特許第5953039号(P5953039)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5953039
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】樹脂製部材の組み付け構造
(51)【国際特許分類】
   F02F 7/00 20060101AFI20160630BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   F02F7/00 L
   F16B5/02 F
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-278664(P2011-278664)
(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公開番号】特開2013-130082(P2013-130082A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151209
【氏名又は名称】株式会社マーレ フィルターシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛
(72)【発明者】
【氏名】谷 征爾
【審査官】 永田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−051039(JP,U)
【文献】 特開2003−343522(JP,A)
【文献】 実開昭57−190166(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02F 7/00
F02F 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周にボス部が形成された樹脂製部材を、上記ボス部にてボルトにより他部材に固定する樹脂製部材の組み付け構造において、
上記樹脂製部材は、上記他部材に対して上記ボス部が離間した状態で固定され、
上記ボス部は、上記樹脂製部材の外周側に向かって開口し、上記ボルトが挿入される凹溝を有するとともに、その上面が上記ボルトの座面のうち上記樹脂製部材の内周側に位置する半周部分と接触可能となるよう形成され、
上記凹溝は、上記ボルトの軸方向視で半円形状となるよう形成され、
上記樹脂製部材と上記他部材と間には、上記ボス部よりも上記樹脂製部材の内周側の位置に、シール部材が挟み込まれていることを特徴とする樹脂製部材の組み付け構造。
【請求項2】
上記樹脂製部材は、内燃機関のシリンダヘッドカバーであって、上記ボス部がその周囲に所定の間隔で複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製部材の組み付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製部材のボルトを用いた組み付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製のシリンダヘッドに対して、樹脂製の吸気マニホールドをボルトで組み付ける場合、一端が上記ボルトの座面に接触し、他端が上記吸気マニホールドに接触するように、吸気マニホールドの取り付けフランジに金属製のインサート部材を配置し、上記ボルトの座面と上記シリンダヘッドとによって金属製のインサート部材が挟み込まれるように構成することで、ボルト締結時の上記取り付けフランジの強度を補強する技術が従来から知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、シリンダヘッドに組み付けられる吸気マニホールドのフランジに断面U字形状の通路を形成し、該通路に金属製でU字状のインサート部材を挿入し、このインサート部材の一端側を取り付けボルトの座面に接触させ、他端側をシリンダヘッドに接触させることで、上記取り付けボルトの締結時における上記フランジの強度を補強している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−129910
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような特許文献1においては、上記吸気マニホールドのフランジが、シリンダヘッドに接触した状態で、上記取り付けボルトで取り付けられるため、上記取り付けボルトの座面を支持するために金属製のインサート部材が必要であり、その分、重量が増加してしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、外周にボス部が形成された樹脂製部材を、上記ボス部にてボルトにより他部材に固定する樹脂製部材の組み付け構造において、上記樹脂製部材は、上記他部材に対して上記ボス部が離間した状態で固定され、上記ボス部は、上記樹脂製部材の外周側に向かって開口し、上記ボルトが挿入される凹溝を有するとともに、その上面が上記ボルトの座面のうち上記樹脂製部材の内周側に位置する半周部分と接触可能となるよう形成され、上記凹溝は、上記ボルトの軸方向視で半円形状となるよう形成され、上記樹脂製部材と上記他部材と間には、上記ボス部よりも上記樹脂製部材の内周側の位置に、シール部材が挟み込まれていることを特徴としている。
【0008】
また、上記樹脂製部材は、より具体的には、内燃機関のシリンダヘッドカバーであって、上記ボス部がその周囲に所定の間隔で複数設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ボス部は、ボルトの座面のうち樹脂製部材の内周側に位置する半周部分がボス部の上面に対して接触可能となるよう形成されているので、ボルトによる樹脂製部材と他部材との締結性能を悪化させることなく、ボス部全体を相対的に小さくすることができ、重量増加を招くことなく樹脂製部材をボルトにより他部材に組み付けることができる。また、樹脂製部材は、他部材に対してボス部が離間した状態で固定されているので、ボルトの座面と他部材とによってボス部が挟持されることがなく、ボルトによる締め付けに際して、ボス部の保護のために、一端がボルトの座面に接触し、他端が他部材に接触するような金属製のスリーブを必要とすることはないので、その分、部品点数を削減して、重量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明が適用されたエンジンのシリンダヘッドカバーの平面図。
図2】本発明が適用されたエンジンのシリンダヘッドカバーの下面図。
図3】本発明の要部であるシリンダヘッドカバーとエンジンのシリンダヘッドとの組み付け構造を模式的にした説明図。
図4】本発明の要部であるシリンダヘッドカバーのボス部を拡大して示した説明図。
図5】本発明の第2実施例におけるボス部の平面図。
図6】本発明の第2実施例におけるボス部の断面図。
図7】本発明の第3実施例におけるボス部の平面図。
図8】本発明の第3実施例におけるボス部の断面図。
図9】本発明の第4実施例におけるボス部の正面図。
図10】本発明の第4実施例におけるボス部の断面図。
図11】本発明のその他の実施例におけるボス部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図4を用いて本発明の第1実施例について説明する。ここで、図1及び図2は、本発明が適用されたエンジンのシリンダヘッドカバー1を模式的に示した説明図であって、図1は平面図、図2は下面図に相当するものである。図3は、シリンダヘッドカバー1とエンジンのシリンダヘッド2との組み付け構造を模式的にした説明図である。また、図4は、シリンダヘッドカバー1に設けられたボス部6を拡大して示した説明図である。
【0012】
シリンダヘッドカバー1は、樹脂材料からなり、型成形により形成される。このシリンダヘッドカバー1は、図1及び図2に示すように、細長い矩形の深皿形状を呈し、その外周縁の全周に、鍔状のフランジ3が形成されている。
【0013】
このフランジ3のフランジ面3aには、シール部材としてのガスケット4が配置されるシール溝5が、全周に亘って連続するよう形成されている。ガスケット4は、図3に示すように、シリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2との間をシールするものである。
【0014】
そして、フランジ3の外周側には、シリンダヘッドカバー1の周方向に所定の間隔で複数のボス部6が形成されている。このボス部6は、シリンダヘッドカバー1の外周側に位置し、フランジ3と同じ厚さとなるよう形成されている。このボス部6は、図1図4に示すように、取り付けボルト7が挿入される凹溝8を有している。
【0015】
図3に示すように、取り付けボルト7は、筒部7aがネジ部7bに比べて大径となったいわゆる段付きボルトであり、シリンダヘッドカバー1をシリンダヘッド2に固定するためのものである。
【0016】
凹溝8は、取り付けボルト7の円筒部7a基端周囲の環状の座面7cのうち、シリンダヘッドカバー1の内周側に位置する半周部分(半分)がボス部6の上面6aに対して接触可能となるように、取り付けボルト7の軸方向視で半円形状となるよう形成されている。換言すれば、この第1実施例における凹溝8は、ボス部6の外周側の端面に形成された断面が半円形状の切り欠きであり、シリンダヘッドカバー1の外周側に向かって開口している。
【0017】
なお、図1及び図4における9は、ボス部6に設けられたリブであり、このようなリブ9は、ボス部6の剛性向上に寄与するものである。
【0018】
このような第1実施例のシリンダヘッドカバー1の組み付け構造においては、図3に示すように、シリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2との間にガスケット4が挟み込まれいるので、ボス部6がシリンダヘッド1に対して離間した状態で、シリンダヘッドカバー1がシリンダヘッド2に対して固定される。
【0019】
そのため、取り付けボルト7によりシリンダヘッドカバー1をシリンダヘッド2に固定する際に、取り付けボルト7の座面7cと、シリンダヘッド2とによってボス部6が挟持されることがないので、取り付けボルト7による締め付けに際して、ボス部6の保護のために、一端が取り付けボルト7に接触し、他端がシリンダヘッド2に接触するような金属製のスリーブを必要とすることはない。
【0020】
つまり、この第1実施例のシリンダヘッドカバー1の組み付け構造においては、金属製のスリーブを必要としないため、その分、部品点数を削減でき、重量を低減することができる。
【0021】
また、この第1実施例においては、ボス部6がガスケット4よりも外周側に位置し、取り付けボルト7による締結位置とガスケット4の位置とは所定距離離間している。そのため、図3に示すように、ボス部6は、取り付けボルト7の締め付け時に、シリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2とに挟み込まれたガスケット4の反発により、ボス部6の外周側(ボス部6の先端側)がガスケット4側(ボス部6の基端側)に比べてシリンダヘッド2側に位置するように撓み、外周側に傾いた状態となる。つまり、シリンダヘッドカバー1の組み付け構造において、ボス部が固定用のボルトを挿入するための貫通穴を有するように形成されていたとしても、上記ボルトの締め付け時には、上記ボス部が全体的に傾いてしまうため、上記ボルトの座面の全てが上記ボス部の上面に対して接触するということはなく、一般的に、上記ボルトの座面のうちガスケットに近い側の座面、つまりガスケットに近接する上記ボス部基端側の座面が上記ボス部の上面に対して接触することになる。このような現象は、エンジンの熱により樹脂材料からなるシリンダヘッドカバーの剛性が低下するほど促進され、一層顕著に現れる。
【0022】
そこで、この第1実施例では、取り付けボルト7の座面7cのうち、取り付けボルト7の締め付け時にシリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2との締結に実際に寄与する部分となるシリンダヘッドカバー1の内周側に位置する半周部分のみが、ボス部6の上面6aに対して接触可能となるように、ボス部6の外周側に凹溝8を形成する。換言すれば、取り付けボルト7の座面7cのうち、取り付けボルト7の締め付け時に実際にボス部6の上面6aに接触する可能性のある部分であるガスケット4側の半周部分が、ボス部6の上面6aに対して接触可能となるように、ボス部6の外周側に凹溝8を形成する。
【0023】
これにより、取り付けボルト7の締め付け時にシリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2との締結に寄与する範囲のみからなるボス部6を形成することができる。換言すれば、この第1実施例のボス部6は、取り付けボルト7が挿入可能な貫通穴が形成されるような所定の標準ボス部において、当該貫通穴の中心軸を含み、当該貫通穴を2等分するような平面で当該標準ボス部の先端側を切り落とすことによって形成されていることになる。そのため、本発明の第1実施例においては、ボス部6全体を相対的に小さくすることができ、固定用のボルトを挿入するための貫通穴を有するような上記標準ボス部に比べて、ボス部6の重量を略半分程度まで軽量化でき、シリンダヘッドカバー1の重量低減を図ることができる。
【0024】
また、取り付けボルト7の座面7cのうち取り付けボルト7の締め付け時にシリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2との締結に寄与する部分については、取り付けボルト7の締め付け時にボス部6の上面6aと接触可能となっているので、取り付けボルト7よる締結性能が悪化してしまうことを防止することができる。
【0025】
なお、本発明の発明者が行った高温耐久試験では、本発明の第1実施例におけるボス部6のように、取り付けボルト7の座面7cのうちシリンダヘッドカバー1の内周側に位置する半周部分のみがボス部6の上面6aに接触可能となるように構成しても、取り付けボルト7締結時のシール性能や締結性能は、固定用のボルトを挿入するための貫通穴を有するような上記標準ボス部の場合と略同等の性能が得られることが確認されている。
【0026】
また、上記標準ボス部のように、型成形時にボルト挿入用の貫通穴を形成する場合には、この貫通穴の周囲全周にも上記標準ボス部が存在することになるため、上記標準ボス部の容積が大きくなり、また貫通穴の周囲に溶融樹脂を行き渡らせる必要があることから、型成形時における溶融樹脂の充填時間が長くなる。
【0027】
しかしながら、上述した第1実施例のように、取り付けボルト7の座面7cのうちシリンダヘッドカバー1の内周側に位置する半周部分がボス部6の上面6aに対して接触するように、ボス部6の外周側に凹溝8が形成されていれば、ボス部6の容積を相対的に小さくすることができ、またシリンダヘッドカバー1を型成形する際に用いる金型のボス部6に相当するキャビティ形状が単純となって、型成形時に溶融樹脂の充填時間を相対的に短くすることができる。そのため、第1実施例のシリンダヘッドカバー1においては、型成形時のサイクルタイムを相対的に短縮させることができ、製造コストを低減することができる。
【0028】
また、上記標準ボス部のようにボルト挿入用の貫通穴を形成する場合には、型成形時にこの貫通穴の周辺にウエルドラインが生じ、強度低下を招く虞があるが、この第1実施例のボス部6のように上記のような貫通穴のない形状とすることで、型成形時にボス部6にウエルドラインが発生することはなく、相対的にボス部6の強度を向上させることができる。
【0029】
なお、図3においては、説明の便宜上、取り付けボルト7の座面7cのうち、最もシリンダヘッドカバー1の内周側(図3における右側)の部分のみがボス部6の上面6aに接触しているように図示されているが、実際には、樹脂材料からなるボス部6の弾性により、取り付けボルト7の座面7cのうち、シリンダヘッドカバー1の内周側(図3における右側)となる半周部分の略全てに対してボス部6の上面6aは接触する。
【0030】
以下、本発明の他の実施例について説明する。なお、上述した第1実施例と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0031】
図5及び図6を用いて、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例におけるシリンダヘッドカバー1の組み付け構造は、上述した第1実施例のシリンダヘッドカバー1の組み付け構造と略同一構成となっているが、第2実施例においては、フランジ3の外周側に設けられたボス部11の形状が上述した第1実施例のボス部6の形状と異なっている。すなわち第2実施例におけるボス部11は、シリンダヘッド側となる下面側(図6における下方側)が、ボス部の基端側から先端側に向かって斜めに段差なく切り欠かれた形状となっている。詳述すると、ボス部11は、基端側がフランジ3と同じ厚さになっているものの、先端側ほどフランジ3の厚みに比べて薄くなるように、その基端側から先端側に向かって(図5図6における右側から左側に向かって)、徐々に薄肉になるように形成されている。
【0032】
このような第2実施例においては、上述した第1実施例の作用効果に加え、ボス部11の更なる軽量化を実現することができる。
【0033】
図7及び図8を用いて、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例におけるシリンダヘッドカバー1の組み付け構造は、上述した第1実施例のシリンダヘッドカバー1の組み付け構造と略同一構成となっているが、第3実施例においては、フランジ3の外周側に設けられたボス部14の形状が上述した第1実施例のボス部6の形状と異なっている。すなわち第3実施例におけるボス部14は、全体が一定の厚さに形成されているものの、フランジ3よりも薄肉に形成され、かつフランジ面3a対してボス部14の下面14bが、シリンダヘッドカバー1の上方側(図8における上方側)にオフセットするように形成されている。
【0034】
このような第3実施例においても、上述した第1実施例の作用効果に加え、ボス部14の更なる軽量化を実現することができる。
【0035】
図9及び図10を用いて、本発明の第4実施例について説明する。第4実施例におけるシリンダヘッドカバー1の組み付け構造は、上述した第1実施例のシリンダヘッドカバー1の組み付け構造と略同一構成となっているが、第4実施例においては、フランジ3の外周側に設けられたボス部16の形状が上述した第1実施例のボス部6の形状と異なっている。すなわち第4実施例におけるボス部16は、シリンダヘッド側となる下面側(図9図10における下方側)が、複数段の階段状に切り欠かれた形状となっている。ボス部16は、上記下面側ほど切り欠かれる量が多くなっており、図9に示すように、上部壁17、中間壁18、下部壁19から構成されている。上部壁17の上面17aは、ボス部16の上面16aを構成するものであり、上部壁17には凹溝8が形成されている。中間壁18は、上部壁17よりも一回り小さい矩形板状を呈している。下部壁19は、中間壁18よりも一回り小さい矩形板状を呈している。なお、中間壁18及び下部壁19は、上部壁17に比べて、フランジ3からの突出量が少ないため、凹溝8が形成されていない。
【0036】
このような第4実施例においても、上述した第1実施例の作用効果に加え、ボス部16の更なる軽量化を実現することができる。
【0037】
また、この第4実施例においては、ボス部16のうち、上部壁17にのみ凹溝8が形成されているが、図11に示すように、中間壁18及び下部壁19のフランジ3からの突出量を多くして、上部壁17のみならず、中間壁18及び下部壁19にも凹溝8が形成されるように、ボス部16を構成することも可能である。
【0038】
なお、本発明は、内燃機関のシリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2との組み付け構造に限定されるものではなく、樹脂材料からなる部材と他部材とのボルトを用いた組み付け構造において、ボルトによる締結位置が他部材に対して離間した状態となっているもの対して適用可能である。具体的には、自動車用部品で言えば、例えば、樹脂製のインテークマニホールドとシリンダヘッドとの組み付け部分や、樹脂製オイルパンとシリンダブロックとの組み付け部分等のガスケットを圧縮するような組み付け構造に適用可能である。
【0039】
また、上述した実施例では、シリンダヘッドカバー1がシリンダヘッド2に対して複数箇所(図1では、8箇所)で組み付けられ、こらら複数箇所の組み付け部分のうちの全てが凹溝8付きのボス部を有しているが、シリンダヘッドカバー1とシリンダヘッド2との複数箇所の組み付け部分のうちの一部(例えば、1箇所)に凹溝8付きボス部を適用し、残りの部分については、凹溝8が設けられボス部に替えて、取り付けボルト7を挿入する貫通穴が形成された上記標準ボス部を適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…シリンダヘッドカバー
2…シリンダヘッド
3…フランジ
3a…フランジ面
4…ガスケット
5…シール溝
6…ボス部
7…取り付けボルト
7a…円筒部
7b…ネジ部
7c…座面
8…凹溝
9…リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11