特許第5954104号(P5954104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5954104印刷管理装置、印刷管理装置の制御方法、印刷管理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5954104
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】印刷管理装置、印刷管理装置の制御方法、印刷管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20160707BHJP
【FI】
   G06F3/12 310
   G06F3/12 329
   G06F3/12 334
   G06F3/12 367
   G06F3/12 373
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-232281(P2012-232281)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-85728(P2014-85728A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301015956
【氏名又は名称】キヤノンソフトウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100188938
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】皆川 慎
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−128966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データの印刷を行う複数の画像処理装置および、前記印刷データの送信を行う情報処理装置と通信可能に接続された印刷管理装置であって、
前記複数の画像処理装置のうちどの画像形成装置で印刷データの印刷が行われたかの履歴である印刷履歴を管理する印刷履歴管理手段と、
前記情報処理装置より送信された印刷先が決定されていない印刷データに含まれる印刷元を示す情報を取得する印刷元情報取得手段と、
前記印刷元情報取得手段により取得した前記印刷データに含まれる印刷元を示す情報に対応する1つ以上の画像処理装置を、前記印刷履歴管理手段にて管理される印刷履歴を用いて決定する画像処理装置決定手段と、
前記画像処理装置決定手段により決定された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データを前記情報処理装置より受信した後に、当該決定された画像処理装置から取得するステータス取得手段と、
前記ステータス取得手段により取得された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データの印刷指示を行った印刷元に通知する通知手段と、
を有することを特徴とする印刷管理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置決定手段により決定される画像処理装置は、前記印刷元の利用実績がある画像処理装置であることを特徴とする請求項1記載の印刷管理装置。
【請求項3】
前記印刷履歴管理手段は、印刷データの印刷が行われた印刷日時を含む印刷履歴を管理しており、
前記画像処理装置決定手段により決定される画像処理装置は、前記印刷元の利用実績があり、かつ最近利用した画像処理装置であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷管理装置。
【請求項4】
前記印刷元とは、前記印刷データの印刷を行った情報処理装置、または印刷を行ったユーザから特定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項5】
前記ステータス取得手段は、前記画像処理装置に対応するプリンタドライバで取得可能なステータスと、取得不可なステータスを取得するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項6】
前記取得可能なステータスとは、前記画像処理装置に対応する印刷機能であり、前記取得不可なステータスとは、前記画像処理装置に対応する、少なくともファクシミリ機能またはスキャナ機能の1つ以上に対応するステータスであることを特徴とする請求項5に記載の印刷管理装置。
【請求項7】
印刷データの印刷を行う複数の画像処理装置および、前記印刷データの送信を行う情報処理装置と通信可能に接続された印刷管理システムであって、
前記複数の画像処理装置のうちどの画像形成装置で印刷データの印刷が行われたかの履歴である印刷履歴を管理する印刷履歴管理手段と、
前記情報処理装置より送信された印刷先が決定されていない印刷データに含まれる印刷元を示す情報を取得する印刷元情報取得手段と、
前記印刷元情報取得手段により取得した前記印刷データに含まれる印刷元を示す情報に対応する1つ以上の画像処理装置を、前記印刷履歴管理手段にて管理される印刷履歴を用いて決定する画像処理装置決定手段と、
前記画像処理装置決定手段により決定された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データを前記情報処理装置より受信した後に、当該決定された画像処理装置から取得するステータス取得手段と、
前記ステータス取得手段により取得された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データの印刷指示を行った印刷元に通知する通知手段と、
を有することを特徴とする印刷管理システム。
【請求項8】
印刷データの印刷を行う複数の画像処理装置および、前記印刷データの送信を行う情報処理装置と通信可能に接続され、前記複数の画像処理装置のうちどの画像形成装置で印刷データの印刷が行われたかの履歴である印刷履歴を管理する印刷履歴管理手段を有する印刷管理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置より送信された印刷先が決定されていない印刷データに含まれる印刷元を示す情報を取得する印刷元情報取得ステップと、
前記印刷元情報取得ステップにより取得した前記印刷データに含まれる印刷元を示す情報に対応する1つ以上の画像処理装置を、前記印刷履歴管理手段にて管理される印刷履歴を用いて決定する画像処理装置決定ステップと、
前記画像処理装置決定ステップにより決定された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データを前記情報処理装置より受信した後に、当該決定された画像処理装置から取得するステータス取得ステップと、
前記ステータス取得ステップにより取得された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データの印刷指示を行った印刷元に通知する通知ステップと、
を有することを特徴とする印刷管理装置の制御方法
【請求項9】
印刷データの印刷を行う複数の画像処理装置および、前記印刷データの送信を行う情報処理装置と通信可能に接続され、前記複数の画像処理装置のうちどの画像形成装置で印刷データの印刷が行われたかの履歴である印刷履歴を管理する印刷履歴管理手段を有する印刷管理装置を、
前記情報処理装置より送信された印刷先が決定されていない印刷データに含まれる印刷元を示す情報を取得する印刷元情報取得手段と、
前記印刷元情報取得手段により取得した前記印刷データに含まれる印刷元を示す情報に対応する1つ以上の画像処理装置を、前記印刷履歴管理手段にて管理される印刷履歴を用いて決定する画像処理装置決定手段と、
前記画像処理装置決定手段により決定された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データを前記情報処理装置より受信した後に、当該決定された画像処理装置から取得するステータス取得手段と、
前記ステータス取得手段により取得された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データの印刷指示を行った印刷元に通知する通知手段と、
を有することを特徴とする印刷管理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがプリンタデバイスからプリントサーバ上に一時蓄積された印刷データに対して印刷要求を行うことでプリンタデバイスから印刷データの出力を可能にするプルプリントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがプリンタデバイスからプリントサーバ上に一時蓄積された印刷データに対して印刷要求を行うことでプリンタデバイスから印刷データの出力を可能にする「プルプリント(蓄積印刷)」システムが提案されている。ユーザはアプリケーションから印刷時に指定したプリンタデバイスから出力する必要はなく、所望のデバイスからの印刷データ出力が可能となっている。
【0003】
また、PCからの印刷を指示する際には、特定のデバイスを指定せず、仮想のプリントサーバを指定しておき、印刷するユーザが所望のデバイスで認証することによって、どこのデバイスからでも印刷可能なシステムが提案されている。(特許文献1)
【0004】
また、印刷を行う前にドライバを介してデバイスの状態を取得し、印刷の可否を確認するシステムが提案されており、この仕組みによると、印刷を行う前にデバイスの状態を取得することができるため、選択したデバイスの状態を印刷命令時に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−350497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術は、印刷の実行時にはデバイスを特定せず、出力するデバイス側でプリプリント行うようになっている。すなわち、PCからアプリケーションの印刷時に指定するプリントサーバが仮想デバイス(個別のデバイスを指定していない)であるため、実際に存在する複数デバイスの状態について確認できなかった。
【0007】
このため実際にデバイスを使用する際、デバイスの近くまで行ってみて初めて電源がOFF/スリープ中/使用中/紙切れ/トナー切れなどの状態がわかることがあり、すぐに使用できないケースがあった。
【0008】
そこで、本発明では、印刷命令時には出力するデバイスが決まっていない状態で印刷指示した場合でも、使用する可能性の高いデバイスの状態を通知可能な印刷管理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
印刷データの印刷を行う複数の画像処理装置および、前記印刷データの送信を行う情報処理装置と通信可能に接続された印刷管理装置であって、前記複数の画像処理装置のうちどの画像形成装置で印刷データの印刷が行われたかの履歴である印刷履歴を管理する印刷履歴管理手段と、前記情報処理装置より送信された印刷先が決定されていない印刷データに含まれる印刷元を示す情報を取得する印刷元情報取得手段と、前記印刷元情報取得手段により取得した前記印刷データに含まれる印刷元を示す情報に対応する1つ以上の画像処理装置を、前記印刷履歴管理手段にて管理される印刷履歴を用いて決定する画像処理装置決定手段と、前記画像処理装置決定手段により決定された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データを前記情報処理装置より受信した後に、当該決定された画像処理装置から取得するステータス取得手段と、前記ステータス取得手段により取得された前記1つ以上の画像処理装置のステータスを、前記印刷先が決定されていない印刷データの印刷指示を行った印刷元に通知する通知手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷命令時には出力するデバイスが決まっていない状態で印刷指示した場合でも、使用する可能性の高いデバイスの状態を通知可能な印刷管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係わる印刷管理システムのシステム構成の一例示す図である。
図2】本発明の実施形態に係わる印刷管理装置システムにおける印刷管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおける複合機(画像処理装置)のハード構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係わる印刷管理装置の機能構成の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係わる印刷管理システムの動作の流れを説明する図である。
図6】本発明の実施形態に係わる印刷管理装置の全体処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係わる印刷管理装置の印刷データ格納領域に格納されたデータの一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおける印刷履歴の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおけるデバイスのステータス情報の一例を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおけるデバイスステータス画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に関わる印刷管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0014】
本実施形態の印刷管理システムは、クライアントPC100、プリントサーバ200、複数の複合機300,印刷管理サーバ(印刷管理装置)400、ログインサービスサーバ500、ディレクトリサービスサーバ600がローカルエリアネットワーク(LAN)700を介して通信可能に接続される構成となっている。
【0015】
クライアントPC100には、プリントドライバがインストールされており、アプリケーションプログラムを介して、プリントサーバ200等へ印刷データを送信し、プリントサーバ200の所定の格納場所(スプール領域)に格納させることができる。
【0016】
また、クライアントPC100には、複合機のステータスを表示するアプリケーションもインストールされ、プリントサーバ200からステータス変化通知を受信すると、当該ユーザがログインしている場合その通知されたステータス情報を含んだGUIが最前面に表示される。
【0017】
プリントサーバ200は、クライアントPC100から受信した上記印刷データに対応する書誌情報データを生成し、印刷管理サーバ400に送信して、該印刷管理サーバ400の所定の格納場所に格納させることができる。
【0018】
また、プリントサーバ200は、外部から受信したLPRコマンド(LPR印刷を指示するコマンド)に基づいて上記所定の格納場所に格納している印刷データを複合機300へ転送制御する。
【0019】
印刷管理サーバ400は、書誌情報DBを備え、プリントサーバ200から送信される書誌情報(プリントサーバ200内に蓄積された印刷データに対応する書誌情報)を受信し、書誌情報DBにより記憶管理する。
【0020】
また、印刷管理サーバ400は、複合機からのSLPコマンドやSNMPコマンドやCPCAコマンドなどに基づいて、電源OFFやスリープ有無、印刷トナー切れ、ジャム、サービスマンコールなどのエラーステータスを監視する。監視ステータスに変化があった場合、その複合機への印刷データを滞留させているクライアントPCに対して、ステータス変化通知を送信する。
【0021】
また、印刷管理サーバ400は、ICカード認証用テーブルを記憶し、複合機300からのICカードによる認証依頼に応じて、該ICカード認証用テーブルを用いて認証処理を行う。
【0022】
さらに、印刷管理サーバ400は、複合機300からの印刷要求(書誌情報DBで管理される書誌情報に対応する印刷データの印刷要求)に応じて、該印刷データの印刷指示をプリントサーバ200に行う。即ち複合機300は、蓄積された印刷データの出力先を、印刷時に指定するプルプリントが可能なようになっている。
【0023】
ログインサービスサーバ500は、複合機300のログインサービスとして、ディレクトリサービスサーバ600で記憶管理されているクライアントPC100のログインユーザID,パスワード(例えば、マイクロソフト社のWindows(登録商標)のログインユーザ名(ユーザID),パスワード)に基づく認証処理(SSO(Single Sign-ON))を行うものであり、例えば、キヤノン社のセキュリティエージェント(Security Agent)を搭載したパーソナルコンピュータである。
【0024】
ディレクトリサービスサーバ600は、ネットワーク上に存在するサーバ、クライアント、プリンタ等のハードウェア資源や、それらを使用するユーザの属性(クライアントPC100のログインユーザID,パスワード(例えば、マイクロソフト社のWindows(登録商標)のログインユーザ名(ユーザID),パスワード)を含む)、アクセス権等の情報を一元記憶管理するものであり、例えば、アクティブディレクトリ(Active Directory)機能を搭載したサーバである。
【0025】
本実施形態では、このように複数のサーバが役割を分担するような構成になっているが、これらのサーバの役割を、例えば印刷管理サーバ400が1台で処理することも可能であるし、例えばプリントサーバ200と2台のサーバで処理することも可能である。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係わる印刷管理装置システムにおける情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
情報処理装置は、クライアントPC100やプリントサーバ200、および各種サーバに適用可能である。
【0028】
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、クライアント装置102が実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0029】
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0030】
また、205は入力コントローラで、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置209からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、ディスプレイ装置210等の表示器への表示を制御する。これらは必要に応じて操作者が使用するものである。
【0031】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0032】
208は通信I/F(インタフェース)コントローラで、ネットワーク(例えば、図1に示したLAN103)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0033】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0034】
本発明を実現するための後述するフローチャートに示す各ステップの処理は、コンピュータで読み取り実行可能なプログラムにより実行され、そのプログラムは外部メモリ211に記録されている。そして、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。また、さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。次に、図3を参照して、図1の複合機300のハードウェア構成について説明する。
【0035】
図3は、本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおける複合機(画像処理装置)のハード構成の一例を示す図である。
【0036】
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ312と接続する一方、LAN(例えば、図1に示したLAN103)や公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0037】
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0038】
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム,画像データ等を格納する。クライアント装置102から受信したセキュリティ設定がされた印刷データもこのHDD304に記憶されることになる。
【0039】
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部308とのインタフェース部である。また、操作部I/F307は、操作部308から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU301に伝える役割をする。
【0040】
305はネットワークインタフェース(ネットワークI/F)で、LAN103等のネットワークに接続し、データの入出力を行う。306はモデムで、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0041】
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394,プリンタポート,RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においてはユーザの認証を行う際に必要となる非接触ICカード(記憶媒体)の読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
【0042】
320はイメージバスインタフェース(イメージバスI/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
【0043】
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0044】
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行ったりする。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。そして、この画像処理部317は、スキャナ314を駆動して画像読み取りされた画像データを画像処理して、ファイル出力可能な形式(例えば、PDF形式ファイル)に変換し、CPU301と連携して、ネットワークI/F305を介して、外部装置に画像データのファイルを送信することができる。
【0045】
スキャナ314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0046】
プリンタ312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0047】
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0048】
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時、また手動でユーザのログアウト処理を行う時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
【0049】
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、非接触ICカードに記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
【0050】
以上のような構成によって、複合機は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN103上に送信したり、LAN103から受信した印刷データをプリンタ312で印刷出力したりすることができる。
【0051】
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ312で印刷出力したりすることができる。
【0052】
図4は、本発明の実施形態に係わる印刷管理システムの機能構成の一例を示す図である。
【0053】
印刷管理システム401は、印刷管理装置410および画像処理装置420とから構成される。
【0054】
本実施形態で印刷管理装置410は、プリントサーバ200および印刷管理サーバ400の機能を有しているが、別の装置として構成することも可能である。
【0055】
印刷データ受信部411は、情報処理装置(PC)すなわち印刷元であるユーザからの印刷命令を受信するものである。印刷元とは、情報処理装置のことでもよいし、その情報処理装置を操作するユーザのことでもよい。
【0056】
監視対象決定部412は、ユーザから印刷命令が行われた時に、そのユーザが使用する可能性の高いデバイスを特定する機能を有している。ユーザが使用する可能性とは、過去の使用履歴などを利用して、頻繁に使う・一番最近使用したなどが挙げられる。
【0057】
ステータス取得部413は、決定された監視対象のデバイスのステータスを取得する。プリンタ機能を使っている場合、プリンタドライバからはプリンタに関するステータスしか取得できないが、ステータス取得部413では、同じデバイスのFAX(ファクシミリ機能)の使用状況やスキャナ(スキャナ機能)の使用状況まで取得することができる。
【0058】
通知部414では、ステータス取得部413で取得したステータスをユーザに通知する。先にも述べたが、通知先は情報処理装置を特定することにしてもよいし、ユーザを特定するようにしてもよい。これにより、ユーザは、これからプルプリントを行うつもりでいるデバイスが、使用できるか、できないか、をデバイスの近くに行く前に知ることができる。
【0059】
画像処理装置420は、複合機のことであり、ユーザ認証部421、印刷要求部422、印刷部423、およびFAX/スキャナ部424を有している。
【0060】
ユーザ認証部421では、プルプリントを実行しようとするユーザの認証を受付ける。認証を受付けると、ログインサービスサーバ500へ要求を送信する。
【0061】
印刷要求部422では、印刷管理サーバ400へ印刷の要求を行う。要求を受付けた印刷管理サーバ400は、プリントサーバ200に当該デバイスへ印刷データを送信するように命令する。
【0062】
印刷部423は、受信した印刷データを出力する部分である。FAX/スキャナ部424は、複合機の有する機能である。
【0063】
図5は、本発明の実施形態に係わる印刷管理システムの動作の流れを説明する図である。
【0064】
まず、ユーザは、クライアントPC100にログインし((1)−1)、該クライアントPC100で実行されるアプリケーションプログラムから、印刷先(印刷ポート)がプリントサーバ200に指定された論理プリンタへの印刷指示を行う((1)−2)。
【0065】
この印刷指示に応じて、クライアントPC100のアプリケーションプログラムは、グラフィックエンジンを介して、プリンタドライバにデータを送信する。クライアントPC100のプリンタドライバは、該アプリケーションプログラムからグラフィックエンジンを介して受け取ったデータに基づいて印刷データを生成する。
【0066】
そして、クライアントPC100は、LPRプロトコルを用いてプリントサーバ200に接続して、上記生成した印刷データを送信して((2)−1)、プリントサーバ200の所定の格納場所(予め設定されているスプール領域)に格納させる((2)−2)。なお、上記プリントサーバ200の所定の格納場所に格納される印刷データのファイル名については後述する。
【0067】
また、プリントサーバ200は、上記所定の格納場所に印刷データが格納されても、印刷装置への送信は行わない。
【0068】
なおプリントサーバ200では、上記所定の場所の印刷データの有無を監視する。データの検知とともに、複合機の電源やトナー残量などのステータス監視をはじめる((2)’−1)。複合機の電源がOFFであったりトナーが切れていたりと、即使用できないステータスを検知した場合クライアントPC100へ通知する。((2)’―2)なお、前述したが、ステータスを通知するのは、印刷管理サーバが行ってもよいものとする。また、通知する内容は、即使用できないステータスに限ったものではなく、取得したステータスを表示するようにしてもよい。
【0069】
次に、プリントサーバ200は、クライアントPC100から受信して上記所定の格納場所に格納された上記印刷データから書誌情報データを抽出(生成)し((2)−3)、該抽出(生成)した書誌情報データを印刷管理サーバ400に送信して、ネットワーク上でのファイル共有の仕組みを用いて印刷管理サーバ400の所定の格納場所(予め設定されているディレクトリ)に格納させる((3)−1)。なお、上記印刷管理サーバ400の所定の格納場所に格納される書誌情報データのファイル名はについては後述する。
【0070】
印刷管理サーバ400は、上記所定のディレクトリを監視し、該所定のディレクトリにクライアントPC100から書誌情報ファイルが格納されると、該書誌情報ファイルを解析し書誌情報を書誌情報DB(印刷管理サーバ400の外部記憶装置上に構築される)に登録する((3)−2)。
【0071】
また、複合機300は、カードリーダ319により読み取り可能なICカードを検知すると、該ICカード内の個人認証情報を読み取り、該読み取った個人認証情報を認証要求として印刷管理サーバ400に送信する((4)−1)。個人認証情報は、認証に用いられる情報であり該ICカードの製造番号でも良い。
【0072】
印刷管理サーバ400は、複合機300より個人認証情報を受信すると、該個人認証情報の認証処理を印刷管理サーバ400の外部記憶装置上に記憶されるICカード認証用テーブルに基づいて行い、認証結果を複合機300に返信する((4)−2)。なお、認証処理に成功した場合には、認証結果として、クライアントPC100のログインユーザIDを送信するものとする。
【0073】
次に、複合機300は、印刷管理サーバ400から、認証に成功した旨の認証結果(クライアントPC100のログインユーザID)を受信すると、印刷管理サーバ400に印刷データ一覧要求を送信する((5)−1)。なお、印刷データ一覧要求には、クライアントPC100のログインユーザIDが含まれているものとする。
【0074】
印刷管理サーバ400は、複合機300から印刷データ一覧要求を受信すると、該印刷データ一覧要求に含まれるログインユーザIDなどで書誌情報DBを検索して、該ログインユーザIDに対応する印刷データ一覧を生成し、複合機300に返信する((5)−2)。
【0075】
複合機300は、印刷管理サーバ400から印刷データ一覧を受信すると、該印刷データ一覧を操作部308のUI上に表示する。そして、ユーザにより、印刷データが選択され、印刷指示がなされると、複合機300は、該選択された印刷データの印刷要求(出力指示)を印刷管理サーバ400に送信する(6)。なお、この印刷要求は、クライアントPC100のログインユーザID,印刷データのタイムスタンプを含むものとする。
【0076】
印刷管理サーバ400は、複合機300から印刷データの印刷要求(出力指示)を受信すると(6)、該出力指示がなされた印刷データの書誌情報を、クライアントPC100のログインユーザID,印刷データのタイムスタンプをキーにして書誌情報DBから検索し、該検索した書誌情報から該当する印刷データを格納しているプリントサーバ200を特定し、該プリントサーバ200に該当する印刷データの印刷指示を送信する(7)。なお、上記印刷指示は、該当する印刷データファイル名を含む印刷コマンドである。
【0077】
プリントサーバ200は、印刷管理サーバ400から印刷指示を受信すると、該印刷指示に基づいてLPRプロトコルにより印刷データを複合機300に送信して複合機300で印刷させる(8)。
【0078】
複合機300は、プリントサーバ200から印刷データを受信すると、印刷処理を実行する。そして、該印刷処理を終了すると、複合機300は、該終了した印刷処理の印刷完了通知を印刷管理サーバ400に送信する(9)。
【0079】
図6は、本発明の実施形態に係わる印刷管理装置の全体処理を示すフローチャートである。
【0080】
図5に示したプリントサーバ200、およびクライアントPC100におけるステータス監視((2)’−1)とステータス通知((2)’―2)に対応するフローチャートである。このフローチャートの処理は、図1に示したプリントサーバ200とクライアントPC100のCPUが外部メモリに格納されたプログラムをRAM上にロードして実行することにより実現される。以降、S601〜S606は各ステップを示す。
【0081】
ステップS601では、印刷データ格納場所ディレクトリに印刷データがあるか検索する。印刷データがある場合印刷データの情報を抽出してS102へ進む。ない場合は一定時間待機してS101の本判定へ再度進む。
【0082】
印刷データはプルプリントシステムにより次のように一時格納されるためこれを監視する。プルプリントシステムの詳細な処理技術に関しては、特許文献1に書かれているものを利用するものとする。印刷データ格納ディレクトリの一例について、図7を用いて説明する。
【0083】
図7は、本発明の実施形態に係わる印刷管理装置の印刷データ格納領域に格納されたデータの一例を示す図である。
【0084】
格納領域701は、格納親ディレクトリ(spool)の子ディレクトリとして、印刷データ格納場所ディレクトリ(printer1)および印刷データ格納場所ディレクトリ(printer2)の2つのプリンタ分の格納領域が設定されている。
【0085】
例えば、printer1には、tempディレクトリと、エラーデータフォルダが存在する。そして、tempディレクトリの中にxxxx.prsというオブジェクトが存在しており、このオブジェクトが存在する場合に、印刷データが存在すると判定される。すなわち、本実施形態では、tempディレクトリ内を監視し、オブジェクトができたときに、新規に印刷データが投入されたことがわかる。
【0086】
xxxx.prsオブジェクトからは、印刷データに関する詳細な情報がわかる。例えば、機種名702、ユーザID703、コンピュータ名/IPアドレス704、およびドキュメント名705などが取得される。
【0087】
機種名701は、印刷を行うデバイスの機種名であり、同じ機種のデバイスであれば、プルプリントを行うことができる。ユーザID703は、本印刷ジョブを印刷したユーザのユーザIDが設定される。コンピュータ名/IPアドレス704は、印刷を行ったコンピュータのIPアドレスやコンピュータ名が設定される。ドキュメント名705は、印刷されたドキュメント名が設定される。
【0088】
すなわち本印刷ジョブは、「user1」が「printer1」に対して、「192.168.1.22」の端末から「9月勤務実績表.csv」を印刷したジョブである、ということがわかる。
【0089】
また、この情報は書誌情報としても利用可能であり、他に取得可能な情報として、「ユーザ(オーナ)ID」,「印刷データ格納コンピュータ名/IPアドレス」,「LPRキュー名の機種名(例:qPrint)」「印刷データのパス(ファイル名を含むフルパス)」,「印刷データのドキュメント名」,「部数」,「ページ数」,「片面or両面」,「用紙サイズ」,「Job識別子」,「プリンタ機種(例:qPrint)がカラープリンタの時のみ有効な強制モノクロ出力マーク」などが挙げられる。フローチャートの説明に戻る。
【0090】
ステップS602では、ステータスを監視する複合機を決定する。具体的には、所定の場所に保存した使用実績がある複合機リストを記録したファイルを読み込み、存在する印刷データ情報と照らし合わせ、合致した複合機を監視対象と決定し、S603へ進む。
【0091】
上記の使用実績がある複合機リストは、例えば「ユーザID」、「機種名」、複合機の「IPアドレス」、「設置場所」、「タイムスタンプ」から成る。監視する対象となる複合機を決定するために利用する印刷履歴の一例について、図8を用いて説明する。
【0092】
図8は、本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおける印刷履歴の一例を示す図である。
【0093】
ユーザID801、機種名802、IPアドレス803、設置場所804、およびタイムスタンプ805が印刷履歴として記憶されている。
【0094】
ユーザID801は、印刷の実行をしたユーザであり、機種名802、IPアドレス803、設置場所804は、当該印刷に対応する印刷物が出力されたプリンタの関する情報である。
【0095】
タイムスタンプ805は、印刷がなされた時間である。このタイムスタンプは、印刷の命令を行った時間でも実際に出力された時間でもよいが、どちらの時間なのかは統一するものとする。
【0096】
具体的に監視の対象とする複合機は、S601にて取得の印刷データリストにある「機種名」と「ユーザID」が合致する複合機を監視対象とする。よって、「user1」が使用した実績のある「printer1」が監視対象806となる。
【0097】
本印刷履歴は、印刷指示を受信した時に別途更新するファイルである。当該一連の処理とは別に、LPR印刷指示を監視し、指示を受けた印刷データから「ユーザID」、「機種名」、複合機の「IPアドレス」を取得し、さらにその時のプリントサーバ上の「タイムスタンプ」記録する。「設置場所」はデバイスから取得する。これら情報を蓄積、記録しておいたものである。
【0098】
ここで、使用実績の「タイムスタンプ」を一定期間内に絞ることも可能で、その場合は一定の期間更新がない複合機をリストのファイルから削除する。そのうえで監視する複合機を決定する。
【0099】
また、監視対象を過去に印刷した、利用実績のあるデバイスを対象にしているが、その他にも
(1)一番最近利用したデバイス
【0100】
(2)一番多く利用したデバイス(上位数件も可能)
【0101】
(3)デバイスマップ(不図示)を利用して、一番近くに設置されているデバイス
【0102】
などを監視対象とすることも可能である。フローチャートの説明に戻る。
【0103】
ステップS603では、監視する複合機のステータスを取得する。監視対象の複合機から「トナー」切れ、「用紙」切れ、「ジャム」の発生などのステータスをSNMPやCPCAなどにより取得する。また「電源」ステータスも取得する。「電源」ステータス監視を開始していない複合機の場合複合機からのSLPによる通知の監視をはじめ、監視中の複合機の場合はその状態を取得する。
【0104】
なお、複合機がステータス監視対象から対象外となった場合、取得済ステータス情報を破棄するとともに「電源」ステータス監視を停止する。
【0105】
また、ここで取得するステータスは、例えばプリンタドライバを利用して印刷する場合であれば、プリンタドライバを通して取得可能な情報と、プリンタドライバを通じては取得不能な情報が含まれるが、印刷管理装置が取得するのでどちらの情報も取得することが可能である。
【0106】
取得したデバイスのステータス情報の一例について、図9を用いて説明する。
【0107】
図9は、本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおけるデバイスのステータス情報の一例を示す図である。
【0108】
機種名901、IPアドレス902、および設置場所903から特定されるデバイスのステータスを取得した情報であり、ステップS602で監視対象となったデバイスである。
【0109】
トナー904は、トナー残量についてのステータスであり、トナーの残量が少ない「トナーロー」ステータスや、即印刷できないトナー切れステータスである「トナー切れ」などがある。
【0110】
用紙905は残りが少ない場合や、全く無い場合のステータスなどを取得可能であり、ジャム906は、現在ジャムが発生していることや、回復までの所要時間などのステータスを取得することが可能である。
【0111】
電源907は、電源に関するステータスであり、「スリープ」のほかにも「ディープスリープ」や「電源OFF」などのステータスを取得することが可能である。
【0112】
また、904から907は、使用するデバイスドライバで取得可能な項目であり、908〜909は、デバイスドライバでは取得不可な項目である。フローチャートの説明に戻る。
【0113】
ステップS604では、印刷を行ったユーザに対して通知するステータスを決定する。前回から変更があったものを対象にしてもよいし、所定の即使用できないステータスを取得した場合に通知対象にしてもよい。例えば、電源OFFやスリープ、トナー切れなどを即使用できないステータスとして扱うことができる。即使用できないとは、実際に出力させる際に何らかしらの処理を行わないと印刷できないようなケースをいう。
【0114】
また、監視対象全てのデバイスのステータスを通知するようにしてもよい。フローチャートの説明に戻る。
【0115】
ステップS605では、ステータスを通知すべき複合機に対応する印刷データからクライアントPCの情報を決定する。図7にて取得済の印刷データからの印刷データに関する詳細な情報を利用する。
【0116】
ステップS606では、上記取得したクライアントPCに対してステータスの変化を通知する。サーバからクライアントにはRPC通信にて通知する。クライアント側でこれを受信し「ユーザID」のユーザがログイン中ならば、複合機のステータスを表示したUIをポップアップする。
【0117】
例えば、次のようなUIによって受信した複合機のステータス情報を表示する。なお当UIはユーザが所望のタイミングで表示し確認することもできる。
【0118】
また、プリンタドライバを介して印刷命令を受けた直後で、プリンタドライバの画面を利用してステータス情報を表示することも可能である。ステータス情報の表示画面の一例を、図10を用いて説明する。
【0119】
図10は、本発明の実施形態に係わる印刷管理システムにおけるデバイスステータス画面の一例を示す図である。
【0120】
デバイスステータス画面1001には、ドキュメント1002に対応したコンボボックスには、ユーザが印刷の命令を行ったドキュメント名が表示されている。
【0121】
機種名1003、IPアドレス1004、設置場所1005、およびステータス1006はサーバから通知された情報である。図9のデバイスのステータス情報に記憶されている内容である。
【0122】
所望のドキュメント名を選択すると、そのドキュメントに対応する複合機のステータスが下方のリストに表示される。
【0123】
また、更新1007ボタンにてユーザの所望のタイミングでサーバが保持する最新のステータス状況を取得し、表示できる。
【0124】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0125】
また、本発明におけるプログラムは、実施例に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は実施例にしめるフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは実施例の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0126】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0127】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0128】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0129】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0130】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0131】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。 さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0132】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0133】
100 クライアントPC
200 プリントサーバ
300 複合機
400 印刷管理サーバ
500 ログインサービス
600 ディレクトリサービスサーバ
700 LAN
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10