特許第5953612号(P5953612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メディカルシステムズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000002
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000003
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000004
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000005
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000006
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000007
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000008
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000009
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000010
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000011
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000012
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000013
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000014
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000015
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000016
  • 特許5953612-核酸検出用デバイス 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5953612
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】核酸検出用デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20160707BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   G01N35/08 A
   G01N37/00 101
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-209405(P2012-209405)
(22)【出願日】2012年9月24日
(65)【公開番号】特開2014-62870(P2014-62870A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯本 真之
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 大二
(72)【発明者】
【氏名】桑原 徹也
(72)【発明者】
【氏名】山本 恵一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 純
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−191032(JP,A)
【文献】 特開2005−176836(JP,A)
【文献】 特開2002−195997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 35/10
G01N 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸を検出するためのセンサが設けられた基板と、
液体を充填する際に使用される一方の穴と、前記充填の際に内部の空気が排出される他方の穴と、が長手方向両端部に設けられるとともに、内部に液体が充填されたシリンジと、
前記センサと前記シリンジとを接続する流路と、
前記シリンジに設けられるとともに、押されることで前記シリンジ内の液体が前記流路内に押し出される可撓性の押圧部と、
前記基板および前記流路を支持するとともに、前記押圧部に対応する位置に開口部が設けられたプレートと、
を備える核酸検出用デバイス。
【請求項2】
前記シリンジは、角部が除去された形状をなす請求項1に記載の核酸検出用デバイス。
【請求項3】
前記シリンジの長辺の長さは、前記シリンジの短辺の長さの2倍〜5倍の長さを有する請求項2に記載の核酸検出用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子検査等に用いられる核酸検出用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
核酸を検出するための装置として、1つのデバイス内において複数試薬が関わる複数の反応を順次行うことができるμ−TASと呼ばれるデバイスが盛んに研究開発されている。これらは試薬保持領域、反応領域、センサ領域、試薬廃液領域などから成り、それらをつなぐ流路を備えることが特徴である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−61427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリンジ内に空気が存在すると、試薬が流路に送られる際に空気も一緒に流路内に送り出され、核酸増幅反応や核酸ハイブリダイゼーション反応、検出などを阻害する可能性がある。また、μ−TASは同一デバイス上に様々な機能部品が組み込まれているため、ハンドリング時にデバイスの把持部以外を使用者が触ってしまうことも懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の核酸検出用デバイスは、核酸を検出するためのセンサが設けられた基板と、液体を充填する際に使用される一方の穴と、前記充填の際に内部の空気が排出される他方の穴と、が長手方向両端部に設けられるとともに、内部に液体が充填されたシリンジと、前記センサと前記シリンジとを接続する流路と、前記シリンジに設けられるとともに、押されることで前記シリンジ内の液体が前記流路内に押し出される可撓性の押圧部と、前記基板および前記流路を支持するとともに、前記押圧部に対応する位置に開口部が設けられたプレートと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る核酸検出用デバイスを示す上面図。
図2図1に示す核酸検出用デバイスのF2−F2線の位置に沿った断面図。
図3図1に示す核酸検出用デバイスの試薬シリンジを示す上面図。
図4図2に示す核酸検出用デバイスのF4−F4線の位置に沿った断面図。
図5図1に示す核酸検出用デバイスの試薬シリンジの液体の充填工程を示す断面図。
図6図1に示す核酸検出用デバイスの試薬シリンジおよび第2プレートの開口部を拡大して示す下面図。
図7】実施形態の核酸検出用デバイスの第1変形例を示す上面図。
図8】実施形態の核酸検出用デバイスの第2変形例を示す上面図。
図9】実施形態の核酸検出用デバイスの第3変形例を示す上面図。
図10】実施形態の核酸検出用デバイスの第4変形例を示す上面図。
図11】実施形態の核酸検出用デバイスの第5変形例を示す上面図。
図12】実施形態の核酸検出用デバイスの第6変形例を示す上面図。
図13】実施形態の核酸検出用デバイスの第7変形例を示す上面図。
図14】実施形態の核酸検出用デバイスの第8変形例を示す断面図。
図15】実施形態の核酸検出用デバイスの第9変形例を示す断面図。
図16】実施形態の核酸検出用デバイスの第10変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、図1から図6を参照して、核酸検出用デバイスの第1実施形態について説明する。この核酸検出用デバイスは、核酸の検出に必要な試薬を全て内包しており、別途に設けられる検査装置に搭載されて、1つのパッケージの中で核酸の増幅から検出までを行うことができる。
【0008】
図1は核酸検出用デバイス11の平面図(上面図)である。本実施形態において、第1プレート12は、例えば、透明であり、図1では、第1プレート12を透過して、下側にある軟質部材14に設けられた各部の構造(核酸検出用デバイスの内部構造)や基板15の構造が示されている。
【0009】
図1図2に示すように、核酸検出用デバイス11は、上側の第1プレート12(硬質部材)と、下側の第2プレート13(硬質部材)と、第1プレート12と第2プレート13との間に位置された軟質部材14(パッキン)と、軟質部材14と第2プレート13との間に位置された基板15(DNAチップ、電気化学的検出用アレイ型チップ)と、を有している。
【0010】
第1プレート12および第2プレート13は、例えばポリカーボネート等の透明なプラスチック材料で構成されているが、透明な材質でなくともよい。第1プレート12は、軟質部材14(パッキン)の上側を覆っている。第2プレート13(プレート)は、基板15および軟質部材14(反応流路25、第1流路26、第2流路27)を支持している。第1プレート12および第2プレート13の材質は、上記に限定されるものではなく、シリコン、ガラス、樹脂、および金属から任意に選択される材質でもよい。
【0011】
軟質部材14(パッキン)は、例えばシリコンゴム等の、ゴム状の弾性を有する弾性体で構成されている。軟質部材14の材質は、シリコンゴムに限定されるものではなく、それ以外のエラストマー材(例えば、合成ゴム等)であってもよい。
【0012】
図2に示すように、軟質部材14は、第1プレート12に突き当てられた接合面14Aを有している。軟質部材14には、サンプルを供給・貯蔵するための試薬シリンジ16(シリンジ)の一部を構成する第1凹部21と、反応済み流体(使用済みの試薬)を排出するための廃液シリンジ17の一部を構成する第2凹部22と、が設けられている。第1凹部21および第2凹部22は、接合面14Aからそれぞれ窪んで設けられている。試薬シリンジ16は、第1凹部21と、第1プレート12中でこの第1凹部に対向する部分12Aと、で構成されている。同様に、廃液シリンジ17は、第2凹部22と、第1プレート12中でこの第2凹部に対向する部分12Bと、で構成されている。なお、本実施形態では、試薬シリンジ16側を上流とし、廃液シリンジ17側を下流と呼ぶ。
【0013】
図1に示すように、試薬シリンジ16(シリンジ)には、例えば検体(DNAサンプル)である液体が貯留される第1シリンジ16Aと、洗浄液が貯留される第2シリンジ16Bと、増幅したDNAを電気的に検出する検出用の挿入剤(試薬)である液体が貯留された第3シリンジ16Cと、が含まれる。
【0014】
図2図3に示すように、第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cのそれぞれには、その長手方向両端部に一対の穴23が設けられている。一方の穴23は、液体(試薬)を試薬シリンジ16の内部に充填する際に使用される。他方の穴23は、充填の際に内部の空気を排出するために利用される。なお、一対の穴23は、どちらを試薬充填用として利用してもよく、その際に試薬充填に用いられなかった穴が空気排出用として利用される。一対の穴23は、第1プレート12を貫通するように設けられている。
【0015】
図3に示すように、第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cのそれぞれは、上方から見て細長い長方形をなしている(図3では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cにおいて、長辺の長さは、例えば短辺の長さの略2倍〜5倍の長さである。なお、図3に示す第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cの形状は一例であり、状況に応じて、長辺の長さは、短辺の長さの2倍〜5倍の範囲で適宜に設定することができる。また、図4に示すように、第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cのそれぞれは、略長方形の断面形状を有している(図4では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cは、それぞれ細長い長方形をなすため、核酸検出用デバイス11内においてスペースを効率よく使用できるようになっている。
【0016】
図2に示すように、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の一部、すなわち軟質部材14の第1凹部21は、それぞれ可撓性のある押圧部24を構成している。核酸検出用デバイス11が検査装置に搭載された際に、押圧機構(押圧棒)によって押圧部24が押されることで、各シリンジ内の検査サンプル或いは各種の試薬が第1流路26および反応流路25内に押し出される。第2プレート13には、押圧部24に対応する位置に開口部13Aが設けられており、開口部13Aは押圧部24を外界に露出させている。図6に示すように、開口部13Aの幅および第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cの幅は、一般的な人の指の幅の幅よりも小さくなっている。このため、使用者が誤って押圧部を指で押し込んで、試薬シリンジ16内の検査サンプルや試薬が後述する反応流路25中に流れ出てしまうことが防止される。
【0017】
図1に示すように、軟質部材14は、検体サンプルを増幅したり、増幅された核酸を検出したりする反応流路25と、試薬シリンジ16と反応流路25(のセンサ28)とを接続する第1流路26(流路)と、反応流路25と廃液シリンジ17とを接続する第2流路27と、を備えている。反応流路25、第1流路26、および第2流路27は、それぞれ接合面14Aから窪んで設けられる。反応流路25は、基板15上に蛇行して設けられている。反応流路25には予め核酸(DNA)の増幅に必要な酵素や試薬などが固定化されている。
【0018】
核酸検出用デバイス11は、反応流路25内に位置された複数のセンサ28を有し、複数のセンサ28は、増幅された核酸を検出するために設けられている。複数のセンサ28は、基板15上に設けられており、反応流路25に沿って直列的に、一定の間隔で設けられている。基板15は、ガラス等の基材の表面に対して、金属等の導体によってパターンを形成して作成される。
【0019】
図5を参照して、核酸検出用デバイス11の使用に先立って、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)内に液体(試薬等)を充填する工程について説明する(図5では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。試薬シリンジ16の第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16Cには、円筒形のチップ或いは注入針等を利用して、一方の穴23から、検体サンプル、洗浄液、および挿入剤に対応する液体が充填される。その際、液体の充填に利用されない側の穴23からは、矢印で示されるように、試薬シリンジ16内の空気が外部に排出される。
【0020】
続いて、図1を参照して、本実施形態の核酸検出用デバイス11の作用について説明する。核酸検出用デバイス11が検査装置に搭載されると、検査装置の押圧機構(押圧棒)が作動して第1シリンジ16A内の検体サンプルを反応流路25内に押し出す。反応流路25内においては、温度管理を行って、例えばLAMP法の原理によって、検体サンプルのDNA(核酸)が増幅される。このDNA増幅工程では、反応流路25は、例えば、63℃で40分から1時間保持される。反応流路25(基板15)の加熱は、ペルチェ素子のような加熱器具でなされる。DNA増幅工程は、LAMP法に限られず、PCR法によってもよい。
【0021】
DNAの増幅が完了した後、増幅したDNAを反応流路25内のセンサ28に吸着させる。なお、センサ28には、予め目的の配列との間で2本鎖を形成可能な、相補的な配列の1本鎖DNA(プローブ)が吸着されている。増幅したDNAと1本鎖DNA(プローブ)との間の2本鎖ハイブリットの形成工程では、反応流路25は、例えば50℃から60℃で10分程度保持される。
【0022】
続いて、検査装置の押圧機構(押圧棒)が作動して、第2シリンジ16B内の洗浄液を反応流路25内に押し出す。これによって、反応流路25内でセンサ28に吸着されなかった余分なDNAを洗浄する。洗浄工程は、反応流路25を例えば、40℃の状態にして、洗浄液で数分間、反応流路を洗浄する。
【0023】
さらに、検査装置の押圧機構(押圧棒)が作動して、第3シリンジ16C内の挿入剤を反応流路25内に押し出す。挿入剤を2本鎖のハイブリットと反応(結合)させる工程では、反応流路25は、例えば25℃で数分間保持される。挿入剤によって、各センサ28において2本鎖DNAが形成されているか否か、すなわち目的のDNA配列があるか否かを電気的信号として検出する。なお、第1シリンジ16Aから第3シリンジ16Cに排出された液体のうち、過剰量の液体は廃液シリンジ17側に排出される。
【0024】
本実施形態によれば、核酸検出用デバイス11は、核酸を検出するためのセンサ28が設けられた基板15と、液体を充填する際に使用される一方の穴23と、前記充填の際に内部の空気が排出される他方の穴23と、が長手方向両端部に設けられるとともに、内部に液体が充填されたシリンジと、センサ28とシリンジとを接続する流路と、シリンジに設けられるとともに、押されることでシリンジ内の液体が流路内に押し出される可撓性の押圧部24と、基板15および流路を支持するとともに、押圧部24に対応する位置に開口部13Aが設けられたプレートと、を備える。
【0025】
この構成によれば、シリンジの長手方向両端部に一方の穴23と他方の穴23とが設けられるため、一方の穴23をシリンジ内への液体の充填に利用し、他方の穴23をシリンジ内からの空気の排出に利用できる。このため、シリンジ内への液体の充填が円滑になされて、シリンジ内に空気が残留してしまうことを防止できる。これによって、気泡が反応流路25内に流れて、反応流路25内での核酸の増幅反応、センサ28のプローブと増幅された核酸との間の2本鎖の形成(ハイブリダイゼーション)反応、形成された2本鎖の検出反応等が阻害されることを防止できる。
【0026】
また、開口部13Aの幅は、指の幅よりも小さいので、作業者が誤ってシリンジの押圧部24を押して、シリンジ内の液体が流路側に流れ出てしまい、所望の反応がなされなくなることを防止できる。
【0027】
続いて、図7から図16を参照して、実施形態の核酸検出用デバイス11の変形例について説明する。各変形例は、上記の実施形態と異なる部分のみを説明しており、共通する部分については説明を省略している。
【0028】
図7は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第1変形例を示す。図7では、試薬シリンジ16の形状を上方から示している。図7に示すように、第1変形例では、各角部が除去されて、各角部が斜めになっている。このため、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、角部に気泡が残留しにくくなっている。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0029】
図8は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第2変形例を示す。図8では、試薬シリンジ16の形状を上方から示している(図8では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図8に示すように、第2変形例では、各角部が除去されて丸くなっており、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、角部に気泡を残留しにくくしている。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0030】
図9は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第3変形例を示す。図9では、試薬シリンジ16の形状を上方から示している(図9では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図9に示すように、第3変形例では、試薬シリンジ16の形状が長円形或いは楕円形になっている。このため、上記実施形態のように、試薬シリンジ16内に角部が設けられることがなく(角部が除去されて)、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡が残留しにくくなっている。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0031】
図10は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第4変形例を示す。図10では、試薬シリンジ16の形状を上方から示している(図10では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図10に示すように、第4変形例では、試薬シリンジ16の形状が大小2個の楕円を結合させた形状になっている。このため、上記実施形態のように、試薬シリンジ16内に角部が設けられることがなく(角部が除去されて)、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡が残留しにくくなっている。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0032】
図11は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第5変形例を示す。図11では、試薬シリンジ16の形状を上方から示している(図11は、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図11に示すように、第5変形例では、試薬シリンジ16の形状が四角形と円形を結合させた形状になっている。このような形状によっても、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡を残留しにくくする効果が得られる。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0033】
図12は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第6変形例を示す。図12では、試薬シリンジ16の形状を上方から示している(図12では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図12に示すように、第6変形例では、試薬シリンジ16の形状が雲型の形状になっており、角部が除去されている。このような形状によっても、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡を残留しにくくする効果が得られる。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0034】
図13は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第7変形例を示す。図13では、試薬シリンジ16の形状を上方から示している(図13では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図13に示すように、第7変形例では、試薬シリンジ16の形状が円形と略三角形とを結合した形状(花びら形状、葉形状)になっている。このため、上記実施形態のように、試薬シリンジ16内に角部が設けられることがなく(角部が除去されて)、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡が残留しにくくなる。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0035】
図14は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第8変形例を示す。図14では、試薬シリンジ16の形状の厚み方向に沿った断面図(図2のF4−F4線の位置に沿った断面図)を示している(図14では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図14に示すように、第8変形例では、断面が半円形状になっている。このため、上記実施形態に比して、試薬シリンジ16内において角部が少なくなり(角部が除去されて)、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡が残留しにくくなる。なお、本変形例では、一対の穴のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0036】
図15は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第9変形例を示す。図15では、試薬シリンジ16の形状の厚み方向に沿った断面図(図2のF4−F4線の位置に沿った断面図)を示している(図15では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図15に示すように、第9変形例では、断面が三角形状になっている。このため、上記実施形態に比して、試薬シリンジ16内において角部の数が少なくなり(角部が除去されて)、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡が残留しにくくなる。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0037】
図16は、試薬シリンジ16(第1シリンジ16A、第2シリンジ16B、第3シリンジ16C)の形状の第10変形例を示す。図16では、試薬シリンジ16の形状の厚み方向に沿った断面図(図2のF4−F4線の位置に沿った断面図)を示している(図16では、第1シリンジ16Aのみを示す。)。図16に示すように、第10変形例では、断面が略丸形状になっている。このため、上記実施形態のように、試薬シリンジ16内に角部が設けられることがなく(角部が除去されて)、液体を試薬シリンジ16内に充填する際に、試薬シリンジ16内に気泡が残留しにくくなる。なお、本変形例では、一対の穴23のうち、どちらを液体の充填用として利用してもよい。その際、一対の穴23のうち、選択されなかった方の穴は空気の排出用として利用される。
【0038】
その他、核酸検出用デバイスは、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。また、上記した実施形態および変形例を適宜に組み合わせて新たな発明を構成することもできる。
【符号の説明】
【0039】
11…核酸検出用デバイス、13…第2プレート、13A…開口部、15…基板、16…試薬シリンジ、23…穴、24…押圧部、26…第1流路、28…センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16