(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
1つ以上の実施形態では、モジュール式電気化学分離システム(電気浄化装置ともいう)は、種々の処理プロセスの効率性および全体の柔軟性を向上させることができる。いくつかの実施形態では、クロスフロー型電気化学分離装置、たとえば、クロスフロー型電気透析(ED)装置は、伝統的な板枠式装置の魅力的な代替手段として実施することができる。いくつかの実施形態では、クロスフロー型電気化学分離装置における電流の非効率が低減可能である。少なくとも特定の実施形態では、流入口および流出口マニホルドを通る電流迂回に起因する電流非効率が解決可能である。エネルギー消費および膜の要件も低減され、いずれも種々の用途におけるライフサイクルコストに影響しうる。いくつかの実施形態では、少なくとも85%の膜利用率が実現可能である。膜の要件の低減は一方で、電気化学分離装置の製造コスト、重量および空間要件の低減をもたらす。いくつかの特定の実施形態では、クロスフロー型ED装置のプロセス効率は、大きく向上可能である。いくつかの実施形態では、電気化学分離システムの効率は、石油およびガス産出物からの半塩水、海水および塩水の脱塩に関して向上可能である。少なくともいくつかの実施形態では、EDのコスト競争力が、脱塩について現在支配的な技術であるROと比較して改善可能である。
【0012】
電界を用いて流体を浄化する装置は、溶解イオン種を含有する水および他の液体を処理するために一般的に用いられている。このように水を処理する2種類の装置は電気脱イオン装置および電気透析装置である。これらの装置内で、濃縮室と希釈室とはイオン選択膜によって分離される。電気透析装置は通常交互に設けられた電気活性の半透過性のアニオン交換膜およびカチオン交換膜を含んでいる。膜間の空間は、流入口および流出口を有する液体フローの区画室を形成するよう構成されている。電極を介して印加される電界によって、溶解イオンが生じ、これらは各対向電極に引き寄せられ、アニオンおよびカチオン交換膜を通って移動する。これは一般にイオンが除去された希釈室の液体を生じ、濃縮室の液体は移動したイオンで濃度が上がる。
【0013】
電気脱イオン化(EDI)は、イオン輸送に影響するよう、電気活性媒体および電位を用いて、1つ以上のイオン化種またはイオン化種を水から除去しまたは少なくとも減少させるプロセスである。電気活性媒体は、通常イオン性種および/またはイオン性種の収集および荷電を交互に繰り返し、そして、場合によっては、イオン的または電気的な置換機構によって(例えば連続的な)イオン輸送を促進するよう働く。EDI装置は、たとえば、永久荷電または一時的荷電を有する電気化学活性媒体を含み、バッチ的に、断続的に、継続的に、および/または、さらに反転極性モードにおいて、動作される。EDI装置は、たとえば、性能を実現しまたは強めるように特に設計された1つ以上の電気化学反応を促進するよう動作される。さらに、かかる電気化学装置はたとえば、電気活性膜、たとえば、半透過性または選択透過性のイオン交換膜または二極性膜を有する。連続電気脱イオン(CEDI)装置とは、当業者に知られたEDI装置であり、イオン交換材料が連続的に再荷電されつつ、水浄化を連続的に処理可能なように動作する。CEDI技術にはたとえば連続脱イオン化、充填セル電気透析または電気透析などのプロセスが含まれる。制御された電圧および塩分濃度において、CEDIシステムでは、水分子が分解されて、水素またはヒドロニウムイオン(または種)と、水酸化物または水酸基イオン(または種)とが生成され、これらが装置内のイオン交換媒体を再生し、したがって、捕捉された種のイオン交換媒体からの開放を促進する。このようにして、処理対象の水の流れはイオン交換樹脂の化学的再荷電を必要とせずに連続的に浄化可能である。
【0014】
電気透析(ED)装置は、CEDIと同様の原理で動作するが、ED装置は通常、膜間に電気活性媒体を有しない。電気活性媒体が無いため、EDの動作は、電気抵抗の上昇のため、低塩分濃度の供給水について妨げられる場合がある。また、高塩分濃度の供給水についてのEDの動作は電流消費の増大を生じさせる場合があるため、ED装置は中程度の塩分濃度の源水に従来最も効率的に用いられてきた。ED型のシステムでは、電気活性媒体がないため、水の分離は非効率的であり、このような形の動作は通常避けられる。
【0015】
CEDIおよびED装置では、複数の隣接するセルまたは区画室は通常、正または負の荷電種の、通常いずれか一方の種の通過を可能とする選択透過性膜により分離される。希釈室または除去室は通常かかる装置内の濃縮室を間に挟んで設けられている。いくつかの実施形態では、セル対とは、隣接する濃縮室および希釈室からなる対ということができる。水が除去室を流れる時、イオン性種および他の荷電種は通常、DC電界等の電界の影響の下で、濃縮室へ引かれる。正の荷電種は、通常複数の除去室および濃縮室のスタックの一端に位置するカソードへ引かれ、負の荷電種は、同様に、通常区画室のスタックの他端に位置するこの装置のアノードへ引かれる。両電極は通常、除去室および/または濃縮室との流体連結から通常部分的に分離されている電解質区画室内に収容されている。濃縮室内に入ると、荷電種は通常、濃縮室を少なくとも部分的に画定する選択透過性膜の障壁によって捕捉される。アニオンは通常、カチオン選択膜により、濃縮室からカソードに向かってさらに移動することは妨げられる。濃縮室内に捕捉されると、捕捉された荷電種は濃縮流中に除去される。
【0016】
CEDIおよびED装置において、通常、電極(アノードまたは正電極、および、カソードまたは負電極)に印加される電圧および電流の源から、DC電界がセルに印加される。電圧および電流源(まとめて「電源」という)は、それ自体、AC電源、またはたとえば、太陽光、風力または波力に由来する電源などの種々の手段によって駆動されうる。電極/液体界面において、生じる電気化学半電池反応が、膜および区画室を通るイオンの移動を開始および/または促進する。電極/界面で生じる特定の電気化学反応は、電極アセンブリを収容する専用区画室内の塩濃度によってある程度制御可能である。たとえば、塩化ナトリウム濃度の高いアノード電解質区画室への供給は塩素ガスと水素イオンを生成しやすく、一方、カソード電解質区画室へのそのような供給は水素ガスと水酸化物イオンを生成しやすい。通常、アノード室で生成した水素イオンは遊離アニオンたとえば塩素イオンと会合し、電荷中性が維持されて塩酸溶液が生成され、同様に、カソード室で生成した塩化物イオンは遊離カチオンたとえばナトリウムと会合し、電荷中性が維持された水酸化ナトリウム溶液が生成される。電極室の反応生成物、たとえば、生成した塩素ガスおよび水酸化ナトリウムは、殺菌用、膜洗浄用および付着物除去目的、pH調整目的で、必要に応じてプロセス中で利用可能である。
【0017】
枠板式およびらせん式設計は、電気透析(ED)および電気脱塩(EDI)装置を含むがこれに限られない、種々の種類の電気化学脱イオン装置のために用いられてきた。上市されているED装置は、通常、板枠式設計であるが、EDI装置は板枠式およびらせん式構成のいずれにも用いることができる。
【0018】
1つ以上の実施形態は、ケーシング内に収容可能な流体を電気的に浄化可能な装置、ならびに、その作製および使用方法に関する。浄化対象の液体または他の流体は、浄化装置に入れられ、電界の影響の下で、イオン除去された液体を得るよう処理される。入った液体からの種は集められてイオン濃縮液を得る。
【0019】
1つ以上の実施形態によれば、電気化学分離システムまたは装置はたとえばモジュール式である。各モジュール式ユニットは、通常、全体の電気化学分離システムのサブブロックとして機能する。モジュール式ユニットはたとえば任意の所望の数のセル対を含む。いくつかの実施形態では、モジュール式ユニット当たりのセル対の数は、たとえば、分離装置内のセル対およびパス(pass)の総数に依存する。また、モジュール式ユニット当たりのセル対の数は、クロスリークおよび他の性能基準について試験されたときに許容される故障率を有する、フレームに熱接合されポッティングされた、セル対の数に依存しうる。その数は、たとえば、作製工程の統計分析に基づいており、工程制御の向上につれ、増加しうる。いくつかの非限定的な実施形態では、モジュール式ユニットは約50個のセル対を含む。モジュール式ユニットは個別に組み立てられ、より大きなシステムに組み込まれる前に、たとえば、リーク、分離能および圧力低下について品質制御について検査される。いくつかの実施形態では、セルスタックは個別に試験可能なモジュール式ユニットとしてフレーム内に取り付けられてもよい。複数のモジュール式ユニットはその後、電気化学分離装置内に全体で目標の数のセル対が形成されるよう、一体に組み立てられる。いくつかの実施形態では、組立方法は、一般に、第2のモジュール式ユニットの上に第1のモジュール式ユニットを配置するステップと、第2のモジュール式ユニットの上に第3のモジュール式ユニットを配置するステップと、所望の数の複数のモジュール式ユニットを得るよう繰り返すステップとを含む。いくつかの実施形態では、たとえば、個別のモジュール式ユニットまたはそのアセンブリは、動作用の圧力容器内に挿入される。たとえば、マルチパス型フロー構成がモジュール式ユニット間またはモジュール式ユニット内の遮断膜および/またはスペーサの配置によって実現可能である。モジュール式の手法は、時間およびコスト節減に関して生産性を向上させる。モジュール性はまた、個々のモジュール式ユニットの診断、分離、除去および置換を可能とすることによりシステムメンテナンスを容易化する。個々のモジュール式ユニットは、電気化学分離プロセスを促進するための、マニホルドおよびフロー分配システムを有する。個々のモジュール式ユニットは、互いに流体連結しており、さらに、全体の電気化学分離プロセスと関連する他のシステムおよび中央マニホルドとも流体接続している。
【0020】
1つ以上の実施形態では、電気化学分離システムの効率は、向上可能である。電流損失が非効率のありうる要因の1つである。いくつかの実施形態では、クロスフロー型設計を含むものなど、電流リークに関する可能性が解決可能である。電流効率は、希釈流から濃縮流へのイオンの移動に有効な電流の割合として定義できる。電流非効率の種々の要因が、電気化学分離システムに存在しうる。非効率の1つのあり得る要因は、希釈流および濃縮流の流入口および流出口マニホルドを通って流れることによって、セル対を迂回する電流である。開放型の(open)流入口マニホルドおよび流出口マニホルドは、区画室と直接に流体連通しており、各フロー経路(path)における圧力低下を低減しうる。一方の電極から他方の電極への電流の一部は、開放領域を通って流れることによりセル対のスタックを迂回しうる。迂回電流は、電流効率を低下させ、エネルギー消費を増大させる。別のありうる非効率の要因は、イオン交換膜の不完全な透過選択性に起因して濃縮流から希釈流に入るイオンである。いくつかの実施形態では、装置内の膜およびスクリーンの封止およびポッティングに関連する技によって、電流リークの低減が促進可能である。
【0021】
1つ以上の実施形態では、スタックを通る迂回経路は、セルスタックを通る直線的な経路に沿った電流フローを促進し、電流効率が向上される。いくつかの実施形態では、たとえば、電気化学分離装置は、1つ以上の迂回経路がセルスタックを通る直線的な経路よりも蛇行しているように、構成されかつ配置されている。少なくともいくつかの実施形態では、電気化学分離装置は1つ以上の迂回経路がセルスタックを通る直線的な経路よりも高い抵抗を示すように、構成されかつ配置されている。モジュール式システムを有するいくつかの実施形態では、個々のモジュール式ユニットは、たとえば、電流効率を促進するよう構成されている。モジュール式ユニットは、たとえば、電流効率に寄与する電流迂回経路を形成するように、構成されかつ配置されている。非限定的な実施形態では、モジュール式ユニットは、電流効率を促進するよう構成されたマニホルドシステムおよび/またはフロー分配システムを有する。少なくともいくつかの実施形態では、電気化学分離モジュール式ユニットのセルスタックを囲むフレームは、所定の電流迂回経路を形成するよう構成されかつ配置されている。いくつかの実施形態では、電気化学分離装置内のマルチパス型フロー構成を促進することにより、電流リークの低減が促進される。少なくともいくつかの非限定的な実施形態では、希釈流および/または濃縮流を、改善された電流効率のためのマルチパス型フロー構成とするために、たとえば、遮断膜またはスペーサがモジュール式ユニット間に挿入される。いくつかの実施形態では、少なくとも約60%の電流効率が実現可能である。他の実施形態では、少なくとも約70%の電流効率が実現可能である。さらに他の実施形態では、少なくとも約80%の電流効率が実現可能である。少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも約85%の電流効率が実現可能である。
【0022】
1つ以上の実施形態では、たとえば、電気浄化装置用のセルスタックを作製する方法は、区画室を形成するステップを含む。イオン交換膜間に配置された第1のスペーサを有する第1のスペーサアセンブリを構成するために、イオン交換膜同士を互いに固定することにより第1の区画室が形成可能である。たとえば、第1のカチオン交換膜と第1のアニオン交換膜との間に配置された第1のスペーサを有する第1のスペーサアセンブリを構成するために、第1のカチオン交換膜が、第1のアニオン交換膜および第1のカチオン交換膜の周縁の第1の部分において第1のアニオン交換膜に固定される。
【0023】
たとえば、イオン交換膜同士を互いに固定することにより第2の区画室が形成され、イオン交換膜間に配置された第2のスペーサを有する第2のスペーサアセンブリが提供される。たとえば、第2のアニオン交換膜は、第2のアニオン交換膜および第2のカチオン交換膜の周縁の第1の部分において第2のカチオン交換膜に固定され、第2のアニオン交換膜と第2のカチオン交換膜との間に配置された第2のスペーサを有する第2のスペーサアセンブリが形成される。
【0024】
たとえば、第1のスペーサアセンブリを第2のスペーサアセンブリに固定し、その間にスペーサが配置されることにより、第1の区画室と第2の区画室との間に第3の区画室が形成される。たとえば、第1のスペーサアセンブリは、第1のカチオン交換膜の周縁の第2の部分においておよび第2のアニオン交換膜の周縁の部分において、第2のスペーサアセンブリに固定され、第1のスペーサアセンブリと第2のスペーサアセンブリとの間に配置されたスペーサを有するスタックアセンブリが形成される。
【0025】
第1の区画室および第2の区画室はそれぞれ、たとえば、第3の区画室における流体フローの方向とは異なる流体フローの方向を形成するよう構成されかつ配置されている。たとえば、第3の区画室における流体フローは、0°軸の方向に延びる。第1の区画室における流体フローはたとえば30°で延び、第2の区画室における流体フローは第1の区画室と同じ角度(30°)でまたは別の角度たとえば120°で延びる。本方法は、ケーシング内に組立セルスタックを固定するステップをさらに含んでよい。
【0026】
1つ以上の実施形態では、電気化学分離システムは、たとえば、クロスフロー型設計を含む。クロスフロー型設計によれば、向上された膜利用率、比較的低い圧力低下および外部リークの低減が実現される。さらに、動作圧の制限は、クロスフロー型設計によって低減可能である。少なくともいくつかの実施形態では、シェルおよびエンドキャップの圧力評価は、動作圧の単なる実質的な制限となりうる。製造工程の自動化も実現可能である。
【0027】
1つ以上の実施形態では、第1の流体フロー経路および第2の流体フロー経路は、互いに固定されたイオン交換膜の周縁の部分によって選択され、形成される。第1の流体フロー経路が0°軸に沿って延びる方向とすると、第2の流体フロー経路は、0°〜360°のいずれかの角度の方向に延びる。本発明の特定の実施形態では、第2の流体フロー経路は、たとえば、第1の流体フロー経路に対して90°乃至垂直に延びる。他の実施形態では、第2の流体フロー経路は、たとえば、第1の流体フロー経路に対して180°で延びる。付加的なイオン交換膜がセルスタックに固定され、付加的な区画室を形成する場合、これらの付加的な区画室における流体フロー経路は、第1の流体フロー経路および第2の流体フロー経路と同じかまたは異なっている。特定の実施形態では、各区画室の流体フロー経路は、第1の流体フロー経路と第2の流体フロー経路との間に交互に設けられている。たとえば、第1の区画室における第1の流体フロー経路はたとえば0°の方向に延びる。たとえば、第2の区画室における第2の流体フロー経路は90°の方向に延び、第3の区画室における第3の流体フロー経路は0°の方向に延びる。特定の実施例では、これは、クロスフロー型電気浄化という。
【0028】
他の実施形態では、各区画室における流体フロー経路は、第1の流体フロー経路と、第2の流体フロー経路と、第3の流体フロー経路とが順に交互に設けられている。たとえば、第1の区画室内の第1の流体フロー経路は、0°の方向に延びる。たとえば第2の区画室における第2の流体フロー経路は30°で延び、第3の区画室における第3の流体フロー経路は90°で延びる。第4の区画室における第4の流体フロー経路は0°で延びる。別の実施形態では、第1の区画室における第1のフロー経路は、たとえば、0°の方向に延びる。たとえば、第2の区画室における第2の流体フロー経路は、60°で延び、第3の区画室内の第3の流体フロー経路は120°で延びる。第4の区画室における第4のフロー経路はたとえば0°で延びる。いくつかの実施形態では、1つ以上のフロー経路は、たとえば、実質的に非放射状である。少なくともいくつかの実施形態では、1つ以上のフロー経路はたとえば、システム内の実質的に均一な液体フロー速度の実現を促進する。
【0029】
1つ以上の実施形態では、区画室内のフローは、区画室内での膜表面と流体とのより大きい接触を提供するために、調整、再分配または方向変更されてよい。区画室は、たとえば、区画室内の流体フローを再分配するように構成されかつ配置されている。区画室は、たとえば、区画室を通したフローを再分配するように構造を提供しうる障害物、突起、凸部、フランジまたはバッフルを有し、これらは以下に記載する。特定の実施形態では、障害物、突起、凸部またはフランジまたはバッフルは、フロー再分配器ともいわれる。フロー再分配器は、たとえば、セルスタックの1つ以上の区画室内に設けられる。
【0030】
電気浄化装置用のセルスタック内の各区画室は、たとえば、流体接触に関して所定割合の表面積または膜利用率を提供するよう構成されかつ配置されている。より高い膜利用率が電気浄化装置の動作のより高い効率を提供することがわかった。より高い膜利用率を実現する利点としては、より低いエネルギー消費、より小さい装置設置面積、より少ない装置内小路、より高い品質の精製水、を挙げることができる。特定の実施形態では、たとえば実現可能な膜利用率は65%超である。他の実施形態では、たとえば実現可能な膜利用率は75%超である。特定の他の実施形態では、実現可能な膜利用率はたとえば85%超である。膜利用率は、膜同士を互いに固定するために用いられる方法およびスペーサの設計に少なくとも一部依存してよい。所定の膜利用率を得るため、適切な固定技術および構成要素が、装置内のリークを助長すること無く電気浄化装置の最適な動作を実現可能にする、信頼できる確実な封止を実現するために選択される。いくつかの実施形態では、スタック作製工程には、たとえば、工程内で用いられうる膜の大きな表面積を維持しつつ、膜利用率を最大化するための熱接合技術が含まれる。
【0031】
1つ以上の実施形態では、セルスタックを含む電気浄化装置が提供される。電気浄化装置は、たとえば、イオン交換膜を含む第1の区画室を有し、イオン交換膜間の第1の方向の直線的な流体フローを形成するように構成されかつ配置されている。電気浄化装置は、また、イオン交換膜を有する第2の区画室を有し、第2の方向の直線的な流体フローを形成するように構成されかつ配置されている。第1の区画室および第2の区画室のそれぞれは、流体接触に関して所定割合の表面積または膜利用率を提供するように構成されかつ配置されている。
【0032】
電気浄化装置は、たとえば、1つのセルスタックを有する。電気浄化装置は、たとえば、第1のカチオン交換膜および第1のアニオン交換膜を有する第1の区画室を有し、第1の区画室は、第1のカチオン交換膜と第1のアニオン交換膜との間に第1の方向の直線的な流体フローを形成するよう構成されかつ配置されている。装置は、さらに、第1のアニオン交換膜および第2のカチオン交換膜を有する第2の区画室を有し、第1のアニオン交換膜と第2のカチオン交換膜との間に第2の方向の直接流体フローを形成する。第1の区画室および第2の区画室は、それぞれ、所定の膜利用率、たとえば、第1のカチオン交換膜、第1のアニオン交換膜および第2のカチオン交換膜の表面積の85%超の流体接触を提供するよう構成されかつ配置されている。第1の区画室と第2の区画室の少なくとも1つは、たとえば、スペーサ、たとえば遮断スペーサを有している。
【0033】
1つ以上の実施形態では、セルスタックを有する電気浄化装置は、たとえばさらに、少なくともセルスタックの周縁の部分においてケーシングに固定された、セルスタックを収容するケーシングを有する。フレームがたとえば、ケーシング内の第1のモジュール式ユニットを提供するように、ケーシングとセルスタックとの間に配置されている。フロー再分配器がセルスタックの1つ以上の区画室内に設けられてもよい。区画室の少なくとも1つが、たとえば、区画室内のフロー反転をもたらすように構成されかつ配置されている。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態では、電気浄化装置のためのセルスタックが提供される。セルスタックは交互に設けられた複数のイオン除去室およびイオン濃縮室を提供する。各イオン除去室は、たとえば、第1の方向の希釈流体フローを形成する流入口および流出口を有する。各イオン濃縮室は、たとえば、第1の方向とは異なる第2の方向の濃縮流体フローを形成する流入口および流出口を有する。スペーサがたとえばセルスタック内に配置されている。スペーサはたとえば区画室を定める構造を提供し、特定の実施例では、区画室を通る流体フローを方向付けるよう機能する。スペーサは、たとえば、セルスタックを介した流体フローおよび電流フローの少なくとも1つを方向変更するよう構成されかつ配置されている遮断スペーサである。上記のように、遮断スペーサは、たとえば、電気浄化装置における電流非効率を低減または防ぐことができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、電気浄化装置が提供される。装置は、たとえば、交互に設けられたイオン希釈室およびイオン濃縮室を有するセルスタックを有する。各イオン希釈室は、たとえば、第1の方向の流体フローを形成するよう構成されかつ配置されている。各イオン濃縮室は、たとえば、第1の方向とは異なる第2の方向の流体フローを形成するよう構成されかつ配置されている。電気浄化装置は、たとえば、セルスタックの一端においてアニオン交換膜に隣接する第1の電極と、セルスタックの他端においてカチオン交換膜に隣接する第2の電極とをさらに有する。装置はたとえば、セルスタック内に配置された遮断スペーサをさらに有し、電気浄化装置を通る希釈流体フローおよび濃縮流体フローの少なくとも1つを方向変更し、第1の電極と第2の電極との間の電流経路を方向付けるよう構成されかつ配置されている。上記のように、遮断スペーサは、電気浄化装置における電流非効率を低減するよう構成されかつ配置されていてよい。
【0036】
電気浄化装置用のセルスタックは、ケーシング内に収容されており、該ケーシングには少なくともセルスタックの周縁の一部が固定されている。フレームがケーシングとセルスタックとの間に配置されて、ケーシング内の第1のモジュール式ユニットが形成される。第2のモジュール式ユニットが同様にケーシング内に固定されている。遮断スペーサがさらに第1のモジュール式ユニットと第2のモジュール式ユニットとの間に配置されていてよい。フロー再分配器がセルスタックの1つ以上の区画室内に設けられていてよい。少なくとも1つの区画室が該区画室内のフロー反転を提供するように構成されていてもよい。たとえば、ブラケットアセンブリがフレームとケーシングとの間に配置されて、モジュール式ユニットを支持し、ケーシング内に固定するようにしてもよい。
【0037】
たとえば、第1の方向の流体フローは希釈流であり、第2の方向の流体フローは濃縮流である。特定の実施形態では、印加電界の反転により流れ機能を反転させる極性反転によって、第1の方向の流体フローを濃縮流に変え、第2の方向の流体フローを希釈流に変えることができる。スペーサによって分離された複数のスペーサアセンブリが一体に固定されて、セル対スタックまたは膜セルスタックを形成してもよい。
【0038】
本発明にかかる電気浄化装置は、さらに、セルスタックを収容するケーシングを備える。たとえば、少なくともセルスタックの周縁の一部がケーシングに固定される。たとえば、フレームまたは支持構造体がケーシングとセルスタックとの間に配置されて、セルスタックをさらに支持する。フレームは、セルスタックに対する液体フローの出入を可能とする流入口マニホルドおよび流出口マニホルドをさらに有してよい。フレームおよびセルスタックはともに、電気浄化装置のモジュール式ユニットを形成する。電気浄化装置は、さらに、ケーシング内に固定された第2のモジュール式ユニットを有する。スペーサたとえば遮断スペーサが、第1のモジュール式ユニットと第2のモジュール式ユニットとの間に配置されていてもよい。第1の電極は、たとえば、第2のモジュール式ユニットと接続した対向端部である第1のモジュール式ユニットの端部に配置されている。第2の電極は、たとえば、第1のモジュール式ユニットと接続された対向端部である第2のモジュール式ユニットの端部に配置されている。
【0039】
たとえば、ブラケットアセンブリが、第1のモジュール式ユニット、第2のモジュール式ユニットまたはその両方のケーシングとフレームとの間に配置されている。ブラケットアセンブリは、モジュール式ユニットを支持し、ケーシングに対する確実な取付を提供する。本発明の一実施形態では、電気浄化装置は、膜セルスタックをケーシングまたは容器内に配置して組み立てることができる。端板をセルスタックの各端部に設けてもよい。接着剤を用いて、少なくともセルスタックの周縁の一部をケーシングの内壁に封止してもよい。
【0040】
本発明の特定の実施形態では、電気浄化装置は、比較的大きい電力消費がもたらす非効率を低減または防止するよう設けられる。本発明の電気浄化装置は、マルチパス型フロー構成を提供し、電流非効率を低減または防止しうる。マルチパス型フロー構成は、電気浄化装置のアノードとカソードとの間の直線的な電流経路を排除または低減することにより、フローマニホルドを通る電流の迂回、または電流リーク、を排除しうる。本発明の特定の実施形態では、区画室内のフローは、調整、再分配または方向変更可能であり、区画室内での流体と膜表面とのより大きい接触を提供しうる。区画室は、当該区画室内の流体フローを再分配可能に構成されかつ配置されていてよい。区画室は、フローを区画室を介して再分配するための構造を提供しうる、障害物、突起、凸部、フランジまたはバッフルを有してよい。障害物、突起、凸部、フランジまたはバッフルは、イオン交換膜、スペーサの一部として形成されていてよく、あるいは、区画室内に設けられた付加的な別個の構造体であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、膜または遮断スペーサは、システム内の電流フローに影響するように、実質的に非導電性であってよい。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、イオン交換膜および(場合により)スペーサを固定または接合して、電気浄化装置用の膜セルスタックを作製するための方法が提供される。該方法は、たとえば、クロスフロー式電気透析(ED)用モジュール式ユニットなどの電気浄化装置での使用のための複数のアニオン交換膜およびカチオン交換膜を固定する方法を提供する。
【0042】
本発明の特定の実施形態では、電気浄化装置用の第1のセルスタックを作製する方法が提供される。該方法は、第1のイオン交換膜を第2のイオン交換膜に固定するステップを含む。第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜との間にスペーサを設けて、スペーサアセンブリを形成してもよい。電気浄化装置に用いられるとき、このスペーサアセンブリは、流体フローを実現する第1の区画室を画定する。たとえば、複数のイオン交換膜が相互固定されて一連の区画室が形成される。特定の実施形態では、たとえば、複数のスペーサアセンブリが構築され、該スペーサアセンブリが相互固定される。各スペーサアセンブリの間にスペーサが配置されてもよい。このようにして、電気浄化装置用の一連の区画室が構成されて、各区各室内で1つ以上の方向の流体フローが可能とされる。
【0043】
区画室内に配置可能なスペーサは区画室に構造を与え、画定し、特定の例においては、区画室を通る流体フローの方向付けに役立つ。スペーサは、区画室内の所望の構造および流体フローを実現可能なポリマー材料または他の材料から作製可能である。特定の実施形態では、スペーサは区画室内の流体フローを方向変更または再分配するように構成されかつ配置されていてよい。いくつかの実施形態では、スペーサはたとえばメッシュ状またはスクリーン材料から構成され、区画室を通る所望の流体フローを実現可能な構造とされている。スペーサは、プロセス効率を向上するために、流体フローおよび電流フローの少なくとも1つを方向変更するよう構成されかつ配置されていてよい。スペーサはまた電気浄化装置内の複数の流体フロー段を形成するように構成されかつ配置されていてよい。スペーサは特定の方向に流体フローを方向変更するために、中実部分を含んでよい。中実部分は、また、特定方向に電流フローを方向変更し、電気浄化装置内のアノードとカソードとの間の直線的な経路を妨げうる。いくつかの実施形態では、スペーサはセルスタックを介した電流フローを促進し、セルスタックに対する電流迂回をほぼ妨げることができる。中実部分を有するスペーサは遮断スペーサともいう。遮断スペーサはたとえばセルスタック内に配置され、または、第1のスタックすなわち第1のモジュール式ユニットと、第2のセルスタックすなわち第2のモジュール式ユニットとの間に配置されている。
【0044】
いくつかの実施形態では、相互固定された複数のイオン交換膜においてはカチオン交換膜とアニオン交換膜とが交互に設けられており、一連の希釈室および濃縮室を形成する。各膜の形状は、膜のセルスタック内への固定に適した任意の形状であってよい。特定の実施形態では、セルスタックの隅部および頂点の特定の数が、ケーシング内のセルスタックの適切な固定に望ましい場合がある。特定の実施形態では、特定の膜がセルスタック内の他の膜と異なった形状を有していてもよい。膜の形状は、膜の相互固定、セルスタック内のスペーサの固定、膜のモジュール式ユニット内の固定、膜の支持構造体内の固定、一群の膜たとえばセルスタックのケーシングへの固定、および、モジュール式ユニットのケーシング内の固定の少なくとも1つに役立つように選択することができる。膜、スペーサおよびスペーサアセンブリは、たとえば、膜、スペーサまたはスペーサアセンブリの端部の周縁の一部において固定される。周縁の一部は膜、スペーサまたはスペーサアセンブリの連続した長さ部分または連続していない長さ部分であってよい。膜、スペーサまたはスペーサアセンブリの固定のために選択される周縁の部分は、所定方向の流体フローを方向付ける境界または辺縁を提供しうる。
【0045】
1つ以上の実施形態では、本明細書中に記載のセルスタックは、任意の所望数のイオン交換膜、セル対または区画室を有してよい。いくつかの実施形態では、電気化学分離システムは、1つのセルスタックを有してよい。他の実施形態では、たとえばモジュール式の実施形態では、電気化学分離システムは、複数のセルスタックを有してよい。いくつかの実施形態では、各セルスタックは、上述のように、別個のモジュール式ユニットに含まれていてよい。モジュール式構成によって、設計の柔軟性および容易な作製が提供される。
【0046】
1つ以上の実施形態では、電気化学分離システムは、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に配置され、第1のフレームによって支持された複数の濃縮室および希釈室を画定する第1のセルスタックを有する第1の電気化学分離モジュール式ユニットと、第1の電気化学分離モジュール式と協働し、第1の電気化学分離モジュール式ユニットと第2の電極との間に配置され、第2のフレームによって支持された複数の濃縮室および希釈室を画定する第2のセルスタックを有する第2の電気化学分離モジュール式ユニットと、を有する。第1のセルスタックは第1のフレームによって囲まれ、第2のセルスタックは第2のフレームによって囲まれている。いくつかの実施形態では、第1の電気化学分離モジュール式ユニットと第2の電気化学分離モジュール式ユニットとは、流体的に平行に配置されている。第1および第2の電気化学分離モジュール式ユニットは、それぞれ一体構造であってよく、または、自身がサブブロックから構成されていてよい。第1および第2の電気化学分離モジュール式ユニットは、着脱可能であってよい。いくつかの実施形態では、遮断スペーサが第1の電気化学分離モジュール式ユニットと第2の電気化学分離モジュール式ユニットとの間に配置されていてよい。後述するように、各フレームはマニホルドシステムおよび/またはフロー再分配システムを含んでよい。たとえば、第1および第2の電気化学分離モジュール式ユニットは、たとえばブラケットアセンブリを用いて容器内に取り付けられる。該システムは、たとえば、目的の用途および種々の設計要素に依存して、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のモジュール式ユニットを含んでよい。たとえば、処理対象の水の供給源が容器の流入口に流体接続される。除去室および濃縮室はたとえば容器の流入口と流体連通する流入口をそれぞれ有する。
【0047】
いくつかの非限定的な実施形態では、少なくとも1つの除去室および濃縮室はフロー再分配器を含んでよい。いくつかの実施形態では、システムは除去室を通るフローの方向が濃縮室を通るフローの方向と異なるように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、システムは除去室を通るフローの方向が濃縮室を通るフローの方向に対して実質的に垂直であるように構成されていてよい。第1および第2の電気化学分離モジュール式ユニットは、システム内のマルチパス型フローを促進するように構成されていてよい。
【0048】
1つ以上の実施形態では、分離システムの組立方法は、たとえば、第1の電極と第2の電極との間の容器内の第1のフレームにより囲まれた第1のセルスタックを有する第1の電気化学分離モジュール式ユニットを取り付けるステップと、第1の電気化学分離モジュール式ユニットと第2の電極との間の容器内の第2のフレームにより囲まれた第2のセルスタックを有する第2の電気化学分離モジュール式ユニットを取り付けるステップと、を含む。該方法は、さらに、第1の電気化学分離モジュール式ユニットと第2の電気化学分離モジュール式ユニットとの間に遮断スペーサを配置するステップを含んでよい。第1および第2の電気化学分離モジュール式ユニットのそれぞれの性能を容器への取付前に試験してもよい。たとえば処理対象の水の供給源が容器の流入口に流体接続される。
【0049】
1つ以上の実施形態では、1つ以上のモジュール式ユニットが第1の電極と第2の電極との間に挿入されていてもよい。いくつかの実施形態では、2つのモジュール式ユニットがシステム内に互いに実質的に隣接していてもよい。他の実施形態では、遮断スペーサが2つ隣接するモジュール式ユニットの間に配置されていてもよい。少なくとも特定の実施形態では、分離システム内のモジュール式ユニットは専用の電極セットを有していなくともよい。代わりに、複数のモジュール式ユニットが一対の電極間に配置されていてもよい。
【0050】
1つ以上の実施形態では、電気化学分離モジュール式ユニットは、複数の交互に配置された除去室および濃縮室を画定するセルスタックと、支持システムとを有してよい。支持システムはセルスタックの垂直配列を保持するよう構成されていてよい。いくつかの実施形態では、支持システムはフレームであってよい。フレームは少なくとも部分的にセルスタックを囲むものであってよい。他の実施形態では、フレームはセルスタックを実質的に包囲するものであってよい。いくつかの実施形態では、フレームはセルスタックを介した流体フローを促進するように構成されたマニホルドシステムを含んでよい。マニホルドシステムはプロセス液体を中央システムマニホルドから、接続された個々のモジュール式ユニットに送達するようにしてもよい。マニホルドシステムは、たとえば、流入口マニホルドおよび流出口マニホルドを有する。マニホルドシステムは、たとえば、各除去室の流入口および各濃縮室の流入口と流体連通する流入口マニホルドを有する。マニホルドシステムは、たとえば、各除去室の流出口および各濃縮室の流出口と流体連通する流出口マニホルドを有する。マニホルドシステムは、たとえば、流出口マニホルドを通って処理液体の流れを送達するように構成されている。マニホルドシステムの少なくとも一部は、フレームと一体化されているか、または、フレームと分離した構造であってもよい。少なくともいくつかの実施形態では、マニホルドシステムは、たとえば、モジュール式ユニット内の希釈流および濃縮流の混ざり合いを防ぐように構成および配置されている。マニホルドシステムは、たとえば、スタックと結合した希釈室および濃縮室の流出口を、流体的に分離し、分離状態を保持する。
【0051】
いくつかの実施形態では、支持システム例えばフレームは、フロー再分配システムを含んでよい。フロー再分配システムは、マニホルドシステムまたは独立なシステムの一部であってよい。フロー分配システムは、たとえば、マニホルドシステムと流体連通し、セルスタックへの均一なフロー分配を促進するよう構成されている。フロー分配システムは、たとえば、各除去室の流入口および各濃縮室の流入口と流体連通している。いくつかの実施形態では、フロー分配システムの少なくとも一部がフレームと一体化されてもよい。他の実施形態では、フロー分配システムの少なくとも一部がフレームと係合してもよい。いくつかの実施形態では、フロー分配システムの少なくとも一部がフレームに対して着脱可能なインサートを含んでもよい。これは、たとえば、フロー分配システムの1つ以上の構造の作製が容易であることによる。マニホルドおよび/またはフロー分配システムの1つ以上の構造が、たとえばインサート構造体を介してフレームと一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、フロー分配システムは、セルスタックの流入口および流出口それぞれと係合するものであってよい。いくつかの実施形態では、フレームはセルスタックの少なくとも1つの側面と結合するインサートを有してよい。少なくともいくつかの実施形態では、フレームはたとえばセルスタックの各側面と結合するインサートを有する。たとえば、方形のセルスタックは4つのインサートを有する。マニホルドシステムおよび/またはフロー分配システムまたはその構成要素はセルスタックの各側面と結合するものであってよい。
【0052】
1つ以上の実施形態では、モジュール式ユニットと結合するインサートまたはフロー分配システムは、セルスタックの希釈室および濃縮室の流入口に処理対象の液体を供給するように構成および配置されていてよい。フロー分配システムまたはインサートは、さらに、セルスタックの希釈室および濃縮室と関連する流出流を受容し、流体的に分離するよう構成および配置されていてよい。フロー分配システムまたはインサートは、希釈水流出流と濃縮水流出流とを分離状態に維持するよう構成されていてよい。意図される機能性を有しうるフロー分配システムに関する種々の設計は、1つ以上の実施形態に従って実現可能である。セルスタックの性質に応じて、区画室の流出口および流入口は、セルスタックの1つ以上の側面に配置されていてよい。いくつかの実施形態では、区画室の流入口および流出口は、セルスタックの全ての側面に配置されていてよい。マニホルドシステムおよびフロー分配システムを含むフレームの設計は、それが全ての配向のセルスタックを受容可能なように構成されていてよい。インサートまたはフロー分配器は、柔軟性のため、フレームの任意の側面に挿入可能であり、かつ、セルスタックの任意の側面と結合可能なものであってよい。たとえば、インサートまたはフロー分配器は挿入されて、スタックの複数の区画室に処理対象の流体を供給し、かつ、セルスタックの流出流を流体的に分離し、分離状態を維持する機能を有する。さらに、本明細書中に記載されるように、インサートまたはフロー分配器は、モジュール式ユニット全体の電流効率を向上するように構成されかつ配置されていてもよい。
【0053】
1つ以上の実施形態では、スタックを通る迂回経路は、電流効率を向上するため、セルスタックを介した直線的な経路に沿って電流フローを促進するよう操作されてよい。いくつかの実施形態では、電気化学分離装置は、1つ以上の迂回経路が、セルスタックを通る直線的な経路よりもより蛇行するように、構成されかつ配置されていてよい。少なくとも特定の実施形態では、電気化学分離装置は、1つ以上の迂回経路がセルスタックを介した直線的な経路よりも高抵抗を示すように構成されかつ配置されていてよい。モジュール式システムを含むいくつかの実施形態では、個々のモジュール式ユニットは電流効率が向上されるよう構成されている。モジュール式ユニットは電流効率に寄与する電流迂回経路を提供するよう構成されかつ配置されていてよい。非限定的な実施形態では、モジュール式ユニットは、電流効率を向上するよう構成されたマニホルドシステムおよび/またはフロー再分配システムを含んでよい。少なくともいくつかの実施形態では、電気化学分離モジュール式ユニット内のセルスタックを囲むフレームは所定の電流迂回経路を提供するよう構成されかつ配置されていてよい。いくつかの実施形態では、支持システムたとえばマニホルドまたはフロー分配システムの構成要素と結合するインサートは、電流効率を向上するよう構成されていてよい。
【0054】
1つ以上の実施形態では、少なくとも1つのマニホルドシステムおよびフロー分配システムは、モジュール式ユニットの効率を向上するように構成されかつ配置されていてよい。フロー分配システムは、電流損失を低減するよう構成された少なくとも1つの迂回経路を有してよい。フロー分配システムは、第1の方向に配向された複数の第1の流体小路を有してよい。フロー分配システムはさらに、第2の方向に配向され、複数の第1の流体小路と流体連通する複数の第2の流体小路を有してよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の方向は、実質的に垂直であってよい。フロー分配システムは、たとえば、インサートを有し、フレームは該インサートを受容するよう構成された凹みを画定する。インサートは、たとえば、少なくともいくつかの実施形態におけるセルスタックに均一なフロー分配を促進するよう構成された格子構造を画定する。
【0055】
いくつかの非限定的な実施形態では、インサートは、セルスタックに近い第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有してよい。インサートはたとえば第1および第2の側面の少なくとも1つにおいて複数のポートを有する。いくつかの実施形態では、ポートの少なくともいくつかは、スロットまたは溝であってよい。ポートは、インサートの一方の側面のポートと他方の側面のポートとで異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、たとえば、インサートの第1の側面の各ポートは、セルスタックのイオン交換膜に対して実質的に垂直であり、インサートの第2の側面の各ポートは、セルスタックのイオン交換膜に対して実質的に平行に配向されている。いくつかの実施形態では、第1の側面の少なくとも1つのポートは、セルスタックの複数の区画室と流体連通している。複数のポートがインサートの1つの側面において互い違いに設けられていてもよい。ポートは1つ以上の区画室を使用可能とする。いくつかの実施形態では、セルスタックは、セルスタックを画定するイオン交換膜の表面積に関して少なくとも約85%の流体接触を実現するよう構成されかつ配置されている。除去室および濃縮室の少なくとも1つは、遮断スペーサまたはフロー再分配器を含んでよい。いくつかの実施形態では、セルスタックは、除去室を通るフローの方向が濃縮室を通るフローの方向と異なるように構成されている。少なくとも1つの実施形態では、セルスタックは、除去室を通るフローの方向が濃縮室を通るフローの方向に対して実質的に垂直であるように構成されている。
【0056】
1つ以上の実施形態では、電気化学分離モジュール式ユニットはセルスタック内の均一なフロー分配を促進するよう構成されたフロー分配器を有してよい。フロー分配器はセルスタックを囲むフレームまたはマニホルドと一体化されていてもよい。他の実施形態では、フロー分配器の少なくとも一部は、フレームまたはマニホルドと係合するよう構成されていてよい。フロー分配器はたとえばフレームに対して着脱可能なインサートを有してよい。モジュール式ユニットは、1つ以上のフロー分配器を有してよい。いくつかの実施形態では、フロー分配器は、セルスタックの1つ以上の側面と結合してよい。少なくともいくつかの実施形態では、フロー分配器は、セルスタックの各側面と結合するものであってよい。セルスタックの各側面は、専用のフロー分配器を有してよい。フロー分配器は、電気化学分離装置に対して着脱可能に構成されていてよい。マルチパス型フロー構成は遮断膜の使用によって実現可能である。
【0057】
1つ以上の実施形態では、電気化学分離用のフロー分配器は、第1の方向に配向され、電気化学分離装置の少なくとも1つの区画室に供給水を送達するよう構成された複数の第1の小路と、第2の方向に配向され、電気化学分離装置と結合する流入口マニホルドおよび複数の第1の小路と流体連通する複数の第2の小路と、を有してよい。いくつかの実施形態では、第1の方向は実質的に垂直である。少なくとも1つの実施形態では、第2の方向は実質的に水平である。複数の第1の小路は、平行に配置されていてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、複数の第2の小路は、平行に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの小路は、少なくとも1つの第2の小路と交わっている。遮断部材が第1の小路と第2の小路との間の交差点に配置されていてもよい。複数の第1の小路および複数の第2の小路は、電気化学装置内の電流リークを低減するよう配置されていてよい。いくつかの非限定的な実施形態では、複数の第1の小路は、格子構造を画定するように複数の第2の小路とともに配置するようにしてもよい。
【0058】
1つ以上の実施形態では、フロー分配器は、たとえば、電気化学分離装置のセルスタックの近くに配置されるよう構成された第1の側面を有する。分配器は、第1の側面に複数のポートを有してよい。請求項にかかるフロー分配器は、第1の側面に対向して配置された第2の側面を有し、第2の側面に複数のポートを有してよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の側面の複数のポートはスロットまたは溝を有してよい。少なくとも1つの実施形態では、ポートは第1および第2の側面において異なっていてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、第1の側面の各ポートは、電気化学分離装置の区画室に対して実質的に垂直に配向されていてもよい。第2の側面の各ポートは、電気化学装置の区画室に対して実質的に平行に配向されていてもよい。第2の側面の複数のポートは、第1の側面の複数のポートに、流体フローを分配するよう構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の側面の少なくとも1つのポートは、電気化学分離装置の複数の区画室と流体連通していてよい。いくつかの実施形態では、第1の側面または第2の側面の複数のポートは、互い違いに設けられてもよい。フロー分配器は、電気化学分離装置の作用表面への電流フローを促進するよう構成されかつ配置されていてよい。ポートはフロー分配器と結合されてもよい。ポートはフロー分配器に対して種々の位置を有してよい。フロー分配器は、電気化学分離装置の区画室に対する流入口マニホルドから均一なフロー分配を促進するため、フロー分配器を実質的に中心とするポートを有してよい。他の実施形態では、ポートはフロー分配器に対してオフセットされてもよい。
【0059】
1つ以上の実施形態では、セル対のスタックは、電気化学分離システムの最終組立の前に、品質制御用のモジュール式ユニットまたはサブブロックを形成するよう構成されていてもよい。サブブロックは熱接合、接着剤または他の方法によって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、クロスフロー型モジュール式ユニットは、セル対のサブブロックの試験の後に、組み立てられてもよい。ポートは、動作中の複数の廃棄を可能とするために、ケーシングの壁面に埋め込まれていてもよい。クロスフロー型モジュール式ユニットにおいて、多数のセル対がシェルまたはケーシング内に積層され、パックされてもよい。封止はフロー経路を画定するためにセル対と結合してもよい。封止のうちの1つが失われただけでも、モジュール式ユニット全体が動作不能とみなされうる。1つ以上の実施形態では、たとえば、セル対のサブブロックが、より大きいモジュール式ユニットまたはシステムを形成するため、セル対の全ての積層前に、欠陥のある封止を検出するために用いられる。いくつかの実施形態では、セル対は、最終組立の前に、封止の完全性を決定するために、フレームにそれぞれパックされたスタックに分解されてもよい。いくつかの実施形態では、パッケージ方法は、内部クロスリークまたは外部リークなしに別のサブブロックまたは電極板のいずれかにサブブロックを機械的に接続するために、Oリングまたはガスケットを用いることができる。フレームの設計によって濃縮流体のマルチ廃棄(multi-dumps)が促進可能であり、これにより、標準的なサブブロックを作製でき、ストックでき、特定の動作条件に関して任意の所望数のモジュール式ユニット当たりのパスおよび廃棄路(dump)を容易に構成できる。フレーム設計は、均一なフロー分配、希釈流と濃縮流との分離および電流効率を促進することができる。
【0060】
1つ以上の実施形態では、フレームは、配列を維持するよう、セル対のスタックの側面を強固に支持するよう構成されていてよい。垂直スロットが流入口および流出口マニホルドを区画室に接続するものであってよい。これにより、区画室の幅にわたる均一なフロー分散、および、区画室からマニホルドへの電流リークの低減が促進可能である。スタック両端の膜は、Oリングまたは他の機構によってフレームに固定、封止されていてもよい。フレームは複数部分から組み立てられてもよく、または、1つの部品として成形等により一体化されてもよい。各モジュール式ユニットは、モジュール式ユニット間に封止された遮断膜でもって1つのパスとして機能しうる。端板に隣接するモジュール式ユニットは膜によって電極室から分離され、Oリングまたは接着剤などによって封止されていてもよい。モジュール式ユニットフレームまたはモジュール式ユニットフレームのマニホルドシステムは、通常、1つ以上の希釈ポートおよび1つ以上の濃縮ポートを有している。これらのポートはフレームにまたはインサートに設けられていてもよい。モジュール式ユニットのフレームは、さらに、フレームに対して着脱可能なフロー分配器または1つ以上のインサートまたはフロー分配システムを含んでよい。フレームは、インサートを受容するような寸法および形状の1つ以上の凹みを有してよい。フレームおよびモジュール式ユニットの全体形状は、迂回電流を低減するよう構成されていてよい。迂回経路は蛇行しており、スタックを通る直線的な経路よりも高抵抗を示しうる。いくつかの非限定的な実施形態では、電流は、たとえば、水平なマニホルドに沿ってポートマニホルドにスロットの下半分を通って、上の水平マニホルドに沿って戻り、スロットの上半分を通ってスタックに戻って流れることによりスタックを迂回するのみである。
【0061】
1つ以上の非限定的な実施形態では、
図1に示すように、セル対のスタック110は、たとえば、一体構造のフレーム120の4つの側面で囲まれ、モジュール式ユニット100が形成されている。
図2および3は、A−A矢視断面を示す。区画室および膜の厚さは、わかりやすくするため誇張されている。フレーム部分のマニホルドの組は、膜表面に対して垂直に方向付けられたスロットアレイを介して希釈室の流入口に供給水を供給する。希釈室の流出口で精製水は第2のスロットアレイを通って流れ、図中右側のフレーム部分のマニホルドの第2の組に入る。矢視断面A−Aに垂直な部分は、濃縮室用のマニホルドおよびスロットの同じ構成を示す。
【0062】
図2に示すように、希釈室および濃縮室への流入口および流出口は、フレームとスタックの隅部との間の封止により、互いに分離されている。封止は、種々の技術、たとえば、接着剤、熱接合またはこれらの組み合わせにより実現可能である。
図4は、隅部の封止方法の1つを示す。スタック410は、フレーム420内に挿入され、ポッティング接着剤がスタック410とフレーム420との間の間隙に用いられ、モジュール式ユニット400が形成される。接着剤の硬化後、スタックおよびフレームを90°回転させ、次の隅部をポッティング等する。接着剤の特性を十分に活かすため、さらに温度を上げて硬化することが必要な場合がある。あるいは、4つの隅部全てをポッティングするまで、十分低い粘性の溶融した熱溶融接着剤を間隙内に注入してもよい。
【0063】
上述の全体設計のフレームによれば、いくつかの機能が提供される。該フレームは、スタック内のセル対の配列を維持することができる。ED装置のエネルギー消費は、区画室および膜の厚さを薄くすることにより低減可能である。従来装置の区画室(膜間距離)はたとえば0.38mm(0.015インチ)の薄さであり、膜の厚さはたとえば30ミクロン(0.0012インチ)の薄さである。このような薄い軟質の要素から組み立たられた1200個のセル対スタックは、剛性が非常に低く、横方向のずれに対して支持しなければならない。この問題は、スタックの要素を封止するために圧力をかける必要があり、スタックの配列のための側面支持チャネルおよび連結バーに依存する、従来の枠板式装置において深刻である。この問題は、スタック要素が接着剤または熱接合によって封止され、全スタックが円筒状容器内に収容されても、クロスフロー型装置において未だ存在する。適切に設計されれば、流入口および流出口マニホルドを区画室に接続するスロットによって、確実に各希釈室の流入口全体にフローが均一に分配されるようになる。スロットは、区画室に対して垂直に配向されている。スロットを個々の区画室の流入口に対して配列調整する必要は無い。スロットによって、スタックから流入口および流出口マニホルドへの電流リークに対して利用可能な領域は減少され、したがって、膜およびセルのスタックを迂回する一部の電流部分が減少される。電流迂回は電流効率(ファラデー定数96,498クーロン/等量に基づいた必要理論電流/実際の測定電流)を減少させ、精製水の単位体積当たりのエネルギー消費量を増大させる。電流効率を向上させるための他の方法には、遮断膜またはスペーサを用いたマルチパス型モジュール式ユニット構成の使用が含まれる。
【0064】
別の実施形態では、電流リークをさらに低減し、したがって、電流効率を向上するため、スロット内にブロックを配置することによってスロットの構成を調整してもよい。
図5は、垂直に配向された流入口および流出ポートを有するフレーム520内にセル対スタック510が設けられたモジュール式ユニット500を示す。
図6は、流れ1に関するフロー経路を示す断面図である。流体は流入ポートから垂直なスロットの前に平行に設けられた3つの水平な流入口マニホルドを通ってスタック内の区画室を流れる。流体はスタックから別の垂直スロットの組と3つの流出口マニホルドを通って流出ポートへ流れる。
【0065】
図7は、スタックの一端から他端に垂直のスロットを介して流れることにより、一方で、スタック710を電流が迂回しうることを示す。
図8は、モジュール式ユニット800を参照して、スロット修正の1つの非限定的な実施形態を示している。障害物または障壁をたとえばスロット内に配置し、迂回電流がより遠回りした経路をとるようにし、これにより、迂回経路の電気抵抗を増大させる。いくつかの実施形態では、たとえば、水平ブロックなどのブロックがスロット内に配置される。
【0066】
いくつかの実施形態では、水平ブロックは各スロットにおいて同じ位置に配置されない。同じ位置に配置すると、1つ以上の区画室は、たとえば、流入口または流出口マニホルドから完全に遮断される。
図9は、ブロック930がたとえば互い違いに配置され、流入口または流出口の一部のみが任意の所与の区画室に対して遮断される様子を示す。それでも、膜間スクリーンの適切な設計により、区画室内の均一な平均フロー速度を実現できる。いくつかの実施形態では、フレームを一体に機械加工または成形すべき場合に、互い違いに配置されたブロックのすべてを水平マニホルドの1つに対して配列調整してもよく、これはブロックの数および位置を制限する。
【0067】
別の実施形態では、フレームはスロット無しで機械加工されまたは成形される。
図10および11に示すように、スロットおよび水平ブロックを含む格子が別個に作製され、フロー分配器1050としてフレーム1020に挿入される。したがって、ブロックの数および位置にはより柔軟性がある。ブロックは列状に、または、ランダムに配置可能である。
【0068】
フレームは、必要な機械特性と、EDにより脱イオン化される流体との化学的適合性とを有する材料から作製できる。海水の脱塩などの用途では、たとえば、プラスチック材料が、その耐食性および低コスト性から好ましい。使用可能なプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PAまたはナイロン)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルフォン、または、プラスチックブレンド、たとえば、ポリフェニレンオキシド(PPO)とポリスチレン(PS)とのブレンドであるNoryl(登録商標)が挙げられる。補強材たとえばガラス繊維が化学耐性ならびに機械特性および熱特性の向上のために加えられてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、フレームは、機械加工および/または射出成形などの方法を用いて作製可能である。さらに、「高速プロトタイピング」技術、たとえば3Dプリンティング、熱溶融積層法などをフレームの作製に用いることができる。別の実施形態では、
図12に示すように、フレーム1220は、接着剤、熱的もしくは機械的方法またはこれらの組み合わせにより結合される4つの部分から組み立てられる。各部分は、上述のように、同じ材料および方法を用いて作製可能である。
【0070】
特にフレームが複数部分から組み立てられる場合、フレームは、スタック内のセル対の数を適合化するために必要な深さであってよい(
図2の高さ「D」参照)。たとえば、0.38mm(0.015インチ)の膜間距離と30ミクロン(0.0012インチ)の膜厚を有する1200個のセル対のスタックを適合化するためには、フレームの深さは約0.984m(38,74インチ)でなければならない。
【0071】
しかし、このようなアセンブリの製造には実際的な制限がある場合がある。深いフレームに多数のセル対を有するスタックを挿入することは困難な場合がある。スタック内の軟質の膜およびスクリーンは、最初接着剤または熱封止のみによって接続され、スタックは剛性を有しない。隅部のポッティングは、スタックの高さが増すとより困難となる場合がある。ポッティング接着剤は、たとえば、
図4に示すように、スタックとフレームとの間の間隙の全長に渡って均一に用いられる。フレーム内に組立スタックにおける封止は、隅部がポッティングされるまで試験されない可能性がある。封止のいずれかが失われれば組立物全体を廃棄しなければならず、材料および作業は完全に無駄となる。
【0072】
図13は、1200個のセル対を有する3パス型ED装置内の希釈流を概略的に示す。200個のセル対をそれぞれ有する6個のモジュール式ユニットが設けられている。代わりに、400個のセル対をそれぞれ有する3個のモジュール式ユニットが用いられてもよい。セル対とパスの数の複数の組み合わせが可能である。加えて、各パスにおいて異なる数のセル対を有する非対称な構成であってもよい。本発明は、特定の数のセル対またはパスに限定されない。
【0073】
図14は、別の実施形態のモジュール式ユニット1400を示す。
図15および16は、A−A矢視断面およびB−B矢視断面をそれぞれ示す。区画室および膜の厚さは、わかりやすいものとなるよう、ここでも誇張されている。隣接する膜同士を分離し、流体が区画室を通って流れる際の流体の混合を強めるスクリーンで、各区画室は満たされている。
図15は、
図14のA−A矢視断面を示し、希釈室を通るフローを示す。スタックの最上部の膜(AEM(アニオン交換膜))および最下部の膜(CEM(カチオン交換膜))は、スタックを越えて延在し、クリップによって固定されたOリングによって封止されている。各膜は希釈流(流入口および流出口マニホルド、スロットおよび区画室)をスタックの最上部および最下部の各濃縮室から分離する。
図16は、希釈室への流入の拡大図を示す。
図17は、
図14のB−B矢視断面を示す。濃縮流は、スタックの上端および下端の1つを含む、平行なすべての濃縮室を通って流れる。
【0074】
図15のフレームの上面上の外側Oリングは、隣接する平坦面にモジュール式ユニットを封止するために用いられ、隣接する平坦面とは、たとえば、試験装置の上部板、上述の隣接するモジュール式ユニットのフレームまたは端板である。
図18は、たとえば、モジュール式ユニットにおける封止の完全性を試験するための、モジュール式ユニット装置1800の断面を示す。モジュール式ユニットは、2枚の板の間にクランプされる。下部板は、モジュール式のユニットフレームの下面に対して封止するOリングを有する。モジュール式ユニットの上部のOリングは、上部板に対して封止する。希釈水流出ポートは塞がれ、圧縮流体またはガスが濃縮水流入ポートに供給される。膜間の任意の接合におけるリークまたは任意の隅部の封止におけるリークは、濃縮流に対するクロスリークを生じさせる。クロスリークの存在または速度は、モジュール式ユニットの品質を決定する基準として用いることができる。
図19は、組立前の、端板、モジュール式ユニット1900および分離膜1970のスタックを示す。区画室は、たとえば位置決めピンを用いて配列される。
【0075】
いくつかの実施形態では、各モジュール式ユニットには、同じフレーム設計を用いることができる。ユニット2用のフレームは、たとえば、クリップの位置に示されるように、ユニット1および3用のフレームに対して垂直に配向される。ユニット1および3の内部のスタックは同じであるが、ユニット2の内部のスタックとは異なっている。
図20はユニット1のA−A矢視断面を示し、
図21はユニット2のB−B矢視断面を示す。ユニット1の最上部および最下部の区画室は濃縮室であり、最上部の膜は、拡張または分離AEMであり、最下部の膜は拡張または分離CEMである。ユニット2において、最上部および最下部の区画室は希釈室であり、最上部の膜は拡張CEMであり、最下部の膜は拡張または分離AEMである。
【0076】
図22に概略的に示されるように、モジュール式ユニットの膜およびセルの配列は、遮断膜に沿った、希釈流および濃縮流のマルチパス型フロー構成を可能とし、最終的に電極室に隣接する濃縮室が配置されている。これらの濃縮室は、電極室と次の希釈室との間のバッファセルとして機能する。
図23は、希釈室を通る3パス型フローを示す、組立ED装置の断面を示す。
図24は、モジュール式ユニット2400間の遮断スペーサ2470を示す、モジュール式ユニット1の希釈水流出口およびユニット2の濃縮水流入口の詳細図を示す。
【0077】
図23中の部分に垂直な、組立EDモジュール式ユニットの断面図は、濃縮室を通る3パス型フローを示す。
図19および23に示されるED装置の端板は、端部においてナットとねじ込みロッドを用いて引きつけ可能であり、これは通常、板枠式ED装置のタイロッドまたは連結バーといわれる。Oリングを封止するために、端板はモジュール式ユニットに十分な圧力をかける必要がある。モジュール式ユニットに圧力をかけるために他の装置も用いることができる。1つの例は、モジュール式ユニットのスタックの端部に配置される圧縮嚢である。連結バーはフレームの外側(板外)に配置されてもよく、または、フレームの壁は、連結バーを壁の内側(板内)に配置可能とするために十分な厚さであってよい。ED装置は外見上または安全上の理由から筐体に収容されていてもよい。筐体はたとえば熱成形プラスチックパネルから組み立てられてもよい。ED装置は、また、安全上または構造上の理由から圧力容器内に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、フレームは四角形の外形を有し、実質的に中実の壁を有する。フレームが射出成形される場合、過剰な厚さ部分を避けるため、壁は中空であってよい。作動中には圧縮流体がモジュール式ユニットを介してポンプ供給されるため、剛性および強度のために補強リムを壁に加えてもよい。フレームの外形は正方形でなくともよい。たとえば、
図25は、実質的に環状の外形を有し、射出成形用に設計されたフレーム2520を示す。他の形状としては、たとえば長方形、六角形および八角形が挙げられる。フレームの側面は、長さおよび数に関して非対称であってもよい。
【0078】
図26は2枚の成形端板の間の6つのモジュール式ユニット2600を示し、これらは全て円筒状容器2680(透明に示す)内に収容されている。端板上のOリングは、端部において円筒の内壁に対して封止する。円筒は、組立の際のモジュール式ブロックの配列、ED装置内の区画室およびマニホルドとしての円形フレームへの構造支持(動作時に圧力がかかる)、モジュール式ユニット間およびユニットと端板との間のOリングのいずれかにリークがある場合の外部リークの防止、ならびに、外部筐体などの複数の機能を有する。円筒状容器はフレームが十分な剛性および強度を有して設計および作製可能である場合には、必ずしも必須ではない。モジュール式ユニットを収容するため、1つ以上の非構造的な外部筐体を用いてもよい。
図27および28は、フレームのない環状の筐体の内部に挿入されたモジュール式ユニットをそれぞれ例示している。
図29および30は、スロット3090を有するフレーム3020でもって構築されたモジュール式ユニットを例示する。
【0079】
本発明は、電気透析装置への使用に限定されない。セル対が挿入されるスロットを有するモジュール式フレームを用いた複数のパスを有するクロスフロー型構成を用いて、他の電気脱イオン装置たとえば電気脱イオン(EDI)または連続電気脱イオン(CEDI)装置も構築することができる。
【0080】
クロスフロー型の電気透析(ED)および電気脱イオン(EDI)装置において、希釈流および濃縮流は、互いに垂直な方向に流れる。ありうる用途としては、石油およびガス産生物からの海水、半塩水および塩水の脱塩が挙げられる。
【0081】
種々の設計および製造方法を、クロスフロー型モジュール式ユニットに用いることができる。いくつかの非限定的な実施形態では、モジュール式ユニットは1つの容器内に組み込み可能である。少なくとも1つの非限定的な実施形態では、容器はたとえば実質的に円筒状である。
図27は、50個のセル対のモジュール式ユニットを示す。この設計では、
図28に示されるように、開放型の流入口マニホルドおよび流出口マニホルドが区画室と直接に流体連通している。開放型のマニホルドは、各流れにおける圧力低下を低減するが、一方の電極から他方の電極へ向かう電流の一部が、開放領域を通って流れることにより、セル対のスタックを迂回しうる。迂回電流は、電流効率を低下させ、エネルギー消費を増大させる。NaCl溶液の脱塩に関して、電流効率は以下のように計算できる。
【0083】
η
i=電流効率
(q
d)
in=流入口での希釈室当たりの流量
(q
d)
out=流出口での希釈室当たりの流量
C
in=濃縮水流入口での濃度
C
out=希釈水流出口での濃度
z=原子価=NaClについて1
F=ファラデー定数
I=電流
【0084】
海水の脱塩に関して、電流効率は以下のように計算できる。
【0086】
C
i=各イオンの濃度
z
i=各イオンの原子価
【0087】
「プロセス効率η
p」はNaCl溶液に関して以下のように定義できる。
【0089】
プロセス効率は、一般に、電流効率以下である。
【0091】
Δ(q
d)=電気浸透または浸透による希釈室からの水損失速度
【0092】
いくつかの実施形態のシステムおよび方法において、フレームによって全ての側面のセル対スタックが支持されてもよい。フレームは、
図29および30に示されるように、たとえば、希釈流および濃縮流のための流入口マニホルドおよび流出口マニホルドをスタック内の各区画室に接続する垂直スロットを有する。このような設計の想定されるメリットの1つは、スタックへの流入および流出における開放領域をなくすことによる、電流迂回の低減である。セル対のスタックは、フレーム内の隅部においてポッティングされてモジュール式サブブロックを形成し、モジュール式サブブロックについて、クロスリーク、脱塩特性および圧力低下を検査可能である。複数のブロックを積層して、EDモジュール式ユニットを形成することができる。ブロック間に遮断膜を挿入して、希釈流および/または濃縮流をマルチパス型フロー構成とすることができる。
図31は、理想的な電気化学分離システムにおける輸送プロセスを示す。
図32は、電気化学分離システム内の電流非効率のある輸送プロセスを示し、
図33は、電気化学分離システムにおける水損失と組み合わさった電流非効率のある輸送プロセスを示す。
【0093】
図34は、スタックの一端から他端へ向かって、フレームとスタックとの間の間隙を通って、および、垂直スロット内を流れることにより、電流がスタックを迂回しうることを示す。すなわちスロットを介した電流迂回は重要である。1つ以上の実施形態の方法はクロスフロー型ED装置内の電流迂回を低減しうる。いくつかの実施形態では、サブブロックフレーム内の小路は、スタックを迂回する部分電流を低減し、したがって、電流効率を向上させうる。小路は流入ポートおよび流出ポートをセル対のスタック内の区画室に接続する。
図35は、サブブロックフレーム内の小路における流体空間を示す。流れ1は、たとえば、流入ポートにおいてフレームに入り、小路格子を介してスタックに流入する。わかりやすくするため、スタック内の流体空間は、透明なブロックで示されている。スタック内の区画室内の実際の流体空間は、膜およびスクリーンによって定められる。流れ1は、スタックから第2の小路格子を介して流出ポートに流れる。流れ2は、流れ1に対して垂直に配向されている。それ以外、小路の設計は同じである。
【0094】
図36は、流れ1に関する流入小路の詳細図を示す。流入ポートからのフローは、多数の水平小路に平行に分配される。各水平小路は一方で、フローの一部を、垂直小路を介してスタック内の複数の区画室に分配する。区画室の流出口において、小路の逆の順(垂直小路→水平小路→流出ポート)によって、フローはサブブロックを出ることができる。
【0095】
図37は、迂回電流が一連の垂直小路および水平小路のみを通ってスタックの一端から他端へと流れうることを示す。水平小路はポートマニホルドのみを介して互いに流体連通している。2組の迂回経路が存在し、1つは流入ポートマニホルドを通るものであり、もう1つは流出ポートマニホルドを通るものである。インサート3795は流入口マニホルド3797を有する。
【0096】
サブブロックを通る電流経路は、したがって、並列な3つの抵抗を有する回路として表すことができる。1つはスタック内のセル対の抵抗であり、他の2つは迂回電流のための2組の経路の抵抗である。
【0097】
小路の適切な寸法決めによって、迂回電流のための複雑な経路の電気抵抗を、スタックを介した直線的な経路の抵抗よりもずっと大きくすることができる。したがって、電流の大部分はスタックを介して流れさせることができる。少なくともいくつかの実施形態では、電流の少なくとも70%がスタックを通って流れることができ、したがって、少なくとも約70%の電流効率が実現可能である。少なくともいくつかの実施形態では、電流の少なくとも80%がスタックを通って流れることができ、したがって、少なくとも約80%の電流効率が実現可能である。少なくともいくつかの実施形態では、電流の少なくとも90%がスタックを通って流れ、少なくとも約90%の電流効率が実現可能である。
【0098】
スタックに隣接する小路は垂直に配向されており、それぞれはいくつかのセル対と連通している。これらは
図38に示されるように垂直方向に互い違いに配置され、その結果、各区画室は複数の垂直小路と連通している。垂直小路および水平小路の寸法および間隔は、スタック内の区画室におけるフロー分配と、2つの流れにおける全体的な圧力低下とに影響する。数値流体力学(CFD)ソフトウェアを設計の最適化に用いることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、
図36に示されるような内部小路は、材料ブロックで作製可能である。したがって、内部小路は、フレームに一体化されていてもよい。他の実施形態では、小路の少なくとも一部は、材料の別個の部分に形成されて、その後、フレームに挿入されてもよい。たとえば、インサートは、小路の一部を含む。たとえばインサートはスロットおよび/または溝を有し、個別に形成され、その後フレームに取り付けられる。
【0100】
図39は、それぞれ垂直小路および水平小路を形成する、インサート3995の一面上の垂直スロットおよびその他面上の溝を示す。インサートは、機械加工または成形により作製することができる。
図40は、機械加工による作製によるフレーム4020の設計の例を示す。フレームはインサートのための4つの凹み4025と、4つの比較的広い溝とを有し、ポートマニホルドを形成する。サブブロック同士を封止するためのOリングのための溝などの構造は、わかりやすくするため、示されていない。
図41は、インサート4095が取り付けられる際のフレームの断面図を示す。スタックが隅部において接着剤でもってフレームにポッティングされる前に、各流れについて2つ、全部で4つのインサートが取り付けられる。
図42は、各水平小路が平行な多数の垂直小路と流体連通している様子、および、水平小路がポートマニホルドを介して互いに流体連通する様子を示す断面図である。わかりやすくするため、ここでもセル対のスタックは、透明のボックスで表されている。図示のインサートは、さらに、スタックの上下端にフローを供給するフレーム内のスロットと流体連通している上および下に設けられた付加的なスロットを示す。
図43は、
図39に示されるインサートを収容可能な成形フレーム4310の例を示す。フレームの設計は、有限要素解析(FEA)ソフトウェアを用いて、最大内部圧力の下でのたわみおよび応力についての機械的仕様を満たしつつ、部品コストに影響する重量を最少化するように、最適化可能である。
図44は成形フレーム4420の別の例を示す。インサート用凹み4425は、フレームの全体的に環状の形状に適合する湾曲した壁を有する。このフレーム設計を用いる複数のサブブロックは、積層されて、円筒状ケーシング内に挿入される。
図45は、湾曲した側面に水平の溝を有する対応するインサートを示す。全ての小路がインサート内に配置される必要はない。
図46に示されるように、水平小路を形成するため、水平溝をフレーム4620に設けて、垂直スロットをインサート内に配置してもよい。クロスフロー型モジュール式ユニット用の最良のフレームおよびインサートの設計の選択は、相対的な複雑性および構成部品の作製および組立のコストに影響される。
【0101】
インサートおよびフレームは、必要な機械特性と、処理すべき流体との化学的親和性とを有する材料から作製することができる。海水の脱塩などの用途では、たとえば、プラスチック材料が、その耐食性および低コスト性から好ましい。使用可能なプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PAまたはナイロン)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスルフォン、または、プラスチックブレンド、たとえば、ポリフェニレンオキシド(PPO)とポリスチレン(PS)とのブレンドであるNoryl(登録商標)が挙げられる。補強材たとえばガラス繊維が化学耐性ならびに機械特性および熱特性の向上のために加えられてもよい。
【0102】
1つ以上の実施形態では、電気化学脱イオン装置は、たとえば、少なくとも1つのセル対および1つのフレームを有する。少なくとも1つのセル対は、たとえば、フレーム内に収容される。いくつかの実施形態では、電気化学脱イオン装置は、透析装置を有してよい。他の実施形態では、電気化学脱イオン装置は、電気脱イオン装置を有してよい。フレームはたとえば1つ以上のスロットを有する。いくつかの実施形態では、たとえば、ブロックはスロット内にある。少なくとも1つの実施形態では、スロットはたとえば少なくとも1つのセル対に対して垂直である。
【0103】
1つ以上の実施形態では、クロスフロー型電気化学分離装置は、たとえば、モジュール式ユニットを有する。モジュール式ユニットは、たとえば、少なくとも1つのセル対および1つのフレームを有する。少なくとも1つのセル対は、フレームに取り付けられていてもよい。装置は、たとえば、電気透析装置である。他の実施形態では、装置はたとえば電気脱イオン装置である。フレームはたとえば1つ以上のスロットを有する。いくつかの実施形態では、ブロックはたとえばスロット内に設けられる。少なくとも1つの実施形態では、スロットはたとえば少なくとも1つのセル対に対して垂直である。装置は各モジュール式ユニット間に遮断膜またはスペーサを有してよい。装置は、たとえば複数のモジュール式ユニットを有する。モジュール式ユニットはたとえばマルチパス型フロー構成を可能とするように配置される。いくつかの実施形態では、モジュール式ユニットはたとえば円筒状容器内に収容される。
【0104】
1つ以上の実施形態では、電気化学脱イオン装置の組立方法は、第1のイオン交換膜を第1のスクリーンに接合するステップと、第2のイオン交換膜を第1のイオン交換膜およびスクリーンに接合するステップと、第2のスクリーンを第1のイオン交換膜、第1のスクリーンおよび第2のイオン交換膜に接合して、セル対を形成するステップと、複数のセル対を互いに接合し、セル対のスタックを形成するステップと、セル対のスタックをフレーム内に挿入するステップと、セル対のスタックをフレームに対して封止し、モジュール式ユニットを形成するステップとを含んでよい。該方法は、第1のイオン交換膜をモジュール式ユニットの第1の側面に対して封止するステップと、第2のイオン交換膜をモジュール式ユニットの第2の側面に対して封止するステップと、をさらに含んでよい。いくつかの実施形態では、該方法は、第1のモジュール式ユニットを第2のモジュール式ユニットの上に配置するステップと、付加的なモジュール式ユニットを第1および第2のモジュール式ユニットの上に配置するステップと、所望の数の複数のモジュール式ユニットを得るために繰り返すステップと、をさらに含んでよい。複数のモジュール式ユニットは、たとえば、円筒状容器内に挿入される。
【0105】
いくつかの非限定的な実施形態では、セル対のスタックの上下端には、拡張された膜が配置されている。これは、フレーム内の希釈流、濃縮流および電極流の分離に用いられる。拡張膜は、スタック内の残りの膜とは異なる形状を有してよい。拡張膜は、たとえば、主スタックに対して、少なくとも1つの側、たとえば、両側において接合される。いくつかの実施形態では、たとえば、スクリーンの隅部は、膜の隅部においてスタックから突き出している。スクリーンの突き出た隅部は、後に、隅部のポッティング後に膜を固定するための補強部として機能することができ、または、隅部のポッティングの際に、低粘度のポッティング材料をスタック内に引き入れるために毛管作用で運ぶことができる。上部および下部膜の拡張部分は、
図47Aに示されるように折りたたまれてよく、
図47Bに示されるように、4つの隅部のポッティングの完了後に区画室を形成するために接合されてもよい。形成された区画室を用いて、スタック内の封止の完全性を検査できる。その後、最終組立後に希釈流体を別のサブブロックに向かわせるために、開口が形成されてもよい。濃縮流は、希釈流および電極流体から分離される。Oリングまたはガスケットは、サブブロックが別のサブブロックまたは電極板に接合される場合に用いることができる。いくつかの実施形態では、1つのOリングまたはガスケットが接続形成のために用いられてもよい。サブブロックにおいて、内部支持構造の4つの片がスタックの4つの隅部とともにポッティングされて、流入ポートおよび流出ポートのための側壁上の平坦面を形成してもよい。流れ同士が確実に混ざらないように、サブブロック接続において濃縮流と希釈流とを分離するための代替的なフロー経路を形成するため、2つのサブアセンブリの組立の際にポートが重要な場合がある。これらは、また、たとえば、その上下の膜上に平坦な固い表面を形成し、組立時のサブブロックと端部ブロックとの間の封止を促進する。外部支持構造は、モジュール式ユニットの陽圧に耐える補強材として働き、膜の破断を防ぎうる。外部支持構造はまた、接合を強めるための内部支持構造とともに働きうる。外部支持構造の各片上の突起は、配列ずれを防ぐための、組立時のガイドとなりうる。ポートコネクタはサブトラックの接続を提供しうる。拡張膜を介したサブブロック接続にわたるフロー経路が必要な場合に、ポートコネクタは塞がれてもよい。ポッティング材料を射出成形して隅部を成形する前に拡張膜の4つの側のすべてが確実にフレーム上パターンに折りたたまれるように、これは外部および内部支持構造を適切な位置に固定しうる。上部および下部スクリーンは、拡張膜に付加的な保持強度を付与するために、隅部のポッティングとともにポッティングしてもよい。2つのスクリーンは各接続におけるサブブロックの拡張膜間のスペーサとして機能しうる。Oリングまたはガスケットのための溝が、隅部がポッティングされた構造の両端に成形されてもよい。動作中、隅部がポッティングされた構造は、マニホルド内の正の圧力に耐えるため、内部および外部支持構造をともに保持しうる。スクリーンの隅部を介して毛管作用で送達するポッティングされた隅部部分は、スタックを封止するよう働く。該部分はさらにクロスリークを防ぐ、濃縮マニホルドから希釈マニホルドを分離するための分離ブロックとしても機能する。隅部構造の端部は、全ての接続における封止の締め付けを防ぐストッパとして機能する。
図47Cは、これらの実施形態に従うアセンブリを示す。いくつかの実施形態では、製造は膜間の接合の第1の組と、スタックの4つの隅部での接合の第2の組とを含む。たとえば、複数のモジュール式ユニットがOリングなどとともに組み立てられ、サブブロックの品質制御試験は作製時に行われてもよい。
【0106】
1つまたは複数の実施形態では、セルスタックは、たとえば、流入口マニホルドおよび流出口マニホルドを含むフレームまたは支持構造体内に固定され、モジュール式ユニットが形成される。このモジュール式ユニットはその後ケーシング内に固定されてもよい。モジュール式ユニットはさらに、モジュール式ユニットをケーシングに固定可能なブラケットアセンブリまたは隅部サポートを有する。第2のモジュール式ユニットは、たとえばケーシング内に固定される。1つ以上の付加的なモジュール式ユニットがさらにケーシング内に固定されてもよい。本発明の特定の実施形態では、遮断スペーサが、第1のモジュール式ユニットと第2のモジュール式ユニットとの間に配置されてもよい。いくつかの非限定の実施形態では、1パス型フロー構成における希釈室および濃縮室を有するセル対のスタックは、たとえば、各部分で封止され、モジュール式ユニットを形成する。ユニットは、たとえば、遮断スペーサとともに間に接合され、マルチパス構成を形成する。スタックは隅部において接着剤を用いてケーシング部分に対して封止されてよい。遮断スペーサは、ケーシングの内壁に封止される必要はないが、代わりに、モジュール式ユニットの間に挟まれ、端部間で封止される。いくつかの非限定的な実施形態では、端部にフランジを有する2つのモジュール式ユニットは、たとえば、間に遮断スペーサを有して積層される。フランジはたとえば互いにボルト締めされる。遮断スペーサはたとえばフレームとともに成形され、フランジの間で接着剤またはガスケットにより封止される。代替的に、フレームは、熱可塑性材料で成形され、または、他の作製方法で成形されてもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、モジュール式ユニットは、クランプまたは連結バーで接続されてもよい。遮断スペーサの設計は、適宜調整可能である。
図48は、フランジを有するモジュール式ユニットの非限定的な実施形態を示す。
【0107】
1つ以上の実施形態では、上述のインサートは、たとえば、均一なフロー分配と、電気化学分離装置を介したフローにおける膜を介したより低い圧力低下とを促進するよう設計されている。均一なフロー分配は、スペーサにおけるスケーリングを防ぎ、電流効率を向上するために役立ちうる。流入ポートおよび流出ポートの位置、および、インサートの開口寸法はフロー分配に影響するように変更可能である。CFDソフトウェアを用いてフロー分配および圧力低下の評価を容易に行える。より低い圧力低下はより低いポンプ供給要件をもたらしうる。モジュール式ユニットのコストは、モジュール式ユニットがより薄い材料で構築されるほど、低減できる。インサートは、フロー分配器として機能し、電流効率を改善可能である。ポートおよびスロットの寸法は、フロー分配を変更するために、インサートに対して変更されてもよい。
図49は中心に配置されたポート4997を有するフロー分配器またはインサート4995を示す。いくつかの実施形態では、インサートのスロットの寸法は、種々の位置において異なってよい。
【0108】
上記のおよび他の実施形態の機能および利点は、以下の実施例からより十分に理解されるだろう。実施例は当然に例示的なものに過ぎず、本明細書中に記載の実施形態の範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
【実施例】
【0109】
(実施例1)
2つのモジュール式ユニットをクロスフロー型構成を用いて構築した。いずれのモジュール式ユニットも50個のセル対を1つの小路に含んでいた。対照のモジュール式ユニットはフレームを有さず、
図27および28に示すように単に環状の容器内に挿入した。第2のモジュール式ユニットは、
図29および30に示されるように、スロットを含むフレームを有して構築された。両方のモジュール式ユニットの膜当たりの有効面積は0.024m
2であった。フロー経路の長さは17.1cmである。膜間距離は0.038cmである。いずれのモジュール式ユニットもNaClを含む供給水について動作させた。電位は両方のモジュール式ユニットを印加し、電流効率を決定した。
【0110】
動作パラメタは以下である。
【0111】
【表1】
【0112】
フレームを有しない対照のモジュール式ユニットについて、49%の電流効率が測定された。フレームを有するモジュール式ユニットについて、63.3%の電流効率が測定された。これは、スロットを有するフレームを用いた場合に、電流効率が約29%改善されたことを示している。
【0113】
(実施例2)
3パス型フロー構成の145個のセル対を有するプロトタイプのモジュール式ユニットを組み立てた。セル対は3つのフレームを有し、各フレームは、50個のセル対、50個のセル対および45個のセル対をそれぞれ有している。供給水として56mS/cmのNaCl溶液を用いた試験において、平均プロセス効率は、2.0〜4.3cm/sの範囲の流速で65%であった。
【0114】
(実施例3)
支持フレームにインサートを有するモジュール式ユニット(ベータ2.5)を、支持フレームにインサートを有しないモジュール式ユニット(ベータ2)と比較して動作させた。データは
図4に示されており、インサートに関連してより高い圧力低下を示した。
【0115】
(実施例4)
中心にマニホルドを有するインサートを有するモジュール式ユニットを、モデル化し、数値流体力学(CFD)ソフトウェアを用いてオフセットマニホルドを有するインサートを有するモジュール式ユニットと比較してシミュレートした。結果は、オフセットマニホルドが中心マニホルドよりも側面において低い流速のフローのより広い領域に関連したことが示された。スケーリングは低速の領域において形成されやすく、したがって、中心マニホルドはよりよいフロー分配を提供しうる。中心マニホルドはまた、オフセットマニホルドのそれよりも約14%低い圧力低下に関連した。
【0116】
本明細書中に記載の方法および装置の実施形態は、上述の記載のおよび添付図面に示された構成要素の構成および配置の詳細への適用に限定されない。該方法および装置は、他の実施形態で実施可能であり、種々のやり方で実行または実施可能である。特定の実施形態の実施例が、本明細書中で例示を目的として提供されているが、限定を意図したものではない。特に、1つ以上のいずれの実施の形態に関連して説明されたステップ、要素および特徴も、任意の他の実施形態における同様の役割を排除することを意図されない。
【0117】
また、本明細書中で用いられる表現および用語は、説明を目的としたものであり、限定と見なされるべきではない。実施形態への任意の参照または単数形で本明細書中で示されたシステムおよび方法の要素またはステップは、これらの要素の複数を含む実施形態を受け容れるものではなく、本明細書中における複数形の、実施形態または要素またはステップに対する任意の記載はただ1つの要素を含む実施形態を受け容れ可能である。「含む」、「有する」、「備える」、「含有する」、「包含する」、およびそのバリエーションの本明細書中での使用は、その後に示される項目およびその等価物ならびに付加的な項目を含むことを意図する。「または」の記載は択一的なものでは無く、「または」を用いて示された任意の語も1つ、複数、およびすべての記載された語を示しうる。前後、左右、上下、頂部底部、および、水平垂直の任意の記載も説明の便宜を意図したものであり、本発明のシステムおよび方法またはその構成要素をいずれか1つの位置的または空間的配向に限定するものではない。
【0118】
少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様について上記で説明したが、種々の変更、修正および改良も当業者にとって容易になし得ることは理解されるべきである。かかる変更、修正および改良は本発明の一部であると意図され、本発明の範囲内にあると意図される。したがって、上記記載および図面は、例示的なものにすぎない。