【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 一般社団法人 電子情報通信学会主催「電子情報通信学会2012年総合大会において「状況に合わせたトラフィックオフロード」2012年3月22日に発表 及び、一般社団法人 電子情報通信学会主催、2012年3月20日〜2012年3月23日 「電子情報通信学会2012年総合大会において「状況に合わせたトラフィックオフロード」電子情報通信学会2012年総合大会講演論文集 B−6−52 52頁 2012年3月6日発行、に発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のモバイルネットワークおよび第2のモバイルネットワークに接続可能な端末、当該端末に第1のモバイルネットワークを介した通信を提供する第1のモバイル通信提供システム、当該端末に第2のモバイルネットワークを介した通信を提供する第2のモバイル通信提供システムおよび当該端末に接続する制御装置を備える通信システムに用いられる通信方法であって、
前記第1のモバイル通信提供システムが、当該第1のモバイル通信提供システムの負荷が高くなると、その旨を制御装置に送信するステップと、
前記制御装置が、切替対象のアクセスクラスと、第1のモバイルネットワーク接続から第2のモバイルネットワーク接続への切替指示を含む変更指示を、第1のモバイル通信提供システムに送信するステップと、
前記第1のモバイル通信提供システムの基地局が、前記変更指示を、当該基地局に接続する端末に、ブロードキャストで送信するステップと、
前記端末が、前記基地局から変更指示を受信すると、当該端末のアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスの場合、第2のモバイルネットワークに接続するステップ
を備えることを特徴とする通信方法。
前記第1のモバイル通信提供システムが、当該第1のモバイル通信提供システムの負荷が高くなると、当該第1のモバイル通信提供システムの負荷状態データを制御装置に送信するステップと、
前記制御装置が前記負荷状態データを受信すると、前記第2のモバイル通信提供システムから、当該第2のモバイル通信提供システムの負荷状態データを受信するステップと、
前記制御装置が、前記第1のモバイル通信提供システムの負荷状態データと前記第2のモバイル通信提供システムの負荷状態データとに基づいて、切替対象のアクセスクラスを決定するステップ
を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
前記制御装置が、当該変更対象の端末数を前記第2のモバイル通信提供システムが収容できない場合、前記第2のモバイル通信提供システムが収容できる端末数に対応するアクセスクラスを、切替対象のアクセスクラスとして決定するステップと、
前記制御装置が、前記第2のモバイル通信提供システムが収容できない端末数に対応するアクセスクラスを、アクセス規制対象のアクセスクラスとして決定するステップと、
前記制御装置が、前記変更指示に、アクセス規制対象のアクセスクラスと、第1のモバイルネットワークへのアクセス規制指示を含ませるステップと、
前記第1のモバイルネットワークに接続している端末が、前記基地局からアクセス規制指示を受信すると、当該端末のアクセスクラスが、アクセス規制対象のアクセスクラスの場合、前記第1のモバイルネットワークへ接続しないように制御するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の通信方法。
第1のモバイルネットワークおよび第2のモバイルネットワークに接続可能な端末、当該端末に第1のモバイルネットワークを介した通信を提供する第1のモバイル通信提供システム、当該端末に第2のモバイルネットワークを介した通信を提供する第2のモバイル通信提供システムおよび当該端末に接続する制御装置を備える通信システムであって、
前記第1のモバイル通信提供システムは、
当該第1のモバイル通信提供システムの負荷が高くなると、その旨を制御装置に送信する負荷通知手段とを備え、
前記制御装置は、
切替対象のアクセスクラスと、第1のモバイルネットワーク接続から第2のモバイルネットワーク接続への切替指示を含む変更指示を、第1のモバイル通信提供システムに送信する変更指示送信手段を備え、
前記第1のモバイル通信提供システムの基地局は、
前記変更指示を、当該基地局に接続する端末に、ブロードキャストで送信する変更指示送信手段を備え、
前記端末は、
前記基地局から変更指示を受信すると、当該端末のアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスの場合、第2のモバイルネットワークに接続するハンドオーバー処理手段を備える
ことを特徴とする通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0021】
(通信システム)
本発明の実施の形態に係る通信システム7は、
図1に示すように、第1の端末1a、第2の端末1b、第3の端末1c、第4の端末1d、第5の端末1e、サービスシステム5、制御装置6、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bを備える。ここで
図1に示すシステム構成は一例であって、これに限られない。
【0022】
実施の形態において、第1の端末1a、第2の端末1b、第3の端末1c、第4の端末1dおよび第5の端末1eを特に区別しない場合、単に端末1と記載する場合がある。同様に、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bを区別しない場合、単にモバイル通信提供システム9と記載する場合がある。
【0023】
第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bは、サービスシステム5と端末1とを接続する。サービスシステム5は、IMS(IP Multimedia Subsystems)や、インターネットなどの通信ネットワーク上のサービスのシステムである。
【0024】
第1のモバイル通信提供システム9aは、端末1に第1のモバイルネットワーク8aを介した通信を提供する。第2のモバイル通信提供システム9bは、端末1に第2のモバイルネットワーク8bを介した通信を提供する。例えば、第1のモバイルネットワーク8aは、LTEによる移動体通信ネットワークで、第2のモバイルネットワーク8bは、3Gによる移動体通信ネットワークである。
【0025】
ここで、第1のモバイルネットワーク8aおよび第2のモバイルネットワーク8bを区別しない場合、単にモバイルネットワーク8と記載する場合がある。第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bを区別しない場合、単にモバイル通信提供システム9と記載する場合がある。
【0026】
第1のモバイル通信提供システム9aは、第1の基地局2a、第3の基地局2c、第1の加入者パケット交換機3aおよび第1の中継パケット交換機4a備える。
【0027】
第1の基地局2aおよび第3の基地局2cは、端末1に第1のモバイルネットワーク8aを提供し、端末1および第1の加入者パケット交換機3a間で、パケットを中継する。ここで、第1の基地局2aと第3の基地局2cは、例えば、それぞれ異なるエリアに位置する端末1に、第1のモバイルネットワーク8aを提供する。第1の加入者パケット交換機3aは、第1の基地局2aおよび第1の中継パケット交換機4a間で、パケットを中継するとともに、第3の基地局2cおよび第1の中継パケット交換機4a間で、パケットを中継する。第1の中継パケット交換機4aは、第1の加入者パケット交換機3aおよびサービスシステム5間で、パケットを中継する。
【0028】
第2のモバイル通信提供システム9bは、第2の基地局2b、第2の加入者パケット交換機3bおよび第2の中継パケット交換機4bを備える。第2のモバイル通信提供システム9bが備える各装置の機能は、第1のモバイル通信提供システム9aと同様である。
【0029】
ここで、第1の基地局2a、第2の基地局2bおよび第3の基地局2cを区別しない場合、単に基地局2と記載する場合がある。第1の加入者パケット交換機3aおよび第2の加入者パケット交換機3bを区別しない場合、単に加入者パケット交換機3と記載する場合がある。第1の中継パケット交換機4aおよび第2の中継パケット交換機4bを区別しない場合、単に中継パケット交換機4と記載する場合がある。
【0030】
端末1は、第1のモバイルネットワーク8aおよび第2のモバイルネットワーク8bに接続可能な通信端末である。本発明の実施の形態に係る端末1は、制御装置6からの指示に従って、第1のモバイルネットワーク8aおよび第2のモバイルネットワーク8b間で、接続を切り替えたり、モバイルネットワーク8への接続を規制したりする。
【0031】
制御装置6は、コンピュータであって、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bに接続するとともに、第1のモバイル通信提供システム9aまたは第2のモバイル通信提供システム9bを介して、端末1に接続する。本発明の実施の形態に係る制御装置6は、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bの負荷の状態を考慮して、それぞれのモバイルネットワーク8に接続する端末の数が適正になるように、制御する。
【0032】
本発明の実施の形態に係る通信方法は、
図1に示すような通信システム7において、端末1の第1のモバイルネットワーク8aへの接続を変更するための変更指示を、制御装置6が送信する。この変更指示は、基地局2および端末1間は、ブロードキャストで送信される。これにより、実施の形態に係る通信方法は、モバイルネットワーク8にさらなる負荷をかけることなく、端末1の接続変更を促すことができる。
【0033】
(通信方法)
本発明の実施の形態において端末1は、第1のモバイルネットワーク8aに接続しているところ、制御装置6からの指示に応じて、第2のモバイルネットワーク8bに接続を切り替えたり、モバイルネットワーク8への接続を規制したりする。この処理の例を、
図2を参照して説明する。
【0034】
図2は、第1のモバイルネットワーク8aにおける第1の基地局2aにオーバーフローが発生したことに伴い、第1の基地局2aに接続している端末1の一部を、第2のモバイルネットワーク8bにハンドオーバーさせる処理の例を説明する。ここで、第2のモバイルネットワーク8bでのハンドオーバー先は、第1の基地局2aと、同一のエリアに提供可能な第2の基地局2bとなる。この「同一のエリア」は、厳密な意味ではなく、エリアが共通する場合のみならず、一部のエリアが共通する場合や、第2の基地局2bが提供するエリアが、第1の基地局2aが提供するエリアを包含する場合も含んでも良い。
【0035】
ステップS1に示すように第1の端末1aは、第1の基地局2aを介して、第1のモバイルネットワーク8aに接続している。ステップS2に示すように第2の端末1bも、第1の基地局2aを介して、第1のモバイルネットワーク8aに接続している。
【0036】
ステップS3において第1の基地局2aの負荷が高くなり、オーバーフローが発生すると、ステップS4およびステップS5において、第1の基地局2aは、第1の加入者パケット交換機3aを介して、制御装置6に第1の基地局2aの負荷状態を通知する。この負荷状態は、第1の基地局2aからどの程度の端末1の接続を変更すれば良いのかを判定するための指標である。ここで、第1の基地局2aは、第1の加入者パケット交換機3aを介することなく、制御装置6に負荷状態を通知しても良い。ここで、「オーバーフロー」は、第1の基地局2aの負荷が、第1の基地局2aが処理可能な負荷の基準値を超えていることを指す。
【0037】
制御装置6は、第1の基地局2aから負荷状態が通知されると、ステップS6において第2のモバイル通信提供システム9bに負荷状態を問い合わせ、ステップS7において制御装置6は、第2のモバイル通信提供システム9bの負荷状態を取得する。この負荷状態は、第2のモバイル通信提供システム9bにどの程度の端末1をハンドオーバーさせることができるかを判定するための指標である。
図2に示す例では、第1の加入者パケット交換機3aの負荷が高くなっている。従って制御装置6は、第2のモバイル通信提供システム9bのボトルネックとなる装置の負荷を考慮して、この第1の基地局2aと同一エリアを提供する、第2のモバイル通信提供システム9bの負荷を取得する。本発明の実施の形態において、第2のモバイル通信提供システム9bの負荷状態を取得する方法は、問わない。
【0038】
ステップS8において制御装置6は、第1の基地局2aを介するルートで第1のモバイルネットワーク8aに接続する端末1について、接続変更対象の端末および変更方法を決定する。ここで「変更対象の端末」とは、第1のモバイルネットワーク8aから第2のモバイルネットワーク8bに接続先を切り替える端末と、第1のモバイルネットワーク8aへの接続を規制する端末1とを含む。また「変更方法」は、接続先の切り替えか、接続の規制か、などである。
【0039】
例えば、制御装置6は、ステップS5で受信した第1の基地局2aの負荷状態から、第1の基地局2aに接続している端末1の数のうち、第1の基地局2aの負荷を下げるための、変更対象の端末1の数を決定する。また制御装置6は、ステップS9で取得した第2のモバイル通信提供システム9bの負荷状態から、第2のモバイル通信提供システム9bが新たに受け入れ可能な端末1の数を決定する。
【0040】
接続変更対象の端末1の数および第2のモバイル通信提供システム9bが新たに受け入れ可能な端末1の数に基づいて、制御装置6は、変更対象の端末および変更方法を決定する。具体的には、制御装置6は、第1のモバイルネットワーク8aから第2のモバイルネットワーク8bへの接続の切替対象の端末1の数を算出し、切替対象の端末1のアクセスクラスを決定する。また制御装置6は、第1のモバイルネットワーク8aへの接続のアクセス規制対象の端末1の数を算出し、アクセス規制対象の端末1のアクセスクラスを決定する。ここで、第1の端末1aのアクセスクラスが切替対象のアクセスクラスであり、第2の端末1bのアクセスクラスがアクセス規制対象のアクセスクラスであるとする。変更指示は、第2のモバイルネットワーク8aへの接続の切替対象の端末1のアクセスクラスを含む。
【0041】
その後、制御装置6は、変更指示を作成する。この変更指示は、第1のモバイルネットワーク8aから第2のモバイルネットワーク8bへの接続の切替対象となる端末1のアクセスクラスを含む。また、第2のモバイル通信提供システム9bが、変更対象の全ての端末1を収容できない場合、変更指示は、第1のモバイルネットワーク8aへの接続のアクセス規制対象の端末1のアクセスクラスを含む。
【0042】
このように、制御装置6が、第1のモバイルネットワーク8aに接続する端末1について、変更指示を生成すると、ステップS9に進む。ステップS9およびステップS10において制御装置6は、この変更指示を、第1の加入者パケット交換機3aを介して第1の基地局2aに送信する。
【0043】
第1の基地局2aは、ステップS11において、変更指示を、第1の基地局2aに接続する端末1に向けて、ブロードキャストで送信する。この変更指示は、BCCHのRRCを用いて、アクセスクラスバーリングに基づいて送信されても良い。
【0044】
第1の基地局2aがブロードキャストで変更指示を送信すると、ステップS11aにおいて第1の端末1aがこの指示を受信するとともに、ステップS11bにおいて第2の端末1bがこの指示を受信する。第1の端末1aおよび第2の端末1bは、それぞれ個別に、受信した変更指示を処理する。
【0045】
第1の端末1aのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS11aで受信した変更指示において、切替対象として指定されたアクセスクラスである。従ってステップS12において第1の端末1aは、自身が切替対象であると判定して、ハンドオーバー処理を開始する。具体的には、ステップS13において第1の端末1aは、第1の基地局2aにハンドオーバーを要求する。ステップS14において第1の基地局2aが、第1の加入者パケット交換機3aに対してハンドオーバーを要求する。ステップS15において第1の基地局2aは、第1の加入者パケット交換機3aから在圏変更要求を受信すると、これに対し、ステップS16において第1の加入者パケット交換機3aに在圏変更応答を送信する。その後、ステップS17において、第1の端末1aは、3GPP TS23.401,'General Packet Radio Service (GPRS) enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN) access'に従って、ハンドオーバー処理を進める。その後、ステップS20に示すように、第1の端末1aは、第2の基地局2bを介して、第2のモバイルネットワーク8bに接続する。
【0046】
第2の端末1bのSIMで設定されたアクセスクラスは、ステップS11aで受信した変更指示において、アクセス規制対象として指定されたアクセスクラスである。従ってステップS18において第1の端末1aは、自身がハンドオーバー対象であると判定して、ステップS19においてアクセス規制処理を開始する。第2の端末1bは、所定の時間の間、第1のモバイルネットワーク8aに接続しないよう制御する。
【0047】
第1の基地局2aを介して第1のモバイルネットワーク8aに接続する端末1のうち、第1の基地局2aへの接続を継続する端末1もある。切替対象およびアクセス規制対象のアクセスクラスとはいずれも異なるアクセスクラスが割り当てられた端末1は、変更指示をブロードキャストで受信しても、この変更指示を破棄し、第1のモバイルネットワーク8aへの接続を継続する。
【0048】
図2では、第1のモバイルネットワーク8aにおける第1の基地局2aにオーバーフローが発生したことに伴い、ハンドオーバーさせる処理の例を説明したが、これに対し、
図3では、加入者パケット交換機3にオーバーフローが発生した場合を説明する。
図3に示す例において、第1の基地局2aおよび第3の基地局2cを収容する第1の加入者パケット交換機3aがオーバーフローする。従って、第1の加入者パケット交換機3aのオーバーフロー状態を解消するためには、第1の基地局2aおよび第3の基地局2cに接続する端末1を対象に、変更指示を送信する。
【0049】
ステップS31において第1の加入者パケット交換機3aの負荷が高くなり、オーバーフローが発生すると、ステップS32において、第1の加入者パケット交換機3aは、制御装置6に第1の加入者のパケット交換機3aの負荷状態を通知する。この負荷状態は、第1の加入者パケット交換機3aからどの程度の端末1の接続を変更すれば良いのかを判定するための指標である。また「オーバーフロー」は、第1の加入者パケット交換機3aの負荷が、第1の加入者パケット交換機3aが処理可能な負荷の基準値を超えていることを指す。
【0050】
制御装置6は、第1の加入者パケット交換機3aから負荷状態が通知されると、ステップS33において第2のモバイル通信提供システム9bに負荷状態を問い合わせ、ステップS4において制御装置6は、第2のモバイル通信提供システム9bの負荷状態を取得する。この負荷状態は、第2のモバイル通信提供システム9bにどの程度の端末1をハンドオーバーさせることができるかを判定するための指標である。
図3に示す例では、第1の加入者パケット交換機3aの負荷が高くなっている。従って制御装置6は、この第1の加入者パケット交換機3aが収容する第1の基地局2aおよび第3の基地局2cと同一エリアを提供するための、第2のモバイル通信提供システム9bの負荷を取得する。
【0051】
ステップS35において制御装置6は、第1の加入者パケット交換機3aを介するルートで第1のモバイルネットワーク8aに接続する端末1について、接続変更対象の端末および変更方法を決定し、変更指示を作成する。この変更指示は、第1のモバイルネットワーク8aから第2のモバイルネットワーク8bへの接続の切替対象となる端末1のアクセスクラスを含む。また、第2のモバイル通信提供システム9bが、全ての端末1を収容できない場合、変更指示は、第1のモバイルネットワーク8aへの接続のアクセス規制対象の端末1のアクセスクラスと、アクセス規制する時間を含む。
【0052】
このように、制御装置6が、第1のモバイルネットワーク8aに接続する端末1について、変更指示を作成すると、ステップS36に進む。ステップS36において制御装置6は、この変更指示を、第1の加入者パケット交換機3aに送信する。
【0053】
第1の加入者パケット交換機3aは、ステップS37において第1の基地局2aに変更指示を送信する。第1の基地局2aは変更指示を受信すると、ステップS38において第1の基地局2aが収容する端末1にブロードキャストで変更指示を送信する。
【0054】
第1の加入者パケット交換機3aは、ステップS39において第2の基地局2bに変更指示を送信する。第2の基地局2bは変更指示を受信すると、ステップS40において第1の基地局2aが収容する端末1にブロードキャストで変更指示を送信する。
【0055】
変更指示を受信した端末1は、
図2を参照して説明した場合と同様に処理する。
【0056】
なお、
図3に示す例では加入者パケット交換機3がオーバーフローした場合を説明したがこれに限られない。例えば、中継パケット交換機4など、モバイル通信提供システム9を構成するいずれの装置がオーバーフローした場合も、同様に処理することができる。
【0057】
このような本発明の実施の形態に係る通信方法によれば、一方の第1のモバイルネットワーク8aの負荷が高くなると、第1のモバイルネットワーク8aに接続する端末1にブロードキャストで変更指示を送信する。これにより、第1のモバイルネットワーク8aに過度の負担をかけず、複数の端末1の接続を変更させることができる。
【0058】
また、変更指示の内容によって、第2のモバイル通信提供システム9bが収容可能な端末1の数を考慮して、ハンドオーバーする対象のアクセスクラスを決定し、第2のモバイル通信提供システム9bが収容しきれない端末1の数を考慮して、第1のモバイルネットワーク8aへのアクセス制限を実施する。これにより、通信システム7全体の負荷を適正にすることができる。
【0059】
(モバイル通信提供システム)
図4を参照して、モバイル通信提供システム9を説明する。モバイル通信提供システム9は、
図1に示すように、これらの装置が連携して動作することにより、モバイル通信提供システム9は、端末1にモバイルネットワーク8を提供するとともに、端末1とサービスシステム5間の通信を制御する。
【0060】
モバイル通信提供システム9は、通信手段901、負荷監視手段902、負荷通知手段903、負荷応答手段904および変更指示送信手段905を備える。
【0061】
通信手段901は、モバイル通信提供システム9において、端末1にモバイルネットワークを提供するための通信を担う。ここで、第1のモバイル通信提供システム9aの通信手段901は、第1のモバイルネットワーク8aを提供し、第2のモバイル通信提供システム9bの通信手段901は、第2のモバイルネットワーク8bを提供する。
【0062】
通信手段901は、
図9を参照して説明した様に、モバイルネットワーク8の種別によって異なる各種機能によって実現する。通信手段901は、例えば、モバイルネットワーク8が3Gの場合、RNC、SGSN、MSC、GGSNなどの各機能を実現する。モバイルネットワーク8がLTEの場合、eNodeB、MME、S−GW,P−GW、PCRFなどの各機能を実現する。
【0063】
負荷監視手段902は、モバイル通信提供システム9の負荷を監視し、負荷状態データとして記憶する。負荷監視手段902が監視した負荷状態データは、このモバイル通信提供システム9の負荷が高くなり、接続変更を要求するときに、制御装置6に送信される。またこの負荷状態データは、ほかのモバイル通信提供システム9の負荷が高くなったときに、このモバイル通信提供システム9が受け入れ可能な端末数を算出するために、制御装置6に送信される。
【0064】
負荷監視手段902は例えば、基地局2ごとに、この基地局2に接続する端末1にモバイルネットワーク8を提供するためのモバイル通信提供システム9の負荷を算出し、監視することが好ましい。例えば、
図1に示す例で、第1の端末1aおよび第2の端末1bは、第1の基地局2a、第1の加入者パケット交換機3aおよび第1の中継パケット交換機4aを介して接続する。従って、第1のモバイル通信提供システム9aの負荷監視手段902は、第1の基地局2aの識別子に、第1の基地局2a、第1の加入者パケット交換機3aおよび第1の中継パケット交換機4aのうち、処理能力が最も低いボトルネックとなる装置の負荷を対応づけて保持する。同様に、第1のモバイル通信提供システム9aの負荷監視手段902は、第3の基地局2cの識別子に、第3の基地局2c、第1の加入者パケット交換機3aおよび第1の中継パケット交換機4aのうち、処理能力が最も低いボトルネックとなる装置の負荷を対応づけて保持する。
【0065】
負荷通知手段903は、モバイル通信提供システム9の負荷が高くなると、その旨を制御装置6に送信する。このとき負荷通知手段903は、モバイル通信提供システム9の負荷が高くなると、モバイル通信提供システム9の負荷状態データを制御装置6に送信する。
【0066】
負荷通知手段903は、負荷監視手段902が監視している負荷のうち、いずれかの基地局2に対応づけられた負荷が、所定の閾値より高くなりオーバーフローした場合、その旨を制御装置6に送信する。この処理は、
図2のステップS3およびステップS4、ならびに
図3のステップS31およびステップS32に相当する。
【0067】
このとき負荷通知手段903は、いずれの装置がオーバーフローしているかもあわせて通知しても良い。具体的には、第1の基地局2aがオーバーフローしている場合、負荷通知手段903は、その旨を制御装置6に通知する。これにより、制御装置6は、第1の基地局2aに接続する端末1を対象に、変更指示を送信することができる。
【0068】
また、第1の加入者パケット交換機3aがオーバーフローしている場合、負荷通知手段903は、その旨を制御装置6に通知する。これにより、制御装置6は、第1の基地局2aおよび第2の基地局2bに接続する端末1を対象に、変更指示を送信することができる。
【0069】
負荷応答手段904は、制御装置6から負荷の問い合わせを受けると、モバイル通信提供システム9の負荷を、制御装置6に送信する。ここで、制御装置6から、所定の基地局2に対応づけられた負荷の問い合わせを受けた場合、負荷応答手段904は、負荷監視手段902が蓄積するデータから、問い合わせ対象の基地局2に対応づけられた負荷状態データを、制御装置6に返す。この処理は、
図2のステップS6およびステップS7、ならびに
図3のステップS33およびステップS34に対応する。
【0070】
変更指示送信手段905は、制御装置6から変更指示が送信されると、その変更指示を、端末1に送信する。ここで、基地局2および端末1間において、変更指示送信手段905は、変更指示を、基地局2に接続する端末1に、ブロードキャストで送信する。この処理は、
図2のステップS9ないしS11、ならびに
図3のステップS36ないしステップS40に対応する。
【0071】
例えば、制御装置6から、第1の基地局2aに接続する端末1の接続の変更指示が、第1の中継パケット交換機4aに入力されると、第1の中継パケット交換機4aは、第1の加入者パケット交換機3aに変更指示を送信する。第1の加入者パケット交換機3aは、変更指示を、第1の基地局2aに送信する。第1の基地局2aは、当該基地局2に接続する端末1にブロードキャストで変更指示を送信する。
【0072】
(端末)
端末1は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどの情報端末であって、第1のモバイルネットワーク8aおよび第2のモバイルネットワーク8bに接続可能である。端末1は、
図5に示すように、第1のモバイルネットワーク通信手段101、第2のモバイルネットワーク通信手段102、ハンドオーバー処理手段103およびアクセス規制処理手段104を備える。
【0073】
第1のモバイルネットワーク通信手段101は、第1のモバイル通信提供システム9aの基地局2に接続し、移動体通信キャリアの提供する第1のモバイルネットワーク8aに接続するための通信モジュールである。第1のモバイルネットワーク通信手段101は、端末1の位置に、第1のモバイルネットワーク8aを提供する基地局2に接続する。第1のモバイルネットワーク通信手段101は、例えば、LTEなどのモバイルネットワークの通信規格に従って、第1の基地局2aまたは第3の基地局2cと通信する。
【0074】
第2のモバイルネットワーク通信手段102は、第2のモバイル通信提供システム9bの基地局2に接続し、移動体通信キャリアの提供する第2のモバイルネットワーク8bに接続するための通信モジュールである。第2のモバイルネットワーク通信手段102は、端末1の位置に、第2のモバイルネットワーク8bを提供する基地局2に接続する。第2のモバイルネットワーク通信手段102は、例えば、3Gなどのモバイルネットワークの通信規格に従って、第2の基地局2bと通信する。
【0075】
ここで、第1のモバイルネットワーク通信手段101および第2のモバイルネットワーク通信手段102は、SIMを参照して処理する。SIMは、モバイルネットワーク8に接続する際に、当該端末1を識別するための識別番号を保持するとともに、当該端末1に割り当てられたアクセスクラスを保持する。
【0076】
端末1は、基地局2から変更指示を受信すると、この変更指示で指定されたアクセスクラスに従って、ハンドオーバー処理手段103、アクセス規制処理手段104などが処理する。この変更指示は、切替対象のアクセスクラスと、第1のモバイルネットワーク接続から第2のモバイルネットワーク接続への切替指示を含む。また必要に応じて変更指示は、アクセス規制対象のアクセスクラスと、第1のモバイルネットワーク8aへのアクセス規制指示を含む。また、変更指示はさらに、切替先での接続の継続時間を含んでも良い。
【0077】
ハンドオーバー処理手段103は、変更指示のうち、切替指示に関連する処理をする。ハンドオーバー処理手段103は、基地局2から変更指示を受信すると、当該端末1のアクセスクラスが、切替対象のアクセスクラスの場合、切替指示に従って、第1のモバイルネットワーク8aから第2のモバイルネットワーク8bに接続を切り替える。この処理は、
図2のステップS12ないしS17に相当する。
【0078】
ここで変更指示に継続時間を含む場合、ハンドオーバー処理手段103は、第2のモバイルネットワーク8bへの接続を、継続時間の間、維持する。ここで、第2のモバイルネットワーク8bへハンドオーバーしたとしても、第1のモバイルネットワーク8aの電波が強い場合、端末1はさらに、第1のモバイルネットワークへハンドオーバーする場合が考えられる。そこで、第1のモバイルネットワーク8aへ再度のハンドオーバーの繰り返しを回避するために、ハンドオーバー処理手段103は、継続時間の間、第2のモバイルネットワーク8bへの接続を維持する。
【0079】
アクセス規制処理手段104は、変更指示のうち、アクセス規制指示に関連する処理をする。アクセス規制処理手段104は、基地局2からアクセス規制指示を受信すると、当該端末1のアクセスクラスが、アクセス規制対象のアクセスクラスの場合、アクセス規制支持に従って、第1のモバイルネットワーク8aへ接続しないように制御する。
【0080】
(制御装置)
制御装置6は、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bに接続し、これらのいずれかのモバイル通信提供システム9がオーバーフローするなど、負荷が高くなると、ほかのモバイル通信提供システム9にハンドオーバーさせたり、アクセス規制したりする。
【0081】
制御装置6は、例えば、
図6に示すように、記憶装置610、中央処理制御装置620および通信制御装置630を備える一般的なコンピュータである。制御装置6は、コンピュータが、所定のプログラムを実行することにより、
図6に示す各機能を実現する。
【0082】
通信制御装置630は、制御装置6を、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bに接続するためのインタフェースである。制御装置6は、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bと、有線で接続されても良いし、無線で接続されても良い。
【0083】
記憶装置610は、ハードディスクやメモリなどであって、制御装置6が保持するデータを記憶する。記憶装置610は、提供エリア対応データ611および基準許容負荷データ612を記憶する。
【0084】
提供エリア対応データ611は、所定の基地局2に接続する端末1を、ハンドオーバーさせる際、ハンドオーバー前の基地局2の識別子と、ハンドオーバー後の基地局2の識別子とを対応づける。ここで、対応づけられる基地局2は、同一のエリアにモバイルネットワーク8を提供する。例えば
図1に示す例で、第1のモバイル通信提供システム9aの第1の基地局2aと、第2のモバイル通信提供システム9bの第2の基地局2bが、同一のエリアにモバイルネットワークを提供する場合、このエリアに位置する端末1は、第1の基地局2aから第2の基地局2bに接続を切り替える。そこで、提供エリア対応データ611は、第1の基地局2aの識別子と、第2の基地局2bの識別子とを対応づけて保持する。
【0085】
図7に示すように、提供エリア対応データ611は、第1のモバイルネットワーク8aの基地局2の識別子と、第2のモバイルネットワーク8bの基地局2の識別子とを対応づけて保持する。
図7に示す例では、第1のモバイルネットワーク8aの基地局2の識別子と、第2のモバイルネットワーク8bの基地局2の識別子とが、1:1で対応する場合を説明するが、これに限られず、m:n(mおよびnは自然数)で対応しても良い。
【0086】
基準許容負荷データ612は、第1のモバイル通信提供システム9aおよび第2のモバイル通信提供システム9bにおいて、負荷の高くない平常時の、基準許容負荷量を保持する。この基準許容負荷データ612は例えば、基地局2の識別子と、基準許容負荷量とを対応づける。
【0087】
この基準許容負荷量は、オーバーフローが発生した負荷の高いモバイル通信提供システム9においては、負荷を下げる目標となる値である。また、基準許容負荷量は、ハンドオーバーを受け入れるモバイル通信提供システム9においては、ハンドオーバー受け入れ可能な上限値となる負荷である。ハンドオーバー元と、ハンドオーバー先とで、異なる基準許容負荷量を設定しても良い。
【0088】
中央処理制御装置620は、変更指示送信手段623、切替先負荷取得手段621および変更対象決定手段622を備える。これらの手段は、モバイル通信提供システム9から負荷が高い旨のデータを受信したことに伴って、端末1に変更指示を送信するために動作する。ここでは、第1のモバイル通信提供システム9aの第1の基地局2aの負荷が高い場合を説明する。
【0089】
切替先負荷取得手段621は、第1のモバイル通信提供システム9aから、第1の基地局2aの負荷が高く、第1の基地局2aの負荷状態データを受信すると、第2のモバイル通信提供システムから、当該第2のモバイル通信提供システム9bの負荷状態データを受信する。この処理は、
図2のステップS6およびS7、ならびに
図3のステップS33およびステップS34に相当する。
【0090】
ここで受信する負荷状態データは、第2のモバイル通信提供システム9bにおいて、第1の基地局2aと同一エリアを提供する基地局に対応する負荷状態データである。
図7に示すように、第1のモバイル通信提供システム9aの第1の基地局2aの提供エリアは、第2のモバイル通信提供システム9bの第2の基地局2bの提供エリアに対応する。そこで、切替先負荷取得手段621は、第2のモバイル通信提供システム9bにおいて、第2の基地局2bに対応する負荷状態データを取得する。
【0091】
変更対象決定手段622は、変更指示の内容を決定する。具体的には変更対象決定手段622は、第1のモバイル通信提供システム9aの負荷状態データと第2のモバイル通信提供システム9bの負荷状態データとに基づいて、切替対象のアクセスクラスを決定する。この処理は、
図2のステップS8、および
図3のステップS35に相当する。
【0092】
ここで変更対象決定手段622は、基準許容負荷データ612を参照する。具体的に変更対象決定手段622は、第1のモバイル通信提供システム9aの基準許容負荷と、第1のモバイル通信提供システム9aの負荷状態データに基づいて、第1のモバイル通信提供システム9aからの変更対象の端末数を算出する。変更対象決定手段622は、第2のモバイル通信提供システム9bの基準許容負荷と、第2のモバイル通信提供システム9bの負荷状態データに基づいて、変更対象の端末数を、第2のモバイル通信提供システム9bが収容可能であるか否かを判定する。
【0093】
ここで、変更対象決定手段622は、変更対象の端末数を第2のモバイル通信提供システム9bが収容可能である場合、変更対象の端末数に対応するアクセスクラスを、切替対象のアクセスクラスとして決定する。
【0094】
図10に示す例では、一般アクセスクラスは10に分割される。変更対象の端末数が、第1の基地局2aに接続中の端末数の30%程度であり、このすべてを第2の基地局2bが収容できる場合、変更対象決定手段622は、切替対象のアクセスクラスとして、3つのアクセスクラスを決定する。
【0095】
変更対象の端末数を第2のモバイル通信提供システム9bが収容できない場合も考えられる。この場合変更対象決定手段622は、変更対象の端末数のうち、第2のモバイル通信提供システム9bが収容できる端末数に対応するアクセスクラスを、切替対象のアクセスクラスとして決定する。変更対象決定手段622は、第2のモバイル通信提供システム9bが収容できない端末数に対応するアクセスクラスを、アクセス規制対象のアクセスクラスとして決定する。
【0096】
変更対象決定手段622は、変更対象の端末数が、第1の基地局2aに接続中の端末数の30%程度であり、第2の基地局2bが20%のみを収容できる場合を考える。この場合、変更対象決定手段622は、切替対象のアクセスクラスとして、2つのアクセスクラスを決定するとともに、アクセス規制対象として1つのアクセスクラスを決定する。
【0097】
このように変更対象決定手段622は、変更指示は、切替対象のアクセスクラスと、第1のモバイルネットワーク接続から第2のモバイルネットワーク接続への切替指示を含む変更指示を作成する。
【0098】
また必要に応じて、変更指示は、アクセス規制対象のアクセスクラスと、第1のモバイルネットワーク8aへのアクセス規制指示を含む。
【0099】
さらに変更指示は、切替先での接続の継続時間を含んでも良い。第2のモバイル通信提供システム9bにハンドオーバーした後、端末1は、継続時間の間、第2のモバイル通信提供システム9bの接続を継続する。これにより、ハンドオーバーの直後、再び第1のモバイル通信提供システム9aに接続することを回避することができる。
【0100】
第1のモバイル通信提供システム9aから、負荷の高くなった装置の情報を取得すると、この装置を利用して通信する端末1が第1のモバイルネットワーク接続から第2のモバイルネットワーク接続に切り替える必要がある。そこで、変更指示に、切替対象に対応する情報として、負荷の高い装置の情報を含んでも良い。具体的には、
図1に示す例で、第1の基地局2aの負荷が高くなった場合、切替対象の候補は、第1の端末1aおよび第2の端末1bである。また第1の加入者パケット交換機3aの負荷が高くなった場合、切替対象の候補は、第1の端末1a、第2の端末1bおよび第3の端末1cである。このように、負荷の高い装置の情報を含ませることにより、この変更指示を受信したモバイル通信提供システム9は、この負荷の高い装置を通過する通信をする端末1に変更指示を送信することができる。
【0101】
変更指示送信手段623は、第1のモバイル通信提供システム9aから、負荷が高くなった旨を受信すると、このモバイル通信提供システム9の負荷を下げるための変更指示を作成し、変更指示を、第1のモバイル通信提供システム9aに送信する。この変更指示は、変更対象決定手段622によって生成される。この処理は、
図2のステップS9、および
図3のステップS36に相当する。
【0102】
図8を参照して、制御装置6の処理を説明する。
【0103】
まずステップS101において制御装置6は、負荷の高い装置について、負荷状態データを受信すると、ステップS102に進む。ステップS102において制御装置6は、提供エリア対応データ611を参照して、負荷の高い装置と同一エリアを提供する切替先装置の識別子を取得する。ここで制御装置6は、第2の基地局2bの識別子を取得する。さらにステップS103において制御装置6は、切替先装置の負荷状態データを取得する。
【0104】
ステップS104において制御装置6は、基準許容負荷データ612を読み出し、ステップS101で受信した負荷状態データに基づいて、変更対象の端末数を決定する。
【0105】
ステップS105において制御装置6は、基準許容負荷データ612を読み出し、ステップS104で決定した端末数と、ステップS103で取得した負荷状態データに基づいて、すべての変更対象の端末を、切替先が収容できるかを決定する。
【0106】
ステップS105において切替先が収容できないと判断された場合、ステップS106において制御装置6は、アクセス規制対象の端末数と、切替対象の端末数を決定し、ステップS107においてそれぞれの端末数に対応するように、アクセス規制対象のアクセスクラスと、切替対象のアクセスクラスを決定する。ステップS108において制御装置6は、アクセス規制対象のアクセスクラスを指定したアクセス規制指示と、切替対象のアクセスクラスを指定した切替指示を、負荷の高い装置に通知する。この負荷の高い装置とは、ステップS101で受信した負荷状態に対応する装置である。
【0107】
一方ステップS105において切替先が収容できると判断された場合、ステップS109において制御装置6は、切替対象の端末数を決定し、ステップS110においてその端末数に対応するように、切替対象のアクセスクラスを決定する。ここでは、切替対象の端末数は、変更対象の端末数となる。ステップS111において制御装置6は、切替対象のアクセスクラスを指定した切替指示を、負荷の高い装置に通知する。
【0108】
このように本発明の実施の形態に係る通信方法は、複数のモバイルネットワーク8に接続できる端末は、モバイルネットワーク8の負荷に応じて、制御装置6の変更指示により負荷の高くないモバイルネットワーク8に接続したり、アクセス規制したりすることができる。基準許容負荷量を考慮して、変更対象の端末数を決定し、この変更対象の端末数を考慮して、変更対象のアクセスクラスを決定する。また通信方法は、基地局2から端末1に、アクセスクラスを指定したアクセスバーリングを活用した変更指示を、ブロードキャストで送信する。これにより、少ないリソースで、複数の端末1に変更指示を送信することができる。
【0109】
また、ほかのモバイルネットワーク8に接続を切り替える場合、切替先のモバイルネットワーク8の負荷を考慮して、切替対象の端末数を決定し、必要に応じてアクセス規制指示も送信する。これにより、切替先のモバイルネットワーク8の負荷が、基準許容負荷を超えて大きくなることはなく、通信システム7全体として、負荷の偏りが発生しないように制御することができる。
【0110】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0111】
例えば
図2、
図3、および
図8を参照して説明した本発明の実施の形態に係る通信方法の処理順序は、一例であって、矛盾が生じない限り、どのような順序で処理されても良い。
【0112】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。