレス等入力データを受信した後に限り、サービスに供するデータをホームサーバ1に向けて送信する。
【0076】
以上までに説明してきた認証操作、及び、認証操作に付随する処理は、例えば、ホームサーバ1が最初に宅外ネットワーク9に接続された際に実行される。その際、居住者認証部74は、認証操作の完了に伴い、紐付け要求部73を介して紐付け処理の実行を要求する。この要求に応じて紐付け処理実行部64が上述の紐付け処理を実行する結果、紐付けテーブルT1のテーブルデータがサーバ情報管理用データベース13に記憶される。
【0077】
ここで、紐付けテーブルT1は、前述したように、住宅ID、居住者ID、macアドレス及びシリアル番号を含んでおり、その中で居住者IDは、ユーザ端末7から受信したID等入力データが示すアカウントID及びパスワードと対応するものである。また、紐付けテーブルT1中のmacアドレスは、ユーザ端末7から受信したアドレス等入力データが示す情報と一致するものである。
【0078】
以上までに説明してきたように、本システムSではユーザによってアカウントIDやmacアドレスの入力操作が行われると、それを契機として、紐付けテーブルT1のテーブルデータが生成されてサーバ情報管理用データベース13に記憶される。このテーブルデータが生成されて記憶されることにより、住宅IDと関連付けられた状態でサーバ情報管理用データベース13に記憶されたサーバ状態データと、居住者IDと関連付けられた状態で個人情報管理用データベース14に記憶された個人情報データとが紐付くようになる。
【0079】
なお、本システムSでは、
図14に示すように、ホームサーバ1にラベルLが貼り付けられており、このラベルLには、入力欄P1,P2への入力操作においてユーザによって参照される文字情報としてのmacアドレス及びシリアル番号が表示されている。そして、ユーザは、ホームサーバ1のmacアドレス及びシリアル番号を入力する際、上記のラベルLに表示された文字情報を参照しながら入力する。このような構成であれば、ホームサーバ1からの受信データは、当該ホームサーバ1の保有者の個人情報データと適切に紐付くようになる。これにより、ホームサーバ1からの受信データが当該ホームサーバ1の保有者とは異なる者の個人情報データと紐付けられた場合に生じる不具合、例えば、自己が保有するホームサーバ1について、サーバ状態を他人によって閲覧されたり、他人によって操作されたりするような事態を防ぐことが可能となる。
【0080】
さらに、本システムSでは、ホームサーバ1が一定期間以上、監視サーバ10と通信しなかった場合、その後にホームサーバ1が再び監視サーバ10と通信する際、居住者認証部74がユーザに対して上記の認証操作を再度要求する。その場合、ユーザは、再認証操作を行わない限り、センターサーバ群が提供するサービスを利用することができない。
具体的に説明すると、ホームサーバ1が通信不能な状態となると、紐付けテーブルT1中の認証フラグがオフとなり、その後にホームサーバ1が通信可能な状態に復帰した時点で、会員専用サーバ12からID等入力画面データがユーザ端末7に向けて送信される。これにより、前述した手順と同様の手順にてユーザによる再認証操作が行われることになる。つまり、ホームサーバ1が監視サーバ10と通信不能な状態となってから監視サーバ10と通信可能な状態に復帰した場合、ホームサーバ1が監視サーバ10と通信可能な状態に復帰した後で居住者認証部74が再びID等入力データ及びアドレス等入力データを受信するようになっている。そして、居住者認証部74が上記2つのデータを受信すると、認証フラグが再びオフからオンに切り替わるようになる。認証フラグがオンになると、ユーザは、再びセンターサーバ群が提供するサービスを利用することができるようになる。
【0081】
以上のように、本システムSにおいてセンターサーバ群は、ホームサーバ1がセンターサーバ群と最初に通信する際に、ユーザ端末7に対してID等入力データの送信処理及びアドレス等入力データの送信処理の実行を要求する。また、ホームサーバ1が監視サーバ10と通信不能な状態となってから監視サーバ10と通信可能な状態に復帰した場合、センターサーバ群は、ホームサーバ1が監視サーバ10と通信可能な状態に復帰した後に、ユーザ端末7に対して上記2つの送信処理の実行を再度要求する。
【0082】
つまり、本システムSでは、ホームサーバ1が監視サーバ10と通信不能な状態となって再び通信可能な状態に戻るたび、ユーザによる認証操作を要求することになっている。このような構成であれば、管理会社Cが関与しない形で住宅Hが転売された場合、居住者が変わったにもかかわらず転売済みの住宅にあるホームサーバ1が転売前の居住者の認証情報の下で管理されてしまうのを防ぐことが可能となる。
【0083】
許可通知部75は、ホームサーバ1へのバンドル送信を実行するにあたり、ユーザからバンドル送信に対する許可を受けるものである。そして、許可通知部75は、ユーザからバンドル送信許可が得られた場合に限り、バンドル送信命令部66にバンドル送信を命令させ、バンドル送信部55に未搭載バンドルを送信させる。
【0084】
より具体的に説明すると、バンドル送信部55、バンドル送信命令部66及び許可通知部75は、前述したように、本発明のプログラム送信部を構成している。これらのうち、バンドル送信命令部66は、定期的に、AP読み込み部65を通じてデータベース13,14に記憶されたテーブル情報を読み出して、未搭載バンドルの有無を調査する。その後、当該調査結果を示すデータが会員専用サーバ12に引き渡されると、許可通知部75が、バンドル送信命令部66から引き渡された上記データに基づいて、未搭載バンドルのリストを表示するためのデータ(以下、バンドルリストデータ)を生成し、バンドルリストデータをユーザ端末7に向けて送信する。
【0085】
バンドルリストデータを受信したユーザ端末7側では、バンドルリストデータが展開されて、
図13に図示されたバンドル送信許可画面が描画される。同画面には、バンドルリストデータが示す未搭載バンドルのリストが表示される。ユーザは、当該リストの中で、送信(ダウンロード)を許可するバンドルを指定する。具体的に説明すると、ユーザは、リストアップされたバンドルの各々に設けられたラジオボタンQ1,Q2,Q3のうち、送信を許可するバンドルに対応するボタンをオンする入力操作を行う。
【0086】
そして、ユーザが送信を許可するバンドルを指定した後でバンドル送信許可画面中の送信許可ボタンQ4にタッチすると、このタッチ操作を契機として、ユーザ端末7が、送信許可対象のバンドルを示すデータ(以下、送信許可データ)を生成し、送信許可データを会員専用サーバ12に向けて送信する処理を実行する。かかる処理は、第3送信処理に相当し、ユーザ端末7は、ユーザがバンドル送信を許可するために行う入力操作を受け付けて、入力データとしての送信許可データを会員専用サーバ12、より具体的には、許可通知部75に向けて送信する。
【0087】
一方、ユーザがバンドル送信許可画面中の送信不許可ボタンQ5にタッチすると、ユーザ端末7は、バンドル送信許可画面中に表示されているバンドルすべてについて送信を許可しないことを示すデータ(以下、送信不許可データ)を生成し、送信不許可データを会員専用サーバ12に向けて送信する。
【0088】
許可通知部75は、ユーザ端末7から送信許可データを受信すると、送信許可データを解析して、ユーザが送信を許可したバンドルを特定し、さらに、特定したバンドルをバンドル送信命令部66に通知する。バンドル送信命令部66は、許可通知部75が送信許可対象として通知したバンドルを、個人情報管理用データベース14に保存されたバンドルの中から抽出する。その後、バンドル送信命令部66は、抽出したバンドルをバンドル送信部55に引き渡し、バンドル送信部55に対して当該バンドルの送信を命令する。
【0089】
そして、バンドル送信部55は、バンドル送信命令部66から引き渡されたバンドルをホームサーバ1に向けて送信する。この結果、ユーザが送信を許可した未搭載バンドルがホームサーバ1に搭載(インストール)されるようになる。
なお、許可通知部75がユーザ端末7から送信不許可データを受信した場合、バンドル送信許可画面に表示されたすべてのバンドルについて、送信が見送られることになる。
【0090】
以上のように、本システムSでは、未搭載バンドルとして送信可能なバンドルのうち、ユーザが送信を許可したバンドルについてのみホームサーバ1に向けて送信される。換言すると、本システムSにおいて、バンドル送信部55は、許可通知部75がユーザ端末7から送信許可データを受信した場合に限り、未搭載バンドルをホームサーバ1に向けて送信する。これにより、居住者の意思に反してバンドルがホームサーバ1に送信されてしまい、ユーザが送信を許可しないバンドルが自動的にホームサーバ1にインストールされてしまうのを防ぐことが可能となる。
【0091】
次に、
図5乃至11を参照しながら、本システムSを用いた建物管理用通信方法の一例(以下、本通信方法)について説明する。
本通信方法では、
図5乃至11に示すように、サービス申し込み時、住宅Hの施工時、住宅Hの入居開始時、サービス開始時及びサービス利用時の各々において所定の手続及びその付随処理が行われる。
【0092】
具体的に説明すると、ユーザは、例えば住宅Hを購入する際、住宅Hに構築されるHEMSの仕様に関する契約を管理会社Cとの間で結ぶ。このとき、ユーザは、センターサービス群が提供するサービスのうち、どの種類のサービスを利用するのかを決め、
図5に示す通り、当該サービスの利用に必要な情報を所定の申込書に記入する(S001)。管理会社Cは、記入済みの申込書を受領すると(S002)、申込書に記載された申込み内容を入力する(S003)。この入力処理により、サービス申込者、すなわちユーザの氏名、住所、メールアドレス、及び、申し込まれたサービスの種類が登録される。この結果、個人情報管理用データベース14に、会員情報テーブルT11及び申し込みサービス管理テーブルT12の各々のテーブルデータが記憶される(S004)。
【0093】
次に、住宅Hの施工時には、
図6に示す通り、ホームサーバ提供会社からホームサーバ1が出荷された後(S011)、当該ホームサーバ1が住宅Hの所定位置に取り付けられる(S012)。その後、ホームサーバ1と宅内ネットワーク8とを接続し、住宅H内でホームサーバ1と通信する機器(例えば、センサ、電気機器及び分散電源)とホームサーバ1との間の接続状態について検査を行う(S013)。
【0094】
一方、ホームサーバ提供会社では、ホームサーバ1の出荷に際して、ホームサーバ1にはmacアドレス及びシリアル番号が表示されたラベルLが貼り付けられる。さらに、ホームサーバ提供会社は、出荷対象のホームサーバ1についての出荷情報を不図示の登録端末に登録する。ここで、出荷情報とは、出荷対象のホームサーバ1のmacアドレス、シリアル番号、及び出荷日時に関する情報である。なお、この出荷情報が登録された登録端末は、宅外ネットワーク9を介して監視サーバ10やAPサーバ11と通信可能である。
【0095】
次に、ユーザは、住宅Hに入居後、インターネット開通の契約をプロバイダ会社と結ぶ。かかるプロバイダ契約の締結後に宅外ネットワーク9としてのインターネットが開通した後、ユーザは、ホームサーバ1をインターネットに接続する(S021)。これにより、ホームサーバ1は、監視サーバ10やAPサーバ11と通信可能となる。そして、ホームサーバ1は、インターネットに接続されると、自動的にAPサーバ11との通信を実行する。かかる通信処理は、ホームサーバ1がインターネット接続後に実行する最初の通信処理であり、当該通信処理において、ホームサーバ1のHSデータ送信部33が、macアドレスデータ記憶部35からmacアドレスデータを読み出し、読み出したmacアドレスデータをAPサーバ11に向けて送信する(S022)。
【0096】
APサーバ11側では、APデータ受信部63がmacアドレスデータを受信し、住宅ID割り当て部61が、受信したmacアドレスデータからmacアドレスを特定し、特定したmacアドレスに基づいて、住宅Hに対して住宅IDを割り当てる(S023)。住宅IDの割り当てが完了すると、住宅ID割り当て部61は、APデータ送信部62を通じて割り当て完了通知を、住宅IDと対応する住宅Hに設置されたホームサーバ1に向けて送信する(S024)。なお、本通信方法において、割り当て完了通知とは、住宅IDそのものを意味し、割り当て完了通知を送信するとは、住宅IDをホームサーバ1に向けて送信することを意味する。
【0097】
ホームサーバ1のHSデータ受信部34が上記の割り当て完了通知をAPサーバ11から受信すると(S025)、ホームサーバ1は、監視サーバ10と通信する。具体的に説明すると、HSデータ送信部33が、ホームサーバ1のIPアドレスを示すIPアドレスデータと、ホームサーバ1に搭載されたバンドルのバージョン情報を示すバージョンデータとを監視サーバ10に向けて送信する。なお、IPアドレスデータは、IPアドレスデータ記憶部36から読み出すことにより取得され、バージョンデータは、サーバ状態データ取得部32により取得される。
【0098】
監視サーバ10側では、ホームサーバ1から送信されるIPアドレスデータ及びサーバ状態データがRMデータ受信部52によって受信される(S027)。受信した上記データは、それぞれ、RM書き込み部54が実行するサーバ状態データ記憶処理においてサーバ情報管理用データベース13に記憶される。この際、上記データは、住宅IDと関連付けた状態で記憶される。これにより、サーバ情報管理用データベース13には、サーバ状態管理テーブルT4及び取得バンドル管理テーブルT2の各々のテーブルデータが記憶される(S028)。なお、RM書き込み部54がサーバ状態データ記憶処理を実行するにあたり、APサーバ11が住宅Hに対して割り当てた住宅IDが監視サーバ10に通知される。
【0099】
次に、ユーザは、センターサーバ群が提供するサービスを利用するにあたり、ユーザ端末7を通じて認証操作を行う。具体的に説明すると、
図8に示す通り、サービス利用開始にあたり、会員専用サーバ12のMBデータ送信部71がユーザ端末7に向けてID等入力画面データを送信する(S031)。かかるデータ送信は、ユーザがユーザ端末7を通じて会員専用サーバ12にアクセスしたことをトリガーとして実行される。
【0100】
ユーザ端末7側では、UTデータ受信部44がID等入力画面データを受信し、当該データが展開されてID等入力画面が描画される(S032)。そして、ユーザがID等入力画面の所定欄にアカウントIDやパスワードを入力すると、操作受け付け部41が当該入力操作を受け付ける(S033)。さらに、ユーザ端末7は、当該入力操作においてユーザが入力したアカウントIDやパスワードを示すID等入力データをデータ生成部42によって生成し、同データを会員専用サーバ12に向けて送信する処理を実行する(S034)。
【0101】
会員専用サーバ12では、MBデータ受信部72がID等入力データを受信する(S035)。その後、居住者認証部74がID等入力データを解析し、ユーザによって入力されたアカウントID及びパスワードを特定し、特定したアカウントID及びログインパスワードが整合しているか否かを判定する。そして、両者が整合している場合、居住者認証部74は、認証フラグをオンにした上で(S036)、MBデータ送信部71を通じてアドレス等入力画面データをユーザ端末7に向けて送信する(S037)。
【0102】
ユーザ端末7側では、UTデータ受信部44がアドレス等入力画面データを受信し、当該データが展開されて、
図12のアドレス等入力画面が描画される(S038)。そして、ユーザは、ホームサーバ1に貼り付けられたラベルLを見ながら同ラベルLに表示されたmacアドレス及びシリアル番号をアドレス等入力画面中の入力欄P1,P2に入力し、アドレス等の入力完了後に実行ボタンP3にタッチする。ユーザ端末7は、これらの入力操作を操作受け付け部41にて受け付けると(S039)、入力されたmacアドレス及びシリアル番号を示すアドレス等入力データをデータ生成部42により生成し、同データを会員専用サーバ12に向けて送信する処理を実行する(S040)。
【0103】
会員専用サーバ12では、MBデータ受信部72がアドレス等入力データを受信する(S041)。その後、居住者認証部74が、アドレス等入力データを解析して、ユーザが入力したmacアドレス及びシリアル番号を特定し、特定したmacアドレス及びシリアル番号が整合しているか否かを判定する(S042)。両者が整合している場合、認証操作が完了し、これを以て、ユーザは、センターサーバ群が提供するサービスを享受することができるようになる。なお、macアドレス及びシリアル番号が整合しているかどうかの判定は、ホームサーバ提供会社が保有する端末から、macアドレスとシリアル番号のリストを示すデータを入手し、当該リストと照合することによって行われる。
【0104】
そして、認証操作が完了すると、居住者認証部74が紐付け要求部73を介して紐付け処理の実行を要求する(S043)。この要求に応じてAPサーバ11の紐付け処理実行部64が紐付け処理を実行する(S044)。これにより、サーバ情報管理用データベース13に紐付けテーブルT1のテーブルデータが記憶される(S045)。換言すると、住宅ID、ユーザ端末7から受信したID等入力データが示す認証情報と対応する居住者ID、ユーザ端末7から受信したアドレス等入力データが示すmacアドレス及びシリアル番号とを含むテーブル情報がサーバ情報管理用データベース13に登録される。この結果、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたサーバ状態データと、個人情報管理用データベース14に記憶された個人情報データとが紐付けされるようになる。
【0105】
以上のような手順を経てセンターサーバ群の提供サービスを利用することができるようになると、監視サーバ10からホームサーバ1へ未搭載バンドルを送信する処理が実行可能となる。このバンドル送信処理について説明すると、
図9に示すように、先ず、会員専用サーバ12の許可通知部75が、未搭載バンドルのリストを表示するためのバンドルリストデータを生成し、同データをユーザ端末7に向けて送信する(S051)。
なお、許可通知部75がバンドルリストデータを生成するにあたり、APサーバ11のバンドル送信命令部66がデータベース13,14に記憶されたテーブル情報を読み出して未搭載バンドルの有無を調査し、当該調査結果を示すデータを会員専用サーバ12に引き渡す。
【0106】
ユーザ端末7側では、UTデータ受信部44がバンドルリストデータを受信し、当該データが展開されて、
図13のバンドル送信許可画面が描画される(S052)。そして、ユーザは、バンドル送信許可画面中に表示されたバンドルの中から送信を許可するバンドルを指定し、バンドル指定後に送信許可ボタンQ4にタッチする。ユーザ端末7は、ユーザの送信許可操作を操作受け付け部41にて受け付けると(S053)、ユーザにより送信が許可されたバンドルを示す送信許可データをデータ生成部42により生成し、同データを会員専用サーバ12に向けて送信する処理を実行する(S054)。
【0107】
会員専用サーバ12では、MBデータ受信部72が送信許可データを受信する(S055)。その後、許可通知部75が、送信許可データを解析して、ユーザが送信を許可したバンドルを特定し(S056)、さらに、特定したバンドルをバンドル送信命令部66に通知する。バンドル送信命令部66は、送信許可対象として通知されたバンドルを個人情報管理用データベース14に保存されたバンドルの中から抽出する。
【0108】
そして、バンドル送信命令部66は、抽出したバンドルをバンドル送信部55に引き渡し、バンドル送信部55に対して当該バンドルの送信を命令する(S057)。この命令に応じてバンドル送信部55は、バンドル送信命令部66から引き渡されたバンドルをホームサーバ1に向けて送信する(S058)。ホームサーバ1は、バンドル送信部55が送信した未搭載バンドルを受信し、受信されたバンドルがホームサーバ1に搭載(インストール)される(S059)。
【0109】
以上までに説明してきた一連の手順により、ホームサーバ1に搭載されたバンドルの構成及び各バンドルのバージョン情報が更新される。なお、バンドルの構成及びバージョン情報が更新された後、監視サーバ10が後述する死活監視処理を実行した時点で更新後のバンドルの構成及びバンドル情報を特定する。その後、監視サーバ10のRM書き込み部54によって、サーバ情報管理用データベース13に記憶された取得バンドル管理テーブルT2のデータが更新後の内容となるように書き換えられる。
【0110】
ところで、センターサーバ群の提供サービスとしては、上述のバンドル送信サービスの他、監視サーバ10によるホームサーバ1の死活監視サービスがあり、かかるサービスは、定期的(例えば、1時間毎)に実行される。具体的に説明すると、
図10に示すように、監視サーバ10が、RM読み込み部53を通じて、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたサーバ状態管理テーブルT4を読み込む(S061)。これにより、監視サーバ10は、ホームサーバ1と最後に通信した日時(最終オンライン日時)を特定し、特定した日時、すなわち、前回の通信から所定時間が経過しているかどうかを判断する(S062)。そして、前回の通信から所定時間が経過しているとき(S062でYes)、監視サーバ10は、死活監視処理を実行する(S063)。
【0111】
死活監視処理において、ホームサーバ1が監視サーバ10と通信不能な状態である場合(S064でNo)、監視サーバ10は、認証フラグをオフにし(S065)、RM書き込み部54によって、サーバ情報管理用データベース13に記憶された紐付けテーブルT1のデータを更新する(S066)。
【0112】
一方、死活監視処理において、ホームサーバ1が監視サーバ10と通信可能な状態である場合(S064でYes)、ホームサーバ1は、HSデータ送信部33を通じてサーバ状態データを監視サーバ10に向けて送信する(S067)。監視サーバ10は、RMデータ受信部52により上記のサーバ状態データを受信すると(S068)、RM書き込み部54によって、サーバ情報管理用データベース13に記憶されたサーバ状態管理テーブルT4のデータを更新する(S069)。
【0113】
また、本通信方法において、監視サーバ10は、サーバ状態データを受信した際に、サーバ情報管理用データベース13に記憶された紐付けテーブルT1から認証フラグのオンオフを特定する(S070)。ここで、前回の死活監視処理において認証フラグがオンであった場合(S070でYes)、監視サーバ10がサーバ状態管理テーブルT4のデータを更新した時点で死活監視処理が終了する。
【0114】
前回の死活監視処理において認証フラグがオフであった場合(S070でNo)、ユーザに対して上記の認証操作が再度要求される。
より詳しく説明すると、前回の死活監視処理においてホームサーバ1が通信不能な状態にあったために認証フラグがオフとなっていた場合、今回の死活監視処理においてホームサーバ1の状態が通信可能な状態に復帰していると、
図11に示すように、会員専用サーバ12からID等入力画面データがユーザ端末7に向けて送信される(S071)。以降、前述した手順と同様の手順により、認証操作及び当該操作に付随する処理が進行する(S072〜S082)。
【0115】
つまり、会員専用サーバ12がユーザ端末7に向けて各入力画面データを送信し、ユーザ端末7が各入力画面を描画した上でユーザによる入力操作を受け付ける。そして、ユーザ端末7は、ユーザが入力したアカウントIDやパスワードを示すID等入力データ、及び、ユーザが入力したmacアドレス及びシリアル番号を示すアドレス等入力データを生成し、これらのデータを会員専用サーバ12に向けて送信する処理を実行する。
【0116】
会員専用サーバ12は、ユーザ端末7から上記の入力データを受信し、当該入力データを解析してユーザの入力内容を特定する。そして、特定したアカウントIDとパスワードが整合し、かつ、特定したmacアドレス及びシリアル番号が整合している場合、再度の認証操作が完了する。これ以降、ユーザは、センターサーバ群が提供するサービスを享受することができるようになる。換言すると、本通信方法では、ホームサーバ1が通信不能な状態のままで所定時間が経過した場合、その後に再度の認証操作が完了しない限り、ユーザは、センターサーバ群が提供するサービスを享受することができないことになっている。そして、再度の認証操作が完了した時点で上記サービスが再度利用可能となる。
【0117】
以上までに説明してきた実施形態は、本発明の建物管理用通信システム、建物管理用通信方法及び建物管理用通信サーバに関する一例に過ぎず、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0118】
また、上記の実施形態では、ホームサーバ1の状態を示すサーバ状態データのみならず、住宅Hで使用される電力使用量を示す電力使用量データについてもホームサーバ1から取得する構成について説明した。つまり、本発明の建物管理用通信システムは、ホームサーバ1を中心として住宅内に構築されるHEMSに適用することが可能である。ただし、ホームサーバ1と通信してホームサーバ1から受信するデータについては、ホームサーバ1の状態に関する情報、及び、エネルギー使用機器の運転に伴って住宅H内で使用されるエネルギー使用量に関する情報のうち、少なくともいずれか一方を含むものであればよい。
【0119】
また、上記の実施形態では、住宅H固有の識別情報である住宅IDが、住宅Hに設置されたホームサーバ1のmacアドレスにハッシュ関数等の所定の演算を施すことで得られることとした。このようにmacアドレスに対して所定の演算を施すことにより住宅IDが決定するので、比較的容易に建物識別情報を割り当てることが可能となる。ただし、住宅IDを決定する際に用いる情報については、macアドレスに限定されるものではなく、ホームサーバ1に対して固有の識別情報として割り当てられた情報である限り、他の識別情報を用いることとしてもよい。
【0120】
また、上記の実施形態では、ホームサーバ1が住宅Hに設置されてから最初に宅外ネットワーク9に接続された時点で、当該ホームサーバ1のmacアドレスを示すデータがAPサーバ11に向けて送信されることとした。そして、上記のデータを受信したAPサーバ11側では、上記のデータが示すmacアドレスに基づいて、上記のデータの送信元であるホームサーバ1が設置された住宅Hに対して住宅IDが割り当てられることとした。ここで、macアドレス等のサーバ識別情報に基づいて住宅IDのような建物識別情報を割り当てる態様としては、上記のケースに限定されるものではない。例えば、ホームサーバ1をそのサプライヤから出荷するに際して、出荷情報として当該ホームサーバ1のmacアドレスを示すデータをセンターサーバに向けて送信するケースが考えられる。かかるケースにおいて、上記macアドレスを示すデータを受信したサーバ(具体的には、上記の実施形態に係るAPサーバ11に相当するサーバ)側で、macアドレスに基づいて、住宅ID等の建物識別情報をホームサーバ1の出荷先である住宅Hに対して割り当てることとしてもよい。
【0121】
また、上記の実施形態では、ユーザがユーザ端末7を通じて所定の認証操作を行うと、APサーバ11側で紐付け処理が実行されることとした。そして、上記の実施形態では、紐付け処理の実行により、紐付けテーブルT1のテーブルデータが生成されてサーバ情報管理用データベース13に記憶されることとした。ただし、紐付けテーブルT1のテーブルデータが生成されるタイミング、すなわち、紐付け処理の実行時点については、上記のケースに限定されるものではなく、ユーザによる認証操作が行われる時点よりも前の時点であってもよい。例えば、直前の段落に記載したケース、すなわち、ホームサーバ1の出荷に際して当該ホームサーバ1の出荷先である住宅Hに対する住宅IDを割り当てるケースでは、ホームサーバ1の出荷時点、つまり、住宅IDが割り当てられた際に紐付けテーブルT1のテーブルデータが生成されることとしてもよい。かかる構成では、ユーザによる認証操作が行われることにより、紐付けテーブルT1中の認証フラグがオフからオンに切り替わるようになる。