特許第5953383号(P5953383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5953383サーバ、その制御プログラム、及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5953383
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】サーバ、その制御プログラム、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20160707BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20160707BHJP
【FI】
   A63F13/58
   A63F13/35
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-9771(P2015-9771)
(22)【出願日】2015年1月21日
(62)【分割の表示】特願2013-39892(P2013-39892)の分割
【原出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-96228(P2015-96228A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2016年2月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100161089
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 良一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 勝
【審査官】 彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】 アプリFan vol.3,日本,株式会社コスミック出版,2012年 7月 1日,第104−107頁
【文献】 週刊ファミ通,日本,2011年 7月28日,第26巻,第33号,第88−91頁,特に第91頁左下欄「敵の属性と相性がよい場合、確か攻撃力が30%アップする」という記載
【文献】 ファミ通Xbox,日本,2002年12月 1日,第1巻,第8号,第70−73頁,特に第73頁上欄「敵もいずれかの属性を持っており、相性によって攻撃力が変化」という記載
【文献】 ゲーマガ,日本,ソフトバンククリエイティブ株式会社,2012年 2月 1日,第29巻,第2号,第68頁,特に右下画面写真注「相手の属性との相性は攻撃力・・・に影響を与える。」という記載
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
れぞれにパラメータ値及び相互に優劣関係を有する複数の属性のうちの一の属性が対応付けられた複数のキャラクタの情報を記憶する記憶部と、
ユーザ及び前記ユーザの対戦相手の端末から、前記ユーザ及び前記対戦相手が対戦のゲームを進行させるためにそれぞれ使用する1以上のキャラクタの指定を予め受信し、前記端末から前記ゲームの開始要求を受信し、前記端末に前記ゲームの進行画面を表示させるための情報を送信する通信部と、
前記ユーザが使用する1以上のキャラクタのそれぞれについて、当該キャラクタの前記パラメータ値を、前記ユーザが使用する前記1以上のキャラクタのうち当該キャラクタと同じ属性を有するキャラクタの数、及び前記対戦相手が使用する1以上のキャラクタのうち当該属性よりも劣位な属性を有するキャラクタの数が多いほど、より大きな値に調整するパラメータ調整部と、
前記パラメータ調整部により調整された前記ユーザ及び前記対戦相手のキャラクタのパラメータ値に従って前記ゲームを進行させるゲーム進行部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記パラメータ調整部は、前記対戦相手が使用する前記1以上のキャラクタのそれぞれについて、当該キャラクタの前記パラメータ値を、前記対戦相手が使用する前記1以上のキャラクタのうち当該キャラクタと同じ属性を有するキャラクタの数、及び前記ユーザが使用する前記1以上のキャラクタのうち当該属性よりも劣位な属性を有するキャラクタの数が多いほど、より大きな値に調整する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記ゲーム進行部は、前記ゲームとして、前記ユーザが使用する前記1以上のキャラクタと前記対戦相手が使用する前記1以上のキャラクタとの間の対戦を進行させ、
前記パラメータ調整部は、前記ゲーム進行部が前記対戦を開始する前に、前記ユーザ及び前記対戦相手のキャラクタのパラメータ値を調整する、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記記憶部は、各キャラクタのパラメータ値として、当該キャラクタの攻撃力値、防御力値及び体力値を記憶し、
前記パラメータ調整部は、前記ユーザ及び前記対戦相手のキャラクタの攻撃力値及び防御力値をそれぞれ調整し、
前記ゲーム進行部は、前記パラメータ調整部により調整された前記ユーザのキャラクタの攻撃力値と前記対戦相手のキャラクタの防御力値とに従って、前記対戦相手のキャラクタの体力値を減少させる、請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
れぞれにパラメータ値及び相互に優劣関係を有する複数の属性のうちの一の属性が対応付けられた複数のキャラクタの情報を記憶する記憶部を備えるサーバに、
ユーザ及び前記ユーザの対戦相手の端末から、前記ユーザ及び前記対戦相手が対戦のゲームを進行させるためにそれぞれ使用する1以上のキャラクタの指定を予め受信する機能と、
前記端末から前記ゲームの開始要求を受信する機能と、
前記ユーザが使用する1以上のキャラクタのそれぞれについて、当該キャラクタの前記パラメータ値を、前記ユーザが使用する前記1以上のキャラクタのうち当該キャラクタと同じ属性を有するキャラクタの数、及び前記対戦相手が使用する1以上のキャラクタのうち当該属性よりも劣位な属性を有するキャラクタの数が多いほど、より大きな値に調整する機能と、
調整された前記ユーザ及び前記対戦相手のキャラクタのパラメータ値に従って前記ゲームを進行させる機能と、
前記端末に前記ゲームの進行画面を表示させるための情報を送信する機能と、
を実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項6】
れぞれにパラメータ値及び相互に優劣関係を有する複数の属性のうちの一の属性が対応付けられた複数のキャラクタの情報を記憶する記憶部を備えるサーバを制御して、
ユーザ及び前記ユーザの対戦相手の端末から、前記ユーザ及び前記対戦相手が対戦のゲームを進行させるためにそれぞれ使用する1以上のキャラクタの指定を予め受信するステップと、
前記端末から前記ゲームの開始要求を受信するステップと、
前記ユーザが使用する1以上のキャラクタのそれぞれについて、当該キャラクタの前記パラメータ値を、前記ユーザが使用する前記1以上のキャラクタのうち当該キャラクタと同じ属性を有するキャラクタの数、及び前記対戦相手が使用する1以上のキャラクタのうち当該属性よりも劣位な属性を有するキャラクタの数が多いほど、より大きな値に調整するステップと、
調整された前記ユーザ及び前記対戦相手のキャラクタのパラメータ値に従って前記ゲームを進行させるステップと、
前記端末に前記ゲームの進行画面を表示させるための情報を送信するステップと、
を実行させることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、その制御プログラム、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークを介して携帯端末にゲームを提供するサーバが普及している。このようなサーバにより提供されるゲームには、複数のユーザが参加可能なもの(所謂「ソーシャルゲーム」)があり、ユーザ同士が、対戦、協力のみならず、相互にコミュニケーション可能なものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、このようなソーシャルゲームとして、例えば、カードを用いて他のユーザと対戦(バトル)を行うもの(所謂「カードバトルゲーム」)が知られている(例えば、特許文献2)。カードバトルゲームでは、各ユーザは、任意の枚数のカードを所持することができる。また、各ユーザは、所持するカードから少なくとも一枚のカードを用いて対戦に用いる一組のカード(所謂「デッキ」)を構成しておく。各カードは、攻撃力、防御力、体力等のパラメータを有しており、ユーザは、デッキを構成するカードのパラメータ値に基づいて他のユーザの体力パラメータ値を減少させる。また、他のユーザも、デッキを構成するカードのパラメータ値に基づいてユーザの体力パラメータ値を減少させる。交互に攻撃を行うことにより、いずれかのユーザの体力パラメータ値が0になった時点で、対戦は終了する。
【0004】
このようなカードバトルゲームでは、デッキを構成するカードのパラメータ値の単純な足し算でデッキ全体のパラメータ値が決定されていた。また、デッキを構成するカードの枚数や組み合わせに応じてカードのパラメータ値を変更する等も行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−034303号公報
【特許文献2】特開2008−142352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のカードバトルゲームでは、デッキを構成するカードの枚数や組み合わせに応じてカードのパラメータ値を変更する等にとどまり、このような条件が明らかになるにつれてデッキの構成がワンパターン化していき、その結果、ユーザは、ゲームに対する継続意欲を喪失しかねなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、ゲームに対するユーザの継続意欲を維持・向上させることを可能とするサーバ、その制御プログラム、及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るサーバは、各ユーザの複数の特性データであって、各特性データは当該特性データの活動する能力を示す第1パラメータ値、当該特性データの所持ユーザとは異なるユーザの各特性データの第1パラメータ値を減少させる能力を示す第2パラメータ値、及び相互に優劣関係を有する複数の属性のうちの一の属性を有する、複数の特性データを記憶する記憶部と、各ユーザの端末からゲームの進行指示を受信する受信部と、端末に係るユーザの複数の特性データのうち、ユーザとは異なる他のユーザの複数の特性データのうちの第1の属性よりも優位な属性を有する特性データの第1の数に基づいて、ユーザの各特性データの第2パラメータ値をそれぞれ調整するパラメータ調整部とを備える。
【0009】
また、本発明に係るサーバにおいて、パラメータ調整部は、第1の数に基づく加算率を乗じることにより、ユーザの各特性データの第2パラメータ値をそれぞれ調整することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るサーバにおいて、調整された第2パラメータ値に基づいて他のユーザの各特性データの第1パラメータ値を減少させると共に、表示データを作成するゲーム進行部と、表示データを端末に送信する送信部とをさらに備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るサーバにおいて、パラメータ調整部は、他のユーザの複数の特性データのうち、ユーザの複数の特性データのうちの第2の属性よりも優位な属性を有する特性データの第2の数に基づいて、他のユーザの各特性データの第2パラメータ値をそれぞれ調整することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るサーバの制御プログラムは、各ユーザの複数の特性データであって、各特性データは当該特性データの活動する能力を示す第1パラメータ値、当該特性データの所持ユーザとは異なるユーザの各特性データの第1パラメータ値を減少させる能力を示す第2パラメータ値、及び相互に優劣関係を有する複数の属性のうちの一の属性を有する、複数の特性データを記憶する記憶部を備えるサーバの制御プログラムであって、サーバに、各ユーザの端末からゲームの進行指示を受信し、端末に係るユーザの複数の特性データのうち、ユーザとは異なる他のユーザの複数の特性データのうちの第1の属性よりも優位な属性を有する特性データの第1の数に基づいて、ユーザの各特性データの第2パラメータ値をそれぞれ調整することを実行させる。
【0013】
また、本発明に係るシステムは、各ユーザの複数の特性データであって、各特性データは当該特性データの活動する能力を示す第1パラメータ値、当該特性データの所持ユーザとは異なるユーザの各特性データの第1パラメータ値を減少させる能力を示す第2パラメータ値、及び相互に優劣関係を有する複数の属性のうちの一の属性を有する、複数の特性データを記憶する記憶部と、各ユーザの端末からゲームの進行指示を受信する受信部と、端末に係るユーザの複数の特性データのうち、ユーザとは異なる他のユーザの複数の特性データのうちの第1の属性よりも優位な属性を有する特性データの第1の数に基づいて、ユーザの各特性データの第2パラメータ値をそれぞれ調整するパラメータ調整部とを備えるサーバと、進行指示をサーバに送信する送信部を備える端末とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るサーバ、その制御プログラム、及びシステムは、各ユーザの特性データの属性に基づいて各ユーザの特性データのパラメータ値を調整することにより、ゲームの興趣を向上させ、ゲームに対するユーザの継続意欲を維持・向上させることを可能とし、ユーザをゲームに惹きつけ続けることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】パラメータ値の調整手法の一例を示す図である。
図2】ゲームシステムの概略構成の一例を示す図である。
図3】携帯端末の概略構成の一例を示す図である。
図4】サーバの概略構成の一例を示す図である。
図5】ゲームシステムの動作シーケンスの一例を示す図である。
図6】サーバの動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
本実施形態では、ユーザは、カードを用いて他のユーザと対戦を行う。各ユーザは、任意の枚数のカード(特性データ)を所持しており、所持するカードから少なくとも一枚のカードを用いてデッキを構成しておく。各カードは、攻撃力、防御力、体力(活動する能力を示すパラメータ)等のパラメータを有すると共に、「火」属性、「木」属性、又は「水」属性を有する。携帯端末は、ユーザからの指示に応じて、他のユーザとの対戦を、サーバに要求する。サーバは、携帯端末からの要求に応じて、他のユーザとの対戦を開始する。サーバは、他のユーザとの対戦を開始するに先立ち、各ユーザのデッキを構成するカードの属性に基づいてカードのパラメータ値を調整する。サーバは、調整されたパラメータ値に基づいて対戦を進行させる。
【0018】
各属性には、他の属性との間に優劣関係が定義されている。図1(a)は、属性間の優劣関係の一例を示す。図1(a)には、「火」属性は「木」属性よりも優位であり、「木」属性は「水」属性よりも優位であり、「水」属性は「火」属性よりも優位であることが示されている。即ち、これらの属性は所謂「三すくみ」の関係にあることが示されている。
【0019】
サーバは、このような属性間の優劣関係に基づいてカードのパラメータ値を調整する。例えば、サーバは、各属性について、次式を計算することにより、当該属性を有するカードのパラメータ値を調整する。
r=1+(ns×ni)/100 ・・・(式1)
p’=r×p ・・・(式2)
ここで、nsはユーザのデッキを構成するカードのうちの当該属性を有するカードの枚数(第1の数)、niは他のユーザのデッキを構成するカードのうちの当該属性よりも劣位な属性を有するカードの枚数、rは当該属性の加算率、pは当該属性を有するカードのパラメータ値、p’は当該属性を有するカードの調整パラメータ値である。即ち、式1を用いて当該属性の加算率を算出し、当該属性の加算率を乗じることにより、当該属性を有するカードのパラメータ値を調整する。
【0020】
図1(b)は、パラメータ値の調整例を示す。図1(b)には、ユーザ1のデッキは三枚の「火」属性のカードから構成され、ユーザ2のデッキは三枚の「木」属性のカードから構成されることが示されている。このとき、ユーザ1からユーザ2を見た場合に、ユーザ1のデッキを構成するカードのうち、「火」属性のカードは三枚あり、ユーザ2のデッキを構成するカードのうち、「火」属性よりも劣位な「木」属性のカードも三枚あるので、「火」属性の加算率rは、
r=1+(3×3)/100=1.09
と算出される。したがって、カード11のパラメータ値(例えば、攻撃力パラメータ値)p’は、
p’=1.09×100=109
と算出され、「100」から「109」に調整される。同様に、カード12のパラメータ値は「200」から「218」に、カード13のパラメータ値は「300」から「327」に調整される。
【0021】
一方、ユーザ2からユーザ1を見た場合に、ユーザ2のデッキを構成するカードのうち、「木」属性のカードは三枚あるが、ユーザ1のデッキを構成するカードのうち、「木」属性よりも劣位な「水」属性のカードは一枚もないので、「木」属性の加算率rは、
r=1+(3×0)/100=1
と算出される。したがって、カード21〜カード23のパラメータ値は、従前と同じ値に調整される。
【0022】
図1(c)は、パラメータ値の他の調整例を示す。図1(c)には、ユーザ1のデッキは三枚の「火」属性のカードから構成され、ユーザ2のデッキは二枚の「木」属性のカードと一枚の「水」属性のカードとから構成されることが示されている。このとき、ユーザ1からユーザ2を見た場合に、ユーザ1のデッキを構成するカードのうち、「火」属性のカードは三枚あり、ユーザ2のデッキを構成するカードのうち、「火」属性よりも劣位な「木」属性のカードは二枚あるので、「火」属性の加算率rは、
r=1+(3×2)/100=1.06
と算出される。したがって、カード11のパラメータ値p’は、
p’=1.06×100=106
と算出され、「100」から「106」に調整される。同様に、カード12のパラメータ値は「200」から「212」に、カード13のパラメータ値は「300」から「318」に調整される。
【0023】
一方、ユーザ2からユーザ1を見た場合に、ユーザ2のデッキを構成するカードのうち、「木」属性のカードは二枚あるが、ユーザ1のデッキを構成するカードのうち、「木」属性よりも劣位な「水」属性のカードは一枚もないので、「木」属性の加算率rは、
r=1+(2×0)/100=1
と算出される。したがって、カード21とカード22のパラメータ値は、従前と同じ値に調整される。
また、ユーザ2のデッキを構成するカードのうち、「水」属性のカードは一枚あり、ユーザ1のデッキを構成するカードのうち、「水」属性よりも劣位な「火」属性のカードは三枚あるので、「水」属性の加算率rは、
r=1+(1×3)/100=1.03
と算出される。したがって、カード23のパラメータ値p’は、
p’=1.03×300=309
と算出され、「300」から「309」に調整される。
【0024】
図2は、ゲームシステム1の概略構成の一例を示す。
【0025】
ゲームシステム1は、少なくとも一台の携帯端末2と、サーバ3とを備える。携帯端末2とサーバ3とは、通信ネットワークを介して相互に接続され、例えば、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介して相互に接続される。携帯端末2で実行されるプログラム(例えば、閲覧プログラム)と、サーバ3で実行されるプログラム(例えば、ゲームプログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol, HTTP)等の通信プロトコルを用いて通信を行う。
【0026】
図3は、携帯端末2の概略構成の一例を示す。
【0027】
携帯端末2は、基地局4、移動体通信網5、ゲートウェイ6、及びインターネット7を介してサーバ3に接続し、サーバ3と通信を行う。携帯端末2は、ユーザによる操作部23(ボタン等)の操作に応じて、カードバトルゲームの進行をサーバ3に要求する。また、携帯端末2は、サーバ3からカードバトルゲームの進行に係る表示データを受信して表示する。そのために、携帯端末2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、操作部23と、表示部24と、端末処理部25とを備える。
【0028】
なお、本実施形態では、携帯端末2として、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)を想定するが、本発明はこれに限定されるものではない。携帯端末2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレットPC等でもよい。
【0029】
端末通信部21は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を備え、携帯端末2を無線通信ネットワークに接続する。端末通信部21は、基地局4により割り当てられるチャネルを介して、基地局4との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局4との間で通信を行う。そして、端末通信部21は、端末処理部25から供給されたデータをサーバ3等に送信する。また、端末通信部21は、サーバ3等から受信したデータを端末処理部25に供給する。
【0030】
端末記憶部22は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。端末記憶部22は、端末処理部25での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、端末記憶部22は、ドライバプログラムとして、操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、カードバトルゲームの進行に係る表示データの取得及び表示を行うプログラム等を記憶する。また、端末記憶部22は、データとして、カードバトルゲームの進行に係る表示データ、映像データ、画像データ等を記憶する。さらに、端末記憶部22は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0031】
操作部23は、携帯端末2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、キーボード等である。ユーザは、操作部23を用いて、文字、数字等を入力することができる。操作部23は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、端末処理部25に供給される。
【0032】
表示部24も、映像、画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、端末処理部25から供給された映像データに応じた映像、画像データに応じた画像等を表示する。
【0033】
端末処理部25は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。端末処理部25は、携帯端末2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。端末処理部25は、携帯端末2の各種処理が端末記憶部22に記憶されているプログラム、操作部23の操作等に応じて適切な手順で実行されるように、端末通信部21、表示部24等の動作を制御する。端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部25は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0034】
端末処理部25は、少なくとも閲覧実行部251を備える。これらの各部は、端末処理部25が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして携帯端末2に実装されてもよい。
【0035】
閲覧実行部251は、カードバトルゲームの進行に係る表示データの取得及び表示を行う。即ち、ユーザからの指示に応じて、カードバトルゲームの進行に係る表示データの取得要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する。また、閲覧実行部251は、対応する表示データを、サーバ3から端末通信部21を介して受信する。閲覧実行部251は、受信した表示データに基づいて描画データを作成する。即ち、閲覧実行部251は、受信した表示データを解析して制御データ及び内容データを特定し、特定した制御データに従って同じく特定した内容データをレイアウトし、描画データを作成する。そして、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力する。
【0036】
図4(a)は、サーバ3の概略構成の一例を示す。
【0037】
サーバ3は、携帯端末2からの要求に応じて、カードバトルゲームを進行させる。また、サーバ3は、カードバトルゲームの進行に係る表示データを作成して携帯端末2に送信する。そのために、サーバ3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。
【0038】
サーバ通信部31は、サーバ3をインターネット7に接続するための通信インターフェース回路を備え、インターネット7との間で通信を行う。そして、サーバ通信部31は、携帯端末2等から受信したデータを、サーバ処理部33に供給する。また、サーバ通信部31は、サーバ処理部33から供給されたデータを、携帯端末2等に送信する。
【0039】
サーバ記憶部32は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくともいずれか一つを備える。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、アプリケーションプログラムとして、カードバトルゲームを進行させ、その結果に係る表示データを作成するカードバトルゲームプログラム等を記憶する。また、サーバ記憶部32は、データとして、ユーザを管理するユーザ管理テーブル(図4(b))、カードを管理するカード管理テーブル(図4(c))等を記憶する。さらに、サーバ記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0040】
図4(b)は、ユーザを管理するユーザ管理テーブルのデータ構造の一例を示す。ユーザ管理テーブルには、各ユーザについて、当該ユーザのID、名前、画像データのファイル名、所持するカードのID、デッキを構成する所持カードのID、体力パラメータ、対戦ユーザのID等が含まれる。ここで、デッキを構成する所持カードのIDとは、ユーザが所持するカードの中からデッキとして選択されたカードのIDである。また、体力パラメータとは、ユーザの体力の残量を示すパラメータである。
【0041】
図4(c)は、カードを管理するカード管理テーブルのデータ構造の一例を示す。カード管理テーブルには、各カードについて、当該カードのID、名前、画像データのファイル名、属性、攻撃力、防御力、体力等のパラメータ及び調整パラメータ等が含まれる。ここで、調整パラメータとは、後述のパラメータ調整部332により調整された後のパラメータである。
【0042】
サーバ処理部33は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、サーバ3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。サーバ処理部33は、サーバ3の各種処理がサーバ記憶部32に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、サーバ通信部31等の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0043】
サーバ処理部33は、制御部331と、パラメータ調整部332と、対戦進行部333とを備える。これらの各部は、サーバ処理部33が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。
【0044】
以下、制御部331による処理について説明する。
【0045】
制御部331は、カードバトルゲームの進行を制御し、適宜パラメータ調整部332、対戦進行部333等に処理の実行を指示する。
【0046】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、ユーザ認証要求を受信した場合に、制御部331は、受信したユーザ認証要求を解析してユーザID及びパスワードを特定する。そして、制御部331は、特定したユーザID及びパスワードをパラメータとして、不図示のユーザ認証部に処理の実行を指示する。
【0047】
不図示のユーザ認証部によりユーザが認証された場合に、制御部331は、ホーム画面表示データを作成する。即ち、制御部331は、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、所定の基準で(例えば、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数を用いて等確率で)対戦ユーザを特定する。また、制御部331は、特定した対戦ユーザのID、名前、及び画像データのファイル名を抽出する。そして、制御部331は、抽出した対戦ユーザID、特定したユーザID等を含み、同じく抽出した名前及びファイル名が示す画像、対戦の開始の指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで表示させるためのホーム画面表示データを作成する。
【0048】
制御部331は、作成したホーム画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する。
【0049】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、対戦開始要求を受信した場合に、制御部331は、受信した対戦開始要求をパラメータとして、パラメータ調整部332に処理の実行を指示する。
【0050】
また、携帯端末2からサーバ通信部31を介して、対戦進行要求を受信した場合に、制御部331は、受信した対戦進行要求をパラメータとして、対戦進行部333に処理の実行を指示する。
【0051】
制御部331は、作成した対戦画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する。
【0052】
以下、パラメータ調整部332による処理について説明する。
【0053】
パラメータ調整部332は、各ユーザのデッキを構成するカードの属性及びパラメータを抽出する。即ち、パラメータ調整部332は、与えられた対戦開始要求を解析してユーザID及び対戦ユーザIDを特定する。また、パラメータ調整部332は、特定したユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザを特定する。そして、パラメータ調整部332は、特定したユーザのデッキを構成する所持カードのIDを抽出する。また、パラメータ調整部332は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードを特定する。そして、パラメータ調整部332は、特定したカードの属性及び攻撃力、防御力、体力等のパラメータを抽出する。
同様に、パラメータ調整部332は、特定した対戦ユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザを特定する。そして、パラメータ調整部332は、特定したユーザのデッキを構成する所持カードのIDを抽出する。また、パラメータ調整部332は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードを特定する。そして、パラメータ調整部332は、特定したカードの属性及び攻撃力、防御力、体力等のパラメータを抽出する。
【0054】
パラメータ調整部332は、抽出したパラメータ値を調整する。即ち、パラメータ調整部332は、抽出した各ユーザに係る属性に基づいて、同じく抽出したユーザに係る攻撃力、防御力等のパラメータ値を調整する。そして、パラメータ調整部332は、この調整値を、特定したユーザに係るカードの調整パラメータ値として、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルに格納する。
同様に、パラメータ調整部332は、抽出した各ユーザに係る属性に基づいて、同じく抽出した対戦ユーザに係る攻撃力、防御力等のパラメータ値を調整する。そして、パラメータ調整部332は、この調整値を、特定した対戦ユーザに係るカードの調整パラメータ値として、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルに格納する。
なお、パラメータ値の調整手法については、上述したとおりである。
【0055】
パラメータ調整部332は、各ユーザの体力パラメータを設定する。即ち、パラメータ調整部332は、抽出したユーザに係る体力パラメータ値を合計する。そして、パラメータ調整部332は、この合計値を、特定したユーザの体力パラメータ値として、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルに格納する。
同様に、パラメータ調整部332は、抽出した対戦ユーザに係る体力パラメータ値を合計する。そして、パラメータ調整部332は、この合計値を、特定した対戦ユーザの体力パラメータ値として、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルに格納する。
【0056】
パラメータ調整部332は、各ユーザの対戦ユーザを設定する。即ち、パラメータ調整部332は、特定した対戦ユーザIDを、特定したユーザの対戦ユーザのIDとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルに格納する。
同様に、パラメータ調整部332は、特定したユーザIDを、特定した対戦ユーザの対戦ユーザのIDとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルに格納する。
【0057】
パラメータ調整部332は、対戦画面表示データを作成する。即ち、パラメータ調整部332は、特定したユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザの画像データのファイル名、デッキを構成する所持カードのID、及び体力パラメータを抽出する。また、パラメータ調整部332は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードの画像データのファイル名を抽出する。
同様に、パラメータ調整部332は、特定した対戦ユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザの画像データのファイル名、デッキを構成する所持カードのID、及び体力パラメータを抽出する。また、パラメータ調整部332は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードの画像データのファイル名を抽出する。
そして、パラメータ調整部332は、特定したユーザIDを含み、抽出した各ユーザに係るファイル名が示す画像及び体力パラメータ、攻撃の実行の指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで表示させるための対戦画面表示データを作成する。
【0058】
そして、パラメータ調整部332は、処理を終了する。
【0059】
以下、対戦進行部333による処理について説明する。
【0060】
対戦進行部333は、対戦を進行させる。即ち、対戦進行部333は、与えられた対戦進行要求を解析して指示内容及びユーザIDを特定する。そして、特定した指示内容が「攻撃の実行」である場合に、対戦進行部333は、攻撃処理を実行する。
【0061】
対戦進行部333は、各ユーザの体力パラメータ及びデッキを構成するカードの調整パラメータを抽出する。即ち、特定したユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザを特定する。そして、対戦進行部333は、特定したユーザのデッキを構成する所持カードのID、体力パラメータ、及び対戦ユーザのIDを抽出する。また、対戦進行部333は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードの調整パラメータを抽出する。
同様に、対戦進行部333は、抽出した対戦ユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザを特定する。そして、対戦進行部333は、特定したユーザのデッキを構成する所持カードのID及び体力パラメータを抽出する。また、対戦進行部333は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードの調整パラメータを抽出する。
【0062】
対戦進行部333は、対戦に関する各種処理を行い、対戦を実行する。例えば、対戦進行部333は、ユーザに係る調整攻撃力パラメータ値の合計値及び対戦ユーザに係る調整防御力パラメータ値の合計値に基づいて、対戦ユーザの体力パラメータ値を更新する。そして、対戦進行部333は、この更新値を、特定した対戦ユーザの体力パラメータ値として、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルに格納する。
同様に、対戦ユーザに係る調整攻撃力パラメータ値の合計値及びユーザに係る調整防御力パラメータ値の合計値に基づいて、ユーザの体力パラメータ値を更新する。そして、対戦進行部333は、この更新値を、特定したユーザの体力パラメータ値として、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルに格納する。
【0063】
対戦進行部333は、対戦画面表示データを作成する。即ち、対戦進行部333は、特定したユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザの画像データのファイル名、デッキを構成する所持カードのID、及び体力パラメータを抽出する。また、対戦進行部333は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードの画像データのファイル名を抽出する。
同様に、対戦進行部333は、特定した対戦ユーザIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているユーザ管理テーブルを参照し、対応するユーザの画像データのファイル名、デッキを構成する所持カードのID、及び体力パラメータを抽出する。また、対戦進行部333は、抽出したカードIDをキーとして、サーバ記憶部32に記憶されているカード管理テーブルを参照し、対応するカードの画像データのファイル名を抽出する。
そして、対戦進行部333は、特定したユーザIDを含み、抽出した各ユーザに係るファイル名が示す画像及び体力パラメータ、攻撃の実行の指示を受け付けるボタン等を所定のレイアウトで表示させるための対戦画面表示データを作成する。
【0064】
一方、特定した指示内容が他のものである場合に、対戦進行部333は、特定した指示内容に係る処理を実行する。
【0065】
そして、対戦進行部333は、処理を終了する。
【0066】
図5は、ゲームシステム1の動作シーケンスの一例を示す図である。なお、以下に説明する動作シーケンスは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶されているプログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、携帯端末2及びサーバ3の各要素と協働して実行される。
【0067】
ユーザは、操作部23を介して端末処理部25に、カードバトルゲームの進行に係る表示データの取得及び表示を行うプログラムの実行を指示する。端末処理部25は、当該プログラムに基づいて処理を開始する。即ち、当該プログラムにより実現される閲覧実行部251は、ユーザにより操作部23を介してユーザID及びパスワードが入力された場合に、入力されたユーザID、パスワード等を含むユーザ認証要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS500)。
【0068】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、ユーザ認証要求を受信した場合に、制御部331は、受信したユーザ認証要求を解析してユーザID及びパスワードを特定する。そして、制御部331は、特定したユーザID及びパスワードをパラメータとして、不図示のユーザ認証部に処理の実行を指示する(ステップS502)。
【0069】
不図示のユーザ認証部によりユーザが認証された場合に、制御部331は、ホーム画面表示データを作成する(ステップS504)。
【0070】
制御部331は、作成したホーム画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する(ステップS506)。
【0071】
サーバ3から端末通信部21を介して、ホーム画面表示データを受信した場合に、閲覧実行部251は、受信したホーム画面表示データに基づいて描画データを作成する。また、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力し、ホーム画面を表示させる(ステップS508)。
【0072】
ホーム画面において、ユーザにより操作部23を介して他のユーザとの対戦の開始が指示された場合に、閲覧実行部251は、受信したホーム画面表示データに含まれるユーザID、当該他のユーザに対応する対戦ユーザID等を含む対戦開始要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS510)。
【0073】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、対戦開始要求を受信した場合に、制御部331は、受信した対戦開始要求をパラメータとして、パラメータ調整部332に処理の実行を指示する(ステップS512)。
【0074】
図6(a)は、パラメータ調整部332の動作フローの一例を示す。
【0075】
パラメータ調整部332は、与えられた対戦開始要求を解析してユーザID及び対戦ユーザIDを特定する。また、パラメータ調整部332は、ユーザのデッキを構成するカードの属性及びパラメータを抽出する(ステップS600)。
【0076】
同様に、パラメータ調整部332は、対戦ユーザのデッキを構成するカードの属性及びパラメータを抽出する(ステップS602)。
【0077】
パラメータ調整部332は、抽出したユーザに係るパラメータ値を調整する(ステップS604)。
【0078】
パラメータ調整部332は、この調整値を、ユーザに係るカードの調整パラメータ値として格納する(ステップS606)。
【0079】
同様に、パラメータ調整部332は、抽出した対戦ユーザに係るパラメータ値を調整する(ステップS608)。
【0080】
パラメータ調整部332は、この調整値を、対戦ユーザに係るカードの調整パラメータ値として格納する(ステップS610)。
【0081】
パラメータ調整部332は、対戦画面表示データを作成する(ステップS612)。そして、パラメータ調整部332は、処理を終了する。
【0082】
図5に戻り、制御部331は、作成した対戦画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する(ステップS514)。
【0083】
サーバ3から端末通信部21を介して、対戦画面表示データを受信した場合に、閲覧実行部251は、受信した対戦画面表示データに基づいて描画データを作成する。また、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力し、対戦画面を表示させる(ステップS516)。
【0084】
対戦画面において、ユーザにより操作部23を介して攻撃の実行等が指示された場合に、閲覧実行部251は、指示内容、受信した対戦画面表示データに含まれるユーザID等を含む対戦進行要求を、端末通信部21を介してサーバ3に送信する(ステップS518)。
【0085】
携帯端末2からサーバ通信部31を介して、対戦進行要求を受信した場合に、制御部331は、受信した対戦進行要求をパラメータとして、対戦進行部333に処理の実行を指示する(ステップS520)。
【0086】
図6(b)は、対戦進行部333の動作フローの一例を示す図である。
【0087】
対戦進行部333は、与えられた対戦進行要求を解析して指示内容及びユーザIDを特定する。そして、特定した指示内容が「攻撃の実行」である場合に(ステップS620−Yes)、対戦進行部333は、ユーザの体力パラメータ、デッキを構成するカードの調整パラメータ、及び対戦ユーザIDを抽出する(ステップS622)。
【0088】
同様に、対戦進行部333は、対戦ユーザの体力パラメータ及びデッキを構成するカードの調整パラメータを抽出する(ステップS624)。
【0089】
対戦進行部333は、対戦に関する各種処理を行い、対戦を実行する(ステップS626)。
【0090】
対戦進行部333は、対戦画面表示データを作成する(ステップS628)。そして、対戦進行部333は、処理を終了する。
【0091】
一方、特定した指示内容が他のものである場合に、対戦進行部333は、特定した指示内容に係る処理を実行する(ステップS630)。そして、対戦進行部333は、処理を終了する。
【0092】
図5に戻り、制御部331は、作成した対戦画面表示データを、サーバ通信部31を介して携帯端末2に送信する(ステップS522)。
【0093】
サーバ3から端末通信部21を介して、対戦画面表示データを受信した場合に、閲覧実行部251は、受信した対戦画面表示データに基づいて描画データを作成する。また、閲覧実行部251は、作成した描画データを表示部24に出力し、対戦画面を表示させる(ステップS524)。
【0094】
以上説明してきたように、各ユーザのカードの属性に基づいて各ユーザのカードのパラメータ値を調整することにより、ゲームの興趣を向上させ、ゲームに対するユーザの継続意欲を維持・向上させることが可能となり、ユーザをゲームに惹きつけ続けることが可能となる。
【0095】
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、カードの属性は三種類としたが、属性間に優劣関係が定義されていれば、二種類でもよいし、四種類以上でもよい。これにより、ゲームの興趣が向上し、継続意欲のさらなる向上が期待される。
【0096】
また、本実施形態では、ユーザは他のユーザと対戦を行うとしたが、ゲームプログラム上で用意されたキャラクタと対戦を行ってもよい。これにより、様々な相手と対戦を行うことが可能となり、ゲームの興趣が向上し、継続意欲のさらなる向上が期待される。
【0097】
また、端末処理部25及びサーバ処理部33が備える各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
【0098】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0099】
1 ゲームシステム
2 携帯端末
21 端末通信部
22 端末記憶部
23 操作部
24 表示部
25 端末処理部
251 閲覧実行部
3 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ記憶部
33 サーバ処理部
331 制御部
332 パラメータ調整部
333 対戦進行部
4 基地局
5 移動体通信網
6 ゲートウェイ
7 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6