(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電力供給モードが前記第1のモードから第2のモードに切り替えられた後に、人体検知センサの出力のピーク値に基づいて前記第2の閾値を補正する閾値補正手段を備えている請求項1に記載の画像形成装置。
前記閾値補正手段は、前記温度検出手段により検出された画像形成装置の周辺温度が人の体温に近いほど前記閾値が小さくなるように補正する請求項3に記載の画像形成装置。
前記人体検知センサの出力が第1の閾値を超えることにより、電力供給モードが第1のモードから第2のモードに切り替えられたのち、人体検知センサの次の出力のピーク値が第2の閾値以下のときは、電力制御手段は電力供給モードを最小電力供給モードである省電力モードに切り替える請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
前記人体検知センサの出力が第1の閾値を超えることにより、電力供給モードが第1のモードから第2のモードに切り替えられたのち所定時間以内に、人体検知センサのピーク値が検出されなかった場合または第1または第2の閾値以下の場合は、電力制御手段は電力供給モードを最小電力供給モードである省電力モードに切り替える請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
前記第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアは、画像形成装置の外方接離方向と直交する方向にそれぞれ複数個形成され、第1の赤外線検知エリアどうし及び第2の赤外線検知エリアどうしはそれぞれほぼ同じ大きさに形成されている請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
画像形成装置本体に装着されるとともに、入射する赤外線の変化量に応じて出力を発生する2組以上の焦電電極から構成される1つの人体検知センサと、前記人体検知センサを被覆するとともに、レンズ内に赤外線を集光する複数の単位レンズが形成された複眼レンズであって、各単位レンズによって画像形成装置の外方接離方向に、画像形成装置に接近するほど面積が小さくなる、第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアを含む複数個の赤外線検知エリアを形成する複眼レンズと、を備えた画像形成装置において実行される電力制御方法であって、
前記人体検知センサの出力を監視するとともに、該出力が、前記第1の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第1の閾値と、該第1の閾値よりも大きく前記第2の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第2の閾値を含む大きさの異なる複数個の閾値を超えたか否かを判断する出力監視ステップと、
画像形成装置の各部へ電力を供給するとともに、前記出力監視手段により人体検知センサの出力が前記第1の閾値を超え第2の閾値以内と判断された場合は、画像形成装置の各部への電力供給モードを、電力供給される部位が制限された第1のモードから該第1のモードよりも電力供給される部位が拡大された第2のモードへ切り替え、人体検知センサの次の出力が第2の閾値を超えたと判断された場合は、電力供給モードを前記第2のモードから該第2のモードよりも電力供給される部位が拡大された第3のモードへ切り替える電力制御ステップと、
を備えたことを特徴とする電力制御方法。
画像形成装置本体に装着されるとともに、入射する赤外線の変化量に応じて出力を発生する2組以上の焦電電極から構成される1つの人体検知センサと、前記人体検知センサを被覆するとともに、レンズ内に赤外線を集光する複数の単位レンズが形成された複眼レンズであって、各単位レンズによって画像形成装置の外方接離方向に、画像形成装置に接近するほど面積が小さくなる、第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアを含む複数個の赤外線検知エリアを形成する複眼レンズと、を備えた画像形成装置のコンピュータに、
前記人体検知センサの出力を監視するとともに、該出力が、前記第1の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第1の閾値と、該第1の閾値よりも大きく前記第2の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第2の閾値を含む大きさの異なる複数個の閾値を超えたか否かを判断する出力監視ステップと、
画像形成装置の各部へ電力を供給するとともに、前記出力監視手段により人体検知センサの出力が前記第1の閾値を超え第2の閾値以内と判断された場合は、画像形成装置の各部への電力供給モードを、電力供給される部位が制限された第1のモードから該第1のモードよりも電力供給される部位が拡大された第2のモードへ切り替え、人体検知センサの次の出力が第2の閾値を超えたと判断された場合は、電力供給モードを前記第2のモードから該第2のモードよりも電力供給される部位が拡大された第3のモードへ切り替える電力制御ステップと、
を実行させるための電力制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、人の位置をセンサからの出力を基に時間若しくは周波数で検出するため、出力波形が所定のレベルに戻るまでは検出を行えず、その間にも人はさらに移動していることから、早期に正確な検知を行うことができないという欠点があった。
【0008】
この発明は、このような欠点を解消するためのなされたものであって、人の接近を早期に高精度で検知することができるとともに、接近度合いに応じて電力供給状態を切り替えることができる画像形成装置及び同装置で実行される電力制御方法を提供し、さらには画像形成装置のコンピュータに前記電力制御方法を実行させるための電力制御プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)画像形成装置本体に装着されるとともに、入射する赤外線の変化量に応じて出力を発生する焦電型センサからなる1つの人体検知センサと、前記人体検知センサを被覆するとともに、レンズ内に赤外線を集光する複数の単位レンズが形成された複眼レンズであって、各単位レンズによって画像形成装置の外方接離方向に、画像形成装置に接近するほど面積が小さくなる、第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアを含む複数個の赤外線検知エリアを形成する複眼レンズと、前記人体検知センサの出力を監視するとともに、該出力が、前記第1の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第1の閾値と、該第1の閾値よりも大きく前記第2の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第2の閾値を含む大きさの異なる複数個の閾値を超えたか否かを判断する出力監視手段と、画像形成装置の各部へ電力を供給するとともに、前記出力監視手段により人体検知センサの出力が前記第1の閾値を超え第2の閾値以内と判断された場合は、画像形成装置の各部への電力供給モードを
、電力供給される部位が制限された第1のモードから
該第1のモードよりも電力供給される部位が拡大された第2のモードへ切り替え、人体検知センサの次の出力が第2の閾値を超えたと判断された場合は、電力供給モードを前記第2のモードから
該第2のモードよりも電力供給される部位が拡大された第3のモードへ切り替える電力制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(2)電力供給モードが前記第1のモードから第2のモードに切り替えられた後に、人体検知センサの出力のピーク値に基づいて前記第2の閾値を補正する閾値補正手段を備えている前項1に記載の画像形成装置。
(3)画像形成装置の周辺温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された画像形成装置の周辺温度に基づいて前記閾値を補正する閾値補正手段と、を備えている前項1に記載の画像形成装置。
(4)前記閾値補正手段は、前記温度検出手段により検出された画像形成装置の周辺温度が人の体温に近いほど前記閾値が小さくなるように補正する前項3に記載の画像形成装置。
(5)前記閾値は3個以上設定され、前記電力制御手段は、各閾値を超える毎に異なる電力供給モードに切り替える前項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記第1のモード、第2のモード及び第3のモードは、電力供給される負荷の種類がそれぞれ異なっている前項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記出力監視手段により監視される人体検知センサの出力が、前記第1の閾値を超えてからの時間を計測する時間計測手段を備え、前記人体検知センサの出力が第1の閾値を超えることにより、電力供給モードが第1のモードから第2のモードに切り替えられたのち所定時間以内に、人体検知センサの出力が前記第2の閾値を超えた場合にのみ、電力制御手段は電力供給モードを第2のモードから第3のモードに切り替える前項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記人体検知センサの出力が第1の閾値を超えることにより、電力供給モードが第1のモードから第2のモードに切り替えられたのち、人体検知センサの次の出力のピーク値が第2の閾値以下のときは、電力制御手段は電力供給モードを最小電力供給モードである省電力モードに切り替える前項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
(9)前記人体検知センサの出力が第1の閾値を超えることにより、電力供給モードが第1のモードから第2のモードに切り替えられたのち所定時間以内に、人体検知センサのピーク値が検出されなかった場合または第1または第2の閾値以下の場合は、電力制御手段は電力供給モードを最小電力供給モードである省電力モードに切り替える前項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)入力された画像データを処理する画像処理ブロックと、画像処理された画像データを用紙に印字するためのエンジン制御ブロックと、操作パネル部とを備え、前記第1のモードは、前記画像処理ブロック、エンジン制御ブロック及び操作パネル部に電力供給を行わない省電力モードであり、第2のモードは、画像処理ブロック及びエンジン制御ブロックに電力供給を行うモードであり、第3のモードは、画像処理ブロック及びエンジン制御ブロックに電力供給を行うとともに、前記操作パネル部を起動させるモードである前項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
(11)前記第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアは、画像形成装置の外方接離方向と直交する方向にそれぞれ複数個形成され、第1の赤外線検知エリアどうし及び第2の赤外線検知エリアどうしはそれぞれほぼ同じ大きさに形成されている前項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
(12)画像形成装置本体に装着されるとともに、入射する赤外線の変化量に応じて出力を発生する2組以上の焦電電極から構成される1つの人体検知センサと、前記人体検知センサを被覆するとともに、レンズ内に赤外線を集光する複数の単位レンズが形成された複眼レンズであって、各単位レンズによって画像形成装置の外方接離方向に、画像形成装置に接近するほど面積が小さくなる、第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアを含む複数個の赤外線検知エリアを形成する複眼レンズと、を備えた画像形成装置において実行される電力制御方法であって、前記人体検知センサの出力を監視するとともに、該出力が、前記第1の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第1の閾値と、該第1の閾値よりも大きく前記第2の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第2の閾値を含む大きさの異なる複数個の閾値を超えたか否かを判断する出力監視ステップと、画像形成装置の各部へ電力を供給するとともに、前記出力監視手段により人体検知センサの出力が前記第1の閾値を超え第2の閾値以内と判断された場合は、画像形成装置の各部への電力供給モードを
、電力供給される部位が制限された第1のモードから
該第1のモードよりも電力供給される部位が拡大された第2のモードへ切り替え、人体検知センサの次の出力が第2の閾値を超えたと判断された場合は、電力供給モードを前記第2のモードから
該第2のモードよりも電力供給される部位が拡大された第3のモードへ切り替える電力制御ステップと、を備えたことを特徴とする電力制御方法。
(13)画像形成装置本体に装着されるとともに、入射する赤外線の変化量に応じて出力を発生する2組以上の焦電電極から構成される1つの人体検知センサと、前記人体検知センサを被覆するとともに、レンズ内に赤外線を集光する複数の単位レンズが形成された複眼レンズであって、各単位レンズによって画像形成装置の外方接離方向に、画像形成装置に接近するほど面積が小さくなる、第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアを含む複数個の赤外線検知エリアを形成する複眼レンズと、を備えた画像形成装置のコンピュータに、前記人体検知センサの出力を監視するとともに、該出力が、前記第1の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第1の閾値と、該第1の閾値よりも大きく前記第2の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第2の閾値を含む大きさの異なる複数個の閾値を超えたか否かを判断する出力監視ステップと、画像形成装置の各部へ電力を供給するとともに、前記出力監視手段により人体検知センサの出力が前記第1の閾値を超え第2の閾値以内と判断された場合は、画像形成装置の各部への電力供給モードを
、電力供給される部位が制限された第1のモードから
該第1のモードよりも電力供給される部位が拡大された第2のモードへ切り替え、人体検知センサの次の出力が第2の閾値を超えたと判断された場合は、電力供給モードを前記第2のモードから
該第2のモードよりも電力供給される部位が拡大された第3のモードへ切り替える電力制御ステップと、を実行させるための電力制御プログラム。
【発明の効果】
【0010】
前項(1)に記載の発明によれば、1つの人体検知センサと複眼レンズによって、画像形成装置の外方接離方向に、画像形成装置に接近するほど面積が小さくなる、第1の赤外線検知エリア及び第2の赤外線検知エリアを含む複数個の赤外線検知エリアが形成されているから、画像形成装置に人が接近するほど、各赤外線検知エリアにおける赤外線変化に伴う人体検知センサからの出力波形は、振幅の大きな換言すればピーク値の大きな波形となる。このような人体検知センサの出力が、第1の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第1の閾値と、該第1の閾値よりも大きく第2の赤外線検知エリアに人が進入したことを検出するための第2の閾値を含む大きさの異なる複数個の閾値を超えたか否かを監視し、人体検知センサの出力が第1の閾値を超え第2の閾値以内と判断された場合は、画像形成装置の各部への電力供給モードが
、電力供給される部位が制限された第1のモードから
該第1のモードよりも電力供給される部位が拡大された第2のモードへ切り替えられ、人体検知センサの次の出力が第2の閾値を超えたと判断された場合は、電力供給モードが第2のモードから
該第2のモードよりも電力供給される部位が拡大された第3のモードへ切り替えられるから、従来のように出力波形が所定のレベルに戻るまでは検出を行えないという不都合を解消でき、人の接近を早期に高精度で検知し得て、接近度合いに応じて電力供給モードを切り替えることができる。
【0011】
前項(2)に記載の発明によれば、人体検知センサの出力のピーク値に基づいて第2の閾値が補正されるから、温度の影響によって出力波形が変化しても、人体検出精度を高く維持することができる。
【0012】
前項(3)に記載の発明によれば、画像形成装置の周辺温度に基づいて、第1及び第2の閾値が補正されるから、温度の影響によって出力波形が変化しても、人体検出精度を高く維持することができる。
【0013】
前項(4)に記載の発明によれば、温度検出手段により検出された画像形成装置の周辺温度が人の体温に近いほど第1及び第2の閾値が小さくなるように補正されるから、人の接近を確実に検出することができる。
【0014】
前項(5)に記載の発明によれば、閾値は3個以上設定されるとともに、各閾値を超える毎に異なる電力供給モードに切り替えられるから、より細かい電力制御を行うことができる。
【0015】
前項(6)に記載の発明によれば、
第1のモード、第2のモード及び第3のモードは、電力供給される画像形成装置の負荷
の種類がそれぞれ異なっているから、より細かい電力制御を行うことができる。
【0016】
前項(7)に記載の発明によれば、第1の閾値を超えてから所定時間以内に、人体検知センサの出力が前記第2の閾値を超えた場合にのみ、第3の電力供給モードに切り替えられるから、画像形成装置に確実に人が接近していると考えられる場合に確実に第3の電力供給モードに切り替えることができる。
【0017】
前項(8)に記載の発明によれば、人体検知センサの出力が第1の閾値を超えることにより、電力制御手段が第1の電力供給モードから第2の電力供給モードに切り替えたのち、人体検知センサの次の出力のピーク値が第2の閾値以下のときは、人が接近しているのではなく単に画像形成装置の側を平行に通過しているかあるいは接近を中断したと判断でき、第2の電力供給モードから省電力モードに切り替えられるから、電力消費の無駄を抑制できる。
【0018】
前項(9)に記載の発明によれば、第1の電力供給モードから第2の電力供給モードに切り替えられたのち、所定時間以内に人体検知センサのピーク値が検出されなかった場合または第1または第2の閾値以下の場合は、人が停止したと判断でき、第2の電力供給モードから省電力モードに切り替えられるから、電力消費の無駄を抑制できる。
【0019】
前項(10)に記載の発明によれば、人が画像形成装置に接近するにつれ、前記画像処理ブロック、エンジン制御ブロック及び操作パネル部に電力供給を行わない省電力モードから、画像処理ブロック及びエンジン制御ブロックに電力供給を行うモード、さらには画像処理ブロック及びエンジン制御ブロックに電力供給を行うとともに、操作パネル部を起動させるモードへと、モードが切り替えられるから、最接近したときは画像形成装置をすぐに使用することができる状態となる。つまり、電力消費の無駄を抑制しながら、使い勝手の良い画像形成装置となし得る。
【0020】
前項(
12)に記載の発明によれば、従来のように出力波形が所定のレベルに戻るまでは検出を行えないという不都合を解消でき、人の接近を早期に高精度で検知し得て、接近度合いに応じて電力供給モードを切り替えることができる。
【0021】
前項(
13)に記載の発明によれば、人の接近を早期に高精度で検知し得て、接近度合いに応じて電力供給モードを切り替えることができる処理を、画像形成装置のコンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図、
図2は同じく電気的構成を示すブロック図である。
【0025】
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置は、画像処理ブロック100、エンジン制御ブロック101、操作パネル部102、画像読み取り部103、電源制御ブロック104、人体検知センサ装置105等を備えている。
【0026】
画像処理ブロック100は、ネットワーク2を通じて入力されあるいは画像読み取り部103から入力された画像データを処理するものであり、ネットワーク2との間で通信を行う通信部100a、入力された画像データやその他のデータを記憶するハードディスク装置等からなるデータ記憶部100b、入力された画像データに対して所定の処理を実行する画像処理部100c、制御部(CPU)100dなどを備えている。なお、制御部100dは、エンジン制御ブロック101や電源制御ブロック104の制御部等と協働して、画像処理ブロック100内の各部や画像読み取り部103、さらには操作パネル部102を制御するものである。
【0027】
エンジン制御ブロック101は、画像形成部101a、制御部(CPU)101b、ROM101c、RAM101dを備えている。
【0028】
画像形成部101aは、画像データを用紙に印字するための構成要素であり、図示しない感光体ドラム、現像ユニット、耐電ユニット、転写ベルト、トナーカートリッジ、用紙の給紙搬送部、定着部等からなる。
【0029】
制御部101bは画像処理ブロック100の制御部100dや電源制御ブロック104の制御部104a等と協働して、画像形成部101aを制御するものであり、ROM101cは制御部101bのCPUを動作させるための動作プログラムを記憶するものであり、RAM101dは前記CPUが動作する際の作業領域を提供するものである。
【0030】
操作パネル部102は、ユーザーが画像形成装置1の使用に際して種々の機能の設定操作を行ったり、装置状態やメッセージを表示するためのものである。
【0031】
画像読み取り部103は、原稿の画像を読み取って電子データである画像データに変換するものである。
【0032】
電源制御ブロック104は、交流商用電源を直流に変換する図示しない電源装置と、制御部(CPU)104aを備えている。この制御部104aは、画像形成装置1の各部へ電力を供給するとともに、画像形成装置1の負荷状態に応じて供給電力を制御する他、この実施形態では、人体検知センサ105aの出力に基づいて、画像形成装置1の各部への電力供給モードを複数のモードに切り替える。これらの電力供給モードは、画像処理ブロック、エンジン制御ブロック、操作パネル部等への電力供給のオン/オフの組み合わせにより異なるが、詳細については後述する。
【0033】
人体検知センサ装置105は、
図3に示すように、基板105b上に配置された人体検知センサ105aと、人体検知センサ105aを被覆する態様で基板105bに設けられるとともに、縦横方向にほぼ同一の大きさの多数の単位レンズ105dが形成されたフルネルレンズからなる複眼レンズ105cとを備えている。
【0034】
前記人体検知センサ101aは、入射する赤外線の変化量に応じて出力を発生する正負電極対を有する焦電型センサからなる。この実施形態では逆電位を発生する2組の焦電電極から構成されるセンサが用いられている。この場合、2組の焦電電極からの各出力の絶対値を加算してセンサ出力としても良いし、各出力の絶対値の平均値をセンサ出力としても良いし、何れか一方のみの出力を用いても良い。なお、センサ(焦電電極)の個数や構成は限定されることはない。
【0035】
上記構成の人体検知センサ装置105は、
図1に示されるように、画像形成装置本体1の正面パネルの下部に、
図4に示されるように、センサ中心が斜め上を向くように取り付けられている。このような複眼レンズ105cを有する人体検知センサ装置105の取付により、
図4に示すように、人体検知センサ装置から斜め上方に向かって放射状に広がり遠くのエリアほどレンズの配光面積が大きくなる赤外線検知エリア10が、単位レンズ105dの数だけ形成されている。従って、このような検知エリア10は、人の画像形成装置1への接近方向を包含する水平面内においては、
図4及び
図5に示すように、画像形成装置に接近するほど面積が小さくなり、接近方向と直交する方向つまり画像形成装置と平行な方向においては、ほぼ等しい面積となっている。
【0036】
なお、この実施形態では、オフィス内の人の歩行速度+αである4.8km/時の速度で、身長Hが170cmの人が画像形成装置1に接近したときに、画像形成装置1への到着2秒前の画像形成装置1までの距離Lが2.5mの位置で、その人の顔を最外側の検知エリアaで検知できるように、検知エリアa、b、c・・・が形成されている。
【0037】
次に、
図1及び
図2に示した画像形成装置1において、人が検知エリアの外側から画像形成装置1に接近したときの動作を、
図6を参照して説明する。なお以下の説明では、水平面内に離間側から3個の検知エリアa〜cが形成されているものとして説明する。
【0038】
人が遠方から最外側の検知エリアaに進入すると、人体の赤外線を受けて人体検知センサ105aから電圧が出力される。
【0039】
前述したように、人体検知センサ105aは焦電型素子を使用しており、赤外線の移動に伴う入力があるとオフセット電圧に対しプラス→マイナス(又はマイナス→プラス)の出力があり、移動がなくなると出力が収束する特性を持つ。これにより、ユーザーの移動を検知して検知エリアa〜cの面積に応じた周期の波形が出力される。
【0040】
人が更に接近して検知エリアbへ進入すると、検知エリアaよりピーク値の大きな出力が出る。これは赤外線強度が距離の2乗に反比例することと、検知エリアの面積に対する人の顔の大きさの割合が大きくなるためである。また、検知エリアが狭くなるため出力の周期が短くなる(周波数が高くなる)。
【0041】
人が更に接近し、最内側の検知エリアcへ進入すると更に距離が近くエリアが狭くなり、領域bよりピーク値が大きく周期が短い波形となる。
【0042】
人がどの検知エリアに進入したかは、人体検知センサ105aからの出力の大きさを検出することにより判断される。例えば出力が、予め設定された第1の閾値よりも大きく、第2の閾値以下のときは、検知エリアaに進入したと判断され、第2の閾値よりも大きく、第3の閾値以下のときは、検知エリアbに進入したと判断され、第3の閾値よりも大きいときは検知エリアcに進入したと判断される。
【0043】
人が検知エリアaの外側にいる場合は、画像形成装置1の電力供給モードは最小電力供給モードである省電力モードとし、画像処理ブロック、エンジン制御ブロック及び操作パネル部に電力供給を行わない。人が検知領域aに進入すると画像形成装置1を使用する可能性があるため、省電力モードから画像処理ブロック100の各部のみを復帰させる。これは、制御部(CPU)100dの復帰に時間がかかるためである。
【0044】
人が更に検知エリアbへ進入した場合、画像形成装置1への接近と判断し、画像形成装置1を使用する可能性が更に高くなったと判断して、エンジン制御ブロック101の各部及び操作パネル部102も省電力モードから復帰させる。ただし、このときは制御部(CPU)101bの復帰のみで、エンジン制御部101のモーター等については動作を行わせず、操作パネル部102は表示を点灯させない。
【0045】
最終的に検知エリアcへ進入したら、操作パネル部102の表示を点灯してユーザーが操作パネル部102に触れたら直ちに使用可能とする。
【0046】
一方、人が画像形成装置1と平行に移動し例えば検知エリアaを横断する場合、
図7に示すように、横断方向の複数の検知エリアの面積は変わらないため、人体検知センサ105aの出力もほぼ同じであり、波形の周期も移動速度に応じ一定となる。横断の場合も、人が検知エリアaに進入すると、画像処理ブロック100、エンジン制御ブロック101等が省エネモードから復帰するが、画像形成装置1の全体が起動されることはない。また、この実施形態では、検知エリアa〜cをそれぞれ横断する場合は省電力モードに切り替えられるものとなされている。
【0047】
また、ユーザーが検知エリアa〜c内で停止した状態では、例えば
図8に示すように、検知エリアbに進入後立ち止まったとすると、
図8に破線で示すように、検知エリアbへの進入によって発生した出力がオフセット電圧になかなか戻らず、次の出力波形のピークが次の閾値を超えることはなく、あるいは一定時間内に次の出力波形も生じない。この実施形態では、人が検知エリアa〜c内で立ち止まった場合も省電力モードに切り替えられるものとなされている。
【0048】
このような制御を行うことにより、必要最小限の電力供給でユーザーの利便性を確保できる。
【0049】
次に、本実施形態における画像形成装置1における電源制御ブロック104における制御部104aの動作を、
図9のフローチャートを参照して説明する。この処理は、制御部104aのCPUがROM等の記録媒体に記録された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0050】
図9において、ステップS01では主電源が投入されたかどうかを判断し、投入されなければ(ステップS01でNO)、投入されるのを待つ。投入されると(ステップS01でYES)、制御部104aは画像形成装置1の各部に使用時と同じ通常モードで電力を供給する。
【0051】
次に、ステップS02で操作がなされたかどうかを判断し、操作があれば(ステップS02でYES)、ステップS09で操作に応じた処理を行ったのち、ステップS08に進む。なお、ステップS09の処理は、画像処理ブロック100及びエンジン制御ブロック101を用いて行われる。
【0052】
ステップS02で、操作がなされなければ(ステップS02でNO)、ステップS03で、所定時間が経過したかどうかを判断する。所定時間経過した場合は(ステップS03でYES)、ステップS04で省電力モードに移行したのち、ステップS05に進む。所定時間経過していない場合は(ステップS03でNO)、そのままステップS05に進む。
【0053】
ステップS05では、人体検知センサ105aの出力を監視して人が画像形成装置1に接近したかどうか、つまり人体検知センサ105aから出力が生じたか否かを判断する。人が接近していなければ(ステップS05でNO)、ステップS10で、省電力モードへ移行済みかどうかを判断し、移行済みでなければ(ステップS10でNO)、ステップS02に戻る。移行済みであれば(ステップS10でYES)、ステップS05に戻り、人が画像形成装置1に接近したかどうかを監視する。
【0054】
ステップS05において、人が接近していると(ステップS05でYES)、ステップS06で接近検知処理を行ったのち、ステップS07で電力供給モードの切替処理を行う。接近検知処理及び電力供給モードの切替処理については後述する。
【0055】
次いでステップS08で、主電源が遮断されたかどうかを判断し、遮断されていれば(ステップS08でYES)、処理を終了する。遮断されていなければ(ステップS08でNO)、ステップS02に戻る。
【0056】
図10は、
図9におけるステップS06の接近検知処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理を
図6の波形図を参照して説明する。なお、この処理は所定のサンプリング間隔で行われる。
【0057】
ステップS101で、制御部104aに接続された人体検知センサ105aの電圧を監視し、ステップS102で、過去のN回平均のデータから最大値及び最小値を除くデータについて、移動平均処理を行いノイズ成分の除去を行う。従って、初回からN回までは次の処理を行うことなく、メインルーチンへ戻る。
【0058】
ここで、
図6に示した検知エリアaにユーザーが進入すると、人体検知センサ105aから出力電圧Vaveが発生する。ステップS103では、前回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第1の閾値Vth1を超えていたか否かを判断する。この判断は2回連続で行われる。
【0059】
2回連続で超えていた場合(ステップS103でYES)、ステップS113で、トリガウェイトフラグtrig
-wait
-flagをクリア(0にセット)したのち、ステップS104に進む。出力電圧Vaveが第1の閾値Vth1を超えていなかった場合(ステップS103でNO)、そのままステップS104に進む。
【0060】
ステップS104では、トリガウェイトフラグtrig
-wait
-flagが0か否かを調べ、0でなければ(ステップS104でNO)、ステップS105に進む。0であれば(ステップS104でYES)、ステップS114で、前回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第3の閾値Vth3(ただしVth3>Vth2>Vth1)を超えているかどうかを判断する。
【0061】
超えている場合(ステップS114でYES)、ステップS115で、trig=3をセットしたのち、ステップS116で、今回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第3の閾値Vth3を超えているかどうかを判断する。超えていれば(ステップS116でYES)、ステップS117で、sign=1をセットしたのち、ステップS105に進む。超えていなければ(ステップS116でNO)、そのままステップS105に進む。
【0062】
前記ステップS114で、前回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第3の閾値Vth3を超えていない場合(ステップS114でNO)、ステップS118で、前回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第2の閾値Vth2を超えているかどうかを判断する。
【0063】
超えている場合(ステップS118でYES)、ステップS119で、trig=2をセットしたのち、ステップS120で、今回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第2の閾値Vth2を超えているかどうかを判断する。超えていれば(ステップS120でYES)、ステップS121で、sign=1をセットしたのち、ステップS105に進む。超えていなければ(ステップS120でNO)、そのままステップS105に進む。
【0064】
前記ステップS118で、前回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第2の閾値Vth2を超えていない場合(ステップS118でNO)、ステップS122で、出力電圧Vaveが第1の閾値Vth1を超えているかどうかを判断する。
【0065】
超えている場合(ステップS122でYES)、ステップS123で、trig=1をセットしたのち、ステップS124で、今回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第1の閾値Vth1を超えているかどうかを判断する。超えていれば(ステップS124でYES)、ステップS125で、sign=1をセットしたのち、ステップS105に進む。超えていなければ(ステップS124でNO)、そのままステップS105に進む。
【0066】
前記ステップS122で、前回のサンプリング時の出力電圧Vaveが第1の閾値Vth1を超えていない場合(ステップS122でNO)、ステップS126で、「trig」「sign」をクリア(trig=0、sign=0)したのち、ステップS105に進む。
【0067】
このようにして、出力電圧Vaveがいずれの閾値を超えているかどうかを判断し、trig=0〜3をセットする。
【0068】
ステップS105では、サンプリングカウント設定値smpNを「trig」の値に応じて設定する。この実施形態では、trig=1の場合は800ms、trig=2の場合は400ms、trig=3の場合は100msに設定されている。
【0069】
次いで、ステップS106で、今回の「trig」の値が前回の「trig」の値(last
-trig)よりも大きいかどうかを判断する。大きい場合、例えばtrig=0からtrig=1に変化している場合は(ステップS106でYES)、ステップS107でサンプリングカウント(カウント値)N
-smpをクリアし、ステップS108でsign=1かどうかを判断する。
【0070】
sign=1であれば(ステップS108でYES)、ステップS109でセンサの出力値(Vave)が最大値(Vpk)よりも大きい(Vave>Vpk)か否かを判断し、大きい場合は(ステップS109でYES)、ステップS110で出力電圧の最大値Vpk=Vaveとしたのち、ステップS112に進む。大きくなければ(ステップS108でNO)、そのままステップS112に進む。
【0071】
ステップS108でsign=1でなければ(ステップS108でNO)、ステップS132で、センサの出力値(Vave)が最大値(Vpk)よりも小さい(Vave<Vpk)か否かを判断し、小さい場合は(ステップS109でYES)、ステップS133で出力電圧の最大値Vpk=Vaveとしたのち、ステップS112に進む。小さくなければ(ステップS132でNO)、そのままステップS112に進む。
【0072】
ステップS106で、今回の「trig」の値が前回の「trig」の値(last
-trig)よりも大きくない場合は(ステップS106でNO)、ステップS127に進む。
【0073】
ステップS127では、今回の「trig」の値が前回の「trig」の値(last
-trig)と同じであるかどうかを判断する。同じであれば(ステップS127でYES)、ステップS128で、サンプリングカウント値N
-smpをインクリメントしたのち、ステップS129でsign=1かどうかを判断する。
【0074】
sign=1であれば(ステップS129でYES)、ステップS130でセンサの出力値(Vave)が最大値(Vpk)よりも大きい(Vave>Vpk)か否かを判断し、大きい場合は(ステップS130でYES)、ステップS131で出力電圧の最大値Vpk=Vaveとしたのち、ステップS111に進む。大きくなければ(ステップS130でNO)、そのままステップS111に進む。
【0075】
ステップS129でsign=1でなければ(ステップS129でNO)、ステップS134で、センサの出力値(Vave)が最大値(Vpk)よりも小さい(Vave<Vpk)か否かを判断し、小さい場合は(ステップS134でYES)、ステップS135で出力電圧の最大値Vpk=Vaveとしたのち、ステップS111に進む。小さくなければ(ステップS134でNO)、そのままステップS111に進む。
【0076】
ステップS111では、サンプリングカウント値N
-smpがサンプリングカウント設定値smpNを超えている(N
-smp>smpN)か否かを判断し、超えていれば(ステップS111でYES)、ステップS138で、「trig」と「sign」を「0」にリセットした後、ステップS112に進む。サンプリングカウント値N
-smpがサンプリングカウント設定値smpNを超えていなければ(ステップS111でNO)、そのままステップS112に進む。
【0077】
なお、サンプリングカウント値N
-smpがサンプリングカウント設定値smpNを超えていることは、画像形成装置に近付いているユーザーが立ち止まったこと等を意味し、この場合は、後述するように電力供給モードが省電力モードに切り替えられる。
【0078】
ステップS127において、今回の「trig」の値が前回の「trig」の値(last
-trig)よりも小さいかどうか、換言すれば人体検知センサ105aの出力値が閾値を下回ったかどうかを判断する。小さければ(ステップS127でNO)、ステップS136で、波形情報を確定して記憶する。波形情報は、ピーク値V
-pk 、最終的にどの閾値を超えていたかを示すtrigの値、閾値を超えていた時間(N
-smp)等からなる。
【0079】
次にステップS137で、サンプリングカウントN
-smpをインクリメントするとともに、トリガウェイトフラグtrig
-wait
-flagを1にセットし、さらに波形が確定したことを示す波形フラグwave
-form
-flagを1にセットし、最大値Vpkを一定値たとえば1.5にセットしたのち、ステップS112に進む。
【0080】
ステップS112では、今回の「trig」の値を前回の「trig」の値にセットすることによりトリガ情報を更新し、リターンする。
【0081】
このような処理により、人が画像形成装置1に接近しているときに、人体検知センサ105aの出力がどの閾値を超えたか、換言すればどの検知エリアまで近付いているかが分かり、また途中で停止したかどうか等がわかる。
【0082】
次に、
図9のステップSS07における電力供給モードの切替処理を、
図11のフローチャートを参照して説明する。
【0083】
ステップS201で、「trig」の値に変更があったかどうかを判断する。変更があれば(ステップS201でYES)、ステップS202で、変更後の「trig」の値に応じて予め設定された電力供給モードに切り替える。
【0084】
次いで、ステップS203で、電力供給モードが通常モードまで切り替えられたかどうかを判断し、切り替えられていなければ(ステップS203でNO)、人が未だ接近中であるから、
図9のステップS06の接近検知処理に戻って接近検知処理を継続する。通常モードまで切り替えられている場合は(ステップS203でYES)、リターンする。
【0085】
ステップS201で、「trig」の値に変更がなければ(ステップS201でNO)、ステップS204で、サンプリングカウント値N
-smpがサンプリングカウント設定値smpNよりも大きいか否かを判断し、大きければ(ステップS204でYES)、人が画像形成装置1と平行に検知エリアを横断しているか、あるいは検知エリア内で停止していると考えられるから、
図9におけるステップS04に戻って省電力モードに移行する。
【0086】
一方、サンプリングカウント値N
-smpがサンプリングカウント設定値smpNよりも大きくなければ(ステップS204でNO)、ステップS203に進む。
【0087】
このようにして、人が画像形成装置1に接近するにつれ、電力供給モードが段階的に切り替えられるから、従来のように人体検知センサ105aの出力波形が所定のレベルに戻るまでは検出を行えないという不都合を解消でき、人の接近を早期に高精度で検知し得て、接近度合いに応じて電力供給モードを切り替えることができる。
【0088】
ところで、人体検知センサ105aの出力は環境温度による影響を受け、
図12に示すように人の体温(例えば36.5℃)に近いほど感度が低下し、出力波形のピーク値が小さくなる。
【0089】
そこで、人体検知センサ装置105の近傍に、環境温度を検出するための温度検出手段を設け、温度検出手段により検出された温度に基づいて、予め設定されている各閾値を
図12に示される特性に基づいて補正するのが望ましい。具体的には、温度検出手段により検出された画像形成装置1の周辺温度が人の体温に近いほど前記閾値が小さくなるように補正する。
【0090】
また、温度検出手段を設けることなく、第1の閾値以外の閾値を補正することも可能である。即ち、人が検出エリアaに進入したときの人体検知センサ105aからの出力波形におけるピーク値と、予め設定されている第1の閾値を比較し、その差に応じて第2の閾値及びそれ以降の閾値を補正する。
【0091】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
【0092】
例えば、画像形成装置への接離方向の検知エリアの数が3個、閾値の数が3個、電力供給モードの数が4個である場合を例示したが、検知エリアの数が4個以上、閾値の数が4個以上、電力供給モードの数が5個以上であっても良いし、検知エリアの数が2個、閾値の数が2個、電力供給モードの数が3個であっても良い。
【0093】
また、検知センサ105aの出力がプラス側に振れたときに第1〜第3の閾値を超えたかどうかを判断したが、検知センサ105aの出力がプラス側に振れたときの閾値である第4〜第6の閾値を、第1〜第3の閾値に対応して設定し、検知センサ105aの出力が第1の閾値と第4の閾値の間に収まっているか、第2の閾値と第5の閾値の間に収まっているか、第3の閾値と第6の閾値の間に収まっているかを判断しても良い。