(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の消費エネルギー推定装置において、前記脂質消費エネルギー取得手段は、前記対象者から発するアセトンの量を検出するアセトン検出手段と、前記アセトン検出手段が検出したアセトンの量に基づいて前記対象者の脂質に由来する消費エネルギーを算出する脂質消費エネルギー演算手段とを有することを特徴とする消費エネルギー推定装置。
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の消費エネルギー推定装置において、前記総消費エネルギー取得手段は、前記対象者の身体の体動を検出する体動センサと、および前記体動センサが検出した体動に基づいて前記対象者の総消費エネルギーを算出する総消費エネルギー演算手段とを有することを特徴とする消費エネルギー推定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人体の体重管理および健康管理などにおいては、総消費エネルギーのみならず、消費した糖質および脂質それぞれの消費エネルギーを把握することも重要である。しかし、特許文献1で提案された活動量計では、糖質に由来する消費エネルギーを計測することはできなかった。
【0005】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明では、ユーザの消費した糖質に由来する消費エネルギーを算出する消費エネルギー推定装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した諸課題を解決すべく、本発明による消費エネルギー推定装置は、
対象者の総消費エネルギーを取得する総消費エネルギー取得手段と、
前記対象者の脂質に由来する消費エネルギーを取得する脂質消費エネルギー取得手段と、
前記総消費エネルギー取得手段が取得した前記総消費エネルギーと前記脂質消費エネルギー取得手段が取得した前記脂質に由来する消費エネルギーとに基づいて、前記対象者の糖質に由来する消費エネルギーを算出する糖質エネルギー演算手段とを備える
ことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
食料の総エネルギーと糖質に由来する消費エネルギーの関係を記憶する第1の記憶手段と、
前記糖質エネルギー演算手段が算出する前記糖質に由来する消費エネルギー、および前記第1の記憶
手段に記憶する前記関係に基づいて、前記対象者が摂取した食料の総エネルギーを推定する総エネルギー演算手段とを、さらに備える
ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
初期基準時から測定基準時までの前記総消費エネルギーに基づいて、前記初期基準時近辺において前記対象者の糖質に由来する消費エネルギーを算出する
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
時刻を計るタイマと、
前記総消費エネルギー取得手段により取得される総消費エネルギーを前記タイマに計時された時刻と関連付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記初期基準時および前記測定基準時の入力を検出する入力手段とを、さらに備え、
前記総消費エネルギー取得手段は、前記入力
手段が検出する前記初期基準時における前記総消費エネルギーを前記第2の記憶手段から読出し、前記測定基準時の前記総消費エネルギーを取得し、前記初期基準時における前記総消費エネルギーから前記測定基準時の前記総消費エネルギーを減じることにより前記
初期基準時から前記測定基準時までの前記総消費エネルギーを算出する
ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
前
記総消費エネルギー取得手段が取得する前記総消費エネルギーをリセットする入力を検出する入力部を備え、
前記糖質エネルギー演算手段は、前記リセットする入力の検出以後に求められる前記総消費エネルギーを、前記初期基準時から前記測定基準時までの前記総消費エネルギーとして用いる
ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
前記脂質消費エネルギー取得手段は、前記対象者から発するアセトンの量を検出するアセトン検出手段と、前記アセトン
検出手段が
検出したアセトンの量に基づいて前記対象者の脂質に由来する消費エネルギーを算出する脂質消費エネルギー演算手段とを有する
ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
前記脂質
消費エネルギー取得手段は、前記対象者から発するアセトンの量の検出および検出したアセトンの量に基づく前記対象者の脂質に由来する消費エネルギーの算出を実行するアセトン検出装置から前記対象者の脂質に由来する消費エネルギーを取得する
ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
前記脂質
消費エネルギー取得手段は、前記対象者から発するアセトンの量を検出するアセトン検出装置から前記対象者のアセトンの量を取得し、取得したアセトンの量に基づいて前記対象者の脂質に由来する消費エネルギーを算出する
ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の消費エネルギー推定装置は、
前記総消費エネルギー取得手段は、前記対象者の身体の体動を検出する体動センサと、および前記体動センサが検出した体動に基づいて前記対象者の総消費エネルギーを算出する総消費エネルギー演算手段とを有する
ことを特徴とする。
【0015】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【発明の効果】
【0016】
上記のように構成された本発明に係る消費エネルギー推定装置によれば、対象者の消費した糖質に由来する消費エネルギーを算出可能である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用した
消費エネルギー推定装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る消費エネルギー推定装置の外観斜視図である。
【0019】
消費エネルギー推定装置10は、例えば活動量計であって、後述するように、対象者の総消費エネルギーを算出する。消費エネルギー推定装置10の正面には、ディスプレイ11および複数のボタン12が設けられる。また、消費エネルギー推定装置10の側面には、アセトン測定部13が設けられる。
【0020】
ディスプレイ11は多様な画像を表示可能である。
【0021】
複数のボタン12は、消費エネルギー推定装置10の電源のON/OFFの切替え入力、動作モードの切替え入力、および設定画面における多様な入力を検出する。
【0022】
アセトン測定部13は、対象者の呼気に含まれるアセトンの量を検出する。なお、本実施形態においては、アセトン測定部13は、呼気に含まれるアセトンの量を検出する構成であるが、皮膚から発散するアセトンの量を検出する構成であってもよい。
【0023】
次に、消費エネルギー推定装置10の内部構成を、
図2の機能ブロック図を用いて説明する。消費エネルギー推定装置10は、第1の記憶部14(第1の記憶手段)、第2の記憶部15(第2の記憶手段)、入力部16(入力手段)、体動センサ17、第1の演算部18(総消費エネルギー演算手段)、第2の演算部19(糖質エネルギー演算手段)、第3の演算部20(総エネルギー演算手段)、第4の演算部21(脂質消費エネルギー演算手段)、ディスプレイ11、タイマ22、および制御部23を含んで構成される。
【0024】
第1の記憶部14は、例えばEEPROMであって、消費エネルギー推定装置10の多様な機能を実行するために必要で、予め定められる情報を記憶する。例えば、総エネルギーおよび糖質エネルギーの対応関係が予め記憶される。なお、総エネルギーおよび糖質のエネルギーの対応関係は、一般的な食事において摂取される食料の総エネルギーおよびその中の糖質のエネルギーの、例えば割合などの関係であって、性別、世代別に統計的に予め求められる。
【0025】
第2の記憶部15は、例えばSDRAMであって、後述するように、入力部16において検出する対象者の個人情報、第1の演算部18が算出する総消費エネルギー、および第4の演算部21が算出した脂質に由来する消費エネルギーを食前の脂質に由来する消費エネルギーとして記憶する。なお、後述するように、これらの値は、必要に応じて書換えられ、消去される。
【0026】
入力部16は、複数のボタン12を含んで構成される。後述するように、消費エネルギー推定装置10は複数の動作モードを有しており、入力部16は各動作モードにおける対象者の操作に応じた入力を検出する。
【0027】
入力部16は、後述するように、例えば、対象者の年齢、性別、身長、体重、および体脂肪率などの対象者の個人情報の入力を検出する。また、入力部16は、後述するように、第1の演算部18が算出する総消費エネルギーをリセットする入力を検出する。また、入力部16は、動作モードの切替指示を検出する。また、入力部16は、脂質消費測定の入力を検出する。また、入力部16は、アセトンの量の検出が食前または食前以外であるかを選択する入力を検出する。また、入力部16は、食料の総エネルギーの算出を指示する入力を検出する。
【0028】
体動センサ17は、例えば3軸加速度センサモジュールであって、互いに垂直な3方向に沿った消費エネルギー推定装置10の加速度を検出する。なお、消費エネルギー推定装置10は対象者に装着されるので、消費エネルギー推定装置10の3方向の加速度は、対象者の3方向の体動として検出される。
【0029】
第1の演算部18は、第2の記憶部15から読出した対象者の個人情報と、体動センサ17が検出した3方向の加速度に基づいて、対象者の総消費エネルギーを算出する。なお、3方向の加速度および対象者の個人情報に基づく従来公知の算出方法を用いて、総消費エネルギーの瞬時値が算出される。第1の演算部18は、瞬時値を、例えば1分毎に算出する。また、第1の演算部18は、算出した瞬時値を積算して総消費エネルギーを算出する。
【0030】
なお、第1の演算部18は、入力部16がリセットの入力を検出すると、総消費エネルギーを0にリセットし、リセット後からの総消費エネルギーを再び算出する。すなわち、第1の演算部18により算出される総消費エネルギーは、リセット時(初期基準時)から現在(測定基準時)までの間における対象者の総消費エネルギーである。
【0031】
第2の演算部19は、第1の演算部18が算出した総消費エネルギーから、後述する第4の演算部21が算出する対象者の脂質に由来する消費エネルギーを減じることにより糖質に由来する消費エネルギーを算出する。なお、後述するように、消費エネルギー推定装置10の特定の使用方法に基づいて、第2の演算部19により算出される糖質に由来する消費エネルギーは、リセット時近辺に対象者が摂取した食料の糖質のエネルギーに相当する。すなわち、第2の演算部19は、リセット時近辺に対象者が摂取した食料の糖質のエネルギーを推定する。
【0032】
第3の演算部20は、第2の記憶部15から対象者の個人情報を読出す。さらに、第3の演算部20は、個人情報に応じた、総エネルギーおよび糖質のエネルギーの対応関係を、第1の記憶部14から読出す。また、第3の演算部20は、第2の演算部19が算出した糖質のエネルギー、ないし第1の記憶部14から読出す総エネルギーおよび糖質のエネルギーの対応関係に基づいて、摂取した食料の総エネルギーを算出する。
【0033】
第4の演算部21は、アセトン測定部13が検出した呼気アセトンの量に基づいて、対象者の脂質に由来する消費エネルギーを算出する。なお、体内から発せられるアセトンの量は、脂質に由来する消費エネルギーに応じて変動する。すなわち、アセトンの量は、脂質の燃焼が開始されてからアセトンの量が検出するまでの間に燃焼した脂質のエネルギーに応じて変動する。第4の演算部21は、このような原理に基づいて、脂質に由来する消費エネルギーを算出する。
【0034】
ディスプレイ11は例えば液晶モニタであり、前述のように、様々な種類の画像を表示することが可能である。
【0036】
制御部23は、第1の記憶部14、第2の記憶部15、入力部16、体動センサ17、第1の演算部18、第2の演算部19、第3の演算部20、第4の演算部21、ディスプレイ11、およびタイマ22間の情報および指令の伝達および各部位の動作を制御する。
【0037】
次に、消費エネルギー推定装置10の動作モード毎に実行される機能について、詳細に説明する。消費エネルギー推定装置10は、動作モードとして、設定モードおよび測定モードを有する。
【0038】
消費エネルギー推定装置10の設定モードにおいて、対象者は自身の個人情報を入力可能である。動作モードが設定モードである場合に、個人情報入力画像がディスプレイ11に表示される。個人情報入力画像の表示中における入力によって、入力部16は対象者の個人情報を検出し、第2の記憶部15に記憶させる。
【0039】
消費エネルギー推定装置10の測定モードにおいて、対象者の総消費エネルギーの算出、摂取した食料の糖質のエネルギーの推定、および摂取した食料の総エネルギーの推定が可能である。動作モードが測定モードである場合に、第1の演算部18が算出する対象者の総消費エネルギーが時刻毎に第2の記憶部15に記憶される。なお、時刻はタイマ22の計時により把握する。記憶された総消費エネルギーは、時刻毎の棒グラフや、数値としてディスプレイに表示可能である。
【0040】
測定モードの実行中に、入力部16が総消費エネルギーをリセットする入力を検出すると、第1の演算部18が算出する総消費エネルギーが0にリセットされる。0へのリセット後、第1の演算部18は再び総消費エネルギーの算出を開始する。
【0041】
測定モードの実行中に、入力部16が脂質消費測定の入力を検出すると、アセトン測定部13および第4の演算部21が協同して、対象者の脂質に由来する消費エネルギーが取得される。
【0042】
脂質に由来する消費エネルギーが取得されると、ディスプレイ11には、食前の検出であるか、食前以外の検出であるかを選択させる画像が表示される。
【0043】
食前の検出を選択する入力を検出すると、第4の演算部21が算出した脂質に由来する消費エネルギーが食前の脂質に由来する消費エネルギーとして第2の記憶部15に記憶される。次に説明するように、第2の記憶部15に記憶させる脂質に由来する消費エネルギーは、第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーが、リセット時近辺に摂取した食料の糖質のエネルギーに相当するか否かの判別に用いられる。
【0044】
食前以外の検出を選択する入力を検出すると、第2の演算部19は、第1の演算部18が算出した総消費エネルギーから、第4の演算部21が算出した脂質に由来する消費エネルギーを減じ、糖質に由来する消費エネルギーを算出する。また、食前以外の検出を選択する入力を検出すると、第4の演算部21が算出した脂質に由来する消費エネルギーと第2の記憶部15に記憶した脂質に由来する消費エネルギーとを比較する。比較に基づいて、第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーがリセット時近辺に摂取した食料の糖質のエネルギーに相当するか否かが判別される。
【0045】
第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーはリセット時近辺に摂取した食料の糖質のエネルギーには相当しないと判別されるとき、ディスプレイ11には、“現在、まだ食べた分の糖質エネルギーを消費中”のメッセージが表示される。また、ディスプレイ11には、第1の演算部18、第4の演算部21がそれぞれ算出した総消費エネルギーおよび直近の食事後の脂質に由来する消費エネルギーが表示される。さらに、ディスプレイ11には、第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーが、糖質を燃焼中である対象者における糖質に由来する消費エネルギーとして表示される。
【0046】
第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーはリセット時近辺に摂取した食料の糖質のエネルギーには相当すると判別されるとき、、第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーが、直近に摂取した食料の糖質のエネルギーとして、例えば
図3に示すように、ディスプレイ11に表示される。
【0047】
ここで、第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーがリセット時近辺に摂取した食料の糖質のエネルギーに相当し得ることについて、簡単に説明する。人体の活動に用いられるエネルギー源は、糖質および脂質であることが知られている。すなわち、人体における総消費エネルギーは、糖質に由来する消費エネルギーおよび脂質に由来する消費エネルギーの合計である。
【0048】
食品は、一般的に、糖質および脂質分を有している。通常の生活サイクルにおいて、食後には、脂質に由来する消費が急激に低下し、糖質が優先的に消費される。体内に保持される僅かな量の糖質を残し、摂取した糖質がほぼ消費され尽くすと、摂取した脂質および体内に蓄積された脂質に由来する消費が始まる。
【0049】
以後、次の食料が摂取されるまで、急激な無酸素運動など体内の糖質を使う特別な状況でない限り、脂質が優先的に消費される。したがって、アセトンの量に基づいて第4の演算部21により算出される脂質に由来する消費エネルギーは、直近の食後から検出時までの間に人体が消費した脂質に由来する消費エネルギーである。
【0050】
直近の食事の前後において総消費エネルギーをリセットした場合における第1の演算部により算出される総消費エネルギーは、直近の食後から検出時までの間に人体の総消費エネルギーである。それゆえ、直近の食後から検出時までの間に人体が消費した総消費エネルギーから、第4の演算部21により算出される脂質に由来する消費エネルギーを減じることにより、直近の食後から検出時までの間に人体が消費した糖質に由来する消費エネルギーが算出される。
【0051】
前述のように、人体が食料を摂取すると、糖質がほぼ消費され尽くすまで、食料に含まれる糖質が優先的に消費される。それゆえ、体内保持用以外の糖質が完全に消費された場合における直近の食後から検出時までの間に人体が消費した糖質に由来する消費エネルギーは、直近に摂取した食料に含まれる糖質のエネルギーに実質的に等しい。
【0052】
上述のような原理に基づいて、消費エネルギー推定装置10では、体内保持用以外の糖質が消費され尽くしたことを判別したときに、第2の演算部19が算出する糖質に由来する消費エネルギーが、直近に摂取した食料に含まれる糖質のエネルギーとして表示される。一方、体内保持用以外の糖質が消費され尽くしていないと判別したときに、第2の演算部19が算出する糖質に由来する消費エネルギーは、糖質に由来する消費エネルギーとして表示される。
【0053】
なお、消費エネルギー推定装置10は、第4の演算部21が新規に算出した脂質に由来する消費エネルギーが第2の記憶部15に記憶した食前の脂質に由来する消費エネルギーを超えるときに、体内保持用以外の糖質が消費され尽くしたと判別する。
【0054】
なお、体内保持用以外の糖質が消費され尽くしたと判別した状態において、摂取した食料の総エネルギーの算出を指示する入力を検出すると、第3の演算部20は、第2の演算部19に算出された糖質に由来する消費エネルギーに基づいて、直近に摂取した食料の総エネルギーを算出する。算出された総エネルギーはディスプレイ11に表示される。
【0055】
次に、第1の実施形態において、設定モードにある制御部23が実行する情報入力処理について、
図4のフローチャートを用いて説明する。情報入力処理は、対象者による設定モードへの切替入力を入力部16が検出するときに開始する。
【0056】
ステップS100では、制御部23は、個人情報入力画像をディスプレイ11に表示させる。個人情報入力画像を表示すると、プロセスはステップS101に進む。
【0057】
ステップS100では、制御部23は、入力部16が対象者による個人情報の入力を検出しているか否かを判別する。個人情報の入力を検出していない場合には、プロセスはステップS100に戻り、検出されるまでステップS100およびステップS101を繰返す。個人情報の入力を検出すると、ステップS102に進む。
【0058】
ステップS102では、制御部23は、入力部16が検出した対象者の個人情報を第2の記憶部15に記憶させる。第2の記憶部15への個人情報の記憶後、情報入力処理を終了する。
【0059】
次に、第1の実施形態において、測定モードにある制御部23が実行する総消費エネルギー算出処理について、
図5のフローチャートを用いて説明する。総消費エネルギー算出処理は、対象者による測定モードへの切替入力を入力部16が検出するときに開始する。総消費エネルギー算出処理は、測定モードの開始後、消費エネルギー推定装置10の電源をOFFにするときに終了する。
【0060】
ステップS200において、制御部23は、体動センサ17が検出した加速度を第1の演算部18に伝達する。また、制御部23は、第2の記憶部15に記憶された対象者の個人情報を第1の演算部18に伝達する。さらに、制御部23は、第1の演算部18に対象者の総消費エネルギーを算出させる。制御部23は、算出した総消費エネルギーを、タイマ22が計時する時刻と関連付けて、第2の記憶部15に記憶させる。総消費エネルギーを算出させると、プロセスはステップS201に進む。
【0061】
ステップS201では、制御部23は、ディスプレイ11に、ステップS200で算出した総消費エネルギーを表示させる。総消費エネルギーを表示させると、プロセスはステップS202に進む。
【0062】
ステップS202では、制御部23は、リセットする入力を入力部16が検出しているか否かを判別する。リセットする入力を検出していないときには、プロセスはステップS200に戻る。リセットする入力を検出するときには、プロセスはステップS203に進む。
【0063】
ステップS203では、制御部23は、第1の演算部18において算出する総消費エネルギーを0にリセットする。総消費エネルギーをリセットすると、プロセスはステップS200に戻る。
【0064】
次に、第1の実施形態において、測定モードにある制御部23が実行する消費エネルギー算出処理について、
図6のフローチャートを用いて説明する。第1の実施形態における消費エネルギー算出処理は、測定モードの実行中に、対象者による脂質消費測定の入力を入力部16が検出するときに開始する。
【0065】
ステップS300において、制御部23は、アセトン測定部
13が呼気を検出しているか否かを判別する。呼気の検出は、例えば圧力の変動などに基づいて検出する。呼気を検出していないときには、ステップS200を繰返し、待機状態となる。呼気を検出するときには、プロセスはステップS301に進む。
【0066】
ステップS301では、制御部23は、アセトン測定部
13にアセトンの量を検出させる。さらに、制御部23は、検出したアセトンの量を第4の演算部21に伝達する。アセトンの量を伝達すると、プロセスはステップS302に進む。
【0067】
ステップS302では、制御部23は、ステップS301で伝達されたアセトンの量に基づいて脂質に由来する消費エネルギーを算出する。脂質に由来する消費エネルギーを算出すると、プロセスはステップS303に進む。
【0068】
ステップS303では、制御部23は、食前または食前以外の何れの測定であることを指定する入力を入力部16が検出しているかを判別する。食前の検出であるときには、プロセスはステップS304に進む。食前以外の検出であるときには、プロセスはステップS305に進む。
【0069】
ステップS304では、制御部23は、ステップS302において測定された脂質に由来する消費エネルギーを第2の記憶部15に記憶させる。第2の記憶部15への記憶後に、消費エネルギー算出処理を終了する。
【0070】
ステップS305では、制御部23は、第1の演算部18が算出した総消費エネルギー、およびステップS302において第4の演算部21に算出させた脂質に由来する消費エネルギーを、第2の演算部19に伝達する。さらに、制御部23は、第2の演算部19に総消費エネルギーから脂質に由来する消費エネルギーを減じさせ、糖質に由来する消費エネルギーを算出させる。糖質に由来する消費エネルギーを算出すると、プロセスはステップS306に進む。
【0071】
ステップS306では、制御部23は、ステップS302において測定された脂質に由来する消費エネルギーから、第2の記憶部15に記憶された脂質に由来する消費エネルギーを減じた差、すなわち食前および食前以外における脂質に由来する消費エネルギーの差を算出する。差の算出後、プロセスはステップS307に進む。
【0072】
ステップS307では、制御部23は、ステップS306において算出した食前および食前以外の脂質に由来する消費エネルギーの差が0より大きいか否かを判別する。差が0より大きいときには、プロセスはステップS308に進む。差が0以下であるときには、プロセスはステップS309に進む。
【0073】
ステップS308では、制御部23は、ディスプレイ11に“現在、まだ食べた分の糖質エネルギーを消費中”のメッセージとともに総消費エネルギーおよび現在の脂質に由来する消費エネルギー、とともにステップS305において算出した糖質に由来する消費エネルギーを現在の糖質に由来する消費エネルギーとして表示させる。表示後に、消費エネルギー算出処理を終了する。
【0074】
ステップS309では、制御部23は、ディスプレイ11に、ステップS305において第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーを、直近に摂取した食料の糖質のエネルギーとして表示させる。糖質のエネルギーを表示させると、プロセスはステップS310に進む。
【0075】
ステップS310では、制御部23は、食料の総エネルギーの算出を指示する入力を入力部16が検出しているか否かを判別する。入力を検出していないときは、消費エネルギー算出処理を終了する。入力を検出するときには、プロセスはステップS311に進む。
【0076】
ステップS311では、制御部23は、ステップS308において第2の演算部19に算出させた糖質のエネルギー、および第1の記憶部14が記憶している対応関係を第3の演算部20に伝達する。さらに、制御部23は、第3の演算部20に直近に摂取した食料の総エネルギーを算出させる。総エネルギーを算出させると、プロセスはステップS312に進む。
【0077】
ステップS312では、制御部23は、ディスプレイ11に、ステップS311において第3の演算部20に算出させた食料の総エネルギーを表示させる。食料の総エネルギーを表示させると、消費エネルギー算出処理を終了する。
【0078】
以上のような構成の第1の実施形態の消費エネルギー推定装置によれば、対象者の消費した糖質に由来する消費エネルギーを算出可能である。
【0079】
また、第1の実施形態の消費エネルギー推定装置によれば、算出した糖質に由来する消費エネルギーを、摂取した食料の糖質のエネルギーとして表示することが可能である。
【0080】
また、第1の実施形態の消費エネルギー推定装置によれば、糖質のエネルギーとして表示した糖質に由来する消費エネルギーに基づいて、食事において摂取した食料の総エネルギーを算出可能である。したがって、摂取した食料の総エネルギーの推定値を極めて容易に把握可能となる。
【0081】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では脂質に由来する消費エネルギーの取得方法が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ機能および構成を有する部位には同じ符号を付す。
【0082】
図7に示すように、第2の実施形態の消費エネルギー推定装置100には、第1の実施形態と同様に、ディスプレイ11およぶ複数のボタン12が設けられる。一方、第1の実施形態と異なり、消費エネルギー推定装置100の側面には、取得部240が設けられる。ディスプレイ11および複数のボタン12の構成および機能は、第1の実施形態と同様である。
【0083】
取得部240は、例えば無線または有線のデータ受信器であって、外部機器から多様なデータを受信する。例えば、取得部240は、対象者の呼気に含まれるアセトンの量を検出し、検出したアセトンの量に基づいて対象者の脂質に由来する消費エネルギーを算出する脂質消費検出装置(アセトン検出装置)から、対象者の脂質に由来する消費エネルギーをアセトンの量の検出時刻とともに取得する。
【0084】
次に、消費エネルギー推定装置100の内部構成を、
図8の機能ブロック図を用いて説明する。消費エネルギー推定装置100は、第1の記憶部14、第2の記憶部15、入力部16、体動センサ17、第1の演算部180、第2の演算部19、第3の演算部20、ディスプレイ11、タイマ22、制御部230、および取得部240を含んで構成される。第1の記憶部14、第2の記憶部15、入力部16、体動センサ17、第2の演算部19、第3の演算部20、ディスプレイ11、およびタイマ22の構成および機能は、第1の実施形態と同様である。
【0085】
第1の演算部180は、第1の実施形態と同様に、第2の記憶部15から読出した対象者の個人情報と、体動センサ17が検出した3方向の加速度に基づいて、対象者の総消費エネルギーを算出する。
【0086】
第1の演算部180は、第1の実施形態と異なり、後述するように、特定の期間における対象者の総消費エネルギーを算出する。
【0087】
取得部240は、前述のように、脂質消費検出装置から、対象者の脂質に由来する消費エネルギーをアセトンの量の検出時刻とともに取得する。
【0088】
制御部
230は、第1の記憶部14、第2の記憶部15、入力部16、体動センサ17、第1の演算部180、第2の演算部19、第3の演算部20、ディスプレイ11、タイマ22、制御部230、および取得部240間の情報および指令の伝達および各部位の動作を制御する。
【0089】
次に、消費エネルギー推定装置100の動作モード毎に実行される機能について、詳細に説明する。第1の実施形態と同様に、消費エネルギー推定装置100は、動作モードとして、設定モードおよび測定モードを有する。
【0090】
消費エネルギー推定装置100の設定モードにおける、対象者の個人情報の入力は、第1の実施形態と同様である。
【0091】
消費エネルギー推定装置100の測定モードにおける、対象者の総消費エネルギーの算出は、第1の実施形態と同様である。
【0092】
消費エネルギー推定装置100は、測定モードにおいて、脂質消費検出装置から、対象者の脂質に由来する消費エネルギーを取得可能である。測定モードの実行中に脂質に由来する消費エネルギーを取得する指示入力を検出すると、消費エネルギー推定装置100は脂質消費検出装置から脂質に由来する消費エネルギーをアセトンの量の検出時刻とともに取得する。
【0093】
第1の実施形態と同様に、脂質に由来する消費エネルギーを取得すると、ディスプレイ11には、食前の検出であるか、食前以外の検出であるかを選択させる画像が表示される。第1の実施形態と同様に、食前の検出を選択する入力を検出すると、取得した脂質に由来する消費エネルギーが食前の脂質に由来する消費エネルギーとして第2の記憶部15に記憶される。
【0094】
第1の実施形態と異なり、食前以外の検出を選択する入力を検出すると、ディスプレイ11には、直近の食事時間の入力を要請するメッセージが表示される。直近の食事時間の入力を入力部16が検出すると、第1の演算部180は、入力された時間に最も近い時刻(以下、“初期基準時”という)に算出された総消費エネルギーを第2の記憶部15から読出す。また、第1の演算部180は、脂質消費検出装置から取得するアセトンの量の検出時刻に最も近い時刻(以下、“測定基準時”という)に算出された総消費エネルギーを第2の記憶部15から読出す。第1の演算部180は、両者の差を算出することにより、初期基準時から測定基準時までの間の対象者の総消費エネルギーを算出する。初期基準時から測定基準時までの総消費エネルギーが算出されると、第1の実施形態と同様に、第2の演算部19が、第1の演算部180が算出した総消費エネルギーから、取得部240が取得する脂質に由来する消費エネルギーを減じ、糖質に由来する消費エネルギーを算出する。
【0095】
また、第1の実施形態と同様に、食前以外の検出を選択する入力を検出すると、第2の演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーが入力部16に入力された直近の食事時間近辺に摂取した食料の糖質のエネルギーに相当するか否かが判別される。以後、第1の実施形態と同様に、第2の
演算部19が算出した糖質に由来する消費エネルギーは、糖質を燃焼中である対象者における糖質に由来する消費エネルギー、または、直近に摂取した食料の糖質のエネルギーとして、ディスプレイ11に表示される。
【0096】
また、第1の実施形態と同様に、消費エネルギー推定装置100は、直近に摂取した食料の総エネルギーを算出して、ディスプレイ11に表示する。
【0097】
次に、制御部230が実行する各処理について説明する。なお、設定モードにおいて制御部230が実行する情報入力処理は第1の実施形態と同じであり、説明を省略する。また、測定モードにおいて制御部230が実行する総消費エネルギー算出処理も第1の実施形態と同じであり、説明を省略する。
【0098】
第2の実施形態において、測定モードにおいて制御部230が実行する消費エネルギー算出処理について、
図9のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態における消費エネルギー算出処理も、測定モードの実行中に、対象者による脂質消費測定の入力を入力部16が検出するときに開始する。
【0099】
ステップS400において、制御部230は、脂質消費検出装置から、対象者の脂質に由来する消費エネルギーとアセトンの量の検出時刻を取得する。取得後、プロセスはステップS401に進む。
【0100】
ステップS401およびS402においては、制御部230は、第1の実施形態の消費エネルギー算出処理におけるステップS303およびS304と同じ制御を実行する。
【0101】
ステップS403では、制御部230は、ディスプレイ11に、直近の食事時間の入力を要求する画像を表示させる。入力を要求すると、プロセスはステップS403に進む。
【0102】
ステップS404では、制御部230は、入力部16が食事時間の入力を検出しているか否かを判別する。入力を検出していないときにはステップS404に戻り、待機状態となる。入力を検出するときにはプロセスはステップS405に進む。
【0103】
ステップS405では、制御部230は、第2の記憶部15からステップS407で入力された時間に最も近い時刻、すなわち初期基準時の総消費エネルギーを第2の記憶部15から読出し、第1の演算部180に伝達する。また、制御部230は、ステップS400において取得したアセトンの量の検出時刻に最も近い時刻、すなわち測定基準時の総消費エネルギーを第2の記憶部15から読出し、第1の演算部180に伝達する。第2の記憶部15から総消費エネルギーを読出すと、プロセスはステップS406に進む。
【0104】
ステップS406では、制御部230は、第1の演算部180に、初期基準時から測定基準時までの総消費エネルギーを算出させる。総消費エネルギーを算出すると、プロセスはステップS407に進む。
【0105】
ステップS407からS414においては、制御部230は、第1の実施形態の消費エネルギー算出処理におけるステップS305からS312と同じ制御を実行する。
【0106】
以上のような構成の第2の実施形態の消費エネルギー推定装置によっても、対象者の消費した糖質に由来する消費エネルギーを算出することが可能である。また、第2の実施形態の消費エネルギー推定装置によっても、算出した糖質に由来する消費エネルギーを摂取した食料の糖質のエネルギーとして表示することが可能である。また、第2の実施形態の消費エネルギー推定装置によっても、糖質のエネルギーとして表示した糖質に由来する消費エネルギーに基づいて、食事において摂取した食料の総エネルギーを算出可能である。
【0107】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0108】
例えば、第1の実施形態および第2の実施形態において、体動センサ17の検出する3方向の加速度に基づいて第1の演算部18、180が総消費エネルギーを算出する構成であるが、体動センサおよび第1の演算部を有する測定装置から、総消費エネルギーを取得する構成であってもよい。または、体動センサを有する測定装置から、3方向の加速度の履歴を取得し、取得した3方向の加速度に基づいて総消費エネルギーを算出する構成であってもよい。
【0109】
また、第1の実施形態および第2の実施形態において、糖質が消費し尽くされた後においても脂質に由来する消費エネルギーが算出されるたびに、糖質に由来する消費エネルギーの算出が実行される構成であるが、算出は1回で完了させる構成であってもよい。糖質が消費し尽されたときの糖質に由来する消費エネルギーは、脂質に由来する消費エネルギーの算出時期に関わらず一定であると考えられる。それゆえ、糖質が消費し尽されたと判定されたときには、当該糖質に由来する消費エネルギーを第2の記憶部15などのメモリに記憶し、以後の脂質に由来する消費エネルギーの算出時には、記憶された糖質に由来する消費エネルギーを読出して表示する構成であってもよい。
【0110】
また、第1の実施形態において、消費エネルギー推定装置10は第1の演算部18から第4の演算部21を別々に有する構成であるが、第1の演算部18から第4の演算部21が実行する演算を、単一の演算部に実行させる構成であってもよい。同様に、第2の実施形態において、消費エネルギー推定装置100は第1の演算部180から第3の演算部20を別々に有する構成であるが、第1の演算部18から第3の演算部20が実行する演算を、単一の演算部に実行させる構成であってもよい。
【0111】
また、第2の実施形態において、取得部240は、脂質消費検出装置から、対象者の脂質に由来する消費エネルギーを取得する構成であるが、アセトンの量を取得する構成であってもよい。第1の実施形態と同様にして、取得したアセトンの量に基づいて消費エネルギー推定装置100において脂質に由来する消費エネルギーを算出可能である。