【実施例】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明のゲーム装置、ゲーム制御サーバ、ゲーム制御プログラムの実施例について説明する。
【0015】
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施例に係るゲーム装置1のハードウェア構成例である。図示するように、ゲーム装置1は、メイン装置100と、複数のサテライト装置200#0〜200#nと、を備える。
【0016】
メイン装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ120及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置140を含むメインゲームボード110と、大型ディスプレイ160と、スピーカ165と、ネットワークハブ170とを備える。
【0017】
一方、各サテライト装置200は(以下、どのサテライト装置であるかを区別しないときは、サテライト装置の識別符号である「#」以下を省略して説明する)、ゲームボード210と、モニタ230と、入力操作部240と、カードリーダ250と、メダル機構260と、スピーカ270とを備える。ゲームボード210は、メインゲームボード110と同様、プロセッサや記憶装置を含む。入力操作部240は、機械式のスイッチであってもよいし、モニタ230上に設定されるソフトウェアスイッチであってもよい。以下、「画面上のスイッチをタッチ」と表現したときは、モニタ230上に設定されるソフトウェアスイッチであることを意味する。
【0018】
サテライト装置200には、各プレイヤーが予め購入したICカード300をセット可能となっている。ICカード300がサテライト装置200にセットされると、カードリーダ250がICカード300に格納されたカードID(ログインIDと一致する必要はなく、製造番号その他の単なる識別符号でよい)を読み取り、カードIDに対応付けられたプレイヤーIDによるゲームへのログインを受け付ける。
【0019】
ゲーム装置1は、例えば、メイン装置100と複数のサテライト装置200#0〜200#nが、同一の遊戯施設(ゲームセンター、遊園地等)内に設置されるアーケードゲームである。
【0020】
[ゲーム概要]
このように構成される本実施例のゲーム装置1は、共通する競馬開催スケジュールに従ってレースを開催し、各プレイヤーが育成する競走馬のうち各レースが規定する出走条件を満たすものをプレイヤーの指示に従ってレースに出走させたり、各レースについてプレイヤーにゲーム内通貨で勝馬投票券を購入させたりするゲーム(以下、競馬ゲームと称する)を進行させる。競馬ゲームのゲーム進行のうち、主要なイベント(例えばレース画像)については大型ディスプレイ160に表示され、各プレイヤー独自の事情を示すイベント(例えば各競走馬の状態、勝馬投票券の購入画面等)については、サテライト装置200のモニタ230に表示される。競馬ゲームにおいては、競走馬に調教を行ったり飼葉を与えたりすることで、競走馬の能力値を高めることができる。調教や飼葉にはゲーム内通貨である(ゲーム内通貨に変換される)メダルを使用することが必要となり、高い効果を期待できる調教や飼葉には必要となるゲーム内通貨の量が多くなる。また、競走馬の能力値を高めていくには、調教や飼葉を、時間をかけて行っていく必要がある。
【0021】
図2は、競馬ゲームの時間割当の一例である。1ゲームは1レースに相当し、ゲーム内では1週間に対応する。1ゲームは、実時間では3分程度となる。1ゲームはゲームスタートにより開始し、ゲームエンドにより終了し、ゲーム装置1の動作中はこれが繰り返される。また、ゲームスタートによりロード時間が開始し、ロード時間の終了によりベットスタートとなり、ベット時間の終了によりベットエンドとなってレーススタートとなる。ベット時間中に、各プレイヤーはレース結果に対してゲーム内通貨を賭ける(投票する)ことができる。レーススタートからレース時間の終了によりレースエンドとなり、結果配当時間となり、結果配当時間の終了によりゲームエンドとなる。結果配当時間に、レース結果の表示と投票への配当の払い出しが行われる。
【0022】
オーナーゲームにおいて、出走させた競走馬又は自厩舎の騎手が勝利又は入着すると、厩舎の取り分、騎手の取り分がゲーム内通貨として払い出される。このゲーム内通貨は、競走馬の育成や購入等に必要なものとして消費される。
【0023】
[機能構成]
(メイン装置)
図3は、ゲーム装置1の機能構成例である。図示するように、メイン装置100は、プロセッサ120が記憶装置140等に格納されたプログラムを実行することにより機能する機能ブロックとして、サテライト装置200を管理するサテライト管理部122と、レース結果に対する投票によるベットゲームを管理するベットゲーム管理部123と、競走馬や騎手を所有するオーナーゲームを管理するオーナーゲーム管理部126と、大型ディスプレイ160への映像出力を制御する映像出力部132と、スピーカ165への音声出力を制御する音声出力部133と、これらを制御するメイン・ゲーム制御部121と、ネットワークインターフェースとして機能する通信処理部134とを備える。
【0024】
ベットゲーム管理部123は、単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複等のベットゲームを管理する非重勝式ベット管理部124と、WIN5のベットゲームを管理する重勝式ベット管理部125とを備えている。
【0025】
オーナーゲーム管理部126は、競走馬の調教、飼葉、レースへの出走登録、レースの実施等を行う競走馬モード管理部127と、騎手の募集、調整等を行う騎手モード管理部128と、厩舎情報やランキング等の確認を行う厩舎モード管理部129と、競走馬の生産や入厩等を行う牧場モード管理部130と、トレセン(トレーニングセンタ)における自動育成の状況の確認や自動育成の中断等を行うトレセンモード管理部131とを管理する。
【0026】
通信処理部134は、各サテライト装置200の通信処理部228と通信を行う他、メイン装置100とサテライト装置200が設置された遊戯施設外に設置された設備であるデータセンター400と通信を行う。データセンターは、通信処理部410、データベース管理装置420、ICカードデータベース430を備え、各遊戯施設において登録されたカードID等が、ICカードデータベース430に集積される。
【0027】
(サテライト装置)
サテライト装置200は、ゲームボード210のプロセッサが記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより機能する機能ブロックとして、カードリーダ/ライタ250へのICカード300の挿入検出およびデータの読み込み/書き込みの制御を行うカードデータ入力制御部212と、入力操作部240へのプレイヤーの入力指示を受け付ける入力指示受付部213と、モニタ230への映像出力を制御する映像出力部214と、スピーカ270への音声出力を制御する音声出力部215と、メダル機構260へのメダルの投入を検出する投入メダル検出部216と、メダル機構260からのメダルの払い出しを制御するメダル払い出し制御部217と、ICカード300がカードリーダ/ライタ250に挿入されたときにログイン処理を行うログイン処理部218と、レース結果に対する投票によるベットゲームを管理するベットゲーム管理部219と、競走馬や騎手を所有するオーナーゲームを管理するオーナーゲーム管理部222と、これらを制御するサテライト・ゲーム制御部211と、ネットワークインターフェースとして機能する通信処理部228とを備える。
【0028】
ベットゲーム管理部219は、単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複等のベットゲームを管理する非重勝式ベット管理部220と、WIN5のベットゲームを管理する重勝式ベット管理部221とを備えている。
【0029】
オーナーゲーム管理部222は、競走馬の調教、飼葉、レースへの出走登録等を行う競走馬モード管理部223と、騎手の募集、調整等を行う騎手モード管理部224と、厩舎情報やランキング等の確認を行う厩舎モード管理部225と、競走馬の生産や入厩等を行う牧場モード管理部226と、トレセンにおける自動育成の状況の確認や自動育成の中断等を行うトレセンモード管理部227とを管理する。
【0030】
ベットゲーム管理部219およびオーナーゲーム管理部222は、サテライト装置200側で行える処理は自律的に行い、必要に応じてメイン装置100のベットゲーム管理部123およびオーナーゲーム管理部126と通信を行って必要なデータの取得および状態の通知等を行う。
【0031】
なお、メイン装置100及びサテライト装置200における機能ブロックが、明確に分離したプログラムによって実現される必要はなく、サブルーチンや関数として他のプログラムによって呼び出されるものであってもよい。また、機能ブロックの一部が、LSI(Large Scale Integrated circuit)、IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア手段であっても構わない。
【0032】
プログラムは、記憶媒体がドライブ装置に装着されることによってインストールされてもよいし、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線ネットワーク等のネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードしてもよい。また、プログラムは、ゲーム装置1の出荷時に、予め記憶装置140等に格納されていてもよい。
【0033】
[メイン装置が保持するデータ]
メイン装置100の記憶装置140には、サテライト対応表141、競走馬データベース142、騎手データベース143、レース出走表144、スペシャル飼葉リスト145、パートナー情報146等の情報が格納される。
【0034】
サテライト対応表141は、「サテライトID」「カードID」「不在フラグ」「クレジット」等の項目を有している。「サテライトID」は、サテライト装置200を識別する情報である。「カードID」は、ICカード300を識別する情報である。「不在フラグ」は、該当するサテライト装置200がプレイヤー不在であるか否かを示す情報である。「クレジット」は、該当するサテライト装置200に投入されているメダル枚数を示す情報である。
【0035】
競走馬データベース142は、「馬種別」「カードID」「馬ID」「厩舎ID」「馬データ」「トレセンデータ」「出走フラグ」「レースID」等の項目を有している。「馬種別」は、プレイヤーの所有する「プレイヤー馬」やシステム(CPU)側の「CPU馬」等の該当する競走馬の種類を示す情報である。「カードID」は、「馬種別」が「プレイヤー馬」である場合の、当該競走馬を所有するプレイヤーのICカード300を識別する情報である。「馬ID」は、競走馬を識別する情報である。「厩舎ID」は、該当する競走馬の所属する厩舎を識別する情報である。「馬データ」は、該当する競走馬の寿命や能力等の特性を示す情報である。「トレセンデータ」は、自動育成の種類、期間、開始時期等のトレセンの詳細を示す情報である。「出走フラグ」は、該当する競走馬がレースへ出走登録がされているか否かを示す情報である。「レースID」は、「出走フラグ」がオンの場合に出走登録されているレースを識別する情報である。
【0036】
騎手データベース143は、「騎手種別」「カードID」「騎手ID」「厩舎ID」「騎手データ」「出走フラグ」「レースID」等の項目を有している。「騎手種別」は、プレイヤーの所有する「プレイヤー騎手」やシステム(CPU)側の「CPU騎手」等の該当する騎手の種類を示す情報である。「カードID」は、「騎手種別」が「プレイヤー騎手」である場合の、当該騎手を所有するプレイヤーのICカード300を識別する情報である。「騎手ID」は、騎手を識別する情報である。「厩舎ID」は、該当する騎手の所属する厩舎を識別する情報である。「騎手データ」は、該当する騎手の寿命や能力等の特性を示す情報である。「出走フラグ」は、該当する騎手がレースへ出走登録がされているか否かを示す情報である。「レースID」は、「出走フラグ」がオンの場合に出走登録されているレースを識別する情報である。
【0037】
レース出走表144は、「レースID」「馬ID」「馬所有サテライトID」「騎手ID」「騎手所有サテライトID」等の項目を有している。「レースID」は、レースを識別する情報である。「馬ID」は、該当するレースに出走登録されている競走馬を識別する情報である。「馬所有サテライトID」は、該当する競走馬を所有するプレイヤーが使用しているサテライト装置200を識別する情報である。「騎手ID」は、該当するレースに出走登録されている騎手を識別する情報である。「騎手所有サテライトID」は、該当する騎手を所有するプレイヤーが使用しているサテライト装置200を識別する情報である。
【0038】
[ゲーム進行、各場面における処理等]
図4は、プレイヤーが競走馬を置くことができる牧場、厩舎およびトレセンの関係を示す図である。図示するように、プレイヤーは、所有する競走馬を牧場、厩舎もしくはトレセンのいずれかに置くことができる。競走馬が牧場、厩舎もしくはトレセンのいずれにいるかを示すデータはサテライト装置200内において管理されてもよいし、メイン装置100の競走馬データベース142において集中して管理してもよい。
【0039】
ゲーム装置1が進行させる競馬ゲームにおいて、牧場に放牧された状態では競走馬の寿命は変化しないが、厩舎もしくはトレセンにいる場合は1ゲーム毎に寿命が減少する。レースに出走する場合には、1ゲーム以上前に競走馬を厩舎に移動し、厩舎から出走登録をしなければならない。牧場と厩舎の間では競走馬を移動することができる。また、牧場もしくは厩舎にいる競走馬をトレセンに送って自動育成(オート調教)を行うことができる。トレセンにおける自動育成が終了した場合(プレイヤーが終了前に中断した場合も含む)、競走馬は牧場に自動的に移動される。
【0040】
(ログイン処理)
プレイヤーがサテライト装置200のカードリーダ/ライタ250にICカード300を挿入すると、カードデータ入力制御部212がカード挿入を検出し、ログイン処理部218がログイン処理を開始する。ログイン処理部218は、映像出力部214を介してモニタ230に暗証番号入力画面を表示し、プレイヤーが入力操作部240及び入力指示受付部213に対して暗証番号を入力するのを受け付ける。ログイン処理部218は、プレイヤーから入力された暗証番号をメイン装置100が保持する暗証番号と比較し、一致すれば適正なプレイヤーと判断してログインを許可する。ログイン処理部218は、サテライトIDとカードIDが含まれたログイン通知をメイン装置100に送信し、メイン装置100のサテライト管理部122は、サテライト対応表141にサテライトIDとカードIDとを対応付けて管理する。
【0041】
(ベットゲーム(概略))
ベットゲーム管理部219及びベットゲーム管理部123は、プレイヤーが保有する競走馬、及びコンピュータ側の競走馬が出走するレースについて、プレイヤーが単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複、WIN5等の形式でゲーム内通貨を賭けるベットゲームを管理する。ベットゲームの詳細については、後述する。
【0042】
(競走馬モード、騎手モード)
競走馬モード管理部223及び競走馬モード管理部127は、開催される各レースについて、プレイヤーの保有する競走馬のうち、レース条件を満たす競走馬の出走を受け付け、レースを実施する。レースに出走する競走馬が決定されると、騎手モード管理部224及び騎手モード管理部128は、選択可能な騎手を表示してプレイヤーに騎手を選択させ、騎乗する騎手を決定する。
【0043】
競走馬モード管理部127は、出走した各競走馬の能力パラメータ(スピード、スタミナ等)、コース形態(芝/ダート、距離、コーナーの曲率、勾配等)への適性、想定されるペース、脚質、騎手の技量、乱数等に基づいてレースの展開及び結果を決定し、大型ディスプレイ160にレースの展開及び結果を表示させる。
【0044】
(競走馬の育成)
競走馬が厩舎に所属している間、競走馬モード管理部223及び競走馬モード管理部127は、プレイヤーによって競走馬に与えられる飼葉の種類及び回数等に基づいて、競走馬の能力(スピード、スタミナ等)を向上させたり、体重を増減させたりする。
【0045】
図5は、競走馬に飼葉を与えることが可能な場面を示す表示画面例である。図中、飼葉リストLに含まれる飼葉をプレイヤーが選択して確定操作を行うことにより、飼葉が競走馬に与えられ、各飼葉に特有の能力アップ効果が競走馬に発生すると共に、各飼葉に対応したメダルが消費される。なお、オススメボタンB1をタッチすることにより、その時点で競走馬に最適な飼葉が自動的に選択される。
【0046】
プレイヤーが競走馬を選択し、トレセンに移動させることを指示する操作を入力操作部240に対して行うと、サテライト装置200からメイン装置100へトレセン要求が行われる。入力操作部240に対する選択指示は、入力指示受付部213を介して競走馬モード管理部223により認識される。
【0047】
図6は、育成対象の競走馬が選択される際の表示画面例であり、(a)は牧場から競走馬を選択した後の表示画面例、(b)は厩舎から競走馬を選択した後の表示画面例である。いずれも「トレ」ボタン(トレセンボタン)B2がタッチされることで選択が行われる。トレセン要求が行われると、メイン装置100における競走馬モード管理部127は、トレセン要求を行ってきたサテライト装置200のメダル枚数(クレジット)、対象競走馬の残り寿命、また、トレセンに空きがあるか否か等を判定し、トレセン要求を受け入れ可能である場合には、「OK」をサテライト装置200に返答する。これを受け、競走馬モード管理部223は、競走馬をトレセンモード管理部227が管理するトレセンに移動させる。トレセンへの移動(預託)により、自動育成が終了するまで、その競走馬に対してはレースへの出走が行えなくなり、後述する自動育成の中断を除いて操作を行うこともできなくなる。また、トレセンへの移動の時点で、選択されたオート調教の種類に応じたメダル枚数がクレジットから徴収される。なお、メダルの先払いに代え、毎週払いとしても、後払いとしてもよい。払い方はプレイヤーが承認する形式(ボタンタッチなどでOK/NGを選ばせる等)でもよいし、自動引き落とし形式でもよい。
【0048】
メイン装置100におけるトレセンモード管理部131は、預託期間が終了すると、該当するサテライト装置200にトレセン期間満了通知を行う。これを受け、サテライト装置200におけるオーナーゲーム管理部222は、メイン装置100に対してトレセン結果要求を行う。メイン装置100におけるオーナーゲーム管理部126は、育成効果を反映させたトレセン結果を計算し、能力値の競走馬データベース142への保存を行うと共に、サテライト装置200への通知を行う。ここで、育成効果とは、トレセンに預託することによる競走馬の能力アップ量(スピード、スタミナ等の変化量)であり、例えば、トレセンへの預託期間、メダル枚数、或いは乱数等によって決定される。
【0049】
サテライト装置200におけるトレセンモード管理部227は、映像出力部214を介してモニタ230にトレセン結果をムービーとコメントで表示する。この際に、音声出力部215を介してスピーカ270にもBGM等が出力される。
図7はトレセン結果の表示例を示す図であり、(a)に示すように複数のムービーMV1〜MV5が所定の時間にわたって流れ、トレセンでの調教の様子がダイジェスト的に表示される。そして、画面上に(b)に示すダイアログボックスが表示され、コメントおよび牧場に放牧する旨が表示される。「OK」ボタンB3をタッチすることでトレセン結果の表示が終了する。
【0050】
(牧場モード)
プレイヤーが競走馬を選択し、牧場に移動させることを指示する操作を入力操作部240に対して行うと、競走馬モード管理部223又はトレセンモード管理部227は、該当する競走馬を牧場に移動させる。牧場に移動されることで、競走馬の寿命の進行が停止する。
【0051】
[ベットゲーム]
レースイベントが開始されると、サテライト装置200におけるベットゲーム管理部219は、メイン装置100からオッズ等のデータを取得する。オッズは、メイン装置100におけるベットゲーム管理部123により、レース出走表144、競走馬データベース142及び騎手データベース143に格納されたデータを用いて所定のルールに基づいて決定される。
【0052】
図8は、プレイヤーによるベット操作を受け付ける画面例であり、デフォルトとして表示される単勝・複勝のベット操作を行う画面例である。領域A1には、馬名欄、成績欄、単勝欄、複勝欄等が設けられている。画面下部の領域A2には、賭け方を選択するボタンが表示されており、これらをタッチすることによって対応するページに移行することができる。この画面では個々の競走馬に単勝または複勝のベットを行い、競走馬ごとに累積ベット枚数を表示するようになっている。ベット操作は、
図8の左から3列目の単勝欄あるいは4列目の複勝欄のオッズが記載されたソフトウェアスイッチをタッチすることによって行われ、その右隣の枠内にベット累積枚数が表示される。
【0053】
ベット時間が終了すると、サテライト装置200のベットゲーム管理部219は、メイン装置100へプレイヤーによるベット内容を通知する。これにより、レース時間がスタートする。レースが終了した時点で、ベット内容に基づいて、的中したプレイヤーに対してメダル(ゲーム内通貨)の払い出しが行われる。
【0054】
単勝、複勝、枠連、馬連、ワイド、馬単、3連複の形式でベットされて予想が的中した場合、ベット枚数すなわち賭けられたゲーム内通貨の額に、オッズを乗じた額のゲーム内通貨が払い出される。
【0055】
(WIN5)
一方、WIN5の形式でベットされて予想が的中した場合、固定値(例えば10,000枚等)のゲーム内通貨が払い出される。ゲーム装置1におけるWIN5とは、5回のレースでそれぞれ1着となる馬を一括予想して投票する形式である。WIN5の形式でベットするためには、プレイヤーが任意の額を賭けることができる訳ではなく、予想した5頭の馬の能力パラメータやコース適性、騎手の技量等に応じた勝利確率(すなわち的中確率)に応じた額(以下、ベット要求額と称する)を賭けることが要求される。
【0056】
これによって、的中時に払い出すゲーム内通貨の量が、ゲームバランスを損なうほど大きくなってしまうことを防止することができる。上記のように、ゲーム内通貨は、単にベットゲームにおける賭け金として用いられるだけでなく、競走馬の育成等の種々のイベントに消費されるものである。このため、使い切れない程のゲーム内通貨が払い出されると、強い馬を無制限に育成可能となる等の弊害が生じ、ゲームの面白さを損なうことになってしまう。ゲーム装置1では、的中時に払い出すゲーム内通貨の量を固定値とするため、ゲームバランスを損なわない態様でWIN5等の重勝式のベットゲームを実現することができる。
【0057】
図9〜12は、プレイヤーによるWIN5のベット操作を受け付ける受付画面の変化を示す図である。これらの受付画面は、重勝式ベット管理部221及び映像出力部214の制御によってモニタ230に表示される。
【0058】
図9は、初期状態の受付画面を示している。
図9に示す状態では、第1レースがクローズアップされて馬名表示がなされ、第1レースで1着となると予想した馬を1頭以上選択することができる。
【0059】
図9に示す状態から第2レースのタブ等をタッチすることにより、第2レースがクローズアップされた状態に遷移する。
図10は、プレイヤーが第2レースをクローズアップさせた状態を示す図である。
【0060】
図11は、プレイヤーが各レースについて予想入力を終了した状態を示す図である。ここでは、
図11で強調表示されているように、第1レースについて第1号馬と第4号馬の2頭、第2レースについて第1号馬と第2号馬と第11号馬の3頭、第3レースについて第4号馬と第5号馬と第13号馬の3頭、第4レースについて第12号馬の1頭、第5レースについて第3号馬と第5号馬の2頭が選択された。従って、当該プレイヤーは、2×3×3×1×2の36通りの買い目(投票券)を選択したことになる。
【0061】
図11に示すように全レースについて1頭以上が選択された時点で、36通りの買い目に対応したベット要求額がモニタ230に表示される(図中、「276.0枚」と表記)。重勝式ベット管理部221は全レースについてそれぞれ1頭以上が選択されると、選択された買い目を重勝式ベット管理部125に送信し、重勝式ベット管理部125からベット要求額を取得してモニタ230に表示させる。ベット要求額が表示された状態でベットボタンC1をプレイヤーがタッチすることによって、WIN5へのベットが確定する。重勝式ベット管理部221は、確定した買い目を重勝式ベット管理部125に送信する。
【0062】
図12は、
図11に示す状態から、プレイヤーが更に第5レースについて第6号馬と第7号馬と第8号馬と第10号馬と第11号馬を選択した状態を示す図である。このように買い目が追加されると、的中確率が高くなるため、ベット要求額も大きくなる(図中、「544.1枚」と表記)。
【0063】
(ベット要求額の算出)
なお、WIN5の形式でベットされて予想が部分的に的中した場合(例えば4レース的中の場合と3レース的中の場合)にも、固定値(例えば4レース的中なら2,000枚、3レース的中なら500枚等)のゲーム内通貨が払い出される。これによって、プレイヤーに、的中させることが非常に困難なWIN5に積極的に参加することを促し、ゲームの面白さを向上させることができる。
【0064】
ところで、5レース的中の場合にのみ固定値のゲーム内通貨を払い出す場合であれば、選択された馬の勝率を全て乗算し、固定値に乗算結果と払い戻し率(1−控除率)を乗じれば、ベット要求額を求めることができる。
【0065】
しかしながら、ゲーム装置1は、3レース的中、4レース的中、5レース的中の全ての場合にゲーム内通貨を払い出すため、重勝式ベット管理部125は、3レース的中の各パターンと、4レース的中の各パターンの出現確率を加味してベット要求額を求める必要がある。
【0066】
式(1)は、ベット要求額を求めるための計算式の一例である。式中、P(k)は、第kレースで予想が的中する確率、すなわち、選択された馬が1着となる確率(複数の馬が選択された場合は、1着となる確率の合計値)である。
【0067】
【数1】
【0068】
レースの実施は、前述のように、例えば競走馬モード管理部127により行われる。競走馬モード管理部127は、出走した各競走馬の能力パラメータ、コース形態への適性、想定されるペース、脚質、騎手の技量、乱数等に基づいてレースの展開及び結果を決定する。重勝式ベット管理部125は、競走馬モード管理部127がレースの結果を算出するロジックを援用すること等により、選択された馬が1着となる確率をレース前に計算、又は競走馬モード管理部127から取得することができる。
【0069】
重勝式ベット管理部125は、式(1)に示すように、選択された馬の勝率を全て乗算して5レース的中の場合の払い出し額(10,000)を乗じた第1項(図中(a))と、4レース的中の全てのパターンの出現確率に4レース的中の場合の払い出し額(2,000)を乗じた第2項と、3レース的中の全てのパターンの出現確率に3レース的中の場合の払い出し額(500)を乗じた第3項とを加算して、1から控除率Hegを差し引いた値で除算することにより、ベット要求額を決定する。
【0070】
なお、重勝式ベット管理部125は、ベット要求額が上限値(例えば、5レース的中の場合の払い出し額の80%等)を超える場合には、WIN5でベットするのを禁止(プレイヤーがその買い目(投票券)にベットできなくする)してもよい。これは、ランキングアップを目指す等の目的で、高確率で的中させるような買い方をプレイヤーが行うのを抑制するためである。
【0071】
[まとめ」
以上説明した本実施例のゲーム装置1によれば、WIN5の形式でベットさせる際に、的中確率に応じたベット要求額を要求し、予想が的中した場合には固定値のゲーム内通貨を払い出すため、的中時に払い出すゲーム内通貨の量が、ゲームバランスを損なうほど大きくなってしまうことを防止することができる。これによって、ゲームバランスを損なわない態様でWIN5等の重勝式のベットゲームを実現することができる。
【0072】
また、WIN5の形式でベットされて予想が部分的に的中した場合にも、固定値のゲーム内通貨を払い出すため、プレイヤーに、的中させることが非常に困難なWIN5に積極的に参加することを促し、ゲームの面白さを向上させることができる。
【0073】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0074】
例えば、本発明は、競馬ゲームに限らず、競輪、競艇、オートレース、ドッグレース等を再現したゲームにも適用することができる。
【0075】
また、上記実施例では5重勝式の賭け方式であるWIN5を例示したが、n重勝式のWINn(nは2以上の整数)、すなわち任意の2以上の整数であるn回のレースの全ての1着馬を的中させる方式にも適用可能である。この場合、上記実施例と同様に、WINxの形式でベットされて予想が部分的に的中した場合にも、固定値のゲーム内通貨を払い出すためには、例えば式(2)を用いてベット要求額を計算すればよい。式(2)において、Prize(x)は、的中数がx回である場合に払い出されるゲーム内通貨の量を示している。
【0076】
【数2】