【実施例】
【0025】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〜8及び比較例1〜8〕
皮膚化粧料として、表1に示す組成物を調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、下記表記中の%とあるのは、質量%を意味する。各組成物は水酸化カリウムによりpH5.5付近に調整した。
【0026】
(1)肌上でののび(延展性)
20名の男女(25〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌の感触について、下記の基準で評価した。
2点:肌上でののびが良いと感じた。
1点:肌上でののびがやや良いと感じた。
0点:肌上でののびが良くないと感じた。
20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:肌上でののびが非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上であり、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人又は2人:肌上でののびが良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:肌上でののびがやや良い化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌上でののびが良くない化粧料である。
【0027】
(2)肌へのなじみ性
20名の男女(25〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌の感触について、下記の基準で評価した。
2点:肌へのなじみ性が良いと感じた。
1点:肌へのなじみ性がやや良いと感じた。
0点:肌へのなじみ性が良くないと感じた。
20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:肌へのなじみ性が非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上であり、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人又は2人:肌へのなじみ性が良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:肌へのなじみ性がやや良い化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌へのなじみ性が良くない化粧料である。
【0028】
(3)エモリエント感
20名の男女(25〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌の感触について下記の基準で評価した。
2点:エモリエント感があると感じた。
1点:エモリエント感がややあると感じた。
0点:エモリエント感に乏しいと感じた。
20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:エモリエント感を非常に感じる化粧料である。
○:合計点が30点以上であり、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人又は2人:エモリエント感を感じる化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:エモリエント感をやや感じる化粧料である。
×:合計点が20点未満:エモリエント感に欠ける化粧料である。
【0029】
(4)べたつき感
20名の男女(25〜50才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布し、10分後の肌の感触について、下記の基準で評価した。
2点:肌がべたつかないと感じた。
1点:肌がややべたつくと感じた。
0点:肌がべたつくと感じた。
20名の合計値を求めて、下記の基準で評価して、表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:べたつき感を感じない化粧料である。
○:合計点が30点以上であり、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人又は2人:べたつき感をほとんど感じない化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:べたつき感をやや感じる化粧料である。
×:合計点が20点未満:べたつき感を感じる化粧料である。
【0030】
(5)持続的な保湿効果
皮膚化粧料約0.3gを前腕内側部に塗布し、塗布前と塗布2時間後の電気伝導度を、IBS社製3.5 MHz高周波伝導度測定装置SKICON 200EXを用いて測定した。5名の男女で実施し、塗布前後の電気伝導度の変化量の平均値(△μS)から、下記の基準で評価した。
◎:電気伝導度が極めて上昇(△μS≧50):持続的な保湿効果に優れる化粧料である。
○:電気伝導度が上昇(50>△μS≧30):持続的な保湿効果がある化粧料である。
△:電気伝導度がやや上昇(30>△μS≧10):持続的な保湿効果にやや欠ける化粧料である。
×:電気伝導度が変化しない(10>△μS):持続的な保湿効果に欠ける化粧料である。
【0031】
(6)化粧ノリ
人工皮革(出光テクノファイン(株)製「サプラーレ」)の 10 cm×10 cmの範囲に、皮膚化粧料約0.1gを化粧スポンジを使用して塗布した。5分間室温にて乾燥させた後、リキッドファンデーション約0.05gを化粧スポンジを使用して、重ねて塗布した。塗布した部位から任意に9点を選択し、分光色差計(日本電色工業(株)製「ZE2000」)を用いてハンター色差のL、a、b値を測色し、下記の計算式により9点間の色のバラツキ(△E)を算出した。
【0032】
(i)9点のL、a、b値それぞれの平均値を算出する。
L
AVE=(L
1+L
2+L
3+・・・+L
8+L
9)/9
a
AVE=(a
1+a
2+a
3+・・・+a
8+a
9)/9
b
AVE=(b
1+b
2+b
3+・・・+b
8+b
9)/9
(ii)任意の9点それぞれの値と平均値との色差を算出する。
△E
1=((L
1−L
AVE)
2+(a
1−a
AVE)
2+(b
1−b
AVE)
2)
1/2
△E
2=((L
2−L
AVE)
2+(a
2−a
AVE)
2+(b
2−b
AVE)
2)
1/2
△E
3=((L
3−L
AVE)
2+(a
3−a
AVE)
2+(b
3−b
AVE)
2)
1/2
・・・
△E
9=((L
9−L
AVE)
2+(a
9−a
AVE)
2+(b
9−b
AVE)
2)
1/2
(iii)任意の9点それぞれの値と平均値との色差の平均を算出する。
△E=(△E
1+△E
2+△E
3+・・・+△E
8+△E
9)/9
【0033】
そして、無塗布(皮膚化粧料を塗布していない)との値(△E
0)と比較した時の変化量(△E/△E
0)から、下記の基準で評価した。
◎:化粧ノリが極めて良好 (0.3≧△E/△E
0):化粧ノリが非常に良い化粧料である。
○:化粧ノリが良好 (0.5≧△E/△E
0>0.3):化粧ノリが良い化粧料である。
△:化粧ノリがやや良好 (1≧△E/△E
0>0.5):化粧ノリがあまり良くない化粧料である。
×:化粧ノリが良くない(△E/△E
0>1):化粧ノリが良くない化粧料である。
【0034】
【表1】
【0035】
※1:「Ceracute−L」(日油株式会社製)表1中の数字は「Ceracute−L」に含まれる(A)成分としての含有量を表す。
(Ceracute−L組成:(A)成分5%、グリセリン66.5%、1,3−ブチレングリコール28.5%)
(A)成分は、式1中のR
1及びR
2が下記表2記載の単量体60モル%と、式2中のL
1、L
2、及びR
3が下記表3記載の単量体40モル%から得られる共重合体である。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
※2:「SIMULGEL EG」(SEPPIC社製)表1中の数字は「SIMULGEL EG」に含まれるアクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体としての含有量を表す。
(SIMULGEL EGの組成:アクリル酸ナトリウムとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体37.5%、イソヘキサデカン22.5%、ポリソルベート80 7.5%、水32.5%)
※3「SIMULGEL NS」(SEPPIC社製)表1中の数字は「SIMULGEL NS」に含まれるアクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体としての含有量を表す。
(SIMULGEL NSの組成:アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリンナトリウムとの共重合体37.5%、スクワラン25.5%、ポリソルベート80 5.5%、水31.5%)
※4「AQUPEC HV−505E」(住友精化株式会社製)(カルボキシビニルポリマー)(0.5%水溶液(pH=5.5)粘度190Pa・s)
※5「AQUPEC HV−501ER」(住友精化株式会社製)(アルキル変性カルボキシビニルポリマー)(0.5%水溶液(pH=5.5)粘度140Pa・s)
【0039】
実施例1〜8の結果より、本発明の皮膚化粧料は、いずれも肌上でののびや肌へのなじみ性が良く、エモリエント感を有し、またべたつかず、持続的な保湿効果が得られ、かつ、化粧ノリに優れた効果が得られることが分かる。
他方、比較例1〜8では十分な性能が得られていない。すなわち、比較例1では、(A)成分が本発明規定の下限値より少なく、かつ、(B)成分が本発明規定の上限値を超えていることから、エモリエント感に乏しくなり、十分な保湿効果や化粧ノリの効果が得られておらず、比較例2では、(C)成分とは異なる、常温で固体のミツロウのみが配合されていることから、肌上でののびやなじみ性が悪くなり、またエモリエント感に乏しく、さらにべたつき感を生じている。比較例3では、(E)成分が配合されていないことから、十分な化粧ノリの効果が得られず、比較例4では、(B)成分が配合されていないため、肌上でののびが悪く、べたつき感を生じている。比較例5では、(A)成分が本発明規定の上限値を超えており、かつ、(C)成分が配合されていないことから、肌へのなじみ性が悪く、エモリエント感に乏しくなり、またべたつき感を生じ、さらに十分な化粧ノリの効果が得られず、比較例6では、(C)成分及び(D)成分が本発明規定の上限値を超えていることから、肌上でののびやなじみ性が悪くなり、またべたつき感を生じており、さらに十分な化粧ノリの効果が得られていない。比較例7では、(E)成分が本発明規定の上限値を超えていることから、肌上でののびやなじみ性が悪く、比較例8では、(B)成分とは粘度の異なるシリコーン油が配合されていることから、肌上でののびやなじみ性が悪くなり、またべたつき感を生じ、さらに十分な化粧ノリの効果が得られていない。