(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記移動体の数が所定数に達した場合に、前記実際の振り分け割合と前記予め設定された振り分け割合の差異量を算出するものである、請求項1に記載の遊戯装置。
前記振り分け手段は、前記予め設定された振り分け割合に対応する振り幅で揺動する揺動装置によって揺動され、前記制御手段は、前記振り分け手段の振り幅を変更するものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の遊戯装置。
前記振り分け手段は、当該振り分け手段上に供給された前記移動体が当該振り分け手段上に留まる時間を長くする移動領域規制手段を備えるものである、請求項1から4のいずれか一項に記載の遊戯装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0020】
(遊戯装置の全体構成例)
図1は遊戯装置の斜視図である。
図1に例示する遊戯装置1は全体として大型の円形状の筐体10から構成されている。この筐体10の円周方向に均等に複数(例えば10基)のサテライト12が整列されている。サテライト12は、遊戯者(プレイヤ)がメダル遊戯を実行可能な遊戯端末装置(あるいはプレイヤステーションとも呼ばれる)の一例である。
【0021】
筐体10内には、
図2に例示するように、それぞれ管状に図示された複数のコースが筐体10の上部から螺旋状に筐体10の下部に向かっていく形態で筐体10内に設けられている。複数のコースは、例示的に、コースの意味合いによって、循環コース14A、14B、14C、ジャックポットコース16、チャンスコース18と呼称されて区別されている。各コースの意義は以後順次説明する。それぞれのコースに遊戯媒体の一例であるボールが転がるようになっている。
【0022】
図2において、符号20は、筐体10の底部にあるボールを各コースに分配しながら筐体10の上部に持ち上げて、筐体10の上部のボールをコースの開始端(上端)にリリースするリフタを示す。
【0023】
リフタ20は、
図2に例示するように筐体10のほぼ中心に配置されており、
図3に例示するように底面プレート22から天井ユニット24まで垂直に設けられている。リフタ(以下「センターリフタ」ともいう。)20は、例示的に、底面プレート22の裏面に固定されたモータによって回転するスパイラルスクリュー26と、スパイラルスクリュー(以下、単に「スクリュー」ともいう。)26の周りに均等に配置された5本の支柱28と、これら支柱28をスクリュー26の円周方向に沿って連結する連結ディスク30Aとを備えている。
【0024】
5本の支柱28によって、スクリュー26をその平面方向から見ると、スクリュー26の領域が5区画に分割され、各区画を隣接する他の区画から区別して各区画にボールを収容することができる。スクリュー26の回転に応じて、各区画にあるボールがスクリュー26の下端からその上端までその区画内にあることを維持しながら移動する。
【0025】
スクリュー26の下端の周囲には、例示的に、スクリュー26の前記各区画に臨み、かつ、各コースの下端(終了端)と結合するガイドが設けられている。例えば、循環コース14Aの下端に設けられたガイド140Aは、誘導ガイド144Aを介してスクリュー26内の区画Aに臨んでいる。循環コース14Bの下端に設けられたガイド140Bは、誘導ガイド144Bを介してスクリュー26内の区画Bに臨んでいる。循環コース14Cの下端に設けられたガイド140Cは、誘導ガイド144Cを介してスクリュー26内の区画Cに臨んでいる。
【0026】
ジャックポットコース16は、例示的に、循環コース14A、14B、14Cを流れる(転がる)ボールを集めて、ジャックポット(JP)と称する特別の高配当の条件が成立したサテライト12に対して供給するコースである。符号16Aがジャックポットコース16にボールを供給するガイドである。当該ガイド16Aを介して各循環コース14A、14B、14Cから集められたボールがスクリュー26の同一区画に供給される。
【0027】
各循環コース14A、14B、14Cの下端に設けられたガイド140A、140B、140Cの下方には、例示的に、ガイド16Aにボールを集める集合路16Cが設けられる。各循環コース14A、14B、14Cのガイドの集合路16Cに臨む部分には、開閉可能なシャッター(例えば
図5参照)が設けられている。
【0028】
当該シャッターは、通常閉鎖されていて循環コース14A、14B、14Cのボールがジャックポットコース16に移行しないようにしている。一方、ジャックポットが成立した場合には当該シャッターが開放されて、各循環コース14A、14B、14Cにあるボールが環状の集合路16Cに集められる。
【0029】
集合路16Cに集められたボールは、ガイド16Aを通過した後、リフタ20の同一区画内を上昇し、さらにジャックポットコースの開始端16Bに供給される。各循環コース14A、14B、14Cは、互いに常時連結してボールが複数の循環コースを順番に通過するが、循環コース14A、14B、14Cとジャックポットコース16とは通常連結されておらず、ジャックポットのような特別な状態が発生した場合に連結される。
【0030】
なお、チャンスコース18に連結されるガイドはスクリュー26の背面に位置するために
図3において図示を省略している。チャンスコース18は、例示的に、循環コース14A、14B、14Cにボールを追加するコースである。
【0031】
チャンスコース18は、ジャックポットコース16とは独立であり、チャンスコース18のガイドは、ジャックポットコース16への連結手段である、集合路16Cには連結されてなくてよい。
【0032】
チャンスコース18と循環コース14A、14B、14Cとの境界は、リフタ20とは別個の位置にあり、この境界にはチャンスコース18を循環コース14A、14B、14Cに接続するか、チャンスコース18を筐体下部のボール貯留手段に切り替えるかの経路切り替え手段を備えている。これについては後述する。
【0033】
ボール貯留手段とリフタ20との境界には、例示的に、ボール供給メカが設けられており、筐体の制御部がボールを循環コースに供給するか、チャンスコースに供給するかを決定して、ボール供給メカの向きを循環コース14A、14B、14Cのガイド又はチャンスコース18のガイドに切り替える。
【0034】
どちらに切り替えるかは、サテライト12における遊戯状況によって変わってくる。例えば、ジャックポット発生後は循環コース14A、14B、14Cのボールをジャックポットコース16に移動させるため、メイン制御部(
図4参照)は、ボール供給メカに循環コース14A、14B、14Cに必要な数分のボールを供給するよう指令する。
【0035】
また、循環コース14A、14B、14C内のボールを増やす条件が成立した場合には、メイン制御部は、ボール供給メカにチャンスコース18にボールを供給するように指令する。
【0036】
なお、メイン制御部が循環コース14A、14B、14Cにボールを追加することなくチャンスコース18にボールを追加するのは、チャンスコース18と循環コース14A、14B、14Cの連結部においてチャンスコース18から循環コース14A、14B、14Cへのボールの受け渡しの成功又は失敗の演出が存在するからである。
【0037】
したがって、遊戯が進行する過程で、循環コース14A、14B、14Cを循環するボールが徐々に増加するために、遊戯者にはジャックポット成立時に多くのボールを獲得できるという期待感を持たせることができる。
【0038】
図4は、遊戯装置1の制御機構を示す図である。制御機構の一例は、各サテライト12に存在するサテライト制御部と、遊戯装置1全体の制御を行なうメイン制御部とを備える。サテライト制御部は、サテライト12に固有の処理を中心に行ない、メイン制御部は、各サテライト12に共通する処理を中心として行なう。
【0039】
各制御部には各種のセンサからの信号が供給され、各制御部は、センサからの検出信号に基づいて各種アクチュエータを制御する。どのようなセンサがあるか、或いはどのようなアクチュエータがあるかは、以後適宜説明する。
【0040】
図3に戻り説明すると、天井ユニット24には、各コースの上端に連結するガイドが設けられている。これらガイドは、スクリュー26の各区画に臨み、スクリュー26の上端にまで持ち上がったボールを受領する。各コースは筐体内を重力方向にスパイラル状に下降しているために、スクリュー26の各区画を出たボールはガイドを介してコースに入りコース内を自重によって下降しコース下端のガイドに至り次いでスクリュー26内を上昇する。
【0041】
符号142Aは、循環コース14A用のガイドを示しており、符号142Bは、循環コース14B用のガイドを示しており、符号142Cは、循環コース14C用のガイドを示している。また、符号16Bは、ジャックポットコース16用のガイドを示しており、符号18Bは、チャンスコース18用のガイドを示している。
【0042】
3つの循環コース14A、14B、14Cをボールが順番に転がるように、スクリュー26の同じ区画には異なったコース14A、14B、14Cのガイドが臨むようになっている。例えば、
図3において、スクリュー26と二本の隣接する支柱によって作られた区画300には、スクリュー26の下端に循環コース14A用の出口ガイド140Aが設けられており、スクリュー26の上端には循環コース14B用の入口ガイド142Bが設けられている。したがって、例えば、循環コース14Aを出たボールは、スクリュー26内を上昇して循環コース14Bに入ることになる。
【0043】
次に、
図5に基づいて、筐体10の中をボールがどのように循環するかについて説明する。ボールがセンターリフタ20(スクリュー26)の区画26Aを上昇した後、循環コース14Aに入り、循環コース14Aにおける演出手段の一例であるスパイラル302、ディスク304、ループ306を順に通過して、ボール分岐メカ308を介してセンターリフタ20の下端から区画26Bに入る。次いで、ボールは、区画26Bを上昇して循環コース14Bに入る。
【0044】
ボールは、循環コース14Bにおける演出手段の一例であるシーソー310、フンネル312等を通過してセンターリフタ20の下端から区画26Cに入る。ボールは、スクリュー26の回転に伴って区画26C内を上昇して循環コース14Cに入る。
【0045】
さらにボールは、循環コース14Cのスパイラル314等を介してスクリュー26の区画26Aの下端に入り、次いで、同区画26A内を上昇して循環コース14Aに入る。以上のようにして、ボールは、循環コース14A、14B、14Cを順番に循環する。
【0046】
図5において、符号380は、
図3において説明した、循環コース14A、14B、及び14Cのボールをセンターリフタ20ではなくジャックポットコース16に移行させるための、移動経路切換装置(ボール振り分け手段の一例)である。このボール振り分け手段380には、集合路16Cと、循環コース毎のシャッターと、各シャッターの開閉を制御する制御部とが該当する。
【0047】
図4に例示するメイン制御部は、ジャックポットが成立したサテライトから信号を受けるとシャッターを開放して循環コース14A、14B、14Cのボールがジャックポットコース16に移動するようにする。
【0048】
例えば、メイン制御部は、循環コース14A、14B、14C中のボールが全てジャックポットコース16に移動するまで全ての循環コース14A、14B、14Cのガイドのシャッターを開放する。
【0049】
循環コース14A、14B、14Cの所定の箇所には、例示的に、ボールの通過を検知するセンサが設けられており、メイン制御部は、ジャックポット条件が成立した後、センサからの検出信号が一定時間無い場合には循環コースの全てのボールがジャックポットコース16に入ったと判断し、その後シャッターを閉鎖する。
【0050】
なお、集合路16Cのジャックポットコース16用のガイド16A側の終端にボールカウンタを設け、メイン制御部は、当該ボールカウンタによるボールカウント情報を入手して、全てのボールがカウンタを通過するまでの間シャッターを開放し、その後シャッターを閉鎖するようにしてもよい。
【0051】
ジャックポットコース16に入るべき複数のボールは、集合路16Cに入り同集合路16Cを自重によって転動してガイド16Aを介してセンターリフタ20の区画16Dに順番に入る。次いで、各ボールはジャックポットコース16の開始端に到達する。
【0052】
ジャックポットコース16に入った複数のボールは、循環コース14A、14B、14C内のボールが全てジャックポットコース16に移行されるまでジャックポットコース16の終端付近にあるストッパ318(
図5参照)によってジャックポットコース16上で停止されている。ストッパ318は、例示的に、通常ジャックポットコース16上に突出してジャックポットコース16を遮るように付勢されている。
【0053】
メイン制御部は、全てのボールがジャックポットコース16に至った後に、ストッパ318によるジャックポットコース16の閉鎖を解除する。
図10は、ジャックポットコース16の終端付近を先頭にして複数のボール17が停止して一列に整列された状態を示している。ジャックポットコース16の終端は、
図10において符号19で示すすり鉢状のジャックポットクルーン(
図5の符号320に対応する。)に通じている。ジャックポットクルーン19は、ジャックポットコース16から複数のボールを集めて、これをジャックポットの条件が発生したサテライト12に供給する。
【0054】
メイン制御部がストッパ318を開放すると、
図11に例示するように、ジャックポットコース16上に停止していたボール17が順番にジャックポットクルーン19に供給され、ジャックポットクルーン19内を回転しながらジャックポットクルーン19の下方に移動する。
【0055】
図12及び
図13に例示するように、ジャックポットクルーン19の下方には、ジャックポットが成立したサテライト12にジャックポットクルーン19の下端から落下したボールを順番に供給する供給機構19Aが設けられる。供給機構19Aの下端には、例示的に、下方に受けて開口を有するボール排出ダクト19Bが設けられる。供給機構19Aはモータによって回転可能である。
【0056】
メイン制御部は、モータを駆動して、ジャックポットが成立したサテライト12に対応するボール誘導路19Cにボール排出ダクト19Bが整合するように制御する。メイン制御部は、この整合が終了し、かつ循環コース14A、14B、14Cの全てのボールがジャックポットコース16上に停止かつ成立した両方の条件が揃ったことを検出した後、ジャックポットコース16上のストッパ318を解放する。
【0057】
ボール誘導路19Cは、各サテライト12にそれぞれ設けることができ、例示的に、サテライト12の遊戯フィールドに向かって垂直に設けられている。
図14は供給機構19Aの概念図である。既述のセンターリフタ20は筐体10の中心に存在するため、ジャックポットクルーン19及び外形がドラム状の供給機構19Aとも、中心にセンターリフタ20を通過させるための開口が形成されている。供給機構19Aの内側には、例示的に、円形に曲がりながら下降するボール移動路191とテーパ面190とが形成されている。
【0058】
ジャックポットクルーン19の内側下端の開口部192から落下したボール17は供給機構19Aの内側開口部193からその内部に落下し、テーパ面190に当たって移動路191に落下し、以後、移動路191に沿って下降していく。移動路191は、例示的に、ボール17一つ分の幅に形成されているので、供給機構19Aはボール17を一個ずつサテライト12に供給することができる。
【0059】
図6は、サテライト12の斜視図である。サテライト12には、サテライト制御部がジャックポットの成立を判定するためのクルーン400と、メダルプッシャ遊戯を行なう各種機構が備わっている。
【0060】
符号406は、メダルプッシャ遊戯の領域(遊戯フィールド)を矢印方向に往復動するプッシャ台(以下、単に「プッシャ」という)を示している。また、
図6には図示していないが、プッシャ406の上面には多くのメダルが積まれており、プッシャ406が往復動する過程でプッシャ406上に積まれたメダルは、サテライト内の所定位置に固定配置された規制板410と接触する。規制板410は、プッシャ406と一体に往復動する当該プッシャ406上のメダルの移動方向のうち、平坦面412が存在する方向と逆方向の動きを規制する部材の一例である。
【0061】
プッシャ406上に積まれたメダルは規制板410を超えてプッシャ406と一体に移動できないので、規制板410近傍のメダルがプッシャ406の往復運動により規制板410に接触して、規制板410により押される。この押される力が規制板410と接触する他のメダルに伝播されてプッシャ406の上面から平坦面412にメダルが落下し、平坦面412上に落下したメダルのうち、プッシャ先端部の近傍にあるメダルがプッシャ406の往復動によってプッシャ先端部に押される。
【0062】
プッシャ406は、モータの回転によって伝達アームが往復動し、この伝達アームの往復動によって、伝達アームと連結される往復動プレートがメダルフィールド上を往復動する。なお、プッシャの往復動は、モータを用いることに限られず、アクチュエータやソレノイド等の駆動源を用いることによって、遊戯フィールド上を往復動することができればよい。
【0063】
プッシャ406の往復動により、平坦面412上のメダルの蓄積量が多くなるとプッシャ406の先端部によってメダルが押され、その押圧力が他のメダルに順次伝播することで、伝播された他のメダルが平坦面412の両脇部からサテライト12内部に落下し、又は平坦面412の先端側から傾斜面415を落下してメダル落下端418からサテライト12内部に落下する。
【0064】
このうち、平坦面412の両脇部からサテライト12内部に落下したメダルはプッシャ遊戯で勝利したメダルではないため、メダルプール404には払い出されない。一方、平坦面412の先端側からメダル落下端に落下したメダルはメダルプッシャ遊戯で勝利したメダルであるため、サテライト12内の落下メダル回収機構によって回収された後、メダルプール404に払出される。
【0065】
さらに、遊戯者は獲得したメダルをメダルプール404から取り出してメダル投入部405に投入し、メダル投入装置の回転部材402を回転させる。回転部材402を回転させると、メダル投入部405から順次メダルがメダル投入装置内に供給され、メダル投入装置によって、メダルはメダル放出ノズル414から遊戯フィールドに放出される。放出されたメダルはプッシャ406の上面或いは平坦面412まで放出される。
【0066】
さらに、サテライト12は、遊戯者によって操作される、メダル放出ノズル414の向きを特定の方向に向けるノズル方向調整手段を有し、遊戯者は狙った位置にメダルを放出することができる。なお、メダル放出ノズル414の向きをモータ等の駆動手段によって回動させるようにして、メダル放出方向を一定間隔で変化させることも可能である。それにより、狙った位置にメダルを放出する方法とは異なった遊戯性をサテライト12にもたせることが可能になる。
【0067】
傾斜面415には、抽選結果を表示する表示部416の一例としてLCD(Liquid Crystal Display)を設けることができる。傾斜面415には、メダルが傾斜面415を滑落する過程でメダルが通過したことを検出する検出手段の一例であるセンサを内部に有したメダルチャッカーを設けることもできる。
【0068】
当該メダルチャッカーをメダルが通過すると、前記センサがメダルの通過情報を検出し、サテライト制御部に当該通過情報を送信する。サテライト制御部は、受信した通過情報に基づき、前記抽選処理を行ない、抽選過程および抽選結果に対応した画像等を表示部416に表示させる。なお、表示部416には、LCDに限らず、CRT(Cathode Ray Tube)や、複数のLED(Light Emitting Diode)で構成されたデジタル表示機を用いてもよい。
【0069】
抽選処理の抽選結果が所定役(例えば「当たり」役など)であった場合には、役の種類に応じてサテライト12内に図示されない、メダルホッパを備えたメダル払出機構428からプッシャ406の上面又は平坦面412上等の遊戯フィールドにメダルを払い出す。なお、前記通過情報は、サテライト制御部に備えられている記憶手段(メモリ等)に記憶される。
【0070】
記憶手段は、メダルチャッカーを通過したメダルの枚数分、つまり、複数のメダル通過情報を記憶することができる。したがって、サテライト制御部は、その記憶された情報に基づき、前記抽選処理を連続的に行なうことができる。
【0071】
サテライト12の遊戯フィールドには、クルーン400を介するか、或いはジャックポット分離メカ320(
図14の符号19A)を介してボールが供給される。サテライト制御部は、ボールの色を識別可能なセンサからの信号を受けてボールの色を識別し、ボールの色に対するメダル枚数を記憶手段の制御テーブル(記憶情報)から決定して、メダル払出機構428に対応枚数のメダルをフィールド内に払い出させる。
【0072】
例えば、筐体10内に貯蔵されているボールの各色のうち、稀少色ほどより多くの数のメダルに対応するようにしてもよい。なお、さらにボールは、クルーン400或いはジャックポット分離メカ320を介して供給されるほか、サテライト12内に別途設けられたボール払出機構部等で払出されてもよい。
【0073】
サテライト12が獲得したボールとの対応によって得たメダルは、メダル払出機構428又は
図1中に符号430で示すメダルカプセルから遊戯フィールドに供給される。獲得メダル数が多い場合、サテライト12はメダルカプセル430からメダルの供給を受けることができる。
【0074】
複数のカプセルが、サテライト12の遊戯フィールド近傍を環状に整列して設けられている。一つのカプセル430には、所定枚数(例えば100枚等)のメダルが収容されており、獲得メダル数が所定枚数を越える場合、当該所定枚数単位でメダルをカプセル430からサテライト12に供給する。端数はメダル払出機構428から供給される。なお、獲得メダル数が所定枚数を越える場合であっても、メダル払出機構428からメダルが供給されるようにしてもよい。
【0075】
既述の通り、サテライト12の遊戯フィールドにはメダルとボールとが供給される。そのため、各サテライト12には、例示的に、メダルとボールとの分離装置が設けられる。
図7は、サテライト12の遊戯フィールドの傾斜面415を拡大した斜視図である。分離装置は、例示的に、傾斜面415の遊戯者側端部に設けられ、傾斜面415を落下してくるメダル524とボール522とを分離し、ボール522を所定のボール回収位置まで搬送する。
【0076】
この分離装置は、
図8に例示するように、モータ530と、モータ530に取り付けられている駆動プーリ531と、駆動プーリ531にベルト538を介して接続する従動プーリ536を有し、従動プーリ536には、サテライト12の幅方向に向かって延びる軸534と、この軸534を略中心に備え螺旋状に形成されている螺旋体532とが結合されている。
【0077】
図7に例示するように、傾斜面415を落下してくるボール522を螺旋体532で受け止め、モータ530の回転によって螺旋体532が回転し、螺旋体532の回転に合わせてボール522が螺旋体532の回転方向に沿って、傾斜面415に摺接しながら矢印528の方向に移動する。さらに、螺旋体532の先にはボール回収孔540が設けられており、ボール回収孔540から後述するようにボールがサテライト12内部を通過した後、筐体10内部のボール貯留部(以下「ボールプール」ともいう。)326(
図5参照)に落下する。ボールプール326は、後述する特別ボールを貯留する貯留手段の一例である。
【0078】
これに対して、螺旋体532の最下端と傾斜面415との間にはメダル524が通過するに足りる隙間が設けられているために、メダル524は、螺旋体532に当接しないようにして螺旋体532の下部を矢印526の方向に通過して筐体10内に落下し、前記落下メダル回収機構に回収される。
【0079】
なお、傾斜面415側に落下してきたメダル524が、ボール522と傾斜面415との間で挟まれて螺旋体532を一時的に通過できないことがあっても、螺旋体532の回転に応じてボール522が矢印528の方向に移動するためにボール522の位置が変化してメダル524がボール522に挟まれることが解消されるようになっている。
【0080】
なお、分離装置は、上述の構成に限らず、ボール522を所定の位置(例えばボール回収孔540)まで搬送し、かつ、ボール522を搬送する際にメダル524を挟まずにメダル524を落下メダル回収機構へ落下等させることができれば、どのような構成でもよい。したがって、分離装置は、例えば、ベルトコンベアなどで構成することも可能である。
【0081】
なお、上記分離装置は、遊戯者から認識できる位置に設けるとよい。これにより、後述するボールの色に対応するメダル払出枚数との関係で、遊戯者に期待感をもたすことが可能になるからである。
【0082】
ボール回収孔540の開口端付近には、例示的に、落下したボールの通過を検出する通過センサが設けられており、ボール回収孔540に落下したボールは、図示しないサテライト12内部に設けられた、ボールの色を検出するセンサを有する色検出装置(色検出手段)で色を検出された後、筐体10内部のボールプール326(
図5参照)に落下する。通過センサの情報及び色検出手段の情報は、サテライト制御部に送られる。なお、ボール回収孔540の開口端付近に直接ボールの色を検出する色検出装置を設けて、ボールの色を検出してもよい。
【0083】
さらに、筐体10内には、ボールの色を検出した後にボールが汚れているかどうかを検出する汚れボール検出手段を備えてもよい。当該汚れボール検出手段の情報に基づいて、汚れていると判断されたボールをサテライト12内部に、若しくは、筐体10内のボールプール326とは異なる箇所に備えられる汚れボール回収機構に汚れボールを落下させるようにしてもよい。
【0084】
また、ボールのボール回収孔540への通過を検出する通過センサの情報を基に、前記分離装置の駆動源(モータ)を制御し、サテライト制御部は、前記分離装置(螺旋体532)の回転速度を調整するようにしてもよい。
【0085】
サテライト制御部は、前記色検出装置からの検出信号などの検出情報を読み取り、当該検出情報に基づくボールの色情報からメダルの払出枚数を決定する演算を行ない、演算結果をメイン制御部に送信する。なお、本実施形態においては、ボールの色を検出するためにセンサを有する色検出装置を用いているが、ボールの色を検出できるものであればよく、検出手段はセンサに限定されない。
【0086】
なお、ボールの色を検出する色検出センサは、例示的に、投光素子に3色(赤色、青色、緑色)のLED光源を使用し、検出物体にスポット光を照射して、被検出部材からの反射による受光の色成分(色相・彩度・明度)の分析を行ない、当該分析の結果に基づいて、色を特定するものでもよいし、ボール内部にICタグを内蔵し、当該ICタグに当該ボールの色情報を記録し、その情報を無線による非接触な通信で読み取ることで、色が検出されるものでもよい。
【0087】
図9に示すように、傾斜面415には、例示的に、ボール回収孔540に対して矢印528方向にいくにしたがって高さを増す略矩形状の傾斜面537を設けることができる。ボール522は、螺旋体532の回転に従って、傾斜面537を乗り越えてボール回収孔540に落下する。仮にボール回収孔540付近にメダル524が存在してもメダル524は傾斜面537を乗り越えることができないので、メダル524がボール回収孔540に混入することを防ぐことができる。
【0088】
または、ボール回収孔540の近傍に矢印526方向にいくにしたがって高さを増す略矩形状の係止片または突出部材を設け、ボールは螺旋体532の回転に従って、ボールがこの係止片(または突出部)を乗り越えてボール回収孔540に落下させるようにしてもよい。ボール回収孔周辺にメダル524が存在しても、メダル524はこの係止片(または突出部)を乗り越えることができないため、ボール522とメダル524とを確実に分離することができ、上記略状の略矩形状の傾斜面537を設置した場合と同様の効果が達成される。
【0089】
螺旋体532は、例示的に、一つの凹部に一つのボールを保持するため、
図9に例示するように螺旋体532が回転している間、サテライト12の遊戯フィールドにある複数のボールを連続的に、かつ、螺旋体532に保持されている順番通りに回収することができる。
【0090】
サテライト12の制御系は、
図15に例示するように、サテライト制御部29A、ROM29B、RAM29C、センサ駆動部29D、メダルホッパ駆動部29E、分離モータ駆動部29F、を備え、これらはデータバス29Gを介して接続されている。
【0091】
また、
図16に例示するように、サテライト制御部は、主制御部30、メダル払出制御部30B、色検出識別部30C、分離モータ回転制御部30D、色比較判断部30Eを備えている。なお、これらのサテライト制御部を構成する各部は、ハードウェア構成としてもよいし、ソフトウェア構成としてもよい。また、サテライト制御部と、メイン制御部ともデータバスを介して接続されていてもよい。
【0092】
主制御部30は、ROM29Bに記憶されている所定の制御プログラムに基づき、各部を制御する。主な制御の一例としては、
図6において説明したプッシャ406内部に設けられているモータやアクチュエータ等の駆動手段を、記載されている矢印方向にプッシャ406を往復動させることが挙げられる。
【0093】
メダル払出制御部30Bは、ROM29Bに記憶されている所定のプログラムや後述する演算結果に基づいて、前記所定のメダル払出をメダル払出機構428に行なわせる。色検出識別部30Cは、色検出センサによる検出結果に応じて、ボール回収孔540を通じて回収されたボールの色を認識する。なお、上記色センサを駆動するのも主制御部30が行なっている。
【0094】
分離モータ回転制御部30Dは、通常、一定方向・一定速度で分離装置が回転するようにモータなどの駆動手段を制御するが、ボール回収孔540にボールが入り、色センサでボールの色が検出された場合等に、前記分離装置の回転速度を制御する。これにより、ボールの色検出を確実に行なうことができ、後述する色比較判断の確度を向上することができる。
【0095】
色比較判断部30Eは、ROM29Bに記憶されている色とメダル払出量の対応情報と、色検出識別部30Cにて認識されたボールの色とを比較し、メダル払出量に対応している色と前記検出された色が一致しているかどうかを判断する。
【0096】
ROM29Bには、例示的に、サテライト制御部による制御に必要な所定の制御プログラムが記憶されている。また、RAM29Cには、例示的に、サテライト制御部による所定の演算結果、色検出識別部30Cによる認識結果、色比較判断部30Eによる判断結果等が記憶される。
【0097】
センサ駆動部29Dは、例えば前記色検出センサを駆動し、色検出センサで検出された色情報をサテライト制御部に転送したり、メダル524の通過を検出するメダル通過センサを駆動し、当該メダル通過センサで検出した信号をサテライト制御部に転送したりする。
【0098】
分離モータ駆動部29Fは、分離装置に設けられているモータ530を駆動する。メダルホッパ駆動部29Eは、例えば、前記メダル払出機構428に備えられているメダルホッパを駆動し、メダルを払い出させる。
【0099】
サテライト制御部は、ボールの特定色の検出情報を読み取り、その情報を基にROM29B等のメモリに予め記憶されている色とその色に対応するメダル払出情報と比較して、その情報が特定色と一致した場合には、通常設定されているボールの色とメダルの払出情報よりも多くのメダルをメダル払出機構428からサテライトに払い出すこともできる。
【0100】
例えば、前記色検出装置がボールの色を検出し、サテライト制御部は、ボールの色識別を行ない、当該色識別の結果、特定色だった場合、所定のメダル枚数n枚を払い出すという一連の処理を行なう。色識別の結果が特定の色ではない場合には、特定色の場合よりも少ないメダル枚数m枚を払い出す。
【0101】
したがって、例えば“黄色”のボールに対しては25枚、“緑色”のボールに対しては100枚のように払出すことで、プッシャ406の往復動でメダルを遊戯フィールド内に落下させてより多くのメダルを獲得できるようにすることの他に、ボールの色と対応するメダル払出を行なうことによって、従来のメダルプッシャ遊技装置とは異なった遊戯性を醸し出すことができる。
【0102】
サテライト制御部は、ボールの色の検出順番の情報を読み取り、予め記憶されている色の順番に一致した場合には、メダル払出機構428から多くのメダル524を払出すことができる。
【0103】
例えば、連続して同じ色が検出された場合には、通常別個に払い出されるメダル数を倍にすることができる。例えば、“黄色”を検出した場合には25枚、それに連続して“黄色”を検出した場合には50枚と、さらに“黄色”を検出した場合には75枚とそれぞれボールの色が検出される度に累積的に所定枚数のメダルが払出される。
【0104】
なお、連続して同じ色が検出されていたにも関わらず、途中で他の色が検出された場合、例えば、黄色→黄色→緑色→黄色の順に色が検出された場合には、黄色2連続分の所定のメダル枚数(例:25枚+50枚=75枚)が払出された後に、緑色に対応する所定のメダル枚数(例:100枚)が払出されるが、その後に黄色が検出されても、上述のように“75枚”は払出されず、“25枚”のみ払出される。これにより、従来のメダルプッシャゲーム機と比べ、遊戯フィールド上に払い出されるメダル枚数がボールの色によって、増減するので、より一層遊戯性が増す。
【0105】
サテライト12が獲得したボールとの対応によって得たメダル524は、サテライト12のメダル払出機構428又は
図1中に例示するメダルカプセル430から遊戯フィールドに供給される。複数のメダルカプセル430は、サテライト12の数分だけ均等間隔に並んで配列されている。メダルカプセル430からメダル524を払い出した後、空のメダルカプセル430にはメダル払出機構428からメダル524を供給する。
【0106】
そのため、メダル払出機構428には、例示的に、遊戯フィールドにメダルを供給する第1の供給口と、メダルカプセル430にメダル524を供給する第2の供給口とが備えられる。第2の供給口は第1の供給口よりも筐体10内部にあり、第2の供給口とプッシャ406の上面との間でカプセル430が周回するようになっている。カプセル430からは、プッシャ406の上面に向けてメダルが放出される。
【0107】
図5に例示するように、循環コース14A、14B、14Cの途中には、ボール分岐メカ308が設けられる。例えば、サテライト12で既述のスロット抽選を行ない所定の役が揃った場合には、ジャックポットではない小ボーナスとして一つのボールをサテライトに供給する。
【0108】
すなわち、ボール分岐メカ308からボールがサテライト12のクルーン400に繋がるコース(ボール移動路)309に排出される。排出されたボールは、サテライト12のクルーン400に供給され、次いで、サテライト12の遊戯フィールドに供給される。遊戯フィールドに供給されたボールは、
図7に例示するボール分離装置によって捕捉されボール522の色識別手段486に送られる。
【0109】
図5において、ジャックポット分離メカ320(
図10に符号19で示すジャックポットクルーン)と一緒に回転する小経路状のチャンスメカ322(
図12、
図13に符号19Eで示す)がチャンスコース18の終端に設けられている。
【0110】
チャンスメカ322は、ボールが載ることができる弓状に構成されている。チャンスメカ322は、ドラム状の回転機構19Aにアーム(
図13参照)を介して一体に固定されている。メイン制御部は、ジャックポット成立時以外、回転機構19Aを回転させ、アームがこの回転機構19Aに合わせて回転機構19Aの周りを周回している。
【0111】
チャンスコース18の終端には、チャンスコース18から落下するボールを受け取る小クルーン77がジャックポットクルーン19の底面に固定されている。この小クルーン77の下端には、小クルーン77と向き合うように大径のボール受部78が存在する。このボール受部78は、ボールプール326(
図5参照)にボールを送出する下降路79(
図12及び
図13参照)に連通している。
【0112】
チャンスメカ322は、小クルーン77とボール受部78との間を移動しており、チャンスコース18を滑走して小クルーン77に落下したボールが小クルーン77からボール受部78に落下するまでの間にタイミングが良ければボールをこの間に捕獲することができる。
【0113】
チャンスメカ322がボールを捕獲すると、ジャックポットクルーン19の底面に形成されている突起79Aにボールが当接し、ボールはチャンスメカ322から落下して、循環コース14A、14B、14Cへの移動へと切り替えられる。突起79Aは、循環コース14A、14B、14Cのいずれかの領域の真上に存在する。これによりジャックポットコース16に入るべき玉の数を多くし、かつこれを複数のサテライト12の遊戯者に見せることができる。
【0114】
図5に即して説明を続けると、既述のように、チャンスメカ322(
図13の符号77)にボールがタイミングよく載ると、ボールはチャンスコース18から循環コース14Aに切り替えられる。タイミングが悪いとボールはボールプール326に回収される。
【0115】
メイン制御部の制御信号を受けて、ボールプール326のボールは、ベースリフト328によってボールプール326から持ち上げられ、色検出メカ330を介してボール供給メカ(ボール供給方向切り替え機構)332に至る。
【0116】
メイン制御部は、ボール供給メカ332を制御して、ボールをチャンスコース18に供給するか、あるいは循環コース14Aに供給するか、あるいは汚れボールを排出するためのコースに移すかを判定する。ボール供給メカ332がボールをチャンスコース18に移行させる場合には、センターリフタ20の区画18Dにボールを供給してボールをチャンスコース18の開始端まで上昇させる。
【0117】
チャンスコース18へのボールの供給は、次の条件にしたがって行なわれる。各サテライト12がメダル524を遊戯フィールドに投入した都度、メイン制御部は、各サテライト12からのメダル投入情報を受け取り、所定の演算を行なう。この演算では所定確率で特定フラグが立つようになっており、フラグが成立すると、メイン制御部は、ボール供給メカ332の方向をチャンスコース18に向けて、ボールをチャンスコース18に供給する。
【0118】
なお、ジャックポット発生後は循環コース14A、14B、14Cを周回するボールが無くなるため、メイン制御部は、ボール供給メカ332をコース14Aのガイド140Aに向けて、規定数分のボールを循環コース14A、14B、14Cに供給されるようにする。なお、
図5の破線は、
図13に示すように回転機構19A(ジャックポット分離メカ320)と小クルーン77(チャンスメカ322)とが一体になっていることを示している。
【0119】
ボールプール326からベースリフト328を通過する際に、ボールはベースリフト328の色検出メカ330によってその色が検出される。この結果、メイン制御部は、種々の遊戯を追加することができる。
【0120】
主遊戯が既述のジャックポットを競う遊戯であるとすると、ここでの遊戯はこの主遊戯に対してミニ遊戯に当たるもので、例えば、全てのサテライト12に対して、先着所定個分のボールを検出した際に、ボールの色に対する対応メダル数を数倍にするなどの遊戯である。
【0121】
循環コース14A、14B、14C等のコースは様々な形状のレールモジュールを繋ぎ合わせることによって形成されている。
【0122】
図5に示すように、サテライト12のそれぞれには、ボール分岐メカ308が設けられており、循環コース14A、14B、14Cをボールが循環すると、ボール分岐メカ308にボールが収容される。あるサテライト12においてメダルがチャックに入り、抽選が行なわれ特定役が成立すると、サテライト制御部は、ボール分岐メカ308のモータに制御信号を送信してボール分岐メカ308から特定役が成立したサテライト12にボールを放つ。
【0123】
クルーン400(
図6参照)は、サテライト12内の遊戯フィールドの近傍で、ボール分岐メカ308からサテライト12の遊戯フィールドにボールが移動する途上のボール移動路309(
図5参照)に設けられている。
【0124】
クルーン400は、遊戯フィールドにボール分岐メカ308から供給されたボールを一時保留する。サテライト制御部は、クルーン400でのボールの保留状況をチェックし、特定条件に合致する場合には、クルーン400のボール保留孔に嵌っているボールを遊戯フィールドにリリースする。他の特定条件に合致する場合には、サテライト制御部は、既述のジャックポットの発生と判断する。
【0125】
本実施形態では、サテライト制御部は、クルーン400の中央の孔に入ったボールをリリースし、外周の孔に入ったボールは中央の孔にボールが入るまで保持し、中央の孔にボールが入ると外周の孔のボールともどもリリースする。外周の孔の全てにボールが埋まった場合にはジャックポットが宣言される。
【0126】
図5に戻り説明を続けると、クルーン400からリリースされたボールは遊戯フィールドのプッシャ406の上面に向けて移動する。
図6に示すようにクルーン400は遊戯フィールドの平坦面412及びプッシャ406よりも上方に配置されているために、クルーン400からリリースされたボールは自重により遊戯フィールドに向かって移動する。次いで、ボールは、ボールとメダルとの分離処理(符号408参照)を経て、ボールの色を検出する処理(符号486参照)を経てボールプール326に回収される。
【0127】
既述のとおり、サテライト制御部がジャックポットの成立を宣言すると、メイン制御部はジャックポットが成立したサテライト12にジャックポットコース16のボールを全て供給する。このサテライト12に全てのボールを供給する間、メイン制御部は、他のサテライト12のサテライト制御部に遊戯中断制御信号を送りメダル遊戯を中断させる。この間、サテライト12の表示部416には演出画像を再生する。ジャックポットが成立したサテライト12へ全てのボールが供給し終わった後、メイン制御部は、循環コース14A、14B、14Cに規定量のボールを供給してジャックポットを狙ったメダル遊戯を再開する。
【0128】
一方、ジャックポットが成立したサテライト12の遊戯フィールドには多量のボールが存在するため、ボールの色を検出してメダルの払い出し処理を終了させる必要がある。この間、サテライト制御部は、メダル遊戯に伴うスロット抽選を中断するようにしてもよい。ジャックポットが成立した際の多量のボールは、サテライト12の遊戯フィールドの平坦面412またはプッシャ406の上面に向けて供給される。
【0129】
(メイン制御部の構成例)
次に、
図17を参照して、
図4に例示したメイン制御部(ゲーム制御装置)の構成例について説明する。
【0130】
メイン制御部は、例示的に、CPU(制御部)221と、記憶部222と、ブートROM223と、ペリフェラルインタフェース224と、バスアービタ225と、オーディオプロセッサ228と、オーディオメモリ229と、通信インタフェース(I/F)230とを備える。
【0131】
CPU221は、演算・制御能力を備えた制御手段の一例である。CPU221は、後述する記憶部222やオーディオプロセッサ228等の機能を備えることも可能である。CPU221は、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等で代用しても構わない。
【0132】
記憶部222には、例示的に、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段とが含まれる。
【0133】
記憶部222には、例えば、プログラムとデータとが記憶される。また、記憶部222には、遊戯装置1をコンピュータとして機能させるOS(Operating System、図示せず)が記憶されており、プログラム等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、遊戯装置1の各機能にアクセス可能である。
【0134】
プログラムは、遊戯装置1としての各種機能を実現するゲームプログラムであり、例示的に、後述するフローチャートを実行するプログラムが含まれる。プログラムは、サーバからダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりすることも可能である。
【0135】
データは、当該ゲームプログラム用の各種データであり、例えばスピーカ等の音声出力装置に出力する音楽データ等の、ゲーム実行に用いられるデータが含まれる。スピーカ等の音声出力装置は、オーディオプロセッサから出力された音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、音声出力する。なお、音声出力と並行に音声入力を可能にするマイク(音声入力装置)を遊戯装置1に備えてもよい。
【0136】
CPU221が、ゲームプログラムや各種データを記憶部222から読み込んで実行することにより遊戯装置1をコンピュータの一例として機能させて前記各種機能を実現することができる。
【0137】
ブートROM223は、ROMやNOR型フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性記憶媒体である。ブートROM223は、遊戯装置1の起動に用いられるプログラムやデータを記憶する。CPU221は、ブートROM223のプログラムやデータを読み出して、CPU221のマイクロコードの設定を行なったり、各部の初期化を行なったり、記憶部222からOS等を起動し、プログラムが実行されるような指示を行なったりする。ブートROM223には、通信I/F230のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、メダルの枚数等をカウントしたりするプログラムやデータを記憶しておくこともできる。
【0138】
ペリフェラルI/F224は、各種周辺機器(ペリフェラル)を接続する、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェースを提供する。ペリフェラルI/F224に接続可能な周辺機器の非限定的な一例は、メダル払出機構、メダルカプセル、ボール循環装置(搬送装置)、モータ(アクチュエータ)、プッシャ、クルーン、及び既述の各種センサ等が挙げられる。センサには、フォトリフレクタ等の光学的センサを用いることができる。
【0139】
各種センサによって検出された情報は、バスアービタ225を介してCPU221に与えられる。CPU221は、与えられた情報を基に、サテライト12のボール回収孔540を通じて落下したボールの有無、色、ボールがボールプール326からベースリフト328によって持ち上げられてセンターリフタ20へ搬送されるボールの色等、およびメダル投入の有無等を識別することができる。
【0140】
なお、ペリフェラルI/F224には、スティック型コントローラー、振動装置等のフォースフィードバック装置、タッチパッド、タッチパネル、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続することもできる。また、ペリフェラルI/F224は、電源スイッチ等を制御することもでき、各種周辺機器の電源をオン/オフ制御して消費電力を抑えたりすることもできる。
【0141】
バスアービタ225は、いわゆる「チップセット」等の、各部を接続するバスI/Fを提供する集積回路である。バスアービタ225で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。
【0142】
オーディオプロセッサ228は、例示的に、音楽や音声、効果音等を出力するPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ228は、物理演算音源、FM音源等の計算を行ない、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ228の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、スピーカ等の音声出力装置で音楽や音声や効果音として再生される。オーディオプロセッサ228は、マイクから入力された音声の音声認識等にも対応することができる。
【0143】
オーディオメモリ229は、音楽や音声、効果音等のデジタルデータを記憶する記憶媒体である。オーディオプロセッサ228とオーディオメモリ229とは、一体化してもよい。
【0144】
通信I/F230は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワークを介して各サテライト12との通信を可能にする。通信I/F230を介して、メイン制御部は、サテライト制御部と通信することができる。これにより、メイン制御部は、例えば、各サテライト12のゲーム状況(メダル投入数や、ジャックポット発生等の所定のゲーム条件が満たされたか否か等)を把握、管理したり、各サテライト12の表示部416の表示状態をゲーム状況に応じて制御したりすることができる。
【0145】
(シーソーメカの構成例)
シーソー部分を揺動させて、ボール(移動体)522を振り分けるための装置(本明細書では「シーソーメカ」といい、符号60で表す)は、ボール分岐メカ308で分岐したボール522を物理的に振り分け、第1の領域(例えば、メダルプッシャ遊戯の領域たる、遊戯フィールド(
図26において符号390で示す))と第2の領域(例えば、クルーン400)とのいずれか一方に、いわば物理的な抽選を行い振り分ける装置として機能する。該シーソーメカ60は、例えば、ボール移動路309の途中であって、クルーン400の前段となる位置に配置される(
図5等参照)。
【0146】
以下に、図を用いて、シーソーメカ60の具体的な構成例を示す(
図18〜
図25参照)。本実施形態のシーソーメカ60は、検出手段602、判断手段604、算出手段606、第1記憶手段608、第2記憶手段610、シーソー部(振り分け手段)612、駆動手段620、などからなり、ボール供給部630から供給されたボール522を、フィールド排出孔(第1排出部)632とクルーン排出孔(第2排出部)634のいずれかへ振り分ける。
【0147】
検出手段602は、ボール522を検出するためのセンサによって構成されている。該センサは、ボール522の通過を検出することができるものであればよく、例えば上述したような循環コース14A、14B、14Cの所定箇所に設けられていたのと同じセンサであってもよい。本実施形態では、例えば、ボール522がフィールド排出孔632を通過したことを検出可能な第1センサ602aと、ボール522がクルーン排出孔634を通過したことを検出可能な第2センサ602bとを用い、ボール522が、遊戯フィールド(第1の領域)とクルーン400(第2の領域)のいずれに供給されかを検出できるようにしている(
図19等参照)。
【0148】
なお、上述したごときセンサの配置(第1センサ602aと第2センサ602bの配置)は一例にすぎず、要は、ボール供給部630から当該シーソーメカ60に供給されたボール522が、遊戯フィールド(第1の領域)とクルーン400(第2の領域)のいずれに振り分けられたかを検出できればよい。この観点からすれば、例えば、ボール522がフィールド排出孔632を通過したことを検出可能な第1センサ602aと、ボール522がクルーン排出孔634を通過したことを検出可能な第2センサ602bとのいずれか一方と、ボール522がボール供給部630から当該シーソーメカ60に供給されたことを検出可能な別のセンサ(図示省略)との組み合わせを利用することもできる。この場合の別のセンサは、ボール分岐メカ308によって循環コース14Aから分岐されたボール522が、当該シーソーメカ60に供給されたことを検出するべく、ボール移動路309等に配置されていればよい。
【0149】
判断手段604は、上述した検出手段602による検出結果に基づいて、ボール522が遊戯フィールド(第1の領域)とクルーン400(第2の領域)のいずれに振り分けられたかを判断する。本実施形態の遊戯装置1においては、主制御部30のCPU221がこのような判断手段604としても機能するようになっている(
図18等参照)。
【0150】
算出手段606は、上述した判断手段604による判断結果に基づいて、ボール522の実際の振り分け割合を算出する。本実施形態の遊戯装置1においては、主制御部30のCPU221がこのような算出手段606としても機能するようになっている(
図18等参照)。
【0151】
第1記憶手段608は、上述した算出手段606により算出された実際の振り分け割合を記憶する。本実施形態の遊戯装置1においては、主制御部30の記憶部222がこのような第1記憶手段608としても機能するようになっている(
図18等参照)。
【0152】
第2記憶手段610は、予め設定されたボール522の振り分け割合を記憶する。本実施形態の遊戯装置1においては、主制御部30の記憶部222がこのような第2記憶手段610としても機能するようになっている(
図18等参照)。予め設定されるボール522の振り分け割合は、後述するように、例えば6:4(6対4)などの割合に適宜設定される。
【0153】
シーソー部(振り分け手段)612は、シーソーメカ60内において揺動する例えば板状の部材などで構成されており、ボール供給部630から供給されたボール522を、フィールド排出孔632とクルーン排出孔634のいずれかに振り分ける。本実施形態のシーソー部612は、揺動軸が、平面図においてボール供給部630の中心とほぼ一致するように配置されている。シーソー部612は、その揺動する動きやボール522を振り分ける動作がプレイヤから見やすい位置に、プレイヤから見て左右に揺動するように配置されていることが好ましい。また、シーソー部612は、フィールド排出孔632とクルーン排出孔634のほうへ傾斜した状態で、ボール522をフィールド排出孔632とクルーン排出孔634のいずれかに導くように構成されている(
図20、
図21等参照)。シーソー部612の表面がフィールド排出孔632およびクルーン排出孔634に向けて僅かに湾曲するように構成されていてもよい。
【0154】
駆動手段620は、シーソーメカ60のシーソー部612を駆動して揺動させる手段である。駆動手段620の具体例は特に限定されないが、本実施形態では、モータ622、プーリ624、ベルト626、ギア628などで構成される駆動手段620を用いている(
図25等参照)。
【0155】
モータ622は、シーソー部612を揺動させるための出力(駆動力)を生じるアクチュエータである。該モータ622の出力は、プーリ624、ベルト626を介して、シーソー部612の揺動軸614に接続されたギア628に伝達される(
図25等参照)。本実施形態では、ギア628とシーソー部612の揺動角が等しくなるようにしているが、これらの間に角度比を変化させるギア列を介在させてもよい。
【0156】
なお、本実施形態では、モータ622として、回転量、回転タイミング、回転方向、回転速度(速度が0つまり静止の場合を含む)を自在に変化させることができるステッピングモータを利用したシーソーメカ60を採用しているが(
図25等参照)、この他、別の機構(直線運動と回転運動とを変換するリンク機構や、回転比を変化させる遊星歯車機構など)や、他のアクチュエータ(シーソー部612の揺動可能範囲を変化させる可動式のストッパをストロークさせるソレノイドなど)を組み合わせた要素を含むシーソーメカ60を採用することができることはいうまでもない。
【0157】
また、本実施形態のシーソーメカ60においては、制御手段が、実際のボール522の振り分け割合と予め設定された振り分け割合の差異量を算出し、当該差異量が所定量以上であれば、実際のボール振り分け割合を予め設定された振り分け割合になるようにシーソー部612の動作を変更するように構成されている。制御手段は、駆動手段620のモータ622の出力を制御し、シーソーメカ60のシーソー部612に対し、後に具体例を示すように、予め設定された振り分け割合に対応する動作をさせる。なお、本実施形態の遊戯装置1においては、主制御部30のCPU221がこのような制御手段としても機能する。
【0158】
また、ボール供給部630から、揺動するシーソー部612上へ供給されたボール522を、当該シーソー部612上へより長く留まらせるための構成が付加されていることも好ましい。本実施形態の遊戯装置1においては、当該シーソー部612に、複数のピン616を配置するとともに、これら複数のピン616のそれぞれにはゴムリング618を取り付けている(
図18、
図22、
図23等参照)。
【0159】
ピン616は、シーソー部612の上面の適宜箇所に必要に応じて複数が設けられることによってボール522の移動可能な領域を規制する手段として機能する。本実施形態のピン616は、2個1組がシーソー部612の左右に対称的に配置されており、特にボール522が2個並んだピン616の両方に接触した状態で、該ボール522がフィールド排出孔632あるいはクルーン排出孔634のほうに移動しないようにして当該シーソー部612上に長く留まらせるように機能する(
図18等参照)。また、別のピン616が、ボール522の移動可能な領域を規制するとともに、フィールド排出孔632とクルーン排出孔634との分岐を形成するようにこれらの間に配置されている(
図19等参照)。
【0160】
各ピン616には、ボール522と接触する高さにゴムリング618が取り付けられている(
図18等参照)。該ゴムリング618は、弾性を利用してボール522を適度に弾くことにより、揺動するシーソー部612上におけるボール522に対して視覚的に興趣性の高い動きを与え、尚かつ、フィールド排出孔632あるいはクルーン排出孔634に即座には落下させないようにして当該シーソー部612上にさらに長く留まらせるように機能する。
【0161】
また、本実施形態では、シーソー部612の中央部に透明板612aを設け、該透明板612aの下側から上に向く照明手段612bを併設している(
図22、
図24等参照)。該照明手段612bは、シーソー部612上で移動するボール522に下から光を当て、フィールド排出孔632とクルーン排出孔634のいずれかに振り分けられるまでの緊張感を演出する。
【0162】
(シーソーメカ60の動作の具体例)
上述したシーソーメカ60の動作の具体例を、具体的数値の例示とともに以下に説明する(
図26等参照)。
【0163】
本実施形態では、ジャックポット等の特別モード以外のときにはシーソー部612を常に揺動させ、当該シーソーメカ60に供給されたボール522をフィールド排出孔632とクルーン排出孔634のいずれかに振り分ける(
図26参照)。例えば、このようなシーソーメカ60が無く、ボール分岐メカ308で分岐されたボール522を常にクルーン400へ供給する構成の遊戯装置1においては、制御内容にもよるが、遊戯フィールドのボール522が少ない状況となり、プレイヤに当該サテライト12で遊戯させる誘因力に乏しいという状況が起こり得た。これに対し、本実施形態のごとく、ジャックポットの抽選を行うクルーン400の前段に、遊戯フィールドに向かう通路642と振り分け抽選を行うシーソーメカ60を設置した遊戯装置1においては、遊戯フィールドにボール522を(直接的に)より多く供給することが可能となる(
図26等参照)。
【0164】
また、本実施形態では、上述した駆動手段620や制御手段を利用し、シーソーメカ60のシーソー部612に対し、ゲーム状況に応じ、予め設定された振り分け割合に対応する動作をさせるようにしている。具体例を挙げつつ説明すると、あるゲーム状況下(例えば、サテライト12の表示部416内に表示されるスロット抽選において奇数(7を除く)の図柄が揃った場合(
図35、
図36等参照)の後における「クルーンチャンス」(ジャックポットではない小ボーナス)中であって、ボール522が当該サテライト12に供給される場合)には、クルーン400および遊戯フィールドへのボール522の振り分け割合が6:4(6対4)になるように、シーソー部612の振り幅の制御を実施する。なお、このように予め設定された振り分け割合(デフォルト設定)は、上述した第2記憶手段610に記憶されている。
【0165】
シーソー部612の振り幅の制御は、例えば、より多く振り分けたい方(上述の場合、クルーン400側)への揺動角度を、遊戯フィールド側への揺動角度よりも大きくすることにより実施することができる。あるいは、シーソー部612の揺動速度を調節することにより、該シーソー部612がクルーン400側へ傾斜している時間が長くなるようにしてもよい。もちろん、揺動角度の制御と傾斜時間の制御とを組み合わせてもよい。
【0166】
さらに、本実施形態では、シーソーメカ60におけるボール522の実際の振り分け状況を検出し、検出結果を適宜フィードバックして制御するようにして、実際の振り分け割合を設定済みの振り分け割合に収束させるようにしている。具体的には、上述した検出手段602を利用してボール522を検出し、検出結果に基づき、ボール522がクルーン400と遊戯フィールドのどちらへ振り分けられたのかを判断した後、ボール522の実際の振り分け割合を算出する。算出した実際の振り分け割合を上述した第1記憶手段608に記憶した後、該実際の振り分け割合と設定された振り分け割合との差異量を算出する。この結果、当該差異量が所定量以上であれば、実際の振り分け割合を予め設定された振り分け割合(本実施形態の場合、6:4)となるようにシーソー部612の動作を変更する。このようにフィードバック制御を組み込んだシーソーメカ60によれば、仮に、装置の設置誤差や経年劣化などの影響で振り分け割合に変化が生じた場合にあっても、実際の振り分け割合を調整することが可能となる。
【0167】
また、上述のごときフィードバック・振り分け制御は、ボール522を1球検出するごとに実施してもよいし、ある所定数検出するごとに実施してもよい。例えば、検出開始当初はボール522の数が少なく、ボール522の1個による割合変化量が大きいことを考慮すれば、ある程度の数(一例として、50球)ごとに実際の振り分け割合と設定された振り分け割合との差異量を算出するようにしてもよい。
【0168】
一例として、ボール522を50球検出するごとに実際の振り分け割合と設定された振り分け割合との差異量を算出するようにした例を示す(
図27、
図28参照)。ここでは、シーソー部612の可動範囲を、クルーン400側、遊戯フィールド側ともにそれぞれ16段階に分け、16目盛り分の調整を可能としたうえで、実際に使用する範囲は目盛りの7〜16までとする。また、予め設定された振り分け割合(デフォルト設定)は6:4とし、通常の揺動時、シーソー部612がクルーン400側へは14目盛り分、遊戯フィールド側へは10目盛り分までの傾斜範囲を揺動する範囲とした。振り分け割合を調整する場合、クルーン400側の目盛り又は遊戯フィールド側の目盛りを1目盛り分上下させる。なお、1度の調整で振り分け割合を大きく調整したい場合、1目盛りよりも多い目盛り分上下させてもよい。また、シーソー部612の可動範囲は16段階に限られず、実際に使用する範囲の目盛りも調整可能な目盛りの範囲内であれば良い。さらに、予め設定された振り分け割合(デフォルト設定)は6:4以外の振り分け割合でも良い。
【0169】
検出手段602(第1センサ602a、第2センサ602b)によりボール522を検出したら(ステップSP201)、カウント数をアップする(ステップSP202)。カウント数が所定数(この場合、50球)となったら(ステップSP203にてYes)、実際の振り分け割合と設定された振り分け割合との差異量を算出し(ステップSP204)、当該差異量が所定量以上かどうか判断する(ステップSP205)。所定量は、例えば予め設定された振り分け割合(デフォルト設定)の3%であり、差異量が±3%の誤差範囲内に収まっていれば(ステップSP205にてYes)、カウント数を0にし(ステップSP206)、ステップSP201に戻る。その一方で、収まっていなければ(ステップSP205にてNo)、ステップSP207に移行する。
【0170】
ステップSP207では、クルーン400側への目盛り値および遊戯フィールド側への目盛り値のいずれかがマックス値(本実施形態の場合、「15」)に到達しているかどうか判断する(ステップSP207)。到達していなければ(ステップSP207にてNo)、既設定の内容による想定よりも低く推移している方の目盛りを1つ上げ(ステップSP208)、ステップSP201に戻る。一方、到達していれば(ステップSP207にてYes)、[A]に従い
図28のステップSP210に移行する。
【0171】
ステップSP207にて、クルーン400側への目盛り値および遊戯フィールド側への目盛り値のいずれかがマックス値に到達していれば(ステップSP207にてYes)、その後はステップSP207ではなく、ステップSP210のように、想定よりも高い方の目盛りを1つ下げ(
図28のステップSP210)、その後、上述した各処理と同様の処理を実施する(
図28に示すステップSP211〜ステップSP216)。
図28に示すルーチンに従った処理を進めていくうち、目盛り値のいずれかがミニマム値(本実施形態の場合、「8」)に到達したら(ステップSP217にてYes)、[B]に従い
図27のステップSP201に移行する。この場合は、その後、ステップSP210ではなく、ステップSP208のように、想定よりも低い方の目盛りを1つ上げることとする(
図27のステップSP208)。
【0172】
なお、上述のフローに従い処理を進める中で、クルーン400側への目盛り値および遊戯フィールド側への目盛り値のいずれかがマックス値に到達している場合(
図27のステップSP207にてYes)、いずれかがミニマム値に到達している場合(
図28のステップSP217にてYes)、クルーン400側への目盛り値および遊戯フィールド側への目盛り値のいずれも変化させることができなくなった場合には(
図27のステップSP209、
図28のステップSP218にてYes)、エラーが生じたとして一連の処理を終了させることができる。なお、本実施形態では、上記のデータは初期化せずに累積で蓄積させるようにしている。
【0173】
なお、上述した振り分け割合(デフォルト設定)6:4は、ゲーム状況に応じて設定される振り分け割合に一例にすぎない。この他、クルーン400および遊戯フィールドへのボール522の振り分け割合を、例えば、(a)サテライト12の表示部416内に表示されるスロット抽選において7図柄が揃ったら、10(クルーン):0(遊戯フィールド)としたり、(b)スロット抽選においてボール図柄が揃ったら、0(クルーン):10(遊戯フィールド)としたり、(c)クルーン400の外周の孔(ボール保留孔741)すべてにボール522が入りジャックポットゲームに突入したら、10(クルーン):0(遊戯フィールド)としたり、(d)ジャックポットゲーム中にマルチボールが複数ある場合には、10(クルーン):0(遊戯フィールド)としたりする等、ゲーム状況、演出などを考慮して設定を適宜変更することができる。
【0174】
(クルーン400の構成例)
遊戯装置1のクルーン400の構成例を以下に説明し(
図29〜
図31参照)、その後、ボール522及びクルーン400を用いた抽選遊戯(JPチャレンジ)に使用するボール522の数の決定方法について説明する。
【0175】
図29はクルーンの全体斜視図を示すものである。クルーンは筐体750の内側をディスク737がモータによって矢印753の方向に通常回転している。ディスク737は中心に向かって僅かに下方に傾斜している。ディスク737の外周にはディスク737と一体に回転する外側ディスク742が設けられている。外側ディスク742はディスク737よりも僅かに上方になるように段差を持って配置されており、かつディスク737の中心に向かって僅かに下方に傾斜している。
【0176】
ディスク737の中心にはボール522Bを収容可能なボール保留孔739が形成されている。さらにディスク737の外周にはボール522Cを収容可能なボール保留孔741が均等に合計で5箇所形成されている。
【0177】
図30(A)に示すように平面ディスクの下には、保留孔に入ったボールが保留孔を貫通してしまわないように干渉ディスク746が設けられている。
図30(B)は干渉ディスクの平面図である。干渉ディスクの753で示す開閉領域は、干渉ディスクが切り欠かれており、ここにシャッター手段を設けることによって、シャッター手段が753の領域を開閉することにより保留孔に入ったボールが排出用ダクト744に放出されるか否かを制御できるようになっている。排出用ダクト744は、クルーンからサテライトの遊戯フィールドのプッシャの上面にボールを放出するためのものであり、クルーンからやや下に向かって傾斜し、排出用ダクト744に放出されたボールが自重によってプッシャの上面に終端している誘導路を転がりプッシャの上面に落下する。排出用ダクト744はディスク737の径方向に中央のボール保留孔739まで到達している。
【0178】
サテライト制御部がシャッター手段の開閉領域の範囲でシャッターの位置を制御することによって、中央のボール保留孔739のみを開放、あるいは中央のボール保留孔及び外周側にあるボール保留孔741を開放することができる。
【0179】
シャッター手段の詳細が
図31に示されている。750Aはフラップと称するシャッター手段であって、モータ757によって回転軸752を中心にして矢印784及び786の方向、すなわち中央のボール保留孔と外周のボール保留孔の中心を通る円弧を回転移動する。符号754はモータの回転軸とフラップの回転軸を連結するクランクである。したがって、モータは同一方向に回転してもフラップを往復動することができる。
【0180】
フラップの符号751で形成された部分はディスクの外周部の保留孔を閉じるためのものであり、符号782はディスク中心部の保留孔を閉じるためのものである。符号781は保留孔を開放するための開口である。フラップが矢印786の方向に最大限回転すると中央の保留孔にシャッター領域782が掛からなく、かつ開口781が外周の保留孔に整合するので、両方の保留孔とも開放できる。これがフラップの全開状態である。
【0181】
一方、フラップが矢印784の方向に最大限回転すると、中央の孔がシャッター領域782で閉鎖され、外周の孔がシャッター領域751で閉鎖される。これがフラップの全閉状態である。さらにフラップが中間の回転角の状態では、中央の孔が開放され、外周の孔が閉鎖される。これがフラップの半開状態である。
【0182】
本実施形態では、サテライト制御部は、中央の孔に入ったボールをリリースする、外周の孔に入ったボールは中央の孔にボールが入るまで保持し、中央の孔にボールが入ると外周の孔のボールともどもリリースされる、外周の孔の全てにボールが埋まった場合にはジャックポットが宣言される。したがって、サテライト制御部は中央の孔にボールが入るまではフラップを全閉の位置に設定し、中央の孔にボールが入った場合にはフラップを全開の位置に設定する。なお、中央の孔にあるボールのみリリースしようとする場合には、サテライト制御部はフラップの位置を半開にするか、外側のボール保留孔にあるボールがフラップに重ならない位置でディスクの回転を停止し、次いでフラップを全開の位置にすれば良い。
【0183】
既述の
図29は
図30の干渉ディスク746の図示を省略したクルーン内部構造を示す斜視図である。モータ757、回転軸752は基板780の背面に固定されている。基板上にはディスク737の径方向に沿って、3つの光センサ748と、中心部の一つの光センサ749の合計4つの光センサが設けられている。それぞれの光センサはそれぞれ発光素子と受光素子から構成されており、これら素子間を孔に収容されたボールが遮ることによって、センサからの検出信号を受けたサテライト制御部は孔にボールが収容されていることを検出することができる。
【0184】
三つの光センサ748はディスク737の外周に形成された5つのボール保留孔に対向して円周上に配列されている。光センサ749は中央のボール保留孔に対向した位置に置かれている。サテライト制御部はディスク737の回転位置を認識しているために、ディスクを一回転する間に光センサ748が何回遮られたかを判断することによって外周の5つのボール保留孔の何個にボールが収容されているかを求めることが可能である。但し、本実施形態では3つの光センサ748が円周上に均等に配列されているために、ディスクを120度回転させるだけでよい。
【0185】
図29の説明を補足すると、符号522Cはクルーンに供給され外側ディスク742を転がっているボールである。クルーンへのボールの供給はディスクの回転方向とは反対の矢印759から行なわれる。ボールの供給方向は回転ディスクの接線方向であり、かつ外側ディスクに対してである。ボールがクルーンに供給されると当初ボールは外側ディスク上を転がるが次第に回転速度が低下してディスクの中心方向に向けて下降する。この時、ボールが中心方向に移動を開始するタイミングとディスクの回転のタイミングによってボールは外周の孔か中央の孔に嵌入される。
【0186】
外側ディスク742はディスク737に対して段差742Aを持っているためにボールが段差を落下してディスク中央方向に移動する際にボールに勢いをつけて、ボールの動きに変化を与えることができる。例えば、ボールに小段差を落下する程度の勢いを付加することによってボールが外側に孔に直ぐ入ってしまう程度をやや困難にし、ボールが一旦外側の穴を越え中央の孔に向かい易くすることもできる。
【0187】
(JPチャレンジに使用するボールの数の決定方法)
ボール522とクルーン400を利用した抽選(クルーンチャレンジ)を行う際、中央部の1つの孔(ボール保留孔739)は外れ孔として機能させ、周辺部の5つの孔(ボール保留孔741)がすべてボール522によって埋められた状態になることを条件に、ジャックポット挑戦(JPチャレンジ)を発生させる。当該JPチャレンジでは、中央部の1つの孔(ボール保留孔739)が今度は当たり孔となり、周辺部の5つの孔(ボール保留孔741)を含めた6つの孔のうち、ボール522が中央部の孔(ボール保留孔739)に入ればジャックポット確定となる。
【0188】
ところで、このような遊戯装置1でのクルーンチャレンジにおいて、例えば、5つの保留孔(ボール保留孔741)のうち4つの保留孔にボール522が保留された状態にまで達しながら、クルーンチャレンジの残り1つの保留孔(残りのボール保留孔741)にボール522が入らなかった場合のプレイヤの残念感は相当程度に達する。本実施形態では、このような残念感を軽減させるべく、外れ孔に入ったボール522の回数をカウントし、その回数が多い状態ほど、JPチャレンジに使用するボール522の数を多くさせていくという演出とそのための処理を実施する。このような遊戯装置1においては、残念感を軽減させるのみならず、クルーンチャレンジにおける失敗が逆にJPチャレンジの獲得確率の上昇につながることで引き続き行われるクルーンチャレンジやJPチャレンジへの期待感を抱かせるという利点がある。
【0189】
すなわち、本実施形態の遊戯装置1は、抽選媒体を利用した第1の抽選遊戯を実施する第1の抽選手段と、該第1の抽選遊戯において抽選に外れた回数をカウントするカウント手段と、第1の抽選遊戯において当選した場合に抽選媒体と同一または異なる抽選媒体を利用した第2の抽選遊戯を実施する第2の抽選手段と、第1の抽選手段および第2の抽選手段の一方または両方に移動体を供給する移動体供給手段と、を備えており、抽選手段への移動体の供給が多いほど抽選の当選確率を上げ、カウントした回数に応じて、移動体供給手段から供給される移動体の数を増加させるようにしている。第1の抽選手段と第2の抽選手段は別々であってもよいし、本実施形態においてクルーン400を利用するがごとく同一でもよい。また、抽選媒体は、画面(表示部416)に表示されるスロット抽選のようにソフトウェアで処理されるものであってもよいし、本実施形態におけるようなボール522を利用した物理的な媒体であってもよい。
【0190】
以下、メダル投入した場合のスロット抽選および該抽選結果に伴う一連の処理等(JPチャレンジに使用するボール522の数の決定方法を含む)を、処理例を示すフローチャートおよび表示部416での表示例を示す図とともに説明する(
図32〜
図36参照)。
【0191】
投入したメダルがチャッカーインしたら(チャッカーに入ったら)、スロット抽選を行い(ステップSP1、ステップSP2)、表示部416上に表示する(
図32参照)。スロット抽選の結果は、DJPチャレンジ当たり(777)(ステップSP3)、シーソー&クルーンチャレンジ(111/333/555)(ステップSP4)、ダブルアップチャレンジ(ステップSP5)、ファクトリーモード(FFF)(ステップSP6)、“G”当たり(ステップSP7)、ハズレ(ステップSP8)のいずれかである(
図32参照)。
【0192】
<DJPチャレンジ当たり(777)の場合(ステップSP3)>
DJPチャレンジ当たり(777)の場合(ステップSP3)、JPチャレンジに突入する(ステップSP31)。当該JPチャレンジでは、クルーン400の中央部の1つの孔(ボール保留孔739)が当たり孔となり、周辺部の5つの孔(ボール保留孔741)を含めた6つの孔のうち、中央部の孔(ボール保留孔739)にボール522が入れば(ステップSP32にてYES)、ジャックポット獲得となる(ステップSP33)。一方、ボール522が中央部の孔(ボール保留孔739)に入らなければ(ステップSP32にてNO)、後述するJPエクストラボールが残っているかどうか判断し(ステップSP34)、残っていれば当該JPエクストラボールを使って再度JPチャレンジを行う(ステップSP31)。一方、JPエクストラボールが残っていなければ(ステップSP34にてNO)、例えば所定枚数のメダルを与えるクルーンボーナスを付与し(ステップSP35)、終了する。
【0193】
<シーソー&クルーンチャレンジ(111/333/555)の場合(ステップSP4)>
シーソー&クルーンチャレンジ(111/333/555)の場合(ステップSP4)、上述したシーソーメカ60を利用したボール522の振り分け抽選(シーソー抽選)を行い(ステップSP41)、ボール522がクルーン400へ振り分けられた場合はクルーンチャレンジを実施し(ステップSP43)、逆に、ボール522が遊戯フィールドに振り分けられた場合は、ステップSP50に移行する(
図32参照)。
【0194】
上述したように、クルーンチャレンジ(ステップSP43)では、中央部の1つの孔(ボール保留孔739)を外れ孔として機能させ、周辺部の5つの孔(ボール保留孔741)がすべてボール522によって埋められた状態になることを条件に、ジャックポット挑戦(JPチャレンジ)を発生させる。該クルーンチャレンジが途中で失敗したら(ステップSP44にてNO)、「JPエクストラボールステップ」を1つ加算する(ステップSP47)。
【0195】
「JPエクストラボールステップ」は、例えば表示部416において「EXTRA BALL STEP」欄の横のシグナル点灯数によって示されている(
図35、
図36参照)。このJPエクストラボールステップが所定数(例えば7個)貯まったら(ステップSP48にてYES)、JPエクストラボールが1つ追加される(ステップSP49)。JPエクストラボールの貯留数の最大値は5である。JPエクストラボールの個数は、表示部416において、「EXTRA BALL STEP」欄の横のシグナルの端部に数字として表示されている(
図35、
図36参照)。
【0196】
一方、上述のクルーンチャレンジが成功したら(ステップSP44にてYES)、「クルーンステップ」を1つ加算し(ステップSP45)、「クルーンステップ」が最大値かどうか、つまり周辺部の5つの孔(ボール保留孔741)がすべてボール522によって埋められた状態になったかどうかを確認する(ステップSP46)。
【0197】
上述の「クルーンステップ」が最大値であれば(ステップSP46にてYES)、JPチャレンジに移行する(ステップSP31)。この場合、JPエクストラボールの貯留数が最大値の5であるとき、クルーン400の6個のボール保留孔739,741に対し、JPチャレンジ用の既定のボール1個にJPエクストラボール5個を加えた最大6個のボール522にてJPチャレンジに挑むことができることから、途中で必ずいずれかのボール522が中央部の1つの孔(ボール保留孔739)に入る。したがって、この場合には、必ずジャックポット獲得に至る(ステップSP31〜ステップSP34)。一方、「クルーンステップ」が最大値でなければ(ステップSP46にてNO)、所定枚数のメダルを与えるクルーンボーナスを付与する(ステップSP35)。
【0198】
また、上述のシーソーメカ60を利用したボール522の振り分け抽選(シーソー抽選)の結果、ボール522が遊戯フィールドへ振り分けられた場合は(ステップSP50)、フィールドから当該ボールが落下することにより(ステップSP51)、当該ボール522自体がボーナス(ボールボーナス)として付与される(ステップSP52)。
【0199】
<ダブルアップチャレンジの場合(ステップSP5)>
ダブルアップチャレンジの場合(ステップSP5)、プレイヤに対し、ダブルアップに挑戦するかどうかを問う(ステップSP54)。プレイヤが挑戦することを選択し、チャレンジの結果、勝ちか引き分けであれば、スコア(例えば、メダル払い出し枚数を表す数値)を2倍にしたうえで、再度、ダブルアップに挑戦するかどうかを問う。負けであれば、ダブルアップ失敗となる(ステップSP56)。また、ステップSP54にて、プレイヤが挑戦しないことを選択した場合には、WIN確定(勝ち)となり、例えば当該スコアに相当する枚数のメダルが払い出される(ステップSP57)。
【0200】
<ファクトリーモード(FFF)の場合(ステップSP6)>
ファクトリーモードとよぶ遊戯モード(本明細書では詳細な説明を省く)へ突入する(ステップSP61)。
【0201】
<“G”当たりの場合(ステップSP7)>
“G”当たりの場合(ステップSP7)、「ボーナスステップ」(ステップSP71)、「ボーナスステップ(赤)」(ステップSP72)、「オッズカード」(ステップSP73)、「ダイレクトボール」(ステップSP74)のいずれかとなる(
図34参照)。「ボーナスステップ」(ステップSP71)あるいは「ボーナスステップ(赤)」(ステップSP72)の場合は、ボーナスステップが最大値であるか判断し(ステップSP75)、最大値であれば、スペシャルボーナス抽選当たりかどうか判定する(ステップSP76)。当たりであればスペシャルボーナスゲームを行い(ステップSP77)、当たりでなければボーナスゲームを行う(ステップSP78)。
【0202】
<ハズレの場合(ステップSP8)>
メダル投入した場合のスロット抽選および該抽選結果に伴う一連の処理を終了する(
図32参照)。
【0203】
なお、本明細書では詳細な説明を省くが、投入したメダルがチャッカーインした場合(ステップSP1)、(1)「スクランブルチャンス」に移行し(ステップSP90)、あるいは(2)「プラネットスクランブルチャンス」に移行したうえで(ステップSP91)確率1/5の抽選(ステップSP92)を行ってもよい(
図32参照)。
【0204】
(メダルカプセル430の構成例)
遊戯装置1のメダルカプセル430等の構成例を以下に説明し(
図37〜
図39参照)、その後、メダル入りの当該メダルカプセル430へボール522を供給する態様について説明する。
【0205】
サテライトが獲得したボールとの対応によって得たメダルは、サテライトのホッパ408又は
図1のメダルカプセル430からフィールド内に供給される。獲得メダル数が多い場合は、サテライトはカプセル430からメダルの供給を受ける。複数のカプセルがサテライトの遊戯フィールド近傍を環状に整列している。一つのカプセルには例えば100枚のメダルが収容されている。獲得メダル数が100枚を越える場合、100単位でメダルをカプセルからサテライトに供給する。端数はホッパ408から供給される。
【0206】
図37はメダルカプセルの詳細を示す斜視図である。複数のメダルカプセル500が円形ディスク502にサテライトの数分均等間隔に並んで配列されている。メイン制御部はディスクを一つのサテライト角度分回転した後一時停止させて、さらに回転することを繰り返す。カプセルからメダルを払い出した後、空のカプセルにはホッパ408からメダルを供給する。ホッパ408にはフィールド内にメダルを供給する第1の供給口と、カプセル内にメダルを供給する第2の供給口がある。第2の供給口は第1の供給口よりも筐体内部にあり、第2の供給口とプッシャ406の上面との間でカプセルが周回するようになっている。カプセルからはプッシャの上面に向けてメダルが放出される。
【0207】
メダルカプセルは円形ディスクに固定されたボス504によってサテライト側に傾斜している。メダルカプセルは上下に二つの半球体に二分割されており、両者によって構成される内部空間内に規定枚数分のメダルが収容されている。
【0208】
上側の半球体の筐体中心側には、球体をボス504の回転軸506に対して上方に回転させるためのフランジが固定されており、このフランジが下側半球体に向けて押されると、
図38に示すように、上側球体が回転軸506により上方に回転して、上下の球体間の開口が露出して下側球体から複数のメダルがサテライトのフィールドに落下する。下側球体の露出面509はサテライトに向かって下がる形状の平面に形成されているため、メダルがこの平面を滑り落下する。
【0209】
円形ディスク502の筐体中心側には、メダルカプセルを開放するための開放機構508が配置されている。この機構は各サテライトの正面に配置されている。この開放機構508は
図39に示すように、柱状の本体510の脚部512にねじ固定用の孔513があり、脚部が筐体のベースプレートに固定される。本体510の上端には、モータ514によって回転するクランク516がある。このクランクのモータ回転軸515とは他端側にローラ518が固定されている。
【0210】
モータ514を回転してクランク516をローラ518が最下端になる位置にした状態で円形ディスク502の回転にしたがってメダル払い出しカプセル500のプレートがローラに接触する過程で、上側球体が
図38のように上方に持ち上がりメダルカプセルが開放する。
【0211】
メイン制御部は各カプセルの位置と、カプセルにメダルがあるか否かの情報をRAMに順次更新記憶しており、メイン制御部はこの記憶情報を参照してメダルを収容しているカプセルが必要な数分前記ローラと接触するまで、前記ローラが下端にある状態を維持している。必要な数分のカプセルからサテライトにメダルを供給した後はローラを上方に移動させる。
【0212】
メダルカプセルのフランジを十分に押し込んで上側球体と下側球体との間が確実に開放されるように、フランジとローラが接触している間トルクがローラに十分加わるようにメイン制御部はモータを制御する。ワンウェイクラッチ520がモータ回転軸515を押さえることにより、モータ回転軸515に加わる逆入力からモータが破損しないようにしている。
【0213】
メイン制御部は、サテライトにメダルを供給した空のカプセルの開口517に、当該サテライトのホッパからメダルが供給されるように当該ホッパを制御する。メイン制御部は空のホッパに規定枚数のメダルが補給されるまで円形ディスク502の回転を停止する。メダルを供給したサテライトのホッパがメダルを遊戯フィールドに供給中であるなど、メダルを補給できない場合には、隣のサテライトのホッパからメダルが空のカプセルに補給される。
【0214】
(メダル入りカプセルへのボール供給)
上述のごとき構成のメダルカプセル430を含む遊戯装置1においては、遊戯フィールド上方に設けられる複数のメダルカプセル(一例として、各サテライト12に4つずつで、サテライト12が10あるので、合計で40個のメダルカプセル)430にメダル524のみが収容される構成となっている(
図51参照)。ここで、本実施形態では、所定の条件が満たされると、40個に小分けされたメダルカプセル430の中のどのメダルカプセル430に異形物であるボール522を供給するのかの抽選を行い、当選したメダルカプセル430にボール522を供給する。この場合、各メダルカプセル430にボール522が何個入っているかを記憶しておき、1つのメダルカプセル430あたり、最大2個までのボール522が収容されることを許容する(
図52参照)。
【0215】
このような遊戯装置1においては、メダルカプセル430によってただメダル524が払い出されるのみならず、落下させると特典が得られる異形物(本実施形態の場合、ボール522)までもが同時に遊戯フィールドに供給されることから、興趣性をさらに高めることができる。しかも、メダルカプセル430の容器を、中身を視認できる透明なものとし、どのメダルカプセル430から(メダル524のみならず)ボール522が払い出しされるかをプレイヤに対してランダムに見せることで、当該プレイヤにとってみれば払い出し直前まで興味が惹かれるようにすることができる。
【0216】
すなわち、本実施形態の遊戯装置1は、メダル524を収容可能であって、複数のサテライト12間を移動する複数のメダルカプセル430と、該複数のメダルカプセル430に遊戯価値媒体としてのメダル524を供給するメダル供給装置(遊戯価値媒体供給装置)と、該複数のメダルカプセル430にボール522を供給するボール供給装置900と、複数のメダルカプセル430のいずれにボール522を供給するのかを決定する決定手段と、を備える。
【0217】
以下、ボール供給装置900等の構成例を示し、さらに、複数のメダルカプセル430のいずれにボール522を供給するのかを決定する処理例を示す(
図40〜
図52参照)。
【0218】
ボール供給装置900の基本的な構成は、他の装置と同様で構わない。すなわち、例えば循環コース14(14A ,14Bあるいは14C)を通過(場合により、さらにスパイラル302、ディスク304、ループ306などを通過)したボール522を、ボール分岐メカ308と同様の構成のボール分岐メカ902により分岐させ、該ボール522をボール供給装置900によって各メダルカプセル430に供給する(
図40、
図41参照)。ボール供給装置900は、ボール522を一列にして収容しておくことができるボール供給路904を備えている(
図42〜
図45参照)。さらに、ボール供給装置900は、ボール522の大きさに合った切り欠き908を有するボール供給カム906、該ボール供給カムを駆動するモータ、プーリ、ベルトなどからなる駆動手段910等を備えており、当該ボール供給カム906を回転させることによってボール522を1個ずつメダルカプセル430に供給できる構成となっている(
図45等参照)。
【0219】
ここで、遊戯装置1においては、サテライト12からメダルカプセル430によるメダル524の払い出し要求が送信されたら、他のサテライト12にてメダル524の払い出しがない場合、(プレイヤの)目前のメダルカプセル430によって払い出すようにしてもよいが、本実施形態では、メダルカプセル430にボール522が入ることによって、プレイヤによってボール522が入っているメダルカプセル430を狙い撃ちされることが起こり得るので、狙い撃ちができないように、ランダムで、サテライト12から遊戯装置1に対するメダル払い出し要求の際、0〜10secのラグを用意する。要は、詳しくは図示していないが、操作入力するとメダルカプセル430の上下の球体間を開口させるための入力装置(ボタン等)が各サテライト12に配置されている場合に、プレイヤがあるタイミングで操作入力したとしても、該メダルカプセル430が開口動作するまでに0〜10secの任意のタイムラグを設定しておく。こうした場合、ボール522が入っているメダルカプセル430のみを狙おうとして操作しても、必ずしも所望の結果にならないこととなり、遊戯装置1の全体としての興趣性をさらに向上させることが可能となる。
【0220】
また、メダルカプセル430にボール522を供給するための処理例について説明すれば以下のとおりである(
図46〜
図52等参照)。
【0221】
遊戯装置1において、ジャックポット(通常ジャックポットでもよいし、あるいは特別ジャックポットを設定してもよい)の成立時の獲得可能メダル数を、各サテライト12のメダル投入装置から遊戯フィールド(プッシャーフィールド)へ投入されたメダル数の一部を累積したメダル数を「プログレッシブ値」として設定する。
【0222】
ここで、(1)カプセルボールのプログレッシブが貯まっているかどうか、(2)メダル払い出し予約がないかどうか(メダル払い出し予約が1つでもある場合は、メダルカプセル430にボール522を入れない)、(3)メダルの積み込み予約がないかどうか(メダルの積み込み予約が1つでもある場合は、メダルカプセル430にボール522を入れない)等に基づき判断し、これら条件を満たす場合に、メダルカプセル430を駆動する装置を一時的に止め、所定のメダルカプセル430にボール522を供給する(
図41等参照)。
【0223】
この場合、全部のメダルカプセル430の状況を判断して、隣接するメダルカプセル430に連続でボール522が入っていないかどうか確認する(
図52参照)。また、ボール522が連続で入っていないメダルカプセル430の連続する個数の最大値を検索する。この場合、検索したメダルカプセル430群の中心(偶数の場合は中心よりも手前側に位置するメダルカプセル430)にボール522を供給する(
図52参照)。また、全てのメダルカプセル430にボール522が入っている場合は、一番先頭(例えば、もっとも早くボール供給装置900の真下にくるメダルカプセル430)に2個目のボール522を供給する。また、全てのメダルカプセル430にボール522が2個ずつ入っている場合は、プログレッシブ値を貯め続ける。
【0224】
本実施形態の遊戯装置1においては、1個のメダルカプセル430に最大でボールが2個まで入るように設定している(
図46〜
図50等参照)。この場合、CPU221や記憶部222を利用し、どこのメダルカプセル430に何個のボール522が入っているかをメモリしておくようにする。
【0225】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では、当該遊戯装置1の筐体10内を移動するボール(移動体)522を第1領域と第2領域のいずれかに振り分ける振分手段としてシーソーメカ60のシーソー部612を例示したがこれは好適例にすぎない。要は、単なる揺動以外の動き(例えば、一対の板状部材が蝶の羽ばたきのように対称的に揺動する動き、可撓性のシートをランダムに波打つように揺らす動き、表面に凹凸のある部材を回転させる動き、等)であっても、当該動きを利用してボール522を振り分けることができれば同様の装置を構成することが可能である。
【0226】
また、上述した実施形態の遊戯装置1は、ボール(移動体)522を2つの領域(第1領域と第2領域)のいずれかに振り分けるものであったが、要は、少なくとも2つの領域に振り分けるものであればよく、3つ以上の領域に振り分けるものも含まれる。例えば、中央部に凹の曲面からなる窪みを形成しておいた板状のシーソー部(振り分け手段)612を利用し、該シーソー部612の傾きが所定角度以内であればボール522が窪みから出ないでそのまま中央に振り分けられ、所定角度を超えるとボール522が窪みから飛び出し、左右いずれかに振り分けられるような構成などとすることもできる。
【0227】
また、上述した実施形態におけるようなシーソー部(振り分け手段)612等は、メダルゲームのみならず、パチンコ等の遊戯装置においても適用可能なものである。