(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(f)前記マッピングされた二次元的温度分布に基づき、制御部が前記分割された測定対象空間の区間毎の測定対象ガスのモル分率(mole fraction )を算出し、二次元的濃度分布をマッピングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の二次元的ガス温度分布測定方法。
(f’)前記マッピングされた三次元的温度分布に基づき、制御部が前記分割された測定対象空間の区間毎の測定対象ガスのモル分率を算出し、三次元的濃度分布をマッピングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の三次元的ガス温度分布測定方法。
【背景技術】
【0002】
一般的に、製鉄所の加熱炉のような構造物内でのガス温度測定は、加熱炉内に設けられた温度測定装置により行われることになる。
【0003】
このような温度測定方法の一例が特許文献1等に開示されている。
【0004】
しかし、このような従来技術による温度測定方法では、温度測定装置が設けられる位置が加熱炉の壁体に限定され、設けられた位置でのみ温度を測定するため、加熱炉の内部全体でのガスの温度分布と濃度分布は測定が不可能になり得るという問題点がある。
【0005】
このような問題点を解決するために、最近になってはダイオードレーザーを用いた温度測定方法が導入されていることが実情である。
【0006】
しかし、従来のダイオードレーザーを用いた温度測定方法は、大半が線積分計測方式であって、ダイオードレーザーが通った長さの平均温度のみを測定することになるという限界を有している。
【0007】
このような限界を克服するために、最近は断面上の温度予測(profile fitting)方法と温度分割(temperature binning)方法が導入されている。
【0008】
しかし、断面上の温度予測方法は、一定空間内でのガスの温度分布を予め予測し、測定変数を減らすためのものであって、例えば、パイプの内部を介して高温の気体が流れる場合、パイプの中心での温度が最も高く、パイプの縁では熱伝達により温度が相対的に低くなる放物線状の温度分布を有するという仮定の下に行われることになる。これは、測定変数を減らし、測定システムを簡素化することができるが、それだけ測定値と実際ガスの温度分布との間に差が大きいため、測定の誤差が大きくなり、正確な測定を期待することができないという問題点がある。
【0009】
一方、温度分割方法は、測定温度の区間を予め予測し、その温度区間を任意に分けて測定変数を減らし、測定システムを簡素化するためのものであって、これは、ダイオードレーザーが通る線での線温度分布を予測することができるようにするが、二次元的温度分布を知るためには、二次元各々の方向に温度を測定しなければならないため、製鉄所の加熱炉のような構造物内では、二次元的温度分布の測定が不可能になり得るという問題点がある。
【0010】
また、従来の温度分割方法による温度測定方法は、温度の区間毎に温度が測定されても、測定された温度の位置を特定することができないため、温度の分布状態を把握することが難しくなることもあるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、測定の誤差が最小化となり、正確な測定が行われることができる二次元及び三次元的ガス温度分布測定方法を提供することである。
【0013】
また、測定空間の制約なく、二次元又は三次元的測定が難しい製鉄所の加熱炉のような構造物内でもガスの温度分布を測定することができる二次元及び三次元的ガス温度分布測定方法を提供することである。
【0014】
さらに、測定対象の空間内で測定対象ガスの温度分布及び濃度分布の位置が正確に把握されることができる二次元及び三次元的ガス温度分布測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するために、本発明による二次元的ガス温度分布測定方法は:(a)
測定対象空間を制御部が二次元的に分割するが、互いに等しい面積をもつn2個の面に分割する段階と、(b)前記分割された測定対象空間のうち、発光側の最外郭に位置された分割空間A1、A4、A7の発光点から受光側の最外郭に位置された分割空間A3、A6、A9の受光点に向いて、1:nに対応するようにレーザー光を発光させて受光部で吸収信号を検出する段階と、(c)前記受光部で検出された吸収信号に基づき、制御部が直接吸収分光技法でn
2個の吸光度の広さを演算する段階と、(d)前記演算された吸光度の広さに基づき、制御部が分割された測定対象空間の区間毎にレーザー光のn
2個の第1の線強度変化ai=S1(Ti)Xiを、
【0016】
【数1】
【0017】
(A
si:光透過経路毎の吸光度の広さ、P:測定対象空間内での圧力、X
abs:モル分率)
【0018】
の関数式から演算する段階と、(e)前記第1の線強度変化a
i=S
1(T
i)X
i と、(a)段階から(d)段階まで行って演算処理された他の波長帯域の第2の線強度変化b
i=S
2(T
i)X
iを有し、制御部が前記分割された測定対象空間の区間毎の温度を、
【0019】
【数2】
【0020】
の関数式から算出し、前記測定対象空間の二次元的温度分布をマッピング(mapping)する段階とを含むことを特徴とする。
【0021】
ここで、本発明による二次元的ガス温度分布測定方法は、(f)前記マッピングされた二次元的温度分布に基づき、制御部が前記分割された測定対象空間の区間毎の測定対象ガスのモル分率(mole fraction )を算出し、二次元的濃度分布をマッピングする段階をさらに含むことが好ましい。
【0022】
一方、前記目的を達成するために、本発明による三次元的ガス温度分布測定方法は:(a’)
測定対象空間を制御部が分割するが、互いに等しい体積をもつn3個の空間に分割する段階と、(b’)前記分割された測定対象空間のうち、発光側の最外郭に位置された分割空間A1、A2、A3、A10、A11、A12、A19、A20、A21の発光点から受光側の最外郭に位置された分割空間A7、A8、A9、A16、A17、A18、A25、A26、A27のうち、同一の高さにあるn個の受光点に向いて、1:nに対応するようにレーザー光を発光させて受光部で吸収信号を検出する段階と、(c’)前記受光部で検出された吸収信号に基づき、制御部が直接吸収分光技法でn
3個の吸光度の広さを演算する段階と、(d’)前記演算された吸光度の広さに基づき、制御部が分割された測定対象空間の区間毎にレーザー光のn
3個の第1の線強度変化ai=S1(Ti)Xiを、
【0023】
【数3】
【0024】
(A
si:光透過経路毎の吸光度の広さ、P:測定対象空間内での圧力、X
abs:モル分率)
【0025】
の関数式から演算する段階と、(e’)前記第1の線強度変化a
i=S
1(T
i)X
iと、(a’)段階から(d’)段階まで行って演算処理された他の波長帯域の第2の線強度変化b
i=S
2(T
i)X
iを有し、制御部が前記分割された測定対象空間の区間毎の温度を、
【0026】
【数4】
【0027】
の関数式から算出し、前記測定対象空間の三次元的温度分布をマッピングする段階とを含むことを特徴とする。
【0028】
ここで、本発明による三次元的ガス温度分布測定方法は、(f’)前記マッピングされた三次元的温度分布に基づき、制御部が前記分割された測定対象空間の区間毎の測定対象ガスのモル分率を算出し、三次元的濃度分布をマッピングする段階をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、温度分布を予め予測するのではなく、実際の測定対象空間をダイオードレーザーで一次元的に測定し、測定対象ガスの二次元又は三次元的な温度分布及び濃度分布を把握するようにすることで、測定の誤差が最小化となり、正確な測定が行われるようにすることができる。
【0030】
また、ダイオードレーザーを用いて一次元的にのみ測定し、二次元又は三次元の測定が不可能な空間内のガスの温度分布を二次元又は三次元的にマッピングすることができるようになることで、測定空間の制約なく、二次元又は三次元的測定が難しい製鉄所の加熱炉のような構造物内でもガスの温度及び濃度分布を容易に測定することができる。
【0031】
さらに、測定対象空間内で測定対象ガスの温度分布及び濃度分布の位置が二次元又は三次元的に正確に把握されるようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、添付された図面を参照し、本発明について詳しく説明する。
【0034】
本発明による二次元及び三次元的ガス温度分布測定方法を行うための測定システム100は、
図1に図示された通り、発光部110と、受光部120と、制御部160とを含む。
【0035】
発光部110は、
図1に図示された通り、光信号を直進の形態で測定対象ガスに発光するものであって、レーザー光を発光するダイオードレーザー111と、レーザー光が逆方向に流れることを防ぐ第1のアイソレーター112と、レーザー光を所望の割合で分岐するカプラ113と、レーザー光の強度及び波長の変化を調節するダイオードレーザーコントローラ114とを有する。
【0036】
測定対象のガスは、一例として酸素(O
2)となり得る。
【0037】
ダイオードレーザー111は、ダイオードレーザーマウント116に連結されており、ダイオードレーザーコントローラ114の信号に応じてレーザー光を発光する。
【0038】
発光部110には、コリメーター(collimator)が備えられる。このとき、コリメーターは光学ケーブルに沿って伝達された光が直進することができるようにするレンズであって、発光部110は光ケーブルを通過せず、ダイオードレーザー111からレーザーが直接発光する場合、コリメーターの構成が必要ではないこともある。
【0039】
ダイオードレーザーコントローラ114は、制御部160により作動制御され、ダイオードレーザー111の変化を調節する。このとき、ダイオードレーザーコントローラ114は温度と電流の大きさを変化させることによって、ダイオードレーザー111の強度及び波長、周波数、温度を変化させることができる。一方、ダイオードレーザーコントローラ114は、必要に応じては制御部160により作動制御されず、独立して作動制御されることもできる。
【0040】
これによって、ダイオードレーザーコントローラ114を用いて、ダイオードレーザー111の入力温度と電流を調節し、所望の波長のレーザー光を出力させることができる。
【0041】
一方、ダイオードレーザーコントローラ114と制御部160との間には、波形発生部115が備えられる。
【0042】
波形発生部115は、制御部160により作動制御され、レーザー信号の形状が多様に送出されるようにする。このような波形状としては、のこぎり波、三角波、四角波、サイン波、コサイン波又は任意の混合波等になり得る。波形発生部115は、必要に応じては制御部160により作動制御されず、独立して作動されることもできる。
【0043】
一方、第1のアイソレーター112及びカプラ113は、必須的なものではなく、状況に応じて省略されることもできる。
【0044】
本発明の一実施例として、発光部110は制御部160により作動制御される発光移送駆動部117に連結され、発光移送駆動部117により測定対象ガスが存在する測定対象空間の一側で上下または左右に往復移送可能に備えられることが好ましい。
【0045】
一方、また別の例として、発光移送駆動部117の構成なく、レーザー光を発光部110から必要な数だけ多数の本に分離し、測定対象空間を通るようにすることができる。または、発振経路は区別して備えるが、信号強度の維持のために、レーザー光の分離なく時間の間隔をおいて、必要な発振経路を循環して通るように構成することもできる。
【0046】
受光部120は、
図1に図示された通り、発光部110から発光したレーザー光を受光して光信号を受信するように備えられたものであって、レーザー光が逆方向に流れることを防ぐ第2のアイソレーター121と、光信号を受信し、電気的な信号に変換して出力する光検出部130とを備える。
【0047】
これによって、ダイオードレーザー111から出力されたレーザー光が発光部110から発光し、測定対象空間を通過して受光部120を介して受光された後、光検出部130を介してレーザー光の強度変化が測定されることができる。このように測定されたレーザー光の強度変化は、後述する制御部160を介して演算処理され、測定対象空間内で分割された割り当て区間毎に温度測定が可能になるようにすることができる。
【0048】
つまり、本発明によると、一つのダイオードレーザー111を用いて、測定対象ガスの温度と濃度を同時に計測することができる。
【0049】
受光部120はコリメーターを備え、コリメーターは、測定対象ガスを通ってきた光信号を光学ケーブルを介して光検出部130に伝達する。このとき、コリメーターは光学ケーブルを使用しないシステムでは必要ではないこともある。
【0050】
本発明の一実施例として、
図1及び
図2に図示された通り、受光部120は制御部160により作動制御される受光移送駆動部123に連結され、受光移送駆動部123により測定対象ガスが存在する測定対象空間の他側で上下又は左右に往復移送可能に備えられることが好ましい。
【0051】
一方、また別の例として、発光部110のレーザー光の発振条件に合わせて、受光移送駆動部123の構成なく、レーザー光を受光部120から必要な数だけ分離して受信するようにすることができる。或いは、受信経路を区別して備え、信号強度維持のためにレーザー光の分離なく、時間の間隔をおいて必要な発振経路を循環し、通ってきた光信号を受信するように構成することもできる。
【0052】
制御部160は、
図1に図示された通り、ロックイン増幅部140と、オシロスコープ150と、データ分析モジュールを備えたデータ分析器とを含む。
【0053】
ロックイン増幅部140は、受光部120から受信した吸収信号と、波形発生部115から受信した正弦波の信号を介して、吸収信号の形状に近い一次調和信号又は吸収中心波長で最高の高さを有する二次調和信号を抽出することができる。また、ロックイン増幅部140は、一部のノイズ信号を除去する。
【0054】
オシロスコープ150は、信号を容易に認知できるように画面に出力できるようにする。また、オシロスコープ150は、波形発生部115の信号、受光部120の光検出部130の信号、ロックイン増幅部140の信号等を肉眼で認知できるようにする。オシロスコープ150は、分析者の便利性の増大のためのものであって、必須の装置ではない。
【0055】
制御部160のデータ分析モジュールは、直接吸収分光技法により測定された信号を分析し、濃度値を格納する。このとき、データ分析モジュールは、直接吸収分光技法によって温度を分析する温度分析モジュールと、直接吸収分光技法によって濃度を分析する濃度分析モジュールとを備える。このような分析モジュールは、同一のハードウェア内でソフトウェア的に分離することができる。
【0056】
制御部160は、ダイオードレーザーコントローラ114及び波形発生部115を作動制御する。このとき、制御部160は、波形発生部115の波形発生を制御したり、ダイオードレーザーコントローラ114の温度/電流値を制御し、発光部110がレーザー光を発光するようにする。
【0057】
一方、本発明の一実施例として、制御部160は、
図1に図示された通り、測定対象空間を仮想的に分割するときに分割される区間の個数の入力を受ける入力部161と、測定対象空間で測定対象ガスの二次元又は三次元的温度分布マッピング(mapping)と濃度分布マッピングをディスプレイするマッピング出力部163とをさらに含むことが好ましい。
【0058】
このような構成により、本発明による二次元的ガス温度分布測定方法を
図1乃至
図4を参照にして説明すると次の通りである。
【0059】
まず、二次元的に分割される測定対象空間20の区間の個数が入力部161を介して入力されると、測定対象ガスが存在する測定対象空間20を制御部160が仮想的に分割する(S10)。
【0060】
このとき、本発明の一実施例として、
図2に図示された通り、制御部160によって分割される測定対象空間20は、
互いに等しい面積をもつn2個の区間に分けられるように分割されることが好ましい。ここで、nは自然数である。即ち、測定対象空間20は、制御部160により4個、9個、16個・・・等のように二次元的に分割される。
【0061】
これによって、
図2に図示された通り、後述する吸光度の広さを求める数6での未知数T
i、X
iの個数と吸光度の広さの演算個数が同じくなり、未知数の個数と方程式の個数が同じくなることによって、制御部160が測定対象空間20内での温度分布と濃度分布を二次元的に容易に求めることができる。
【0062】
本発明の一実施例として、
図2に図示された通り、測定対象空間20は制御部160により32=9個に二次元的に分割され、9個の
互いに等しい面積を有する区間に分けられたものとする。
【0063】
次に、段階10で、二次元的に分割された測定対象空間のうち、発光側の最外郭に位置されたn個(例えば、n=3)の分割空間A
1、A
4、A
7の何れか一つ(例えば、A
1)の発光点110aから受光側の最外郭に位置されたそれぞれの分割空間A
3、A
6、A
9の受光点120aに向いて1:nに対応する方式で発光側に該当するそれぞれの分割されたn個の空間の区間毎に残りの領域A
4、A
7でもそれぞれ発光部110からレーザー光Lを発光させ、受光部120で受光し、直線形態の一次元的吸収信号(レーザー光の強さ)を検出する(S20)。
【0064】
このとき、本発明の一実施例として、発光点110aは、発光部110が移動又は配置されてレーザー光Lが発振する位置であって、二次元的に分割された測定対象空間のうち、発光側の最外郭に位置された各分割空間の最外郭の境界線の中心部に該当し、受光点120aは、受光部120が移動又は配置されてレーザー光Lが吸収される位置であって、二次元的に分割された測定対象空間のうち、受光側の最外郭に位置された各分割空間の最外郭の境界線の中心部に該当するようにすることが好ましい。すなわち、レーザー光Lは、発光側の最外郭の各分割空間の中心から受光側の最外郭の各分割空間の中心に向いて発光して受光されるようにすることが好ましい。
【0065】
段階20で、発光部110から発光したレーザー光Lを受光部120で受光して一次元的吸収信号を検出すると、受光部120で検出された一次元的吸収信号に基づき、制御部160は光検出部130を介して直接吸収分光技法でn
2個の吸光度の広さを演算する(S30)。
【0066】
吸光度の広さA
sは、レーザー光Lが発光し、受光部120で受光される間、測定対象空間で実際に発生した光吸収の損失量であって、
図3に図示された通り、光波長による基準信号S
bに対する吸収信号S
aの差異値の面積で演算される。従って、吸光度の広さA
sは、制御部160が光検出部130を介して、次の数式を適用して算出することになる。
【0067】
【数5】
A
s:吸光度の広さ、S
a:吸収信号、S
b:基準信号、ν:波長
【0068】
一方、段階30で、光検出部130を介して吸光度の広さが演算されると、制御部160は演算された吸光度の広さに基づき、二次元的に分割された測定対象空間20の区間毎にレーザー光Lのn
2個の線強度変化を演算する(S40)。
【0069】
本発明の一実施例として、制御部160が演算するレーザー光の線強度変化S
i[T(x)]は、次の関数式から演算されることが好ましい。
【0070】
【数6】
A
si:光透過経路毎の吸光度の広さ、P:測定対象空間内での圧力、X
abs:モル分率
【0071】
このとき、測定対象空間内での圧力Pは、圧力計を介して測定されることができ、モル分率X
absと、線強度変化S
i[T(x)]は未知数であって、関数式を介して求められることができる。特に、線強度変化S
i[T(x)]は温度のみの関数であるため、この値を知ることになると、温度Tを求めることができる。
【0072】
例えば、
図2に図示された通り、測定対象空間20を二次元的に9個の区間に分けた場合、レーザー光が通る長さl
iは、幾何学的方法で制御部160により求められることができる。測定対象空間20の二次元的な横辺全長が12mとすれば、l
6は12mを3で割った4mになる。
【0073】
図2に図示された通り、受光部120に向いて1:nに対応するようにそれぞれの方向にレーザー光Lが発光し、受光部120で受光されると、制御部160は光検出部130を介して分割された空間の個数にそれぞれ対応する次の9個の線形の一次多元方程式を前記数6から生成させることができる。
【0074】
A
S1= PS
1(T
1)X
1l
1+ PS
1(T
4)X
4l
2+ PS
1(T
5)X
5l
3+ PS
1(T
6)X
6l
2+ PS
1(T
9)X
9l
1
【0075】
A
S2= PS
1(T
1)X
1l
4+ PS
1(T
2)X
2l
5+ PS
1(T
5)X
5l
5+ PS
1(T
6)X
6l
4
【0076】
A
S3= PS
1(T
1)X
1l
6+ PS
1(T
2)X
2l
6+ PS
1(T
3)X
3l
6
【0077】
A
S4= PS
1(T
4)X
4l
4+ PS
1(T
5)X
5l
5+ PS
1(T
8)X
8l
5+ PS
1(T
9)X
9l
4
【0078】
A
S5= PS
1(T
4)X
4l
6+ PS
1(T
5)X
5l
6+ PS
1(T
6)X
6l
6
【0079】
A
S6= PS
1(T
4)X
4l
4+ PS
1(T
5)X
5l
5+ PS
1(T
2)X
2l
5+ PS
1(T
3)X
3l
4
【0080】
A
S7= PS
1(T
7)X
7l
6+ PS
1(T
8)X
8l
6+ PS
1(T
9)X
9l
6
【0081】
A
S8= PS
1(T
7)X
7l
4+ PS
1(T
8)X
8l
5+ PS
1(T
5)X
5l
5+ PS
1(T
6)X
6l
4
【0082】
A
S9= PS
1(T
7)X
7l
1+ PS
1(T
4)X
4l
2+ PS
1(T
5)X
5l
3+ PS
1(T
6)X
6l
2+ PS
1(T
3)X
3l
1
【0083】
制御部160は、前記方程式を演算し、n
2個の第1の線強度変化a
i=S
i(T
i)X
iを求めることができ、その解は次のように表現されることができる。
【0084】
S
1(T
1)X
1 = a
1, S
1(T
2)X
2 = a
2.....S
1(T
9)X
9 = a
9
【0085】
このとき、温度T
iを求めるためには、また別の波長の吸収信号が必要である。
【0086】
このために、段階20で発光して受光されるレーザー光は、波長可変形のレーザー光になるようにし、波長帯域が互いに相違する二つのレーザー光が同時に発光及び受光されるようにしたり、互いに相違する波長帯域を有する二つのレーザー光がそれぞれ一度ずつ別に発光及び受光されるようにすることもできる。
【0087】
さらに具体的に、制御部160は、また別の波長のレーザー光の発光及び受光を介して、段階20から段階40まで再度行って、また別の波長の一次元的吸収信号から前記数6を介して、線強度変化を演算処理し、また別の波長帯域の第2の線強度変化b
i=S
2(T
i)X
iを求めることになるが、その解は次のように表現されることができる。
【0088】
S
2(T
1)X
1 = b
1, S
2(T
2)X
2 = b
2.....S
2(T
9)X
9 = b
9
【0089】
つまり、制御部160は、第1の線強度変化a
i=S
i(T
i)X
iと、第2の線強度変化b
i=S
2(T
i)X
iを有し、二次元的に分割された測定対象空間20の区間毎の温度を次の関数式から算出し、測定対象空間20の二次元的温度分布をマッピング(mapping)する(S50)。
【0091】
これによって、制御部160が段階50で数17を介して二次元的に分割された測定対象空間20の区間毎にそれぞれの温度と温度の位置をリアルタイムで算出できるようになるため、温度分布を予め予測するのではなく、実際の測定対象空間をダイオードレーザーで一次元的に測定し、測定対象ガスの二次元的な温度分布を把握するようにすることによって、測定の誤差が最小化となり、正確な測定が行われるようにできる。
【0092】
また、段階50でマッピングされた二次元的温度分布に基づき、制御部160は二次元的に分割された測定対象空間20の区間毎に測定対象ガスのモル分率(mole fraction)を算出し、二次元的濃度分布をマッピングする(S60)。
【0093】
即ち、制御部160は、段階50で温度が求められると、それぞれの線強度変化S
i(T
i)X
iの解に求められた温度を代入し、モル分率X
iを求めることによって、二次元的に分割された測定対象空間20の区間毎にそれぞれの濃度と濃度の位置をリアルタイムで算出できる。
【0094】
例えば、段階50で温度が求められると、S
1(T
i)の値と S
2(T
i)の値が定められるため、制御部160は次の式によりモル分率X
iの値を求めることができる。
【0095】
X
i=a
i/S
1(T
i)orX
i=b
i/S
2(T
i)
【0096】
これによって、ダイオードレーザーを用いて一次元的にのみ測定し、二次元の測定が不可能な空間内のガスの温度及び濃度分布を二次元的にマッピングできるようになることで、測定空間の制約なく、二次元の測定が難しい製鉄所の加熱炉のような構造物内でもガスの温度及び濃度分布を容易に測定することができ、測定対象空間20内で測定対象ガスの温度分布及び濃度分布の位置が二次元的に正確に把握されるようにすることができる。
【0097】
一方、本発明よる三次元的ガス温度分布測定方法は、二次元的ガス温度分布測定方法を拡張し、
図5及び
図6に図示された通り、一次元の計測を介して三次元での温度及び濃度分布をマッピングするためのものであって、本発明による三次元的ガス温度分布測定方法を
図5乃至
図7を参照にして説明すると次の通りである。
【0098】
まず、三次元的に分割される測定対象空間20の区間の個数が入力部161を介して入力されると、測定対象ガスが存在する測定対象空間20を制御部160が仮想的に分割する(S100)。
【0099】
このとき、本発明の一実施例として、
図5に図示された通り、制御部160により三次元的に分割される測定対象空間20は
、n3個の互いに等しい体積を有する区間に分けられるように分割されることが好ましい。ここで、nは自然数である。即ち、測定対象空間20は、制御部160により8個、27個、64個等のように三次元的に分割される。
【0100】
これによって、吸光度の広さを求める数6での未知数T
i、X
iの個数と吸光度の広さの演算個数が同じくなり、未知数の個数と方程式の個数が同じくなることによって、制御部160が測定対象空間20内での温度分布と濃度分布を三次元的に容易に求めることができる。
【0101】
本発明の一実施例として、
図5に図示された通り、測定対象空間20は、制御部160により33=27個と三次元的に分割され、
27個の互いに等しい体積を有する区間に分けられたものとする。
【0102】
次に、
図6に図示された通り、段階10で三次元的に分割された測定対象空間のうち、発光側の最外郭に位置されたn
2個(例えば、n=3)の分割空間A
1、A
2、A
3、A
10、A
11、A
12、A
19、A
20、A
21の何れか一つ(例えば、A
2)の発光点110aから受光側の最外郭に位置されたそれぞれの分割空間A
7、A
8、A
9、A
16、A
17、A
18、A
25、A
26、A
27のうち同一の高さにあるn個の受光点120aに向いて1:nに対応する方式で発光側に該当するそれぞれの分割されたn
2個の空間の区間毎に残りの領域A
1、A
3、A
10、A
11、A
12、A
19、A
20、A
21でもそれぞれ発光部110からレーザー光Lを発光させて受光部120で受光し、直線形態の一次元的吸収信号を検出する(S200)。
【0103】
このとき、本発明の一実施例として、発光点110aは、発光部110が移動または配置されてレーザー光Lが発振する位置であって、三次元的に分割された測定対象空間のうち発光側の最外郭に位置された各分割空間の最外郭の境界面の中心部に該当し、受光点120aは、受光部120が移動又は配置されてレーザー光Lが吸収される位置であって、三次元的に分割された測定対象空間のうち受光側の最外郭に位置された各分割空間の最外郭の境界面の中心部に該当するようにすることが好ましい。即ち、レーザー光Lは、発光側の最外郭の各分割空間の中心から受光側の最外郭の各分割空間の中心に向いて発光して受光されるようにすることが好ましい。
【0104】
段階200で発光部110から発光したレーザー光Lを受光部120で受光して一次元的吸収信号を検出すると、受光部120で検出された一次元的吸収信号に基づき、制御部160は光検出部130を介して直接吸収分光技法でn
3個の吸光度の広さを演算する(S300)。
【0105】
段階300で光検出部130を介して吸光度の広さが演算されると、制御部160は演算された吸光度の広さに基づき、三次元的に分割された測定対象空間20の区間毎にレーザー光Lのn
3個の線強度変化を演算する(S400)。
【0106】
本発明による三次元的ガス温度分布測定方法で制御部160が演算するレーザー光の線強度変化S
i[T(x)]は、二次元的ガス温度分布測定方法と同じように、前記数6から演算されることが好ましい。
【0107】
即ち、n
3個と三次元的に分割された測定対象空間20の分割された空間にそれぞれ対応するように制御部160はn
3個の方程式を生成し、
図6に図示された通り、それぞれの分割された空間を通過するレーザー光が通る長さl
iを幾何学的に算出することによって、二次元的ガス温度分布測定方法と同じ方法で測定対象空間20の温度及び濃度分布を三次元的にマッピングすることができる。
【0108】
さらに具体的に、受光部120に向いて1:nに対応するようにそれぞれの方向にレーザー光Lが発光して受光部120で受光されると、制御部160は光検出部130を介して分割された空間の個数にそれぞれ対応する27個の線形の一次多元方程式を前記数6から生成させることができる。
【0109】
これによって、制御部160は、n
3個の第1の線強度変化a
i=S
1(T
i)X
iを求めることができ、その解は次のように表現されることができる。
【0110】
S
1(T
1)X
1=a
1,S
1(T
2)X
2=a
2.....S
1(T
27)X
27=a
27
【0111】
このとき、温度T
iを求めるためには、また別の波長の吸収信号が必要である。
【0112】
このために、段階200で発光して受光されるレーザー光は、波長可変形のレーザー光になるようにし、波長帯域が互いに相違する二つのレーザー光が同時に発光及び受光されるようにしたり、互いに相違する波長帯域を有する二つのレーザー光がそれぞれ一度ずつ別に発光及び受光されるようにすることもできる。
【0113】
さらに具体的に、制御部160は、また別の波長のレーザー光の発光及び受光を介して段階200から段階400まで再度行って、また別の波長の一次元的吸収信号から前記数6を介して線強度変化を演算処理し、また別の波長帯域の第2の線強度変化b
i=S
2(T
i)X
iを求めることになるが、その解は次のように表現されることができる。
【0114】
S
2(T
1)X
1=b
1,S
2(T
2)X
2=b
2.....S
2(T
27)X
27=b
27
【0115】
即ち、制御部160は、第1の線強度変化a
i=S
1(T
i)X
iと、第2の線強度変化b
i=S
2(T
i)X
iを有し、三次元的に分割された測定対象空間20の区間毎の温度を前記数17から算出し、測定対象空間20の三次元的温度分布をマッピングする(S500)。
【0116】
これによって、制御部160が段階500で数17を介して三次元的に分割された測定対象空間20の区間毎にもそれぞれの温度と温度の位置をリアルタイムで算出できるようになるため、温度分布を予め予測するのではなく、実際の測定対象空間をダイオードレーザーで一次元的に測定し、測定対象ガスの三次元的な温度分布を把握するようにすることによって、測定の誤差が最小化となり、正確な測定が行われるようにできる。
【0117】
また、段階500でマッピングされた三次元的温度分布に基づき、制御部160は三次元的に分割された測定対象空間20の区間毎に測定対象ガスのモル分率を算出し、三次元的濃度分布をマッピングする(S600)。
【0118】
即ち、制御部160は、段階500で温度が求められると、それぞれの線強度変化S
1(T
i)X
iの解に求められた温度を代入し、モル分率X
iを求めることによって、三次元的に分割された測定対象空間20の区間毎にもそれぞれの濃度と濃度の位置をリアルタイムで算出できる。
【0119】
これによって、ダイオードレーザーを用いて、一次元的にのみ測定して三次元の測定が不可能な空間内のガスの温度及び濃度分布を三次元的にマッピングできるようになることで、測定空間の制約なく、三次元の測定が難しい製鉄所の加熱炉のような構造物内でもガスの温度及び濃度分布を容易に測定することができ、測定対象空間20内で測定対象ガスの温度分布及び濃度分布の位置が三次元的に正確に把握されるようにすることができる。
【0120】
よって、本発明によると、二次元又は三次元の測定が不可能な空間内のガスの温度及び濃度分布をダイオードレーザーを用いて一次元的にのみ測定し、二次元又は三次元的にマッピングできるようになることで、測定空間の制約なく、二次元又は三次元の測定が難しい製鉄所の加熱炉のような構造物内でもガスの温度及び濃度分布を容易に測定することができ、測定対象空間内で測定対象ガスの温度分布及び濃度分布の位置が二次元又は三次元的に正確に把握されるようにすることができる。
【0121】
前記によって説明され添付された図面でその技術的な面が記述されているが、本発明の技術的な思想はその説明のためのものであり、その制限を置くわけではなく、本発明の技術分野で通常の技術的な知識を有する者は、本発明の技術的な思想を以下で後述される特許請求範囲に記載の技術領域から外れない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができるということを理解できるであろう。