(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5954589
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】携帯機器を収容するための自動車用ホルダ
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20160707BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-540360(P2013-540360)
(86)(22)【出願日】2011年11月24日
(65)【公表番号】特表2013-543814(P2013-543814A)
(43)【公表日】2013年12月9日
(86)【国際出願番号】EP2011070916
(87)【国際公開番号】WO2012069579
(87)【国際公開日】20120531
【審査請求日】2014年8月8日
(31)【優先権主張番号】202010015867.2
(32)【優先日】2010年11月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513131110
【氏名又は名称】ブーフハルター トーマス
【氏名又は名称原語表記】BUCHHALTER Thomas
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】ブーフハルター トーマス
【審査官】
加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06035036(US,A)
【文献】
特開2001−043408(JP,A)
【文献】
特開2009−166551(JP,A)
【文献】
特開2008−195228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(1)と、携帯機器を把持するための把持具(10a、10b)とを有し、自動車内で携帯機器を収容するためのホルダであって、
前記筐体(1)は、把持操作のための専用の電源(6)を備え、
前記把持具(10a、10b)は開閉するために電気機械的に動作し、
特定の機器のための把持位置を記憶する電子ユニット(11)をさらに備え、
前記把持具(10a、10b)の開放位置は、前記把持具(10a、10b)が所定の短距離だけ離れるように動いた位置である、ホルダ。
【請求項2】
前記把持具(10a、10b)の少なくとも1つを駆動するための電気モータ(7)が設けられた、請求項1に記載のホルダ。
【請求項3】
前記電源(6)に太陽電池を設けた、請求項1または2に記載のホルダ。
【請求項4】
前記筐体(1)が、前記把持具(10a、10b)の開閉のためのセンサ(2、3)を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホルダ。
【請求項5】
前記電子ユニット(11)は、前記センサ(2、3)からのセンサ信号にしたがって前記閉開機能を制御する、請求項4に記載のホルダ。
【請求項6】
前記電子ユニット(11)は、前記把持具(10a、10b)の開閉位置を記憶する、請求項5に記載のホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の自動車内で、携帯機器、特に、ナビゲーション装置または通信装置を収容するためのホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
こういったホルダ、つまり、携帯機器用の把持装置は、例えば、独国実用新案出願公開第29618476号明細書などから知られている。既知のホルダは、筐体内で支持される2つの把持具(顎状部材)を備える。その把持具は、手で押すように構成され、把持具の所定の固定位置で携帯機器を保持する。この把持具は、様々な機器に適応できるので、こういったホルダは、様々な携帯機器に汎用的な装置として提供される。
【0003】
携帯機器は、ナビゲーション装置または通信装置であってよい。例えば、携帯電話やスマートフォンなどである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、市販のホルダは、すべて、完全に機械的に操作される。
【0005】
それらの携帯機器は、ホルダ内で機械的に把持され、または、固定される。他に、バネに押しつけられて、その後再び取り外されるものもある。
【0006】
しばしば、その操作は両手で行う必要がある。
【0007】
これは不便であり、部分的に難しく、両手を使わないと操作できない。
【0008】
よって、本発明の目的は、極力簡単に使用でき、使用者が機械的な力を加える必要がない、冒頭に記載した種類のホルダを提供することである。
【0009】
この目的は、請求項1の特徴により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、把持操作用の独立した電源が筐体に設けられ、把持具が電気機械的に動かされて開閉するように、好適に構成されている。本発明は、携帯機器を電気機械的に自動で把持することにより、上記の不都合を克服する。
【0011】
このためには、少なくとも一方の把持具を動かすための電気モータを設けることが望ましい。
【0012】
電力は、コネクタケーブルを介して、車両に搭載された供給源から供給されてよく、もしくは、統合バッテリ/アキュムレータユニットから供給されてもよい。また、それに加えて、太陽電池を設けてもよい。つまり、統合バッテリ/アキュムレータユニットは、太陽電池によって補助されてもよい。
【0013】
筐体に、把持具の開閉用センサを複数設けることが好ましい。筐体に設置されたセンサの1つにより、携帯機器の挿入を検知し、把持具を閉じるようにすることができる。必要に応じて、使用者が操作したときに、筐体の開放用センサが、把持具を開ける。
【0014】
以下、
図1を参照し、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
筐体においては、2つの把持具10a、10bが矢印の方向に動くように支持されている。筐体1の下端部には、携帯機器のための支持面が設けられ、携帯機器を下から支持することができる。携帯機器が、この面に置かれ、筐体1の後部支持面に寄りかかると、筐体1内に設置されたセンサ2が、例えば、筐体1の穴部を介して、携帯機器の存在を検知する。すると、直ちに、筐体1内に設置された電子ユニット11が、駆動モータ7が把持具10a、10bを駆動するように制御する。モータ7は、伝送ユニットを介して、把持具10a、10bと連結するのが好ましい。図示の実施形態では、伝送ユニットは、モータ7によって駆動される駆動ねじ8を備える。駆動ねじは、歯を介して、大駆動歯車9と噛合する。大歯車9は、同軸上で小歯車5と連結し、これとともに回転する。小歯車5は、2つの歯付き駆動棒4a、4bと噛合する。駆動棒は、矢印の方向に移動可能で、好ましくは、直線的に誘導される。駆動棒は、把持具10a、10bと、それぞれ結合し、固定される。小歯車5が、図面内で時計回りに回転する場合、把持具10a、10bは閉まる動きをする。一方、反時計回りに回転することにより、把持具10a、10bは開かれる。開く場合、モータ7は、反対方向に回転する。筐体に設置された開放用センサ3を介し、開閉に関する指示を受け、制御が行われる。センサ2、3は、例えば、ボタン形式や接触感知センサ形式の、光学センサ、容量センサ、または、機械式センサであってよい。省電力のセンサが好ましい。
【0017】
当然のことながら、把持具を動かすために、他の駆動伝送ユニットを使用することもできる。
【0018】
電子装置11は、特定の携帯機器のための把持位置を記憶することができる。この場合、把持具10a、10bが、所定の短距離だけ離れるように動き、把持具10a、10bの開放位置とされる。この方法により、開閉路が短くてすむので、ホルダの操作中の電力消費は低い。
【0019】
バッテリまたはアキュムレータユニットは、筐体に組み込まれていてもよい。アキュムレータは、光が入射する場合は太陽電池で充電されるように構成されると、有利である。
【0020】
電子ユニット11自体によって、把持の状態、例えば、モータ7の電力消費の増加などを検知し、簡単な方法で、把持位置の記憶を行うことができる。
【0021】
その他の機器、例えば、より幅が広い携帯機器などをホルダに挟む場合、把持具10a、10bを全開の位置まで動かすために、例えば、開放用センサ3を2度またはより長い時間、操作すれば事足りる。同様に、把持具10a、10bに接続された駆動棒4a、4bがストッパーに当接したら、電子ユニット11が全開の位置であると認識してもよい。新しい携帯機器の把持位置は、上記のようにして記憶することができる。
【0022】
特に、両手での不便な操作の必要性を回避することが目的とされる。
【0023】
ホルダは、受動的な保持ヘッドとして設計され、例えば、旋回アーム付きの吸盤などを使用して、車内、特に、ダッシュボードやフロントガラス部分に固定することで知られる、各メーカーの様々な支持システムに適用することができる。
【0024】
ホルダに、携帯機器の充電機能を設けても良い。
【0025】
電気機械的に作動できる本ホルダは、旋回可能に、かつ、携帯機器を垂直方向から水平方向に旋回できるように設計されているので、有利である。また、携帯機器のための組み込み式の充電性能を提供することが意図される。
【0026】
把持具の操作をするための電力は、ホルダに組み込まれたバッテリ/アキュムレータユニット6により提供されるのが好ましい。このユニットもまた、太陽電池によって補助してもよい。太陽電池は、光がある時にバッテリの電力消費をさらに減らす、または、日中にアキュムレータを充電する。
【0027】
電気機械式ホルダは、好ましくは、プラスチック材料で作られた筐体に収納される。
【0028】
把持機能は、電気機械的に動かされ開閉する、2つの把持具10a、10bにより行われる。
【0029】
駆動は、電気的な方法で行われると有利である。
【0030】
モータ7は、把持具10a、10bを開閉する要素4a、4b、5、8、9で形成される伝送ユニットを駆動する。
【0031】
電子ユニット11の制御は、筐体1内に設置されたセンサ2に対して携帯機器が押しつけられることによって把持操作が始まるように、設計される。
【0032】
そして、開放用センサ3により把持が解除されることが好ましい。開放用センサ3は、筐体の先端に配置することが好ましい。センサは、指で触れられる。
【0033】
幅の違う携帯端末機器への調節は、初回の動作の際に、位置を電子ユニット11に記憶することによって、自動的に行われる。
【0034】
把持の解除と把持の適切な圧力は、組み込まれた電子装置11により、認識され、記憶される。
【0035】
開放用センサ3が作動すると、把持がわずかに解除され、携帯機器を簡単に取り外すことができる。
【0036】
このように、わずかに開くので、携帯端末機器を再度、挿入して使用する際に、少し閉めるように移動するだけでよいので、電力消費の観点から好ましい。