特許第5953622号(P5953622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5953622遊技機用コンテンツ作成支援装置及び遊技機用コンテンツ作成支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5953622
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】遊技機用コンテンツ作成支援装置及び遊技機用コンテンツ作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160707BHJP
   G06T 13/80 20110101ALI20160707BHJP
【FI】
   A63F7/02 355Z
   G06T13/80 C
   A63F7/02 320
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-171158(P2015-171158)
(22)【出願日】2015年8月31日
【審査請求日】2015年9月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398034168
【氏名又は名称】株式会社アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100106426
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 賢二
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮
【審査官】 武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−031885(JP,A)
【文献】 特開2004−298570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
G06T 13/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を備えた表示部と、
操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、
コンテンツ作成支援プログラムと、遊技機における各変動パターンごとのコンテンツがコンテンツ情報群として格納されている補助記憶部と、
全体の処理の制御を行う制御部と、
を備え、遊技機用のコンテンツの作成とその支援を行う遊技機用コンテンツ作成支援装置であって、
前記制御部は、前記コンテンツ作成支援プログラムを読み出してきて実行するなかで、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係るコンテンツを、前記表示部上で、入力が1、出力が1以上の機能ブロックの連結でなるツリー構造の経路グラフとして作成編集することを特徴とする遊技機用コンテンツ作成支援装置。
【請求項2】
前記コンテンツは動画であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用コンテンツ作成支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記操作機器を介した前記操作者による、前記ツリー構造の経路グラフの一の最終端の特定に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択し、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の遊技機用コンテンツ作成支援装置。
【請求項4】
画面を備えた表示部と、
操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、
コンテンツ作成支援プログラムと、遊技機における各変動パターンごとの動画が動画情報群として格納されている補助記憶部と、
全体の処理の制御を行う制御部と、
を備え、遊技機用の動画の作成とその支援を行う遊技機用コンテンツ作成支援装置であって、
前記制御部は、
前記コンテンツ作成支援プログラムを読み出してきて実行するなかで、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係る動画を、前記表示部上で、機能ブロックの連結でなる経路グラフとして作成編集し、
前記制御部は、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択し、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させ、
前記遊技機用の動画は、複数の図柄が巡廻するものであり、前記制御部は、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記作成編集された経路グラフについて、経由する特定の図柄や特定の経路をパラメータで特定することを特徴とする遊技機用コンテンツ作成支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記作成編集された経路グラフと、前記パラメータを設定できる領域と、前記再生される動画とを、前記表示部の一画面上に並列的に表示するように制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の遊技機用コンテンツ作成支援装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記パラメータの設定に連動して、前記動画が表示される領域に、経由する図柄を表示することを特徴とする請求項4に記載の遊技機用コンテンツ作成支援装置。
【請求項7】
画面を備えた表示部と、
操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、
遊技機における各変動パターンごとのコンテンツがコンテンツ情報群として格納されている補助記憶部と、
全体の処理の制御を行う制御部と、
を備えたコンピュータに、遊技機用のコンテンツの作成とその支援をさせるための遊技機用コンテンツ作成支援プログラムであって、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係るコンテンツを、前記表示部上で、入力が1、出力が1以上の機能ブロックの連結でなるツリー構造の経路グラフとして作成編集できる経路グラフ作成編集機能を備えたことを特徴とする遊技機用コンテンツ作成支援プログラム。
【請求項8】
前記コンテンツは動画であることを特徴とする請求項7に記載の遊技機用コンテンツ作成支援プログラム。
【請求項9】
前記操作機器を介した前記操作者による、前記ツリー構造の経路グラフの一の最終端の特定に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択することができる経路選択機能と、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その経路選択機能に基づいて選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させることができる動画再生機能と、
を更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の遊技機用コンテンツ作成支援プログラム。
【請求項10】
画面を備えた表示部と、
操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、
遊技機における各変動パターンごとの動画が動画情報群として格納されている補助記憶部と、
全体の処理の制御を行う制御部と、
を備えたコンピュータに、遊技機用の動画の作成とその支援をさせるための遊技機用コンテンツ作成支援プログラムであって、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係る動画を、前記表示部上で、機能ブロックの連結でなる経路グラフとして作成編集できる経路グラフ作成編集機能と、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択することができる経路選択機能と、
前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その経路選択機能に基づいて選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させることができる動画再生機能と、
を備え、
前記遊技機用の動画は、複数の図柄が巡廻するものであり、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記経路グラフ作成編集機能により作成編集された経路グラフについて、経由する特定の図柄や特定の経路をパラメータで指定できるパラメータ設定機能を更に備えることを特徴とする遊技機用コンテンツ作成支援プログラム。
【請求項11】
前記経路グラフ作成編集機能により作成編集された経路グラフと、前記パラメータ設定機能により前記パラメータを設定できる領域と、前記動画再生機能により再生される動画とは、前記表示部の一画面上に並列的に表示されることを特徴とする請求項10に記載の遊技機用コンテンツ作成支援プログラム。
【請求項12】
前記パラメータの設定に連動して、前記動画が表示される領域に、経由する図柄が表示されることを特徴とする請求項10に記載の遊技機用コンテンツ作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用コンテンツ作成支援装置及び遊技機用コンテンツ作成支援プログラムに関し、特に、複数の変動パターンの組み合わせで構成される演出に係る動画の作成・編集を支援できる遊技機用コンテンツ作成支援装置及び遊技機用コンテンツ作成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のパチンコ機、パチスロ機等の遊技においては、映像的な演出及びメカニカルな演出の双方が極めて多彩になって、それに応じて遊興性は増している。特に、いわゆるリーチ発生からハズレ又は大当たりに至るまでの過程は、ノーマルリーチ、ロングリーチ、スーパーリーチ等の数多くの変動パターンが存在し、それらの一又は二以上の組み合わせにより、多彩な演出がなされるようになっている。例えば、ノーマルリーチだけで外れて終わるような短いものから、ノーマルリーチで外れても、ロングリーチやスーパーリーチに発展したり、更に他のモードに移行したりして、複数の変動パターンが続くことにより当たりの確率が高くなったり、更には、滅多に発生しないいわゆるプレミア演出というものもあり、基本的に複数の変動パターンが長く連なれば、それだけ遊技者のわくわく感も増すという効果を狙っている。また、各リーチパターン(ノーマルリーチ、ロングリーチ、スーパーリーチ等)にも複数種のパターンがあり、結果的に、時間方向の組み合わせとそれらの種類の組み合わせにより、リーチ発生から最終的なハズレ又は当たりまでの数多くの発生確率の異なるパターンが設計されている。
【0003】
そのような背景の下、遊技機の製造・製作においては、上述のように設計された非常に多くの演出パターンを網羅するように製造・製作する必要がある。特に、上述のような高い確率の頻度の多いパターンから非常に低い確率で稀にしか起こらないパターンに至るまで、その発生確率に拘わらず、製作過程において確認する必要がある。従来における典型的なその確認作業は、動画、サウンド、LED発光等の動作に係るプログラマーがプログラミングにより実機用に逐一作成したプログラムを、実機において、メインプロセッサの後段に位置する動画等の専用プロセッサに流し込んでやり、実際の動作においてはそのメインプロセッサから与えられるパラメータを、そのプログラムと共に与えてやることによりシミュレーションを行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−76545号公報
【特許文献2】特開2003−61038号公報
【特許文献3】特開平3−292572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来の作成・確認方法では、遊技機の演出の複雑化に応じて、プログラマーのその作成・確認作業は膨大なものとなり、極めて過酷な作業であっても頼らざるを得ない状況となっている。特に、液晶画面に表示される動画については、液晶等のデバイスの性能向上と画像情報の処理の高速化に伴って複雑化するなか、すべてのパターンに係る動画の作成及びその確認作業が容易になれば、製作者の手間を軽減することができる。
【0006】
本発明は上述のような事情から為されたものであり、本発明の目的は、遊技機で使用されるコンテンツを作成する作業と、それらを試験的に動作させて確認する作業を容易にすることができる遊技機用コンテンツ作成支援装置及び遊技機用コンテンツ作成支援プログラムを提供することにある。
【0007】
なお、特許文献1においては、プログラム開発支援装置により、プログラムを、それぞれが特定の機能を表した複数のブロックを含むブロック線図で設計し、そのブロック線図からプログラムコードを生成できるようになっている(段落[0002]〜[0003])。また、そのようにして生成したプログラムに対して、ブレークポイントの設定機能を有しつつ、シミュレーションを行うことができるようになっている(段落[0004])。特に、シミュレーション時に、実行するあるいは実行したブロックを表示手段に表示し、また、ポーズ状態においてどのブロックでポーズしているかを明示できるようになっている(請求項1等)。しかしながら、プログラムの開発が対象であり、遊技機で表示されるような動画の作成に関する技術ではない。
【0008】
また、特許文献2においては、映像コンテンツ編集支援装置とその方法が開示されており、具体的には、エンドユーザーと当該装置の間で、編集指示と編集後コンテンツの提示とをインターアクティブに繰り返すなかで、特に、装置は、編集されたコンテンツそのものを提示するのではなく、映像の内容を解析した結果の特定のシーンや、編集処理を行った編集済候補映像を提示することにより、エンドユーザーの手間を軽減するようにしている(要約)。しかしながら、遊技機の動画を時間経過的な経路グラフを用いて編集するような技術は開示されていない。
【0009】
また、特許文献3においては、動画データ表示装置が開示されており、特に、場面が切り替わるような部分を含むような動画について、その切り替わる場面の特定できるような画像を抽出して管理したり、表示したりすることができるようなっている(場面切替検出手段、動画インデックス管理手段)。しかしながら、遊技機の動画のように、演出に係る複数のパターンの組み合わせで構成されるような動画を対象とするものではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機用コンテンツ作成支援装置は、画面を備えた表示部と、操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、コンテンツ作成支援プログラムと、遊技機における各変動パターンごとのコンテンツがコンテンツ情報群として格納されている補助記憶部と、全体の処理の制御を行う制御部と、を備え、遊技機用のコンテンツの作成とその支援を行う遊技機用コンテンツ作成支援装置であって、前記制御部は、前記コンテンツ作成支援プログラムを読み出してきて実行するなかで、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係るコンテンツを、前記表示部上で、入力が1、出力が1以上の機能ブロックの連結でなるツリー構造の経路グラフとして作成編集することを要旨とする。ここで、典型的には、前記コンテンツは動画である。
【0011】
加えて、前記制御部は、前記操作機器を介した前記操作者による、前記ツリー構造の経路グラフの一の最終端の特定操作に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択し、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させることもできる。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の遊技機用コンテンツ作成支援装置は、画面を備えた表示部と、操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、コンテンツ作成支援プログラムと、遊技機における各変動パターンごとの動画が動画情報群として格納されている補助記憶部と、全体の処理の制御を行う制御部と、を備え、遊技機用の動画の作成とその支援を行う遊技機用コンテンツ作成支援装置であって、前記制御部は、前記コンテンツ作成支援プログラムを読み出してきて実行するなかで、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係る動画を、前記表示部上で、機能ブロックの連結でなる経路グラフとして作成編集し、前記制御部は、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択し、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させ、前記遊技機用の動画は、複数の図柄が巡廻するものであり、前記制御部は、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記作成編集された経路グラフについて、経由する特定の図柄や特定の経路をパラメータで特定することを要旨とする
【0013】
ここで、前記制御部は、前記作成編集された経路グラフと、前記パラメータを設定できる領域と、前記再生される動画とを、前記表示部の一画面上に並列的に表示するように制御を行うことが特徴である。
【0014】
また、前記制御部は、前記パラメータの設定に連動して、前記動画が表示される領域に、経由する図柄を表示することができるようになっている。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明の遊技機用コンテンツ作成支援プログラムは、画面を備えた表示部と、操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、遊技機における各変動パターンごとのコンテンツがコンテンツ情報群として格納されている補助記憶部と、全体の処理の制御を行う制御部と、を備えたコンピュータに、遊技機用のコンテンツの作成とその支援をさせるための遊技機用コンテンツ作成支援プログラムであって、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係るコンテンツを、前記表示部上で、入力が1、出力が1以上の機能ブロックの連結でなるツリー構造の経路グラフとして作成編集できる経路グラフ作成編集機能を備えたことを要旨とする。ここで、典型的には、前記コンテンツは動画である。
【0016】
加えて、当該プログラムは、前記操作機器を介した前記操作者による、前記ツリー構造の経路グラフの一の最終端の特定操作に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択することができる経路選択機能と、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その経路選択機能に基づいて選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させることができる動画再生機能と、を更に備えることもできる。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明の遊技機用コンテンツ作成支援プログラムは、画面を備えた表示部と、操作者が操作して情報や指示を与えるための操作機器と、遊技機における各変動パターンごとの動画が動画情報群として格納されている補助記憶部と、全体の処理の制御を行う制御部と、を備えたコンピュータに、遊技機用の動画の作成とその支援をさせるための遊技機用コンテンツ作成支援プログラムであって、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係る動画を、前記表示部上で、機能ブロックの連結でなる経路グラフとして作成編集できる経路グラフ作成編集機能と、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記作成編集された経路グラフのうちの特定の経路を選択することができる経路選択機能と、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、その経路選択機能に基づいて選択された経路に対応した変動パターンの組み合わせに係る動画を前記表示部に表示させることができる動画再生機能と、を備え、前記遊技機用の動画は、複数の図柄が巡廻するものであり、前記操作機器を介した前記操作者による操作に応じて、前記経路グラフ作成編集機能により作成編集された経路グラフについて、経由する特定の図柄や特定の経路をパラメータで指定できるパラメータ設定機能を更に備えることを要旨とする
【0018】
ここで、当該プログラムは、前記経路グラフ作成編集機能により作成編集された経路グラフと、前記パラメータ設定機能により前記パラメータを設定できる領域と、前記動画再生機能により再生される動画とは、前記表示部の一画面上に並列的に表示することが特徴である。
【0019】
また、当該プログラムは、前記パラメータの設定に連動して、前記動画が表示される領域に、経由する図柄を表示することができるようになっている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の遊技機用コンテンツ作成支援装置及び遊技機用コンテンツ作成支援プログラムによれば、遊技機で表示される複数の一連の動画を作成する作業と、それらを試験的に表示して確認する作業を容易にすることができる。
【0021】
また、経路グラフで表された多くの変動パターンの組み合わせの中から、特定の経路、すなわち特定のパターン組み合わせを簡単に選択でき、そしてシミュレーションできるので、発生確率に拘わらず、設計に含まれる全てのパターンに係る動画を同等に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の遊技機用コンテンツ作成支援装置における一実施形態たる遊技機用動画作成支援装置の構成を示すブロック図である。
図2】動画作成支援プログラム1の主たる機能を示すブロック図である。
図3】動画作成支援プログラム1が起動されると、表示部105の画面に表れる表示を示す図である。
図4】モジュール構成表示領域MCを説明するための図である。
図5】機能ブロックの入れ子構造を説明するための図である。
図6】経路グラフ表示領域GD上において、リーチからハズレ/当たりまでの一連の動画を経路グラフとして編集することを説明するための図である。
図7】経路グラフ表示領域GD上において、リーチからハズレ/当たりまでの一連の動画を経路グラフとして編集することを説明するための図である。
図8】経路グラフ表示領域GD上において、リーチからハズレ/当たりまでの一連の動画を経路グラフとして編集することを説明するための図である。
図9】経路グラフ表示領域GDに表示された、内部詳細機能を有する特定の機能ブロックをダブルクリックすることにより、その内部詳細機能を同様の機能ブロックで表示することができることを説明するための図である。
図10】パラメータ設定領域PSを説明するための図である。
図11】経路の選択を説明するための図である。
図12】タイムライン表示領域TDを説明するための図である。
図13】パラメータ設定領域PSでのパラメータの設定に連動して動画表示領域MDの動画が特定されて表示されることを説明するための図である。
図14】経路を選択した状態でシミュレーションの実行を指示すると、当該経路通りの動画が動画表示領域MDに再生されることを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の遊技機用コンテンツ作成支援装置における一実施形態たる遊技機用動画作成支援装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、当該装置は、装置全体の処理の制御を行うCPU(Central Processing Unit)101と、基本プログラム等の固定データが格納されるROM(Read Only Memory)102と、実行されるプログラムやその処理に係るデータ等が逐次ロードされたり消去されたりするRAM(Random Access Memory)103と、典型的にはHDD(Hard Disk Drive)であって、少なくとも本発明に係るプログラムや動画データが格納される補助記憶部104と、典型的には液晶画面を備え、少なくとも本発明のプログラムに係る表示がなされる表示部105と、操作者から操作の指示がなされたり、データの入力が行われるキーボード106と、主に表示部105の画面に表示されたアイコン等に対してポインティングするためのマウス107とを備えている。かかる構成の装置は、典型的にはいわゆるパーソナルコンピュータであるが、パーソナルコンピュータに通常備わっている他の構成、例えばネットワーク通信機能、についてはここでは省略している。
【0024】
また、図1に示すように、補助記憶部104には、本発明の遊技機用コンテンツ作成支援プログラムの一実施形態である動画作成支援プログラム1と、実際の遊技機で表示される動画を、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の各変動パターンでモジュール化して構成した動画モジュール群MMとが格納されている。
【0025】
そこで、操作者により、動画作成支援プログラム1が起動されると、当該プログラムは、RAM103にロードされて実行される。そして、キーボード106及びマウス107を介しての操作者からの指示や操作に応じて、プログラムが制御され、表示部105を介して、遊技機用の動画の作成編集が行えたり、作成された動画をシミュレーション表示することができるようになっている。
【0026】
次に、動画作成支援プログラム1の主な機能について説明する。図2は、動画作成支援プログラム1の主たる機能を示すブロック図である。同図に示すように、動画作成支援プログラム1は、少なくとも、動画編集機能部11及びシミュレーション機能部12を有している。更に詳細には、動画編集機能部11は、少なくとも、経路グラフ作成編集機能部111及びパラメータ設定機能部112を有し、シミュレーション機能部12は、少なくとも、経路選択機能部121、動画再生機能部122、及びタイムライン表示機能部123を有している。これらの機能については、以後順に詳細に説明する。
【0027】
図3は、動画作成支援プログラム1が起動されると、表示部105の画面に表れる表示を示す図である。ここでは、少なくとも、モジュール構成表示領域MC、動画表示領域MD、タイムライン表示領域TD、パラメータ設定領域PS、経路グラフ表示領域GDを含んで構成されている。これらの各領域の説明は、以後順に詳細に行う。
【0028】
操作者は、図1に示された遊技機用動画作成支援装置により、当該装置上で、実際の遊技機で表示される動画、特に、リーチ発生から当たり又はハズレまでの設計上のあらゆる変動パターンの組み合わせを簡単に作成指定でき、かつ作成した各々の組み合わせに基づいて、実際にシミュレーション表示することができるようになっている。
【0029】
<動画編集処理>
まず、動画作成支援プログラムが有する機能のうちの動画編集処理について説明する。
前述のように、遊技機用動画作成支援装置の補助記憶部104には、遊技に必要なノーマルリーチ、スーパーリーチ等の各変動パターンの単位でモジュール化して構成した動画モジュール群MMが予め作成されて格納されており、表示部105の画面に表示されるモジュール構成表示領域MCに、それらがアイコンと共にリストアップされる。従って、操作者は当該領域を参照することにより、遊技に必要であって利用できるパターンモジュールを認識できる。図4(a)は、モジュール構成表示領域MCに列挙されたモジュール群の例を示す図である。各アクションは、後述のように、経路グラフ表示領域GDにおいては、機能ブロックで表現できるものである。また、同図(b)に示すように、例えばアイコンをマウス107によりクリックすることにより、各アクションに対応する機能ブロックの内部動作機能をサブリストとして列挙できるようになっている。
【0030】
操作者は、モジュール構成表示領域MCに列挙された各アクションから必要なものを選択して、経路グラフ表示領域GD上において経路グラフとしてリーチからハズレ/当たりまでの一連の動画を編集することができるようになっている。図5図8は、その編集処理を説明するための図である。
【0031】
操作者は、モジュール構成表示領域MCに表示されたアイコンを経路グラフ表示領域GD内にドラッグすることにより、経路グラフ表示領域GDに必要な機能ブロックを表示できるようなっている。そのようにして、基本的なノーマルリーチからハズレに至るアクションをグラフとして表示したものが図6である。
【0032】
そこで、図6の状態から、更に編集してノーマルリーチからロングリーチに発展し、しかしながらハズレで終結するという動画を、経路グラフを編集することにより編集作成する場合を図7を参照して説明する。なお、ここでの設計では、図4(b)に示すように、ロングリーチのパターンは3種類ある設計となっている。
【0033】
図7は、経路グラフ表示領域GD上での操作を示している。そこで、図7(a)の状態はからノーマルリーチハズレの機能ブロックをマウス107でポイントして削除し、代わりに同図(b)及び(c)に示すように、モジュール構成表示領域MCからマウス107によりドラッグすることにより、経路グラフ表示領域GD上のノーマルリーチ発展と発展後ロングリーチハズレの機能ブロックを表示させる。そして、同図(d)に示すように、マウス107で矢印をドラッグすることにより、それらを状態に連結する。なお、発展後ロングリーチハズレは、ここでは、3つのパターンを有しているので、3つに分岐して、それぞれ図柄戻り及びゴール(G)を有することとなる。図8は、そのように編集された、ノーマルリーチからロングリーチに至り、最終的にハズレで終わる動画を表す経路グラフが表示された表示画面を示す図である。なお、経路グラフ表示領域GD上で各機能ブロックを矢印で連結する技術は既存の技術が利用できる。
【0034】
なお、前述のようにモジュール構成表示領域MCにおいて機能的な階層構造を表示できることと対応して、経路グラフ表示領域GD上において、階層構造の機能ブロックを表示できるようになっている。例えば、前述の発展後ロングリーチハズレについては、図4(b)に示した階層的機能に対応して、図5に示すように内部機能ブロックが構成できる。つまり、ロングリーチのなかでも複数の演出がある場合には、機能ブロック上では「分岐」で表現できることとなる。そこで、図8に示された経路グラフ上で発展後ロングリーチハズレの機能ブロックをダブルクリック(又は選択−実行)することにより図9に示すようにその内部機能ブロックを表示させることができるようになっている。
【0035】
次に、リーチ図柄や、発展前ハズレ図柄、最終ハズレ図柄等のパラメータの設定について説明する。このパラメータ設定の操作を図3に示したパラメータ設定領域PSを介して行う。図10は、パラメータ設定領域PSを介してのパラメータの設定の仕方の例を示す図である。同図に示すように、各種パラメータは、典型的には、ドロップダウンリストの手法で設定することが可能である。ここで、図13に示すように、特定のパラメータ(ここではリーチ図柄)をポイントしてフォーカスを当てると、それと連動して、動画表示領域MDには設定に対応した図柄を表示するようなっている。
【0036】
なお、ここで図示はしていないが、複数への分岐の機能を有する機能ブロック、例えば図8に示したロングリーチハズレ等、の分岐の数もここでのパラメータ設定として設計変更できるようになっている。
【0037】
<シミュレーション処理>
次に、動画作成支援プログラムが有する機能のうちのシミュレーション処理について説明する。
上述のような動画編集処理により作成した経路グラフのうちの特定の経路についての動画をシミュレーション表示したい場合には、まず、経路を特定する。なお、本発明においては、変動パターンの組み合わせは、必ず1対多のツリー構造の経路グラフで表現するようにしているので、経路の特定は、図11に示すように、例えば、マウス107により特定のゴールを指定することにより決定できる。ここでは、経路が特定されると、当該経路に係る矢印が太線で示されるようになっている。なお、ここで太線としたのは出願書式の制約という便宜上の理由によるものであり、より典型的には、矢印を特定の色(例えば赤)に変色させることによってもできる。なお、パラメータ設定領域PSにおいてその設定項目を設け、パラメータ設定により経路を特定できるようにすることもできる。
【0038】
このよう経路を特定した後、例えば画面上の再生アイコンボタン(図示せず)を押下することにより、図14に示すように、動画表示領域MD上で、特定された経路で規定した組み合わせの各変動パターンを連続してシミュレーション再生することができる。なお、経路グラフに示された各機能ブロックの接続情報に応じて、補助記憶部104の動画モジュール群MMから必要な動画情報を読み出してきて連結して動画表示領域MDに表示させる技術は、既存の技術を利用できる。
【0039】
ここで、タイムライン表示領域TDについて説明する。図12は、タイムライン表示領域TDを説明するための図である。タイムライン表示領域TDには、経路グラフ作成領域GDにおける経路グラフの作成に連動して、含まれる各変動パターンの項目が設定され、かつ、それらの実行順序が視覚的に認識できるようになっている。例えば、図14に例示した、ノーマルリーチから発展してロングリーチに至って最終的に外れるような変動パターンの組み合わせでは、タイムライン表示部TDには経路グラフの各機能ブロックに対応した「ノーマルリーチ発展」と「発展後ロングリーチハズレ」の項目が設定される。そして、シミュレーション実行過程においては、指針IDがスライドして移動するようになっている。
【0040】
以上のように、上述の実施の形態によれば、パチンコ機やパチスロ機のような遊技機で表示される一連の動画を簡単に作成できるし、頻出する変動パターン、非常に稀な変動パターンに拘わらず、設計上のあらゆる変動パターンの組み合わせを同等にシミュレーションできる。
【0041】
なお、上述の実施形態にあっては、動画の作成で説明したが、動画に限らず、サウンド、LED点灯、及び役物動作のプログラムの作成と、その確認作業に応用できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の遊技機用コンテンツ作成支援装置及び遊技機用コンテンツ作成支援プログラムは、パチンコ機やパチスロ機のような遊技機の動作で使用されるコンテンツを作成する際に利用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 動画作成支援プログラム
MM 動画モジュール群
11 動画編集機能部
111 例路グラフ作成編集機能部
112 パラメータ設定機能部
12 シミュレーション機能部
121 経路選択機能部
122 動画再生機能部
123 タイムライン表示機能部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 補助記憶部
105 表示部
106 キーボード
107 マウス
MC モジュール構成表示領域
GD 経路グラフ表示領域
PS パラメータ設定領域
MD 動画表示領域
TD タイムライン表示領域
ID 指針
【要約】
【課題】 遊技機で使用されるコンテンツを作成する作業と、それらを試験的に動作させて確認する作業を容易にする。
【解決手段】 動画作成支援プログラム1は、少なくとも、動画編集機能部11及びシミュレーション機能部12を有している。更に詳細には、動画編集機能部11は、少なくとも経路グラフ作成編集機能部111及びパラメータ設定機能部112を有し、シミュレーション機能部12は、少なくとも経路選択機能部121、動画再生機能部122、及びタイムライン表示機能部123を有している。経路グラフ作成編集機能部111は、マウス107及び/又はキーボード106を介した操作者による操作に応じて、遊技機の設計に含まれる全ての変動パターンの組み合わせのうちの任意の一以上の変動パターンに係る動画を、表示部上で、機能ブロックの連結でなる経路グラフとして作成編集できる機能を有する。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14