【課題を解決するための手段】
【0004】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクス半導体チップは、少なくとも1つの活性領域を備えている。特に、本オプトエレクトロニクス半導体チップは、互いに距離を隔てて配置されている多数の活性領域を備えている。本オプトエレクトロニクス半導体チップの動作時、活性領域において電磁放射(特に光)が生成され、その少なくとも一部分が半導体チップから放出される。これに代えて、活性領域において電磁放射を電荷キャリアに変換することが可能である。
【0005】
極端な場合、本オプトエレクトロニクス半導体チップが正確に1つの活性領域を備えていることも可能である。このような半導体チップは、特に、通信技術において使用することができる。
【0006】
本オプトエレクトロニクス半導体チップは、それぞれが互いに距離を隔てて配置されている多数の活性領域を備えている。この場合、これらの活性領域を、下面もしくは上面またはその両方においてさらなる要素によって互いに接続することが可能である。この場合、活性領域は、それぞれの下面およびそれぞれの上面の間の領域において互いに隔てられており、これらの領域において互いに接続されていない。
【0007】
活性領域は、例えば規則的な格子状に配置することができる。すなわち、活性領域は互いに所定の距離に配置されており、例えば活性領域の上面の平面視において、規則的な格子構造、例えば長方形格子または三角格子の構造などが認識できる。しかしながら、活性領域をランダムに分布させることも可能である。
【0008】
以下では、基本的には、多数の活性領域のうちの1つの活性領域について説明する。活性領域の大部分、特に、すべての活性領域が、その1つの領域について説明する特性を有することが好ましい。
【0009】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、本オプトエレクトロニクス半導体チップは、キャリアを備えている。このキャリアは、多数の活性領域の下面に配置されている。キャリアは、多数の活性領域を機械的に担持して支持する、オプトエレクトロニクス半導体チップの要素である。一例として、キャリアは、多数の活性領域を互いに接続する、オプトエレクトロニクス半導体チップの要素とすることもできる。
【0010】
キャリアは、例えば、活性領域の少なくとも一部分の成長基板とすることができる。この目的のため、キャリアは、例えば、GaAs、シリコン、ガラス、またはサファイアから形成することができる。さらに、上に挙げた材料の少なくとも1種類をキャリアが含んでいることも可能である。キャリアが成長基板である場合、成長基板は半導体チップに残り、特に、除去されない。しかしながら、成長基板を薄くする、すなわち、例えば研削、エッチング、または化学機械研磨によって成長基板の厚さを小さくすることが可能である。
【0011】
キャリアは、放射透過性として(例えば透明に)、または放射に対して反射性として、または拡散散乱性として、具体化することができる。すなわち、半導体チップの動作時に活性領域において生成される電磁放射、または活性領域において検出される電磁放射は、例えば、キャリアを通過する、またはキャリアにおいて反射される、またはキャリアにおいて散乱することができる。
【0012】
さらに、キャリアを電気的絶縁性として具体化することが可能である。一例として、多数の活性領域の半導体材料の成長基板の役割を果たす放射透過性の電気的絶縁材料(サファイアなど)によって、キャリアを形成することができる。
【0013】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、活性領域の少なくとも1つは、主延在方向を有する。すなわち、活性領域は、すべての空間方向に均等な距離だけ延在するのではなく、活性領域の延在距離が最大である好ましい方向(主延在方向)が存在する。
【0014】
活性領域は、一例として、円柱の形状、円錐台の形状、角錐の形状、または、特に六角形または三角形の底面を有する角柱の形状を有することができる。この場合、主延在方向は、円柱の高さ、円錐台の高さ、または角柱の高さが求められる方向である。言い換えれば、少なくとも1つの活性領域は、細長い3次元体によって形成されており、例えば平面状の層の形を有さない。さらに、活性領域は、例えば平らな外面を有する連続的な構造化されていない層ではない。
【0015】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、少なくとも1つの活性領域は、第1の半導体材料によって形成されているコア領域を有する。この場合、第1の半導体材料は、第1の導電型を有する。一例として、第1の半導体材料は、n型導電性に具体化されている。第1の半導体材料は、例えば、n型にドープされたIII−V族半導体材料系をベースとすることができる。一例として、第1の半導体材料は、n型にドープされた窒化物半導体材料系をベースとする。この場合、特に、第1の半導体材料は、n型導電性のGaN、InGaN、AlGaN、またはAlInGaNをベースとすることができる。
【0016】
一例として、少なくとも第1の半導体材料は、活性領域の側のキャリアの外面の上に直接堆積されている。第1の層として、ドープされていない成長層を堆積させることもでき、次いで、この成長層の上にn型導電性の材料が堆積される。
【0017】
活性領域のコア領域は、特に、主延在方向に沿って延在しており、活性領域と同じ形状を有することができる。活性領域が例えば円柱または角柱の形状に具体化されている場合、コア領域も円柱または角柱の形状を有することができる。この場合、コア領域は、特に、第1の半導体材料からなる固体として具体化することができる。
【0018】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、少なくとも1つの活性領域は、活性層を備えており、この活性層は、少なくとも、活性領域の主延在方向を横切る方向に、コア領域を覆っている。コア領域は例えば側面を有し、この側面は、部分的に、または特に完全に、活性層の材料によって覆うことができる。端面も、少なくとも部分的に覆うことができる。この場合、コア領域は活性層に直接隣接していることができる。本オプトエレクトロニクス半導体チップの動作時、オプトエレクトロニクス半導体チップによって生成される放射は、活性領域、特に、活性層において生成される。活性層は、製造公差の範囲内で均一な厚さを有することが好ましく、ただし、活性層の厚さは主延在方向に沿って変化することができる。
【0019】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、少なくとも1つの活性領域は、カバー層を有し、このカバー層は、第2の半導体材料によって形成されており、少なくとも、活性領域の主延在方向を横切る方向に、活性層を覆っている。一例として、カバー層とコア領域との間に活性層が配置されている。この場合、カバー層は、活性層を部分的または完全に覆っていることができる。カバー層は、製造公差の範囲内で均一な厚さを有することが好ましく、ただし、カバー層の厚さは主延在方向に沿って変化することができる。
【0020】
第2の半導体材料は、第1の導電型とは異なる第2の導電型の半導体材料である。特に、第2の半導体材料は、第1の半導体材料と同じ半導体材料系をベースとすることができるが、この場合、異なるドーピングを有することができる。例えば、第1の半導体材料がn型導電性に形成されている場合、第2の半導体材料はp型導電性に形成される。一例として、第2の半導体材料は、p−GaN、p−InGaN、p−AlGaN、またはp−AlInGaN、あるいは、これらの材料のうちの2種類以上から構成される2層以上の積層体をベースとする。
【0021】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、本半導体チップは、多数の活性領域を備えており、これらの活性領域は互いに距離を隔てて配置されている。さらに、本オプトエレクトロニクス半導体チップは、多数の活性領域の下面に配置されているキャリアを備えている。この場合、活性領域の少なくとも1つは主延在方向を有し、活性領域は、第1の半導体材料によって形成されているコア領域を有し、活性領域は活性層を有し、この活性層は、少なくとも、活性領域の主延在方向を横切る方向に、コア領域を覆っており、活性領域はカバー層を有し、このカバー層は、第2の半導体材料によって形成されており、少なくとも、活性領域の主延在方向を横切る方向に、活性層を覆っている。
【0022】
この場合、本オプトエレクトロニクス半導体チップは、例えば同一のタイプであるように構築されている多数の活性領域を備えていることが好ましい。これらの活性領域は、製造公差の範囲内で同一に具体化することができる。すなわち、活性領域それぞれが、コア領域と、活性層と、カバー層とを備えており、これらはそれぞれ製造公差の範囲内で同じ材料組成を有する。特に、本オプトエレクトロニクス半導体チップのすべての活性領域を、製造公差の範囲内で同一に具体化することが可能である。しかしながら、本オプトエレクトロニクス半導体チップが、少なくとも部分的に異なって具体化されている多数の活性領域を備えていることも可能である。一例として、活性領域は、太さ(すなわち主延在方向を横切る方向における範囲)、または長さ(すなわち主延在方向に平行な範囲)、または組成のうちの少なくとも1つに関して、互いに異なっていることができる。したがって、異なる活性領域が異なる色の光を放出することができ、したがって、半導体チップ全体として例えば白色光を放出する。
【0023】
特に、GaN系の発光ダイオードの効率は、動作電流条件下においていわゆる「ドループ」効果によって制限される。ドループ効果とは、電流密度または電荷キャリア密度が上昇するにつれて効率が大幅に低下することを意味する。したがって、一般的な動作電流は、効率曲線の最大値を大幅に超える。したがって、同じ電流のままで、より高い効率に高める目的で、局所的な電荷キャリア密度を下げることが有利である。これは、例えば、オプトエレクトロニクス半導体チップの断面積を大きくすることによって、または活性層の数を増やすことによって、達成することができる。しかしながら、いずれの方法にも問題がある。
【0024】
この点に関して、断面積を大きくすることは、多くの用途(例えば投影装置におけるオプトエレクトロニクス半導体チップの使用)において現実的ではなく、なぜなら、断面積を大きくすることに伴って、エタンデュ(etendue)も増大するためである。さらに、この解決策では、通常では半導体チップの断面積の増大に不相応につねにコストが増大する。
【0025】
本明細書に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの場合、活性領域は、例えば「コアシェルナノロッド」または「コアシェルマイクロロッド」として具体化されている。オプトエレクトロニクス半導体チップの放射放出領域が多数の活性領域(すなわち例えば多数のコアシェルロッド)に分割されている結果として、動作時に電磁放射が生成される活性体積(active volume)が、例えば構造化されていない1つの活性領域を備えたオプトエレクトロニクス半導体チップと比較して増大する。このようにすることで、半導体チップの効率が高まる。
【0026】
本明細書に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップは多数の活性領域を備えているため、活性エリア(active area)を大幅に大きくすることと、したがって、電荷キャリア密度が低下するとともに動作電流条件下で効率を高めることとが達成される。さらに、互いに距離を隔てた活性領域をエピタキシャル成長させるとき、閉じた2次元層と比較して、活性領域の半導体材料における歪みの低減を達成することができる。
【0027】
特に、本明細書に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップは、1個、2個以上、100個以上、好ましくは1,000個以上、特に10,000個以上、または100,000個以上の活性領域を備えていることが可能である。一例として、この場合、活性領域は、それぞれの側面の領域において互いに電気的に絶縁されている。この場合、活性領域をまとめて駆動する、グループ単位で駆動する、または個別に駆動することが可能である。
【0028】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、第1の半導体材料の成長方向は、主延在方向に実質的に平行に延びる。すなわち、第1の半導体材料の成長方向は、製造公差の範囲内で主延在方向に平行に延びる。したがって、少なくとも1つの活性領域のコア領域の第1の半導体材料は、主延在方向に成長する。活性領域の活性層およびカバー層は、コア領域の半導体材料の成長方向を横切る方向と、コア領域の半導体材料の成長方向と同じ方向において、コア領域を覆っている。
【0029】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、活性領域は、主延在方向において求められる長さを有する。すなわち、活性領域の長さは、主延在方向に沿って測定される。さらに、活性領域は、主延在方向に垂直な方向において求められる直径または太さ、すなわち主延在方向が直角に位置するような平面内に延在する直径または太さを有する。直径は、主延在方向に沿って変化することができる。この場合、本オプトエレクトロニクス半導体チップの活性領域(好ましくはすべての活性領域)の最大直径に対する長さの比は、少なくとも1、特に、少なくとも5、例えば、少なくとも5〜最大で100の範囲内である。
【0030】
この場合、活性領域の直径(すなわち太さ)は、少なくとも20nm〜最大で25μmの範囲内とすることができる。材料の品質を改善することに関して、特に、活性領域の半導体材料における転位を減少させることに関して、少なくとも100nmかつ最大で3μm、特に、最大で1μmの直径を有する活性領域が、特に有利であることが判明している。このような細い活性領域の場合、一般的に転位は活性領域の長さ全体に沿って活性領域を貫通せず、小さい太さのため比較的短い経路長の後に活性領域の側面において終了し、活性領域全体にわたって延びることはない。さらに、転位が活性領域のコア領域の長さ全体に沿って延びることがあるが、コア領域の外面において活性層を貫通することはない。
【0031】
この場合、活性領域は、高い密度で、すなわち高い充填率で配置されていることが好ましい。この場合、充填率とは、活性領域に割り当てられるキャリアの上面の合計面積に対する、活性領域に隣接するキャリアの面の面積の比に相当する。充填率は、好ましくは少なくとも20%、特に、少なくとも50%、例えば少なくとも75%である。結果として、オプトエレクトロニクス半導体チップの活性エリアの特に大幅な拡大が達成される。
【0032】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、活性領域は電流拡散層を有し、この電流拡散層は、少なくとも、主延在方向を横切る方向に、カバー層を覆っており、電流拡散層は、動作時に活性層において生成される電磁放射に対して透過性とすることができる。電流拡散層は、電流をカバー層全体にわたり特に均一に分布させる役割を果たす。この場合、電流拡散層は、特に、カバー層に直接接触しており、カバー層を部分的または完全に覆っていることができる。カバー層が、例えばp型導電性の窒化物化合物半導体材料によって形成されている場合、カバー層は比較的低い横方向導電率を有する。したがって、電流拡散層によって、活性領域の活性層がより均一に通電される。電流拡散層は、例えば、製造公差の範囲内で均一な厚さを有することのできる層としてカバー層を覆っている。
【0033】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、電流拡散層は、活性領域において生成される電磁放射に対して透過性であるように具体化されている。すなわち、電流拡散層は、この場合には放射透過性である。
【0034】
本明細書において、「放射透過性」という表現は、放射透過性である要素が、そこを通過する活性層の電磁放射の少なくとも75%を、その放射を吸収することなく通過させることができることを意味する。この場合、放射透過性である要素は、乳白色透明(milky transparent)、ヘイズィ透明(hazy transparent)、または透明(pellucid transparent)として具体化することができる。
【0035】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、電流拡散層は、透明導電性酸化物(TCO)によって形成されている。一例として、電流拡散層を形成する目的には、ITOやZnOなどの材料が適している。
【0036】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、電流拡散層は、活性領域の長さの少なくとも大部分にわたり延在している。特に、電流拡散層が、活性領域の長さ全体にわたり、カバー層を均一に、かつこの場合には完全に覆っていることが可能である。
【0037】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、多数の活性領域の間に絶縁材料が配置されており、この絶縁材料は、動作時に活性層において生成される電磁放射に対して透過性とすることができ、この絶縁材料は、多数の活性領域を、少なくとも、主延在方向を横切る方向に囲んでいる。言い換えれば、活性領域の間の空間に絶縁材料が満たされており、絶縁材料は、この空間を満たす、特に、完全に満たすことができる。この場合、絶縁材料は、電気的絶縁性であり、かつ放射透過性である(適切な場合)ように、具体化されている。絶縁材料としては、一例として、アルミニウム酸化物(AlO
x)、二酸化ケイ素、シリコン窒化物、ダイヤモンドライクカーボン、ポリマーなどの材料が適している。
【0038】
絶縁材料は、特に、電流拡散層も放射透過性であるように具体化されている場合、放射透過性であるように具体化されている。電流拡散層が、例えば放射不透過性の金属層として具体化されている場合、絶縁材料も、放射不透過性であるように具体化することができる。
【0039】
絶縁材料は、個々の活性領域を電気的に分離することに加えて、機械的損傷、大気ガス、および湿気に対して活性領域を保護する役割を果たす。
【0040】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、絶縁材料に代えて、または絶縁材料に加えて、多数の活性領域の間に機能材料を配置することが可能であり、機能材料は、少なくとも、主延在方向を横切る方向に、活性領域を囲んでおり、機能材料は、少なくとも1種類のルミネセンス変換物質もしくは少なくとも1種類のESD保護材料またはその両方を備えている。一例として、これらの材料の粒子を絶縁材料の中に導入することもでき、したがって、粒子によって満たされた絶縁材料が機能材料を形成する。ルミネセンス変換物質は、例えば、活性領域において生成される電磁放射の少なくとも一部分を、より長い波長を有する電磁放射に変換するのに適している。この場合、本半導体チップは、例えば混合放射、特に白色光を放出する。ESD保護材料は、例えば、ZnOなどのバリスタ材料とすることができる。
【0041】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、絶縁材料は、少なくとも部分的に活性領域の外面に直接隣接している。一例として、絶縁材料は、各活性領域の側面を完全に覆っており、活性領域の最も外側の層(具体的には電流拡散層)に直接隣接している。この場合、絶縁材料によって活性領域が埋め込まれる。
【0042】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、多数の活性領域の側のキャリアの面にマスク層が配置されており、このマスク層は、活性領域それぞれに対して開口部を有し、第1の半導体材料が開口部を満たしている。活性領域を作製する目的で、一例として、第1の半導体材料から構成されている層またはキャリアにマスク層を形成する。マスク層は、第1の半導体材料から構成されている層またはキャリアに通じる開口部を有する。次いで、各活性領域のコア領域を形成する第1の半導体材料を、開口部の領域においてのみ、第1の半導体材料から構成されている層またはキャリアの上に成長させる。活性領域の位置は、開口部の位置によって決まる。マスク層は、完成したオプトエレクトロニクス半導体チップに残すことができる。マスク層の開口部は、第1の半導体材料によって満たされている。
【0043】
しかしながら、マスク層が放射透過性ではない場合、マスク層を半導体チップから除去することもできる。これに代えて、マスクなしでのコア領域の自己組織化成長(self-assembled growth)も可能である。この場合、マスクを省く。
【0044】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、マスク層は、動作時に活性層において生成される電磁放射に対して透過性である。この目的のため、マスク層を、例えば、絶縁層と同じ材料から形成することができる。
【0045】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、キャリアとは反対側の活性領域の上面において、コア領域に活性層が存在せず、コア領域が導電性コンタクト層に直接接触している。すなわち、キャリアから離れる方向を向いた活性領域の先端部が部分的に除去されており、カバー層および活性層が除去されている。このようにすることで、コア領域(すなわち特に、活性領域の第1の半導体材料)が露出しており、コア領域を導電性コンタクト層に直接電気的に接触させることができる。
【0046】
一例として、コア領域は、n型導電性であるように具体化されている。すなわち、活性領域のn側接触接続が、導電性コンタクト層によって可能である。短絡や電流漏洩経路を抑制する目的で、カバー層および電流拡散層(適切な場合)は、パッシベーション部によって導電性コンタクト層から隔てられている。この場合、パッシベーション部は、活性領域のコア領域に直接接触していることができ、キャリアとは反対側の活性領域の面に配置されており、活性領域の側面において、例えばカバー層および電流拡散層(適切な場合)に直接接触している。パッシベーション部は、キャリアとは反対側のコア領域の上面と同じ高さとすることができ、キャリアとは反対側の自身の面において、導電性コンタクト層に直接接触するように配置することができる。
【0047】
このパッシベーションは、例えば、カバー層および電流拡散層(適切な場合)を電気的絶縁性材料によって覆うことによって、または、カバー層の半導体材料を、例えばイオン注入により、または例えば水素プラズマステップにおけるドーピング種の電気的不活性化により、パッシベーション処理することによって、または、バックスパッタリングステップにより表面欠陥を形成することによって、実施することができる。
【0048】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、コンタクト層は、オプトエレクトロニクス半導体チップの活性領域の少なくとも大部分、特にすべての活性領域のコア領域に直接接触している。すなわち、すべてのコア領域、またはすべてのコア領域の少なくとも大部分が、1つの共通のコンタクト層を介して導電接続されている。
【0049】
この場合、コンタクト層は、少なくとも部分的に、特に、多数の活性領域の側のキャリアの外面に平行に、または実質的に平行に延びる平面内に、延在することができる。この場合、活性領域は、キャリアとコンタクト層との間に囲まれている。
【0050】
この場合、活性領域の少なくとも大部分とは、オプトエレクトロニクス半導体チップの活性領域の少なくとも75%、好ましくは少なくとも85%、特に、少なくとも95%を意味する。実質的に平行であるとは、コンタクト層の少なくとも一部分が、活性領域の側のキャリアの外面に製造公差の範囲内で平行に延びる平面内に延在することを意味する。
【0051】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、コンタクト層は、動作時に活性領域において生成される電磁放射に対して透過性または反射性であるように具体化されている。透過性のコンタクト層は、例えば、上述した透明導電性酸化物によって形成することができる。反射性のコンタクト層は、例えば、銀、Au、Ti、Pt、Pd、Wf、Os、アルミニウムなどの反射性の金属によって形成することができる。反射性のコンタクト層の場合、キャリアが、放射透過性であるように具体化されていることが好ましく、動作時にオプトエレクトロニクス半導体チップによって放出される電磁放射の少なくとも大部分がキャリアを通じて放出される。
【0052】
本オプトエレクトロニクス半導体チップの少なくとも一実施形態によると、活性領域は、キャリアとは反対側の自身の上面に、材料を除去した痕跡を有する。すなわち、活性領域のコア領域が、例えば材料除去工程によって除去される。この場合、少なくともコア領域は、この材料除去の痕跡を有する。材料の除去は、一例として、エッチング、化学機械研磨(CPM)、またはソーイングとすることができる。材料の除去に使用される技術によって、活性領域の材料に特徴的な痕跡が形成され、これらは完成した部品において材料除去の痕跡として検出することができる。
【0053】
この場合、コンタクト層による接触接続のために利用可能であるコア領域の面積を、材料の除去(すなわち痕跡)によって増大させることが可能である。一例として、キャリアとは反対側のコア領域の面が、平面状の領域と比較して接触領域を増大させるファセット部または粗面化部を有する。このようにすることで、低い接触抵抗が可能である。
【0054】
本明細書に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップは、特に、以下の利点を特徴とする。
【0055】
本半導体チップは、特にコストが節約される方法で製造することができ、なぜなら、本オプトエレクトロニクス半導体チップを製造するために要求される工程ステップおよび工程の数が、3次元結晶構造(例えば3次元コアシェル構造)において可能であるためである。さらには、3次元結晶構造の接触接続を、標準化されている工程によって実施することができ、なぜなら、接触接続自体はナノメートルオーダーの解像度を必要とせず、すべての活性領域にわたり延在するコンタクト層によって可能であるためである。本明細書に記載されている活性領域を作製するのに平面状のエピタキシャル構造が要求されないため、標準以外の異種基板の上や大きな領域の異種基板の上にもエピタキシャル成長を行うことができる。特に、電気的絶縁性の成長基板を使用することができる。さらには、半導体材料として、N面方向に成長するGaN系の半導体材料を使用することもできる。主延在方向における活性領域の長さの違いは、平坦化ステップによって補正することができ、この場合、p側との接触に使用されるp型導電性領域の特性も損なわれない。しかしながら、各活性領域の利用可能な活性エリアが特に効率的に利用されるようにする目的で、平坦化を省くことも可能である。
【0056】
以下では、本発明のオプトエレクトロニクス半導体チップおよびその製造方法について、例示的な実施形態および対応する図面に関連してさらに詳しく説明する。