(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定手段は、前記検出手段により検出された操作方向において、順次割り当てられている複数の動作モードの各々に対応する複数の動作を特定することを特徴とする請求項4記載の制御装置。
前記操作手段は、複数の動作モードの各々に対応する設定位置が示され、回転移動が可能なダイヤルキーであり、現在の動作モードの設定位置から次の動作モードの設定位置へ回転移動するまでに所定時間を必要とし、
前記動作モード設定手段は、前記ダイヤルキーが回転移動を開始した後にいずれかの設定位置への回転移動を完了した後に、この設定位置に対応する動作モードを設定し、
前記制御手段は、前記ダイヤルキーが回転移動を開始した後に、いずれかの設定位置への回転移動を完了したことを待たずに、前記特定手段により特定された動作を開始させることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るデジタルカメラ1のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。このデジタルカメラ1は、CPU(Central Processing Unit)10によってシステムの全体を制御される構成である。デジタルカメラ1は、フォーカスレンズを含む光学系とメカニカルシャッターからなるレンズブロック11を有している。また、レンズブロック11内における光学系、メカニカルシャッターをそれぞれ駆動するためのモータ等のアクチュエータ12を有している。アクチュエータ12を駆動するための各種のドライバにより構成されるドライバブロック13がバス24を介してCPU10接続されている。
【0016】
また、被写体を撮像するためCCD(Charge Coupled Device)等からなる撮像素子14を有している。ドライバ15は、TG(Timing Generator)16が生成した駆動タイミング信号であるクロック周波数に従い、CCD駆動信号を生成し、生成したCCD駆動信号を撮像素子14へ供給して撮像素子14を駆動する。
【0017】
TG16は、前述のCCD駆動タイミング信号を、CPU10により設定された駆動モードに応じて生成する。すなわち、TG16は、撮像素子14の駆動モードの種類を示す設定値を記憶するレジスタを内部に有している。設定値が、CPU10により設定されることにより、TG16は、各々の駆動モードに応じた駆動タイミング信号(駆動モードに応じた周波数のクロック信号)を生成する。
【0018】
撮像素子14は、ドライバ15によって駆動されることにより、レンズブロック11の光学系において結像された被写体の光学像(被写体像)を光電変換し、被写体像を表すアナログの撮像信号をユニット回路17に供給する。
【0019】
ユニット回路17は、CDS(Correllated Double Sampling)回路とAGC(Auto Gain Control)回路、及びA/D(analogue/digital)変換部で構成されている。CDS回路は、撮像素子14から供給されたアナログの撮像信号に含まれるノイズを相関二重サンプリングによって除去する。AGC回路は、ノイズ除去後の撮像信号を増幅し、増幅後の撮像信号をA/D変換部に供給する。A/D変換部は、増幅後の撮像信号をデジタルの撮像信号に変換し、変換後におけるデジタルの撮像信号をDSP(Digital Signal Processor)18へ出力する。
【0020】
DSP18は、入力した撮像信号に対しペデスタルクランプ等の処理を施してRGBデータに変換し、さらにRGBデータを輝度(Y)成分及び色差(UV)成分からなる画像データに変換する。また、DSP18は、画像データにオートホワイトバランス、輪郭強調、画素補間などの画品質向上のためのデジタル信号処理を施し、順次SDRAM19に記憶させる。
【0021】
撮影モードでは、SDRAM19に1フレーム分(1画面分)の画像データが蓄積される毎に、画像データが液晶表示部3へ送られてライブビュー画像として表示画面31に表示される。また、シャッターキーが押下された撮影時には、CPU10がSDRAM19に一時記憶される画像データを圧縮し、所定のフォーマットの画像ファイルとして外部メモリ20に記録する。外部メモリ20は、図示しないカードインターフェイスを介してカメラ本体に接続された着脱自在なメモリカードである。
【0022】
再生モードにおいてCPU10は、外部メモリ20に記録された画像ファイルをユーザの選択操作に応じて読み出す。さらに、CPU10は、この読み出した画像ファイルを伸張し、画像データをSDRAM19に展開した後、液晶表示部3に表示させる。
【0023】
フラッシュメモリ21は、CPU10にカメラ全体を制御させるための複数種のプログラムやデータが記憶されているメモリである。フラッシュメモリ21に記憶されているプログラムには、レンズブロック11の光学系を、公知のコントラスト検出方式によって被写体にピントが合うフォーカス位置へ自動制御するAF(auto focus)制御を行うためのAF制御プログラムが含まれる。
【0024】
さらに、CPU10には入力部22が接続されているとともに、GPS(Global Positioning System)回路23、ストロボ回路25、三軸加速度センサ26、フォトインタラプタ27、合成処理回路28、手ブレ補正回路29、及び通信部30が接続されている。入力部22は、電源キー、シャッターキー、数値キー、決定キー等の各種キーやボタン、及び後述するモードダイヤル等を有している。CPU10は、入力部22におけるスイッチ類の操作状態を定常的にスキャンし、ユーザによるスイッチ操作の内容に応じた操作信号を取得する。
【0025】
GPS回路23は、L1帯 (1.57542GHz)のC/Aコード(Coarse/Acquisition code)を受信して復調・解読し、現在のデジタルカメラ1の位置である現在位置の緯度・経度を逐次割り出す。つまり、GPS回路23は、割り出した緯度・経度を示すデータである現在位置データを取得するものであり、逐次取得される現在位置データは、CPU10に取り込まれる。
【0026】
ストロボ回路25は、ストロボを構成するキセノンランプ等の光源や、その給電回路等から構成される。三軸加速度センサ26は、当該デジタルカメラ1のXYZ軸の3方向の加速度を検出する。フォトインタラプタ27は、前記入力部22が有するモードダイヤルの近傍に配置され、ユーザがモードダイヤルを回転操作した際の回転方向(時計方向、反時計方向)及びユーザが回転操作を行った直前の停止状態におけるモードダイヤルの回転位置を検出する。
【0027】
合成処理回路28は、当該デジタルカメラ1を動かしながら撮影された複数枚の画像を合成することで、レンズブロック11が有するレンズの画角を超えたパノラマ画像と称される画像を生成する等の画像合成処理を実行する。手ブレ補正回路29は、三軸加速度センサ26から入力される加速度に基づきCPU10が手ぶれ補正を行うべきと判断した場合、連続して撮影された複数の画像をマルチプレーン加算合成することより、手ぶれのない画像を生成する。通信部30は、WWW接続制御を行うものであって、パケットデータ生成回路、及びパケットデータ復元回路を含み、通信プロトコルに沿ったデータ通信処理を行う。
【0028】
図2は、前記モードダイヤルの構成を示す平面図である。このモードダイヤル31は、デジタルカメラ1の本体に回転自在に支持されており、時計方向Aと反時計方向Bとに回転自在である。モードダイヤル31の表面には、「モード1」〜「モード7」までのモード名称がほぼ等間隔に印刷されており、カメラ1の本体側には三角マーク32が印刷されている。そして、ユーザにより時計方向A又は反時計方向Bに操作された際には、フォトインタラプタ27により操作方向が検出され、また、ユーザが操作をやめると最も三角マーク32に近いモード名称が当該三角マーク32に一致して停止するように構成されている。
【0029】
図3は、前記フラッシュメモリ20に予め記憶されているモード制御テーブル201の構成を示す概念図である。このモード制御テーブル201には、横方向欄に前記モードダイヤル27に印刷されている「モード1」〜「モード7」までのモード種別が設定され、縦方向欄に
図1のブロック図に記載した各機能部の動作種別が設定されている。また、横方向欄と縦方向欄の交点欄には、各モードにおける動作の内容を示す動作内容が書き込まれている。なお、この交点欄に書き込まれた動作内容において「_」は、「未定」であって当該機能部が取り得る動作のいずれでもよく、いずれでも構わないことを示す。
【0030】
したがって、例えばDSP18のクロック周波数は、「モード1」及び「モード2」では未定であって低速及び高速のいずれの設定でもよく、「モード3」及び「モード4」では低速に、「モード5」〜「モード7」では高速にされるべきと書き込まれている。また、例えば撮像素子(撮像素子14)の駆動タイミング信号であるクロック周波数は、「モード1」では低速、「モード2」及びでは低速、「モード4」〜「モード7」では高速にされるべきと書き込まれている。
【0031】
また、合成処理回路28の動作、メモリ(フラッシュメモリ21)のアクセスモード、ストロボ充電(ストロボ回路25が有する給電回路への充電)、外部との通信接続(通信部30の動作)、GPS回路23の動作、3軸加速度センサ26の動作、手ブレ補正回路29の動作が、「モード1」〜「モード7」に対応して書き込まれている。
【0032】
次に、以上の構成に係る本実施の形態の動作について、
図4のフローチャートに従って説明する。CPU10は、入力部22に設けられている電源キーがオン操作されて、電源が投入されると、フラッシュメモリ21に格納されているプログラムに従い、このフローチャートに示すように処理を実行する。先ず、フォトインタラプタ27からの検出信号を走査して常時監視することにより、モードダイヤル31が回転移動を開始したか否かを判断する(ステップS1)。
【0033】
ユーザが現在三角マーク32に合致している現在のモードから他のモードに変更すべく、モードダイヤル31を回転操作すると、フォトインタラプタ27は回転の開始及び回転方向を示す信号を出力する。すると、CPU10はこれを取得して、モードダイヤル31の回転移動が開始されたものと判断する(ステップS1;YES)。したがって、CPU10は、ステップS1からステップS2に処理を進めて、フォトインタラプタ27から出力された信号を移動方向を示す信号に基づき、移動方向を特定する(ステップS2)。また、モードダイヤル31が移動する前(移動を開始する直前)のダイヤルの位置が示す動作モードを特定する(ステップS3)。
【0034】
したがって、例えば
図2及び
図3に示すように、移動する前のモードが「モード3」であり、移動方向が反時計方向Bであったとすると、ステップS2の処理で反時計方向Bが特定され、ステップS3での処理により移動する前のモード「モード3」が特定される。
【0035】
なお、ステップS3での直前のダイヤル位置が示す動作モードの特定は、今回モードダイヤル31が回転を開始した時点で特定してもよいし、前回モードダイヤル31が回転されて停止したときに、モードダイヤル31の位置を検出して記憶しておき、これを読み出して特定してもよい。
【0036】
次に、先読みする動作モードの数である先読み数を最大数に設定する(ステップS4)。ここで、先読み数とは、モードダイヤル31の表面に印刷されている7種のモードにおいて、現在のモードから何個先までのモードを予め動作させるかを決定する数である。この先読み数は、ユーザが入力部22に設けられている数字キーと決定キーとを操作することにより、予めユーザにより設定された値であってもよいし、フラッシュメモリ21に予め記憶されているメーカー側が設定した値であってもよい。
【0037】
したがって、例えば先読み数が「3」であったとすると、最大数も「3」であるから、ステップS4で「3」が設定されることとなる。
【0038】
次に、現在設定されている先読み数の範囲内に存在する特定された移動方向における複数の動作モードを特定する(ステップS5)。ここで、本例では先読み数を「3」と仮定し、また、移動方向が反時計方向Bであるとした。したがって、この例の場合、
図3にも示すように、移動する前のモードが「モード3」であり、先読み数が「3」であると先読み最大数Smax=3であるから、「モード4」、「モード5」、「モード6」が先読み数の範囲内として特定される。
【0039】
引き続き、これら特定された複数の動作モード「モード4」、「モード5」、「モード6」に共通する未実行の動作があるか否かを判断する(ステップS6)。
図3のモード制御テーブル201を参照すると「DSPクロック周波数」は、「モード4」=低速、「モード5」=高速、「モード6」=高速であるから、全てのモードに共通する未実行の動作を有するものではない。しかし、「撮像素子のクロック周波数」は、「モード4」=高速、「モード5」=高速、「モード6」=高速であるから、全ての動作モードに共通する未実行の動作「高速」がある。「合成処理回路の動作」は、「モード4」=_(未定)、「モード5」=動作、「モード5」=停止であるから、全てのモードに共通する未実行の動作を有するものではない。
【0040】
また、
図3のモード制御テーブル201を参照することにより理解されるように、先読み数「3」内の「モード4」〜「モード6」において、全てのモードに共通する未実行の動作は、前述の「モード4」=高速、「モード5」=高速、「モード6」=高速である「撮像素子のクロック周波数」のみである。
【0041】
また、これによりステップS6の判断がYESとなるので、共通する動作の実行を開始する(ステップS7)。よって、本例においては、1回目のステップS7での処理により、CPU10は以下の処理を実行することになる。
(1)撮像素子14のクロック周波数を高速に設定
【0042】
なお、ステップS7及び後述のステップS10、S15に括弧書きで記載したように、動作の実行を開始することなく、予めSDRAM19に作成したおいた予約リストに、開始すべき動作を追加記憶させておくようにしてもよい。この場合、追加記憶したら即時に動作を開始してもよいし、ステップS17と「終了」の間に、予約リストの動作を開始させるステップを設け、このステップで予約リストに記憶させた全ての動作を開始させるようにしてもよい。
【0043】
このようにして、ステップS7にて先読み数の最大数内で共通する動作の実行を開始させたならば、先読み数を1つ減らす(ステップS8)。これにより、先読み数が1となったか否かを判断し(ステップS9)、「1」となっていない場合には、ステップS5に戻って、前述したステップS5からの処理を繰り返す。
【0044】
すなわち、前述のように、現在設定されている先読み数の範囲内に存在する特定された移動方向における複数の動作モードを特定する(ステップS5)。このとき、前記ステップS8での処理により、先読み数が減少して現時点では「2」となっている。したがって、移動する前のモードが「モード3」であり、先読み数が「2」であるから、「モード4」、「モード5」が特定される。
【0045】
引き続き、これら特定された複数の動作モード「モード4」、「モード5」に共通する未実行の動作があるか否かを判断する(ステップS6)。
図3のモード制御テーブル201を参照すると「DSPクロック周波数」は、「モード4」=低速、「モード5」=高速であるから、共通しない。なお、「撮像素子のクロック周波数」は、「モード4」=高速、「モード5」=高速であるから、「モード4」、「モード5」は「高速」で共通する。しかし、「撮像素子のクロック周波数」は前述のように1回目のステップS7の処理で実行済みであることから、ステップS6の「未実行」に該当せず除外される。
【0046】
「合成処理回路の動作」は、「モード4」=未定、「モード5」=動作であるから、全ての動作モードに共通する未実行の動作はない。しかし、2回目のステップS7で実行が開始される動作種別は、
図3のモード制御テーブル201を参照することにより理解されるように、下記のものがある。
○「3軸加速度センサの動作」;「モード4」=停止、「モード5」=停止・・・停止で 共通
【0047】
したがって、ステップS6の判断はYESとなり、共通する動作の実行を開始する(ステップS7)。よって、本例においては、2回目のステップS7での処理により、CPU10は以下の処理を実行することになる。
(2)3軸加速度センサ26を動作
【0048】
しかる後に、先読み数を1つ減らす(ステップS8)。これにより、先読み数が1となったか否かを判断し(ステップS9)、「1」となった場合には、ステップS10に処理を進める。
【0049】
そして、このステップS10で1つ先のモードで必要な未実行の動作を開始する。ここで、本例のようにモードダイヤル31を回転操作する直前のモードが「モード3」であったとすると、1つ先のモードは「モード4」である。また、本例においてこの時点で未実行の動作(動作種別)は、「DSPクロック周波数」、「合成回路の動作」、「メモリのアクセスモード」、「ストロボ充電」、「外部との通信接続」、「GPS回路の動作」、「手ブレ補正回路の動作」である。また。これらのうち「_」である未定の動作以外の「モード4」の未実行の動作は、下記の通りである。
○「DSPクロック周波数」;低速
○「外部との通信接続」 ;動作
○「GPS回路の動作」 ;停止
○「手ブレ補正回路の動作」;動作
【0050】
したがって、ステップS10では、「DSPクロック周波数」を「低速」で動作させ、「外部との通信接続」を「動作」させ、「GPS回路の動作」を「停止」させ、「手ブレ補正回路の動作」を動作させる。したがって、本例においては、ステップS10での処理により、CPU10は以下の処理を実行することになる。
(3)DSP18を高速クロック周波数で動作
(4)通信部30を動作
(5)GPS回路23を停止
(6)手ブレ補正回路29を動作
【0051】
次に、先読み数を1つ増やす(ステップS11)。したがって、先読み数は「1」から「2」に変化する。引き続き、現在設定されている先読み数の範囲内に存在する特定された移動方向における複数の動作モードを特定する(ステップS12)。この処理は前記ステップS5と同様の処理であり、前述と同様に、先読み数が「2」であれば「モード4」、「モード5」が先読み数の範囲内として特定される。
【0052】
引き続き、現在設定されている先読み数の位置にある動作モードで必要な動作であって、そこまでの全ての動作モードに必要な動作と矛盾しない動作を特定する(ステップS13)。ここで、「現在設定されている先読み数の位置にある動作モード」は、「モード5」である。また、この時点で未実行の動作種別は「合成処理回路の動作」、「メモリのアクセスモード」、「ストロボ充電」である。これらの、動作種別の「モード4」と「モード5」とが矛盾する動作であるか否かは下記の通りである。
○「合成処理回路の動作」 ;「モード4」=未定、「モード5」=動作・・・矛盾は しない
○「メモリのアクセスモード」;「モード4」=未定、「モード5」=高速・・・矛盾は しない
○「ストロボ充電」 ;「モード4」=未定、「モード5」=未定・・・矛盾は しない
【0053】
したがって、ステップS14で矛盾しない動作があるか否かを判断すると、この判断はYESとなる。したがって、ステップS14からステップS15に進んで矛盾しない動作の実行を開始する。しかい、「ストロボ充電」に関しては、「モード4」=未定、「モード5」=未定であるから、矛盾はしないが動作を特定できないので、動作を開始することができず、よって、ステップS15での処理対象から除外する。したがって、本例においては、ステップS15での処理により、CPU10は以下の処理を実行することになる。
(7)合成処理回路28を動作
(8)フラッシュメモリ21のアクセスモードを高速
【0054】
次に、先読み数を1つ増やす(ステップS16)。したがって、先読み数は「2」から「3」に変化する。引き続き、先読み数が最大数+1となったか否かを判断し(ステップS17)、先読み数が最大数+1となるまで、ステップS12からの処理を繰り返す。したがって、再度実行されたステップS13の処理で、下記が特定される。
○「ストロボ充電」;「モード4」=未定、「モード5」=未定、「モード6」=停止・ ・・矛盾はしない
【0055】
よって、再度実行されるステップS15の処理により、CPU10は以下の処理を実行することになる。
(9)ストロボ回路25への充電
【0056】
このとき、ユーザがモードダイヤル31を「モード3」から「モード4」、「モード5」、「モード6」のいずれかまで回転操作する際には、修敏なユーザであっても人間の操作速度の限界に起因する操作時間を要する。したがって、従来のように、モードダイヤル31が「モード4」、「モード5」、「モード6」のいずれかと合致した時点で、対応する(1)〜(9)の動作を開始させると、その動作開始は人間の操作速度の限界に応じて遅延することとなる。
【0057】
しかし、本例においては、モードダイヤル31を「モード3」から反時計方向Bに回転操作し始めた時点で、前記(1)〜(9)の動作が開始される。したがって、これらに人間の操作速度の限界に起因する動作遅延が生ずることがなく、これらの動作を伴うことを必要とする撮影を迅速に行うことができる。その結果、サクサク感とも称されるような当該デジタルカメラ1の動作は極めて機敏であるという印象をユーザに付与して、商品の品質や商品に対するイメージを高めることができる。
【0058】
しかも、動作させる複数のモードに共通する動作の有無を判断して、共通する動作を実行させるようにし、あるいは、開始させる動作に矛盾がないか否かを判断し、矛盾がない動作を実行させるようにした。よって、他のモードの動作に影響を及ぼすことなく、各モードにおいて必要な動作を遅延無く開始させることができる。
【0059】
また、現在の設定位置から1つ先のモードへ切り換える場合だけでなく、複数段階先のモードに切り換える場合であっても必要な動作を遅延無く開始させることができる。また、この場合、切り換えの途中段階で一時的に設定されるモードの動作と矛盾しない範囲で、より先のモードの動作まで開始させるので、ユーザが操作を開始してからどの位置で操作を止めた場合であっても、その停止位置のモードの動作を遅延なく実行することができる。
【0060】
なお、上記ステップS2からステップS17までの処理は、ステップS1においてダイヤルキーが回転移動を開始した後に実行されるが、ステップS17においてYESと判断されて全体の処理を終了するまでの間に次(先)のモード位置へ移動したことを検出した場合には、そのモード位置に設定されたものと判断して、上記ステップS2からステップS17までの処理を中断してステップS1に戻るようにしてもよい。この場合、そのモード位置が最終的な設定位置では無く一時的な通過位置であったとしても、そのモード位置を通過した時点で再びステップS1の処理により移動開始(通過)が検出され、そのモード位置を基点として、上記ステップS2からステップS17までの処理が再び実行される。また、ステップS17においてYESと判断されて全体の処理を終了するまでの間に次(先)のモード位置へ移動したことを検出した場合に、直ちにそのモード位置に設定されたものと判断するのではなく、その位置が所定時間継続的に検出されているか否かによって、最終的にその位置に設定されたのか、一時的な通過位置なのかを判断し、最終的にその位置に設定されたと判断された場合に上記ステップS2からステップS17までの処理を中断するようにしてもよい。
【0061】
なお、モードダイヤル31の表面には、「モード1」〜「モード7」までの各モードの配置は、共通する動作が多いもの同士を近接して配置することが好ましい。このような配置にすれば、前述したフローチャートにおけるステップS7で実行が開始される動作が多くなり、迅速に動作を開始させることができる。
【0062】
図5は、モードダイヤル311の具体例を示す平面図である。このモードダイヤル311は前述した実施の形態と同様にデジタルカメラの本体に設けられるものであって、その表面には、「連写」、「HDR(high dynamic range imaging)」、「通常」、「動画」、「BS」、「パノラマ」等が印刷されている。また、カメラ1の本体側には三角マーク321が印刷されている。
【0063】
そして、モードダイヤル311を「通常」が三角マーク321に合致している状態から、時計方向Aに回転させると、「HDR」と「連写」に共通する動作であるDSPのクロックを高速に切り換える。また、「HDR」で使用する合成処理回路の動作を開始させ、「連写」でCMOS(撮像素子)のクロックを高速に切り換える。これにより、人間の操作速度の限界に起因する動作遅延を伴うことなく、HDR及び連写を迅速に実行することが可能となる。
【0064】
なお、実施の形態においては、デジタルカメラに設けられたモードダイヤルに本発明を適用した場合を示したが、デジタルカメラに限ることなく、他の電子機器に設けられたダイヤルに適宜適用し得ることは勿論である。また、適用する操作手段もダイヤルに限らず、順次性と方向性とを有するものであれば、他の操作手段に適用することもできる。
【0065】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲を付記する。
【0066】
<請求項1>
順次性と方向性とを有し、前記順次性に対応して異なる動作モードが順次割り当てられているとともに、前記方向性に従って所定方向に操作可能な操作手段と、
この操作手段の操作に従って動作モードを切り換え設定する動作モード設定手段と、
前記操作手段の操作方向を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された操作方向において、順次割り当てられている動作モードに対応する動作を特定する特定手段と、
前記動作モード設定手段により動作モードが切り換え設定される前の段階で、前記特定手段により特定された動作を開始させる制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【0067】
<請求項2>
前記動作モード設定手段によりいずれかの動作モードが設定された場合に、この設定された動作モードに対応する動作を実行する実行手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【0068】
<請求項3>
前記検出手段は、前記操作手段が操作されたことを検出した際に、その操作の操作方向を検出し、
前記特定手段は、前記検出手段により前記操作手段の操作が検出された際に、前記動作モード設定手段により動作モードが切り換え設定される前の段階で、その操作の操作方向において、順次割り当てられている動作モードに対応する動作を特定することを特徴とする請求項1又は2記載の制御装置。
【0069】
<請求項4>
前記操作手段に順次割り当てられている各モードは複数の動作を含むものであり、
前記特定手段は、前記検出手段により検出された操作方向において、順次割り当てられている動作モードに対応する複数の動作を特定することを特徴とする請求項1又は2記載の制御装置。
【0070】
<請求項5>
前記特定手段は、前記検出手段により検出された操作方向において、順次割り当てられている複数の動作モードの各々に対応する複数の動作を特定することを特徴とする請求項4記載の制御装置。
【0071】
<請求項6>
前記特定手段により特定された複数の動作モードにおいて、共通する動作があるか否かを判断する第1判断手段を備え、
前記制御手段は、前記第1判断手段により判断された共通する動作を開始させることを特徴とする請求項5記載の制御装置。
【0072】
<請求項7>
前記特定手段により特定された複数の動作モードにおいて、矛盾しない動作があるか否かを判断する第2判断手段を備え、
前記制御手段は、前記第2判断手段により判断された矛盾しない動作を開始させることを特徴とする請求項5又は6記載の制御装置。
【0073】
<請求項8>
前記操作手段は、複数の動作モードの各々に対応する設定位置が示され、回転移動が可能なダイヤルキーであり、現在の動作モードの設定位置から次の動作モードの設定位置へ回転移動するまでに所定時間を必要とし、
前記動作モード設定手段は、前記ダイヤルキーが回転移動を開始した後にいずれかの設定位置への回転移動を完了した後に、この設定位置に対応する動作モードを設定し、
前記制御手段は、前記ダイヤルキーが回転移動を開始した後に、いずれかの設定位置への回転移動を完了したことを待たずに、前記特定手段により特定された動作を開始させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の制御装置。
【0074】
<請求項9>
請求項1乃至8のいずれかに記載の制御装置を備える撮像装置であって、
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像して得られた画像データを記録する記録手段と、
を更に備え、
前記操作手段は、前記撮像手段による撮影動作又は前記記録手段に記録されている画像データの再生動作の異なる複数の動作モードが順次割り当てられており、
前記動作モード設定手段は、この操作手段の操作に従って前記撮影動作又は前記再生動作の異なる複数の動作モードを切り換え設定し、
前記実行手段は、前記動作モード設定手段によりいずれかの動作モードが設定された場合に、この設定された動作モードに対応する前記撮影動作又は前記再生動作を実行することを特徴とする撮像装置。
【0075】
<請求項10>
複数の動作モードの各々に対応する設定位置が示され、現在の動作モードの設定位置から次の動作モードの設定位置へ移動するまでに所定時間を必要とする操作手段と、
前記操作手段の操作により現在の動作モードの設定位置からの移動開始を検出する移動開始検出手段と、
前記移動開始検出手段により移動開始を検出した際に、その移動方向を検出する移動方向検出手段と、
前記移動方向検出手段により検出された移動方向において、順次割り当てられている動作モードに対応する動作を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された動作を開始させる制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【0076】
<請求項11>
順次性と方向性とを有し、前記順次性に対応して異なる動作モードが順次割り当てられているとともに、前記方向性に従って所定方向に操作可能な操作手段を備える装置が有するコンピュータを、
前記操作手段の操作に従って動作モードを切り換え設定する動作モード設定手段と、
前記操作手段の操作方向を検出する検出手段と、
この検出手段により検出された操作方向において、順次割り当てられている動作モードに対応する動作を特定する特定手段と、
前記動作モード設定手段により動作モードが切り換え設定される前の段階で、前記特定手段により特定された動作を開始させる制御手段と、
して機能させることを特徴とする制御プログラム。
【0077】
<請求項12>
順次性と方向性とを有し、前記順次性に対応して異なる動作モードが順次割り当てられているとともに、前記方向性に従って所定方向に操作可能な操作手段を備える装置の制御方法であって、
前記操作手段の操作に従って動作モードを切り換え設定する動作モード設定ステップと、
前記操作手段の操作方向を検出する検出ステップと、
この検出ステップにより検出された操作方向において、順次割り当てられている動作モードに対応する動作を特定する特定ステップと、
前記動作モード設定ステップにより動作モードが切り換え設定される前の段階で、前記特定ステップにより特定された動作を開始させる制御ステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。