(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、最適な電気料金プランを需要家に提案する技術については提案されている。しかしながら、各電気事業者に好適な電気料金プランについて提案や示唆を行う技術は提案されていない。
【0007】
そこで本発明の目的は、各電気事業者に好適な電気料金プランの提案を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の料金プラン管理支援システムは、各需要家の属性と電気料金プランの変更意向の各情報を格納したデータベースを記憶する記憶装置と、所定属性の各需要家における前記変更意向の情報を前記データベースから抽出し、当該変更意向の内容に基づいて、当該属性の需要家
のうち所定割合以上の需要家が望む電気料金プランの内容を特定し、当該特定した内容の情報を
、当該需要家が現在契約中の電気事業者の端末に出力する演算装置とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の料金プラン管理支援システムにおいて、前記演算装置は、前記電気料金プランの内容を特定するに際し、前記変更意向の内容が示す、現在契約中の電気料金プランから変更した又は変更する、変更先の各電気料金プランの情報に基づいて、当該属性の需要家が望む電気料金プランの内容を特定するものである、としてもよい。
【0010】
また、本発明の料金プラン管理支援システムにおいて、前記演算装置は、
前記特定した電気料金プランが、当該需要家が現在契約中の電気事業者によるものでなかった場合に、予め保持する各電気事業者の電気料金プランまたは電気料金プランのテンプレートの情報に、前記特定した電気料金プランの内容を照合することで、前記特定した
電気料金プランの内容と類似する他の電気料金プランを特定し、当該特定した他の電気料金プランにおける所定項目の値を、前記特定した電気料金プランにおける対応項目の値で修正することで電気料金プラン案を生成し、当該電気料金プラン案を前記電気料金プランの内容として、
前記電気事業者の端末に出力するものである、としてもよい。
【0011】
また、本発明の料金プラン管理支援システムにおいて、前記演算装置は、前記変更意向について確認する質問情報を所定装置に出力して、前記質問情報に対する需要家からの回答を所定装置から取得し、当該取得した回答が示す前記変更意向の情報を前記データベースに格納する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0012】
また、本発明の料金プラン管理支援システムにおいて、前記演算装置は、前記電気料金プランの内容を特定するに際し、前記記憶装置が記憶する各需要家の属性の情報のうち、当該需要家における時間帯別の電気使用量の実績情報に基づき、時間帯別の電気使用量が所定パターンである需要家が望む電気料金プランの内容を特定するものである、としてもよい。
【0013】
また、本発明の料金プラン管理支援システムにおいて、前記演算装置は、前記電気料金プランの内容を特定するに際し、前記記憶装置が記憶する各需要家の属性の情報のうち、当該需要家における、電気料金プランの実際の変更時期前後の、時間帯別の電気使用量の実績情報に基づき、電気料金プラン変更前後での、時間帯別の電気使用量のパターン遷移を特定し、所定のパターン遷移を示す需要家が望む電気料金プランの内容を特定するものである、としてもよい。
【0014】
また、本発明の料金プラン管理支援方法は、各需要家の属性と電気料金プランの変更意向の各情報を格納したデータベースを記憶する記憶装置を備えた情報処理システムが、
所定属性の各需要家における前記変更意向の情報を前記データベースから抽出し、当該変更意向の内容に基づいて、当該属性の需要家
のうち所定割合以上の需要家が望む電気料金プランの内容を特定し、当該特定した内容の情報を
、当該需要家が現在契約中の電気事業者の端末に出力する、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の料金プラン管理支援方法において、前記情報処理システムが、前記電気料金プランの内容を特定するに際し、前記変更意向の内容が示す、現在契約中の電気料金プランから変更した又は変更する、変更先の各電気料金プランの情報に基づいて、当該属性の需要家が望む電気料金プランの内容を特定する、としてもよい。
【0016】
また、本発明の料金プラン管理支援方法において、前記情報処理システムが、
前記特定した電気料金プランが、当該需要家が現在契約中の電気事業者によるものでなかった場合に、予め保持する各電気事業者の電気料金プランまたは電気料金プランのテンプレートの情報に、前記特定した電気料金プランの内容を照合することで、前記特定した
電気料金プランの内容と類似する他の電気料金プランを特定し、当該特定した他の電気料金プランにおける所定項目の値を、前記特定した電気料金プランにおける対応項目の値で修正することで電気料金プラン案を生成し、当該電気料金プラン案を前記電気料金プランの内容として、
前記電気事業者の端末に出力する、としてもよい。
【0017】
また、本発明の料金プラン管理支援方法において、前記情報処理システムが、前記変更意向について確認する質問情報を所定装置に出力して、前記質問情報に対する需要家からの回答を所定装置から取得し、当該取得した回答が示す前記変更意向の情報を前記データベースに格納する処理を更に実行する、としてもよい。
また、本発明の料金プラン管理支援方法において、前記情報処理システムが、前記電気料金プランの内容を特定するに際し、前記記憶装置が記憶する各需要家の属性の情報のうち、当該需要家における時間帯別の電気使用量の実績情報に基づき、時間帯別の電気使用量が所定パターンである需要家が望む電気料金プランの内容を特定する、としてもよい。
また、本発明の料金プラン管理支援方法において、
前記情報処理システムが、前記電気料金プランの内容を特定するに際し、前記記憶装置が記憶する各需要家の属性の情報のうち、当該需要家における、電気料金プランの実際の変更時期前後の、時間帯別の電気使用量の実績情報に基づき、電気料金プラン変更前後での、時間帯別の電気使用量のパターン遷移を特定し、所定のパターン遷移を示す需要家が望む電気料金プランの内容を特定する、としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各電気事業者に好適な電気料金プランの提案が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の料金プラン管理支援システム100を含むネットワーク構成図である。
図1に示す料金プラン管理支援システム100は、各電気事業者に好適な電気料金プランの提案を可能とするコンピュータシステムである。
【0022】
本実施形態の料金プラン管理支援システム100は、ネットワーク10を介して、需要家端末200および電気事業者端末300と通信可能に結ばれている。このうち、需要家端末200は、電力の需要家が利用する情報処理端末である。この需要家端末200の具体例としては、PC、スマートフォン、タブレット端末等を想定できる。また、需要家端末200は、料金プラン管理支援システム100とのデータ授受を通じて所定機能を提供するWebブラウザ210を少なくとも保持している。
【0023】
また、電気事業者端末300は、上述の需要家らに電力を供給する電気事業者の情報処理端末である。この電気事業者端末300は、料金プラン管理支援システム100から、好適な電気料金プランに関する情報を取得し、ディスプレイ等に出力する装置である。
【0024】
なお、本実施形態の料金プラン管理支援システム100は、上述の需要家端末200および電気事業者端末300の少なくともいずれかを含んでいるとしてもよい。
−−−ハードウェア構成例−−−
【0025】
本実施形態における料金プラン管理支援システム100のハードウェア構成は以下の如くとなる。
図2は本実施形態における料金プラン管理支援システム100のハードウェア構成例を示す図である。
【0026】
料金プラン管理支援システム100は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置101、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ103、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU104(演算装置)、ネットワーク10と接続し需要家端末200や電気事業者端末300等の他装置との通信処理を担う通信装置105、を備える。
【0027】
なお、記憶装置101内には、本実施形態の料金プラン管理支援システム100として必要な機能を実装する為のプログラム102の他、プロファイルデータベース125、電気料金プランデータベース126、および質問情報データベース127が少なくとも記憶されている。これら各データベースの詳細については後述する。また、プログラム102には、後述する電気料金プラン選択アルゴリズム110が含まれている。
【0028】
また、
図3に示すように、本実施形態における需要家端末200のハードウェア構成は、一般的な情報処理端末と同様であり、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置201、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ203、記憶装置201に保持されるプログラム202をメモリ203に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種演算処理を行なうCPU204、需要家からのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置205、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置206、ネットワーク10と接続し料金プラン管理支援システム100との通信処理を担う通信装置207、を備える。上述のプログラム202には、Webブラウザ210が含まれる。
【0029】
また、
図4に示すように、本実施形態における電気事業者端末300のハードウェア構成は、一般的な情報処理端末と同様であり、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置301、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ303、記憶装置301に保持されるプログラム302をメモリ303に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種演算処理を行なうCPU304、電気事業者の担当者からのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置305、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置306、ネットワーク10と接続し料金プラン管理支援システム100との通信処理を担う通信装置307、を備える。上述のプログラム302には、Webブラウザ310が含まれる。
−−−データ構造例−−−
【0030】
次に、本実施形態の料金プラン管理支援システム100が用いるデータベースの構造例について説明する。
図5は本実施形態におけるプロファイルデータベース125のデータ構成例を示す図である。
【0031】
本実施形態におけるプロファイルデータベース125は、各需要家の需要家端末200など適宜な装置から得ている当該需要家の属性情報と、電気料金プランの変更意向の各情報を格納したデータベースである。
【0032】
具体的には、需要家IDをキーとして、当該需要家の需要家施設に所在する構成員の数、需要家施設の所在地、電化度、現在契約中の電気事業者および電気料金プラン、アンペア数、1ヶ月あたりの電気使用量、日中の電気使用割合、電気料金プランの変更意向、といった情報が対応付けされたレコードの集合体となっている。
【0033】
なお、上述の電気料金プランの変更意向の情報には、例えば、現在契約中の電気料金プランから変更した又は変更する、変更先の各電気料金プランの情報を含んでいるものとする。また、上述の情報のうち、「1ヶ月あたりの電気使用量」や「日中の電気使用割合」については、当該料金プラン管理支援システム100が、電気使用量実績データベース128(後述)の格納情報に基づいて算定した値としてもよい。
【0034】
図6は本実施形態における電気料金プランデータベース126のデータ構成例を示す図である。電気料金プランデータベース126は、各電力事業者らが提供する電気料金プランの情報を格納したデータベースである。
【0035】
本実施形態の電気料金プランデータベース126は、具体的には、電気料金プランを一意に識別するプランIDをキーとして、当該電気料金プランの提供者たる電力事業者名、基本料金、時間帯別の単位電気料金、といった情報を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0036】
図7は本実施形態における質問情報データベース127のデータ構成例を示す図である。質問情報データベース127は、上述のプロファイルデータベース125に格納される各需要家に関する情報を需要家端末200から取得する際の質問内容を格納したデータベースである。
【0037】
本実施形態の質問情報データベース127は、具体的には、質問IDをキーとして、質問内容に対応したテキスト、アイコン、および入力インターフェイス、といったデータが対応付けされたレコードの集合体となっている。
【0038】
図8は、本実施形態における電気使用量実績データベース128のデータ構成例を示す図である。本実施形態における電気使用量実績データベース128は、上述のプロファイルデータベース125に情報が格納された各需要家における、過去の電気使用量の実績が格納されたデータベースである。
【0039】
本実施形態の電気使用量実績データベース128は、具体的には、需要家ID(プロファイルデータベース125のものと共通)をキーとして、当該需要家に関して過去の所定期間(例:過去の各月、直近の同季節の3ヶ月など)に観測された時間帯別の電気使用量(kwh)の値が対応付けされたレコードの集合体となっている。なお、当該データベースにおける電気使用量の値は、例えば、上述の所定期間内での平均値を想定出来る。また、当該電気使用量の値は、当該料金プラン管理支援システム100が、各需要家の施設に設置されたスマートメータから、ネットワーク10を介して所定時間ごとに取得したものとすれば、データ処理効率およびデータの最新性の点で更に好適である。
−−−フロー例−−−
【0040】
以下、本実施形態における料金プラン管理支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する各処理は、料金プラン管理支援システム100がメモリ等に読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0041】
図9は、本実施形態における料金プラン管理支援方法のフロー例を示す図である。ここでまず、料金プラン管理支援システム100は、質問情報データベース127から各質問のテキスト、アイコン、および入力インターフェイスの各データを読み取り、これら各データを所定のWebページ雛形にセットしたWebページ900(
図13参照)を、需要家端末200に送信する(s100)。
【0042】
上述のWebページ900における質問内容は、
図13で例示するように、「現在契約中の電力会社は?」、「現在ご利用中のプラン名を選択してください」、「契約アンペア数を教えて下さい」、「電気の使用量を教えてください」、「お住まいの郵便番号を教えてください」、「同一の世帯にお住まいの人数を教えてください」、「オール電化住宅にお住まいですか?」、「電気を使うのは主に昼夜どちらですか?」、といったものになる。
【0043】
また、料金プラン管理支援システム100は、上述のWebページ900を送信した需要家端末200から、Webページ900を介した需要家による回答を取得し、当該回答に対して所定規則(例:回答の取得順に応じて値をインクリメントしてID生成)に基づき需要家IDを付与し、プロファイルデータベース125に格納する(s101)。勿論、上述の回答に、電気事業者によって当該需要家に付与されている需要家ID(例:契約者番号など)の回答が含まれている場合、上述の需要家IDの付与に関する処理は不要となる。
【0044】
上述のWebページ900における質問内容の場合、料金プラン管理支援システム100が需要家端末200から得た回答のうち、「現在契約中の電力会社」、「現在ご利用中のプラン名」、および「契約アンペア数」の各値は、プロファイルデータベース125における、「現在契約中の電気事業者」、「電気料金プラン」、および「アンペア数」の各項目に格納される。
【0045】
また、需要家端末200から得た回答のうち、「電気の使用量」、「郵便番号」、「世帯人数」、「オール電化住宅の当否」、および「主たる電気使用時間帯」の各値は、プロファイルデータベース125における、「1ヶ月あたりの電気使用量」、「需要家施設の所在地」、「需要家施設に所在する構成員の数」、「電化度」、および「日中の電気使用割合」の各項目に格納される。
【0046】
次に料金プラン管理支援システム100は、上述のステップs101で得た回答の値を、所定の電気料金プラン選択アルゴリズム110に適用して、当該需要家に好適な電気料金プランを特定し、当該電気料金プランの情報を、所定のWebページ1000(
図14参照)に設定して、これを需要家端末200に送信する(s102)。
【0047】
この場合、電気料金プラン選択アルゴリズム110は、例えば、上述の回答のうち、「アンペア数」の値を、電気料金プランデータベース126の各電気料金プランに適用して、当該「アンペア数」に対応した基本料金を特定する。
【0048】
また、電気料金プラン選択アルゴリズム110は、例えば、上述の回答のうち、「1ヶ月あたりの電気使用量」および「日中の電気使用割合」の各値を、電気料金プランデータベース126の各電気料金プランに適用して、「1ヶ月あたりの電気使用量」のうち「日中の電気使用割合」が示す各時間帯(例:深夜、早朝、日中、夕方)の電気使用量に、該当時間帯の単位電気料金を乗算し、各時間帯の電気料金を算定する。
【0049】
この場合の電気料金プラン選択アルゴリズム110は、上述のように得た基本料金と各時間帯の電気料金を集計し、当該需要家が各電気料金プランを採用した場合の1ヶ月当たりの電気料金を推定する。また、電気料金プラン選択アルゴリズム110は、各電気料金プランのうち、上述のように推定した電気料金が最低額のものを、当該需要家に好適な電気料金プランとして特定する。なお、上述の電気料金プラン選択アルゴリズム110は、あくまでも一例であり、需要家の各種属性に基づいて、料金最低となる電気料金プランを特定するアルゴリズムであれば、いずれのものを採用してもよい。
【0050】
一方、需要家端末200では、上述のWebページ1000を受信して出力装置206に表示する。需要家は、出力装置206で表示された、「B電力のplanA」などといった好適な電気料金プランの情報を閲覧し、該当電気料金プランに変更する意向、すなわち好適な電気料金プランに変更意向があるか否か、採用ボタン1001の押下動作を介して回答する。これを受けた需要家端末200は、上述の好適な電気料金プランへの変更意向の回答を、料金プラン管理支援システム100に送信する。
【0051】
他方、料金プラン管理支援システム100は、上述の変更意向の回答を需要家端末200から受信する(s103)。
【0052】
ここで受信した変更意向の回答が、変更意向の無いことを示すものである場合(s104:n)、料金プラン管理支援システム100は、処理を終了する。
【0053】
他方、需要家端末200から受信した変更意向の回答が、上述の好適な電気料金プランへの変更意向の存在を示すものである場合(s104:y)、料金プラン管理支援システム100は、当該変更意向の情報を、プロファイルデータベース125における該当需要家のレコードの「電気料金プランの変更意向」欄に格納する(s105)。ここで格納される情報は、変更意向の対象である「好適な電気料金プラン」の情報を少なくとも含むものとなる。
【0054】
次に、料金プラン管理支援システム100は、プロファイルデータベース125において、上述の「電気料金プランの変更意向」欄に電気料金プランの情報がセットされている各レコードを、所定の属性ごとに特定する(s106)。
【0055】
この属性とは、例えば、プロファイルデータベース125における「需要家施設に所在する構成員の数」、「需要家施設の所在地」、「電化度」、「現在契約中の電気事業者」、「電気料金プラン」、「アンペア数」、および「1ヶ月あたりの電気使用量」、「日中の電気使用割合」の少なくともいずれか、またはこれらの組合せ、である。
【0056】
このうち、「1ヶ月あたりの電気使用量」については、料金プラン管理支援システム100が、電気使用量実績データベース128の格納情報のうち、例えば直近1ヶ月に関するものを当該各需要家(プロファイルデータベース125において、上述の「電気料金プランの変更意向」欄に電気料金プランの情報がセットされている各レコードが示す需要家IDに対応する者。以下同様)に関して抽出し、各時間帯の電気使用量を集計して1日分の電気使用量を算定し、当該算定値に該当月の日数(30ないし31)を乗算することで算出する。
【0057】
また、「日中の電気使用量割合」については、料金プラン管理支援システム100が、電気使用量実績データベース128の格納情報のうち、例えば直近1ヶ月に関するものを当該各需要家に関して抽出し、各時間帯のうち、例えば午前9時〜午後6時の時間帯の電気使用量を集計して日中の電気使用量(1日分)を算定し、当該算定値に、該当月の日数(30ないし31)を乗算することで、まず該当月における日中の電気使用量を算出する。次に料金プラン管理支援システム100は、上述のように求められる「1ヶ月あたりの電気使用量」のうち、該当月の日中の電気使用量の占める割合を算定し、「日中の電気使用量割合」を算定する。
【0058】
勿論、ステップs106で考慮する属性としては、上述の例に限定されない。例えば、料金プラン管理支援システム100が、電気使用量実績データベース128の保持する、当該各需要家における時間帯別の電気使用量の実績情報に基づいて特定した、時間帯別の電気使用量のパターン、も考慮すべき属性として採用できる。
【0059】
この場合の料金プラン管理支援システム100は、例えば、当該各需要家における直近月の1日の全時間帯の電気使用量を電気使用量実績データベース128の該当需要家のレコードから算定する。例えば、電気使用量実績データベース128における直近月に関する各時間帯の電気使用量を合算すれば、当該各需要家における直近月の1日の全時間帯の電気使用量を算定出来る。ここで算定した所定の需要家における直近月の1日の全時間帯の電気使用量が「10kwh」であったとする。
【0060】
また、料金プラン管理支援システム100は、該当月の当該各需要家における各時間帯の電気使用量のうち、予め定めた所定時間帯分の電気使用量を算定する。例えば、A時間帯:午後7時〜午後10時の電気使用量を、午後7時、午後8時、午後9時、午後10時の各電気使用量の値を合算して算定し、同様に、B時間帯:午後11時〜午前1時の電気使用量を、午後11時、午前0時、午前1時の各電気使用量の値を合算して算定し、同様に、C時間帯:午前4時〜午前6時の電気使用量を、午前4時、午前5時、午前6時の各電気使用量の値を合算して算定する。
【0061】
ここで、上述の所定の需要家に関して算定した、直近月の1日の、A時間帯の電気使用量が「3kwh」、B時間帯の電気使用量が「5kwh」、C時間帯の電気使用量が「1kwh」であったとする。この場合、料金プラン管理支援システム100は、上述の所定の需要家に関して、A時間帯の電気使用量割合を「30%」、B時間帯の電気使用量割合を「50%」、C時間帯の電気使用量割合を「10%」と算定出来る。
【0062】
料金プラン管理支援システム100は、このように当該各需要家に関して算定した、時間帯別の電気使用量の割合を、予め定めた電気使用量パターンごとの基準と照合し、当該各需要家の時間帯の電気使用量の割合が、どの電気使用量パターンに該当するか判定する。 この判定で用いる上述の基準は、
図10のパターン判定テーブル129で示すように、例えば、タイプ1:A時間帯の電気使用量割合が「25%〜35%」、B時間帯の電気使用量割合が「45%〜55%」、C時間帯の電気使用量割合が「5〜15%」、タイプ2:A時間帯の電気使用量割合が「10%〜20%」、B時間帯の電気使用量割合が「10%〜20%」、C時間帯の電気使用量割合が「65〜75%」、といった規定であり、記憶装置101に格納されている。上述した所定の需要家であれば、パターン判定テーブル129に基づいて、各時間帯の電気使用量が規定範囲内である「タイプ1」と判定される。
【0063】
料金プラン管理支援システム100は、このように当該各需要家に関して、電気使用量のパターンを特定する。こうして特定したパターンが上述の「属性」の1つとなりうる。そこで料金プラン管理支援システム100は、当該各需要家に関して特定したパターンを電気使用量パターン情報130(
図11)としてメモリ103に格納しておく。
【0064】
なお、プロファイルデータベース125が、各需要家の電気料金プランの変更意向の情報として、実際にプラン変更したか否か及び変更時期、つまり変更実績に関する情報も含む場合、料金プラン管理支援システム100は、上述の電気使用量パターン情報130のの特定に際し、以下のような処理を更に実行するとしてもよい。
【0065】
すなわち料金プラン管理支援システム100は、プロファイルデータベース125の当該各需要家の電気料金プラン変更意向の情報が変更実績を含むものについて、その変更時期の値を抽出し、当該変更時期の前後、すなわちプラン変更の前後の各時期に関して、上述の電気使用量のパターンを特定する(パターン特定の手法に関しては上述と同様)。
【0066】
次に料金プラン管理支援システム100は、プラン変更の前後の各時期の電気使用量のパターンの組合せを、当該需要家の属性の1つとして特定し、その情報をパタン遷移情報131として例えばメモリ103に格納する。
【0067】
例えば、実際に電気料金プランを変更した実績のある所定の需要家「U00001」に関し、電気料金プランの変更前後の各時期で、電気使用量のパターンの組合せとして、タイプ1(電気料金プラン変更前)とタイプ3(電気料金プラン変更後)の情報を特定出来たとする。この場合の料金プラン管理支援システム100は、需要家「U00001」に関し、タイプ1(電気料金プラン変更前)とタイプ3(電気料金プラン変更後)の情報を、パターン遷移情報131(
図12)としてメモリ103に格納する。
【0068】
上述のステップs106における料金プラン管理支援システム100は、例えば、「電気料金プランの変更意向」欄に値が存在する各レコードを、「属性1:A事業者(A電力会社)と現在契約中であり、A地域に住む4人以上の世帯、電気使用量パターンがタイプ1またはタイプ5」、「属性2:A事業者(A電力会社)と現在契約中であり、B地域に住む単身世帯で日中の電気使用割合が1割以下、電気料金プラン変更前後でのパターン遷移が1→3」、といった属性ごとに分類する。
【0069】
こうした属性は、予め電気事業者端末300から指定され、記憶装置101ないしメモリ103に保持しているものとする。或いは、料金プラン管理支援システム100が、プロファイルデータベース125における各項目(需要家の属性)の全ての組合せパターンを特定し、当該ステップs106でのレコード特定の基準とする属性とするとしてもよい。
【0070】
次に、料金プラン管理支援システム100は、上述のステップs106で特定した、各所定属性の各レコードから、変更先の電気料金プランの情報、すなわち上述した「好適な電気料金プラン」の情報(例:プランIDなど)を抽出し、この電気料金プランに関する情報をキーに、電気料金プランデータベース126で該当電気料金プランの内容を特定する(s107)。ここで特定出来る電気料金プランの内容としては、当該電気料金プランの提供者たる電力事業者名、基本料金、時間帯別の単位電気料金、といった情報になる。
【0071】
続いて料金プラン管理支援システム100は、上述のステップs107で特定した電気料金プランの内容に基づいて、例えば当該属性の需要家のうち所定割合以上(例:半数以上)の需要家が望む電気料金プランの内容を特定する(s108)。
【0072】
また、料金プラン管理支援システム100は、上述のステップs108で特定した電気料金プランが、当該属性の需要家のうち所定割合以上(例:半数以上)の需要家における現在契約中の電力事業者名と一致するか、プロファイルデータベース125を参照して判定する(s109)。
【0073】
上述の判定の結果、ステップs108で特定した電気料金プランが、当該需要家のうち所定割合以上(例:半数以上)の需要家が現在契約中の電力事業者名と一致した場合(s110:y)、料金プラン管理支援システム100は、当該属性の需要家が望む電気料金プランとして、ステップs108で特定した電気料金プランの内容を、所定のWebページ1100(
図15参照)に設定し、これを当該電気事業者(現在契約中の電気料金プランを提供する電気事業者)の電気事業者端末300に送信し(s111)、処理を終了する。
【0074】
料金プラン管理支援システム100は、
図15に例示したWebページ1100において、電気事業者端末300に送信する電気料金プランの情報以外に、この電気料金プランを特定する根拠情報たる、対象の属性、該当属性を備えた需要家の数、該当各需要家が望む電気料金プランの分布グラフ、といった情報についても表示する。
【0075】
なお、上述のs106の処理で考慮した属性のうち「現在契約中の電気事業者」の値が、電気事業者端末300から指定されている場合、当該電気事業者の電気事業者端末300が、当該ステップs111での上述のWebページ1100の送信先となる。
【0076】
一方、電気事業者は、電気事業者端末300において、当該属性の需要家が望む、自社の電気料金プラン(現在契約中の電気料金プランとは異なるもの)の情報を閲覧し、当該属性の各需要家に対する電気料金プランの見直し提案等に活用する。
【0077】
他方、上述の判定の結果、ステップs108で特定した電気料金プランが、当該需要家における現在契約中の電力事業者名と一致しなかった場合(s110:n)、料金プラン管理支援システム100は、ステップs108で特定した電気料金プランに関して、その基本料金および時間帯別の単位電気料金の各値を、電気料金プランデータベース126で特定する(s112)。
【0078】
続いて料金プラン管理支援システム100は、上述のステップs112で特定した、当該電気料金プランの基本料金および時間帯別の単位電気料金の各値に基づいて、当該各値をプラン内容に規定した電気料金プラン案を所定アルゴリズムで生成する(s113)。
【0079】
このステップs113における料金プラン管理支援システム100は、例えば、当該基本料金および各時間帯別の単位電気料金、の少なくともいずれかが一致、または、各時間帯別の単位電気料金のうち所定割合以上の時間帯に関して単位電気料金が一致、といった基準で、電気料金プランデータベース126において類似する1または複数の電気料金プランを検索する。
【0080】
また、料金プラン管理支援システム100は、上述のように検索した類似の電気料金プランにおける基本料金および時間帯別の単位電気料金の各値を、上述のステップs112で特定した、当該電気料金プランの基本料金および時間帯別の単位電気料金の各値に修正して、電気料金プラン案を生成する。
【0081】
勿論、料金プラン管理支援システム100が、記憶装置101に備える電気料金プランの雛形(電気料金プランの基本的な構成のみ規定したもので、基本料金および時間帯別の単位電気料金の各値は空欄となっている)に、上述のステップs112で特定した、当該電気料金プランの基本料金および時間帯別の単位電気料金の各値を設定して、電気料金プラン案を生成するなど、他の手法で電気料金プラン案を生成するとしてもよい。
【0082】
また、料金プラン管理支援システム100は、上述のステップs113で生成した当該電気料金プラン案を、所定のWebページ1200(
図16参照)に設定して、これを、当該電気事業者(現在契約中の電気料金プランを提供する電気事業者)の電気事業者端末300に送信し(s114)、処理を終了する。
【0083】
料金プラン管理支援システム100は、
図16に例示したWebページ1200において、電気事業者端末300に送信する電気料金プラン案の情報以外に、この電気料金プラン案を生成する根拠情報たる、対象の属性、該当属性を備えた需要家の数、該当各需要家が望む電気料金プランの分布グラフ、といった情報についても表示する。
【0084】
この場合、電気事業者は、電気事業者端末300において、当該属性の需要家が望む、電気料金プラン案(自社では提供していなかったもの)の情報を閲覧し、当該属性の各需要家に向けて新規に提供する電気料金プランとして採用を検討することが出来る。
【0085】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0086】
こうした本実施形態によれば、各電気事業者に好適な電気料金プランの提案が可能となる。また、本実施形態によれば、料金プラン管理支援システムにおいて電気料金プランの修正や生成の処理を実行し、その結果のみを電気事業者端末に通知する構成となるため、電気事業者側の情報処理システム等での電気料金プランの修正や生成に伴う処理負荷を適宜に抑制し、全体として処理効果を改善するといった効果も奏することになる。
【解決手段】料金プラン管理支援システム100において、各需要家の属性と電気料金プランの変更意向の各情報を格納したデータベース125を記憶する記憶装置101と、所定属性の各需要家における変更意向の情報をデータベース125から抽出し、当該変更意向の内容に基づいて、当該属性の需要家が望む電気料金プランの内容を特定し、当該特定した内容の情報を所定装置300に出力する演算装置104を含む構成とする。