(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、電子線描画法などで石英基板等に超微細な転写パターンを形成して型(モールド)を作製し、被成
形品に前記型を所定の圧力で押圧して、当該型に形成された転写パターンを転写するナノインプリント技術が研究開発されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、PDMS(ポリ
ジメチルシロキサン)系のシリコーンゴムを利用したインプリント用モールド(PDMSモールド;転写用の型)301が知られている(
図5(a)参照)。
【0004】
このPDMSモールド301には、微細な凹凸で形成された転写パターン303が形成されている。PDMSモールド301に形成されている微細な転写パターン303を、被成形物に転写することで、微細な転写パターンが形成された成形品(図示せず)を得ている。
【0005】
なお、上記従来の技術に関連する特許文献として、たとえば特許文献1、特許文献2を掲げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ゴムの性質を有するPDMSモールド301を繰り返し使用して上記転写を行うと、離型するときに(図示しない硬化した被成形物からPDMSモールドを剥がす等して分離するときに)、PDMSモールド301に負荷(外力)が加わり、弾性限界を超えてPDMSモールド301が変形し(たとえば、
図5(a)に示す状態から
図5(b)で示すように変形し)、微細な転写パターン303の形状が崩れてしまうおそれがあるという問題がある。
【0009】
そこで、
図6に示すように、PDMSモールド301の面積方向(面内方向)の変形を防止すべく、PDMSモールド301にPETフィルム305を接着したものをモールド(補強済みモールド)307として採用することが考えられる。
【0010】
なお、PETフィルム305を採用した理由は、補強済みモールド307を離型するときの利便性を考慮し、補強済みモールド307を、剛性が高いが反ることができるものとするためである。
【0011】
しかし、補強済みモールド
307では、PETフィルム305とPDMSモールド301との接着力が弱く、離型のときにPETフィルム305とPDMSモールド301とが簡単に(僅かな離型回数で)剥離してしまうという問題がある。
【0012】
なお、上記問題は、PDMS系のシリコーンゴム以外のゴム材料やPETフィルム以外の補強材料を採用した場合にも同様に発生する場合がある。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、弾性材料で構成され微細な転写パターンが形成されている本体部とこの本体部を補強している補強材とを備えた型(モールド)において、繰り返し使用しても(被成形物に転写パターンを転写しこの後離型することを繰り返しても)、微細な転写パターン等が変形しにくく、本体部と補強材とが剥離しにくい型および型の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、厚さ方向の一方の面に微細な転写パターンが形成されている板状の型において、前記微細な転写パターンが形成されている本体部と、前記本体部を補強するた
め、前記本体部と一体化がなされている補強材とを有し、前記補強材は、板状に形成されており、前記補強材には、この厚さ方向を貫通している複数の貫通孔が設けられており、前記本体部は、前記各貫通孔に充填されて前記補強材の厚さ方向の両側に設けられており、前記補強材の厚さ方向から見ると、前記補強材が前記本体部よりも大きく形成されている型である。
【0016】
請求項
2に記載の発明は、厚さ方向の一方の面に微細な転写パターンが形成されている板状の型の製造方法において、
前記転写パターンが形成されているマスター型に、硬化しても弾性を備える未硬化の第1の被成形材料を供給する第1の被成形材料供給工程と、
前記第1の被成形材料供給工程で未硬化の
前記第1の被成形材料を供給した後、補強材
を未硬化の
前記第1の被成形材料に設置する補強材設置工程と、前記補強材設置工程で
前記補強材を設置した後、前記第1の被成形材料と協働して前記補強材を包み込むように、硬化しても弾性を備える未硬化の第2の被成形材料を供給する第2の被成形材料供給工程と、前記第2の被成形材料供給工程で未硬化の
前記第2の被成形材料を供給した後、前記各被成形材料を硬化する被成形材料硬化工程と
を有
し、前記補強材は、板状に形成されており、前記補強材には、この厚さ方向を貫通している複数の貫通孔が設けられており、前記補強材設置工程で前記補強材を設置したとき、前記補強材の各貫通孔から前記第1の被成形材料が覗けるようにして前記補強材が前記第1の被成形材料を覆っており、前記第2の被成形材料供給工程で未硬化の前記第2の被成形材料を供給したとき、前記補強材の各貫通孔によって前記第1の被成形材料と前記第2の被成形材料とが接触して一体化するとともに、前記各被成形材料で、前記補強材を挟み込み、前記補強材の厚さ方向から見ると、前記補強材が前記被成形材料硬化工程で硬化した前記各被成形材料よりも大きく形成されている型の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、弾性材料で構成され微細な転写パターンが形成されている本体部とこの本体部を補強している補強材とを備えた型において、繰り返し使用しても、微細な転写パターン等が変形しにくく、本体部と補強材とが剥離しにくいという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る型(モールド)1は、従来のPDMSモールド301と同様に使用されるものである。すなわち、型1に形成されている微細な転写パターン3を、被成形材料(被成形物)5に転写することで、微細な転写パターン9が形成された成形品7を得るものである(
図4参照)。
【0021】
型1は、
図1で示すように、板状(たとえば矩形な平板状)に形成されており、厚さ方向の一方の面に微細な凹凸で形成された転写パターン3が設けられている。転写パターン3を構成している凹凸の高さやピッチは、たとえば、可視光線の波長〜1mm程度になっている。微細な転写パターン3は、たとえば、型1の周辺部を除く中央側の部位(
図1(a)に二点鎖線L1で示す四角形の内側)に形成されている。
【0022】
また、型1は、本体部11と補強材13とを備えて構成されている。本体部11は、たとえば、PDSM(ポリ
ジメチルシロキサン)系のシリコーンゴム等の弾性を備えたゴム材料で構成されている。微細な転写パターン3は本体部11の一部に形成されている。
【0023】
なお、型1の本体部11が必ずしも弾性材料で構成されている必要は無く、たとえば、転写パターン3のアスペクト比が低い場合(
図1(b)に示す転写パターン3の凹凸において、「
図3の上下方向の寸法/
図3の左右方向の寸法」の値が小さい場合)には、型1の本体部11が弾性をほとんど備えていない樹脂で構成されていて
もよい。すなわち、型1の本体部11が高分子材料で構成されていればよい。
【0024】
補強材13は、本体部11を補強するためのものであり、たとえばPET樹脂等の樹脂で構成されており、本体部11と一体化している。また、補強材13は、たとえば加熱することで本体部11が固化し(硬化し)成形されるときに(たとえば
図2に示すマスター型15等を用いて成形されるときに)、本体部11との一体化がなされたものである。
【0025】
本体部11の機械的性質と補強材13の機械的性質とを比較する。本体部11の縦弾性係数を「E
0」とし、本体部11のせん断弾性係数を「G
0」とし、本体部11のクリープ速度を「R
0」とし、補強材13の縦弾性係数を「E
1」とし、補強材13のせん断弾性係数を「G
1」とし、補強材13のクリープ速度を「R
1」とする。このときに、たとえば、「E
1>E
0」かつ「G
1>G
0」かつ「R
1<R
0」の関係が成立している。さらには、「E
1>>E
0」かつ「G
1>>G
0」かつ「R
1<<R
0」になっていることが望ましい。これにより、補強材13を、型1の変形・クリープ抑制材として捉えることもできる。
【0026】
本体部11と補強材13との一体化が本体部11の硬化成形のときになされた型1では、本体部11と補強材13とがお互いに直接接触しており、本体部11と補強材13と
の間には、異物(接着剤等の異物)が存在していることはない。なお、本体部11と補強材13との一体化は、たとえば、本体部11と補強材13とが機械的結合をすることでなされているのであるが、機械的結合に代えてもしくは加えて、物理的相互作用や化学的相互作用で、本体部11と補強材13との一体化がなされていてもよい。
【0027】
補強材13は、板状(たとえば、矩形な平板状)に形成されており、補強材13には、この厚さ方向を貫通している複数の貫通孔(たとえば円形に形成され、お互いが所定の間隔をあけて離れている貫通孔)17が設けられている。
【0028】
補強材13をこの厚さ方向から見ると、
図1(a)で示すように、各貫通孔17は、たとえば碁盤目配列
とされている。貫通孔17の内径寸法は、補強材13の肉部の幅寸法(お互いが隣接している貫通孔17の間に存在している補強材13の部位の寸法)よりも小さくなっているが、貫通孔17の内径寸法が、補強材13の肉部の幅寸法と等しくてもよいし、貫通孔17の内径寸法が、補強材13の肉部の幅寸法よりも大きくなっていてもよい。また、各貫通孔17が、千鳥目配列等の他の形態で配置されていてもよい。
【0029】
本体部11は、各貫通孔17に充填されていてしかも補強材13の厚さ方向の両側に設けられている。
【0030】
さらに説明すると、本体部11は、第1の部位19と第2の部位21と充填部位23とを備えて構成されている。
【0031】
第1の部位19は、たとえば矩形な平板状に形成されており、補強材13の厚さ方向の一方の側に設けられている。第2の部位21も、たとえば矩形な平板状に形成されており、補強材13の厚さ方向の他方の側に設けられている。充填部位23は、補強材13の貫通孔17に充填されている部位である。
【0032】
第1の部位19、第2の部位21、充填部位23は、お互いが一体で成形されおり、補強材13に直接接触しており、第1の部位19の厚さ方向と第2の部位21の厚さ方向と補強材13の厚さ方向とはお互いが一致している。また、補強材13の厚さ方向(型1の厚さ方向)から見ると、
図1から理解されるように、補強材13と第1の部位19と第2の部位21とはお互いに重なっている。
【0033】
これにより、第1の部位19と第2の部位21とで補強材13が挟まれ、しかも、充填部位23を介して第1の部位19と第2の部位21とがお互いにつながっている。
【0034】
なお、
図1で示すものでは、補強材13(型1)の厚さ方向から見たときに、第1の部位19と第2の部位21とは同じ形状になっており、第1の部位19の総てと第2の部位21の総てとがお互いに重なっており、補強材13が第1の部位19や第2の部位21よりも大きく形成されており、補強材13の内側に第1の部位19や第2の部位21が存在している。これにより、第1の部位19や第2の部位21で覆われておらず補強材13が露出している「ロ」字状の部位が、型1の周辺部に形成されている。
【0035】
補強材13(型1)の厚さ方向から見たときの、補強材13に対する第1の部位19や第2の部位21の大きさは、自由に適宜変更してよい。たとえば、補強材13の厚さ方向から見たときの、第1の部位19や第2の部位21の大きさを補強材13と同じにして、補強材13の総てと第1の部位19の総てと第2の部位21の総てとがお互いに完全に重なるようにしてもよい。
【0036】
微細な転写パターン3は、本体部11の第1の部位19の表面(第1の部位19の厚さ方向の一方の面であって、補強材13に接している面とは反対側の面)に形成されている。また、補強材13の厚さ方向から見ると、微細な転写パターン3が形成されている部位は、第1の部位19や第2の部位21よりも、たとえば、小さく形成されており、第1の部位19や第2の部位21の内側に存在している。
【0037】
上述したように構成されていることで、平板状の型1は、補強材13と同様な剛性と可撓性とクリープ特性(耐クリープ性)とを備えている。
【0038】
詳しく説明すると、型1の面内方向(型1の厚さ方向に対して直交する任意の方向)で型1に引張り力を加えても、補強材13によって剛性を備えている型1は、ゴムのような弾性変形することはなく、ほとんど変形しない。
【0039】
一方、型1は、上記面内方向以外では、可撓性を備えている。たとえば、型1は、この厚さ方向の両面が平面から曲面に変形する態様の可撓性を備えている(反るようになっている)。これにより、離型のときに(被成形材料5を硬化した後、成形品7から型1を剥がす等して分離するときに)、めくるような力を型1に加えると、型1は、この厚さ方向の両面が平面から曲面に変形する態様で変形し、容易にめくりあがる(
図4(b)の二点鎖線L2参照)。すなわち、物体の平面に粘着剤を介して貼り付いている薄板状のシールを、この端部からめくることで剥がすときと同様の態様で、型1が変形する。
【0040】
また、補強材13で補強されている型1は、あらゆる方向の外力に対しても(特に型1の面内方向の引張り力に対して)、クリープがほとんど発生しないようになっている。
【0041】
次に、型1の製造方法について説明する。
【0042】
まず、
図2(a)で示すように、平板状のベース体25の上面にマスター型15を設置する。マスター型15は、たとえば、石英ガラスもしくはニッケル等の金属等で構成されており、平板状(たとえば矩形な平板状)に形成されている。マスター型15の厚さ方向の一方の面には、転写パターン(マスターとなる転写パターン)が形成されている。
【0043】
マスター型15はこの厚さ方向が上下方向になるようにしてベース体25に設置されている。マスター型15の微細な転写パターンは、ベース体25に設置されたマスター型15の上面に存在している。また、ベース体25には、ヒータ27が設けられている。
【0044】
続いて、
図2(b)で示すように、マスター型15に、硬化しても弾性を備える未硬化の第1の被成形材料(本体部11の一部になる材料)29を供給する(第1の被成形材料供給工程)。
【0045】
第1の被成形材料供給工程では、マスター型15の上面に未硬化の第1の被成形材料(第1の被成形物)29を供給する。供給された未硬化の第1の被成形材料29は、膜状になってマスター型15の上面を覆い、マスター型15の微細な転写パターンに隙間無く入り込んでいる。
【0046】
続いて、
図2(c)で示すように、第1の被成形材料供給工程で未硬化の第1の被成形材料29を供給した後、第1の被成形材料29が未硬化の状態を維持している状態で、補強材13を未硬化の第1の被成形材料29に設置する(補強材設置工程)。
【0047】
補強材設置工程による補強材13の設置は、第1の被成形材料29の上に補強材13を載置することでなされる。載置された補強材13は、厚さ方向が上下方向になっており、たとえば、第1の被成形材料29内に沈むことなく、第1の被成形材料29の上で浮いている。
【0048】
続いて、
図3(a)で示すように、補強材設置工程で補強材13を設置した後、第1の被成形材料29が未硬化の状態を維持している状態で、第1の被成形材料29と協働して補強材13を包み込むように(たとえば挟み込むように)、硬化しても弾性を備える未硬化の第2の被成形材料(本体部11の一部になる材料;たとえば、第1の被成形材料と同じ被成形材料)31を供給する(第2の被成形材料供給工程)。
【0049】
第2の被成形材料供給工程では、補強材13の上に未硬化の第2の被成形材料(第2の被成形物)31を供給する。供給された未硬化の第2の被成形材料31は、補強材13の上で膜状になって補強材を覆っているとともに、補強材13の貫通孔17に入り込んで、第1の被成形材料29とつながっている。
【0050】
続いて、
図3(b)で示すように、第2の被成形材料供給工程で未硬化の第2の被成形材料31を供給した後、各被成形材料をたとえば加熱することで硬化する(被成形材料硬化工程)。
【0051】
被成形材料29,31を硬化することで、被成形材料29,31は、補強材13と一体化する。なお上記硬化は、平板状の押圧体33と平板状のベース体25とで、マスター型15、被成形材料29,31、補強材13を挟み込んで押圧し、加熱することでなされる。なお、押圧体33にもヒータ35が設けられている。
【0052】
続いて、ベース体25と押圧体33とによる挟み込みをやめて、マスター型15から、補強材13と硬化して補強材13と一体化している被成形材料29,31とを離すことで、型1が得られる。
【0053】
なお、既に理解されるように、上述した補強材設置工程で補強材13を設置したとき、補強材13は、この厚さ方向が上下方向になって第1の被成形材料29にかぶさっており、補強材13の貫通孔17から第1の被成形材料29が覗けるようになっている(第1の被成形材料29が露出している)。また、第2の被成形材料供給工程で未硬化の第2の被成形材料31を供給したとき、補強材13の貫通孔17によって第1の被成形材料29と第2の被成形材料31とがお互いに接触して一体化すると
ともに(つながるとともに)、第1の被成形材料29と第2の被成形材料31とで、補強材13を挟み込んでいる。
【0054】
次に、型1を用いた被成形材料5の成形方法について説明する。
【0055】
まず、
図4(a)で示すように、平板状の基材37の上に未硬化の被成形材料5を膜状に設ける。
【0056】
続いて、
図4(b)で示すように、型1と基材37とで被成形材料5を挟み込んで押圧する。これにより、型1の微細な転写パターン3に未硬化の被成形材料5が隙間無く入り込む。
【0057】
続いて、未硬化の被成形材料5を加熱しもしくは未硬化の被成形材料5に紫外線を照射する等して、被成形材料5を硬化し、この硬化後、二点鎖線L2で示すようにして、型1をめくり上げ、型1を硬化した被成形材料5から剥がして分離する(離型する)。
【0058】
これにより、
図4(c)で示すように、基材37と硬化した被成形材料5とで構成された成形品7を得ることができる。硬化した被成形材料5(成形品7)には転写によって微細なパターンが転写され形成されている。
【0059】
型1によれば、補強材13と本体部11との一体化が本体部11の固化(硬化)によってなされるので、接着剤を用いて接着する場合に比べて本体部11と補強材13との結合力が強くなっている。これにより、繰り返し使用しても(被成形材料5に転写パターン3を転写しこの後離型することを繰り返しても)、微細な転写パターン3等が変形しにくく、本体部11と補強材13とが剥離しにくくなっている。また、接着剤が一切使用されていないので、離型のときに型1が反りやすくなっている。
【0060】
また、型1によれば、補強材13の貫通孔17のところ(本体部11の充填部位23)で、本体部11の第1の部位19と第2の部位21とがお互いにつながり結合されているので、補強材13と本体部11との結合力が一層強くなっており、補強材13からの本体部11の剥離が一層し難くなっている。
【0061】
なお、貫通孔17の径を大きくしたり貫通孔17の数を多くすると、本体部11と補強材13との結合力は高まるが、その一方で、型1の剛性(型1の面内方向での引張り力に対する剛性)は低くなる。そこで、型1では、貫通孔17の径や貫通孔17の数を適宜決めることで、本体部11と補強材13との結合力と型1の剛性とのバランスをとっている。
【0062】
ところで、型1において補強材13を、複数本の紐状部材で構成してもよい。この場合、各紐状部材は、お互いが所定間隔をあけて離れ、型1の面内方向で平行に延伸しているものとする。また、各紐状部材は、型1の一方の端部から他方の端部まで本体部11内に入り込んで延伸している。
【0063】
なお、補強材13が、一方向だけでなく、この一方向と直交する方向等の交差する方向に延びて設けられていてもよいし、補強材13が網状に形成されていてもよい。
【0064】
また、上記説明では、型1の本体部11をヒータ27で加熱し硬化しているが、型1の本体部11の材料として紫外線硬化樹脂を採用し、紫外線を照射することで、本体部11を硬化してもよい。この場合、補強材13が紫外線を良く透過する透明な材料で構成されているものとする。また、
図3(b)で示す押圧体33も紫外線を良く透過する透明な材料で構成されているものとする。そして、型1を押圧しながら押圧体33の上から紫外線を照射することで、本体部11を硬化することとする。
【0065】
さらに、型1の本体部11の材料として紫外線硬化樹脂を採用した場合、押圧体33の上から紫外線を照射することに代えてもしくは加えて、マスター型15とベース体25とを、紫外線を良く透過する透明な材料で構成し、型1を押圧しながらベース体25の下から紫外線を照射することで、本体部11を硬化してもよい。