(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一の回動角度規制部は、前記回動部材の軸線に平行な面により形成され、前記テーブル天板と面接触することを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の折畳み式テーブルを備えた家具。
前記第二の回動角度規制部は、前記回動部材の軸線に平行な面により形成され、前記回動部材の前記平面部に面接触することを特徴とすることを特徴とする請求項3または4に記載の折畳み式テーブルを備えた家具。
前記第一の回動角度規制部と前記第二の回動角度規制部は、前記回動部材の軸線方向から見たときに、互いに異なる角度で傾斜して設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の折畳み式テーブルを備えた家具。
前記家具は背もたれを有する椅子であり、前記取付面は、前記背もたれの背面であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の折畳み式テーブルを備えた家具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このようなテーブル付の椅子は、同じ製品であっても、設置空間内における設置位置の違い(例えば、映画館や音楽ホール等における前方席と後方席)や、使用用途の違い(例えば、映画観賞用と講義等の受講用)等により、背もたれの角度が異なることがある。また、背もたれ角度が異なる複数の製品間で、部品を共有する場合もある。このような場合、背もたれの角度が異なれば、ストッパ機構により回動角度が規制された状態でのテーブル天板の角度も異なってしまう。当然ながら、テーブル天板は使用面がほぼ水平であるのが好ましいが、これを実現するのが困難となる。
【0007】
また、上記特許文献1の構成においては、回動ケースの内部空間に収容されたストッパピンにより、使用状態でテーブルから加わる荷重や、テーブルの回動時にその回動角度の規制を繰り返すことによる瞬間的な衝撃のすべてを支持する必要がある。このストッパピンは、回動ケースの内部空間に収容されているため、非常に小さくせざるを得ない。その結果、テーブルの支持強度が低下しやすく、耐久性に改善の余地がある。
【0008】
これに対し、ストッパピンを大きくすることが有効であるが、その実現に際しては、回動ケースおよび支持ベースの双方を大型化しなければならない。したがって、テーブル支持部材が大きくなりすぎて外観体裁を損なったり、テーブル支持部材が家具から大きく突出して、有効空間内での家具の並設可能数を減らすなどの問題が発生することが考えられる。
そこでなされた本発明の目的は、テーブル天板の角度を適切に設定するとともに、外観体裁を損なったり、テーブル支持部材が家具から大きく突出して有効空間内での家具の並設可能数を減らすのを防ぐことのできる折畳み式テーブルを備えた家具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、折畳み式テーブルを備えた家具であって、家具本体と、テーブル天板と、テーブル天板の幅方向両端部を支持し、テーブル天板の使用面を上方に向けた使用状態と、テーブル天板の使用面を家具本体の取付面に対向させた不使用状態との間で姿勢変化可能に支持する一対の支持部材と、を備え、支持部材は、取付面に固定されたベース部材と、ベース部材に着脱可能に固定されるブラケット部材と、ベース部材に形成され、テーブル天板を不使用状態から使用状態に向けて回動させたときに、テーブル天板に突き当たることでその回動角度を規制するストッパ部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、テーブル天板を不使用状態から使用状態に向けて回動させたときに、テーブル天板に突き当たることでその回動角度を規制するストッパ部がベース部材に形成されている。そして、軸支部材や回動部材はブラケット部材に支持され、ブラケット部材は、ベース部材に対して取り付けられている。
取付面の傾斜が様々な理由で異なる場合等には、ベース部材に形成されたストッパ部を、取付面の傾斜に応じた角度とすれば、テーブル天板の使用面を同じ角度にすることができる。そして、その場合に、ストッパ部が形成されたベース部材のみを取付面の傾斜に応じたものにすれば良く、他の部材については、取付面の傾斜に関わらず共通のものを用いることができる。つまり、取付面の傾斜が異なっていても、テーブル天板の使用面を適切な角度とすることができるよう、複数種の角度のストッパ部を有したベース部材を用意しておく。そして、取り付けるべき家具本体の取付面の傾斜に応じて、テーブル天板の使用面を適切な角度となるストッパ部を有したベース部材を選択し、このベース部材に、ブラケット部材、軸支部材、回動部材を組み合わせて支持部材を構成するのである。
【0010】
支持部材は、ブラケット部材に設けられ、テーブル天板を回動自在に軸支する軸支部材と、テーブル天板とともに前記軸支部材に回動自在に軸支された回動部材と、をさらに備える構成とすることもできる。
【0011】
また、ストッパ部は、テーブル天板を不使用状態から使用状態に向けて回動させたときに、テーブル天板に突き当たることでその回動角度を規制する第一の回動角度規制部
を有し、回動部材に形成された平面部が突き当たることで、
前記第一の回動角度規制部とともにテーブル天板の回動角度を規制する第二の回動角度規制部
をさらに有する。
これにより、テーブル天板と第一の回転角度規制部と、回動部材と第二の回動角度規制部とで、使用状態におけるテーブル天板を支持することになる。これによって、テーブル天板の支持強度を高めることができる。
【0012】
ここで、第一の回動角度規制部は、回動部材の軸線に平行な面により形成され、テーブル天板と面接触するのが好ましい。また、第二の回動角度規制部は、回動部材の軸線に平行な面により形成され、回動部材の平面部に面接触するのが好ましい。
第一の回転角度規制部、第二の回転角度規制部がそれぞれ面接触することで、テーブル天板の支持強度を高め、テーブル天板使用時の安定性を高めることもできる。
【0013】
また、第一の回動角度規制部と第二の回動角度規制部は、回動部材の軸線方向から見たときに、互いに異なる角度で傾斜して設けられているのが好ましい。これにより、テーブル天板使用時に、テーブル天板は、二つの異なる面に当接することになり、テーブル天板がより安定する。
【0014】
第一の回動角度規制部は、回動部材の軸線方向に沿ったベース部材の幅方向両側に開放して形成されているのが好ましい。これにより、テーブル天板の回動時に、テーブル天板は第一の回動角度規制部に突き当たる位置以外で、第一の回動角度規制部に干渉することがない。したがって、テーブル回動時に第一の回動角度規制部以外の部位にキズをつけることがない。
【0015】
ブラケット部材は、ベース部材に対向する側に凹部を有し、凹部に、ベース部材に形成された凸部を嵌め合わせることで、ブラケット部材とベース部材とが一体に連結される構成とすることができる。したがって、ブラケット部材とベース部材とを容易かつ確実に位置決めして一体に連結することができる。
【0016】
このような折畳み式テーブルを備えた家具は、いかなる種類のものであっても良いが、例えば、家具は背もたれを有する椅子であり、取付面は、背もたれの背面である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ストッパ部を有したベース部材を取付面の角度に応じて適宜変えることで、テーブル天板の角度を適切に設定することができる。
また、テーブル天板の支持強度を大きくすることができる。その結果、支持部材が大型化して外観体裁を損なったり、支持部材が家具から大きく突出して有効空間内での家具の並設可能数を減らすのを防ぐことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明による折畳み式テーブルを備えた家具を実施するための最良の形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0020】
図1は、本実施形態に係るテーブル付き椅子(家具)10の一例を示す図である。以下の説明において、テーブル付き椅子10に使用者が着席した状態で使用者が前を向く側を「前方」、その反対側を「後方」とする。
この
図1に示すように、テーブル付き椅子10の椅子本体(家具本体、椅子)は、例えば劇場、講堂、ホール、会議場、講義室等において、複数の椅子を前後左右に並べて複数設置されるものであり、床面上に設置される一対の支持脚11,11と、これら一対の支持脚11,11間に設けられる背もたれ部材(背もたれ)12と、支持脚11,11間において背もたれ部材12の前方に設けられる座面部13とを備えている。そして、テーブル付き椅子10はこの椅子本体の背もたれ部材12の背面に、折畳みテーブル部(折畳み式テーブル)20を備えている。
【0021】
支持脚11,11は、床面上に下端部11a,11aが固定され、上方に向けて立設されるものであれば、いかなる材質、形状、構造であっても良い。
【0022】
背もたれ部材12は、板状の背もたれベース14と、この背もたれベース14の前方に設けられた背もたれパッド15と、を有する。これら背もたれベース14,背もたれパッド15についても、その材質、形状、構造は何ら限定するものではない。
【0023】
座面部13は、支持脚11,11にその幅方向両端部が支持され、座面が上方を向いた状態で使用される。この座面部13は、支持脚11,11に対して、座面が上方を向いた状態のまま固定された固定式としても良いし、
図1に図示した例のように、座面が上方を向いた状態と、座面が背もたれ部材12側を向いた状態との間で回動可能とされた跳ね上げ式としても良い。この座面部13についても、その材質、形状、構造は何ら限定するものではない。
【0024】
また、
図1に示した例では、支持脚11の上部に肘掛け部材16が一体に設けられている。この肘掛け部材16は、支持脚11とは別に独立して設けても良いし、肘掛け部材16を備えない構成とすることもできる。
【0025】
さらに、
図1に示した例では、1脚のテーブル付き椅子10のみを示しているが、このようなテーブル付き椅子10を複数連結して一体ユニットした構成としても良い。その場合、支持脚11は、互いに隣接する二つのテーブル付き椅子10,10どうしで共有する構成とすることもできる。
【0026】
さて、このようなテーブル付き椅子10の背もたれ部材12に設けられた折畳みテーブル部20は、板状のテーブル天板21と、背もたれ部材12の背面12aに固定され、テーブル天板21の幅方向両端部を支持する一対の支持部材22,22と、から構成されている。
支持部材22,22は、テーブル天板21を、支持部材22,22どうしを結ぶ軸線を中心として回動可能に支持し、
図2および
図1(c)に示すように、テーブル天板21の使用面21aを上方に向けた使用状態と、
図3および
図1(b)に示すように、テーブル天板21を跳ね上げて使用面21aを背もたれ部材12の背面12aに対向させた跳ね上げ状態(不使用状態)と、
図4および
図1(a)に示すように、テーブル天板21を跳ね上げ状態から背面12aに対向させた状態のまま下方にスライドさせた収納状態(不使用状態)と、の間で姿勢を変化できるようになっている。
【0027】
以下、支持部材22の構成について説明する。なお、テーブル天板21の両側に位置する支持部材22,22は、左右対称な構成であるので、一方の側の支持部材22のみについて説明し、他方の側の支持部材22についてはその説明を省略する。
図5〜
図7に示すように、支持部材22は、背もたれ部材12の背面12aに固定されたベース部材30と、ベース部材30とともに背もたれ部材12の背面12aに固定されたカバーブラケット(ブラケット部材)40と、カバーブラケット40に固定され、テーブル天板21を回動自在に軸支する軸支部材50と、軸支部材50に支持され、テーブル天板21をスライド自在に支持する回動部材60と、回動部材60とテーブル天板21との間に設けられたスライドダンパー70と、を有している。
【0028】
図7(a)、
図8に示すように、ベース部材30は、その一面側に、背もたれ部材12の背面12aに対向する取付面31を有し、他面側に、カバーブラケット40が固定されるプレート状のカバー固定部(凸部)32が形成されている。
ベース部材30は、上下方向に長い矩形状をなし、カバー固定部32は、その上下に、平面状の取付面33a,33bと、取付面33a,33bに形成された貫通孔34a,34bとを有している。
【0029】
図7(a)、
図9に示すように、カバーブラケット40は、背もたれ部材12の背面12aに固定された状態において、背もたれ部材12の背面12a側の一端40aから、背もたれ部材12の背面12aから離間した側の他端40bに向けて、上下方向の長さが漸次縮小するよう、側面視略D字状に形成されている。
【0030】
図2、
図9に示すように、このカバーブラケット40は、テーブル天板21に対向する一方の側面側に、略半円弧状をなした凹所42が形成され、他方の側面側は、背もたれ部材12の背面12aに直交するよう立ち上がる側部カバー部43により覆われている。また、カバーブラケット40には、側部カバー部43の外周縁部に直交し、背もたれ部材12の背面12aに対向する側とは反対側を覆う外周カバー部44が形成されている。
【0031】
図7(a)、
図9に示すように、カバーブラケット40の一端40a側には、カバー固定部32の板厚分の深さを有した凹部45が形成され、この凹部45に、取付面33a,33bに対向する平面部45a,45bが形成されている。そして、平面部45a、45bには、貫通孔46a,46bが形成されている。
カバーブラケット40は、カバー固定部32を凹部45に挿入し、平面部45a,45bをベース部材30の取付面33a,33bに対向させた状態で、取付面33bおよび平面部45bに形成された仮止め孔35,47(
図8(a)、
図9(a)参照)にビスBをねじ込むことで、ベース部材30と仮組みできるようになっている。そして、仮組したベース部材30とカバーブラケット40とを、背もたれ部材12の背面12aに突き当て、貫通孔46a,46bおよび34a,33bにボルトをそれぞれ貫通させ、その先端部を背面12aに予め形成されたネジ孔にねじこむことによって背もたれ部材12に固定される。
カバーブラケット40の凹所42は、ベース部材30と一体化された状態で、テーブル21に対向した側の側方にのみ開口する。
【0032】
図6、
図9に示すように、カバーブラケット40の側部カバー部43において、凹所42側の表面には、一方向に長く他方向に長い形状の回動ダンパー取付穴48が形成されている。
回動ダンパー取付穴48には、回動ダンパー取付穴48に嵌り込む形状を有したロータリーダンパー51の本体51aが嵌め込まれてネジ止めされ、これによってカバーブラケット40に固定される。ロータリーダンパー51の本体51aの、凹所42への突出寸法を抑えるため、側部カバー部43には、本体51aの厚さに応じ、凹所42側とは反対側に膨出する膨出部43aが形成されている。
【0033】
このロータリーダンパー51は、軸支部材50を構成するもので、本体51aから、凹所42内に突出する回転軸52を有し、本体51aに内蔵されたダンパー機構により、回転軸52の軸線周りの回動に対し、減衰力を付与する。このとき、ダンパー機構では、回転軸52の一方向のみの回転に対し、減衰力を付与する、いわゆるワンウェイのダンパー機能を有するのが好ましい。
また、
図7(a)に示すように、回転軸52には、回転駆動力を伝達するため、互いに平行な平面部52a,52aが形成されている。
【0034】
回動部材60は、カバーブラケット40の凹所42内に収容された回動プレート部61を有する。
図10に示すように、この回動プレート部61は、その外周部に、凹所42の内周形状に沿う、円弧状の外周面62を有する。
【0035】
回動プレート部61には、長円形の軸穴65が形成されている。この軸穴65には、回転軸52が挿入され、平面部52a,52aが軸穴65の直線部65a,65aに対向する。これにより、回動部材60の回動プレート部61は、カバーブラケット40の凹所42内において、軸穴65に挿入された回転軸52を中心として回動可能に設けられている。
【0036】
図6に示すように、このような回動プレート部61と、カバーブラケット40の凹所42の底面42aとの間には、凹所42の外形形状に応じたディスク状のワッシャ90が配置されている。このワッシャ90は、ナイロン系樹脂等、回動プレート部61が凹所42内で回動するときの摩擦を低減する材料で形成されている。
【0037】
図10に示すように、回動プレート部61において、この回動プレート部61をカバーブラケット40の凹所42内に収容した状態で、凹所42の開口側を向く一面61a側には、テーブル天板21をスライド自在に支持するためのガイド壁部66,67が、一面61aに直交して立設されている。このガイド壁部66,67は、凹所42から外部に露出するよう設けられている。
図7(b)に示すように、これらガイド壁部66,67間には、互いに平行な平面からなるガイド面66a,67aが形成されている。
【0038】
テーブル天板21の幅方向両端部には、テーブル天板21の端部に沿ってそれぞれ連続するスライドレール80がビス留めされて設けられ、このスライドレール80が、ガイド面66a,67aの間に挿入され、ガイド面66a,67aに沿った方向にスライド移動自在とされている。
【0039】
図11に示すように、ガイド面66a,67aの間の溝底面には、円板状のスライドパッド68が固定されている。このスライドパッド68は、ナイロン系樹脂等から形成され、その表面がスライドレール80の側面に対向または接触することで、スライドレール80のスライド移動を滑らかに行うとともに、ガタツキを抑えるようになっている。
【0040】
この回動部材60には、スライドダンパー70を収容する凹部69が形成されている。
図7、
図11に示すように、スライドダンパー70は、ピニオンギヤ71を有した回転シャフト72と、回転シャフト72を回動自在に支持するとともに、回転シャフト72の回動動作を減衰するダンパー機能を有した本体73と、を有する。このスライドダンパー70は、回動プレート部61側から凹部69内に挿入され、ピニオンギヤ71が、ガイド壁部67のガイド面67a側からガイド面66a,67aの間の溝内に露出するよう設けられている。
【0041】
スライドレール80には、その軸線方向に連続するラック溝81が形成されており、ピニオンギヤ71が噛みあっている。このスライドレール80は、ガイド面66a,67aの溝が、背もたれ部材12の背面12aに沿った方向を向いているときに、その軸線方向にスライド移動できるようになっている。そして、ピニオンギヤ71の回動動作は本体73により減衰されるので、スライドレール80のスライド動作、つまりテーブル天板21のスライド動作を、スライドダンパー70によって減衰できるようになっている。このとき、本体73においては、回転シャフト72の一方向への回動動作のみを減衰するようにしてもよい。つまり、スライドレール80(テーブル天板21)を上方から下方にスライドさせるときに、減衰効果を発揮するのが好ましい。
【0042】
ところで、
図5、
図7に示すように、スライドレール80のラック溝81の両端部には、突起部82a,82bが形成されている。これにより、
図12に示すように、スライドレール80を上方にスライドしたときには突起部82aがガイド壁部67の一端67bに突き当たることで、そのスライド移動が規制され、
図5に示したように、スライドレール80を下方にスライドしたときには、突起部82bがカバーブラケット40に突き当たることでそのスライド移動が規制される。なお、突起部82bは、テーブル天板21を使用者が持ち上げるときのツマミとしても機能させるため、側方に大きく突出して形成されている。
【0043】
さて、
図12に示すように、スライドレール80は、これを上方にスライドさせ、突起部82aをガイド壁部67の一端67bに突き当てた状態で、先端部80aが、ガイド壁部66,67および軸支部材50よりも下方に突出するようになっている。
【0044】
また、回動プレート部61には、その外周部に、平面状の第一平面部63と、第一平面部63に対して所定の角度(例えば90°)をなすよう形成された平面状の第二平面部(平面部)64と、が形成されている。
【0045】
また、回動部材60に形成されたガイド壁部66において、回動部材60の外周側を向く位置には、第一平面部63が回動プレート部61から連続して形成されている。なお、この第一平面部63は、ガイド面66aと平行に形成されている。
【0046】
図7、
図8に示すように、前記のベース部材30には、回動部材60を、軸穴65に挿入された回転軸52を中心として一方の側に回動させたときに、第一平面部63が突き当たることでその回動角度を規制する第一角度規制面35が形成されている。この第一角度規制面35は、例えば、背もたれ部材12の背面12aに対向する取付面31と平行に形成されている。第一平面部63は、スライドレール80をガイドするガイド面66aと平行に形成されているため、これにより、テーブル天板21を跳ね上げていったときに、第一平面部63が第一角度規制面35に突き当たることによって、その回動角度が規制される。この状態で、テーブル天板21は、背もたれ部材12の背面12aに沿った面内に位置する。
【0047】
図8、
図13、
図15に示すように、また、ベース部材30には、テーブル天板21を跳ね上げた状態から手前に倒して使用状態としようとして、テーブル天板21とともに軸支部材50に回動自在に軸支された回動部材60が、軸穴65に挿入された回転軸52を中心として他方の側に回動したときに、回動プレート部61の第二平面部64が突き当たることでテーブル天板21の回動角度を規制する第二角度規制面(第二の回動角度規制部、ストッパ部)36が形成されている。これにより、テーブル天板21を跳ね上げた状態から手前に倒して使用状態としようとしたときに、第二角度規制面36と第二平面部64とが突き当たって面接触することで、その回動角度が規制される。
この第二角度規制面36は、ベース部材30の幅方向一方の側に形成されている。
【0048】
さらに、ベース部材30には、テーブル天板21を跳ね上げた状態から手前に倒して使用状態としようとして回動させたときに、
図12に示した状態でガイド壁部66,67および軸支部材50の回転軸52よりも下方に突出していたスライドレール80の先端部80aが干渉しないよう、側面視円弧状の凹部37が形成されている。
そして、この凹部37の上端部に連続して、テーブル天板21を、跳ね上げた状態から使用状態に向けて回動させたときに、スライドレール80の先端部80aが突き当たって面接触することでその回動角度を規制する第三角度規制面(第一の回転角度規制部、ストッパ部)38が形成されている。第三角度規制面38は、ベース部材30の幅方向に連続し、ベース部材30の幅方向両側に開放して形成されている。
ここで、第二角度規制面36と第三角度規制面38に対しては、第二平面部64とスライドレール80の先端部80aが同時に突き当たるようになっている。また、これら、第二角度規制面36と第三角度規制面38は、それぞれ軸支部材50の回転軸52の軸線方向と平行な面であり、回転軸52の軸線方向から側面視したときに、その角度が互いに異なるよう形成されている。
【0049】
図14に示すように、カバーブラケット40の凹所42は、その下方の側が、回動部材60の回動プレート部61の外周面61aと略同じ内径を有した小径部42aとされ、上方の側は、回動部材60の回動プレート部61の外周面61aよりも大きな内径を有した大径部42bとされ、これにより、小径部42aと大径部42bとの間には段部42cが形成されている。
このような構成によれば、テーブル天板21を跳ね上げた状態から手前に倒して使用状態としようとして回動させたときに、第四角度規制面としてのカバーブラケット40の凹所42の小径部42aにより、回動部材60の回動プレート部61を支持し、このとき、小径部42aと回転プレート部61とは面接触することとなる。
したがって、回動部材60のカバーブラケット40に対する接触面積を増大させることができる。
【0050】
上記したような構成のテーブル付き椅子10においては、折畳みテーブル部20は、
図1(a)に示したように、収納状態においては、テーブル天板21は、その使用面を背もたれ部材12の背面12aに対向させた状態で、下方にスライドした状態となっている。
この状態から、後列に着席した使用者が折畳みテーブル部20を使用するときには、まず、
図1(b)に示すように、テーブル天板21を上方に引き上げる。そして、テーブル天板21の両端のスライドレール80において、突起部82aがガイド壁部67の一端67bに突き当たったら、上方の引き上げ動作を停止する。
【0051】
続いて、テーブル天板21を跳ね上げた状態から手前に回動させて使用状態とするときには、ガイド壁部66,67および軸支部材50の回転軸52よりも下方に突出したスライドレール80の先端部80aが、回転軸52よりも背もたれ部材12側でベース部材30の凹部37に入り込む。
このとき、スライドレール80とともに回動部材60が回動し、その回動動作が、ロータリーダンパー51により減衰されるので、テーブル天板21を手前に倒す動作を、スムーズかつ上質に行うことができる。
【0052】
そして、凹部37に連続して形成された第三角度規制面38にスライドレール80の先端部80aが突き当たることで、その回動角度が規制される。このとき、第三角度規制面38にスライドレール80の先端部80aが突き当たると同時に、第二角度規制面36に回動プレート部61の第二平面部64が突き当たる。
また、この状態で、
図14に示すように、カバーブラケット40の凹所42の小径部42aにより、回動部材60の回動プレート部61が支持される。
これにより、テーブル天板21が、その使用面21aを上方に向けた使用状態となる。
【0053】
折畳みテーブル部20を使用状態から跳ね上げて収納するには、上記の手順と逆に、テーブル天板21の手前側を上方に跳ね上げる。そして、ベース部材30に形成された第一角度規制面35に、回動部材60の第一平面部63が突き当たることで、その回動角度が規制され、この状態で、テーブル天板21は、背もたれ部材12の背面12aに沿った面内に位置する。
この後、テーブル天板21を下方にスライドさせる。このとき、スライドダンパー70により、スライドレール80(テーブル天板21)を上方から下方にスライドさせるときの減衰効果を発揮することができる。これにより、テーブル天板21を下方にスライドさせる動作を、スムーズかつ上質に行うことができる。
【0054】
上述したような構成によれば、テーブル天板21の回動角度を規制する第二角度規制面36、第三角度規制面38がベース部材30に形成されている。テーブル付き椅子10の設置場所や使用目的の違い等によって、背もたれ板12の角度が異なる場合には、テーブル天板21の上面が上方を向くように第二角度規制面36、第三角度規制面38の角度が設定されたベース部材30を用意し、これを背もたれ板12に固定すれば良い。
より詳しくは、予め、第二角度規制面36、第三角度規制面38の角度が異なるベース部材を複数種用意しておき、取り付けるべき背もたれ板12の角度に応じ、適切な角度を有した第二角度規制面36、第三角度規制面38を備えるベース部材30を選択し、このベース部材30に、カバーブラケット40、軸支部材50、回動部材60を組み合わせて支持部材22を構成するのである。
これにより、背もたれ板12の背面12aの角度に応じてベース部材30を適宜変えることで、テーブル天板21の角度を適切に設定することができる。
この時、背もたれ板12の角度に応じて異なるのはベース部材30のみであり、カバーブラケット40やその他の部品は共通して用いることができる。
【0055】
また、スライドレール80の先端部80aが第三角度規制面38に突き当たるときには、同時に、第二角度規制面36に回動プレート部61の第二平面部64が突き当たるようになっている。これによって、テーブル天板21の天面を上方に向けた使用状態においては、テーブル天板21は、スライドレール80だけではなく、回動プレート部61によっても支持されることになる。これによって、スライドレール80の先端部80aにおける荷重の支持量を軽減しながら、スライドレール80を太くすることなく、テーブル天板21の支持強度を確保あるいは向上させることができる。したがって、支持部材22が大型化して外観体裁を損なったり、支持部材22が大きく突出して有効空間内でのテーブル付き椅子10の並設可能数を減らすのを防ぐことができる。
【0056】
また、スライドレール80の先端部80aと第三角度規制面38、第二角度規制面36と回動プレート部61の第二平面部64とが面接触するようになっている。
【0057】
さらに、テーブル天板21を使用状態とした状態では、カバーブラケット40の凹所42の小径部42aにより、回動部材60の回動プレート部61が支持され、このとき、小径部42aと回転プレート部61とが面接触している。したがって、回動部材60のカバーブラケット40に対する接触面積を増大させることができ、この点においてもテーブル天板21の支持強度を高めることができる。
【0058】
また、ストッパ部は、テーブル天板21を不使用状態から使用状態に向けて回動させたときに、テーブル天板21に突き当たることでその回動角度を規制する第三角度規制面38と、回動部材60に形成された第二平面部64とが突き当たることで、テーブル天板21の回動角度を規制する第二角度規制面36と、を有する。
これにより、テーブル天板21と第三角度規制面38と、回動部材60と第二角度規制面36とで、使用状態におけるテーブル天板21を支持することになる。これによって、テーブル天板21の支持強度を高めることができる。
【0059】
また、第三角度規制面38は、回動部材60の軸線に平行な面により形成され、テーブル天板21と面接触する。また、第二角度規制面36は、回動部材60の軸線に平行な面により形成され、回動部材60の第二平面部64に面接触する。このように、第三角度規制面38、第二角度規制面36がそれぞれ面接触することで、テーブル天板21の支持強度を高め、テーブル天板21使用時の安定性を高めることもできる。
【0060】
さらに、第三角度規制面38と第二角度規制面36は、回動部材60の軸線方向から見たときに、互いに異なる角度で傾斜して設けられている。これにより、テーブル天板21使用時に、テーブル天板21は、二つの異なる面に当接することになり、テーブル天板21がより安定する。
【0061】
第三角度規制面38は、回動部材60の軸線方向に沿ったベース部材30の幅方向両側に開放して形成されている。これにより、テーブル天板21の回動時に、テーブル天板21は第三角度規制面38に突き当たる位置以外で、第三角度規制面38に干渉することがない。したがって、テーブル天板21の回動時に第三角度規制面38以外の部位にキズをつけることがない。
【0062】
カバーブラケット40は、ベース部材30に対向する側に凹部42を有し、凹部42に、ベース部材30に形成されたカバー固定部32を嵌め合わせることで、カバーブラケット40とベース部材30とが一体に連結される構成とすることができる。したがって、カバーブラケット40とベース部材30とを容易かつ確実に位置決めして一体に連結することができる。
【0063】
テーブル天板21を跳ね上げ状態から使用状態に回動させるとき、テーブル天板21は、スライドレール80の先端部80aが、ガイド壁部66,67および軸支部材50の回転軸52よりも背もたれ部材12側で、第三角度規制面38に突き当たるようになっている。テーブル天板21を回動させようとする使用者は、軸支部材50よりも手前側(背もたれ部材12から後方に離れた側)でテーブル天板21を保持する。したがって、使用者の保持位置から最も離れた背もたれ部材12側で、スライドレール80の先端部80aが第三角度規制面38に突き当たる構成とすることで、使用者が指を挟んだりするのを確実に防ぐことができる。
また、スライドレール80の先端部80aが第三角度規制面38に突き当たる部位を、軸支部材50とは異なる場所に配置することで、第三角度規制面38を大きく形成することができ、テーブル天板21の支持強度を大きくすることができる。その結果、支持部材22が大型化して外観体裁を損なったり、支持部材22が大きく突出して有効空間内でのテーブル付き椅子10の並設可能数を減らすのを防ぐことができる。
【0064】
しかも、回動プレート部61および第二角度規制面36は、カバーブラケット40の凹所42内に収容されているので、外観体裁を損なうこともなく、また、この部分に使用者が指を入れてしまうのも防ぐことができる。
【0065】
さらに、テーブル天板21の回動部を支持するカバーブラケット40は、背もたれ部材12の背面12b側の一端40aから、背もたれ部材12の背面12bから離間した側の他端40bに向けて、上下方向の長さが漸次縮小するよう、側面視略D字状に形成されている。これによって、カバーブラケット40を背もたれ部材12の背面12bに対して強固に固定してテーブル天板21の支持強度を高めつつ、カバーブラケット40(支持部材22)を小型化することができる。
【0066】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、テーブル天板21を回動させるだけでなく、跳ね上げ状態からスライドさせて収納状態とするようにしたが、使用状態から跳ね上げるのみで収納状態とする構成においても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、第二角度規制面36、第三角度規制面38の双方を備えるようにしたが、これを一方のみを備える構成とすることもできる。
また、上記実施形態で示した各構成部品の形状や構造は、適宜変更することができる。
さらに、テーブル付き椅子10に限らず、折り畳み式のテーブルを備えるのであれば、他のいかなる家具にも本発明を適用することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。