(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複合演出は、前記第2演出要素ごとに、前記演出信頼度の最も高くなる前記第1演出要素の組合せが相違するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
前記複合演出は、何れかの前記第1演出要素に対し、前記演出信頼度が100%となる前記第2演出要素の組合せが含まれるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
前記第2演出要素選択手段は、前記演出信頼度の低い前記複合演出となる前記第2演出要素よりも、前記演出信頼度の高い前記複合演出となる前記第2演出要素の方を選択し難いように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した一実施形態を、
図1〜
図23を用いて説明する。本実施形態に係る遊技機10は、
図1に示されており、遊技機10の遊技板11の前面には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域R1が形成されている。
【0020】
遊技板11の前面は、遊技機10の前面に開閉可能に取り付けられた前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技領域R1の全体が視認可能となっている。ガラス窓10Wの周囲には、装飾ランプ22が設けられ、ガラス窓10Wの上方の両側には、スピーカ25S,25Sが備えられている。また、ガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられ、下皿27Bの右端部には操作ノブ28が設けられている。そして、操作ノブ28を回動操作すると、上皿27Aに収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0021】
上皿27Aの上部には、遊技者が押し下げ可能な操作ボタン29が備えられている。また、図示はしないが、操作ボタン29の側方には、上下左右に操作可能な十字キーが設けられている。
【0022】
遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、異形の遊技板表示窓11Hが貫通形成されており、その遊技板表示窓11Hに遊技板11の裏面側から液晶表示装置13が対向している。液晶表示装置13は、液晶モジュール(例えば、TFT−LCDモジュール)で構成され、その表示画面13Gが、遊技板11の奥側に配置されている。
【0023】
遊技板11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から遊技板表示窓11Hに嵌め込まれ、遊技板表示窓11Hの内側に張り出すと共に、遊技板11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の外側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
【0024】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1と第2の始動入賞口14A,14B、大入賞口15が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装飾枠23の左側には、始動ゲート18と風車19が設けられている。なお、図示しないが、遊技領域R1には多数の障害釘が植設されている。
【0025】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20は、所謂、ポケット構造をなして、遊技板11の前面から突出した部材上面に開放しており、遊技球が丁度1つ入球可能な大きさで上方に開口している。そして、一般入賞口20に遊技球が入ると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。
【0026】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置18X(
図8参照)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。
【0027】
普通図柄表示装置18Xの変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置18Xの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置18Xの変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置18Xが変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、普通図柄保留表示部(図示せず)にて表示される。
【0028】
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技板11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技板11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技板11の裏側に回収される。
【0029】
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、普通図柄当否判定が当り(以下、適宜「小当り」という。)であった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(
図1には、横倒しにされた可動翼片14Cが示されている。)。
【0030】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、特別図柄表示装置14X(
図8参照)にて表示されると共に、液晶表示装置13の表示画面13Gにおいて特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせで表示される。
【0031】
具体的には、液晶表示装置13には、
図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に停止表示される。そして、当否判定結果が当り(以下、「大当り」という)の場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当り遊技状態」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当り遊技状態」ではない通常遊技状態が続く。
【0032】
ところで、液晶表示装置13において変動表示中又は「大当り遊技」の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定権、即ち、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、特別図柄13A,13B,13Cが停止表示又は「大当り遊技」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び特別図柄13A,13B,13Cが変動表示される。特別図柄の変動表示の保留記憶数は、液晶表示装置13の下端部に位置する特別図柄保留表示部14Hにて表示される。
【0033】
図1に示すように、大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、「大当り遊技」が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。また、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。大入賞口15の内部には、入賞センサ(図示せず)が設けられており、入賞球数をカウントする。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。
【0034】
ここで、本実施形態の遊技機10では、ラウンド数(大入賞口15の開放回数)が異なる複数種類の大当り遊技が設けられている。ここで、大入賞口15が「n」回開放する大当り遊技のことを『「n」R大当り』と呼ぶことにすると、本実施形態の大当り遊技には、2R大当り、4R大当り、16R大当りの3種類が備えられている。
【0035】
また、本実施形態では、大当り遊技の終了後、回数限定の確変遊技、所謂、スペシャルタイム(以下、「ST」という。)が実行されることがある。具体的には、2R大当りと4R大当りが終了したときには、必ず、STが実行され、16R大当りが終了したときには、STが実行される場合と実行されない場合とがある。なお、16R大当りの終了後、STが実行されるか否か(以下、「ST抽選」という。)は、特別図柄の当否判定時に取得した乱数により決定される。
【0036】
STでは、特別図柄の当否判定が当りとなる確率が通常時(例えば、3/630)に比較して高く(例えば、30/630)なる確変遊技状態となると共に、「小当り」の発生確率も高くなる時短状態にもなる。このSTは、大当り遊技が終了後、連続して外れの当否判定が行われたときの連続外れ回数が、予め設定された規定上限回数(例えば、20回)に到達するまで継続する。そして、連続外れ回数が規定上限回数に到達した後は、STが終了して「通常(非確変)遊技状態」へと移行する。なお、STが終了したときに、時短状態のみが継続するように構成されてもよい。
【0037】
ここで、ST抽選結果は、16R大当り遊技中に表示画面13Gで行われる演出にて報知される。具体的には、その演出は、競馬をモチーフにしたレース演出となっていて、そのレース結果によってST抽選結果が報知される。以下、レース演出について詳説する。
【0038】
本実施形態では、レース演出は、遊技者により任意に選択された馬が、ST抽選結果を受けて遊技機10が選択したレースに出走する、即ち、遊技者が選択した馬と、遊技機10が選択したレースとを組み合わせた演出になっていて、例えば、遊技者の馬が2着以内の結果であった場合に、STが実行される(STに当選した)ことを報知し、3着以下の結果であった場合に、STが実行されない(STに落選した)ことを報知するように構成されている。
【0039】
遊技者による馬の選択は、以下のようにして行われる。即ち、遊技機10では、通常遊技状態のときに一定時間以上、始動入賞口14A,14Bへの入賞がないと、客待ち状態となって、表示画面13Gに客待ち画面を表示する。この客待ち画面では、例えば、操作ボタン29(
図1参照)を操作すると馬が選択できるという旨のテロップが流れる。そして、客待ち画面の表示中に、操作ボタン29が操作されると、
図2に示すメニュー画面G1に切り替わる。なお、客待ち状態で始動入賞口14A,14Bへの入賞があった場合、表示画面13Gでは、それまでの表示が強制終了され、特別図柄13A〜13Cの変動表示が開始される。
【0040】
図2に示すように、メニュー画面G1には、客待ち画面に戻るための復帰メニューボタン33のほかに、育成馬選択メニューボタン31と厩舎選択メニューボタン32が表示されている。また、同図の例では、育成馬選択メニューボタン31に四角形のカーソル34が合わされている。メニューボタン31〜33を選択するには、上述した図示しない十字キーを上下左右に操作して、カーソル34を所望のメニューボタン31〜33に合わせ、その状態で操作ボタン29(
図1参照)を押すことで、その所望のメニューボタン31〜33を選択する。
【0041】
育成馬選択メニューボタン31が選択されると、
図3(A)に示す育成馬選択画面G2に切り替わる。育成馬選択画面G2では、遊技の中で遊技者が育てる馬を選択することが可能となっている。
図3(A)の例では、「A」、「B」の2つの馬メニューボタン35A,35Bが表示されている。各馬メニューボタン35A,35Bには、性別のほか、適正距離が示されていて、これにより、その馬が短距離向きか長距離向きかを遊技者に認識させることが可能となっている。なお、後に詳述するが、馬の適正距離は、遊技の進行状況に応じて適宜更新される。
【0042】
馬の選択は、メニュー画面G1でのメニューボタン31〜33の選択と同様に、十字キー(図示せず)でカーソル36を所望の馬メニューボタン35A,35Bに合わせて、操作ボタン29を押下することで行われる。育成馬選択画面G2では、何れかの馬「A」、「B」が選択されると、メニュー画面G1(
図2参照)に戻るようになっている。
【0043】
また、
図2に示したメニュー画面G1上で厩舎選択メニューボタン32が選択されると、
図3(B)に示す厩舎選択画面G3に切り替わる。厩舎選択画面G3では、遊技者の馬を調教する厩舎を選択する。
図3(B)の例では、「P」、「Q」、「R」の3つの厩舎メニューボタン37A〜37Cが表示されている。各厩舎メニューボタン37A〜37Cには、その厩舎の所属が示されていて、これにより、関東と関西の何れのレース場で勝ちやすいかを遊技者に認識させることが可能となっている。また、各厩舎メニューボタン37A〜37Cには、厩舎の調教実績も示されていて、これにより、その厩舎が得意とする調教内容(短距離向けの調教か長距離向けの調教)を遊技者に認識させることが可能となっている。なお、厩舎の選択についても、メニュー画面G1でのメニューボタン31〜33の選択と同様に、十字キー(図示せず)でカーソル38を所望の厩舎メニューボタン37A〜37Cに合わせて、操作ボタン29を押下することで行われる。また、厩舎選択画面G3においても、何れかの厩舎「P」〜「R」が選択されると、メニュー画面G1(
図2参照)に戻るようになっている。
【0044】
なお、本実施形態では、遊技者による馬又は厩舎の選択がされずに、レース演出が実行された場合(即ち、16R大当りを実行する場合)には、前の遊技者が選択していた馬又は厩舎のデータを引き継ぐようになっている。ここで、前の遊技者がいなかった場合、即ち、電源投入後の1回目のレース演出である場合には、馬と厩舎がランダムに選択される。
【0045】
以上が、レース演出においてレースに出走する馬の選択に関する説明である。次に、レース演出における出走レースの選択について説明する。
【0046】
出走レースの選択は、16R大当りの遊技中、レース演出の実行前に行われる。具体的には、16R大当り遊技では、レース演出の直前に、
図4に示すレース選択画面G4が表示画面13Gに表示される。レース選択画面G4では、表示画面13Gが3つの表示領域HR1〜HR3に分割され、各表示領域HR1〜HR3に、出走レースの候補が表示されている。
【0047】
図4には示されていないが、レース選択画面G4では、表示領域HR1〜HR3を所定の順番に、或いは、ランダムにカーソルが移動し、所定時間の経過後、或いは、操作ボタン29(
図1参照)が操作されたことを起因にして停止する。そして、カーソルが停止した表示領域HR1〜HR3に表示されているレースが、出走レースとして選択される。ここで、本実施形態では、最終的に選択される出走レースは、ST抽選結果と、ST抽選結果に応じて各レースの選択確率が設定された選択確率データテーブルとに基づいて予め定まっている。
【0048】
以下、選択確率データテーブルについて説明する。選択確率データテーブルは、遊技者により選択された馬ごとに設定され、各馬ごとの選択確率データテーブルには、ST当選時に各レースが選択される当り選択確率と、ST落選時に各レースが選択される外れ選択確率と、が定められている。
図5(A)及び
図5(B)には、選択確率データテーブルの一例が示されている。
【0049】
ここで、各馬と各レースが選択されたときにST当選となる割合を、そのレース演出(即ち、選択された馬とレースを組み合わせたレース演出)の演出信頼度と呼ぶことにすると、演出信頼度は、そのレースが選択された時のST当選回数を、そのレースが選択された回数で割った値であるから、当り選択確率が外れ選択確率に比べて大きく、かつ、外れ選択確率が小さいとき、演出信頼度は1に近づく。
【0050】
以下、具体的な数値を用いて、演出信頼度について詳説する。いま、ST当選確率が50%であることを前提として、ST抽選を200回行ったとすると、遊技者の馬が関東の厩舎に所属し、その適正距離が短距離である場合、
図5(A)のテーブルから、東京競馬場・短距離のレースが選択される平均回数は、当選時に9回、落選時に2回となり、合計で11回となる。従って、東京競馬場・短距離のレースの演出信頼度は、約80%となる。同様にして、東京競馬場・中距離〜長距離と京都競馬場・短距離のレースは、そのレースが選択されたときにST当選となる割合、即ち、演出信頼度が約56%となり、京都競馬場・中距離〜長距離のレースは、演出信頼度が約33%となる。
【0051】
また、ST当選確率が80%である場合には、ST抽選を500回行ったときに、東京競馬場・短距離のレースが選択される回数は平均38回となり、そのうち当選時に選択される回数は平均36回となる。従って、東京競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度は、約95%となる。同様にして、東京競馬場・中距離〜長距離と京都競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約84%となり、京都競馬場・中距離〜長距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約67%となる。このように、遊技者の馬が関東の厩舎に所属し、その適正距離が短距離である場合には、ST当選確率に関係なく、東京競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度が最も高くなる。
【0052】
また、遊技者の馬が関西の厩舎に所属し、その適正距離が短距離である場合には、ST当選確率が50%であることを前提とすると、
図5(B)のテーブルから、京都競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約80%となる。同様にして、京都競馬場・中距離〜長距離と東京競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約56%となり、東京競馬場・中距離〜長距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約33%となる。また、ST当選確率が80%である場合には、京都競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約95%、京都競馬場・中距離〜長距離と東京競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約84%、東京競馬場・中距離〜長距離のレースが選択されたときの演出信頼度が約67%となる。即ち、遊技者の馬が関西の厩舎に所属し、その適正距離が短距離である場合には、ST当選確率に関係なく、京都競馬場・短距離のレースが選択されたときの演出信頼度が最も高くなる。このように、本実施形態では、遊技者が選択した馬によって、演出信頼度が最も高いレースが異なるように選択確率データテーブルが定められている。なお、
図5(A)及び
図5(B)の右側には、ST当選確率が50%、80%の各場合についての演出信頼度が参考として示されている。
【0053】
ここで、仮に、遊技者が選択した馬の如何に拘わらず、演出信頼度が最も高いレースが、例えば、東京競馬場の長距離のレースに固定されていると、それ以外のレースでは、遊技者にST当選を期待させることが困難であるという問題が生じる。しかしながら、上述したように、本実施形態の遊技機10では、遊技者による馬の選択によって、演出信頼度が高いレースが異なっているので、遊技者にST当選を期待させることができるレース演出のバリエーションを増やすことができる。
【0054】
ところで、
図4に示したように、表示領域HR1〜HR3に表示された各レースには、レース場と距離のほかに、そのレースが選択されたときのレース演出の演出信頼度の高低を示す指標となる信頼度指標39が示されている。本実施形態では、信頼度指標39は、1〜3個の星印で示され、例えば、演出信頼度が30%未満のときに星1個、30〜60%のときに星2個、60%を越えるときに星3個というように、星印の数が多い程、演出信頼度が高い(そのレースが実行されたときのST当選確率が高い)ことを意味する。従って、星印の数が多いレースが選択されると、そのレース演出で遊技者にST当選を期待させることが可能となる。
【0055】
図6には、馬の種類ごとに各レースの信頼度指標39の星の数を示した信頼度指標データテーブルが示されている。信頼度指標データテーブルでは、
図5(A)及び
図5(B)で示した演出信頼度が小さいものから(外れ選択確率が大きいものから)順に、「1」、「2」、「3」の数字が設定されている。なお、以下では、信頼度指標の高低と演出信頼度の高低とが同義であるとして、信頼度データテーブルについて説明する。
【0056】
図6に示すように、遊技者の馬が関東の厩舎(
図3(B)の厩舎P)に所属する馬(以下、適宜、「関東馬」という。)である場合には、京都競馬場のレースよりも東京競馬場のレースの方が演出信頼度が高く、遊技者の馬が関西の厩舎(
図3(B)の厩舎Q,R)に所属する馬(以下、適宜、「関西馬」という。)である場合には、東京競馬場のレースよりも京都競馬場のレースの方が演出信頼度が高く設定されている。このように、本実施形態では、遊技者による馬の選択(馬の所属厩舎の選択)によって、演出信頼度が高いレース場が異なっている。従って、馬の選択によって、東京競馬場のレースでも京都競馬場のレースでも、ST当選を期待させることが可能になる。また、遊技者が好きなレース場の演出信頼度が最も高くなるように、馬(馬の所属厩舎)を遊技者に選択させることで、遊技者が好きなレース場でのレース演出でST当選を期待させることが可能となる。
【0057】
また、信頼度指標データテーブルをレース場別に見ていくと、東京競馬場のレースでは、遊技者の馬が関西馬である場合より関東馬である場合の方が演出信頼度が高く設定され、京都競馬場のレースでは、遊技者の馬が関東馬である場合より関西馬である場合の方が演出信頼度が高く設定されている。このように、本実施形態では、レース場の種類によって、演出信頼度が最も高くなる馬の組合せが異なるので、あるレース場(例えば、東京競馬場)のレース演出が実行されたときのST当選への期待度を、遊技者の選択(遊技者が自分の馬を関東馬に設定したか関西馬に設定したかの選択)に左右させることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、大当り遊技中に行われるレース演出が本発明の「複合演出」に相当し、16R大当り終了後のST抽選が本発明の「特典遊技についての当否判定」に相当する。また、レース演出で出走する馬(即ち、遊技の中で遊技者が育てる馬であって、所属厩舎に関する情報も含む。)が本発明の「第1演出要素」に相当し、レース演出における出走レースが本発明の「第2演出要素」に相当する。また、演出信頼度を、別の表現で表すと、当否判定が当りであって各第2演出要素が選択される確率を当り時出現確率と、当否判定が当りであるか外れであるかに拘わらず各第2演出要素が選択される確率を全体出現確率としたときに、第1演出要素毎に、全体出現確率に対する当り時出現確率の割合となる。そして、本実施形態では、各第1演出要素に対し、当否判定が外れの場合に各第2演出要素が選択される確率と、当否判定が当りの場合に各第2演出要素が選択される確率と、を記憶した確率データ記憶手段を備えて、その確率データ記憶手段が、演出信頼度が最も高い第2演出要素の組合せが相違するように構成されている。
【0059】
次に、信頼度指標データテーブルを、馬の所属及びレース場が共通したレース演出(例えば、馬が関東馬で、レース場が東京競馬場のレース演出)に注目して見ていくと、馬の適正距離が短距離である場合には、長距離のレースよりも短距離のレースの方が演出信頼度が高く、馬の適正距離が長距離である場合には、短距離のレースよりも長距離のレースの方が演出信頼度が高く設定されている。
【0060】
ここで、本実施形態では、育成馬選択画面G2(
図3(A)参照)で馬が選択された時点では、馬の適正距離(本発明の「更新対象変数」に相当する。)が、短距離、長距離の何れかに設定されているが、この適正距離は、遊技中に調教演出が実行されると更新されるようになっている。
【0061】
本実施形態では、調教演出は、ST中における特別図柄変動中の演出として実行される。調教演出には、長距離用調教演出と短距離用調教演出の少なくとも2種類が備えられ、長距離用調教演出よりも短距離用調教演出の実行回数が多いと、馬の適正距離が長距離から中距離、中距離から短距離へとシフトしていき、短距離用調教演出よりも長距離用調教演出の実行回数が多いと、馬の適正距離が短距離から中距離、中距離から長距離へとシフトしていく。従って、レース場は同じであっても、ST開始直後では、演出信頼度が最も高いレースが短距離のレースであったが、STが続くと、演出信頼度が最も高いレースが長距離のレースになるというように、遊技の進行状況によって、レース演出の演出信頼度の高低の序列が変化し、遊技者にST当選を期待させることができるレース(距離)を異ならせることができる。
【0062】
なお、調教演出の内容は、特別図柄変動中の演出を決定するための変動演出用乱数に基づいて選択される。ここで、遊技者の馬の所属厩舎として短距離の調教が得意な厩舎(
図3(B)の厩舎P,Q)が選択されている場合には、長距離用調教演出と比べて短距離用調教演出が選択されやすく、所属厩舎として長距離の調教が得意な厩舎(
図3(B)の厩舎R)が選択されている場合には、短距離用調教演出と比べて長距離用調教演出が選択されやすくなっている。
【0063】
以上が、レース演出における出走レースの選択に関する説明である。なお、本実施形態では、16R大当り遊技中に、レース演出で遊技者の馬に騎乗するジョッキーを遊技者に選択させることが可能となっていて、これにより、レース演出の展開にバリエーションを持たせることが可能となっている。具体的には、16R大当り遊技中、レース選択画面G4の表示前に、
図7に示すように、表示画面13Gにジョッキー選択画面G5が表示される。同図に示すように、ジョッキー選択画面G5では、3人のジョッキー「X」、「Y」、「Z」に対応したジョッキーメニューボタン41A〜41Cが候補として表示画面13Gに表示され、それら候補の中から1人を遊技者に選択させる。各ジョッキーメニューボタン41A〜41Cには、得意戦法が示されていて、その戦法によってレース演出の展開が変化する。なお、候補となるジョッキーは、厩舎の所属が関東か関西であるかに依存する。ジョッキーの選択は、上述したように、十字キー(図示せず)にて所望のジョッキーのジョッキーメニューボタン41A〜41Cにカーソル42を移動させ、操作ボタン29(
図1参照)で決定することで行われる。
【0064】
次に、
図8を参照しつつ、本実施形態の遊技機10の電気的な構成について説明する。同図に示すように、符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板57を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路80及び払出制御基板58等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板57等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、特別図柄用保留球数及び普通図柄用保留球数の記憶領域、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、後述する主制御基板メインプログラムPG1(
図9参照)や制御データ、特別図柄表示装置14Xや普通図柄表示装置18Xでの変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値等が書き込まれている。なお、主制御基板50は、特別図柄の当否判定と同時に、ST抽選も行い、このST抽選を行っているときの主制御基板50が本発明の「当否判定手段」に相当する。
【0065】
サブ制御基板57は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御基板50を結ぶ入出力回路と、演出制御基板70及びランプ制御基板71等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を演出制御基板70及びランプ制御基板71、音声制御基板55等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、後述するサブ制御基板メインプログラムPG2(
図11参照)、特別図柄13A〜13C(
図1参照)の変動パターンテーブル、選択確率データテーブル(
図5(A)及び
図5(B)参照)、信頼度指標データテーブル(
図6参照)等が記憶されている。なお、サブ制御基板57のROM52Cが、上述した「確率データ記憶手段」となっている。
【0066】
演出制御基板70は、サブ制御基板57からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄13A,13B,13C、演出図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。なお、サブ制御基板57と演出制御基板70と液晶表示装置13とが、本発明の「演出実行手段」に相当する。
【0067】
ランプ制御基板71は、サブ制御基板57と接続され、サブ制御基板57から出力されたサイドランプ22,22等の電飾制御を行うための制御信号を中継するための基板である。
【0068】
音声制御基板55は、サブ制御基板57から出力される制御信号に基づき、スピーカ25S,25Sから発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、音声を制御する。
【0069】
なお、各制御基板50,55,57,58,70,71は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
【0070】
上記した本実施形態の遊技機10の動作を実現するため、主制御基板50、サブ制御基板57等は、前記した主制御基板メインプログラムPG1、サブ制御基板メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、主制御基板50及びサブ制御基板57における情報処理について説明する。
【0071】
主制御基板50に備えたワンチップマイコンは、遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから
図9に示した主制御基板メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御基板メインプログラムPG1がランされると、まずスタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等を行う初期設定が行われる(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御基板メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0072】
図9に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述する主制御基板割り込み処理(S5)が実行されるまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理がループして行われる。具体的には、まず、割り込みが禁止され(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにさせる。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この処理(S3)では、大当り判定等に用いられる乱数カウンタが更新され、更新されたカウンタ値は主制御基板50のRAM51Bの記憶領域に逐一記憶される。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御基板割り込み処理(S5)が実行可能となる。
【0073】
次に、主制御基板割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、主制御基板割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御基板割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
【0074】
主制御基板割り込み処理(S5)について説明する。
図10に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が行われる。出力処理(S10)では、以下説明する各処理により主制御基板50の出力バッファに記憶された各コマンド(制御信号)等が、サブ制御基板57へ出力される。ここで出力されるコマンド(制御信号)には、変動パターンコマンド等が挙げられる。
【0075】
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)が行われる。入力処理(S11)では、主に遊技機10に取り付けられている各種センサ(例えば、普通図柄始動スイッチ、始動口センサ、その他センサ、スイッチ類等)が検知した場合の信号入力が行なわれる。続いて行われる動作タイマ減算処理(S12)では、動作タイマを減算する。
【0076】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)は、上記した主制御基板メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値の更新処理は、主制御基板割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(主制御基板割り込み処理(S5)の終了後、次の主制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
【0077】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)に次いで、入賞検出処理(S15)が実行される。入賞検出処理(S15)では、始動入賞口14A,14Bに遊技球に入賞したかどうかを判断して、入賞した場合には、特別図柄保留球数を適宜更新する。
【0078】
入賞検出処理(S15)が終了すると、普通動作処理(S16)が行われる。主制御基板50は、この処理(S16)によって、普通図柄当りの判定や普通図柄表示装置18Hでの普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cの開閉を、サブ制御基板57を介さずに直接制御して、普通図柄当りに関する処理を行う。
【0079】
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、特別図柄表示装置14Hの表示状態を直接制御する一方、サブ制御基板57を介して表示画面13G、ランプ装置、スピーカ25S,25Sを間接的に制御する。
【0080】
図10に示すように、主制御基板割り込み処理(S5)では、保留球数処理(S18)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S19)を実行して、主制御基板割り込み処理(S5)から抜ける。そして、
図9に示すように、次にメインCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜ステップS4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、主制御基板割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御基板割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御基板割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が、主制御基板50が実行する主制御基板メインプログラムPG1についての説明である。
【0081】
次に、サブ制御基板57が実行するサブ制御基板メインプログラムPG2の処理について、
図11〜
図23に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
図11に示すように、サブ制御基板メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S20)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。また、電源基板60に電源をオンすると、電源基板60から電源断信号がサブ制御基板57に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM52Bのバックアップデータの内容が正常かどうか判断する(S21)。正常であれば(S21でyes)、ステップS23へ進み、RAM52Bの内容が正常でなければ(S21でno)、RAM52Bを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値がリセットされ(S22)、ステップS23へ進む。ステップS23では、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2が初期化される(S23)。なお、これらステップS20〜S23は、サブ制御基板メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0082】
ステップS20〜S23によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S24)、乱数シード更新処理(S25)が実行される。この処理(S25)では、表示画面13Gで行われる演出を、複数の演出候補の中から選択する際に必要な乱数値が更新される。なお、この乱数値によって、
図4に示したレース選択画面G4の各表示領域HR1〜HR3に表示する出走レースの候補や調教演出の内容が決定される。
【0083】
次いで、演出制御基板70、ランプ制御基板71、音声制御基板55(
図8参照)に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S26)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタ1の初期化(S27)、割込み許可(S28)を行う。そして、これら処理(S24〜S28)を無限ループで繰り返す。
【0084】
サブ制御基板メインプログラムPG2では、上述したステップS24〜S28の無限ループに対して、受信割り込み処理(S29)、2msタイマ割り込み処理(S30)、10msタイマ割り込み処理(S31)が割り込んで実行される。サブ制御基板57が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S30,S31)に優先して受信割り込み処理(S29)が実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S30)は、10msタイマ割り込み処理(S31)より優先して実行され、10msタイマ割り込み処理(S31)は、2msタイマ割り込み処理(S30)間の残余時間に割り込んで実行される。
【0085】
図12に示すように、受信割込み処理(S29)では、まず、ストローブ信号をチェックし(S291)、ストローブ信号がONでなければ(S291でNo)、そのままこの処理(S29)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S291でYes)、主制御回路50からサブ制御回路52に送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、RAM52Bに格納する(S292)。
【0086】
2msタイマ割り込み処理(S30)は、サブ制御回路52に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。
図13に示すように、この処理(S30)では、ランプデータ出力処理(S301)、駆動出力処理(S302)、入力処理(S303)、ウォッチドッグタイマ処理(S304)を行う。
【0087】
ランプデータ出力処理(S301)では、後で詳説する10msタイマ割り込み処理(S31)で作成したランプデータの出力を行う。入力処理(S302)では、10msタイマ割込み処理(S31)でスイッチ状態に基づく処理を実行するためのスイッチデータを作成して、そのスイッチデータをRAM52Bに入力する。駆動出力処理(S303)では、駆動役物40A,40Bを駆動するための駆動用データを作成し、その出力を行う。ウォッチドッグタイマ処理(S303)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
【0088】
10msタイマ割込み処理(S31)は、サブ制御回路52に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。
図14に示すように、10msタイマ割込み処理(S31)では、まず、スイッチ状態取得処理(S41)、コマンド受信許可確認処理(S42)、下皿状態確認処理(S43)、ループシナリオ再設定処理(S44)を順に行う。スイッチ状態取得処理(S41)では、2msタイマ割込み処理(S30)で作成したスイッチデータを10msタイマ割込み処理用のスイッチデータとして格納する。コマンド受信許可確認処理(S42)では、RAMクリア時等の演出禁止期間の判定を行う。下皿状態確認処理(S43)では、下皿27Bの満杯を報知するタイマの設定を行う。ループシナリオ再設定処理(S44)では、上述した客待ち画面でのテロップ表示のように一定間隔で行う演出の設定を行う。
【0089】
ループシナリオ再設定処理(S44)が終了すると、受信コマンド解析処理(S45)が実行される。この処理(S45)では、上述の受信割込み処理(S29)(
図12参照)で受信したコマンドの解析処理及び動作設定を行う。
【0090】
具体的には、
図15に示すように、受信コマンド解析処理(S45)では、まず、主制御基板50や操作ボタン29から受信したコマンドが客待ち中のコマンドであるか否かを判断する(S51)。客待ち中のコマンドである場合(S51でYes)、客待ち処理(S52)を行う。
【0091】
図16に示すように、客待ち処理(S52)では、まず、操作ボタン29の押下があったか否かを判断し(S521)、操作ボタン29の押下が無かった場合(S521でNo)には、この処理(S52)を抜ける。操作ボタンの押下があった場合(S521でYes)、
図2に示したメニュー画面G1中であるかを判断する(S522)。メニュー画面G1中でなかった場合、即ち、客待ち画面中であった場合(S522でNo)には、メニュー画面G1への切替(S530)を行った後、この処理(S52)を抜ける。
【0092】
操作ボタン29の押下が、メニュー画面G1中であった場合(S522でYes)には、馬の選択に関するものであるか否かを判断する(S523)。そして、馬の選択に関するものであった場合(S523でYes)には、その選択された馬を、この遊技で遊技者が育てる馬に設定する馬選択処理(S524)を行った後、選択された馬に応じて得意距離(適正距離)を設定し(S525)、客待ち処理(S52)を抜ける。
【0093】
操作ボタン29の押下が馬の選択に関するものでなかった場合(S523でNo)には、その押下が厩舎の選択に関するものであるか否か判断する(S526)。そして、厩舎の選択に関するものであった場合(S526でYes)には、その選択された厩舎を、この遊技で遊技者が育てる馬の所属厩舎に設定する厩舎選択処理(S527)を行った後、選択された厩舎に応じて厩舎データ(例えば、関東所属か関西所属かのデータ)を設定し(S528)、この処理(S52)を抜ける。
【0094】
操作ボタン29の押下が厩舎の選択に関するものでもなかった場合(S526でNo)、メニュー画面G1から客待ち画面へ切り替えて(S529)、この処理(S52)を終了する。
【0095】
図15に示すように、受信コマンド処理(S45)では、受信したコマンドが客待ち中のコマンドでなかった場合(S51でNo)、そのコマンドが変動に関するコマンドであるか否かを判断する(S54)。そして、変動に関するコマンドである場合(S54でYes)、変動処理(S55)を行う。
【0096】
図17に示すように、変動処理(S55)では、まず、確変状態であるか否か(即ち、ST中であるか否か)を判断し(S551)、次いで、上述した調教演出を行う変動であるか否かを判断する(S552)。確変状態でない場合(S551でNo)、又は、確変状態ではあるが調教演出を行う変動でない場合(S551でYes、S552でNo)には、その他の変動用処理(S559)を実行した後、この処理(S55)を抜ける。
【0097】
確変状態であって調教演出を行う変動である場合(S551でYes、S552でYes)には、選択中の厩舎がP又はQであるか否か(即ち、短距離の調教が得意な厩舎であるか否か)を判断する(S553)。選択中の厩舎がP又はQの何れかである場合(S553でYes)には、サブ制御基板57のROM52Cに記憶されている厩舎P,Q用の調教演出テーブルから調教演出を抽選し(S554)、その調教演出に応じて馬の適正距離を修正、更新する(S555)。また、選択中の厩舎がP,Qの何れでもない場合(S553でNo)には、ROM52Cに記憶されている厩舎R用の調教演出テーブルから調教演出を抽選し(S556)、その調教演出に応じて馬の適正距離を修正、更新する(S557)。ステップS555,557の何れかを実行すると、この変動処理(S55)を抜ける。
【0098】
図15に示すように、受信コマンド処理(S45)では、受信したコマンドが客待ち中のコマンドでも変動に関するコマンドでもなかった場合(S51でNo、S54でNo)、そのコマンドが大当り遊技中のコマンドである否かを判断する(S56)。そして、大当り遊技中のコマンドである場合(S56でYes)、大当り処理(S57)を行う。
【0099】
図18に示すように、大当り処理(S57)では、まず、レース演出を行う大当りであるか否か、即ち、16R大当りであるか否かを判断する(S571)。レース演出を行う大当りでない場合(S571でNo)には、その他の大当り処理(S575)を実行した後、この処理(S57)を抜ける。
【0100】
レース演出を行う大当りである場合(S571でYes)、ジョッキー抽選処理(S572)を行う。
図19に示すように、ジョッキー抽選処理(S572)では、まず、選択中の厩舎がQ又はRであるか、即ち、関西の厩舎であるかを判断する(S61)。選択中の厩舎がQ又はRである場合(S61でYes)には、その厩舎Q,Rを選択しているときに選択可能なジョッキー(騎手)から3人を選択する(S62)。一方、選択中の厩舎がQ又はRの何れでもない場合(S61でNo)には、厩舎Pを選択しているときに選択可能なジョッキー(騎手)から3人を選択する(S62)(S65)。
【0101】
詳細には、サブ制御基板57のROM52Cには、
図20に示した騎手データテーブルが記憶され、上述のステップS62,S63では、騎手データテーブルから3人のジョッキーを選択する。なお、ジョッキーには、関東所属と関西所属の2種類があり、厩舎Q,Rを選択しているときには、関西所属のジョッキーが選択可能となり、厩舎Pを選択しているときには、関東所属のジョッキーが選択可能となる。また、騎手データテーブルには、各ジョッキーについて、逃げ、先行、差し、追込といった得意戦法のデータも記憶されている。
【0102】
図19に示すように、ジョッキー抽選処理(S572)では、ステップS62又はステップS63によって、ジョッキーが3人選択されると、ジョッキー選択処理(S63)が行われる。この処理(S63)では、ステップS62,S63で選択された3人のジョッキーから1人を遊技者に選択させる(
図7のジョッキー選択画面G5を参照)。具体的には、
図18で説明したように、選択された3人のジョッキーを表示画面13Gに表示し、その中の1人を選択するように遊技者に促す。
【0103】
図19に示すように、ジョッキー抽選処理(S572)では、ジョッキー選択処理(SS63)が終了すると、選択されたジョッキーの得意戦法を設定して(S64)、この処理(S572)を終了する。
【0104】
図18に示すように、ジョッキー抽選処理(S572)が終了すると、次いで、レース選択処理(S573)が行われる。このレース選択処理(S573)では、
図4に示したレース選択画面G4における各表示領域HR1〜HR3で表示するレースを決定する。この処理(S573)の詳細は、
図21〜
図23に示されている。具体的には、まず、
図21に示すように、表示領域HR1〜HR3のそれぞれに表示するレースの信頼度指標39(
図4の星印の数)を決定する(S70)。
【0105】
ここで、
図4に示したレース選択画面G4で最終的に選択されるレースは、遊技者により選択された馬とST抽選結果とに基づき、
図5(A)及び
図5(B)に例示した選択確率データテーブルから決定される。従って、ステップS70では、表示領域HR1〜HR3のうち何れか1つの表示領域については、その決定されたレースと、そのレースに対応する信頼度指標を設定する。
【0106】
表示領域HR1〜HR3に表示するレースの信頼度指標が決まると、表示領域HR1に、レース選択画面G4で最終的に選択されるレースが設定されているか否かを判断し(S71)、レースが設定されていれば(S71でYes)、
図22のステップS80を実行する。レースが設定されていなければ(S71でNo)、表示領域HR1で表示するレースの信頼度指標が「1」であるか否かを判断する(S72)。信頼度指標が「1」であれば(S72でYes)、
図6に示した信頼度指標データテーブルに基づいて、選択中の馬の適正距離及び厩舎に一致したデータの中から、演出信頼度が「1」のレースを選択する(S73)。
【0107】
表示領域HR1で表示するレースの演出信頼度が「1」でない場合(S72でNo)には、演出信頼度が「2」であるか否かを判断し(S74)、演出信頼度が「2」であれば(S74でYes)、ステップS73と同様にして、演出信頼度「2」のレースを選択する(S75)。また、表示領域HR1で表示するレースの演出信頼度が「1」でも「2」でもない場合(S72でNo、S74でNo)には、ステップS73と同様にして、演出信頼度が「3」のレースを選択する(S76)。そして、ステップS73,S75,S76の何れかが終了すると、そのステップS73,S75,S76で選択されたレースを表示領域HR1に表示するレースに設定する(S77)。
【0108】
表示領域HR1で表示するレースが設定されると、次いで、表示領域HR2,HR3で表示するレースについても同様にして設定する。
【0109】
即ち、表示領域HR2については、
図22に示すように、まず、表示領域HR2に、レース選択画面G4で最終的に選択されるレースが設定されているか否かを判断し(S80)、レースが設定されていれば(S80でYes)、
図23のステップS90を実行する。レースが設定されていなければ(S80でNo)、表示領域HR2で表示するレースの演出信頼度が「1」であるかを判断する(S81)。演出信頼度が「1」である場合(S81でYes)には、
図21のステップS72と同様にして、演出信頼度が「1」のレースを選択する(S82)。また、表示領域HR2で表示するレースの演出信頼度が「1」でない場合(S81でNo)には、
図21のステップS74と同様にして、演出信頼度が「2」のレースを選択する(S84)。表示領域HR2で表示するレースの演出信頼度が「1」でも「2」でもない場合(S81でNo、S83でNo)には、ステップS73と同様にして、演出信頼度が「3」のレースを選択する(S85)。ステップS82,S84,S85の何れかが終了すると、そのステップS82,S84,S85で選択されたレースを表示領域HR2に表示するレースに設定する(S86)。
【0110】
また、表示領域HR3については、
図23に示すように、まず、表示領域HR3に、レース選択画面G4で最終的に選択されるレースが設定されているか否かを判断し(S90)、レースが設定されていれば(S90でYes)、このレース選択処理(S573)を終了する。レースが設定されていなければ(S90でNo)、表示領域HR3で表示するレースの演出信頼度が「1」であるかを判断する(S91)。演出信頼度が「1」である場合(S91でYes)には、
図21のステップS72と同様にして、演出信頼度が「1」のレースを選択する(S92)。また、表示領域HR3で表示するレースの演出信頼度が「1」でない場合(S91でNo)には、
図21のステップS94と同様にして、演出信頼度が「2」のレースを選択する(S94)。表示領域HR3で表示するレースの演出信頼度が「1」でも「2」でもない場合(S91でNo、S93でNo)には、ステップS93と同様にして、演出信頼度が「3」のレースを選択する(S95)。ステップS92,S94,S95の何れかが終了すると、そのステップS92,S94,S95で選択されたレースを表示領域HR3に表示するレースに設定する(S96)。レース選択処理(S573)の説明は以上である。
【0111】
図18に示すように、大当り処理(S57)では、レース選択処理(S573)が終了すると、各表示領域HR1〜HR3(
図4参照)に表示されたレース場の中から1のレースを選択して、その選択されたレースと、選択中の馬及びジョッキーを組み合わせたレース演出を設定する(S574)。そして、レース演出の設定が終了すると、この処理(57)を抜ける。なお、レース場の選択は、乱数シード更新処理(
図11のステップS25)で適宜更新される乱数に基づいてランダムに決定される。
【0112】
図15に示すように、受信コマンド解析処理(S451)では、客待ち処理(S52)、変動処理(S55)及び大当り処理(S57)の何れかの処理を行うと、その他の処理(S53)を行って、この処理(S45)を抜ける。また、受信したコマンドが、客待ち中のコマンド、変動に関するコマンド及び大当り遊技中のコマンドの何れでもなかった場合(S51でNo、S54でNo、S56でNo)についても、その他の処理(S53)を行って、この処理(S45)を抜ける。受信コマンド解析処理(S45)の説明は、以上である。
【0113】
図14に示すように、10msタイマ割込み処理(S31)では、受信コマンド解析処理(S45)が終了すると、ランプ処理(S46)、Sw処理(S47)、コマンド送信処理(S48)を実行して、この処理(S31)を抜ける。ランプ処理(S46)では、ランプデータの作成及び演出時間の管理を行う。Sw処理(S47)では、スイッチ有効期間の管理及び動作設定を行う。また、上述のスイッチ状態取得処理(S41)で格納したデータを元に戻す処理を行う。コマンド送信処理(S48)では、上述のサブ制御基板メインプログラムPG2で説明したコマンド送信処理(S25)と同様に、表示制御回路54、ランプ制御回路56、音声制御回路55(
図4参照)に各種コマンドを送信する。以上が、サブ制御基板57が実行するサブ制御基板メインプログラムPG2の処理についての説明である。
【0114】
遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、遊技機10の作用効果について説明する。本実施形態の遊技機10では、遊技を開始する前の客待ち状態で、遊技の中で育てる馬を遊技者に選択させる。このとき、馬の所属する厩舎や適正距離が決定される。
【0115】
遊技者が馬を選択した後、遊技を開始するために操作ノブ28を回動操作すると、遊技球が遊技領域R1に向かって打ち出される。遊技球は、遊技領域R1に配置された役物や障害釘に衝突して流下方向をランダムに変化させながら流下する。
【0116】
遊技球が第1又は第2の始動入賞口14A,14Bに入賞すると、特別図柄の当否判定に基づいて、表示画面13Gにて特別図柄13A,13B,13Cの変動表示後、停止表示され、全ての特別図柄が同じ図柄で停止表示すると、「大当たり遊技」が開始される。
【0117】
遊技機10では、当りの入賞があったとき(遊技球が始動入賞口14A,14Bに入賞したとき)に取得した乱数に基づいて、大当り遊技が2R当り、4R当り、16R当りの何れかに選択される。そして、2R当り、4R当りのときは、大当り遊技終了後、STが実行され、16R当りのときは、その当りの入賞時に取得した乱数に基づいて、ST抽選が行われる。このST抽選結果は、16R当りの大当り遊技中に表示画面13Gでレース演出を行った後、報知される。
【0118】
ここで、本実施形態では、レース演出は、遊技開始前に遊技者が選択した馬と、ST抽選結果と選択確率データテーブル(
図5(A)及び
図5(B)参照)とに基づいて選択される出走レースとを組み合わせてなる。ここで、本実施形態では、馬ごとに、ST落選時に選択される外れ選択確率が最も小さいレースが異なっていて、演出信頼度が最も高い出走レースの組合せが異なっている。従って、遊技者の馬の選択によって、演出信頼度が高いレース演出を異ならせることが可能となり、これにより、遊技者にST当選を期待させることができるレース演出のバリエーションを増やすことができる。
【0119】
また、本実施形態では、ST中に調教演出が行われると、馬の適正距離が更新され、馬の適正距離を短距離から長距離へ、又は、長距離から短距離へシフトさせることができる。従って、ST開始直後では、演出信頼度が最も高いレースが短距離のレースであったが、STが続くと、演出信頼度が最も高いレースが長距離のレースになるというように、遊技の進行状況によって、レース演出の演出信頼度の高低の序列を変化させて、遊技者にST当選を期待させることができるレース(距離)を異ならせることができる。
【0120】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0121】
(1)上記実施形態では、遊技者が選択可能な馬の種類が2種類であったが、複数種類であればよく、3種類以上であってもよい。また、厩舎、ジョッキーの種類についても複数種類であればよい。
【0122】
(2)大当りとして、確変付きの大当りと確変なしの大当りの2種類を備えて、レース演出の実行後、確変となるか否かを報知するように構成し、レース演出における馬と出走レースの組合せによって、確変当選の確率を異ならせてもよい。また、特別図柄13A〜13Cの変動中に、レース演出が実行され、レース演出における馬と出走レースの組合せによって、大当りとなる確率を異ならせてもよい。
【0123】
(3)上記実施形態では、馬の適正距離は、短距離〜長距離の間で更新可能に構成されていたが、最初に短距離向きの馬が選択された場合には、短距離〜中距離の間で更新可能とし、長距離向きの馬が選択された場合には、中距離〜長距離の間で更新可能としてもよい。
【0124】
(4)上記実施形態では、関西の厩舎(
図3(B)の厩舎Q,R)にのみ、長距離の調教が得意な厩舎と短距離の調教が得意な厩舎の2種類が設けられていたが、関東の厩舎にも、長距離の調教が得意な厩舎と短距離の調教が得意な厩舎の2種類を設けてもよい。このように、構成すれば、関東と関西の各厩舎について、長距離用と短距離用の調教が可能となり、遊技者が選択した馬を望み通りに育成することが可能となる。
【0125】
(5)規定上限回数が異なる複数種類のSTを設け、レース演出での遊技者の馬の着順によって、どのSTが実行されるかを示すように構成してもよい。例えば、1着であった場合には、規定上限回数が50回のST、2着であった場合には、規定上限回数が30回のST、3着であった場合には、規定上限回数が10回のSTが実行されることを報知し、4着以下は、STが実行されないことを報知してもよい。
【0126】
(6)上記実施形態では、レース演出によってSTが実行されるか否かを報知する構成であったが、16R大当り後に、必ず、STが実行されるようにすると共に、そのSTに、規定上限回数の大小が異なる複数種類を設け、規定上限回数の大小をレース演出で報知するように構成してもよい。この場合、何れのSTが実行されても、最も小さい規定上限回数は、担保されるので、規定上限回数が最も小さいSTが実行されるときが「外れ」であって、それよりも規定上限回数が大きいSTが実行されるときが「当り」であるとすればよい。即ち、本構成では、規定上限回数の大小についての判定が、本発明の「特典遊技についての当否判定」に相当する。
【0127】
(7)上記実施形態では、本発明の複合演出が、競馬をモチーフとしたレース演出であったが、順位が決定される競技であれば、自転車、自動車その他の乗り物のレースであってもよいし、格闘技や球技等であってもよい。なお、格闘技や球技の場合には、優勝、準優勝といった順位により大当り遊技、確変遊技、ST等の当選確率を報知するように構成すればよい。この場合において、遊技者に主人公となるキャラクターを選択させ、その主人公と対戦相手との組合せによって、競技結果、即ち、大当り遊技、確変遊技、ST等の当選確率を異ならせてもよい。
【0128】
(8)上記実施形態では、ST当選時に、演出信頼度が最も高いレース(
図5(A)では東京競馬場・短距離のレース、
図5(B)では京都競馬場・短距離のレース)が演出信頼度の低いレースよりも選択されにくい構成であったが、
図24(A)及び
図24(B)に示すように、演出信頼度が最も高いレース(
図24(A)では、東京競馬場・短距離のレース、
図24(B)では、京都競馬場・短距離のレース)が演出信頼度の低いレースよりも選択されやすい構成であってもよい。
【0129】
(9)
図25(A)及び
図25(B)に示すように、ST抽選結果が外れのときに選択されないレース、即ち、演出信頼度が100%のレース(
図25(A)では、東京競馬場・短距離のレース、
図25(B)では、京都競馬場・短距離のレース)を設け、その演出信頼度が100%のレースを、遊技者が選択した馬によって異ならせててもよい。この場合、演出信頼度が100%のレースが選択されたときに、遊技者に当りが確定であることを認識させることができる。
【0130】
(10)
図26に示す信頼度指数データテーブルのように、遊技者により選択された馬によらず演出信頼度が同じレース(
図26では、京都競馬場のレース)が設けられていてもよい。なお、
図26の例であっても、馬が関東厩舎に所属する場合には、東京競馬場のレースの方が演出信頼度が高く、関西厩舎に所属する場合には、京都競馬場のレースの方が演出信頼度が高くなっている。
【0131】
(11)上記実施形態では、ST中に馬の適正距離が更新される構成であったが、通常の遊技状態で馬の適正距離が更新されてもよい。
【0133】
(
12)上記実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例を示したが、本発明を、スロットマシンに適用してもよい。その場合、本発明の複合演出を、レバーONから全リールが停止されるまでに行われて、大当りとなるか否かを報知する演出に適用してもよいし、大当り遊技中に行われて、その大当り遊技の終了後に、所謂、アシストタイムやリプレイタイムに突入するか否かを報知する演出に適用してもよい。