(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5953135
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】抵抗測定装置および回路基板検査装置
(51)【国際特許分類】
G01R 27/02 20060101AFI20160707BHJP
G01R 31/02 20060101ALI20160707BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
G01R27/02 R
G01R31/02
H05K3/00 U
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-134395(P2012-134395)
(22)【出願日】2012年6月14日
(65)【公開番号】特開2013-257259(P2013-257259A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083404
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100166752
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 典子
(72)【発明者】
【氏名】伴 和浩
【審査官】
荒井 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−002199(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/046737(WO,A1)
【文献】
特開2007−178250(JP,A)
【文献】
特開2010−014603(JP,A)
【文献】
特開平04−340477(JP,A)
【文献】
特開昭60−214271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/02−27/26
G01R 31/02
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1直流電流源および第1電圧測定手段を有する第1抵抗測定部と、第2直流電流源および第2電圧測定手段を有する第2抵抗測定部とを含み、上記各抵抗測定部により四端子法にて隣接している第1および第2の2つの被測定体の抵抗値測定を同時に行う抵抗値測定装置において、
上記2つの被測定体ごとに割り当てられ、その各々に引き回し配線を介して4本のプローブが接続される一対のスキャナボードを備え、上記各スキャナボードには、
上記第1,第2電圧測定手段の高電位極Hp1,Hp2のいずれかに択一的に接続される第1主スイッチ、上記第1,第2直流電流源の高電位極Hc1,Hc2のいずれかに択一的に接続される第2主スイッチ、上記第1,第2電圧測定手段の低電位極Lp1,Lp2のいずれかに択一的に接続される第3主スイッチおよび上記第1,第2直流電流源の低電位極Lc1,Lc2のいずれかに択一的に接続される第4主スイッチと、
上記4本の各プローブを上記第1ないし第4の各主スイッチのコモン接点のいずれか一つに選択的に接続する第1ないし第4の4つの副スイッチとが設けられており、
上記一方のスキャナボード側の4本のプローブのうちの2本のプローブを上記第1被測定体の一方の端子部に接触させ、残りの2本のプローブを上記第2被測定体の一方の端子部に接触させるとともに、上記他方のスキャナボード側の4本のプローブのうちの2本のプローブを上記第1被測定体の他方の端子部に接触させ、残りの2本のプローブを上記第2被測定体の他方の端子部に接触させた状態で、
上記各主スイッチと上記各副スイッチとにより、上記第1被測定体の両端子部に接触する4本のプローブを上記第1抵抗測定部に接続するとともに、上記第2被測定体の両端子部に接触する4本のプローブを上記第2抵抗測定部に接続し、上記第1被測定体に対しては上記第1直流電流源より上記一方のスキャナボード側から電流を流し、上記第2被測定体に対しては上記第2直流電流源より上記他方のスキャナボード側から電流を流し、上記第1被測定体に流される電流方向と、上記第2被測定体に流される電流方向とが逆方向とされることを特徴とする抵抗値測定装置。
【請求項2】
上記一方のスキャナボード側の上記4本のプローブを第1ないし第4プローブ,上記他方のスキャナボード側の上記4本のプローブを第5ないし第8プローブとして、上記第1被測定体の一方の端子部に第1,第2プローブを、上記第2被測定体の一方の端子部に第3,第4プローブを接触させるとともに、上記第1被測定体の他方の端子部に第5,第6プローブを、上記第2被測定体の他方の端子部に第7,第8プローブを接触させて、上記第1抵抗測定部による上記第1被測定体の抵抗値測定と、上記第2抵抗測定部による上記第2被測定体の抵抗値測定とを同時に行うにあたって、
上記各主スイッチと上記各副スイッチとにより、上記第1,第5プローブを上記第1直流電流源の高電位極Hc1,低電位極Lc1に、上記第2,第6プローブを上記第1電圧測定手段の高電位極Hp1,低電位極Lp1に接続するとともに、上記第3,第7プローブを上記第2直流電流源の高電位極Hc1,低電位極Lc1に、上記第4,第8プローブを上記第2電圧測定手段の高電位極Hp1,低電位極Lp1に接続することを特徴とする請求項1に記載の抵抗値測定装置。
【請求項3】
上記一方のスキャナボードから各プローブに至る引き回し配線が隣接して配線されているとともに、上記他方のスキャナボードから各プローブに至る引き回し配線が隣接して配線されていることを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗値測定装置。
【請求項4】
上記第1抵抗測定部と上記第2抵抗測定部に対して、上記一対のスキャナボードが複数並列に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の抵抗値測定装置。
【請求項5】
上記被測定体が回路基板に隣接して配置されている抵抗素子もしくはスルーホール内の導電体であり、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の抵抗値測定装置により、上記複数の被測定体を2つ1組としてそれらの各抵抗値を順次測定することを特徴とする回路基板検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗測定装置および回路基板検査装置に関し、さらに詳しく言えば、四端子法による2つの抵抗測定部を備え、2つの被測定体の抵抗値(電気導電度)を同時に測定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
四端子法による抵抗測定法では、直流電源と電圧計とを用い、直流電源より電流供給プローブを介して被測定体に所定の直流定電流Iを流し、これにより被測定体の両端子間に生ずる電圧Vを電圧検出プローブを介して電圧計にて測定し、V/Iなる除算により被測定体の抵抗値Rが求められる。
【0003】
この四端子法による抵抗測定法によれば、特に被測定体が低抵抗である場合、プローブの接触抵抗や配線抵抗等の影響を殆ど受けることなく、被測定被測定体の抵抗値Rをより正確に測定することができるが、多くの場合、直流電源から電流供給プローブに至る電流供給ラインと、電圧計から電圧検出プローブに至る電圧検出ラインとが隣接して配線されている。
【0004】
そのため、通電により電流供給ラインの周りに発生する磁束が隣接する電圧検出ラインに鎖交することにより、電圧検出ラインに起電力が誘起され、これが測定の誤差要因となることがある。
【0005】
この点を解消すべく、本出願人は先に特許文献1として、
図3に示す抵抗測定装置を提案している。この抵抗測定装置は、第1および第2の抵抗測定部10,20を備え、これら抵抗測定部10,20により、2つの被測定体Ra,Rbを同時に測定する。
【0006】
被測定体Ra,Rbは、回路基板に実装されている抵抗素子もしくは回路基板に穿設されているスルーホール内の銅箔等からなる導電体であり、スルーホールの場合には、測定された抵抗値により断線有無の検査が行われる。
【0007】
第1および第2の抵抗測定部10,20は、いずれも四端子法によるもので、第1抵抗測定部10は、直流電流源11と電圧検出手段としての電圧計12とを備え、同様に、第2抵抗測定部20は、直流電流源21と電圧検出手段としての電圧計22とを備える。
【0008】
図3の例において、一方の被測定体Raの両端子部には、引き回し配線110を介して第1抵抗測定部10の直流電流源11に接続される一対の電流供給プローブ111,112と、引き回し配線120を介して第1抵抗測定部10の電圧計12に接続される一対の電圧検出プローブ121,122とが接触される。
【0009】
同様に、他方の被測定体Rbの両端子部には、引き回し配線210を介して第2抵抗測定部20の直流電流源21に接続される一対の電流供給プローブ211,212と、引き回し配線220を介して第2抵抗測定部20の電圧計22に接続される一対の電圧検出プローブ221,222とが接触される。
【0010】
この場合、第1抵抗測定部10側の引き回し配線110,120と、第2抵抗測定部20側の引き回し配線210,220は極力近づけて配線し、直流電流源11,21から供給される電流値は同じであるが逆極性とする。
【0011】
すなわち、第1抵抗測定部10の電流供給側の引き回し配線110には、図示実線矢印方向に電流を流すのに対して、第2抵抗測定部20の電流供給側の引き回し配線210には、逆方向となるように図示鎖線矢印方向に電流を流す。
【0012】
このように、第1抵抗測定部10の電流供給側の引き回し配線110と第2抵抗測定部20の電流供給側の引き回し配線210とに対して、互いに逆極性で電流値の等しい直流電流(測定電流)を同時に流すことにより、それらの直流電流に起因して発生する磁束が打ち消されるため、電圧検出側の引き回し配線120,220に起電力が誘導されることがなく、より正確な抵抗値測定を行うことができるとともに、同時に2つの被測定体の抵抗値を測定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−2199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、回路基板上に多数(例えば数100以上)の被測定体が存在しているような場合には次のような問題がある。
【0015】
各プローブをフライング形式として、被測定体Ra,Rbを測定したのち、次の2つの被測定体に移動させて測定を行う場合には、プローブの移し替えに時間がかかるばかりでなく、引き回し配線もその分長くする必要があり、好ましくない。
【0016】
また、各プローブを各被測定体ごとにピンボードに植設するフィクスチュア形式とする場合には、第1抵抗測定部10と第2抵抗測定部20とに対する各プローブの配線本数がきわめて多くなり、配線経路が複雑になるばかりでなく、それら配線の接続にも多大な手間がかかることになる。また、配線面積が増える分、浮遊容量も増大することになる。さらには、配線本数が増えると、その本数に応じて切替スイッチの数も多くなり、部品コストが嵩むことになる。
【0017】
そこで、本発明の課題は、四端子法による第1および第2の2つの抵抗測定部を有する抵抗測定装置において、数多く存在する被測定体のうち、順次所定の2つの被測定体の抵抗値を同時に測定するにあたって、各被測定体に割り当てられるプローブの各抵抗測定部に対する接続を容易にするとともに、その引き回し配線長もより短くして浮遊容量が増加しないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明は請求項1に記載されているように、第1直流電流源および第1電圧測定手段を有する第1抵抗測定部と、第2直流電流源および第2電圧測定手段を有する第2抵抗測定部とを含み、上記各抵抗測定部により四端子法にて隣接している第1および第2の2つの被測定体の抵抗値測定を同時に行う抵抗値測定装置において、
上記2つの被測定体ごとに割り当てられ、その各々に引き回し配線を介して4本のプローブが接続される一対のスキャナボードを備え、上記各スキャナボードには、
上記第1,第2電圧測定手段の高電位極Hp1,Hp2のいずれかに択一的に接続される第1主スイッチ、上記第1,第2直流電流源の高電位極Hc1,Hc2のいずれかに択一的に接続される第2主スイッチ、上記第1,第2電圧測定手段の低電位極Lp1,Lp2のいずれかに択一的に接続される第3主スイッチおよび上記第1,第2直流電流源の低電位極Lc1,Lc2のいずれかに択一的に接続される第4主スイッチと、
上記4本の各プローブを上記第1ないし第4の各主スイッチのコモン接点のいずれか一つに選択的に接続する第1ないし第4の4つの副スイッチとが設けられており、
上記一方のスキャナボード側の4本のプローブのうちの2本のプローブを上記第1被測定体の一方の端子部に接触させ、残りの2本のプローブを上記第2被測定体の一方の端子部に接触させるとともに、上記他方のスキャナボード側の4本のプローブのうちの2本のプローブを上記第1被測定体の他方の端子部に接触させ、残りの2本のプローブを上記第2被測定体の他方の端子部に接触させた状態で、
上記各主スイッチと上記各副スイッチとにより、上記第1被測定体の両端子部に接触する4本のプローブを上記第1抵抗測定部に接続するとともに、上記第2被測定体の両端子部に接触する4本のプローブを上記第2抵抗測定部に接続し、上記第1被測定体に対しては上記第1直流電流源より上記一方のスキャナボード側から電流を流し、上記第2被測定体に対しては上記第2直流電流源より上記他方のスキャナボード側から電流を流し、上記第1被測定体に流される電流方向と、上記第2被測定体に流される電流方向とが逆方向とされることを特徴としている。
【0019】
具体的には、請求項2に記載されているように、上記一方のスキャナボード側の上記4本のプローブを第1ないし第4プローブ,上記他方のスキャナボード側の上記4本のプローブを第5ないし第8プローブとして、上記第1被測定体の一方の端子部に第1,第2プローブを、上記第2被測定体の一方の端子部に第3,第4プローブを接触させるとともに、上記第1被測定体の他方の端子部に第5,第6プローブを、上記第2被測定体の他方の端子部に第7,第8プローブを接触させて、上記第1抵抗測定部による上記第1被測定体の抵抗値測定と、上記第2抵抗測定部による上記第2被測定体の抵抗値測定とを同時に行うにあたって、
上記各主スイッチと上記各副スイッチとにより、上記第1,第5プローブを上記第1直流電流源の高電位極Hc1,低電位極Lc1に、上記第2,第6プローブを上記第1電圧測定手段の高電位極Hp1,低電位極Lp1に接続するとともに、上記第3,第7プローブを上記第2直流電流源の高電位極Hc1,低電位極Lc1に、上記第4,第8プローブを上記第2電圧測定手段の高電位極Hp1,低電位極Lp1に接続する。
【0020】
好ましくは、請求項3に記載されているように、上記一方のスキャナボードから各プローブに至る引き回し配線が隣接して配線されているとともに、上記他方のスキャナボードから各プローブに至る引き回し配線が隣接して配線される。
【0021】
多数の被測定体を2つ1組として測定するにあたって、請求項4に記載されているように、上記第1抵抗測定部と上記第2抵抗測定部に対して、上記一対のスキャナボードが複数並列に接続される。
【0022】
また、本発明には、請求項5に記載されているように、上記被測定体が回路基板に隣接して配置されている抵抗素子もしくはスルーホール内の導電体であり、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の抵抗値測定装置により、上記複数の被測定体を2つ1組としてそれらの各抵抗値を順次測定する回路基板検査装置も含まれる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、各スキャナボードに設けられている主スイッチと副スイッチを選択的に切り換えるだけの操作で、第1被測定体の両端子部に接触する4本のプローブを第1抵抗測定部に接続するとともに、第2被測定体の両端子部に接触する4本のプローブを第2抵抗測定部に接続でき、第1被測定体に対しては第1直流電流源より一方のスキャナボード側から電流を流し、第2被測定体に対しては第2直流電流源より他方のスキャナボード側から電流を流し、これにより、第1被測定体に流される電流方向と、第2被測定体に流される電流方向とを逆方向とすることができる。
【0024】
また、各プローブの引き回し配線も、スキャナボードとプローブ間だけに配線すればよく、引き回し配線をより短くすることができるとともに、一方のスキャナボードから各プローブに至る引き回し配線を隣接して配線し、同様に、他方のスキャナボードから各プローブに至る引き回し配線を隣接して配線することにより、電圧検出側の引き回し配線に誘導起電力が生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明による抵抗測定装置の実施形態を示す模式的な斜視図。
【
図2】本発明で用いられるスキャナボードの構成を示す模式図。
【
図3】四端子法による2つの抵抗測定部を備えた従来の抵抗測定装置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、
図1および
図2により、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
まず、
図1を参照して、この実施形態に係る抵抗測定装置は、複数の被測定体Ra〜Rnの抵抗値を測定するため、計測ボード100と、中継基板としてのIFボード200を介して計測ボード100に接続されるスキャナボード300,400とを備える。なお、IFボード200は任意的な構成要素で、スキャナボード300,400は、直接的に計測ボード100に接続されてよい。
【0028】
また、この実施形態において、被測定体Ra〜Rnは、回路基板に穿設されているスルーホール内の銅箔で、その抵抗値が所定の閾値よりも高い抵抗値を示す場合には、図示しない制御手段によりスルーホール内断線と判定される。被測定体Ra〜Rnは、回路基板上に実装された例えば抵抗チップ等の抵抗素子であってもよい。
【0029】
いずれにしても、この実施形態において、被測定体Ra〜Rnは、例えば数100個単位で存在するが、以下の説明において、被測定体Ra〜Rnを区別する必要がない場合には、その総称として被測定体RXとする。
【0030】
計測ボード100には、ともに四端子法による第1抵抗測定部101と、第2抵抗測定部102とが設けられている。
【0031】
第1抵抗測定部101は、直流定電流源CC1と、電圧測定手段としての電圧計V1とを備える。ここでの説明において、直流定電流源CC1の高電位極をHc1,その低電位極をLc1,電圧計V1の高電位極をHp1,その低電位極をLp1とする。
【0032】
同様に、第2抵抗測定部102も、直流定電流源CC2と、電圧測定手段としての電圧計V2とを備え、直流定電流源CC2の高電位極をHc2,その低電位極をLc2,電圧計V1の高電位極をHp2,その低電位極をLp2とする。なお、説明の便宜上、第1抵抗測定部101に通ずる電路をライン1とし、第2抵抗測定部102に通ずる電路をライン2とする。
【0033】
スキャナボード300,400について説明すると、一方のスキャナボード300は、被測定体RXの一方の端子部側に接触するプローブ301〜304を有する基板で、他方のスキャナボード400は、被測定体RXの他方の端子部側に接触するプローブ401〜404を有する基板である。
【0034】
この実施形態において、スキャナボード300,400はともに、複数枚が用いられているため、その各々をスキャナボード300a〜300m,スキャナボード400a〜400mとする。スキャナボード300(300a〜300m)とスキャナボード400(400a〜400m)は同一構成であり、好ましくは、各スキャナボード300,400は同数枚である。
【0035】
スキャナボード300(300a〜300m)は、上部のスキャナラックA内に収納され、スキャナボード400(400a〜400m)は、下部のスキャナラックB内に収納されるが、スキャナラックA側の1枚とスキャナラックB側の1枚とが一対として、2つの被測定体RXに割り当てられる。すなわち、被測定体RXが例えば100個であるとすると、スキャナボード300,400はともに50枚が用意されることになる。
【0036】
図1には、スキャナボード300aとスキャナボード400aとが対として、隣接する2つの被測定体Ra,Rbの抵抗値測定を行う状態が図解されているため、これについて
図2により説明する。
【0037】
スキャナボード300aは、第1ないし第4の4つの主スイッチ311〜314と、第1ないし第4の4つの副スイッチ321〜324とを備える。
【0038】
第1主スイッチ311は、2つのスイッチ素子311a,311bを有し、第1,第2電圧計V1,V2の高電位極Hp1,Hp2のいずれか一方を選択する。第2主スイッチ312は、2つのスイッチ素子312a,312bを有し、第1,第2直流定電流源CC1,CC2の高電位極Hc1,Hc2のいずれか一方を選択する。
【0039】
第3主スイッチ313は、2つのスイッチ素子313a,313bを有し、第1,第2電圧計V1,V2の低電位極Lp1,Lp2のいずれか一方を選択する。第4主スイッチ314は、2つのスイッチ素子314a,314bを有し、第1,第2直流定電流源CC1,CC2の低電位極Lc1,Lc2のいずれか一方を選択する。
【0040】
第1副スイッチ321は、4つのスイッチ素子321a〜321dを有し、プローブ301を各主スイッチ311〜314のコモン接点311c〜314cのいずれか一つに接続する。
【0041】
第2副スイッチ322は、4つのスイッチ素子322a〜322dを有し、プローブ302を各主スイッチ311〜314のコモン接点311c〜314cのいずれか一つに接続する。
【0042】
第3副スイッチ323は、4つのスイッチ素子323a〜323dを有し、プローブ303を各主スイッチ311〜314のコモン接点311c〜314cのいずれか一つに接続する。
【0043】
第4副スイッチ324は、4つのスイッチ素子324a〜324dを有し、プローブ304を各主スイッチ311〜314のコモン接点311c〜314cのいずれか一つに接続する。
【0044】
同様に、スキャナボード400aも、第1ないし第4の4つの主スイッチ411〜414と、第1ないし第4の4つの副スイッチ421〜424とを備える。
【0045】
第1主スイッチ411は、2つのスイッチ素子411a,411bを有し、第1,第2電圧計V1,V2の高電位極Hp1,Hp2のいずれか一方を選択する。第2主スイッチ412は、2つのスイッチ素子412a,412bを有し、第1,第2直流定電流源CC1,CC2の高電位極Hc1,Hc2のいずれか一方を選択する。
【0046】
第3主スイッチ413は、2つのスイッチ素子413a,413bを有し、第1,第2電圧計V1,V2の低電位極Lp1,Lp2のいずれか一方を選択する。第4主スイッチ414は、2つのスイッチ素子414a,414bを有し、第1,第2直流定電流源CC1,CC2の低電位極Lc1,Lc2のいずれか一方を選択する。
【0047】
第1副スイッチ421は、4つのスイッチ素子421a〜421dを有し、プローブ404を各主スイッチ411〜414のコモン接点411c〜414cのいずれか一つに接続する。
【0048】
第2副スイッチ422は、4つのスイッチ素子422a〜422dを有し、プローブ403を各主スイッチ411〜414のコモン接点411c〜414cのいずれか一つに接続する。
【0049】
第3副スイッチ423は、4つのスイッチ素子423a〜423dを有し、プローブ402を各主スイッチ411〜414のコモン接点411c〜414cのいずれか一つに接続する。
【0050】
第4副スイッチ424は、4つのスイッチ素子424a〜424dを有し、プローブ401を各主スイッチ411〜414のコモン接点411c〜414cのいずれか一つに接続する。
【0051】
2つの被測定体Ra,Rbの抵抗値を測定するにあたって、スキャナボード300a側の4本のプローブ301〜304のうちの2本のプローブ301,302を被測定体Raの一方の端子部RaT1に接触させ、スキャナボード400a側の4本のプローブ401〜404のうちの2本のプローブ401,402を被測定体Raの他方の端子部RaT2に接触させる。
【0052】
また、スキャナボード300a側の残りの2本のプローブ303,304を被測定体Rbの一方の端子部RbT1に接触させるとともに、スキャナボード400a側の残りの2本のプローブ403,404を被測定体Rbの他方の端子部RbT2に接触させる。
【0053】
この実施形態においては、被測定体Raの両端子部RaT1,RaT2に接触するプローブ301,302,401,402のうち、プローブ302,401を電流供給プローブとし、プローブ301,402を電圧検出プーロブとする。
【0054】
また、被測定体Rbの両端子部RbT1,RbT2に接触するプローブ303,304,403,404のうち、プローブ304,403を電流供給プローブとし、プローブ303,404を電圧検出プーロブとする。
【0055】
そして、被測定体Raに対しては、スキャナボード400a側から直流の定電流(測定電流)I1を流し、被測定体Rbに対しては、スキャナボード300a側から直流の定電流(測定電流)I2を流すようにする。なお、測定電流I1,I2の電流値は同一(I1=I2)とする。
【0056】
そのため、スキャナボード300a側においては、プローブ301を第1副スイッチ321のスイッチ素子321bおよび第3主スイッチ313のスイッチ素子313bを介してライン2における第2電圧計V2の低電位極Lp2に接続する。
【0057】
また、プローブ302を第2副スイッチ322のスイッチ素子322aおよび第4主スイッチ314のスイッチ素子314bを介してライン2における第2直流定電流源CC2の低電位極Lc2に接続する。
【0058】
また、プローブ303を第3副スイッチ323のスイッチ素子323dおよび第1主スイッチ311のスイッチ素子311aを介してライン1における第1電圧計V1の高電位極Hp1に接続する。
【0059】
また、プローブ304を第4副スイッチ324のスイッチ素子324cおよび第2主スイッチ312のスイッチ素子312aを介してライン1における第1直流定電流源CC1の高電位極Hc1に接続する。
【0060】
一方、スキャナボード400a側においては、プローブ401を第4副スイッチ424のスイッチ素子424cおよび第2主スイッチ412のスイッチ素子412bを介してライン2における第2直流定電流源CC2の高電位極Hc2に接続する。
【0061】
また、プローブ402を第3副スイッチ423のスイッチ素子423dおよび第1主スイッチ411のスイッチ素子411bを介してライン2における第2電圧計V2の高電位極Hp2に接続する。
【0062】
また、プローブ403を第2副スイッチ422のスイッチ素子422aおよび第4主スイッチ414のスイッチ素子414aを介してライン1における第1直流定電流源CC1の低電位極Lc1に接続する。
【0063】
また、プローブ404を第1副スイッチ421のスイッチ素子421bおよび第3主スイッチ413のスイッチ素子413aを介してライン1における第1電圧計V1の低電位極Lp1に接続する。
【0064】
なお、上記の主スイッチおよび副スイッチの切り替えは、図示しない制御手段により行われる。また、主スイッチおよび副スイッチは、半導体素子等よりなる電子スイッチが好ましく用いられるが、マイクロスイッチに代表されるメカニカルスイッチが用いられてもよい。
【0065】
このようにして、各スキャナボード300a,400aのスイッチ切り替えにより、被測定体Raを第2抵抗測定部102のライン2に接続し、被測定体Rbを第1抵抗測定部101のライン1に接続することができるとともに、被測定体Raに対する測定電流I1の流れ方向と、被測定体Rbに対する測定電流I2の流れ方向とが逆方向となる。
【0066】
したがって、プローブ301,302の各引き回し配線と、プローブ303,304の各引き回し配線とを近接配置、また、プローブ401,402の各引き回し配線と、プローブ403,404の各引き回し配線とを近接配置することにより、測定電流の通電により生ずる誘導起電力を打ち消すことができる。
【0067】
また、引き回し配線もスキャナボードとプローブ間に配線されるだけですむので、その配線長をより短くすることができる。
【0068】
以上、スキャナボード300a,400aについて説明したが、同様に、スキャナボード300b,400b;300c,400c…300m,400mがそれぞれ対として用いられ、被測定体Ra,Rbと同じく、隣接配置されている2つの被測定体RXの抵抗値測定が同時に行われる。
【0069】
また、上記抵抗測定装置が搭載された回路基板検査装置によれば、例えば多数のスルーホール(ビアホール)を有する回路基板のスルーホール内断線の有無等を、測定電流の通電による誘導起電力の影響を受けることなく、素早くより正確に検査することができる。
【符号の説明】
【0070】
100 計測ボード
101 第1抵抗測定部(ライン1)
102 第2抵抗測定部(ライン2)
300(300a〜300m) 一方のスキャナボード
400(400a〜400m) 他方のスキャナボード
301〜304,401〜404 プローブ
311〜314,411〜414 主スイッチ
321〜324,421〜424 副スイッチ
V1,V2 電圧計(電圧測定手段)
CC1,CC2 直流定電流源
RX(Ra〜Rn) 被測定体
RaT1,RaT2,RbT1,RbT2 端子部