(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記操作位置検出部によって前記初期位置が検出されたとき、前記移動方向と表示態様の対応関係を示す画像を、前記表示部に表示させる請求項1に記載の表示装置。
前記数値変化量算出部は、前記数値変化量を、前記第1移動情報検出部によって検出された移動量が大きいほど、前記数値変化量を大きな値として算出する請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
前記数値変化量算出部は、前記数値変化量を、表示変化が開始された時点の数値から表示限界として設定されている限界値までの残り量に応じて変更して算出する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、上記設定値の候補を示す数値が表示部に順次切り換わって表示される場合、操作者が自身にとっての見やすさ及び操作性を向上させるためには、上記切換時の数値変化量の幅や、切換時の速度を適宜変更できることが好ましく、また、表示対象とされる数値の表示態様、例えば、表示色や大きさ等も操作者が適宜変更できることが好ましい。さらには、これら数値変化量、切換速度、及び表示態様を変更する際の操作は、操作者にとって容易であることが好ましい。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、装置で動作可能な機能についての設定値の候補として表示部に表示される数値の変化量、各数値の表示切換速度、及び表示態様を、操作者による簡単な操作で変更可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る表示装置は、画像を表示する表示部と、
前記表示部による表示動作を制御する表示制御部と、
前記表示部の表示画面上における操作者による操作位置を検出する操作位置検出部と、
前記操作位置検出部によって、初期位置としての前記操作位置が検出され、当該初期位置から連続する座標位置となる前記操作位置が続けて検出された後に当該検出が停止した場合における、当該初期位置から当該停止した第1次停止位置までの移動方向及び移動量を示す第1移動情報を検出する第1移動情報検出部と、
前記第1次停止位置から連続する座標位置となる操作位置が予め定められた方向に続けて検出された後に当該検出が再度停止した場合における、前記第1次停止位置から当該再
度停止した第2次停止位置までの移動量を検出する第2移動情報検出部と、
前記表示制御部が前記表示部に複数の数値を値の大きさ順に順次切り換えて表示させる場合における表示切換毎の数値変化量を、前記第1移動情報検出部によって検出された移動量から算出する数値変化量算出部と、
前記第2移動情報検出部によって検出された移動量から、前記表示制御部が前記数値変化量で前記数値を順次切り換える場合における表示切換毎の切換速度を算出する切換速度算出部と、
前記第1移動情報検出部によって検出された前記移動方向に応じて、前記表示部への表示対象とされる数値の表示態様を決定する表示態様決定部とを備え、
前記表示制御部は、前記表示態様決定部により決定された表示態様を用いて、前記算出された数値変化量で前記数値を前記表示部に順次切り換えて表示し、当該切換表示時の切換速度を前記算出された切換速度とするものである。
【0008】
また、本発明の一局面に係る表示制御プログラムは、表示部による表示動作を制御する表示制御部と、
前記表示部の表示画面上における操作者による操作位置を検出する操作位置検出部と、
前記操作位置検出部によって、初期位置としての前記操作位置が検出され、当該初期位置から連続する座標位置となる前記操作位置が続けて検出された後に当該検出が停止した場合における、当該初期位置から当該停止した第1次停止位置までの移動方向及び移動量を示す第1移動情報を検出する第1移動情報検出部と、
前記第1次停止位置から連続する座標位置となる操作位置が予め定められた方向に続けて検出された後に当該検出が再度停止した場合における、前記第1次停止位置から当該再度停止した第2次停止位置までの移動量を検出する第2移動情報検出部と、
前記表示制御部が前記表示部に複数の数値を値の大きさ順に順次切り換えて表示させる場合における表示切換毎の数値変化量を、前記第1移動情報検出部によって検出された移動量から算出する数値変化量算出部と、
前記第2移動情報検出部によって検出された移動量から、前記表示制御部が前記数値変化量で前記数値を順次切り換える場合における表示切換毎の切換速度を算出する切換速度算出部と、
前記第1移動情報検出部によって検出された前記移動方向に応じて、前記表示部への表示対象とされる数値の表示態様を決定する表示態様決定部として、コンピューターを機能させ、
更に、前記表示制御部が、前記表示態様決定部により決定された表示態様を用いて、前記算出された数値変化量で前記数値を前記表示部に順次切り換えて表示し、当該切換表示時の切換速度を前記算出された切換速度とするように、コンピューターを機能させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置に入力する数値を操作者に選択させるために入力候補の数値が順次切り換わって表示部に表示される際における、当該切換表示時の数値変化量、切換速度、及び例えば表示色や大きさ等の表示態様を、簡単な操作で変更することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置及び表示制御プログラムについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置としての情報処理装置が備える内部構成の概略を示すブロック図である。
【0012】
本発明の一実施形態に係る表示装置としての情報処理装置1は、制御ユニット10と、ROM11と、RAM12と、HDD13と、表示部14と、通信インターフェイス15と、入力部16とを備える。これら各部は、互いにCPUバスによりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0013】
制御ユニット10は、CPU等からなり、情報処理装置1全体の動作制御を司る。ROM11は、情報処理装置1の基本動作についての動作プログラムを記憶する。RAM12は、制御ユニット10の動作領域等として使用される。
【0014】
HDD13は、その記憶領域の一部に、印刷の対象とする文書データ又は画像データ等の各種データを記憶する。HDD13には、本発明の一実施形態に係る表示制御プログラムが記憶されている。制御ユニット10は、当該表示制御プログラムに従って動作することで、制御部100(当該表示制御に係る機能のみ)、第1移動情報検出部102、第2移動情報検出部103、数値変化量算出部104、切換速度算出部105、及び表示態様決定部106として機能する。但し、制御ユニット10の制御部100(当該表示制御に係る機能のみ)、第1移動情報検出部102、第2移動情報検出部103、数値変化量算出部104、切換速度算出部105、及び表示態様決定部106は、表示制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0015】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、各種データの内容、当該
情報処理装置1を操作する操作者に対する操作案内等が表示される。通信インターフェイス15は、ネットワーク接続された複合
機等とのデータ通信を行うためのインターフェイスとして機能する。
【0016】
表示部14には、タッチパネル部141が設けられている。タッチパネル部141は、表示部14の表示画面部分に設けられており、当該表示画面上における操作者による接触を接触位置(座標位置)と共に検知する。タッチパネル部141は、操作者による当該接触を検知すると、当該接触位置を示す検知信号を、制御部100、第1移動情報検出部102、第2移動情報検出部102、及び表示態様決定部106等に出力する。なお、当該タッチ3ネル部141には、表示画面への接触がなくても、操作者の指等が表示画面に対して一定距離まで接近した場合に当該指等を検出するタッチパネルも含まれる。このため、本実施形態でいう「接触」には、表示画面への接触がなくても指等が上記一定距離まで接近したことがタッチパネル部141の機能により検出される状態も、実質的に接触したとして含まれるものとする。本実施形態では、「接触位置」が特許請求の範囲における操作位置の一例となる。
【0017】
タッチパネル部141は、操作者が表示部14の表示画面上に指を接触させた状態で、指を表示画面上でスライド移動させると、最初に接触を検出した初期位置から、最後に接触を検出した最終位置までの各移動位置を示す検知信号を制御部100に出力する。なお、タッチパネル部141は、特許請求の範囲における操作位置検出部の一例となる。
【0018】
入力部16は、キーボードやマウス等から構成され、情報処理装置1に対する操作指示が操作者から入力される。例えば、ドキュメントの印刷指示等が入力部16に入力される。
【0019】
制御ユニット10は、上述したように、制御部100、第1移動情報検出部102、第2移動情報検出部103、数値変化量算出部104、切換速度算出部105、及び表示態様決定部106を備える。
【0020】
制御部100は、情報処理装置1全体の動作制御を司るものである。
【0021】
第1移動情報検出部102は、タッチパネル部141によって、初期位置としての接触位置が検出され、更に当該初期位置から連続した座標位置となる接触位置が続けて検出された後、当該検出が停止して停止位置(第1次停止位置)が検出された場合に、初期位置から第1次停止位置までの移動方向及び移動量を示す第1移動情報を、タッチパネル部141から取得する上記検知信号に基づいて検出する。
【0022】
第2移動情報検出部103は、上記第1次停止位置から連続する座標位置となる接触位置が予め定められた方向に続けて検出された後に、当該検出が停止して再び停止位置(第2
次停止位置)が検出された場合に、第1次停止位置から当該第2次停止位置までの移動量を、タッチパネル部141から得られる上記検知信号に基づいて検出する。
【0023】
予め定められた方向は、例えば、初期位置から第1次停止位置に向かう方向に対して直交する方向とされる。なお、予め定められた方向は、当該直交方向に限定されず、他の方向とすることも可能である。
【0024】
数値変化量算出部104は、制御部100が表示部14に複数の数値を値の大きさ順に順次切り換えて表示させる場合における、表示切換毎の数値変化量を、第1移動情報検出部102によって検出された移動量から算出する。
【0025】
切換速度算出部105は、第2移動情報検出部103によって検出された上記移動量から、制御部100が上記算出された数値変化量で数値を順次切り換える際における表示切換毎の切換速度を算出する。
【0026】
制御部100は、特許請求の範囲における表示制御部として、表示部14の表示動作を制御する。制御部100は、複数の数値を値の大きさ順に順次切り換えて、表示部14に表示させる。制御部100は、数値変化量算出部104によって算出された数値変化量で数値を順次切り換えて表示し、当該切換表示時の切換速度を切換速度算出部105によって算出された切換速度として、表示対象とする数値を表示部14に切り換えて表示させる。
【0027】
制御部100が、例えば、数値0〜1000を順次切り換えて表示する場合に、数値を0→1→2→3→…→998→999→1000のように、1ずつの単位で表示を切り換える場合には、当該1が上記数値変化量である。
【0028】
また、制御部100が、数値1〜1000を順次切り換えて表示する場合に、数値を0→10→20→…→980→990→1000のように、10ずつの単位で表示を切り換える場合には、当該10が上記数値変化量である。
【0029】
また、上記切換速度は、制御部100が数値を上記数値変化量で切換表示する際における、表示中の数値から次に表示する数値に切り換えるまでの時間、換言すれば、表示対象とされる複数の数値のうち1つの数値を表示する表示時間である。
【0030】
表示態様決定部106は、第1移動情報検出部102によって検出された上記移動方向に応じて、表示部14への表示対象とされる数値の表示態様を決定する。操作者は、表示部14の表示画面に接触したとき、その初期位置から、360度のいずれの方向に対しても指をスライド移動させることが可能である。すなわち、操作者は、上記初期位置から第1次停止位置に向かう移動方向をいずれの方向とすることも可能である。表示態様決定部106は、初期位置を中心として、周囲360度の領域を予め定められた角度毎に複数の領域に分けて記憶し、各領域について異なる表示態様を記憶している。表示態様決定部106は、第1移動情報検出部102によって上記移動方向が検出されたとき、当該移動方向がいずれの領域に属するかを判断し、当該属する領域について記憶している表示態様を、当該移動方向についての表示態様として決定する。
【0031】
次に、情報処理装置1における表示部14の表示制御について第1実施形態を説明する。
図2は、情報処理装置1における表示制御の第1実施形態を示すフローチャートである。
図3は表示部14の表示画面の一例を示す図である。
【0032】
情報処理装置1において、例えばワードプロセッサー等が起動されている状態で、操作者が、入力部16にドキュメントの印刷指示を入力すると、この印刷指示に基づいて、制御部100がプリンタードライバーを起動させる。表示部14には、制御部100による表示制御により、
図3に示すような印刷設定画面D1が表示されているものとする(S1)。
【0033】
この印刷設定画面D1は、印刷画像の拡大率・縮小率を指定する拡大率・縮小率設定画像表示領域d1、又は印刷部数を設定する部数設定画像表示領域d2を有している。これら拡大率・縮小率設定画像表示領域d1には、情報処理装置1が動作可能な機能として有する印刷画像の拡大縮小機能についてその設定値である拡大率及び縮小率を操作者から受け付けるための画像が表示される。部数設定画像表示領域d2は、情報処理装置1が動作可能な機能として有する印刷部数設定機能の設定値を、操作者から受け付けるための画像が表示される。すなわち、印刷設定画面D1は、これらの各機能の設定値を受け付けるための設定値入力画面である。
【0034】
表示部14に印刷設定画面D1が表示されている状態において、操作者が、例えば、拡大率・縮小率設定画像表示領域d1に指で接触すると、タッチパネル部141が、当該接触位置における表示画面上の座標位置を検出する。制御部100は、当該検出された座標位置と、拡大率・縮小率設定画像表示領域d1の座標位置として予め記憶している座標位置との一致をもって、操作者による拡大率・縮小率設定画像表示領域d1での接触を検出する。
【0035】
このようにして、機能の設定値を受け付けるための画像を表示する領域(拡大率・縮小率設定画像表示領域d1)における操作者による接触が検出されたとき(S2でYES)、制御部100は、操作者による表示画面へのタッチ操作により設定値を示す数値の表示切換についての数値変化量及び切換速度を設定可能であることを示すメッセージを表示部14に表示させる(S3)。例えば、制御部100は、
図4に例を示すメッセージ画面D2を、ポップアップウインドウにより印刷設定画面D1上に表示させる。制御部100は、当該メッセージ画面D2の表示を予め定められた時間(例えば、5秒)の経過後に停止
させる。なお、S2でNOの場合は、処理は終了する。
【0036】
ここで、第1移動情報検出部102は、上記S2で検出された接触の座標位置を初期位置として記憶する。そして、操作者が、表示部14の表示画面上で当該初期位置に指を接触させたまま、いずれかの方向に指をスライド移動させると、タッチパネル部141は、当該移動に伴って時間経過と共に変化する指の各接触位置を示す検知信号を、第1移動情報検出部102に出力する。
【0037】
第1移動情報検出部102は、タッチパネル部141から取得する上記検知信号の示す各接触位置の座標位置が、上記初期位置から連続した(繋がった)座標位置を示しているかを判断する(S4)。なお、S4でNOとなる場合は、処理は終了する。
【0038】
第1移動情報検出部102は、上記検知信号の示す各接触位置の座標位置が上記連続した座標位置を示していると判断している間は(S4でYES)、当該連続した座標位置を示す検知信号の受信が続いているか否かを判断している(S5でNO)。
【0039】
ここで、第1移動情報検出部102は、当該連続した座標位置を示す検知信号の受信が終了したとき、すなわち、操作者が上記初期位置からの指のスライド操作を停止させたことに応じて、上記初期位置からの連続した座標位置を示す接触位置の検出が終了したと判断したとき(S5でYES)、当該初期位置から、当該スライド操作が停止された最後の接触位置である第1次停止位置までの移動方向及び移動量を、上記検知信号が示す初期位置及び第1次停止位置の各座標位置に基づいて検出する(S6)。
【0040】
ここまでの処理を操作者による操作と対応付けて説明する。例えば、
図5に示すように、操作者が表示部14に表示されている印刷設定画面D1の拡大率・縮小率設定画像表示領域d1に人差し指で接触すると、第1移動情報検出部102が当該接触位置を初期位置A1として記憶する。
【0041】
続いて、操作者が、
図6に示すように、上記初期位置A1から人差し指をスライド移動させ、ある地点A2で当該スライド動作を停止させると、第1移動情報検出部102は、当該地点A2の座標位置を第1次停止位置A2として記憶し、初期位置A1から第1次停止位置A2までの移動量M1を算出する。また、第1移動情報検出部102は、初期位置A1から第1次停止位置A2に向かう移動方向DR1を算出する。
【0042】
続いて、表示態様決定部106が、S6で第1移動情報検出部102によって検出された上記移動方向に応じて、表示部14への表示対象とされる数値の表示態様を決定する(S7)。
【0043】
図7は、初期位置周辺の各領域について記憶されている各色を示すテーブルのイメージ図である。表示態様決定部106は、上記座標位置が示す1点を中心として、周囲360度
の領域を、予め定められた角度の一例である60度毎に複数の領域AR1〜AR6に分けて記憶している。表示態様決定部106は、領域AR1〜AR6のそれぞれについて、各領域の座標位置と、領域別の色を記憶している。本実施形態では、表示態様決定部106は、領域AR1に黒色、AR2に赤色、AR3にピンク色、AR4に橙色、AR5に黄緑色、AR6に青色を対応付けて記憶している。
【0044】
上述した初期位置からのスライド動作時に、操作者が、例えば
図8(A)に示す方向にスライド移動を行い、このスライド動作に伴って検出される上記移動方向DR1が領域AR2内である場合、表示態様決定部106は、領域AR2に対応付けて記憶されている赤色を、数値の表示態様として決定する。
【0045】
また、操作者が、例えば
図8(B)に示す方向にスライド移動を行い、このスライド動作に伴って検出される上記移動方向DR1が領域AR6内である場合、表示態様決定部106は、領域AR6に対応付けて記憶されている青色を、数値の表示態様として決定する。
【0046】
また、表示態様決定部106により決定される上記表示態様としての文字色としては、数値を示す文字自体の色の他、当該文字が表示される領域の背景色であってもよい。本実施形態では、文字色の場合を例にして説明する。
【0047】
なお、表示態様決定部106は、上記各領域についての表示態様として、文字サイズ(文字の大きさ)を記憶していてもよい。
図9は、初期位置周辺の各領域について記憶されている各文字サイズを示すテーブルのイメージ図である。例えば、表示態様決定部106は、領域AR1に18ポイント、AR2に16ポイント、AR3に14ポイント、AR4に10ポイント、AR5に8ポイント、AR6に4ポイントを対応付けて記憶している。この実施形態においても、表示態様決定部106は、上記表示態様を色とする実施形態と同様に、上記スライド動作に伴って検出される上記移動方向が属する領域に対応付けて記憶されている文字サイズを、数値の表示態様として決定する。
【0048】
このように、表示態様決定部106が、上記初期位置から第1
次停止位置までの移動方向に応じて、表示対象とされる数値の表示態様を決定することにより、操作者は、初期位置から指をスライド移動させる方向を選択することにより、設定値の候補として表示される数値の色又はサイズを変更することができる。
【0049】
なお、制御部100は、S2において初期位置が検出されたときに、
図7に示す対応テーブルTの画像を、表示部14の表示画面に表示させるようにしてもよい。この場合、操作者は、対応テーブルTが示す案内に基づいて、いずれの領域において指をスライド移動させれば所望の表示態様を設定できるかを把握できるため、所望の表示態様の設定操作が容易になる。
【0050】
続いて、数値変化量算出部104は、S6で算出された移動量に応じた上記数値変化量を算出する(S8)。数値変化量算出部104は、例えば、各移動量と、各移動量に対応する数値変化量とを関連付けてデータテーブルにより記憶している。数値変化量算出部104は、当該データテーブルから、算出した移動量に対応する数値変化量を読み出すことによって、当該数値変化量を算出する。なお、数値変化量算出部104は、各移動量に対応する係数を記憶しており、当該係数を用いて当該数値変化量を算出するようにしてもよい。
【0051】
なお、数値変化量算出部104は、上記S8で算出された移動量の変化に比例させて上記数値変化量を算出する。すなわち、数値変化量算出部104は、移動量が大きいほど数値変化量を大きくし、移動量が小さいほど数値変化量を小さくする。
【0052】
例えば、上記
図5及び
図6を用いて説明したように、第1移動情報検出部102により初期位置A1から第1次停止位置A2までの移動量M1が検出された場合、数値変化量算出部104によって、当該移動量M1に対応する数値変化量が算出される。例えば、
図10(A)に示すように、操作者が初期位置A1からスライドさせた指の移動量M1が小さい場合(例えば後述する移動量M110の10分の1)には、制御部100が数値を0→1→2→3→…→998→999→1000のように1ずつの単位で表示を切り換えるように、数値変化量算出部104が数値変化量を算出する。
【0053】
また、
図10(B)に示すように、移動量M1よりも大きな移動量M102(例えば、移動量M1の2倍)に対しては、制御部100が数値を0→2→4→6→…→996→998→1000のように2ずつの単位で表示を切り換えるように、数値変化量算出部104が数値変化量を算出する。
【0054】
また、
図10(C)に示すように、移動量M1よりも遙かに大きな移動量M110(例えば、移動量M1の10倍)に対しては、制御部100が数値を0→10→20→30→…→980→990→1000のように10ずつの単位で表示を切り換えるように、数値変化量算出部104が数値変化量を算出する。
【0055】
これにより、操作者が表示部14の表示画面に接触させた指をスライド動作させたときにスライド移動量M1を調整することで、拡大率・縮小率設定画像表示領域d1に表示される数値を切り換えて新たな数値を表示させる際における現在表示されている数値から次に表示される数値までの変化量(幅)を所望の値に設定することが可能になる。
【0056】
続いて、第2移動情報検出部103は、タッチパネル部141から取得する検知信号が示す上記各接触位置の座標位置が、上記第1次停止位置から上記予め定められた方向に連続した座標位置を示すかを判断する(S9)。
【0057】
第2移動情報検出部103は、上記検知信号の示す各接触位置の座標位置が、第1次停止位置から連続した座標位置を示していると判断している間は(S9でYES)、当該連続した座標位置を示す検知信号の受信が続いているか否かを判断している(S10でNO,S9)。
【0058】
ここで、第2移動情報検出部102が、当該連続した座標位置を示す検知信号の受信が終了した、すなわち、操作者が上記第1次停止位置からの上記予め定められた方向における指のスライド操作を停止させ、上記第1次停止位置からの連続した座標位置を示す接触位置の検出が終了したと判断したときは(S10でYES)、当該第1次停止位置から、当該スライド操作が停止された接触位置である第2次停止位置までの移動量を、上記検知信号が示す第1次停止位置及び第2次停止位置の各座標位置に基づいて検出する(S11)。
【0059】
この処理を操作者による操作と対応付けて説明する。例えば、
図8(A)又は
図11に示すように、操作者が上記第1次停止位置A2から、人差し指を上記予め定められた方向として上記移動方向DR1に対して直交する方向DR2にスライド移動させ、ある地点A3で当該スライド動作を停止させると、第2移動情報検出部103は、当該地点A3の座標位置を第2次停止位置A3として記憶し、第1次停止位置A2から第2次停止位置A3までの移動量M2を算出する。
【0060】
続いて、切換速度算出部105は、上記S11で算出された移動量に応じて、制御部100が上記算出された数値変化量で数値を順次切り換える際における表示切換毎の切換速度を算出する(S12)。例えば、切換速度算出部105は、例えば、各移動量と、各移動量に対応する切換速度とを関連付けてデータテーブルにより記憶している。切換速度算出部105は、当該データテーブルから、算出した移動量に対応する切換速度を読み出すことによって、当該切換速度を算出する。なお、切換速度算出部105は、各移動量に対応する係数を記憶しており、当該係数を用いて当該切換速度を算出するようにしてもよい。
【0061】
上記
図11を用いて説明したように、第2移動情報検出部103により第1次停止位置A2から第2次停止位置A3までの移動量M2が検出された場合、切換速度算出部105によって、当該移動量M2に対応する表示の切換速度が算出される。例えば、
図12(A)に示すように、操作者が第1次停止位置A2からスライドさせた指の移動量M2が小さい場合(例えば後述する移動量M210の10分の1)には、制御部100が数値をn秒単位で表示を切り換えるように、切換速度算出部105が切換速度を算出する。
【0062】
また、
図12(B)に示すように、移動量M2よりも大きな移動量M202(例えば、移動量M2の2倍)に対しては、制御部100が数値を2n秒単位で表示を切り換えるように、切換速度算出部105が切換速度を算出する。
【0063】
また、
図12(C)に示すように、移動量M2よりも遙かに大きな移動量M210(例えば、移動量M2の10倍)に対しては、制御部100が数値を10n秒単位で表示を切り換えるように、切換速度算出部105が切換速度を算出する。
【0064】
これにより、操作者が表示部14の表示画面において第1次停止位置A2から予め定められた方向へ指をスライド動作させたときにスライド移動量M2を調整することで、拡大率・縮小率設定画像表示領域d1に表示されている数値から次に表示される数値を表示するまでの速度(時間)を所望の値に設定することが可能になる。
【0065】
この後、操作者による拡大率・縮小率設定画像表示領域d1の数値表示部分D11、又はプルアップ・プルダウンキー画像d12における接触がタッチパネル部141により検出されると、制御部100は、S7で表示態様決定部106により決定された表示態様と、S8で数値変化量算出部104により算出された数値変化量と、さらに、S12で切換速度算出部105により算出された切換速度を用いて、表示対象とする複数の数値を順次切り換えて表示部14に表示させる(S13)。
【0066】
これにより、操作者は、表示部14の表示画面に接触して2方向に指をスライド移動させ、各方向においてのスライド移動量を調整するという一連の簡単な操作で、表示部14に設定値の候補値として切換表示される数値の数値変化量と切換速度の両方を調整でき、更に、当該数値の表示態様も調整できる。
【0067】
例えば、操作者は、数値が値1毎に切換表示される場合には、所望の値に早く表示させるために切換速度を速くしたり、数値が値10毎に切換表示される場合には、表示される値の変化を見やすくするために切換速度を遅くするといった調整を、表示画面上での指のスライド操作によって簡単に行える。
【0068】
さらに、操作者は、上記初期位置から第1
次停止位置まで指をスライド移動させるときの移動方向を上記各領域AR1〜AR6のいずれの領域において行うかを選択することによって、上記2方向へのスライド動作を行うことで、表示対象とされる数値の表示態様まで設定することが可能である。これにより、数値が値1毎に切換表示される場合には黒色表示とし、数値が値10毎に切換表示される場合には赤色表示とするなど、簡単な操作で操作者が自在に設定可能である。
【0069】
すなわち、操作者は、数値表示時における上記数値変化量、切換速度及び表示態様の変更を、シームレスな一連の指の動きで行うことが可能であるため、従来のような特別なプログラムを起動して設定変更を行う場合の操作よりも、効率よく行うことができる。
【0070】
次に、情報処理装置1における表示制御について第2実施形態を説明する。
図13は、情報処理装置1における表示制御の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、
図2に示した第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0071】
第2実施形態では、第1移動情報検出部102が、上記初期位置からの連続した座標位置を示す接触位置の検出が終了したと判断して(S25でYES)、初期位置から第1次停止位置までの移動方向及び移動量を算出したときに(S26)、表示態様決定部106により上記表示態様が決定されると
(S27)、数値変化量算出部104は、この時点で表示されている数値(S22において初期位置が検出された時点で制御部100が表示させている数値)としての現在値から、設定変更可能な最大値及び最小値の数値までのそれぞれの差を算出する(S
28)。
【0072】
そして、数値変化量算出部104は、当該算出した差に応じて、上記各移動量に対する数値変化量を再設定する(S29)。
【0073】
例えば、上記のように0〜1000の数値が設定可能な範囲とされている場合、数値変化量算出部104は、現在値から最大値及び最小値までの差の絶対値(以下、単に「差」という)が、所定値以上、例えば500以上ある場合には、最大値又は最小値のうち当該所定値以上の差を有する方向への移動量については、上記データテーブルに記憶されている移動量に関連付けられた数値変化量をそのまま維持する。
【0074】
一方、数値変化量算出部104は、当該差が500未満である場合には、最大値又は最小値のうち当該所定値未満の差を有する方向への移動量については、差の値に応じて、すなわち、500に対する当該差の値の比に応じて、上記データテーブルに記憶されている各移動量に関連付けられた数値変化量の値を変更することにより再設定する。例えば、当該比が大きいほど当該関連付けられた数値変化量の値を小さくする。
【0075】
この後、数値変化量算出部104は、S26で算出された移動量に応じた上記数値変化量を、上記再設定後の数値変化量を有するデータテーブルに従って算出する(S30)。
【0076】
これにより、設定値を変更可能な残りの数値群(残り量)が少ない場合には、操作者による指示で指定された第1移動情報検出部102が検出する各移動量に応じて算出される数値切換表示時の数値変化量を制限して、操作者が、当該残り少ない設定値候補となる各値の中から所望の値を見つけやすい表示とすることが可能になる。
【0077】
なお、数値変化量算出部104は、設定値を変更可能な残りの数値群(残り量)が多い場合にも、差の値に応じて、すなわち、500に対する当該差を示す値の比に応じて、上記データテーブルに記憶されている各移動量に関連付けられた数値変化量の値を変更して再設定してもよい。例えば、数値変化量算出部104は、当該比が小さいほど当該関連付けられた数値変化量の値を大きくする。
【0078】
次に、情報処理装置1による表示処理の第3実施形態を説明する。
図14は、情報処理装置1による表示処理の第3実施形態を示すフローチャートである。なお、第1又は第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0079】
第3実施形態では、第1移動情報検出部102によって、第1
次停止位置から連続した座標位置となる各接触位置が予め定められた一定数連続して検出された後(S54でYES)、上記初期位置からの連続した座標位置を示す接触位置の検出が停止したと判断されたとき(S55でYES)、第2移動情報検出部103は、例えば制御ユニット10に内蔵されるタイマーにより、当該検出停止時点、すなわち、第1
次停止位置の検出時点からの時間経過の計測を開始する(S56)。また、当該計測と並行して、上記第1実施形態のS6〜S8、又は第2実施形態のS26〜S30が行われる(S57)。
【0080】
そして、第2移動情報検出部103が、第2
次停止位置から連続する座標位置となる接触位置を検出したとき(S58でYES)、S56で計測を開始した経過時間が予め定められた一定時間(例えば、2秒)に達しているか否かを判断する(S59)。
【0081】
第2移動情報検出部103は、経過時間が上記一定時間に達していると判断した場合(S59でYES)、第1移動情報検出部102によって検出された移動方向(すなわち、初期位置から第1次停止位置に向かう方向)と同一方向に向けて、上記第2次停止位置から連続した座標位置となる各接触位置が予め定められた一定数連続して検出されているかを判断する(S60)。
【0082】
第2移動情報検出部103は、上記同一方向に、第2次停止位置から連続した座標位置となる各接触位置が予め定められた一定数連続して検出されていると判断し(S60でYES)、上記第1次停止位置からの連続した座標位置を示す接触位置の検出が終了したと判断したときに(S61でYES)、当該第1次停止位置から第2次停止位置までの移動量を、上記検知信号が示す第1次停止位置及び第2次停止位置の各座標位置に基づいて検出する(S62)。この後、第2実施形態と同様にして、切換速度の算出と、当該切換速度及びS57で算出された数値変化量とで数値の切換表示が行われる(S63,S64)。
【0083】
また、S59において、第2移動情報検出部103が、経過時間が上記一定時間に達していないと判断した場合は(S59でNO)、
図13に示したS31以降の処理と同様の処理(
図14では図示を省略)、すなわち、タッチパネル部141から取得する検知信号の示す上記各接触位置の座標位置が、上記第1次停止位置から上記予め定められた方向に連続した座標位置を示していることをもって、第1
次停止位置からの移動量に応じた切換速度の設定を行う。
【0084】
例えば、上記
図6に示したように、操作者が、初期位置から人差し指をスライド動作させて第1次停止位置で当該スライド動作を停止させたとき、操作者が次の更なるスライド動作を上記一定時間経過してから行うと、第2移動情報検出部103は、操作者の指が初期位置から第1次停止位置に向かって移動していた方向と同一方向におけるスライド動作での移動量を検出し、切換速度算出部105は当該移動量に応じて上記切換速度を算出する。
【0085】
このため、
図15に示すように、操作者は、初期位置から第1次停止位置まで指をスライド移動させた後、第1
次停止位置で指を止め、上記一定時間の経過後にそれまでのスライド移動と同じ方向に指をスライド移動させれば、当該スライド移動量を変化させることで、上述した数値変化量算出用の移動量M1及び切換速度算出用の移動量M2を調整でき、上記切換速度を所望の値に変更できる。
【0086】
これにより、操作者は、最初のスライド操作から指をスライド移動させる方向を変えることなく、数値変化量と切換速度の両方を設定できるため、更に操作性が向上する。
【0087】
また、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る表示装置の一実施形態としてパーソナルコンピューターを例にした情報処理装置1を示しているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、スマートフォン、携帯モバイル機器、画像形成装置等、タッチパネル機能を有する表示部を有する機器に適用が可能である。
【0088】
また、
図1乃至
図15を用いて上記各実施形態に示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の構成及び処理はこれに限定されるものではない。