(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態(実施例)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図21、
図22において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。また、
図21は、コンピュータシミュレーションにより作図されたスクリーン上の配光パターンを簡略化して示す等光度曲線の説明図である。この等光度曲線の説明図において、中央の等光度曲線は、高光度を示し、外側の等光度曲線は、低光度を示す。さらに、
図10、
図11において、レンズの断面のハッチングは、省略してある。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用前照灯を車両に搭載した際の前、後、上、下、左、右である。
【0019】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用前照灯の構成について説明する。
図1中、符号1L、1Rは、この実施形態かかる車両用前照灯(たとえば、ヘッドランプなど)である。前記車両用前照灯1L、1Rは、車両Cの前部の左右両端部に搭載されている。以下、車両Cの左側に搭載される左側の車両用前照灯1Lについて説明する。なお、車両Cの右側に搭載される右側の車両用前照灯1Rは、左側の車両用前照灯1Lとほぼ同様の構成をなすので、説明を省略する。
【0020】
(ランプユニットの説明)
前記車両用前照灯1Lは、
図2〜
図8に示すように、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、半導体型光源2と、レンズ35と、ヒートシンク部材と兼用の取付部材(以下、「ヒートシンク部材」と称する)4と、光制御部材(可動光学部品)6と、駆動部材7と、カバー部材8と、を備えるものである。
【0021】
前記半導体型光源2および前記レンズ35および前記ヒートシンク部材4および前記光制御部材6および前記駆動部材7および前記カバー部材8は、ランプユニットを構成する。前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズは、灯室(図示せず)を画成する。前記ランプユニット2、35、4、6、7、8は、前記灯室内に配置されていて、かつ、上下方向用光軸調整機構(図示せず)および左右方向用光軸調整機構(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。
【0022】
(半導体型光源2の説明)
前記半導体型光源2は、
図2、
図5〜
図9、
図11〜
図13、
図17、
図19、
図20に示すように、この例では、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記半導体型光源2は、発光チップ(LEDチップ)20と、前記発光チップ20を封止樹脂部材で封止したパッケージ(LEDパッケージ)と、前記パッケージを実装した基板21と、前記基板21に取り付けられていて前記発光チップ20に電源(バッテリー)からの電流を供給するコネクタ22と、から構成されている。なお、
図19、
図20においては、前記コネクタ22の図示を省略してある。前記基板21の上下左右の4側のうち少なくとも上と左右の3箇所には、係合部23が設けられている。前記基板21は、スクリュー24により、前記ヒートシンク部材4に固定されている。この結果、前記半導体型光源2は、前記ヒートシンク部材4に固定されている。
【0023】
前記発光チップ20は、
図12に示すように、平面矩形形状(平面長方形状)をなす。すなわち、4個の正方形のチップをX軸方向(水平方向)に配列してなるものである。なお、2個もしくは3個もしくは5個以上の正方形のチップ、あるいは、1個の長方形のチップ、あるいは、1個の正方形のチップ、を使用しても良い。前記発光チップ20の正面この例では長方形の正面が発光面25をなす。前記発光面25は、前記レンズ35の基準光軸(基準軸)Zの前側に向いている。前記発光チップ20の前記発光面25の中心Oは、前記レンズ35の基準焦点Fもしくはその近傍に位置し、かつ、前記レンズ35の基準光軸Z上もしくはその近傍に位置する。
【0024】
図12において、X、Y、Zは、直交座標(X−Y−Z直交座標系)を構成する。X軸は、前記発光チップ20の前記発光面25の中心Oを通る左右方向の水平軸であって、車両Cの内側、すなわち、この実施形態において、右側が+方向であり、左側が−方向である。また、Y軸は、前記発光チップ20の前記発光面25の中心Oを通る上下方向の鉛直軸であって、この実施形態において、上側が+方向であり、下側が−方向である。さらに、Z軸は、前記発光チップ20の前記発光面25の中心Oを通る法線(垂線)、すなわち、前記X軸および前記Y軸と直交する前後方向の軸であって、この実施形態において、前側が+方向であり、後側が−方向である。
【0025】
(カバー部材8の説明)
前記カバー部材8は、
図2、
図5〜
図7、
図13、
図15〜
図18に示すように、中央部に窓部80を有する正面視長方形のカバー形状をなす。前記カバー部材8は、たとえば、光不透過性の部材から構成されている。前記カバー部材8の上と左右の3箇所には、弾性係合爪81が一体に設けられている。前記弾性係合爪81は、前記半導体型光源2の前記係合部23に弾性嵌合されている。この結果、前記カバー部材8は、前記半導体型光源2に一体に固定されている。なお、前記半導体型光源2を前記カバー部材8と前記ヒートシンク部材4との間に挟んだ状態で、前記カバー部材8をスクリューにより前記ヒートシンク部材4に固定し、かつ、前記カバー部材8と前記ヒートシンク部材4との間に前記半導体型光源2を挟んで固定しても良い。
【0026】
前記カバー部材8の前記窓部80は、前記半導体型光源2の前記発光チップ20の前記発光面25に対応して位置する。前記カバー部材8の前記窓部80以外の部分は、前記半導体型光源2の前記基板21の正面のうち前記発光チップ20の周囲を覆う。この結果、前記半導体型光源2の前記発光チップ20の前記発光面25から放射される光は、前記カバー部材8の前記窓部80を通して前記カバー部材8の前記窓部80以外の部分により遮蔽されずに前記レンズ35側に入射することができる。また、前記半導体型光源2の前記基板21の正面のうち前記発光チップ20の周囲は、前記カバー部材8の前記窓部80以外の部分により覆い隠される。この結果、見栄えが向上する。
【0027】
前記カバー部材8の左右両側には、円柱形状の軸82がX軸方向と平行もしくはほぼ平行にかつ一体に設けられている。前記カバー部材8の左右両側のうち少なくともいずれか一方(この例では左側)であって前記軸82の近傍には、ピン83がX軸方向と平行もしくはほぼ平行にかつ一体に設けられている。
【0028】
(レンズ35の説明)
前記レンズ35は、
図2〜
図12に示すように、主レンズ部3と、補助レンズ部5と、複数この例では3本の固定脚部36と、から構成されている。なお、
図10、
図11における二点鎖線は、前記主レンズ部3と前記補助レンズ部5との境界線を示す。前記固定脚部36は、スクリュー37により、前記ヒートシンク部材4に固定されている。この結果、前記レンズ35は、前記ヒートシンク部材4に固定されている。前記固定脚部36は、この例では、前記レンズ35と一体構造であるが、前記レンズ35と別体構造であっても良い。
【0029】
(主レンズ部3の説明)
前記主レンズ部3は、
図11に示すように、前記基準光軸Zおよび前記基準焦点Fを有する。前記主レンズ部3は、前記半導体型光源2から放射される光のうち、中央光L5および周辺光の一部L6を利用するものである。前記中央光L5は、前記半導体型光源2の半球放射範囲のX軸もしくはY軸から所定の角度(この例では、約40°)以上の範囲の光であって、前記主レンズ部3の中央部に入射する光である。また、前記周辺光は、前記半導体型光源2の半球放射範囲のX軸もしくはY軸から所定の角度(この例では、約40°)以下の範囲の光である。前記周辺光の一部L6は、前記周辺光のうち前記主レンズ部3の周辺部に入射する光である。前記主レンズ部3は、この例では、前記半導体型光源2からの光を透過させる透過タイプのレンズ部である。
【0030】
前記主レンズ部3は、前記半導体型光源2からの光(前記中央光L5および前記周辺光の一部L6)を主配光パターン、この実施形態においては、
図21(A)、
図22(A)に示すロービーム用配光パターン(すれ違い用配光パターン)LP、および、
図21(B)、
図22(B)に示すハイビーム用配光パターン(走行用配光パターン)HP、として車両Cの前方に照射する。すなわち、前記主レンズ部3は、前記半導体型光源2からの直接入射した光(前記中央光L5および前記周辺光の一部L6)を前記ロービーム用配光パターンLPとして車両Cの前方に照射し、かつ、前記半導体型光源2から前記光制御部材6を透過した光(前記中央光L5)および前記半導体型光源2からの直接入射した光(前記周辺光の一部L6)を前記ハイビーム用配光パターンHPとして車両Cの前方に照射する。
【0031】
前記主レンズ部3は、前記半導体型光源2からの光が前記主レンズ部3中に入射する入射面30と、前記主レンズ部3中に入射した光が出射する出射面31と、から構成されている。前記主レンズ部3の前記入射面30は、自由曲面あるいは複合2次曲面から構成されている。前記主レンズ部3の前記出射面31は、前記半導体型光源2と反対側に突出した凸形状をなし、自由曲面あるいは複合2次曲面から構成されている。
【0032】
(補助レンズ部5の説明)
前記補助レンズ部5は、
図10〜
図12に示すように、前記主レンズ部3の周辺この実施形態においては車両Cの内側の辺すなわち右辺に設けられている。前記補助レンズ部5は、前記半導体型光源2から放射される光のうち、周辺光の他の一部L1を有効利用するものである。前記周辺光の他の一部L1は、前記周辺光のうち前記補助レンズ部5に入射する光である。前記補助レンズ部5は、この例では、前記半導体型光源2からの光(周辺光の他の一部)L1を全反射させる全反射タイプのレンズ部である。前記補助レンズ部5は、前記主レンズ部3と一体のものである。
【0033】
前記補助レンズ部5は、前記半導体型光源2からの光L1を補助配光パターン、この実施形態においては、
図21(B)、
図22(B)に示すスポット用配光パターンSP、として、車両Cの前方であって前記主レンズ部3から照射される前記ハイビーム用配光パターンHPのほぼ中央部に照射する。
【0034】
前記補助レンズ部5は、前記半導体型光源2からの光L1が前記補助レンズ部5中に入射する入射面50と、前記入射面50から前記補助レンズ部5中に入射した光L2が反射する反射面51と、前記反射面51で反射した反射光L3が前記補助レンズ部5中から外部に出射する出射面52と、から構成されている。
【0035】
前記補助レンズ部5の前記入射面50は、前記半導体型光源2からの光L1が前記補助レンズ部5中に屈折せずに入射するように法線ベクトルが決められている自由曲面から構成されている。すなわち、前記補助レンズ部5の前記入射面50は、前記半導体型光源2からの光L1の放射方向と前記補助レンズ部5の前記入射面50の法線N1方向とが一致する自由曲面から構成されている。
【0036】
前記補助レンズ部5の前記反射面51は、前記入射面50から前記補助レンズ部5中に入射した光L2が
図21(B)、
図22(B)のスクリーン上の狙った角度方向に全反射するように法線ベクトルが決められている自由曲面から構成されている。すなわち、前記補助レンズ部5の前記反射面51は、前記入射面50から前記補助レンズ部5中に入射した光L2が
図21(B)、
図22(B)のスクリーン上の狙った角度方向に全反射するように法線N2が決められている自由曲面から構成されている。すなわち、前記反射面51の前記法線N2に対する前記入射光L2とのなす角度と、前記反射面51の前記法線N2に対する反射光L3とのなす角度とは、等しい。
【0037】
前記補助レンズ部5の前記出射面52は、前記反射面51で全反射した反射光L3が前記補助レンズ部5中から外部に屈折せずに出射するように法線ベクトルが決められている自由曲面から構成されている。すなわち、前記補助レンズ部5の前記出射面52は、前記反射面51で全反射した反射光L3の反射方向と前記補助レンズ部5の前記出射面52の法線N3方向とが一致する自由曲面から構成されている。
【0038】
(ヒートシンク部材4の説明)
前記ヒートシンク部材4は、前記半導体型光源2で発生する熱を外部に放射させるものである。前記ヒートシンク部材4は、たとえば、熱伝導性を有するアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記ヒートシンク部材4は、
図2〜
図8に示すように、垂直板部40と、前記垂直板部40の一面(後側の面、背面)に一体に設けた複数枚の垂直板形状のフィン部43と、から構成されている。
【0039】
前記ヒートシンク部材4の前記垂直板部40の他面(前側の面、正面、前記レンズ35に対向する面)の固定面には、逆凹形状の収納溝部が設けられている。
図2、
図5、
図6に示すように、前記収納溝部のうち、上側の水平の収納溝部は、第1収納部としての第1収納溝部41を構成する。また、
図2、
図6に示すように、前記収納溝部のうち、右側の垂直の収納溝部の下部は、第2収納部としての第2収納溝部42を構成する。
【0040】
前記垂直板部40の他面のうち前記収納溝部の内側には、前記半導体型光源2が前記スクリュー24により固定されている。前記半導体型光源2に固定されている前記カバー部材8の一部および前記軸82は、
図4、
図8に示すように、前記収納溝部の左右両側の垂直の収納溝部中に収納されている。また、前記垂直板部40の他面のうち前記収納溝部の外側には、前記レンズ35が前記スクリュー37により固定されている。
【0041】
前記ヒートシンク部材4の複数枚の前記フィン部43の一部、すなわち、複数枚の前記フィン部43のうち右側の中間部には、収納凹部44が設けられている。前記収納凹部44の底には、孔45が設けられている。
【0043】
前記光制御部材6は、光遮蔽部60と、光透過部61と、取付部62と、から構成されている。前記光遮蔽部60と前記取付部62とは、光不透過部材から構成されていて、一体構造をなす。前記光透過部61は、光透過部材から構成されていて、前記光遮蔽部60および前記取付部62と別体構造をなす。なお、前記光遮蔽部60と前記光透過部61と前記取付部62とを、光透過部材により一体に構成して、前記光遮蔽部60と前記取付部62とに光不透過塗料などを施したものであっても良い。また、前記光制御部材6は、透明樹脂材と不透明材を一体に構成しても良い。たとえば、前記光透過部61の透明樹脂材と前記光遮蔽部60および前記取付部62の不透明樹脂材とを一体成形し、あるいは、前記光遮蔽部60および前記取付部62の不透明の鋼板に前記光透過部61の透明樹脂材をアウトサート成形する。
【0044】
前記光制御部材6は、前記取付部62を介して、前記カバー部材8に、前記軸82の中心軸(X軸と平行もしくはほぼ平行な軸)O1回りに前記第1位置と前記第2位置との間において回転可能に取り付けられている。前記第1位置と前記第2位置との間の回転角度は、90°以下が好ましい。この例では、約80°である。ここで、前記第1位置に位置するときにおいて、前記光制御部材6の大部分は、前記第1収納溝部41中に収納されていて、前記ヒートシンク部材4の前記垂直板部40の他面(固定面)よりも後側に位置している。
【0045】
(取付部62の説明)
前記取付部62は、中央部が開口したフレーム形状をなす。すなわち、前記取付部62は、中央の開口の周囲の前後(上下)の両端部と左右の両側部とから構成されている。前記取付部62の左右両側部には、円形の透孔63が前記カバー部材8の前記軸82に対応して設けられている。前記取付部62の左側部には、円弧溝64が前記カバー部材8の前記ピン83に対応して、かつ、前記透孔63の中心を中心とする円弧状に設けられている。前記取付部62の左側部には、小孔を有する係止片65が一体に設けられている。
【0046】
前記取付部62の前記透孔63中には、前記カバー部材8の前記軸82が回転可能に挿入されている。前記取付部62の前記円弧溝64中には、前記カバー部材8の前記ピン83が挿入されている。この結果、前記取付部62を介して、前記光制御部材6は、前記カバー部材8に回転可能に取り付けられている。前記取付部62の一部は、前記カバー部材8の一部および前記軸82と共に、前記ヒートシンク部材4の前記収納溝部の左右両側の垂直の収納溝部中に収納されている。
【0047】
前記取付部62は、前記光制御部材6が前記第1位置に位置するときには、前記光透過部61と共に、前記半導体型光源2と前記主レンズ部3との間以外の位置すなわち前記第1収納溝部41中に収納されている。前記取付部62は、前記光制御部材6が前記第2位置に位置するときには、前記光透過部61と共に、前記半導体型光源2と前記主レンズ部3との間に位置する。ここで、前記光制御部材6が前記第1位置に位置するときの前記取付部62の大部分は、前記光透過部61と共に、前記第1収納溝部41中に収納されていて、前記ヒートシンク部材4の前記垂直板部40の他面(固定面)よりも後側に位置している。
【0048】
(光遮蔽部60の説明)
前記光遮蔽部60は、前記取付部62の右側部の一端(前端、もしくは、下端)に、上下方向(前後方向)に一体に設けられているバー形状をなす。前記光遮蔽部60は、シェードである。前記光遮蔽部60は、前記光制御部材6が前記第1位置に位置するときには、
図7に示すように、前記半導体型光源2と前記補助レンズ部5との間に位置していて前記半導体型光源2から前記補助レンズ部5の前記入射面50に入射する光(周辺光の他の一部)L1を遮蔽する。
【0049】
前記光制御部材6が前記第1位置に位置するときの前記光遮蔽部60は、
図5、
図7、
図9(A)に示すように、下記の領域(範囲)内に位置していて、かつ、下記の姿勢の状態にある。すなわち、前記領域は、前記補助レンズ部5の前記入射面50の遮光開始点53と前記半導体型光源2の前記発光面25の最遠点26とを結ぶ線分と、前記補助レンズ部5の前記入射面50の遮光終了点54と前記半導体型光源2の前記発光面25の最近点27とを結ぶ線分と、前記半導体型光源2の前記発光面25の前記最近点27を通る前記レンズ35の前記基準光軸Zに対して平行もしくはほぼ平行な線分(前記半導体型光源2の前記発光面25に対して垂直もしくはほぼ垂直な)28と、前記補助レンズ部5の前記入射面50と、により囲まれている領域である。前記姿勢は、前記半導体型光源2の前記発光面25に対して垂直もしくはほぼ垂直(前記レンズ35の前記基準光軸Zに対して平行もしくはほぼ平行)である。前記光遮蔽部60が、前記の領域(範囲)内に位置していて、かつ、前記の姿勢の状態にあることにより、光損失を小さくすることができる。
【0050】
前記の光損失は、
図9(A)に示すように、補助レンズ部5の入射面50の遮光開始点53と半導体型光源2の発光面25の最遠点26とを結ぶ線分と、この線分に接する光遮蔽部60の端(前端)と半導体型光源2の発光面25の最近点27とを結ぶ線分と、のなす角度θで表すことができる。この角度θ(すなわち、光損失)は、
図9(B)に示す光遮蔽部601の角度θ1(すなわち、光損失)と比較して小さい。
図9(B)に示す光遮蔽部601は、前記と同様の所定の領域内に位置していてかつ半導体型光源2の発光面25に対して平行もしくはほぼ平行(レンズ35の基準光軸Zに対して垂直もしくはほぼ垂直)である。
【0051】
前記光遮蔽部60は、前記光制御部材6が前記第2位置に位置するときには、
図6、
図8に示すように、前記半導体型光源2と前記補助レンズ部5との間以外の位置すなわち前記第2収納溝部42中に収納されていて前記半導体型光源2からの光(周辺光の他の一部)L1を前記補助レンズ部5に入射させる。この結果、
図21(B)、
図22(B)に示すように、前記スポット用配光パターンSPが、車両Cの前方であって前記主レンズ部3から照射される前記ハイビーム用配光パターンHPのほぼ中央部に照射される。ここで、前記光制御部材6が前記第2位置に位置するときの前記光遮蔽部60の大部分は、前記第2収納溝部42中に収納されていて、前記ヒートシンク部材4の前記垂直板部40の他面(固定面)よりも後側に位置している。
【0052】
(光透過部61の説明)
前記光透過部61は、前記取付部62の前後両中央部に固定されている板形状をなす。前記光透過部61は、前記光制御部材6が前記第1位置に位置するときには、
図5、
図7に示すように、前記半導体型光源2と前記主レンズ部3との間以外の位置すなわち前記第1収納溝部41中に収納されていて前記半導体型光源2からの光(前記中央光L5および前記周辺光の一部L6)を直接前記主レンズ部3の中央部に入射させる。この結果、
図21(A)、
図22(A)に示すように、前記ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCが車両Cの前方に照射される。ここで、前記光制御部材6が前記第1位置に位置するときの前記光透過部61の大部分は、前記第1収納溝部41中に収納されていて、前記ヒートシンク部材4の前記垂直板部40の他面(固定面)よりも後側に位置している。
【0053】
前記光透過部61は、前記光制御部材6が前記第2位置に位置するときには、
図6、
図8に示すように、前記半導体型光源2と前記主レンズ部3との間に位置していて前記半導体型光源2からの光(前記中央光L5)を透過させて前記主レンズ部3の中央部に入射させる。この結果、
図21(B)、
図22(B)に示すように、前記ハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCが車両Cの前方に照射される。
【0054】
前記光透過部61は、この例では、プリズム(特開2010−153181号公報に記載のプリズム部材を参照)から構成されている。前記光透過部61は、
図21(A)、(B)、
図22(A)、(B)に示すように、前記半導体型光源2から放射される光のうち、前記主レンズ部3の中央部に入射する前記中央光L5の光路を変更して、前記ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCと、前記ハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCと、を変形させるものである。すなわち、前記光透過部61は、前記ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCの光の一部を、前記ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCのカットオフラインCLから上方に山形形状にせり上げて、前記ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCを前記ハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCに変形させるものである。前記ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCおよび前記ハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCは、中央に集中された光から形成されている。
【0055】
(開口部66の説明)
前記光透過部61の左右両側と前記取付部62の左右両側部との間には、開口部66がそれぞれ形成されている。左右両側の前記開口部66は、前記光制御部材6が前記第1位置に位置するときには、前記半導体型光源2と前記主レンズ部3との間以外の位置すなわち前記第1収納溝部41中に、前記光透過部61の大部分および前記取付部62の大部分と共に収納されている。
【0056】
左右両側の前記開口部66は、前記光制御部材6が前記第2位置に位置するときには、
図8に示すように、前記半導体型光源2と前記主レンズ部3との間に、前記光透過部61および前記取付部62と共に位置していて、前記半導体型光源2からの光(前記周辺光の一部L6および前記周辺光の他の一部L1)をそのまま通過させて、前記主レンズ部3の周辺部および前記補助レンズ部5に入射させる。この結果、
図21(B)、
図22(B)に示すように、前記主レンズ部3の周辺部および前記補助レンズ部5から出射した光は、前記ハイビーム用配光パターンHPの左右両端部分HPL、HPR、および、前記スポット用配光パターンSPとして、車両Cの前方に照射される。
【0057】
左側の前記開口部66は、
図8、
図21(B)、
図22(B)に示すように、前記半導体型光源2からの前記周辺光の一部L6をそのまま通過させて前記主レンズ部3の周辺部に入射させるものである。このために、前記ハイビーム用配光パターンHPの左右両端部分HPL、HPRは、前記ロービーム用配光パターンLPの左右両端部分LPL、LPRに対して、変形せずにほぼ同等である。この結果、左側の前記開口部66により、前記ハイビーム用配光パターンHPの左右両端部分HPL、HPRは、前記ロービーム用配光パターンLPの左右両端部分LPL、LPRとほぼ同等に維持することができる。
【0058】
前記ロービーム用配光パターンLPの左右両端部分LPL、LPRおよび前記ハイビーム用配光パターンHPの左右両端部分HPL、HPRは、左右両側方に拡散された光から形成されている。ここで、前記ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCおよび前記ハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCと、前記ロービーム用配光パターンLPの左右両端部分LPL、LPRおよび前記ハイビーム用配光パターンHPの左右両端部分HPL、HPRと、の境界は、
図21に示すように、左右水平方向に約20°前後(約16°〜約24°)である。
【0059】
(駆動部材7の説明)
前記駆動部材7は、
図2、
図7、
図8、
図15〜
図20に示すように、前記光制御部材6を前記第1位置と前記第2位置とに移動(回転、回動)切替可能に位置させるものである。前記駆動部材7は、ソレノイド70と、連結ピン71と、スプリング72と、から構成されている。
【0060】
前記ソレノイド70には、小孔を有する進退ロッド73が備えられている。前記ソレノイド70には、固定片74が一体に設けられている。前記ソレノイド70は、前記ヒートシンク部材4の前記収納凹部44中に収納されている。前記進退ロッド73は、前記ヒートシンク部材4の前記孔45中に挿入されている。前記固定片74は、前記ヒートシンク部材4にスクリュー75により固定されている。この結果、前記駆動部材7は、前記ヒートシンク部材4に固定されている。
【0061】
前記連結ピン71の両端は、前記光制御部材6の前記係止片65と前記進退ロッド73とにそれぞれ取り付けられている。前記スプリング72の両端は、回転側(可動側)の前記光制御部材6と固定側の前記カバー部材8とにそれぞれ取り付けられている。この結果、前記ソレノイド70の無通電時においては、
図15、
図17、
図19に示すように、前記スプリング72のスプリング力により、前記進退ロッド73が前進位置に位置していて前記光制御部材6が前記第1位置に位置する。前記ソレノイド70の通電時においては、
図16、
図18、
図20に示すように、前記進退ロッド73が前記スプリング72のスプリング力に抗して後退して後退位置に位置していて前記光制御部材6が前記第2位置に位置する。
【0062】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用前照灯1L、1Rは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0063】
通常時すなわちソレノイド70が無通電時においては、スプリング72のスプリング力により、進退ロッド73が前進位置に位置していて光制御部材6が第1位置に位置する。このとき、光遮蔽部60は、
図7に示すように、半導体型光源2と補助レンズ部5との間に位置している。一方、光透過部61の大部分および取付部62の大部分は、
図5に示すように、半導体型光源2と主レンズ部3との間以外の位置すなわち第1収納溝部41中に収納されている。
【0064】
この通常時において、半導体型光源2の発光チップ20を点灯する。すると、発光チップ20の発光面25から放射される光のうち、半導体型光源2の中央光L5および周辺光の一部L6は、
図7に示すように、直接、主レンズ部3の入射面30から主レンズ部3中に入射する。このとき、入射光は、入射面30において配光制御される。主レンズ部3中に入射した入射光は、主レンズ部3の出射面31から出射する。このとき、出射光は、出射面31において配光制御される。主レンズ部3からの出射光は、
図21(A)、
図22(A)に示すように、カットオフラインCLを有するロービーム用配光パターンLPとして、車両Cの前方に照射される。
【0065】
ここで、主レンズ部3の中央部に入射した半導体型光源2の中央光L5は、ロービーム用配光パターンLPの左右両端部分LPL、LPRとして、車両Cの前方に照射される。主レンズ部3の周辺部に入射した半導体型光源2の周辺光の一部L6は、ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCとして、車両Cの前方に照射される。
【0066】
一方、発光チップ20の発光面25から放射される光のうち、半導体型光源2の周辺光L1であって、補助レンズ部5の入射面50に入射しようとする光(周辺光の他の一部)L1は、
図7に示すように、半導体型光源2と補助レンズ部5の入射面50との間に位置する光遮蔽部60により遮蔽されている。この結果、通常時においては、
図21(A)、
図22(A)に示すように、カットオフラインCLを有するロービーム用配光パターンLPが車両Cの前方に照射される。
【0067】
ここで、光制御部材6が第1位置に位置するときにおいて、光遮蔽部60は、
図9(A)に示すように、所定の領域内に位置していて、かつ、半導体型光源2の発光面25に対して垂直もしくはほぼ垂直(レンズ35の基準光軸Zに対して平行もしくはほぼ平行)である。所定の領域とは、前記の通り、補助レンズ部5の入射面50の遮光開始点53と半導体型光源2の発光面25の最遠点26とを結ぶ線分と、補助レンズ部5の入射面50の遮光終了点54と半導体型光源2の発光面25の最近点27とを結ぶ線分と、半導体型光源2の発光面25の最近点27を通るレンズ35の基準光軸Zに対して平行もしくはほぼ平行な線分28と、補助レンズ部5の入射面50と、により囲まれている領域である。この結果、光遮蔽部60は、発光チップ20の発光面25から放射される光のうち、半導体型光源2の周辺光L1であって、補助レンズ部5の入射面50に入射しようとする光(周辺光の他の一部)L1を、確実に遮蔽することができる。
【0068】
それから、ソレノイド70に通電する。すると、進退ロッド73がスプリング72のスプリング力に抗して後退して後退位置に位置していて、光制御部材6が第1位置から第2位置に向かって回転して第2位置に位置する。すなわち、今まで第1収納溝部41中に収納されていた光透過部61が、
図6、
図8に示すように、半導体型光源2と主レンズ部3との間に位置する。また、今まで半導体型光源2と補助レンズ部5との間に位置していた光遮蔽部60の大部分が、
図6に示すように、第2収納溝部42中に収納される。
【0069】
そして、発光チップ20の発光面25から放射される光のうち、半導体型光源2の中央光L5は、光透過部61を透過して、その透過光は、
図8に示すように、主レンズ部3の入射面30の中央部から主レンズ部3中に入射する。このとき、入射光は、入射面30において配光制御される。主レンズ部3中に入射した入射光は、主レンズ部3の出射面31から出射する。このとき、出射光は、出射面31において配光制御される。主レンズ部3からの出射光は、
図21(B)、
図22(B)に示すように、ハイビーム用配光パターンHPのうち中央部分HPCとして、車両Cの前方に照射される。
【0070】
ここで、光透過部61は、ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCの光の一部を、ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCのカットオフラインCLから上方に山形形状にせり上げて、ロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCからハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCに変形させる。この結果、
図21(A)、
図22(A)に示すロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCが光透過部61により変形して、
図21(B)、
図22(B)に示すハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCとして、車両Cの前方に照射される。
【0071】
このために、
図21(A)、
図22(A)に示すロービーム用配光パターンLPの中央部分LPCにおいては、車両Cから約5m前方の左側路肩のガードレールの上端の位置P1が含まれていない。これに対して、
図21(B)、
図22(B)に示すハイビーム用配光パターンHPの中央部分HPCにおいては、車両Cから約5m前方の左側路肩のガードレールの上端の位置P1が含まれている。この結果、
図21(A)、
図22(A)に示すロービーム用配光パターンLPと
図21(B)、
図22(B)に示すハイビーム用配光パターンHPとの切替の節度感が得られる。
【0072】
一方、発光チップ20の発光面25から放射される光のうち、半導体型光源2の周辺光の一部L6は、
図8に示すように、取付部62の左側の開口部66を通過して、主レンズ部3の入射面30の周辺部から主レンズ部3中に入射する。このとき、入射光は、入射面30において配光制御される。主レンズ部3中に入射した入射光は、主レンズ部3の出射面31から出射する。このとき、出射光は、出射面31において配光制御される。主レンズ部3からの出射光は、
図21(B)、
図22(B)に示すように、ハイビーム用配光パターンHPのうち左右両端部分HPL、HPRとして、車両Cの前方に照射される。
【0073】
ここで、半導体型光源2からの周辺光の一部L6は、左側の開口部66をそのまま通過して主レンズ部3の周辺部に入射する。このために、ハイビーム用配光パターンHPの左右両端部分HPL、HPRは、主レンズ部3の周辺部に入射した半導体型光源2からの周辺光の一部L6により形成されるロービーム用配光パターンLPの左右両端部分LPL、LPRに対して、変形せずにほぼ同等である。この結果、左側の開口部66により、ハイビーム用配光パターンHPの左右両端部分HPL、HPRは、ロービーム用配光パターンLPの左右両端部分LPL、LPRとほぼ同等に維持することができる。すなわち、
図22(C)に示すように、半導体型光源2からの光を全部ロービーム用配光パターンLPからハイビーム用配光パターンHP1に切り替えた場合のように、ハイビーム用配光パターンHP1の左右両端部分HPL、HPRにおいて、光量が足りない部分P2が発生する場合がない。
【0074】
また、発光チップ20の発光面25から放射される光のうち、今まで光遮蔽部60により遮蔽されていた半導体型光源2の周辺光の他の一部L1は、
図8に示すように、取付部62の右側の開口部66を通過して、補助レンズ部5の入射面50から補助レンズ部5中に入射する。このとき、入射光L2は、入射面50において配光制御される。補助レンズ部5中に入射した入射光L2は、補助レンズ部5の反射面51で全反射する。このとき、反射光L3は、反射面51において配光制御される。全反射した反射光L3は、出射面52から出射する。このとき、出射光L4は、出射面52において配光制御される。補助レンズ部5からの出射光L4は、分光色を伴うことなく、
図21(B)、
図22(B)に示すように、ハイビーム用配光パターンHPのうちスポット用配光パターンSPとして、車両Cの前方であって主レンズ部3から照射されるハイビーム用配光パターンHPのほぼ中央部に照射される。
【0075】
そして、ソレノイド70への通電を遮断する。すると、進退ロッド73がスプリング72のスプリング力により前進して前進位置に位置していて、光制御部材6が第2位置から第1位置に向かって回転して第1位置に位置する。すなわち、今まで半導体型光源2と主レンズ部3との間に位置していた光透過部61が第1収納溝部41中に収納される。また、今まで第2収納溝部42中に収納されていた光遮蔽部60が半導体型光源2と補助レンズ部5との間に位置する。
【0076】
ここで、
図21(A)に示すロービーム用配光パターンLPおよび
図21(B)に示すハイビーム用配光パターンHPは、左側の車両用前照灯1Lにより得られる配光パターンを示す。右側の車両用前照灯1Rにより得られるロービーム用配光パターン(図示せず)およびハイビーム用配光パターン(図示せず)は、左側の車両用前照灯1Lにより得られる
図21(A)に示すロービーム用配光パターンLPおよび
図21(B)に示すハイビーム用配光パターンHPとほぼ左右対称である。すなわち、配光パターンの車両Cの外側の広がり方が左右対称であって、カットオフラインは変わらず、スポット部分は水平方向に平行移動する。そして、左側の車両用前照灯1Lにより得られる
図21(A)に示すロービーム用配光パターンLPおよび
図21(B)に示すハイビーム用配光パターンHPと右側の車両用前照灯1Rにより得られるロービーム用配光パターンおよびハイビーム用配光パターンを重畳(合成)することにより、
図22(A)に示すロービーム用配光パターンLPおよび
図22(B)に示すハイビーム用配光パターンHPが形成される。
【0077】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる車両用前照灯1L、1Rは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0078】
この実施形態にかかる車両用前照灯1L、1Rは、半導体型光源2とレンズ35との間以外の位置に位置するときの光制御部材6のうち少なくとも一部がヒートシンク部材4の固定面に設けられている収納部41、42中に収納されている。すなわち、
図5に示すように、光制御部材6が第1位置に位置するとき、光透過部61の大部分および取付部62の大部分が第1収納溝部41中に収納されていてヒートシンク部材4の垂直板部40の他面(固定面)よりも後側に位置している。一方、
図6に示すように、光制御部材6が第2位置に位置するとき、光遮蔽部60の大部分が第2収納溝部42中に収納されていてヒートシンク部材4の垂直板部40の他面(固定面)よりも後側に位置している。この結果、半導体型光源2と、レンズ35と、ヒートシンク部材4と、光制御部材6と、駆動部材7、カバー部材8と、から構成されているランプユニットを、ヒートシンク部材4の垂直板部40の他面(固定面)の範囲内に収めることができる。これにより、円筒状の可動遮光部材が略円柱形状に形成されているブラケットの外側に同心上に配設されている従来の車両用前照灯と比較して、ランプユニットト2、35、4、6、7、8を小型化することができる。
【0079】
この実施形態にかかる車両用前照灯1L、1Rは、第1収納部の第1収納溝部41および第2収納部の第2収納溝部42が、車両Cの正面からレンズ35を見て、レンズ35の透視範囲(レンズ35の投影範囲、レンズ35の範囲)内に設けられている。この結果、第1収納溝部41中に収納されている光透過部61および取付部62、また、第2収納溝部42中に収納されている光遮蔽部60を、レンズ35その他の部材で覆い隠す必要がない。これにより、レンズ35ひいてはランプユニット2、35、4、6、7、8の正面視を小型化することができ、しかも、覆い隠すための部材を設ける必要がなく、その分、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【0080】
この実施形態にかかる車両用前照灯1L、1Rは、
図5、
図7に示すように、可動部材の光制御部材6の回転中心(中心軸O1)である取付部62の透孔63およびカバー部材8の軸82がヒートシンク部材4の収納溝部の左右両側の垂直の収納溝部中に収納されていてヒートシンク部材4の垂直板部40の他面(固定面)よりもレンズ35と反対側すなわち後側に位置している。この結果、光制御部材6を、隙間が狭い収納部中と、隙間が狭い半導体型光源2とレンズ35との間とに、回転させて位置させることができる。すなわち、光制御部材6の光透過部61および取付部62を、隙間が狭い第1収納溝部41中と、隙間が狭い半導体型光源2とレンズ35との間とに、回転させて位置させることができる。これにより、ランプユニット2、35、4、6、7、8の上下方向の寸法および前後方向の寸法を小さくすることができ、ランプユニット2、35、4、6、7、8を小型化することができる。
【0081】
(実施形態以外の例の説明)
この実施形態においては、車両Cが左側通行の場合の車両用前照灯1L、1Rについて説明するものである。ところが、この発明においては、車両Cが右側通行の場合の車両用前照灯にも適用することができる。
【0082】
また、この実施形態においては、レンズ35の主レンズ部3と補助レンズ部5とが一体である。ところが、この発明においては、レンズ35の主レンズ部3と補助レンズ部5とが別体のものであっても良い。
【0083】
さらに、この実施形態においては、補助レンズ部5を主レンズ部3の右辺(左辺)に1個設けたものである。ところが、この発明においては、主レンズ部3の上辺、左辺(右辺)、下辺に、補助レンズ部を設けても良い。また、補助レンズ部を複数個設けても良い。補助レンズ部を複数個設けた場合においては、スポット用配光パターンSP以外に、手前側用配光パターン、左側用配光パターン、右側用配光パターン、オーバーヘッドサイン用配光パターンを形成して、スポット用配光パターンSPと組み合わせても良い。
【0084】
さらにまた、この実施形態においては、光制御部材6を第1位置と第2位置との間を回転させるものである。ところが、この発明においては、光制御部材6を第1位置と第2位置との間をスライドさせるものであっても良い。この場合においては、回転軸の代わりに、スライド手段を設ける。
【0085】
さらにまた、この実施形態においては、駆動部材7としてソレノイド70を使用するものである。ところが、この発明においては、駆動部材7としてソレノイド70以外の部材、たとえば、モータなどを使用しても良い。この場合においては、モータと光制御部材6との間に駆動力伝達機構を設ける。
【0086】
さらにまた、この実施形態においては、収納部として収納溝部を使用するものである。すなわち、第1収納部としての
図5に示す第1収納溝部41、および、第2収納部としての
図6、
図8に示す第2収納溝部42を使用するものである。ところが、この発明においては、収納部として収納溝部の代わりに収納凹部を使用しても良い。すなわち、第1収納溝部41および第2収納溝部42の代わりに、
図23および
図24に示すように、第1収納凹部410および第2収納凹部420を使用しても良い。
【0087】
さらにまた、この実施形態においては、レンズ35の補助レンズ部5が全反射タイプのレンズ部である。ところが、この発明においては、レンズ35の補助レンズ部が全反射タイプのレンズ部以外のレンズ部、たとえば、屈折タイプのレンズ部やフレネルタイプのレンズ部であっても良い。
【0088】
さらにまた、この実施形態においては、光制御部材6として光遮蔽部60と光透過部61とから構成されているものを使用するものである。ところが、この発明においては、光制御部材として光遮蔽部のみから構成されているものを使用するものであっても良い。この場合、光制御部材の構成が簡単となり、その分、ランプユニットを小型化することができる。
【0089】
さらにまた、この実施形態においては、ヒートシンク部材4の垂直板部40の他面、すなわち、レンズ35に対向する面のうち、半導体型光源2が固定されている面と、その他の面とがほぼ面一である。ところが、この発明においては、半導体型光源2が固定されている面と、その他の面とが段違いであっても良い。すなわち、半導体型光源2が固定されている面がその他の面に対してレンズ35側に凸形状をなしたりあるいは逆にレンズ35と反対側に凹形状をなしたりしても良い。