【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 一般社団法人 電子情報通信学会主催「電子情報通信学会2012年総合大会において「状況に合わせたトラフィックオフロード」2012年3月22日に発表 及び、一般社団法人 電子情報通信学会主催、2012年3月20日〜2012年3月23日 「電子情報通信学会2012年総合大会において「状況に合わせたトラフィックオフロード」電子情報通信学会2012年総合大会講演論文集 B−6−52 52頁 2012年3月6日発行、に発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
昨今の通信ネットワークや情報端末の普及に伴い、モバイルネットワークが広く普及するとともに、モバイルネットワークにおけるデータ通信容量が急激に増加している。携帯電話機やスマートフォンなどのモバイルネットワークに接続する端末は、携帯電話サービスを提供する移動体通信キャリアの基地局および交換機などを介して、インターネットなどのコアネットワークに接続することができる。このモバイルネットワークに関する仕様は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)やOMA(Open Mobile Alliance)などによって定められている(例えば、非特許文献1ないし6など参照。)。3GPPは、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)などの移動通信システムの仕様を標準化する。
【0003】
一方、無線LANによる通信ネットワークも普及している。この無線LANは、例えば会社内や家庭内などに設けられた無線LAN用のアクセスポイントに接続することにより、コアネットワークに接続することができる。この際端末は、無線LAN用のアクセスポイント、ルータ、インターネット接続サービスを提要する事業者の交換機などを介して、コアネットワークに接続する。この無線LANは、IEEE802.11などにより規格化されている。近年は特に、Wi−Fi(wireless fidelity)通信可能なモジュールを備えるゲーム機や端末などが、普及している。
【0004】
一般的に、移動体通信キャリアが提供するモバイルネットワークにおいて、基地局から端末までの無線通信区間は、最もリソースが逼迫する区間である。そこで、移動体通信キャリアにおいて、この区間のトラフィックオフロードの必要性が近年高まっている。具体的には、モバイル端末がコアネットワークへ接続する際、移動体通信キャリアは、モバイルネットワークを介するのではなく、Wi−Fiなどの無線LANを介する手法を提案している。
【0005】
3GPPやOMAなどの標準化団体は、モバイル端末の通信接続を、モバイルネットワークから無線LAN接続へ切り替える方法として、DM(Device Manegement)機能を用いる方法を提案している。この方法では、オペレータ網のANDSF(Access Network Discovery and Selection Function)からモバイル端末へ、DM機能を用いて、MO(Mobile Object)がダウンロードされる。このMOは、アクセスネットワークの選択ポリシーである。モバイル端末は、このポリシーに従って、通信時の接続先として、3GやLTEなどを提供する移動体通信キャリアの基地局に接続するか、無線LANなどのアクセスポイントに接続するかを選択する。
【0006】
LTE在圏で、DM機能を用いて無線LAN接続へオフロードする場合を説明する。まず、制御SMSは、ANDSFからMOをダウンロードするように指示を、モバイル端末に出す。モバイル端末はこの指示に従って、ANDSFに従ってMOをダウンロードする。ここで、モバイル端末への制御SMS送信や、MOダウンロード時は、DCCH(個別チャンネル:Dedicated Control Channels)が用いられる。
【0007】
また一般的に、移動体通信キャリアのモバイルネットワークにおいて、アクセスクラスバーリングも知られている。アクセスクラスバーリングは、アクセスクラス単位で、モバイル端末の接続規制する処理である。アクセスクラスは例えば、
図9に示すように定義される。アクセスクラスは、優先ユーザのためのアクセスクラス”11”ないし”15”と、一般ユーザのためのアクセスクラス”0”ないし”9”を有する。各モバイル端末のSIM(Subscriber Identity Module Card)には、アクセスクラスのいずれかが予め設定されている。
【0008】
LTE在圏でアクセスクラスバーリングで接続規制する際、一般ユーザのアクセスクラス”0”ないし”9”から、ランダムに接続規制対象が選択される。接続規制対象が選択されると、その接続規制対象が、BCCH(報知情報チャンネル:Broadcasting Control Channels )のRRC(無線リソース制御:Radio Resource Control)プロトコルを用いて、各モバイル端末に通知される。接続規制対象が通知されると、接続規制対象のアクセスクラスが設定されたモバイル端末は、一定期間、移動体通信キャリアのモバイルネットワークへの接続が規制される。3G在圏の場合、RNC(無線ネットワーク制御装置:Radio Network Controller)で同様に処理される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、モバイルネットワークから無線LANへ、MOを用いて接続を切り替える方法は、適切でない場合が考えられる。一般的に無線LANへの切り替えが必要な場合は、基地局の負荷が高く、モバイルネットワークのリソースが逼迫している場合が想定される。しかしながら、上述した従来の無線LANへの接続切り替えの方法は、さらにリソースを逼迫するおそれがある。
【0011】
具体的には、制御SMS送信やMOをダウンロードする際、DCCHを用いる。DCCHはモバイル端末個別に設定されるチャンネルであるため、モバイルネットワークのリソースをさらに逼迫する可能性がある。また、MOはXMLで定義されるため、サイズが大きくなる場合がある。従来技術の様にリソースが逼迫している状態でMOをダウンロードすることは、適切でない場合がある。
【0012】
また、モバイル端末を出荷前に、工場などにおいてMOをプリセットする処理で、DMを利用する場合がある。この場合、モバイルネットワークのリソースが潤沢に使える時間および場所を選ぶなど、DCCHによるリソースの圧迫が問題にならない環境を選択する必要がある。
【0013】
このように、モバイルネットワークから無線LANへ、MOを用いて接続を切り替える方法について、様々な問題が考えられる。
【0014】
従って本発明の目的は、モバイルネットワークに負荷をかけることなく、端末をモバイルネットワークから無線LANに接続を切り替えることのできる通信方法および通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、モバイルネットワークおよび無線LANに接続可能な端末と、当該端末にモバイルネットワークを提供する基地局とを備える通信システムに用いられる通信方法に関する。即ち本発明の第1の特徴に係る通信方法は、基地局が、モバイルネットワークのアクセスを規制する場合、切替対象となるアクセスクラスを指定して、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信するステップと、モバイルネットワークに接続している端末が、基地局から切替指示を受信すると、当該端末のアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスの場合、無線LANに接続し、切替対象のアクセスクラスでない場合、モバイルネットワークへの接続を継続するステップを備える。
【0016】
ここで、基地局が、当該基地局の負荷を監視するステップをさらに備えても良い。この場合、基地局の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、無線LAN接続への切替指示を送信するステップを実行する。
【0017】
また、通信システムは、基地局に接続する加入者パケット交換機を備えても良い。この場合、基地局が、当該基地局の負荷を監視するステップと、基地局の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、当該基地局の負荷状態データを加入者パケット交換機に送信するステップと、加入者パケット交換機が、当該加入者パケット交換機に接続する基地局から、当該基地局の負荷状態データを受信するステップと、加入者パケット交換機が、負荷状態データを蓄積するステップと、加入者パケット交換機が、蓄積した負荷状態データに基づいて、モバイルネットワークのアクセス規制の実施を判断する場合、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信するステップをさらに備える、基地局は、加入者パケット交換機から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0018】
また、通信システムは、基地局に接続する加入者パケット交換機を備え、加入者パケット交換機が切替指示を送信しても良い。この場合、基地局が、当該基地局の負荷を監視するステップと、基地局の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、その旨の通知を加入者パケット交換機に送信するステップと、加入者パケット交換機が、基地局に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信するステップをさらに備える。基地局は、加入者パケット交換機から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0019】
また通信システムは、基地局に接続する加入者パケット交換機を備えても良い。この場合、加入者パケット交換機が、当該加入者パケット交換機の負荷を監視するステップと、加入者パケット交換機の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、加入者パケット交換機が、基地局に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信するステップをさらに備える。基地局は、加入者パケット交換機から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0020】
さらに、通信システムは、保守端末を備えても良い。この場合、保守端末が、モバイルネットワークのアクセスを規制する場合、基地局に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信するステップをさらに備える。基地局は、保守端末から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0021】
本発明の第2の特徴は、モバイルネットワークおよび無線LANに接続可能な端末と、当該端末にモバイルネットワークを提供する基地局とを備える通信システムに関する。即ち本発明の第2の特徴に係る通信システムにおいて、基地局は、モバイルネットワークのアクセスを規制する場合、切替対象となるアクセスクラスを指定して、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する通信切替通知手段を備える。端末は、モバイルネットワークに接続している端末が、基地局から切替指示を受信すると、当該端末のアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスの場合、無線LANに接続し、切替対象のアクセスクラスでない場合、モバイルネットワークへの接続を継続する通信切替手段を備える。
【0022】
ここで、基地局は、当該基地局の負荷を監視する負荷状態監視手段をさらに備えても良い。この場合、通信切替通知手段は、当該基地局の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0023】
また通信システムは、基地局に接続する加入者パケット交換機を備えても良い。この場合、基地局は、当該基地局の負荷を監視する負荷状態監視手段と、基地局の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、当該基地局の負荷状態データを加入者パケット交換機に送信する負荷状態通知手段を備える。加入者パケット交換機は、当該加入者パケット交換機に接続する基地局から、当該基地局の負荷状態データを受信する負荷状態受信手段と、負荷状態データを蓄積する負荷状態蓄積手段と、蓄積した負荷状態データに基づいて、モバイルネットワークのアクセス規制の実施を判断する場合、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する通信切替通知手段を備える。基地局の通信切替通知手段は、加入者パケット交換機から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0024】
また、通信システムは、基地局に接続する加入者パケット交換機を備え、加入者パケット交換機が切替指示を送信しても良い。この場合、基地局は、当該基地局の負荷を監視する負荷状態監視手段と、基地局の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、その旨の通知を加入者パケット交換機に送信する負荷状態通知手段を備える。 加入者パケット交換機は、基地局に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する通信切替通知手段を備える。基地局の通信切替通知手段は、加入者パケット交換機から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0025】
また通信システムは、基地局に接続する加入者パケット交換機を備えても良い。この場合、加入者パケット交換機は、当該加入者パケット交換機の負荷を監視する手段と、加入者パケット交換機の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、加入者パケット交換機が、基地局に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する通信切替通知手段をさらに備える。基地局は、加入者パケット交換機から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0026】
さらに、通信システムは、保守端末を備えても良い。保守端末は、モバイルネットワークのアクセスを規制する場合、基地局に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する通信切替通知手段をさらに備える。基地局の通信切替通知手段は、保守端末から切替指示を受信すると、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、モバイルネットワークに負荷をかけることなく、端末をモバイルネットワークから無線LANに接続を切り替えることのできる通信方法および通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0030】
(通信システム)
本発明の実施の形態に係る通信システム7は、
図1に示すように、第1の端末1a、第2の端末1b、第3の端末1c、第4の端末1d、第5の端末1e、第6の端末1f、第1の基地局2a、第2の基地局2b、第3の基地局2c、第1の加入者パケット交換機3a、第2の加入者パケット交換機3b、中継パケット交換機4、保守端末5、第1の無線LANアクセスポイント6aおよび第2の無線LANアクセスポイント6bを備える。
【0031】
実施の形態において、第1の端末1a、第2の端末1b、第3の端末1c、第4の端末1d、第5の端末1eおよび第6の端末1fを特に区別しない場合、単に端末1と記載する場合がある。同様に、第1の基地局2a、第2の基地局2bおよび第3の基地局2cを区別しない場合、単に基地局2と記載する場合がある。第1の加入者パケット交換機3aおよび第2の加入者パケット交換機3bを区別しない場合、単に加入者パケット交換機3と記載する場合がある。第1の無線LANアクセスポイント6aおよび第2の無線LANアクセスポイント6bbを区別しない場合、単に無線LANアクセスポイント6と記載する場合がある。
【0032】
本発明の実施の形態において、基地局2などの端末1以外の装置からの要請に基づいて、端末1がモバイルネットワークから、無線LANネットワークに接続を切り替える方法を説明する。モバイルネットワークは、移動体通信キャリア事業者が提供するネットワークであって、例えば、3GPPやOMAなどによって標準化される。端末1は、基地局2に接続することにより、移動体通信キャリア事業者が提供する交換機などを介してコアネットワークに接続することができる。
【0033】
一方無線LANネットワークは、インターネット接続サービスを提要する事業者が提供するネットワークを無線化したものであって、例えば、IEEE802.11などによって規格化される。端末1は、無線LANアクセスポイント6に接続することにより、インターネット接続サービスを提供する事業者の交換機などを介して、コアネットワークに接続することができる。
【0034】
図1に示す通信システム7において、基地局2、加入者パケット交換機3、中継パケット交換機4および保守端末5は、移動体通信キャリア事業者によって管理および維持され、端末1にモバイルネットワークを提供する。また無線LANアクセスポイント6は、端末1に無線LANを提供する。
【0035】
基地局2は、端末1にモバイルネットワークを提供し、端末1および加入者パケット交換機3間で、パケットを中継する。基地局2は、LTEにおいてeNodeBに相当し、3GにおいてRNCに相当する。
【0036】
加入者パケット交換機3は、基地局2および中継パケット交換機4間で、パケットを中継する。加入者パケット交換機3は、LTEにおいてMMEに相当し、3GにおいてSGSNに相当する。
【0037】
中継パケット交換機4は、加入者パケット交換機3およびコアネットワーク間で、パケットを中継する。
【0038】
保守端末5は、モバイルネットワークの保守に関する指示を入力する端末で、管理者などによって操作される。
図1に示す例では、中継パケット交換機4に保守端末5が接続する場合を説明するがこれに限られない。保守端末5は、例えば、加入者パケット交換機3に接続して指示を入力しても良いし、基地局2に接続して指示を入力しても良い。
【0039】
また、無線LANアクセスポイント6が、無線LANネットワークを提供する。無線LANアクセスポイント6は、インターネット接続事業者が提供するネットワークを無線化して、例えばWi−Fiなどの無線ネットワークを提供する。
【0040】
(通信方法)
本発明の実施の形態において端末1は、基地局2を介してモバイルネットワークに接続しているところ、基地局2などからの指示に応じて、無線LANアクセスポイント6に接続を切り替える。この処理の例を、
図2ないし
図4を参照して説明する。
【0041】
図2は、
図1に示す通信システム7において、第1の基地局2aが、第1の端末1aおよび第2の端末1bにネットワーク接続の切り替えを出力する処理の例を説明する。第1の基地局2aの負荷が高くなった際、第1の基地局2aは、端末1が第1の基地局2aを介してモバイルネットワークに接続しているところ、無線LANへの接続に切り替える指示を送信する。これにより、第1の基地局2aの負荷を下げることができる。
【0042】
ステップS1に示すように第1の端末1aは、第1の基地局2aを介して、モバイルネットワークに接続している。ステップS2に示すように第2の端末1bも、第1の基地局2aを介して、モバイルネットワーク接続している。
【0043】
ステップS3において第1の基地局2aは、第1の閾値以上の負荷を検出したか否かを判定する。ここで、第1の閾値は、第1の基地局2aの負荷を下げるために、第1の基地局2aに接続する端末1を無線LANに切り替えるための負荷の基準値である。ここで、第1の閾値は、第1の基地局2aが単位時間あたりに処理したトラフィック数であっても良いし、データ量であっても良いし、第1の基地局2aのCPU使用量やメモリ使用量などでも良い。また第1の閾値は、これらの値を複合した値でも良い。第1の基地局2aの負荷が指標化されていれば、第1の閾値は、どのような数値を用いても良い。第1の基地局2aの負荷が第1の閾値を越えていない場合、接続を切り替える処理をせず、第1の基地局2aが、端末1にモバイルネットワークを提供する。
【0044】
一方、第1の基地局2aの負荷が第1の閾値を越えた場合、ステップS4において第1の基地局2aは、ネットワーク接続の切替指示を、第1の基地局2aに接続する端末1に向けて、ブロードキャストで送信する。このネットワーク接続の切替指示は、切替対象のアクセスクラスを含む。ここでは、第1の端末1aのSIMで設定されたアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスでなく、第2の端末1bのSIMで設定されたアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスである場合を説明する。
【0045】
ここで、ネットワーク接続の切替指示を、ブロードキャストで送信する方法として、様々な実装例が考えられる。例えば、アクセスクラスを利用したアクセスバーリングに基づいて、第1の基地局2aが、無線LANへ接続を切り替えるための新たなパラメータを設定し、このメッセージをBCCHで送信しても良い。
【0046】
第1の基地局2aがブロードキャストで切替指示を送信すると、ステップS4aにおいて第1の端末1aがこの通知を受信するとともに、ステップS4bにおいて第2の端末1bがこの通知を受信する。第1の端末1aおよび第2の端末1bは、それぞれ個別に、受信した切替指示を処理する。
【0047】
第1の端末1aのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS4aで受信した切替対象のアクセスクラスではない。従って、ステップS5において第1の端末1aは、切替対象のアクセスクラスでないと判定する。ステップS6に示すように第1の端末1aは、ネットワーク接続を切り替えることなく、第1の基地局2aを介してモバイルネットワークに接続して、通信を継続する。
【0048】
一方、第2の端末1bのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS4bで受信した切替対象のアクセスクラスである。従って、ステップS7において第2の端末1bは、切替対象のアクセスクラスであると判定すると、ステップS8において、第1の基地局2aを介したモバイルネットワーク接続から、第1の無線LANアクセスポイント6aを介した無線LAN接続に切り替える。その後、ステップS9に示すように第2の端末1bは、第1の無線LANアクセスポイント6aと無線LANで接続して通信を開始する。
【0049】
図3は、第1の基地局2aなどをメンテナンスするなどにより、第1の基地局2aの負荷を下げる必要がある場合の処理の例を説明する。
【0050】
ステップS11に示すように第1の端末1aは、第1の基地局2aを介して、モバイルネットワークに接続している。ステップS12に示すように第2の端末1bも、第1の基地局2aを介して、モバイルネットワーク接続している。
【0051】
ステップS13において保守端末5は、第1の基地局2aに、ネットワーク接続の切替指示を送信する。このネットワーク接続の切替指示は、切替対象のアクセスクラスを含む。ここでは、第1の端末1aのSIMで設定されたアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスでなく、第2の端末1bのSIMで設定されたアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスである場合を説明する。ここで保守端末5は、管理者などが操作したタイミングで、切替指示を送信しても良いし、予め定められたスケジュールに従って、切替指示を送信しても良い。
【0052】
第1の基地局2aは、保守端末5から切替指示を受信すると、ステップS14において第1の基地局2aは、ネットワーク接続の切替指示を、第1の基地局2aに接続する端末1に向けて、ブロードキャストで送信する。
【0053】
第1の基地局2aが、ネットワーク接続の切替をブロードキャスト送信した後の、ステップS15ないしステップS19の処理は、
図2を参照して説明した例と同様である。
【0054】
図4を参照して、加入者パケット交換機3が収容する基地局2の負荷が高くなることに伴い、加入者パケット交換機3が収容する基地局2に接続する端末1に対して、接続を切り替える場合を説明する。
図1に示すように、第1の加入者パケット交換機3aは、第1の基地局2aおよび第2の基地局2bを収容する。第1の基地局2aは、第1の端末1aおよび第2の端末1bを収容し、第2の基地局2bは、第3の端末1cおよび第4の端末1dを収容する。ここで、第1の端末1aおよび第2の端末1bは、第1の基地局2aを介してモバイルネットワークに接続し、第3の端末1cおよび第4の端末1dは、第2の基地局2bを介してモバイルネットワークに接続する。また、第1の端末1aおよび第2の端末1bは、第1の無線LANアクセスポイントの無線LANの在圏エリアに位置し、第3の端末1cおよび第4の端末1dは、第2の無線LANアクセスポイントの無線LANの在圏エリアに位置する。
【0055】
ステップS21において第1の基地局2aは、第2の閾値以上の負荷を検出したか否かを判定する。この第2の閾値は、
図2を参照して説明した第1の閾値よりも負荷が低いものの、今後負荷が高くなることを想定して対応するべき負荷の基準値である。第1の基地局2aの負荷が第2の閾値を越えていない場合、第1の基地局2aが、端末1にモバイルネットワークを提供する処理を継続する。
【0056】
一方、第1の基地局2aの負荷が第2の閾値を越えた場合、ステップS22において第1の基地局2aは、現在の負荷状態である負荷状態データを第1の加入者パケット交換機3aに通知する。ここで通知する負荷状態データは、例えば単位時間あたりのトラフィック数やトラフィック量、あるいは基地局2のCPU使用量やメモリ使用量などであって、基地局2の負荷を指標化したデータである。
【0057】
第1の加入者パケット交換機3aが負荷状態を受信すると、メモリなどに記憶し、ステップS23においてアクセスを規制するか否かを判定する。例えば、他の基地局からも同様に負荷状態が通知されている場合、第1の加入者パケット交換機3a自身および第1の加入者パケット交換機3aが収容する基地局2において、高負荷になるおそれがある。ここで第1の加入者パケット交換機3aは、第1の基地局2aおよび第2の基地局2bの負荷状態に基づいて、アクセスを規制するか否かを判定する。
【0058】
ここで、アクセスを規制するか否かの判断手法として、様々な方法が考えられる。例えば、加入者パケット交換機3は、加入者パケット交換機3が収容する複数の基地局2のうち、所定数以上の基地局2から負荷状態データを受信した場合、アクセスを規制しても良い。また、加入者パケット交換機3は、各基地局2の過去の負荷状態データを参照して、アクセスを規制の有無を判断しても良い。
【0059】
アクセスを規制する場合、第1の加入者パケット交換機3aは、ステップS24において第1の基地局2aおよび第2の基地局2bに向けて、ネットワーク接続の切替指示をそれぞれ送信する。このネットワーク接続の切替指示は、切替対象のアクセスクラスを含む。ここでは、第1の端末1aおよび第3の端末1cのSIMで設定されたアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスで、第2の端末1bおよび第4の端末1dのSIMで設定されたアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスでない場合を説明する。
【0060】
第1の加入者パケット交換機3aがブロードキャストでネットワーク接続の切替指示を送信すると、受信した基地局2は、端末1にネットワーク接続の切替指示を送信する。具体的には、ステップS25において第1の基地局2aは、第1の端末1aおよび第2の端末1bに向けて、ブロードキャストでネットワーク接続の切替指示を送信する。ステップS26において第2の基地局2bは、第3の端末1cおよび第4の端末1dに向けて、ブロードキャストでネットワーク接続の切替指示を送信する。第1の端末1a、第2の端末1b、第3の端末1cおよび第4の端末1dは、それぞれ個別に、受信した切替指示を処理する。
【0061】
第1の端末1aのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS25aで受信した切替対象のアクセスクラスである。従って、ステップS27において第1の端末1aは、切替対象のアクセスクラスであることを判定すると、ステップS28において、第1の基地局2aを介したモバイルネットワーク接続から、第1の無線LANアクセスポイント6aを介した無線LAN接続に切り替える。その後、第1の端末1aは、第1の無線LANアクセスポイント6aと無線LANで接続して通信を開始する。
【0062】
第2の端末1bのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS25bで受信した切替対象のアクセスクラスではない。従って、ステップS29において第2の端末1bは、切替対象のアクセスクラスでないことを判定する。その後第2の端末1bは、第1の基地局2aを介してモバイルネットワークに接続して、通信を継続する。
【0063】
第3の端末1cのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS26aで受信した切替対象のアクセスクラスである。従って、ステップS30において第3の端末1cは、切替対象のアクセスクラスであることを判定すると、ステップS31において、第2の基地局2bを介したモバイルネットワーク接続から、第2の無線LANアクセスポイント6bを介した無線LAN接続に切り替える。その後、第3の端末1cは、第2の無線LANアクセスポイント6bと無線LANで接続して通信を開始する。
【0064】
第4の端末1dのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS26bで受信した切替対象のアクセスクラスではない。従って、ステップS32において第4の端末1dは、切替対象のアクセスクラスでないことを判定する。その後第4の端末1dは、第2の基地局2bを介してモバイルネットワークに接続して、通信を継続する。
【0065】
(通信システムの各装置)
図5を参照して、端末1、基地局2、加入者パケット交換機3および保守端末5の機能ブロックを説明する。
【0066】
(端末)
端末1は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどの情報端末であって、モバイルネットワークおよび無線LANに接続可能である。端末1は、無線LAN通信手段11、モバイルネットワーク通信手段12および通信切替手段13を備える。
【0067】
無線LAN通信手段11は、端末1の位置が在圏エリアとなる無線LANアクセスポイント6に接続し、Wi−Fiなどの無線LANに接続するための通信モジュールである。無線LAN通信手段11は、例えば、IEEE802.11などの無線LANアクセスポイント6の規格に従って、無線LANアクセスポイント6と通信する。
【0068】
ここで無線LANへ接続するための認証手順は、無線LANを提供しているサービス形態に依存する。例えば無線LANアクセスポイント6が、無線LANを利用する端末1に、接続確認、SSID、認証キーの入力を促す場合、無線LAN通信手段11は、これらの手順を踏まえた上で、無線LANアクセスポイント6に接続する。
【0069】
モバイルネットワーク通信手段12は、端末1の位置が在圏エリアとなる基地局2に接続し、移動体通信キャリアの提供するモバイルネットワークに接続するための通信モジュールである。モバイルネットワーク通信手段12は、例えば、3GやLTEなどのモバイルネットワークの通信規格に従って、基地局2と通信する。
【0070】
またモバイルネットワーク通信手段12は、SIMを有する。SIMは、モバイルネットワークに接続する際に、当該端末1を識別するための識別番号を保持するとともに、当該端末1に割り当てられたアクセスクラスを保持する。
【0071】
通信切替手段13は、当該端末1を、モバイルネットワークから無線LANに接続を切り替えたり、無線LANからモバイルネットワークに接続を切り替えたりする。本発明の実施の形態においては特に、通信切替手段13は、モバイルネットワークに接続している際、基地局2から切替指示を受信すると、当該端末1のアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスの場合、無線LANに接続し、切替対象のアクセスクラスでない場合、モバイルネットワークへの接続を継続する。
【0072】
通信切替手段13は、基地局2から切替指示を受信すると、切替指示に含まれる切替対象のアクセスクラスを取得するとともに、SIMが保持する当該端末1のアクセスクラスを取得する。通信切替手段13は、当該端末1のアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスの場合、所定の手順で、モバイルネットワークとの接続を切断して、無線LANに接続する。
【0073】
(基地局)
基地局2は、端末1にモバイルネットワークを提供する。基地局2は、移動体通信キャリア事業者が提供するモバイルネットワークにおいて、基地局2がカバーするエリア内に位置する端末1に、無線でのネットワークを提供する。基地局2は、負荷状態監視手段21、通信切替通知手段22および負荷状態通知手段23を備える。
【0074】
負荷状態監視手段21は、基地局2の負荷を監視する。負荷状態監視手段21は、当該基地局2が単位時間あたりに処理したトラフィック数やデータ量、基地局2のCPU使用量やメモリ使用量、モバイルネットワークを提供可能なエリアに位置する端末1の数などに基づいて、基地局2の負荷を指標化した負荷状態を、負荷状態データとして保持する。本発明の実施の形態において基地局2の負荷を指標化する方法は、問わない。
【0075】
また負荷状態監視手段21は、負荷状態が、第1の閾値を越えた場合、通信切替通知手段22に処理を依頼し、第2の閾値を越えた場合、負荷状態通知手段23に処理を依頼する。本発明の実施の形態において、第1の閾値は、第2の閾値よりも高く、より基地局2の負荷が高い状態であることを示す。
【0076】
通信切替通知手段22は、基地局2の負荷が第1の閾値を越えた場合、この基地局2に接続する端末1のモバイルネットワークのアクセスを規制する。この場合通信切替通知手段22は、切替対象となるアクセスクラスを指定して、ブロードキャストで、切替指示を送信する。この切替指示は、端末1がモバイルネットワーク接続から無線LAN接続へ切り替えるための指示である。通信切替通知手段22は、切替対象となるアクセスクラスをランダムに指定しても良い。また、
図9に示すアクセスクラスにおいて、通信切替通知手段22は、切替対象のアクセスクラスを、0、1、2…と順に指定しても良い。アクセスクラスを指定する方法は問わない。
【0077】
また通信切替通知手段22は、加入者パケット交換機3から入力された切替指示を、端末1にブロードキャストで通知する。基地局2は、基地局2の負荷が第2の閾値を越えた場合、基地局2の負荷のデータを加入者パケット交換機3に送信する。その後、加入者パケット交換機3において、この加入者パケット交換機3に接続する基地局2の負荷状態に基づいて、これらの基地局へのアクセスを制限する際、加入者パケット交換機3は、基地局2に切替指示をブロードキャストで送信する。
【0078】
基地局2は、加入者パケット交換機3から切替指示を受信すると、この基地局2に接続する端末1にブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。ここで、加入者パケット交換機3から送信された切替指示に、切替対象となるアクセスクラスが指定されていない場合、基地局2が切替対象のアクセスクラスを指定して、端末1にブロードキャストで送信しても良い。
【0079】
また通信切替通知手段22は、保守端末5から切替指示を受信すると、この基地局2に接続する端末1にブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。ここで、保守端末5から送信された切替指示に、切替対象となるアクセスクラスが指定されていない場合、基地局2が切替対象のアクセスクラスを指定して、端末1にブロードキャストで送信しても良い。
【0080】
負荷状態通知手段23は、負荷状態監視手段21が監視する負荷状態に基づいて、基地局2の負荷が、第2の閾値より高くなった場合、基地局2の負荷状態データを加入者パケット交換機3に送信する。
【0081】
(加入者パケット交換機)
加入者パケット交換機3は、複数の基地局2を収容し、パケットを送受信する。加入者パケット交換機3は、負荷状態受信手段31、負荷状態蓄積手段32および通信切替通知手段33を備える。
【0082】
負荷状態受信手段31は、当該加入者パケット交換機3に接続する基地局2から、当該基地局の負荷状態データを受信する。
図1に示す例において、第1の加入者パケット交換機3aは、第1の基地局2aおよび第2の基地局2bから、各基地局2の負荷が高くなったときに負荷状態データを受信する。第2の加入者パケット交換機3bは、第3の基地局2cから、第3の基地局2cの負荷が高くなったときに負荷状態データを受信する。
【0083】
負荷状態蓄積手段32は、負荷状態受信手段31が受信した負荷状態データを蓄積する。このとき負荷状態蓄積手段32は、負荷状態データの送信元の基地局2の識別子や日時などを対応づけて、負荷状態データを蓄積しても良い。
【0084】
通信切替通知手段33は、負荷状態蓄積手段32が蓄積した負荷状態データに基づいて、モバイルネットワークのアクセス規制の実施の要否を判断する。モバイルネットワークのアクセス規制を実施する場合、通信切替通知手段33は、ブロードキャストで、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。通信切替通知手段33が送信した切替指示は、基地局2を介して、端末1に送信される。第1の加入者パケット交換機3aがブロードキャストで送信した切替指示は、第1の基地局2aおよび第2の基地局2bが受信する。第1の基地局2aは、第1の端末1aおよび第2の端末1bに向けてブロードキャスト送信し、第2の基地局2bは、第3の端末1cおよび第4の端末1dに向けてブロードキャスト送信する。
【0085】
ここで、通信切替通知手段33が、切替対象のアクセスクラスを指定して切替指示を送信しても良いし、切替対象のアクセスクラスを指定することなく切替指示を送信しても良い。基地局2は、切替指示でアクセスクラスが指定されていない場合、切替対象のアクセスクラスを指定して、端末1にブロードキャスト送信する。
【0086】
(保守端末)
保守端末5は、例えば一般的なコンピュータであって、所定のプログラムを実行することにより、通信切替通知手段51を備える。通信切替通知手段51は、保守作業などでモバイルネットワークのアクセスを規制する場合、基地局2に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。通信切替通知手段51は、基地局2の負荷を下げる必要がある場合、この基地局2に対して、この基地局2に接続する端末1の切替指示を送信する。また、加入者パケット交換機3が収容する基地局2の負荷を下げる必要がある場合、加入者パケット交換機3に対して、この加入者パケット交換機3が収容する基地局2に接続する端末1の切替指示を送信しても良い。保守端末5は、ネットワーク管理者などから入力される指示に基づいて、切替指示を基地局2に送信する。
【0087】
(実装例)
図6を参照して、本発明の実施の形態に係る通信方法の実装例の一例を説明する。ここで説明する実装例は一例であって、この実装例に限られない。
【0088】
本発明の実施の形態において基地局2は、端末1にブロードキャストで切替指示を送信するところ、アクセスバーリング技術を使って送信しても良い。また、ブロードキャスト送信として、BCCHを用いることができる。
【0089】
例えばLTEにおいてBCCHのRRCでアクセスクラスバーリングを実現するために、RRC(Radio Resource Control)の情報要素(Information Elements)のSystemInformationBlockType2を用いる。このSystemInformationBlockType2は、非特許文献5で開示されている。
【0090】
そこで本発明の実施の形態に係る通信方法において、接続切替に関するパラメータを追加したSystemInformationBlockType2を用いて、報知する。具体的には、
図6に示すように、一般的なSystemInformationBlockType2に、切替指示通知部P101を追加する。また切替対象のアクセスクラスは、切替対象指定部P102のac-BarringFactorで指定される。
【0091】
ここで、ac-BarringForTrafficOffloadのパラメータが「真」に設定されたメッセージを端末1が受信すると、端末1は、ac-BarringFactorで指定されたアクセスクラスと、自身のSIMで設定されたアクセスクラスとを比較する。自身のアクセスクラスが、ac-BarringFactorで指定されたアクセスクラスの場合、端末1は、基地局2とのモバイルネットワーク接続を切断して、無線LANアクセスポイント6と無線LAN接続する。
【0092】
また3Gにおいても、LTEと同様に実装することができる。具体的には、3GにおいてBCCHのRRCでアクセスクラスバーリングを実現するために、RRCのSystemInformationBlockType3を用いる。このSystemInformationBlockType3は、非特許文献4で開示されている。本発明の実施の形態に係る通信方法において、
図6を参照して説明したLTEの場合と同様に、接続切替に関するパラメータを追加したSystemInformationBlockType3を用いて、報知する。
【0093】
3Gにおいては、CS(Circuit Switched)ドメインおよびPS(Packet Switched)ドメインのうち、PSドメインのデータ通信に関するトラフィックが、本発明の実施の形態に係る通信方法の対象となる。3Gにおいて、DSAC(Domain Specific Access Control)と呼ばれるドメインごとのアクセス規制制御が用いられる。基地局2のパケット通信の負荷が高くなると、PSドメインが指定されたDSACが起動する。従って、3Gにおいて、PSドメインが指定されたDSACの起動時に、接続切替指示が送信されても良い。DSACの起動は、Domain Specific Access Restriction/Domain Specific Access Restriction Parametersなどで判断される。
【0094】
このように本発明の実施の形態に係る通信方法によれば、基地局2の負荷が高くなった際、アクセスクラスの一般ユーザクラスからランダムに選択したアクセスクラスの端末1に対して、無線LANへの接続を促す接続切替指示を送信することができる。この接続切替指示は、ブロードキャストで指示することができるので、個別チャンネルを用いて送信する場合に比べて、基地局2および端末1間の無線ネットワークのリソースを有効に活用することができる。また、BCCHへ接続切替を促すパラメータを追加して送信することにより、より無線ネットワークのリソースを有効に活用することができる。
【0095】
また、個別チャンネルを使って接続切替する場合、MOをダウンロードする必要があったが、本発明の実施の形態に係る通信方法は、より少ないデータ量で報知することができる。特にBCCHにパラメータを加える方法では、その効果が高い。
【0096】
このように本発明の実施の形態に係る通信方法は、基地局2の負荷が高くなった状態でも、モバイルネットワークに負荷をかけることなく、端末1をモバイルネットワークから無線LANに接続を切り替えることができる。
【0097】
(第1の変形例)
本発明の実施の形態において、基地局2が第1の閾値以上の負荷を検出した場合、基地局2が端末1にブロードキャストで切替指示を送信する場合を説明した。これに対し第1の変形例において、基地局2が加入者パケット交換機3に第1の閾値以上の負荷を検出したことを通知し、加入者パケット交換機3が、この基地局2に切替指示を送信する場合を説明する。
【0098】
図7を参照して、本発明の第1の変形例に係る通信方法を説明する。
図7は、
図1に示す通信システム7において、第1の加入者パケット交換機3aが、第1の基地局2aを介して第1の端末1aおよび第2の端末1bにネットワーク接続の切り替えを出力する処理の例を説明する。第1の基地局2aの負荷が高くなった際、第1の基地局2aは、その旨を第1の加入者パケット交換機3aに送信し、端末1が第1の基地局2aを介してモバイルネットワークに接続しているところ、無線LANへの接続に切り替える指示を、第1の加入者パケット交換機3aが送信する。これにより、第1の基地局2aの負荷を下げることができる。
【0099】
ステップS31に示すように第1の端末1aは、第1の基地局2aを介して、モバイルネットワークに接続している。ステップS32に示すように第2の端末1bも、第1の基地局2aを介して、モバイルネットワーク接続している。
【0100】
ステップS33において第1の基地局2aは、第1の閾値以上の負荷を検出したか否かを判定する。ここで、第1の閾値は、第1の基地局2aの負荷を下げるために、第1の基地局2aに接続する端末1を無線LANに切り替えるための負荷の基準値である。第1の基地局2aの負荷が第1の閾値を越えていない場合、第1の加入者パケット交換機3aに通知する処理をせず、第1の基地局2aが、端末1にモバイルネットワークを提供する。
【0101】
一方、第1の基地局2aの負荷が第1の閾値を越えた場合、ステップS34において第1の基地局2aは、第1の加入者パケット交換機3aに、第1の閾値を越えた旨を通知する。
【0102】
第1の加入者パケット交換機3aは、第1の基地局2aから、第1の基地局2aの負荷が第1の閾値を越えた旨が通知されると、第1の基地局2aに、切替指示を送信する。この切替指示は、第1の基地局2aに接続する端末1について、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続に切り替えるための指示である。
【0103】
第1の基地局2aは、第1の加入者パケット交換機3aから切替指示を受信すると、ステップS36において第1の基地局2aは、ネットワーク接続の切替指示を、第1の基地局2aに接続する端末1に向けて、ブロードキャストで送信する。
【0104】
第1の基地局2aが、ネットワーク接続の切替をブロードキャスト送信した後の、ステップS37ないしステップS41の処理は、
図2を参照して説明した例と同様である。
【0105】
第1の変形例に係る各装置の処理は、
図5を参照して説明した実施の形態に係る各装置の処理と一部が異なる。
【0106】
具体的には、基地局2の負荷状態通知手段23は、基地局2の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、その旨の通知を加入者パケット交換機3に送信する。
【0107】
また加入者パケット交換機3の通信切替通知手段33は、基地局2から通知を受けると、基地局2に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する
このように、第1の変形例に係る通信方法では、基地局2は、負荷を監視し、所定の閾値以上になると、上位の加入者パケット交換機3に通知し、加入者パケット交換機3がアクセス規制する。これにより、基地局2に通信システムの制御を集約させることができる。
【0108】
(第2の変形例)
本発明の実施の形態において、基地局2が第1の閾値以上の負荷を検出した場合、基地局2が端末1にブロードキャストで切替指示を送信する場合を説明した。これに対し第2の変形例において加入者パケット交換機3が、所定の閾値以上の負荷を検出した場合、加入者パケット交換機3が、当該加入者パケット交換機3が収容する基地局2に切替指示を送信する場合を説明する。
【0109】
図8を参照して、本発明の第2の変形例に係る通信方法を説明する。
図8は、
図1に示す通信システム7において、第1の加入者パケット交換機3aが、第1の基地局2aを介して第1の端末1aおよび第2の端末1bにネットワーク接続の切り替えを出力するとともに、第2の基地局2bを介して第3の端末1cおよび第4の端末1dにネットワーク接続の切り替えを出力する処理の例を説明する。第1の加入者パケット交換機3aの負荷が高くなった際、端末1が第1の基地局2aおよび第2の基地局2bを介してモバイルネットワークに接続しているところ、無線LANへの接続に切り替える指示を、第1の加入者パケット交換機3aが送信する。これにより、第1の加入者パケット交換機3aの負荷を下げることができる。
【0110】
第1の端末1aおよび第2の端末2bは、第1の基地局2aを介して、モバイルネットワークに接続している。第3の端末1cおよび第4の端末1dは、第2の基地局2bを介して、モバイルネットワークに接続している。
【0111】
ステップS51において第1の加入者パケット交換機3aは、所定の閾値以上の負荷を検出したか否かを判定する。ここで、所定の閾値は、第1の加入者パケット交換機3aの負荷を下げるために、第1の加入者パケット交換機3aが収容する基地局2に接続する端末1を無線LANに切り替えるための負荷の基準値である。第1の加入者パケット交換機3aの負荷が所定の閾値を越えていない場合、第1の基地局2aおよび第2野基地局2bが、端末1にモバイルネットワークを提供する。
【0112】
一方、第1の加入者パケット交換機3aの負荷が所定の閾値を越えた場合、ステップS52aにおいて第1の加入者パケット交換機3aは、第1の基地局2aに、切替指示を送信するとともに、ステップS52bにおいて第2の基地局2bに、切替指示を送信する。この切替指示は、第1の基地局2aに接続する端末1について、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続に切り替えるための指示である。
【0113】
ステップS53以降の処理は、
図4のステップS25以降の処理と同様である。
【0114】
第2の変形例に係る各装置の処理は、
図5を参照して説明した実施の形態に係る各装置の処理と一部が異なる。
【0115】
具体的には、加入者パケット交換機3は、当該加入者パケット交換機3の負荷を監視する手段を備える。また加入者パケット交換機3の通信切替通知手段33は、加入者パケット交換機3の負荷が、所定の閾値より高くなった場合、基地局2に、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続への切替指示を送信する。
【0116】
このように、第2の変形例に係る通信方法では、加入者パケット交換機3は、負荷を監視し、所定の閾値以上になると、加入者パケット交換機3が収容する基地局2に接続する端末1にアクセス規制する。これにより、例えば、特定の加入者パケット交換機3が、多くの基地局2を収容することにより、負荷が高くなった場合に好適である。第2の変形例に係る通信方法は、この基地局2に接続する端末1を、モバイルネットワーク接続から無線LAN接続へ切り替えることにより、加入者パケット交換機3の負荷を低減することができる。
【0117】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態、第1及び第2の変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0118】
例えば
図2ないし
図4、
図7および
図8を参照して説明した本発明の実施の形態に係る通信方法の処理順序は、一例であって、矛盾が生じない限り、どのような順序で処理されても良い。
【0119】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。