特許第5954717号(P5954717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5954717-PLMN検索時間の低減 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5954717
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】PLMN検索時間の低減
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20160707BHJP
【FI】
   H04W48/16 110
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-522200(P2014-522200)
(86)(22)【出願日】2012年7月26日
(65)【公表番号】特表2014-524216(P2014-524216A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】IB2012053812
(87)【国際公開番号】WO2013014636
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年6月1日
(31)【優先権主張番号】61/512,219
(32)【優先日】2011年7月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/622,254
(32)【優先日】2012年4月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502188642
【氏名又は名称】マーベル ワールド トレード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベン−エリ、デイビット
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0124224(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/108305(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0081433(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0197301(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04L 12/00−12/26
H04L 12/28
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末に、前記移動通信端末が通信可能な、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を少なくとも含む周波数帯域のセットの定義を格納する段階であって、各帯域は複数の周波数チャネルを含む、段階と、
前記移動通信端末で、前記周波数帯域のセットの受信信号のスペクトルをスキャンする段階と、
前記移動通信端末で、各チャネルに、そのチャネル内で利用可能なPLMNの尤度を示す銘々のランクを割り当てる段階と、
前記移動通信端末で、ランクに従って順序付けしたチャネルのランクリストを作成する段階と、
前記移動通信端末で、干渉のために互いに近くに割り当てることができない、前記周波数帯域のセットにおける周波数帯域の少なくともいくつかの部分の1以上の組み合わせを決定し、前記ランクリストから、これら部分内にあるランク付けされたチャネルを削除する段階と、
前記移動通信端末において、ランク付けされたチャネルに従って前記周波数帯域のセットに対して周波数検索を実行する段階と、
前記第1の周波数帯域の第1の部分で、仕様に従って少なくとも前記第2の周波数帯域の第2の部分の近くに割り当てることができない候補の無線ネットワークの存在を検知すると、少なくとも前記第2の部分を前記周波数検索から外す段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記定義を格納する段階は、
前記移動通信端末が、第1の無線アクセス技術(RAT)及び前記第1の無線アクセス技術とは別の第2の無線アクセス技術をそれぞれ利用して前記第1の周波数帯域及び前記第2の周波数帯域で通信することができると特定する段階を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特定する段階は、
前記移動通信端末が、前記第1の周波数帯域及び前記第2の周波数帯域の一方で、周波数分割複信(FDD)を利用して通信できると特定し、前記第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域の他方で、時分割複信(TDD)を利用して通信できると特定する段階を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記存在を検知する段階は、
いずれの無線ネットワークにもキャンプせずに、前記第1の部分を評価する段階を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記存在を検知する段階は、
前記移動通信端末が無線ネットワークにキャンプしていることを確認する段階を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記存在を検知する段階は、
前記移動通信端末が、前記セットの第3の周波数帯域で無線ネットワークにキャンプしている間に、前記第1の部分を評価する段階を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記周波数検索を実行する段階の前に、
前記移動通信端末に、前記移動通信端末が通信した1以上の前の無線ネットワークと、前記1以上の前の無線ネットワークの銘々の周波数チャネル及び国コードとを記録して、前記移動通信端末が現在特定の国で動作しており、前記特定の国に記録されている前記1以上の前の無線ネットワークの1つが前記第1の部分で動作していることを検知すると、前記周波数検索から前記第2の部分を外す段階を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記周波数検索を実行する段階は、
有効な無線ネットワークを探して前記セットの周波数帯域を検索する段階を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記候補の無線ネットワークのダウンリンクまたはアップリンク周波数が前記第1の部分にあると検知した場合に、前記周波数検索から前記第2の部分を外す段階を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記1以上の組み合わせを決定する段階は、
前記移動通信端末で、前記周波数帯域のセットについて格納されている定義に基づいて前記組み合わせを計算する段階を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記1以上の組み合わせを決定する段階は、
前記移動通信端末に前記1以上の組み合わせの予め定義された仕様を格納する段階を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
装置であって、
無線ネットワークと通信する送受信器と、
プロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記送受信器が通信可能な、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を少なくとも含む周波数帯域のセットの定義を格納し、各帯域は複数の周波数チャネルを含み、
前記プロセッサは、前記周波数帯域のセットの受信信号のスペクトルをスキャンし、各チャネルに、そのチャネル内で利用可能なPLMNの尤度を示す銘々のランクを割り当て、ランクに従って順序付けしたチャネルのランクリストを作成し、干渉のために互いに近くに割り当てることができない、前記周波数帯域のセットにおける周波数帯域の少なくともいくつかの部分の1以上の組み合わせを決定し、前記ランクリストから、これら部分内にあるランク付けされたチャネルを削除し、前記送受信器を利用して、ランク付けされたチャネルに従って前記周波数帯域のセットに対して周波数検索を実行して、前記第1の周波数帯域の第1の部分で、仕様に従って少なくとも前記第2の周波数帯域の第2の部分の近くに割り当てることができない候補の無線ネットワークの存在を検知すると、少なくとも前記第2の部分を前記周波数検索から外す、装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、第1の無線アクセス技術(RAT)及び前記第1の無線アクセス技術とは別の第2の無線アクセス技術を利用して前記第1の周波数帯域及び前記第2の周波数帯域で前記装置が通信することができると特定することで、前記定義を格納する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記送受信器がいずれの無線ネットワークにもキャンプしていない間に前記第1の部分を評価することで、前記存在を検知する、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記送受信器が無線ネットワークにキャンプしていることを確認することで、前記存在を検知する、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記送受信器が、前記セットの第3の周波数帯域で無線ネットワークにキャンプしている間に、前記第1の部分を評価することで、前記存在を検知する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記周波数検索を実行する前に、前記装置に、前記装置が通信した1以上の前の無線ネットワークと、前記1以上の前の無線ネットワークの銘々の周波数帯域及び国コードとを記録して、前記装置が現在特定の国で動作しており、前記特定の国に記録されている前記1以上の前の無線ネットワークの1つが前記第1の部分で動作していることを検知すると、前記周波数検索から前記第2の部分を外す段階を有する、請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、好適な無線ネットワークを探して前記セットの周波数帯域を検索する、請求項12から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
請求項12に記載の装置を備える移動通信端末。
【請求項20】
請求項12に記載の装置を備える移動通信端末内の信号を処理するチップセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照情報]
本願は、2011年7月27日出願の米国仮特許出願第61/512,219号と、2012年4月10日出願の米国仮特許出願第61/622,254号の恩恵を主張しており、これら開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概してモバイルネットワークに関し、特に、モバイルネットワーク帯域の選択のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
公衆携帯電話網(PLMN)は、電話通信の規制分野の用語であり、公衆に対して陸上移動通信サービスを提供することを目的として運用されているネットワークのことを指す。PLMNは、移動国コード(MCC)と移動ネットワークコード(MNC)とによって特定される。PLMNサービスに対するアクセスは、移動電話その他の無線を利用することができるユーザ機器(UE)と、陸上の無線トランスミッタまたは無線の基地局(BS)との間の無線通信に関するエアインタフェース手段によって行われる。
【0004】
PLMNは、たとえばGSM(登録商標)(global system for mobile communications)、WCDMA(wideband code-division multiple access)、または、LTE(long term evolution)等の一定の無線アクセス技術(RAT)に従って運用されている。
【0005】
GSM(登録商標)エアインタフェースは、たとえば「第三世代パートナーシッププロジェクト;技術仕様グループGSM(登録商標)/EDGE無線アクセスネットワーク;無線送受信(リリース10)」3GPP仕様TS45.005、バージョン10.1.0、2011年5月に規定されており、これをここに参照として組み込む。この規格のセクション2が、GSM(登録商標)ネットワークに割り当てることができるアップリンク及びダウンリンク周波数帯域を規定している。
【0006】
WCDMAエアインタフェースは、たとえば「第三世代パートナーシッププロジェクト;技術仕様グループ無線アクセスネットワーク;ユーザ機器(UE)無線送受信(FDD)(リリース10)」3GPP仕様TS25.101、バージョン10.2.0、2011年6月に規定されており、これをここに参照として組み込む。この規格のセクション5が、WCDMAネットワークに割り当てることができるアップリンク及びダウンリンク周波数帯域を規定している。
【0007】
LTEエアインタフェースは、たとえば「第三世代パートナーシッププロジェクト;技術仕様グループ無線アクセスネットワーク;E‐UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access);ユーザ機器(UE)無線送受信(リリース10)」3GPP仕様TS36.101、バージョン10.3.0、2011年6月に規定されており、これをここに参照として組み込む。この規格のセクション5が、LTEネットワークに割り当てることができるアップリンク及びダウンリンク周波数帯域を規定している。
【0008】
上述の記載は、この技術分野の関連技術の一般的な概略として提示されており、そこに含まれる情報のいずれかが、本特許出願に対する従来技術を構成すると自認したと捉えられるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本明細書に記載する一実施形態は、移動通信端末に、移動通信端末が通信可能な、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を少なくとも含む周波数帯域のセットの定義を格納する段階を有する方法を提供する。干渉のために互いに近くに割り当てることができない、周波数帯域のセットにおける周波数帯域の少なくともいくつかの部分の1以上の組み合わせを、移動通信端末で決定する。移動通信端末で、周波数帯域のセットに対して検索を実行する。第1の周波数帯域の第1の部分で、仕様に従って少なくとも第2の周波数帯域の第2の部分の近くに割り当てることができない候補の無線ネットワークの存在を検知すると、少なくとも第2の部分を検索から外す。
【0010】
一部の実施形態では、定義を格納する段階は、移動通信端末が、第1の無線アクセス技術(RAT)及び第1の無線アクセス技術とは別の第2の無線アクセス技術をそれぞれ利用して第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域で通信することができると特定する段階を有する。一実施形態では、特定する段階は、移動通信端末が、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域の一方で、周波数分割複信(FDD)を利用して通信できると特定し、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域の他方で、時分割複信(TDD)を利用して通信できると特定する段階を有する。
【0011】
開示されている一実施形態では、存在を検知する段階は、いずれの無線ネットワークにもキャンプせずに、第1の部分を評価する段階を有する。別の実施形態では、存在を検知する段階は、移動通信端末が無線ネットワークにキャンプしていることを確認する段階を有する。一実施形態では、存在を検知する段階は、移動通信端末が、セットの第3の周波数帯域で無線ネットワークにキャンプしている間に、第1の部分を評価する段階を有する。
【0012】
一部の実施形態では、検索を実行する段階の前に、移動通信端末に、移動通信端末が通信した1以上の前の無線ネットワークと、1以上の前の無線ネットワークの銘々の周波数チャネル及び国コードとを記録して、移動通信端末が現在特定の国で動作しており、特定の国に記録されている1以上の前の無線ネットワークの1つが第1の部分で動作していることを検知すると、検索から第2の部分を外す段階を有する。典型的には、検索を実行する段階は、有効な無線ネットワークを探してセットの周波数帯域に対して検索する段階を有する。
【0013】
一部の実施形態では、方法は、候補の無線ネットワークのダウンリンクまたはアップリンク周波数が第1の部分にあると検知した場合に、検索から第2の部分を外す段階を備える。一実施形態では、1以上の組み合わせを判断する段階は、移動通信端末で、周波数帯域のセットについて格納されている定義に基づいて組み合わせを計算する段階を有する。または、1以上の組み合わせを判断する段階は、移動通信端末に1以上の組み合わせの予め定義された仕様を格納する段階を有する。
【0014】
さらに、本明細書に記載する一実施形態では、装置であって、無線ネットワークと通信する送受信器と、プロセッサとを備え、プロセッサは、送受信器が通信可能な、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域を少なくとも含む周波数帯域のセットの定義を格納して、干渉のために互いに近くに割り当てることができない、周波数帯域のセットにおける周波数帯域の少なくともいくつかの部分の1以上の組み合わせを決定して、送受信器を利用して、周波数帯域のセットに対して検索を実行して、第1の周波数帯域の第1の部分で、仕様に従って少なくとも第2の周波数帯域の第2の部分の近くに割り当てることができない候補の無線ネットワークの存在を検知すると、少なくとも第2の部分を検索から外す、装置が提供される。
【0015】
一部の実施形態では、記載された装置を備える移動通信端末が提供される。一部の実施形態では、記載された装置を備える移動通信端末内の、信号を処理するチップセットが提供される。
【0016】
本開示は、以下に記す実施形態の詳細な説明を、以下に簡単に説明する添付図面とともに読むことでより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本明細書に記載する一実施形態における各公衆携帯電話網(PLMN)と通信するユーザ機器(UE)と、関連する周波数割り当てを示す。
【0018】
図2】本明細書に記載する一実施形態におけるPLMN検索モジュールを含むUEを概略的に示すブロック図である。
【0019】
図3】本明細書に記載する一実施形態におけるPLMN検索時間を低減するための方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
公衆携帯電話網(PLMN)検索は、ある地理的領域に位置している第1のUEが、通信の際に利用可能なPLMNの周波数スペクトルをスキャンするときに行われる。領域にはしばしば、1以上のPLMNと通信する他のUEが含まれている場合が多い。たとえば第1のUEの送信周波数が、その他のUEの受信周波数帯域の一部と重なるような場合(この逆の場合も考えられる)などに、領域の第1のUEとその他のUEとの間には干渉が生じる場合がある。干渉は、たとえば第1のUEの送信信号が、第2のUEの受信帯域の範囲内にある受信フィルタを通る際に生じる。第2のUEのレシーバは、第1のUEの送信が、第1のUEより離れている基地局から受信することが意図されている信号より強いことに起因した干渉信号によって、飽和する。
【0021】
この種類の干渉によって、1つの地理的領域のそれぞれ異なるPLMNが、周波数が重なっている帯域の割り当てられた部分となる可能性はかなり低い。さらに、もしもあるUEが、第1の帯域の第1の周波数の既存のPLMNについて知得している場合には、潜在的に干渉する第1及び第2の重なる帯域の組み合わせを含む第2の周波数帯域の部分でのPLMNの検索の回避を試み、PLMN検索時間が不当に長くならないようにするだろう。
【0022】
通常は、UEは、所定のセットの周波数帯域で周波数スキャンを実行して、通信に利用可能な候補の無線ネットワーク(候補のPLMNとも称される)を特定する。たとえばUEが2つのWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)帯域、及び、4つのGSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)帯域をサポートしている場合には、6つの帯域がスキャンされる。複数の周波数帯域をサポートしたい、グローバルな移動を可能にしたい、という需要があるために、UE(スマートフォンなど)の複雑性が増加しており、UEデバイスがスキャンする周波数帯の数が増え、PLMN検索時間も長くなっている。
【0023】
以下に記載する実施形態は、PLMN検索時間を低減する方法を提供する。PLMN検索時間の低減によって、消費電力も低減され、ひいてはUEのバッテリの寿命も延び、ユーザ体験も向上する。
【0024】
一部の実施形態では、UEのルックアップテーブル(LUT)には周波数帯域のセットの定義が格納される。UEは、LUTに、衝突したり重なったりする周波数帯域全体または周波数帯域の部分の不法な組み合わせを格納することができる。LUTまたはUEに格納されている不法な衝突の組み合わせは、帯域の定義から直接計算されたものであっても、先験的に分かっているものであってもよい。つまり、この不法な組み合わせによって、干渉が生じうる周波数帯域のセットの部分が特定される。
【0025】
PLMN検索中に、もしUEが、現在検索中の周波数帯域の第1の部分に、候補の無線ネットワークの存在を検知して、第2の周波数帯域の少なくとも第2の部分が、干渉によって第1の部分付近に割り当てることができないことをLUTに格納されている仕様が示す場合には、UEは、第2の部分を検索から外すことで、総PLMN検索時間を低減する。
【0026】
図1は、ここで記載する一実施形態における、地理的領域10内の基地局20及び24それぞれと通信する2つの無線通信端末(UE)40及び44を示している。(基地局は、様々な規格でNodeBまたはeNodeBと称される場合もある。)この例では、2人のユーザ30及び34が、UE_A及びUE_Bとそれぞれ称されるUE40及び44を操作する。
【0027】
UE_A40及び基地局20は、1つのPLMNに属しており、UE_B44及び基地局24は、別のPLMNに属している。UE_A40の適切な送信周波数が選択されていない場合には、干渉60がいずれかまたは両方のUEの通信を破損する(corrupt)場合がある。逆の場合も同様である。
【0028】
本例では、必須ではないが、両方のPLMNが、WCDMAという同じ無線アクセス技術(RAT)を利用している。別々のPLMN間の干渉60の効果をより良く示すために、WCDMA帯域を以下の表Iに示す。UE_A40は、基地局20へ、アップリンク(UL)キャリア周波数で情報を送信して、基地局20からの情報を、以下の表Iにリストされている18個のUL及びDL周波数帯域の組み合わせのうちの1つのダウンリンク(DL)キャリア周波数で受信する。
【表I】
【0029】
図1の下部に示すように、UE_A40は、ダウンリンク周波数帯域74内の(DL BAND Aとして割り当てられている)ダウンリンクチャネルで基地局の信号を受信して、アップリンク周波数帯域70内の(UL BAND Aとして割り当てられている)アップリンクチャネルで基地局に信号を送信する。同様に、UE_B44は、ダウンリンク周波数帯域82内の(DL BAND Bとして割り当てられている)ダウンリンクチャネルで信号を受信して、アップリンク周波数帯域78内の(UL BAND Bとして割り当てられている)アップリンクチャネルで信号を送信する。上述した図1の帯域は、WCDMAベースの通信の場合に表Iで帯域Iから帯域XXVと称されている18個のULとDL帯域の組み合わせに対応している。
【0030】
DL BAND A74とUL BAND B78とが重なる部分が、図1で不法衝突サブバンド86として示されている。不法衝突サブバンド86は、DL BAND A74及び/またはUL BAND B78の全てまたは一部を含んでよい。不法衝突サブバンド86は、さらに、後の実施形態では、部分的に衝突する帯域、または、部分的に衝突する帯域の重なりと称される。
【0031】
UE_B44が、UL BAND B78の重なる部分86にUL送信周波数を割り当てるPLMNと通信するとき、UE_B44の送信信号が、DL BAND A74でのUE_A40の受信と衝突する可能性がある。干渉60は、UE_A40のレシーバを飽和させたり、適切な受信と干渉したりする場合がある。こういった干渉は、UE_A40とそれぞれのPLMNとの間の通信を劣化させたり途絶させたりする場合がある。
【0032】
こういった通信の途絶は、たとえUL BAND B78のUE_BのULチャネルが、UE_A40の正確なDL受信チャネルではないが、不法に重なる衝突サブバンド86にある場合であっても生じうる。したがって、PLMNがDL BAND内にULチャネルを有している場合、その帯域は、同じ地理的領域内の異なるPLMNに割り当てられる可能性は非常に低く、こうしないと、これらPLMNに属しているUE間の干渉が許容不可能になる。他の例として、UE_B44が、UL BAND B78内であるが、不法に重なる衝突サブバンド86の外部にある信号を送信する場合には、UE_A40のパフォーマンスに影響を与えない。
【0033】
ここに示す実施形態では、UE_B44が、PLMN検索中に、BAND BのPLMNの存在を検知すると、PLMN検索から、不法に重なる衝突サブバンド86を少なくとも外して、PLMN検索時間を低減する。WCDMAのUL及びDL帯域の部分間で不法に重なる衝突サブバンドの組み合わせは、表Iから計算することができる。たとえば、UL BAND Bは、1920−1980MHz(表Iの帯域I)であり、DL BAND Aは、1930−1990MHz(表Iの帯域II)であり、重なる衝突サブバンド86は、1930−1980MHzである。表IIは、部分的に衝突するWCDMA帯域を生じさせるWCDMA帯域の組み合わせを示す。
【表II】
【0034】
ここに示す実施形態では、UEが、後述するようにPLMN検索時間を低減するよう構成されている。前述したWCDMA帯域については、UEが、第2の帯域と部分的に衝突する帯域を含むと先験的に分かっている周波数の部分を持つ第1の帯域のPLMNの存在を検知すると、UEは、第2の帯域の、重なる衝突サブバンド内の候補のPLMNを検索から外し、この結果、PLMN検索を減らす。一実施形態では、UEは、重なる衝突バンドだけではなく、第2の帯域全体を検索から外す。
【0035】
UEは通常、PLMN検索周波数の定義を格納しており、ルックアップテーブルから重なる衝突サブバンド(周波数帯域全体であっても、周波数帯域の一部であってもよい)を判断するよう構成されている。
【0036】
一部の実施形態では、PLMN検索に、重なる帯域86の外部のDL BAND A74の部分が含まれている。しかし他の実施形態では、DL BAND A74が完全にPLMN検索から外されている。2つのUEは、通常は、干渉することなく、同じUL帯域で送信を行い、同じDL帯域で受信を行うことができる。
【0037】
一部の実施形態では、帯域の外された部分が、UEが、候補の無線ネットワークを検知したものと同じ部分ではない。図1の例で説明する。一実施形態では、UEが、DL BAND B82のダウンリンクチャネルを受信することにより、BAND BのPLMNを検知する。DL BAND B82自身は、他の帯域のいずれとも重なっていない。しかしながら、帯域の定義によると、UEは、対応するULチャネル(UL BAND B78内のほう)がDL BAND A74と重なると結論付けている。この結論に基づいて、UEは検索からBAND Aの重なっているサブバンド86を少なくとも外す。
【0038】
別の例として、UE_A40がDL BAND B74のDLチャネルを重なるサブバンド86内に検知した場合、このサブバンドで割り当てられているULチャネルがないという結論になる場合もある。この結論に基づいて、UE_Aは、DL BAND B82が重なるサブバンド86外にあるにも関わらず、DL BAND B82の対応する領域をPLMN検索から外す。
【0039】
図1に示す実施形態は、例として選ばれただけであり、限定ではない。図1に示すシナリオは、純粋な例であり、実際には通常生じない。というのも、2つのPLMNは通常、同じ領域に重なる周波数帯域を割り当てないからである。
【0040】
PLMN検索は通常様々なシナリオで開始される。たとえばUEに電源が投入されると、PLMN検索が開始される。手動のPLMNは、たとえばユーザが、ユーザのホームPLMNの外にいる場合(たとえばユーザが別の国におり、先験的に低使用料金であると先験的に分かっている特定のPLMNを選択したいと望む場合など)に、ユーザにより開始されてよい。これらのシナリオは通常、UEが電源を投入されたときに一度だけ行われる。
【0041】
他のシナリオでは、たとえばUEがローミングしており、ホームPLMNに対して繰り返し検索を行うような場合、UEは、PLMN検索を繰り返し開始させるが、これは利用可能なときに選択される。緊急モードでは、UEは、限定的なPLMNで限られた無線サービスを提供される。繰り返しPLMN検索(repeated PLMN searches)は通常、UEを、緊急モードから別のPLMNの通常機能に戻らせるときに実行される。別のシナリオでは、UEがPLMNを1つも発見できないときに、サービス停止(OOS)状態が生じる。UEは次に、繰り返しPLMN検索を実行して、利用可能なPLMNを発見すると、UEは通常機能に戻ることができる。
【0042】
一実施形態では、PLMN検索を実行するときに、UEがキャンプしていたり(camped)、または、特定の帯域で特定のPLMNと既に通信中であったりする場合がある。この場合には、UEはキャンプしているPLMNを、「検知したPLMN」と認識して、このPLMNと不法に重なるサブバンドを、PLMN検索から外すことができる。たとえばUEが、衝突サブバンド内の帯域I(またはII)のPLMNにキャンプしている場合、UEは、帯域II(またはI)に生じる衝突サブバンドをそれぞれ外すことができる。
【0043】
図2は、本明細書に記載する一実施形態におけるPLMN検索モジュール140を含むUE100を概略的に示すブロック図である。UE100は、アンテナ110と、RFフロントエンドブロック120と、UEプロセッサ130と、ルックアップテーブル(LUT)150とを含む。RFフロントエンドブロック120は、ここでは、送受信器(トランスミッタ/レシーバ)と称されることもある。
【0044】
LUT150は、潜在的な干渉のせいで同じ地理的領域に割り当てることができない帯域の部分の組み合わせを保持している。RFフロントエンドブロック120は、UEがPLMNと通信しているときに、送信(UL)及び受信(DL)信号を制御する。プロセッサ130は、PLMN検索モジュール140を含み、PLMN検索モジュール140は、本明細書に記載する向上したPLMN検索プロセスを実行する。
【0045】
図2に示すUEの構成は、構成の一例であり、明瞭性のみを優先させて選択されたものである。別の実施形態では、いずれの他の適切なUEの構成を適用してもよい。開示する技術を理解するために必須ではないUEの部材(たとえば送信回路)は、明瞭性を優先させて図面から省かれている場合もある。
【0046】
PLMN検索モジュール140は、独立モジュール、別個のチップ、またはUEに含まれるチップセットに埋め込まれたユニットとして実装可能である。UE100の一定の部材(たとえばPLMN検索モジュール140を含むプロセッサ130等)は、ソフトウェアに実装されてここに記載される機能を実行してもよい。LUT150は、任意の適切なタイプのメモリ(たとえばRAM、ROM,またはフラッシュメモリ)に実装されてもよい。
【0047】
プロセッサ130はハードウェアに(たとえばUEに含まれるチップセットの1以上に直接、または、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に)実装することもできる。これに加えてまたはこれに代えて、一部のプロセッサ部材を、ソフトウェアを利用して、または、ハードウェア部材及びソフトウェア部材の組み合わせを利用して実装することもできる。一部の実施形態では、プロセッサ130が、汎用コンピュータ(本明細書に記載する機能を実施するようソフトウェアにプログラミングされる)を含む。ソフトウェアは、たとえばネットワーク経由で、電子形態でコンピュータにダウンロードすることもできるし、これに加えてまたはこれに代えて、持続的な有形の媒体(たとえば磁気メモリ、光メモリ、または電子メモリ)で提供され、及び/または、これらの媒体に格納されてもよい。
【0048】
一部の実施形態では、UE100は、LUTその他のメモリに、該UEが前に通信したPLMNの履歴を記録するためのデータベースを含んでもよい。あるPLMNについて、データベースは、たとえば前のPLMNの移動国コード(MCC)、移動ネットワークコード(MNC)、それぞれの周波数チャネル、さらに任意で別のパラメータを格納してよい。
【0049】
たとえばUEが、「国1」という国のMCCのWCDMA帯域IVにキャンプしており、PLMN検索を開始する場合、またはUEがMCC=「国1」で有効なPLMNをWCDMA帯域IVに配置した直後にPLMN検索を開始した場合、UE100は、格納されているデータベースを検索して、前に、帯域IIの衝突サブバンド内にある帯域IのWCDMAチャネルを利用するMCC=国1のPLMNを特定したことを認識する。この情報によって、UEが、WCDMA帯域Iの有効なPLMNを検知する前であっても、WCDMA帯域IIの不法に重なる衝突サブバンドをスキャンしてしまわないようにできる。
【0050】
他の実施形態では、UEが、以下の表IIIに示されているGSM(登録商標)をサポートしていてもよい。UEは、GSM(登録商標)の重なる衝突サブバンド情報を格納しているが、これはLUT150の表IIIから計算されたものであってよい。たとえばDCS-1800及びPCS‐1900帯域を例にとって説明する。UL BAND B74がPCS‐1900について1850.2−1910.2MHzであり、1805.2−1879.8MHzのDL BAND A(DCS‐1800のDLの周波数帯域である)と重なっている場合、このGSM(登録商標)シナリオにおいては、重なる衝突サブバンド86が1850.2−1879.8MHzである。P、E,R,T−GSM(登録商標)−900のGSM(登録商標)−850の組み合わせについて、他の不法なGSM(登録商標)の重なる衝突サブバンドが生じる。
【表III】
【0051】
他の実施形態では、UEがLTE帯域をサポートしていてよく、この例を以下の表IVに示す。最初の10個のLTE帯域は、表Iに示すWCDMA帯域と同じである。UEは通常、LUT150に、表IVから得ることができる不法なLTEの重なる衝突帯域の組み合わせを格納している。表IVはさらに、複信モード(つまりUL帯域及びDL帯域が周波数分割複信(FDD)または時分割複信(TDD)通信方式)を利用するかどうか)もリストしている。LTE TDDについては、UL帯域及びDL帯域が両方とも同じ周波数帯域である。したがってTDD帯域のPLMNは、FDD PLMNのDLまたはULチャネルがTDD周波数帯域と重なっているFDD帯域のPLMNと一緒に用いる(collocated)ことはできない。
【0052】
他の実施形態では、複数の無線アクセス技術(マルチRAT)をサポートしているUEは、LTE、WCDMA,及びGSM(登録商標)等の異なるRAT間の部分的に重なる衝突サブバンドを特定することもできる。たとえば以下の表Vは、部分的に重なる衝突サブバンドをもつGSM(登録商標)とWCDMA周波数帯域との組み合わせのリストを含んでいる。1つのRATの場合に前述した省略の基準を、マルチRATにも拡張することができる。UEが帯域Aの第1のRAT内のPLMNを検知して、このPLMNが第2のRATの帯域Bの衝突領域内にある場合には、UEは、帯域Bの衝突重なりサブバンドをPLMN検索から外す。
【表IV】
【表V】
【0053】
図3は、本明細書に記載する一実施形態におけるPLMN検索時間を低減するための方法を概略的に示すフローチャートである。格納動作200において、UE100のプロセッサ130は、LUT150に、UEが動作及び通信可能な周波数帯域のセットの定義を格納する。各帯域は複数の周波数チャネルを含んでいる。定義は、少なくとも第1および第2の周波数帯域を含み、図1に示すように、第1の周波数帯域の一部と第2の周波数帯域の一部とが、部分的に重なる衝突周波数サブバンド86を生じさせる可能性がある。
【0054】
スキャン動作205において、UE100のプロセッサ130のPLMN検索モジュール140は、UEがサポートしている帯域の受信信号のスペクトル(通常は、格納動作200で格納した帯域のチャネルすべて)をスキャンする。割り当て動作213で、モジュール140は、各チャネルに、そのチャネル内で利用可能なPLMNの尤度を示す銘々のランクを割り当てる。次にモジュール140は、ランクに従って順序付けしたチャネルのランクリストを作成する。ランクリストは、前述したメモリに格納されている領域の利用可能なPLMNの前の周波数帯域情報に基づいてチャネルの順序を変更することもできる。ランクリストの周波数チャネルは、UEが利用可能なPLMNを検索する際に利用される。
【0055】
決定動作217において、モジュール140は、干渉のために互いの近くに割り当てることができない、セット内の周波数帯域の部分の1以上の組み合わせを決定する。言い換えると、モジュール140は、サブバンド86等の衝突サブバンドを特定して、ランクリストから、これら部分内にあるランク付けされたチャネルを削除する。通常、モジュール140は、ランクリストから周波数衝突サブバンド内にあるチャネルを削除するために、ランクリストと任意の適切な前の情報を利用する。この動作は、通常、PLMN検索プロセスを開始する前に実行され、PLMN検索時間が低減される。
【0056】
一実施形態では、プロセッサは、動作200で格納された定義から、不法に重なる衝突サブバンドを直接計算する。そして、モジュール140は、UEがキャンプしている現在のPLMN周波数チャネル、前のPLMN検索(特に、UEが通信している地理的領域の前のPLMN検索)で格納された他のPLMN周波数チャネル情報等の情報を利用することで、ランクリストから、周波数衝突サブバンドを削除してよい。
【0057】
したがって、PLMN検索が始まる前であっても、UEは既に、利用可能なPLMNを検索するための潜在的な周波数チャネルのランクリストを減らすことができており、これにより検索時間も低減される。
【0058】
検索動作220において、PLMN検索モジュール140は、UEで、ランク付けされたチャネルに従って周波数帯域のセットにおいて周波数検索を実施する。検索動作220は、ランクチャネルリストの最高ランクの周波数チャネルを利用して、利用可能なPLMNを検索することで開始され、最高ランクの周波数チャネルに有効なPLMNが存在しているかの特定を試みる。一部の実施形態では、周波数チャネルに有効なPLMNが存在している場合、UEは、チャネルに関するシステム情報ブロック(SIB)を読み取ることで、基地局が最高ランクの周波数チャネルで送信したRAT固有の同期信号との同期を試みる。同期の試みが失敗すると、UEは、ランクリストの次に高いランクの周波数チャネルを試す、等々である。
【0059】
同期の試みが成功すると、モジュール140は、第1の決定動作230で、検索によって、サポートされている周波数帯域のセット内の第2の帯域の第2の部分の近くに割り当てることができない第1の周波数帯域の1の部分に、候補の無線PLMNネットワークの存在が検知されたかを(つまり、不法な周波数の重なりの組み合わせが存在しているかを)チェックする。存在が検知された場合には、PLMN検索モジュールは、削除動作240で、少なくとも第2の周波数帯域の第2の部分を検索から外し、帯域の第2の部分をランクリストから外す。検知されなかった場合には、動作240は省略する。
【0060】
第2の決定動作250では、モジュール140が、LUT150の周波数帯域のセット及びランクリストのサブバンドに従って、PLMN検索が完了したかをチェックする。完了している場合には、終了動作260で、検索を終了して、結果をUEプロセッサに報告する。完了していない場合には、方法は上述した220にループバックして、モジュール140が周波数の検索を続ける。
【0061】
一部の実施形態では、報告されたPLMN検索の結果は、おそらく対応する周波数チャネル、他のRAT固有パラメータ及び品質スコアを持つ利用可能な1以上の候補のPLMNを示す報告表を含んでいる。一部の実施形態では、UEプロセッサは、好適な無線ネットワーク(たとえば好適なPLMN)を検索結果から選択する。
【0062】
また別の実施形態では、候補のネットワークの存在を検知するための決定ステップ230は、さらに、第1の周波数帯域の第1の部分を評価して、UEが候補のPLMNと同期して、システム情報ブロック(SIB)を読み出し、ネットワークパラメータを抽出することができるかを検証する(たとえば、PLMNが、ユーザに割り当てられているホームPLMNであるかを判断する)。
【0063】
PLMN検索を実施するときには、ランクのみによって検索から帯域の部分を外さないことを推奨する。これは、ランクを得るために行う測定に歪みがある可能性があるからである。SIBは通常、巡回冗長検査(CRC))により保護されているので、非常に高い尤度のPLMNを特定するための選択肢の1つは、SIBをデコードすることである。
【0064】
本明細書に記載する実施形態は、セルラーネットワークでのPLMNの検索時間を低減することに主眼を置いたが、本明細書に記載する方法及びシステムは、異なる帯域が定義され、帯域の組み合わせの一部が衝突して両立できない、他のいずれの無線システムにも適用可能である。
【0065】
本明細書に記載する実施形態は、例示であり、本発明は上記したまたは図示した具体的な例に限定はされない。本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせ及びサブコンビネーションを含み、さらには、上述した先行技術に開示されていない記載を読んだ当業者であれば想到する変形例及び変更例を含む。本特許出願に参照として組み込まれた文献は、本願を一体的になす一部としてみなされるが、組み込まれている文献で定義されている用語が、本明細書で明示的または暗示的になされている定義と矛盾する場合には、本明細書の定義が優先する。
図1
図2
図3