【文献】
Uplink Multi-Antenna Power Control,3GPP TSG RAN WG1 meeting #60bis, R1-101949,2010年 4月12日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60b/Docs/R1-101949.zip
【文献】
Sounding Reference Signal (SRS) Power Setting,3GPP TSG RAN1 #50bis, R1-074037,2007年10月12日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_50b/Docs/R1-074037.zip
【文献】
Huawei,Uplink Multi-Antenna Power Control,3GPP TSG-RAN WG1 meeting#61,3GPP,2010年 5月14日,R1-103094
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
チャネル品質を推定するための参照信号として、互いに送信間隔の異なる第1のSRS(Sounding Reference Signal)及び第2のSRSを生成する参照信号生成部と、
送信間隔が長いほど、SRSの送信電力を制御するためのオフセット値が大きくなるように、前記第1のSRSを送信する際の送信電力を制御するための第1のオフセット値と、前記第2のSRSを送信する際の送信電力を制御するための第2のオフセット値とを、互いに異なる値に設定するオフセット設定部と、
前記第1のオフセット値にもとづいて制御された送信電力で前記第1のSRSを送信し、前記第2のオフセット値にもとづいて制御された送信電力で前記第2のSRSを送信する送信部と、
を備える端末装置。
前記オフセット設定部は、基地局から指定された送信電力オフセット値に補正値を加えることによって、前記第1のオフセット値及び前記第2のオフセット値の各々を設定する
請求項1又は2に記載の端末装置。
チャネル品質を推定するための参照信号として、互いに送信間隔の異なる第1のSRS(Sounding Reference Signal)及び第2のSRSを生成し、
送信間隔が長いほど、SRSの送信電力を制御するためのオフセット値が大きくなるように、前記第1のSRSを送信する際の送信電力を制御するための第1のオフセット値と、前記第2のSRSを送信する際の送信電力を制御するための第2のオフセット値とを、互いに異なる値に設定し、
前記第1のオフセット値にもとづいて制御された送信電力で前記第1のSRSを送信し、前記第2のオフセット値にもとづいて制御された送信電力で前記第2のSRSを送信する、
参照信号の電力制御方法。
チャネル品質を推定するための参照信号として、互いに送信間隔の異なる第1のSRS(Sounding Reference Signal)及び第2のSRSを生成する生成処理と、
送信間隔が長いほど、SRSの送信電力を制御するためのオフセット値が大きくなるように、前記第1のSRSを送信する際の送信電力を制御するための第1のオフセット値と、前記第2のSRSを送信する際の送信電力を制御するための第2のオフセット値とを、互いに異なる値に設定する設定処理と、
前記第1のオフセット値にもとづいて制御された送信電力で前記第1のSRSを送信し、前記第2のオフセット値にもとづいて制御された送信電力で前記第2のSRSを送信する送信処理と、
を制御する集積回路。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の各実施の形態に係る端末(無線通信装置)は、式(1)と同様にして、PUSCHの送信電力にオフセット値を加えて、SRSの送信電力を制御する。
【0021】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る端末100の構成を
図2に示す。
図2に示す端末100において、RS生成部101は、RS用系列(SRS。例えば、ZC(Zadoff-Chu)系列)を生成し、生成したRS用系列を位相回転部102に出力する。
【0022】
位相回転部102は、基地局から指示された、時間領域の巡回シフト量(CS(Cyclic Shift)量。図示せず)に相当する位相回転を、RS生成部101から入力されるRS用系列に施し、位相回転後のRS用系列をマッピング部103に出力する。ここで、RS用系列の各サンプルはサブキャリアに割り当てられるので、RS用系列は周波数領域の信号である。よって、位相回転部102における周波数領域での位相回転処理は、時間領域での巡回シフト処理と等価である。
【0023】
マッピング部103は、基地局から指示された周波数リソース割当情報(図示せず)に基づいて、位相回転部102から入力される位相回転後のRS用系列を、周波数リソースである複数のサブキャリアにマッピングしてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部104に出力する。
【0024】
IFFT部104は、RS用系列がマッピングされた複数のサブキャリアに対してIFFT処理を行い、IFFT処理後の信号をCP(Cyclic Prefix)付加部105に出力する。
【0025】
CP付加部105は、IFFT部104から入力されるIFFT後の信号の後尾部分と同じ信号をCPとして先頭に付加し、CP付加後の信号(SRS)を送信部109(D/A部110)に出力する。
【0026】
オフセット設定部106は、経過時間算出部107及びオフセット値決定部108で構成され、RS用系列(SRS)の送信電力を設定する際に用いる、PUSCHの送信電力に対するオフセット値(以下、送信電力オフセット値と称する。つまり、式(1)に示すP
SRS_OFFSETに対応する値)を設定する。
【0027】
具体的には、経過時間算出部107は、端末100が前回送信した上り回線チャネル(例えば、PUSCH、PUCCH及びSRSを含む上り回線信号)の送信時刻から今回送信するSRSの送信時刻までの経過時間を算出する。そして、経過時間算出部107は、算出した経過時間をオフセット値決定部108に出力する。
【0028】
オフセット値決定部108は、まず、経過時間算出部107から入力される経過時間に応じて、基地局から指示されるオフセット値(つまり、式(1)のP
SRS_OFFSET)の補正値を設定する。そして、オフセット値決定部108は、基地局から指示されるオフセット値を、設定した補正値で補正することにより、送信電力オフセット値を決定する。そして、オフセット値決定部108は、送信電力オフセット値を送信部109(送信電力制御部111)に出力する。なお、オフセット設定部106における送信電力オフセット値の設定処理の詳細については後述する。
【0029】
送信部109は、D/A部110、送信電力制御部111及びアップコンバート部112で構成され、CP付加部105から入力される信号(SRS)に対して、DA変換、増幅及びアップコンバート等の送信処理を行う。
【0030】
具体的には、送信部109のD/A部110は、CP付加部105から入力される信号(SRS)をD/A変換し、D/A変換後の信号(SRS)を送信電力制御部111に出力する。
【0031】
送信電力制御部111は、オフセット値決定部108から入力される送信電力オフセット値を用いて、D/A部110から入力されるCP付加後の信号(SRS)の送信電力を制御し、送信電力制御後の信号をアップコンバート部112に出力する。すなわち、送信電力制御部111は、オフセット値決定部108で設定された、オフセット値の補正値を用いて、SRSの送信電力を制御する。
【0032】
アップコンバート部112は、送信電力制御部111から入力される送信電力制御後の信号に対し、搬送波周波数へ周波数変換を行う。そして、アップコンバート部112は、周波数変換された送信処理後の信号をアンテナ113から送信する。これにより、送信電力制御部111で制御された送信電力でSRSが送信される。
【0033】
例えば、本実施の形態では、サブフレーム(sub-frame)#iにおけるSRSの送信電力P
SRS(i)は次式(2)に従って求められる。
【数2】
【0034】
式(2)において、P
CMAX[dBm]は端末100が送信可能なSRSの最大送信電力を示し、P
SRS_OFFSET[dBm]は端末100が送信するPUSCHの送信電力に対するオフセット値(基地局から設定されるパラメータ)を示し、M
SRSはSRSに割り当てられる周波数リソースブロック数を示し、P
O_PUSCH[dBm]はPUSCHの送信電力の初期値(基地局から設定されるパラメータ)を示し、PLは端末100が測定したパスロスレベル[dB]を示し、αはパスロス(PL)の補償割合を表す重み係数(基地局から設定されるパラメータ)を示し、f(i)はクローズドループ制御されるTPCコマンド(制御値。例えば、+3dB、+1dB、0dB、−1dB)の過去の値を含めたサブフレーム#iにおける累計値を示す。また、式(2)において、Δ
offsetは経過時間算出部107で算出された経過時間に対応付けられた、オフセット値P
SRS_OFFSETの補正値を示す。
【0035】
つまり、オフセット値決定部108は、式(2)に示されるように、経過時間算出部107で算出された経過時間に基づいて、基地局から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETを補正する補正値Δ
offsetを設定する。そして、オフセット値決定部108は、式(2)に示されるように、オフセット値P
SRS_OFFSETに補正値Δ
offsetを加えることにより、送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を決定する。そして、送信電力制御部111は、オフセット値決定部108から入力される送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を用いて、式(2)に従って、SRSの送信電力P
SRS(i)を制御する。
【0036】
次に、本実施の形態に係る基地局200の構成を
図3に示す。
図3に示す基地局200において、受信部202は、端末100(
図2)から送信された信号をアンテナ201を介して受信し、受信された信号に対しダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を行う。端末100から送信される信号にはSRSが含まれる。そして、受信部202は、受信処理後の信号をCP除去部203に出力する。
【0037】
CP除去部203は、受信部202から入力される受信処理後の信号の先頭に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT(Fast Fourier Transform)部204に出力する。
【0038】
FFT部204は、CP除去部203から入力されるCP除去後の信号に対してFFT処理を行って周波数領域の信号に変換し、周波数領域の信号をデマッピング部205に出力する。
【0039】
デマッピング部205は、基地局200が端末100(通信対象である所望端末)に指示した、所望端末向けの周波数リソース割当情報に基づいて、FFT部204から入力される周波数領域の信号から、所望端末の送信帯域(周波数リソース)に対応する信号(つまり、SRS)を抽出する。そして、デマッピング部205は、抽出した信号(SRS)をSRS用SINR測定部207に出力する。
【0040】
巡回シフト量設定部206は、基地局200が端末100(所望端末)に指示した、所望端末の巡回シフト量を、SRS用SINR測定部207に出力する。
【0041】
SRS用SINR測定部207は、デマッピング部205から入力されるSRSと、送受信間で既知であるRS用系列とを複素除算して周波数領域の相関信号を求める。次いで、SRS用SINR測定部207は、周波数領域の相関信号に対してIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)処理を行い、時間領域の相関信号(つまり、遅延プロファイル)を算出する。この遅延プロファイルには、複数の端末のSRSが含まれている。そこで、SRS用SINR測定部207は、巡回シフト量設定部206から入力される、所望端末の巡回シフト量を用いて、遅延プロファイルのうち、所望端末の巡回シフト量に相当する部分以外をマスクすることにより、所望端末のSRSのSINR測定値(SRS用SINR測定値)を算出する。そして、SRS用SINR測定部207は、算出したSRS用SINR測定値を、データ用SINR導出部209に出力する。
【0042】
オフセット設定部208は、端末100のオフセット設定部106と同様の処理を行う。つまり、オフセット設定部208は、端末100(所望端末)から送信されるSRSの送信電力設定の際に用いる、PUSCHに対する送信電力のオフセット(送信電力オフセット値。つまり、式(2)に示す(P
SRS_OFFSET+Δ
offset))を設定する。すなわち、オフセット設定部208は、所望端末から前回送信された上り回線チャネルの送信時刻から今回送信されたSRSの送信時刻までの経過時間に応じて、オフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定し、送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を決定する。そして、オフセット設定部208は、決定した送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)をデータ用SINR導出部209に出力する。
【0043】
データ用SINR導出部209は、SRS用SINR測定部207から入力されるSRS用SINR測定値、及び、オフセット設定部208から入力される送信電力オフセット値を用いて、上り回線データ(つまり、PUSCH)のSINR(データ用SINR測定値)を導出する。具体的には、データ用SINR導出部209は、送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を用いて、次式(3)に従って、データ用SINR測定値を導出する。
データ用SINR測定値=SRS用SINR測定値−(P
SRS_OFFSET+Δ
offset) (3)
【0044】
そして、基地局200は、データ用SINR導出部209で導出されたデータ用SINR測定値などを用いて、端末100のスケジューリング(例えば、周波数リソース割当及びMCS選択)を行う。
【0045】
なお、基地局200において、巡回シフト量設定部206、SRS用SINR測定部207、オフセット設定部208およびデータ用SINR導出部209を含むチャネル品質導出部210を構成してもよい。
【0046】
次に、端末100のオフセット設定部106(
図2)における送信電力オフセット値の設定処理の詳細について説明する。
【0047】
ここで、端末100のパワーアンプ(PA:Power Amplifier)の温度は時間の経過に伴い変化するので、PAの増幅特性は時間の経過とともに変化する。このため、上り回線チャネル(PUSCH、PUCCH及びSRSを含む上り回線信号)の送信時間間隔が長いほど、端末100におけるPAの増幅特性の変化度合はより大きくなる。つまり、上り回線チャネルの送信時間間隔が長いほど、TPC誤差はより大きくなることが想定される。
【0048】
すなわち、端末100では、前回送信された上り回線チャネルの送信時刻から今回送信される上り回線チャネルの送信時刻までの経過時間(送信時間間隔)に応じてTPC誤差は異なる。具体的には、前回送信された上り回線チャネルの送信時刻から今回送信される上り回線チャネルの送信時刻までの経過時間(送信時間間隔)が短いほど、TPC誤差はより小さくなる。
【0049】
そこで、オフセット設定部106は、前回送信された上り回線チャネルの送信時刻から今回送信されるSRSの送信時刻までの経過時間(送信時間間隔)に応じて、SRSの送信電力設定の際に用いる送信電力オフセット値(式(2)に示す(P
SRS_OFFSET+Δ
offset))を設定する。
【0050】
なお、以下の説明では、端末100は、式(2)に示す送信電力式を用いてSRSの送信電力P
SRS(i)を算出する。また、式(2)に示すP
SRS_OFFSETは、想定される最大TPC誤差を基準に設定されている。つまり、式(2)に示すP
SRS_OFFSETは、想定される最大TPC誤差が生じた場合でも基地局200でのSRSのSINR測定精度の劣化が少なくなるように、あるいは劣化しないように設定されたパラメータである。また、式(2)に示すP
SRS_OFFSETは、基地局200から端末100へ通知(指示)される。また、以下の説明では、前回送信された上り回線チャネルの送信時刻から今回送信されるSRSの送信時刻までの経過時間(送信時間間隔)Tが20ms以下の場合をTPC誤差が小さい場合とし、経過時間Tが20msより長い場合をTPC誤差が大きい場合とする。
【0051】
経過時間算出部107は、前回送信された上り回線チャネルの送信時刻から今回送信されるSRSの送信時刻までの経過時間Tを算出する。
【0052】
次いで、オフセット値決定部108は、経過時間算出部107が算出した経過時間Tに応じて、基地局200から指示されたオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定する。
【0053】
例えば、
図4に示すように、オフセット値決定部108は、経過時間Tが20msec以下の場合(TPC誤差が小さい場合)、補正値Δ
offsetを−6dBに設定する。一方、
図4に示すように、オフセット値決定部108は、経過時間Tが20msecより長い場合(TPC誤差が大きい場合)、補正値Δ
offsetを0dBに設定する。そして、オフセット値決定部108は、基地局200から指示されたオフセット値P
SRS_OFFSETに補正値Δ
offsetを加えることで、送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を決定する。
【0054】
つまり、基地局200から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETが、想定される最大TPC誤差を基準に設定されている場合、オフセット値決定部108は、経過時間Tが長い場合(
図4ではT>20msの場合)、補正値Δ
offsetを0dBに設定して、基地局200から指示されたオフセット値P
SRS_OFFSETを、送信電力オフセット値としてそのまま用いる。一方、オフセット値決定部108は、経過時間Tが短い場合(
図4ではT≦20msの場合)、補正値Δ
offsetを−6dBに設定して、基地局200から指示されたオフセット値P
SRS_OFFSETをより小さい値に補正して、オフセット値P
SRS_OFFSETよりも小さい値を送信電力オフセット値として設定する。
【0055】
このように、端末100は、前回送信された上り回線チャネルと、今回送信されるSRSとの間の送信時間間隔(経過時間T)に応じて、基地局200から指示されたオフセット値の補正値として異なる値を設定する。具体的には、端末100は、経過時間Tが短い場合(
図4ではT≦20msの場合。つまり、TPC誤差が小さい場合)のSRSの送信電力P
SRS(i)が、経過時間Tが長い場合(
図4ではT>20msの場合。つまり、TPC誤差が大きい場合)のSRSの送信電力P
SRS(i)よりも低くなるように、補正値Δ
offsetを設定する。つまり、端末100は、経過時間Tが短くなるほど、SRSの送信電力P
SRS(i)をより小さく設定する。
【0056】
ここで、上述したように、経過時間Tが短いほどTPC誤差が小さい。よって、端末100が、経過時間Tが短い場合(
図4ではT≦20msの場合)にSRSの送信電力をより小さく設定しても、TPC誤差の影響により受信SINRが或るレベル(
図1では0dB以下)まで低くなる可能性は低く、基地局200におけるSINR測定精度が劣化する可能性は低くなる。
【0057】
つまり、端末100は、経過時間Tに応じて基地局200から指示されたオフセット値を補正することにより、基地局200で所望の受信SINR(SINR測定精度が劣化しない受信SINR)を得ることができる必要最低限の送信電力まで、SRSの送信電力を低く設定することが可能となる。これにより、基地局200でのSRSのSINR測定精度(チャネル品質精度)を確保しつつ、端末100での消費電力を必要最低限に抑えることが可能となる。換言すると、端末100では、想定されるTPC誤差に応じた適切なSRSの送信電力を設定することにより、無駄な消費電力を削減することができる。
【0058】
このようにして、本実施の形態によれば、端末は、前回送信された上り回線チャネル(上り回線信号)と、今回送信されるSRSとの間の送信条件(ここでは送信時間間隔)に応じて、送信電力オフセット値を設定する。これにより、端末では、上記送信時間間隔が短いほど、つまり、TPC誤差の影響が小さいほど、SRSの送信電力をより小さくすることが可能となる。これにより、基地局におけるTPC誤差によるSINR測定精度の劣化を防止しつつ、端末の消費電力の増加を抑えることができる。また、本実施の形態によれば、端末は、SRSの送信電力を必要最低限に抑えることで、セル間干渉を低減することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、例えば、
図4に示す経過時間Tと補正値Δ
offsetとの対応付けをシステムで予め定義する場合、SRS送信電力制御のためのSRS送信毎のシグナリングは不要となる。又は、
図4に示す経過時間Tと補正値Δ
offsetとの対応付けをパラメータとして基地局から端末へ予め通知する場合には、そのパラメータは比較的長い周期、若しくは、1度だけ端末へ通知されればよく、SRS送信電力制御のためのSRS送信毎のシグナリングは不要となる。よって、これらの場合には、SRSの送信電力制御に要するシグナリングのオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
【0060】
さらに、本実施の形態によれば、基地局は、SRSの送信電力と、PUSCHの送信電力との差(つまり、SRSの送信電力オフセット値)を把握できるので、SRSのSINR測定値(SRS用SINR測定値)から、PUSCHのSINR測定値(データ用SINR測定値)を導出することができる。よって、基地局では、上述したように、SRSのSINR測定精度の劣化を防止することで、PUSCHのSINR測定精度の劣化も防止することが可能となる。よって、基地局は、PUSCHのスケジューリング(周波数リソース割当及びMCS選択)を精度良く行うことが可能となる。
【0061】
なお、本実施の形態では、端末が、前回送信した上り回線チャネルの送信時刻から、今回送信するSRSの送信時刻までの経過時間Tを用いる場合(
図4)について説明した。しかし、本発明では、端末は、端末が前回送信したSRSの送信時刻から今回送信するSRSの送信時刻までの経過時間、つまり、SRSの送信周期に応じて、基地局から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定してもよい。具体的には、
図5に示すように、端末は、SRSの送信周期T
SRSが20ms以下の場合(TPC誤差が小さい場合)、補正値Δ
offsetを−6dBに設定し、SRSの送信周期T
SRSが20msより長い場合(TPC誤差が大きい場合)、補正値Δ
offsetを0dBに設定してもよい。つまり、端末は、SRSの送信周期が短い場合のSRSの送信電力が、SRSの送信周期が長い場合のSRSの送信電力よりも低くなるように、オフセット値P
SRS_OFFSETを設定する。ただし、
図5では、
図4と同様、式(2)に示すP
SRS_OFFSETは、想定される最大TPC誤差を基準に設定されている。つまり、端末は、SRSの送信周期T
SRSが短いほど、補正値Δ
offsetをより小さくして、SRSの送信電力を小さくする。換言すると、端末は、SRS周期T
SRSが短い場合(
図5ではT
SRS≦20msの場合。つまり、TPC誤差が小さい場合)のSRSの送信電力が、SRS送信周期T
SRSが長い場合(
図5ではT
SRS>20msの場合。つまり、TPC誤差が大きい場合)のSRSの送信電力よりも低くなるように、補正値Δ
offsetを設定する。ここで、SRS周期T
SRSは、基地局が端末へ予め通知するパラメータである。よって、基地局は、SRSの送信周期に基づいてオフセット値を設定することができ、本実施の形態のように全端末における上り回線チャネルの送信時刻(
図4における経過時間T)を常に把握する必要がなくなる。つまり、本実施の形態(
図4に示す経過時間Tを用いる場合)と比較して、SRS周期T
SRSをSRSの送信電力制御に用いる場合には、端末(
図2に示すオフセット設定部106)と基地局(
図3に示すオフセット設定部208)との間でSRSの送信電力のための認識を合わせること(送信電力オフセット値の設定処理)が容易となる。
【0062】
また、
図5では、周期的に送信されるSRSについて説明したが、送信周期が設定されないSRS(1 shot SRS等)に対しても本発明を適用してもよい。例えば、端末は、送信周期が設定されないSRSを、送信周期が設定されているSRSの中で最大の周期(例えば、LTEでは320ms)が設定されたSRSとして扱ってもよい。又は、端末は、送信周期が設定されないSRSに対しては、
図4と同様にして、前回送信された上り回線チャネル(PUSCH、PUCCH及びSRS)の送信時刻から、SRS(1 shot SRS等)の送信時刻までの経過時間Tに応じて送信電力オフセット値を設定してもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、端末が、
図4に示す経過時間T又は
図5に示すSRS周期T
SRSに応じて、基地局から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetとして、異なる2つの値のいずれかを設定する場合(つまり、式(2)に示す送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を2段階で設定する場合)について説明した。しかし、端末は、これに限らず、経過時間T又はSRS周期T
SRSに応じて、基地局から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetとして、異なる3つ以上の値のいずれかを設定(つまり、式(2)に示す送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を3段階以上で設定)してもよい。
【0064】
また、本実施の形態では、
図4又は
図5に示すように、端末が、経過時間T又はSRS周期T
SRSに応じて、基地局から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを変更する場合について説明した。しかし、端末は、経過時間T又はSRS周期T
SRSに応じてSRSの送信電力を設定する式を変更してもよい。例えば、端末は、経過時間Tが20ms以下の場合には、次式(4)に従ってSRSの送信電力P
SRS(i)を算出し、経過時間Tが20msより長い場合には、次式(5)に従ってSRSの送信電力P
SRS(i)を算出する。
【数3】
【数4】
【0065】
なお、式(4)及び式(5)において、P
SRS_OFFSETは、経過時間Tが20msより長い場合に想定される最大TPC誤差が生じた場合でもSINR測定精度の劣化を防止できる値として設定されている。つまり、経過時間Tが20msより長い場合(TPC誤差が大きい場合)には、端末は、式(5)に示すように、オフセット値P
SRS_OFFSETの補正を行わずにSRSの送信電力P
SRS(i)を算出する。一方、経過時間Tが20ms以下の場合(TPC誤差が小さい場合)には、端末は、式(4)に示すように、補正値Δ
offsetによりオフセット値P
SRS_OFFSETの補正を行ってSRSの送信電力P
SRS(i)を算出する。これにより、本実施の形態と同様、SRSのSINR測定精度の劣化を防止しつつ、端末の消費電力をより低くすることができる。
【0066】
(実施の形態2)
実施の形態1では、端末が、前回送信された上り回線チャネルと今回送信されるSRSとの間の送信時間間隔(経過時間)に応じて、基地局から指示されるオフセット値の補正値を設定する場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、端末が、前回送信された上り回線チャネルと今回送信されるSRSとの間の送信電力の変化量に応じて、基地局から指示されるオフセット値の補正値を設定する場合について説明する。
【0067】
以下、本実施の形態について具体的に説明する。本実施の形態に係る端末300の構成を
図6に示す。なお、
図6において、実施の形態1(
図2)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0068】
図6に示す端末300において、オフセット設定部301は、電力変化量算出部302及びオフセット値決定部303で構成され、RS用系列(SRS)の送信電力を設定する際に用いる、PUSCHの送信電力に対するオフセット値(送信電力オフセット値。式(2)に示す(P
SRS_OFFSET+Δ
offset))を設定する。
【0069】
具体的には、電力変化量算出部302は、端末300が前回送信した上り回線チャネル(例えば、PUSCH、PUCCH及びSRSを含む上り回線信号)の送信電力と、今回送信するSRSの送信電力との差である電力変化量ΔP(Relative power toleranceの大きさ)を算出する。ただし、電力変化量算出部302は、今回送信するSRSの送信電力として、基地局200(
図3)から指示されたオフセット値P
SRS_OFFSETを用いて算出される、今回送信されるSRSの送信電力(補正されていないオフセット値を用いて算出される送信電力)を用いる。そして、電力変化量算出部302は、算出した電力変化量ΔPをオフセット値決定部303に出力する。
【0070】
オフセット値決定部303は、電力変化量算出部302から入力される電力変化量ΔPに応じて、基地局200から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定する。そして、オフセット値決定部303は、基地局200から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETを、設定した補正値Δ
offsetで補正することにより、送信電力オフセット値(式(2)に示す(P
SRS_OFFSET+Δ
offset))を決定する。そして、オフセット値決定部303は、決定したPUSCHの送信電力に対するオフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を送信電力制御部111に出力する。
【0071】
また、本実施の形態に係る基地局200のオフセット設定部208(
図3)は、端末300のオフセット設定部301と同様の処理を行う。つまり、オフセット設定部208は、端末300(所望端末)から送信されるSRSの送信電力設定の際に用いる、PUSCHに対する送信電力のオフセット(送信電力オフセット値。つまり、式(2)に示す(P
SRS_OFFSET+Δ
offset))を設定する。すなわち、オフセット設定部208は、所望端末から前回送信された上り回線チャネルの送信電力と、今回送信されるSRSの送信電力(補正されていないオフセット値P
SRS_OFFSETを用いて算出される送信電力)との差である電力変化量ΔPに応じて、オフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定し、送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を決定する。
【0072】
次に、端末300のオフセット設定部301(
図6)における送信電力オフセット値の設定処理の詳細について説明する。
【0073】
ここで、端末300の増幅回路として複数段構成のパワーアンプ(PA)が実装される場合、前回送信された上り回線チャネル(PUSCH、PUCCH及びSRS)の送信電力と今回送信される上り回線チャネルの送信電力との差である電力変化量が大きくなるほど、増幅する際に使用されるPAの段数の増減が大きくなる。つまり、上り回線チャネルの電力変化量が大きくなるほどPAの段数の増減が大きくなるので、電力変化前後におけるPAの各段における誤差が加算され、TPC誤差はより大きくなる。
【0074】
また、送信電力は送信信号の周波数帯域幅に比例する。このため、電力変化量が大きいほど(送信電力の増減が大きいほど)、送信信号の周波数位置及び帯域幅は大きく変化する。また、PAの増幅特性は、周波数(周波数位置及び帯域幅)にも依存するので、電力変化量が大きいほど(周波数位置及び帯域幅の増減が大きいほど)、TPC誤差はより大きくなる。
【0075】
すなわち、端末300では、前回送信された上り回線チャネルの送信電力と今回送信される上り回線チャネルの送信電力との間の電力変化量に応じてTPC誤差は異なる。具体的には、電力変化量が小さいほど(PAの段数の増減が小さいほど、つまり、送信信号の周波数位置及び帯域幅の変化が小さいほど)、TPC誤差はより小さくなることが想定される。
【0076】
そこで、オフセット設定部301は、前回送信された上り回線チャネルの送信電力と、オフセット値P
SRS_OFFSETを用いて算出されるSRSの送信電力(今回送信されるSRSの送信電力)との差である電力変化量ΔPに応じて、SRSの送信電力設定の際に用いる送信電力オフセット値(式(2)に示す(P
SRS_OFFSET+Δ
offset))を設定する。
【0077】
なお、以下の説明では、実施の形態1と同様、端末300は、式(2)に示す送信電力式を用いてSRSの送信電力P
SRS(i)を算出する。また、実施の形態1と同様、式(2)に示すP
SRS_OFFSETは、想定される最大TPC誤差を基準に設定されている。また、実施の形態1と同様、式(2)に示すP
SRS_OFFSETは、基地局200から端末300へ通知される。
【0078】
オフセット設定部301の電力変化量算出部302は、上り回線回線で前回送信された上り回線チャネルの送信電力と、オフセット値P
SRS_OFFSETを用いて算出される送信電力(補正されていないオフセット値を用いて算出される、今回送信されるSRSの送信電力)との差である電力変化量ΔPを算出する。
【0079】
次いで、オフセット設定部301のオフセット値決定部303は、電力変化量算出部302が算出した電力変化量ΔPに応じて、基地局200から指示されたオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定する。
【0080】
例えば、
図7に示すように、オフセット値決定部303は、電力変化量ΔPが15dB以上の場合、補正値Δ
offsetを0dBに設定する。また、
図7に示すように、オフセット値決定部303は、電力変化量ΔPが10dB以上かつ15dB未満の場合、補正値Δ
offsetを−1dBに設定する。同様に、
図7に示すように、オフセット値決定部303は、電力変化量ΔPが4dB以上かつ10dB未満の場合、補正値Δ
offsetを−3dBに設定し、電力変化量ΔPが3dB以上かつ4dB未満の場合、補正値Δ
offsetを−4dBに設定し、電力変化量ΔPが2dB以上かつ3dB未満の場合、補正値Δ
offsetを−5dBに設定し、電力変化量ΔPが2dB未満の場合、補正値Δ
offsetを−6dBに設定する。そして、オフセット値決定部303は、基地局200から指示されたオフセット値P
SRS_OFFSETに補正値Δ
offsetを加えることで、送信電力オフセット値(P
SRS_OFFSET+Δ
offset)を決定する。
【0081】
つまり、基地局200から指示されるオフセット値P
SRS_OFFSETが、想定される最大TPC誤差を基準に設定されている場合、オフセット値決定部303は、電力変化量ΔPが小さいほど(TPC誤差が小さいほど)、補正値Δ
offsetをより小さく設定する。つまり、オフセット値決定部303は、電力変化量ΔPが小さいほど、オフセット値P
SRS_OFFSETをより小さい値に補正して、オフセット値P
SRS_OFFSETよりも小さい値を、送信電力オフセット値として設定する。
【0082】
このように、端末300は、端末300で前回送信された上り回線チャネルと、今回送信されるSRSとの間の送信電力の変化量(電力変化量ΔP)に応じて、基地局200から指示されたオフセット値の補正値として異なる値を設定する。具体的には、端末300は、電力変化量ΔPが小さい場合(つまり、TPC誤差が小さい場合)のSRSの送信電力P
SRS(i)が、電力変化量ΔPが大きい場合(つまり、TPC誤差が大きい場合)のSRSの送信電力P
SRS(i)よりも低くなるように、補正値Δ
offsetを設定する。つまり、端末300は、電力変化量ΔPが小さくなるほど、SRSの送信電力をより小さく設定する。
【0083】
ここで、上述したように、電力変化量ΔPが小さいほどTPC誤差が小さい。よって、端末300が、電力変化量ΔPが小さいほどSRSの送信電力をより小さく設定しても、TPC誤差の影響により受信SINRが或るレベル(
図1では0dB以下)まで低くなる可能性は低く、基地局200におけるSINR測定精度が劣化する可能性は低くなる。
【0084】
つまり、端末300は、電力変化量ΔPに応じて基地局200から指示されたオフセット値を補正することにより、基地局200で所望の受信SINR(SINR測定精度が劣化しない受信SINR)を得ることができる必要最低限の送信電力まで、SRSの送信電力を低く設定することが可能となる。これにより、基地局200でのSRSのSINR測定精度(チャネル品質精度)を確保しつつ、端末300での消費電力を必要最低限に抑えることが可能となる。換言すると、端末300では、想定されるTPC誤差に応じた適切なSRSの送信電力を設定することにより、無駄な消費電力を削減することができる。
【0085】
このようにして、本実施の形態によれば、端末は、前回送信された上り回線チャネル(上り回線信号)と、今回送信されるSRSとの間の送信条件(ここでは送信電力の変化量)に応じて、送信電力オフセット値を設定する。これにより、端末では、上記送信電力の変化量が小さいほど、つまり、TPC誤差の影響が小さいほど、SRSの送信電力をより小さくすることが可能となる。これにより、基地局におけるTPC誤差によるSINR測定精度の劣化を防止しつつ、端末の消費電力の増加を抑えることができる。また、本実施の形態によれば、端末は、SRSの送信電力を必要最低限に抑えることで、セル間干渉を低減することができる。
【0086】
また、本実施の形態では、例えば、
図7に示す電力変化量ΔPと補正値Δ
offsetとの対応付けをシステムで予め定義する場合、SRS送信電力制御のためのSRS送信毎のシグナリングは不要となる。又は、
図7に示す電力変化量ΔPと補正値Δ
offsetとの対応付けをパラメータとして基地局から端末へ予め通知する場合には、そのパラメータは比較的長い周期、若しくは、1度だけ端末へ通知されればよく、SRS送信電力制御のためのSRS送信毎のシグナリングは不要となる。よって、これらの場合には、実施の形態1と同様、SRSの送信電力制御に要するシグナリングのオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
【0087】
さらに、本実施の形態によれば、基地局は、SRSの送信電力と、PUSCHの送信電力との差(つまり、SRSの送信電力オフセット値)を把握できるので、SRSのSINR測定値(SRS用SINR測定値)から、PUSCHのSINR測定値(データ用SINR測定値)を導出することができる。よって、基地局では、上述したように、SRSのSINR測定精度の劣化を防止することで、PUSCHのSINR測定精度の劣化も防止することが可能となる。よって、基地局は、実施の形態1と同様、PUSCHのスケジューリング(周波数リソース割当及びMCS選択)を精度良く行うことが可能となる。
【0088】
(実施の形態3)
実施の形態1では、端末が、SRSの送信周期に応じて、基地局から指示されるオフセット値の補正値を設定する場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、端末が、送信周期が設定されないSRSに対して、基地局から指示されるオフセット値を設定する場合について説明する。
【0089】
以下、本実施の形態について具体的に説明する。本実施の形態に係る端末500の構成を
図8に示す。なお、
図8において、実施の形態1(
図2)と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0090】
図8に示す端末500において、オフセット設定部501は、SRS種別設定部502及びオフセット値決定部503で構成され、RS用系列(SRS)の送信電力を設定する際に用いる、PUSCHの送信電力に対するオフセット値(送信電力オフセット値。式(1)に示すP
SRS_OFFSET)を設定する。
【0091】
具体的には、SRS種別設定部502は、端末500が上り回線で今回送信するSRSの種別を設定する。SRSの種別には、送信周期が設定されたSRS(以下、Periodic−SRSと呼ぶ)と、送信周期が設定されないSRS(以下、Aperiodic−SRSと呼ぶ)とがある。Aperiodic−SRSは、基地局200からのトリガー信号を受信してから1回或いは所定の複数回数だけ送信されるSRSを指す。SRS種別設定部502は、今回送信するSRSが何れの種別であるかを示す情報(今回送信するSRSのSRS種別)をオフセット値決定部503に出力する。
【0092】
オフセット値決定部503は、SRS種別設定部502から入力されるSRS種別に応じて、基地局200から予め指示された、SRS種別に対応付けられたオフセット値P
SRS_OFFSET(式(1)に示すP
SRS_OFFSET)を決定する。そして、オフセット値決定部503は、決定したPUSCHの送信電力に対するオフセット値(P
SRS_OFFSET)を送信電力制御部111に出力する。
【0093】
また、本実施の形態に係る基地局200のオフセット設定部208(
図3)は、端末500のオフセット設定部501と同様の処理を行う。つまり、オフセット設定部208は、端末500(所望端末)から送信されるSRSの送信電力設定の際に用いる、PUSCHに対する送信電力のオフセット(送信電力オフセット値。つまり、式(1)に示すP
SRS_OFFSET)を設定する。すなわち、オフセット設定部208は、所望端末から今回送信されるSRSの種別に応じて、SRSの種別に対応付けられたオフセット値P
SRS_OFFSETを決定する。
【0094】
次に、端末500のオフセット設定部501(
図8)における送信電力オフセット値の設定処理の詳細について説明する。
【0095】
ここで、Aperiodic−SRSとPeriodic−SRSとでは必要な送信電力が異なる。具体的には、以下の3つの理由により、Aperiodic−SRSの方がPeriodic−SRSよりも大きな送信電力が必要になる傾向がある。
【0096】
1つ目の理由は、Aperiodic−SRSでは、周期的に送信されるPeriodic−SRSに比べて送信経過時間が長くなり、TPC誤差が大きくなる可能性が高い点である。Periodic−SRSにおいて、送信周期を短く設定すれば(例えば20ms以下)、TPC誤差を小さく抑えられる。一方、Aperiodic−SRSにおいて、送信前に上り回線チャネル(PUSCH等)の送信が無い場合には、送信経過時間が長くなるため、TPC誤差が大きくなる。このTPC誤差によるチャネル品質の測定精度劣化を防止するには、Aperiodic−SRSに対してより大きな電力が必要となる。
【0097】
2つ目の理由は、Aperiodic−SRSでは、送信されるSRSの数が制限されるため、Periodic−SRSのように複数SRSの平均化による測定精度の向上ができない点である。よって、Periodic−SRSと同程度の測定精度を得るには、Aperiodic−SRSに対してより大きな電力が必要となる。
【0098】
3つ目の理由は、Aperiodic−SRSでは、瞬時の上り回線チャネル品質を求め、PUSCHのMCS選択を高精度に行う用途がある点である。つまり、より高精度の測定精度が求められるAperiodic−SRSは、Periodic−SRSよりも大きな電力が必要となる。
【0099】
これらの理由から、SRS種別(Aperiodic−SRS又はPeriodic−SRS)によって必要な送信電力が異なることが考えられる。SRSの送信電力を決定するためのオフセット値P
SRS_OFFSETがSRS種別に依らず同じである場合には、端末は、より大きな送信電力が必要になるSRS種別(ここでは主にAperiodic−SRS)の送信電力(オフセット値)に合わせて、他のSRS種別(ここでは主にPeriodic−SRS)の送信電力を決定する必要がある。この場合、Periodic−SRSの送信電力が過剰になり、端末の電力消費が増加してしまう。また、Aperiodic−SRSの送信の度にオフセット値P
SRS_OFFSETを更新するのでは、制御情報の通知頻度が増えるためシステムのオーバーヘッドが増加してしまう。
【0100】
そこで、本実施の形態では、端末500のオフセット設定部501は、今回送信するSRS種別(具体的には、Aperiodic−SRS及びPeriodic−SRS)に応じて、SRSの送信電力設定の際に用いるオフセット値P
SRS_OFFSET(式(1)に示すP
SRS_OFFSET)を設定する。
【0101】
なお、以下の説明では、端末500は、式(1)に示す送信電力式を用いてSRSの送信電力P
SRS(i)を算出する。また、式(1)に示すP
SRS_OFFSETは、SRS種別毎の最大TPC誤差等を基準に設定されている。つまり、オフセット値P
SRS_OFFSETは、測定品質の要求を満たすために必要な値に設定されている。オフセット値P
SRS_OFFSETは、基地局200から端末400へ予め通知される(SRS種別毎のP
SRS_OFFSETの通知方法の詳細は後述する)。
【0102】
SRS種別設定部502は、今回送信するSRS種別(Aperiodic−SRS、あるいは、Periodic−SRS)を、オフセット値決定部503へ設定する。
【0103】
次いで、オフセット値決定部503は、SRS種別設定部502が設定したSRS種別に対応付けられたオフセット値P
SRS_OFFSETを設定する。
【0104】
例えば、
図9に示すように、オフセット値決定部503は、Aperiodic−SRSを送信する場合、オフセット値P
SRS_OFFSETを3dBに設定する。また、
図9に示すように、オフセット値決定部503は、Periodic−SRSを送信する場合、オフセット値P
SRS_OFFSETを0dBに設定する。つまり、オフセット値決定部503は、上述したように、より大きな送信電力が要求されるAperiodic−SRSの送信電力に対するオフセット値を、Periodic−SRSの送信電力に対するオフセット値よりも大きく設定する。
【0105】
すなわち、オフセット値決定部503は、SRSの送信周期が設定されているか否かに応じて、オフセット値を設定する。具体的には、オフセット値決定部503は、Periodic−SRSの送信電力がAperiodic−SRSの送信電力よりも低くなるように、オフセット値を設定する。
【0106】
なお、
図9に示すSRS種別とオフセット値P
SRS_OFFSETとの対応関係は基地局200から端末500へ予め通知しておく。各SRS種別での最適なオフセット値P
SRS_OFFSETは、基地局200におけるSRSの設定条件(例えば、Periodic−SRSの送信周期、Aperiodic−SRSの使用タイミング等)に応じて求められる。よって、上記対応関係を頻繁に(短い周期で)通知する必要はない。
【0107】
ここで、
図9に示すSRS種別とオフセット値との対応関係を、基地局200から端末500へ通知する具体例について説明する。LTEでは、Periodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETは、電力制御に関する情報(例えば、「3GPP TS36.331 V8.9.0(2010-03), “3GPP TSGRAN E-UTRA RRC Protocol specification (Release 8)”」に記載の“UplinkPowerControl“。式(1)のパラメータであるP
o_PUSCH又はαの値が含まれる情報)として通知される。
【0108】
これに対して、本実施の形態のように、Periodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETに加えて、Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETを通知する具体例として、以下に示す4つの通知方法が考えられる。以下に示すように、通知方法によってはAperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETを通知するためのシグナリングが低減できる。
【0109】
1つ目の通知方法は、Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETも、Periodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETの通知方法と同様に、電力制御に関する情報に含めて通知する方法である。この通知方法では、端末500にAperiodic−SRSを送信させるために、基地局200は、電力制御に関する情報に加えて、Aperiodic−SRSのSRSリソース情報(例えば、「3GPP TS36.331 V8.9.0(2010-03), “3GPP TSGRAN E-UTRA RRC Protocol specification (Release 8)”」に記載の“SoundingRS-UL-Config”のようなSRS送信リソースを示す情報。SRS送信の帯域幅又は周波数ホッピングパターン等が含まれる情報)を設定する必要がある。よって、この通知方法では、Aperiodic−SRSを設定するために、2種類のパラメータを通知する必要があるのでシグナリング量が増加する。
【0110】
2つ目の通知方法は、Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETを、Aperiodic−SRSのSRSリソース情報に含めて個別に通知する方法である。この通知方法では、端末500にAperiodic−SRSを設定するために、基地局200は、Aperiodic−SRSのSRSリソース情報のみを通知すればよい。よって、この通知方法では、1つ目の通知方法に比べて、Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETの通知のためのシグナリング量を低減できる。
【0111】
3つ目の通知方法は、実施の形態1,2と同様に、Periodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETに対するオフセット補正値(Δ
offset)を通知する方法である。Periodic−SRSの送信電力は式(1)を用いて算出され、Aperiodic-SRSの送信電力は式(2)を用いて算出される。ここで、Δ
offsetの通知範囲をP
SRS_OFFSETの通知範囲ほど大きく設ける必要がないので、Δ
offsetの通知ビット数は、P
SRS_OFFSETの通知ビット数(LTEでは4ビット)より小さくすることが可能である。よって、この通知方法では、Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSET(つまり、式(2)の“P
SRS_OFFSET+Δ
offset”)の通知のためのシグナリング量を低減できる。なお、Δ
offsetはシステム全体で定義した固定値としてもよい。この場合、基地局200から端末500へのシグナリングが必要ない。
【0112】
4つ目の通知方法は、Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETとPeriodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETとの間で通知範囲を異ならせる方法である。例えば、基地局200は、Aperiodic−SRSとPeriodic−SRSとでオフセット値P
SRS_OFFSETを通知するためのビット数を同一としても、以下のように各オフセット値P
SRS_OFFSETとの通知範囲を異ならせる。
Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETの通知範囲:−7.5〜15dB
Periodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETの通知範囲:−10.5〜12dB
【0113】
つまり、Periodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETの通知範囲をプラス方向にシフトさせた値(上記例では、3dBシフトさせた値)を、Aperiodic−SRSのオフセット値P
SRS_OFFSETの通知範囲とする。これにより、この通知方法では、シグナリングビット数を増加させることなく、SRS種別に応じて必要な送信電力を設定できる。
【0114】
このように、本実施の形態では、端末500は、端末500で今回送信されるSRS種別に応じて、SRSの送信電力オフセット値を設定する。これにより、端末500は、Aperiodic−SRS及びPeriodic−SRSのそれぞれに必要な送信電力を設定できる。また、本実施の形態によれば、端末500では、Periodic−SRSの送信電力をAperiodic−SRSに合わせて増加させる必要がないので、Periodic−SRSを必要最低限の電力で送信できる。よって、Periodic−SRSの送信電力が過剰になることを防止できるので、端末の電力消費を低減できる。よって、本実施の形態によれば、基地局200におけるTPC誤差によるSINR測定精度の劣化を防止しつつ、端末500の消費電力の増加を抑えることができる。更に、本実施の形態によれば、Aperiodic−SRS送信の度にP
SRS_OFFSETを更新する必要がないのでシステムのオーバーヘッドの増加を防止できる。
【0115】
また、本実施の形態では、SRS種別としてAperiodic−SRS及びPeriodic−SRSの2種類を用いる場合を一例として説明したが、これに限らず、SRS種別を更に細かく定義してもよい。例えば、LTE−Advancedでは、Aperiodic−SRSとして、基地局からのトリガー信号を受信してから1回のみ送信する「1 shot SRS」、及び、基地局からのトリガー信号を受信してから所定の複数回数だけ送信する「Multi−shot SRS」が検討されている。基地局からのトリガー信号としては、例えばPDCCH(Physical Downlink. Control CHannel)と呼ばれる下りの制御チャネルを用いた、少なくとも1ビットの情報を含む信号である。基地局は、この情報を用いて端末へApriodic−SRSの送信を指示する。端末は、基地局からのトリガー信号を検出した後、所定のSRS送信時間でSRSを、1回あるいは所定の複数回数だけ送信する。更に、Multi−shot SRSの中には、チャネル品質測定の向上を目的として同一周波数帯域で送信されるSRSと、広帯域のチャネル品質測定を目的として異なる周波数帯域で送信されるSRSとがある。これらのAperiodic−SRSを異なるSRS種別と定義して、端末はSRS種別に応じたオフセット値P
SRS_OFFSETを設定してもよい。
【0116】
例えば、
図10に示すように、端末(オフセット値決定部503)は、1 shot SRSが送信される場合、オフセット値P
SRS_OFFSETを3dBに設定し、Multi−shot SRSが同一周波数帯域で送信される場合、オフセット値P
SRS_OFFSETを1.5dBに設定し、Multi−shot SRSが異なる周波数帯域で送信される場合、オフセット値P
SRS_OFFSETを3dBに設定する。つまり、
図10に示すように、端末は、1 shot SRSが送信される場合には、Multi−shot SRSが同一周波数帯域で送信される場合よりも大きいオフセット値P
SRS_OFFSETを設定する。これは、同一帯域で送信されるMulti−shot SRSの場合には基地局側で複数のSRSを平均化することで、チャネル測定品質が向上できるのに対して、1 shot SRSの場合には基地局側で平均化による品質向上ができないため、より大きな送信電力が必要となるからである。また、端末は、Multi−shot SRSが異なる周波数帯域で送信される場合と、1 shot SRSが送信される場合とで同じオフセット値P
SRS_OFFSETを設定する。これは、異なる周波数帯域で送信されたMulti−shot SRSの場合には、1 shot SRSと同様、基地局側で平均化による品質向上ができないため、必要な送信電力が1 shot SRSと同じになるからである。
【0117】
また、サブキャリア間隔が異なるAperiodic−SRSを異なるSRS種別と定義して、端末はSRS種別に応じたオフセット値P
SRS_OFFSETを設定してもよい。
【0118】
例えば、
図11に示すように、端末(オフセット値決定部503)は、サブキャリア間隔が15kHzのAperiodic−SRSを送信する場合、オフセット値P
SRS_OFFSETを1.5dBに設定し、サブキャリア間隔が30kHzのAperiodic−SRSを送信する場合、オフセット値P
SRS_OFFSETを3.0dBに設定する。つまり、端末は、サブキャリア間隔が大きいAperiodic−SRSほど、より大きいオフセット値P
SRS_OFFSETを設定する。これは、サブキャリア間隔が大きいほど、単位周波数帯域当たりのチャネル品質測定に用いる平均サブキャリア数が少なくなり、基地局側でのチャネル品質測定の精度が悪くなる(ばらつきが大きくなる)からである。よって、サブキャリア間隔が大きいAperiodic−SRSほど、より大きな送信電力が必要になる。
【0119】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0120】
なお、本発明において、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせてもよい。具体的には、端末のオフセット設定部は、
図12に示すように、経過時間算出部、電力変化量算出部及びオフセット値決定部で構成される。つまり、
図12に示すオフセット値決定部は、実施の形態1で説明した経過時間T、及び、実施の形態2で説明した電力変化量ΔPの双方に応じて、式(2)に示すオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定する。具体的には、
図13に示すように、補正値Δ
offsetは、経過時間Tと電力変化量ΔPとに対応付けられている。なお、
図13に示す補正値Δ
offsetは、
図14A及び
図14Bに示す、LTEで規定された、TPC誤差の許容範囲(例えば、3GPP TS36.101 v8.9.0 (Table 6.3.5.2.1-1)を参照)に基づいて、経過時間Tと電力変化量ΔPとに対応付けられている。ここで、
図14Aは、経過時間Tが20msより長い場合(T>20ms)のTPC誤差の許容範囲(±9.0dB)の規定を示す。また、
図14Bは、経過時間Tが20ms以下の場合(T≦20ms)のTPC誤差の許容範囲の規定を示す。
図14Bでは、電力変化量ΔPが大きいほど、TPC誤差の許容範囲が大きくなっている。
【0121】
なお、
図13では、
図14A及び
図14Bに基づいて、経過時間T>20msの場合と、経過時間T≦20msかつΔPが15dB以上の場合とで、同一の補正値Δ
offset(0dB)が設定されている。つまり、経過時間Tが異なる場合でも同一の補正値Δ
offsetが設定されている。しかし、本発明では、
図13の代わりに、
図15に示すように、経過時間Tが長いほど、補正値Δ
offsetをより大きくなるように設定してもよい。つまり、
図15では、経過時間Tが異なる場合、及び、電力変化量ΔPが異なる場合には、互いに異なる補正量Δ
offsetが設定されている。また、
図13では、経過時間Tが長い場合(T>20msの場合)、電力変化量ΔPによらず一定の補正値Δ
offsetが設定されているが、
図15に示すように、経過時間Tが長い場合(T>20msの場合)でも、電力変化量ΔPに応じて異なる補正値Δ
offsetを設定してもよい。
【0122】
図13及び
図15に示す対応付けを用いることにより、端末は、経過時間T及び電力変化量ΔPの双方を考慮して、SRSの送信電力を制御することができる。つまり、端末は、基地局におけるTPC誤差によるSINR測定精度の劣化を防止しつつ、SRSの送信電力をより精度良く制御することができ、無駄な消費電力を、上記実施の形態よりもさらに削減することができる。
【0123】
また、上記実施の形態では、端末が1本のアンテナを具備する場合について説明したが、端末が複数のアンテナを具備する場合にも本発明を適用することができる。例えば、
図16に示すように、N本のアンテナ113−1〜113−Nを有する端末400は、各アンテナに対応する送信処理部401−1〜401−Nを具備する。ここで、各送信処理部401は、例えば、
図2に示すRS生成部101〜CP付加部105で構成される。また、
図16に示すオフセット設定部402−1〜402−Nは、オフセット設定部106(
図2)と同一の構成でもよく、オフセット設定部301(
図6)と同一の構成でもよく、オフセット設定部501(
図8)と同一の構成でもよく、オフセット設定部(
図12)と同一の構成でもよい。
図16に示す端末400の各送信処理部401のオフセット設定部402は、各アンテナそれぞれにおける送信時間間隔(上述した経過時間T又はSRS周期T
SRS)又は送信電力の変化量(上述した電力変化量ΔP)に応じて、各アンテナからそれぞれ送信される各SRSに対するオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offset(又は、オフセット値P
SRS_OFFSET)を設定する。そして、端末400の各送信部109内の送信電力制御部111は、各アンテナからそれぞれ送信される各SRSに対応する補正値Δ
offsetをオフセット値P
SRS_OFFSETに加えることにより(又は、設定されたオフセット値P
SRS_OFFSETを用いて)、複数のアンテナからそれぞれ送信される複数のSRSの送信電力を制御する。このように、端末400は、複数のアンテナからそれぞれ送信されるSRSの送信電力制御に用いる補正値Δ
offset(又は、オフセット値P
SRS_OFFSET等)の設定を個別に行う。すなわち、端末400は、複数のアンテナそれぞれにおけるSRSの送信時間間隔(SRSの送信周期等)に応じて、複数のアンテナからそれぞれ送信される複数のSRSに対するオフセット値を設定し、複数のSRSに対応するオフセット値を用いて、複数のアンテナからそれぞれ送信される複数のSRSの送信電力を制御する。これにより、端末400は、例えば、複数のアンテナに対して基地局から通知される共通のパラメータ(例えば、オフセット値P
SRS_OFFSET等)を用いて、アンテナ毎に異なる送信電力を設定することができる。これにより、端末400では、SRSの送信電力をアンテナ毎に適切に制御することができるので、従来技術のようにSRSの送信電力を全てのアンテナで共通で行う場合と比較して、SRSの送信電力をより低く抑えることができる。
【0124】
また、本発明において、端末が複数のアンテナを具備する場合、
図16で説明したように、各アンテナそれぞれから送信される複数のSRSに対するオフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetの比(又は、オフセット値P
SRS_OFFSETの比)を、複数のアンテナからそれぞれ送信される複数のSRS全体に割り当てられる総送信電力に対する、各SRSにそれぞれ割り当てられる送信電力の比として用いて、複数のSRSの送信電力を制御してもよい。具体的には、上記実施の形態では、各アンテナから送信されるSRSの送信電力を式(1)又は式(2)に示すP
SRS(i)としたのに対して、ここでは、端末は、複数のアンテナから同時に送信される複数のSRSの総送信電力を式(1)又は式(2)に示すP
SRS(i)とする。つまり、複数のSRSの総送信電力P
SRS(i)は、PUSCHの送信電力にオフセット値P
SRS_OFFSETを加えて算出される。そして、端末は、上記実施の形態と同様にして、各アンテナにおける送信時間間隔(経過時間T(例えば
図4)又は電力変化量ΔP(例えば、
図7))又は送信電力の変化量(電力変化量ΔP(例えば、
図7))に応じて、オフセット値P
SRS_OFFSETの補正値Δ
offsetを設定する(又は、各アンテナにおけるSRSの送信周期(SRS種別(例えば
図9〜11)に応じて、オフセット値P
SRS_OFFSETを設定する)。そして、端末は、総送信電力P
SRS(i)に対する、各アンテナから送信される複数のSRSにそれぞれ割り当てられる送信電力の比である、各アンテナから送信される複数のSRSにそれぞれ対応する補正値Δ
offsetの比(又は、オフセット値P
SRS_OFFSETの比)を用いて、複数のSRSの送信電力を制御する。つまり、補正値Δ
offset(又は、オフセット値P
SRS_OFFSET)が小さいSRSが送信されるアンテナほど、総送信電力P
SRS(i)における送信電力の比がより小さくなり、より小さい送信電力が割り当てられる。つまり、補正値Δ
offsetが小さい(TPC誤差が小さい)SRSが送信されるアンテナほど、基地局でのSINR測定精度の劣化を防止しつつ、端末でのSRSの送信電力をより低くすることが可能となる。このようにして、端末が、経過時間T又は電力変化量ΔPに応じて設定した補正値Δ
offset(又は、SRSの送信周期(SRS種別に応じて設定したオフセット値P
SRS_OFFSET)を、各アンテナからそれぞれ送信されるSRSの送信電力比として用いる場合でも、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0125】
また、上記実施の形態では、式(2)に示すP
SRS_OFFSETが、想定される最大TPC誤差を基準に設定される場合(例えば、
図4及び
図7)について説明した。しかし、本発明では、式(2)に示すP
SRS_OFFSETは、想定される最小TPC誤差を基準に設定されてもよい。この場合、
図17に示すように、経過時間Tが長いほど(T>20ms)、補正値Δ
offsetを大きくなり、
図18に示すように、電力変化量ΔPが大きいほど、補正値Δ
offsetを大きくなるように、補正値Δ
offsetを設定すればよい。
【0126】
また、上記実施の形態ではアンテナとして説明したが、本発明はアンテナポート(antenna port)でも同様に適用できる。
【0127】
アンテナポートとは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0128】
例えば、LTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0129】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0130】
なお、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0131】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0132】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0133】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0134】
2010年4月30日出願の特願2010−105323および2010年11月5日出願の特願2010−249128の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。