(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
医用画像表示装置は、X線CT装置(X線コンピュータ断層撮像装置)に代表されるX線診断装置などの医用画像撮像装置により撮像された被検体の医用画像を表示する表示装置である。この医用画像表示装置の中には、被検体が被曝した線量値(数字)を表示する医用画像表示装置も存在する。
【0003】
通常、被検体の線量情報は、照射録やサマリレポートファイル、DoseSR(放射線量構造化レポーティング)ファイルなどにより管理されている。この線量情報に基づいて被検体の線量値が被検体のヘッド(頭)やそのヘッド以外のボディ(体)に分けられて表示される。このような線量値としては、例えば、検査ごとの最大線量やトータル線量、さらに、全検査の最大線量やトータル線量などがある。
【0004】
ここで、前述の医用画像撮像装置は、患者などの被検体にX線を照射してその被検体を透過したX線量を検出し、そのX線量に基づいたX線透過データに対する再構成処理により被検体の断層画像(スライス画像)を得る装置である。この医用画像撮像装置としては、例えば、X線照射器とX線検出器とを対向配置し、それらを被検体の体軸まわりに回転させながら撮像を行うX線CT装置が開発されている。
【0005】
このX線CT装置では、通常、マルチスライススキャンやヘリカルスキャンなどのスキャン前に、撮像範囲(スキャン範囲)を設定するため、X線照射器及びX線検出器を回転させずに撮像を行い、位置決め画像(スキャノ画像)を取得する。また、その位置決め画像を用いてX線照射器に供給する最適な管電流を算出する機能(例えば、Real−ECと呼ばれる機能)がある。この機能は、被検体の各部位の体厚に合ったX線量を自動的に計算し、回転ごとにX線量を細かく制御する機能である。これにより、高画質を維持しつつ不要な被曝を抑えることが可能となり、被曝低減を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る医用画像表示装置1は、各部を制御する制御部2と、各種データを記憶するメモリ3と、医用画像などの各種画像を表示する表示部4と、操作者により操作される操作部5と、被検体の検査結果情報を記憶する検査結果情報記憶部6と、画像データを記憶する画像記憶部7と、各種画像を生成する画像生成部8とを備えている。
【0013】
制御部2は、メモリ3に記憶された各種プログラムや各種データに基づいて各部を制御する。例えば、制御部2は、各種プログラムや各種データに基づいて、データ計算やデータ加工などを行う一連のデータ処理や医用画像を表示する表示処理などを実行する。この制御部2としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを用いることが可能である。
【0014】
メモリ3は、制御部2が実行する起動プログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。このメモリ3は制御部2のワークエリアとしても機能する。なお、起動プログラムは、医用画像表示装置1の起動時に制御部2により読み出されて実行される。このメモリ3としては、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、半導体ディスク装置(フラッシュメモリ)などを用いることが可能である。
【0015】
表示部4は、各種画像、例えば被爆線量に係る画像や二次元のX線画像などの医用画像をカラー表示する表示装置である。この表示部4としては、例えば、液晶ディスプレイやCRT(ブラウン管)ディスプレイなどを用いることが可能である。
【0016】
操作部5は、操作者からの入力操作を受け付ける入力部であり、例えば、画像表示や画像の切り替え、各種設定などの様々な入力操作を受け付ける。この操作部5としては、例えば、マウスやキーボードなどの入力デバイスを用いることが可能である。
【0017】
検査結果情報記憶部6は、例えば、照射録やサマリレポートファイル、DoseSR(放射線量構造化レポーティング)ファイルなど、被検体が被曝したX線の線量に関する検査結果情報を記憶する。この検査結果情報は、検査ごとに、例えば有線又は無線のネットワークを介して検査結果情報記憶部6に入力され、患者ID(識別番号)や患者名などに関連付けられて保存されている。検査結果情報記憶部6としては、例えば、磁気ディスク装置や半導体ディスク装置(フラッシュメモリ)などを用いることが可能である。
【0018】
画像記憶部7は、例えば、X線CT装置(X線コンピュータ断層撮像装置)などの医用画像撮像装置により得られた画像データ、例えば、スキャノ画像と呼ばれる位置決め画像を記憶する。この画像データは、検査ごとに、例えば、有線又は無線のネットワークを介して画像記憶部7に入力され、患者IDや患者名などに関連付けられて保存されている。画像記憶部7としては、例えば、磁気ディスク装置や半導体ディスク装置(フラッシュメモリ)などを用いることが可能である。
【0019】
ここで、前述の画像データを生成する医用画像撮像装置では、各種の撮像モードがあり、例えば、位置決め画像(スキャノ画像)を撮像するスキャノ撮像モードと、断層画像(スライス画像)を撮像する断層撮像モードなどがある。この断層撮影モードとしては、例えば、通常のマルチスライススキャンモード(ノーマルCT)やヘリカルスキャンモード(ヘリカルCT)、ボリュームスキャンモード(ボリュームCT)などが挙げられる。
【0020】
なお、スキャノ撮像モードは、断層撮像モードによる撮像に先立って、位置決めや撮像範囲(スキャン範囲)設定を行うための位置決め画像を撮像するモードである。このスキャノ撮像モードでは、X線照射器とX線検出器とを所定位置、例えば、0度(平面位置)のビュー角度で固定し、寝台の天板を被検体の体軸方向に移動させ、X線照射器によりX線を照射して天板上の被検体を透過したX線をX線検出器により検出し、X線透過データの収集を行う。その後、X線透過データを処理して位置決め画像を生成し、その位置決め画像を表示する。作業者は位置決め画像を視認して位置決めやスキャン範囲設定などを行う。
【0021】
画像生成部8は、被検体に対する検査結果情報からX線の線量情報を復元し、その復元した線量情報に応じて、
図2に示すような被検体の被曝領域R1及びその被曝領域R1内の被曝線量を示す被曝線量画像G1を生成する。この被曝線量画像G1は、位置決め画像G2などの他の画像と共に表示部4により表示される。
【0022】
ここで、例えば、被検体の胸部に関する検査結果情報を用いた場合には、
図2に示すように、被検体の胸部に係る被爆領域R1及びその被爆線量を示す被曝線量画像G1が位置決め画像G2上に重ねられて表示され、さらに、その位置決め画像G2の隣には、線量値の大きさを色の変化により示す線量チャートG3が表示される。
【0023】
被曝線量画像G1は線量チャートG3内の色により被爆線量に応じて被曝領域R1を示す画像であり、位置決め画像G2は被検体(頭部、胴体及び手足などを含む全体)を示す被検体画像、すなわち被検体の体形を平面で示すX線画像である。また、線量チャートG3は、色の変化(例えば、グラデーション)により線量値の最大(Max)から最小(Min)までを示す画像である。この線量チャートG3としては、例えば、グレースケールチャートやカラーチャート(可視光の赤から紫までの色(虹色)により線量値の最大から最小までを示す画像)などを用いることが可能である。
【0024】
この線量チャートG3は画像生成部8による画像生成の色基準となり、画像生成部8は線量チャートG3内の色を用い、被曝線量に応じて色を変えて被曝線量画像G1を生成する。ここで、色は、色相、彩度及び明度の三つの属性を有しており、それらにより規定されるため、それらのうち一つの値が異なれば、色が違うといえる。ここで、色相は赤や青、緑というような色味の種類であり、彩度は色味が強いか弱いかなどの鮮やかさ(例えば、濃淡)のことである。また、明度は色味の持っている明るさである。
【0025】
次に、被検体の腹部に関する検査結果情報を用いた場合には、
図3に示すように、被検体の腹部に係る被爆領域R1及びその被爆線量を示す被曝線量画像G1が位置決め画像G2上に重ねられて表示され、前述と同様に、その位置決め画像G2の隣には、線量値の大きさを色の変化により示す線量チャートG3が表示される。
【0026】
また、被検体の頭部に関する検査結果情報を用いた場合には、
図4に示すように、被検体の頭部に係る被爆領域R1及びその被爆線量を示す被曝線量画像G1が位置決め画像G2上に重ねられて表示され、前述と同様に、その位置決め画像G2の隣には、線量値の大きさを色の変化により示す線量チャートG3が表示される。
【0027】
このように検査ごとの検査結果情報からそれぞれの被曝線量画像G1が求められて表示部4により表示される。この被曝線量画像G1は検査部位に対応する被曝領域R1及びその被曝領域R1内の被曝線量を示すため、医師や患者などの利用者は被曝線量画像G1の領域や色の違い(色相や彩度、明度の違い)から被検体の被曝領域R1及びその被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。
【0028】
なお、前述の検査ごとの検査結果情報からトータルの線量情報(総合線量情報)を生成し、その生成した線量情報に基づいて、全体の被曝領域R1及びその被爆領域R1内の被曝線量を示す被曝線量画像G1を生成することも可能である。検査ごとの検査結果情報において被検体の被曝領域が重なった部分では、線量値が積算されることになる。
【0029】
この場合には、例えば、
図5に示すように、検査ごとの検査結果情報に基づくトータルの被曝線量画像G1が位置決め画像G2上に表示される。このトータルの被曝線量画像G1は、
図2ないし
図4に示す三つの被曝領域R1の合計線量値を示す画像であり、それらの領域が重なる部分では線量値が積算されている。
【0030】
なお、検査ごとの検査結果情報に基づくトータルの被曝線量画像G1を生成するためには、例えば、
図2ないし
図4に示す三つの被曝線量画像G1を位置決め画像G2上に半透明で重ねるようにしても良い。この場合には、三つの被曝線量画像G1が重なった部分は自動的に濃くなる。
【0031】
このような画像生成を行う画像生成部8は、電気回路などのハードウエアで構成されても良く、あるいは、これらの機能を実行するプログラムなどのソフトウエアで構成されても良い。また、ハードウエア及びソフトウエアの両方の組合せにより構成されても良い。
【0032】
次に、前述の医用画像表示装置1が行う画像生成処理について説明する。
【0033】
図6に示すように、操作部5に対する操作者の入力操作に応じて、対象患者が決定され(ステップS1)、その対象患者に対する検査結果情報が検査結果情報記憶部6から検索される(ステップS2)。なお、ステップS1では、操作者が操作部5を操作し、例えば患者IDあるいは患者氏名を入力して対象患者を選択すると、この選択に応じて対象患者が決定される。
【0034】
ステップS2の検索が完了すると、対象患者に対する検査結果情報の有無が判断され(ステップS3)、対象患者に対する検査結果情報が無いと判断されると(ステップS3のNO)、ステップS1に戻り、再度、操作部5に対する操作者の入力操作に応じて対象患者が決定される(ステップS1)。
【0035】
一方、対象患者に対する検査結果情報が有ると判断されると(ステップS3のYES)、画像生成部8により線量情報データベースが作成される(ステップS4)。この線量情報データベースは、対象患者において検査ごとの検査結果情報から被曝線量画像G1の生成に必要な線量情報を復元して管理するためのものであり、画像生成部8内に構築される。
【0036】
ステップS4の作成が完了すると、線量情報データベースに基づいて画像生成部8により被曝線量画像G1が生成され(ステップS5)、さらに、対象患者に対する位置決め画像G2が画像記憶部7から検索される(ステップS6)。
【0037】
ステップS6の検索が完了すると、対象患者に対する位置決め画像G2の有無が判断され(ステップS7)、対象患者に対する位置決め画像G2が有ると判断されると(ステップS7のYES)、その位置決め画像G2が表示部4により表示される(ステップS8)。一方、対象患者に対する位置決め画像G2が無いと判断されると(ステップS7のNO)、人体モデル画像が表示される(ステップS9)。
【0038】
ここで、人体モデル画像は、人の体形をあらわす人体モデルを平面で示す被検体画像である。この人体モデル画像としては、対象患者の年齢と同じ年齢の平均体形をあらわす人体モデル画像を用いることが好ましい。例えば、対象患者の年齢に応じて、年齢ごとの人体モデル画像から一つの人体モデル画像を選択して用いることが可能である。なお、年齢ごとの人体モデル画像は、例えば画像記憶部7に記憶されている。
【0039】
ステップS8又はステップS9の表示が完了すると、被曝線量画像G1が表示部4により位置決め画像G2上に重ねられて表示される(ステップS10)。このとき、被曝線量画像G1が位置決め画像G2上に表示されると共に、位置決め画像G2の隣には、線量チャートG3が表示される(
図2ないし
図5参照)。
【0040】
ここで、対象患者の検査結果情報が複数存在する場合には、検査ごとに検査結果情報から線量情報を求めて被曝線量画像G1を生成する(
図2ないし
図4参照)。この場合には、操作部5に対する操作者の入力操作に応じて、検査ごとの被曝線量画像G1を切り替えて表示することになる。また、全ての検査結果情報からトータルの線量情報を求め、その線量情報を元にトータルの被曝線量画像G1を生成して表示するようにしても良い(
図5参照)。
【0041】
このような画像生成処理によれば、検査結果情報から線量情報が求められ、その線量情報に基づいて検査部位に対応する被曝領域R1及びその被曝領域R1内の被曝線量を示す被曝線量画像G1が生成される。その後、被曝線量画像G1が位置決め画像G2上に重ねられて表示され、さらに、線量チャートG3も位置決め画像G2の隣に表示される。このようにして、被曝線量画像G1が医師や患者などの利用者により視認可能となるため、利用者は被曝線量画像G1の領域から対象患者の被曝領域R1を直感的に把握することができ、さらに、被曝線量画像G1の色の違い(色相や彩度、明度の違い)から、対象患者の被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、被検体に対するX線の線量情報に応じて、被検体の被曝領域R1及びその被曝領域R1内の被曝線量を示す被曝線量画像G1を生成し、その生成した被曝線量画像G1を被検体画像である位置決め画像G2上に表示する。これにより、医師や患者などの利用者は、表示された被曝線量画像G1を見て、その被曝線量画像G1から被検体の被曝領域R1及び被曝線量の強弱を認識することが可能となるので、被検体の被曝領域R1及び被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。
【0043】
また、位置決め画像G2は被検体の体形を平面で示すX線画像である。この位置決め画像G2は被検体を撮像したものであり、被検体の体形を正確に示すため、人体モデル画像を用いた場合に比べ、被検体の体形に対する被曝領域R1の位置をより正確に把握することができる。
【0044】
また、被曝線量に応じて色を変えて被曝線量画像G1を生成することから、医師や患者などの利用者は被曝線量画像G1の色の違い(色相や彩度、明度の違い)から被曝線量の強弱をより直感的に把握することができる。なお、色に限らず、例えば、被曝線量に応じて塗りつぶしパターンを変えて被曝線量画像G1を生成しても良いが、色を用いた方が直感的な把握をより確実に実現することができる。
【0045】
また、被曝線量画像G1及び位置決め画像G2に加え、X線の線量値の大きさを色の変化で示す線量チャートG3を表示することから、線量チャートG3から被曝線量画像G1の線量値の大きさを把握することができる。ただし、被曝線量画像G1の色の違い(色相や彩度、明度の違い)から、例えば、色が濃いと被曝線量が高く、色が薄いと被曝線量が低いということを利用者が認識していれば、線量チャートG3が表示されない場合でも、被曝線量の強弱を直感的に把握することは可能である。
【0046】
また、被検体に対する検査結果情報を元にX線の線量情報を求め、その線量情報から被曝線量画像G1を生成することから、被検体の過去の検査での被爆に関して、被検体の被曝領域R1及び被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。
【0047】
また、被検体に対する複数の検査結果情報を組み合わせてX線の線量情報を求め、その線量情報から被曝線量画像G1を生成することから、被検体の過去の各検査での被爆に関して、被検体の被曝領域R1及び被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。
【0048】
ここで、医用画像撮像装置には、位置決め画像G2を用いてX線照射器に供給する最適な管電流を算出する機能、例えば、Real−ECと呼ばれる機能がある。このため、被検体の各部位の体厚に合ったX線量を自動的に計算し、回転ごとにX線量を細かく制御することが可能である。これにより、高画質を維持しつつ不要な被曝を抑え、被曝低減を実現することができる。この機能を用いた場合には、X線の線量値は細かく変動することになる。
【0049】
この場合には、
図7に示すように、被曝線量画像G1は、被曝領域R1内の体軸方向の被曝線量変化を示す画像となる。すなわち、画像生成部8は、被曝領域R1内の体軸方向の被曝線量変化を示す被曝線量画像G1を生成することになる。これにより、被曝領域R1内でも線量変化がある場合でも、その線量変化を示すことが可能となり、被検体の被曝領域R1、さらに、その被曝領域R1内で変化する被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。
【0050】
なお、前述の実施形態においては、線量チャートG3としては、例えば、色の変化(色相や彩度、明度の変化)により線量値の最大から最小までを示すチャートを用いているが、これに限るものではなく、例えば、塗りつぶしパターンを変えて線量値の最大から最小までを示すチャートを用いても良い。さらに、線量値の大きさに、その線量値を取得した検査日時(被曝日時)、すなわち検査日時から現在日時までの経過時間を加味して示すチャートを用いるようにしても良い。
【0051】
例えば、
図8に示すように、線量チャートG3は、縦方向に線量値の最大から最小まで、さらに、横方向に時間(Time)の経過を色の変化(色相や彩度、明度の変化)により示す画像である。この画像では、横方向の一番右側を現在(Now)としている。この線量チャートG3によれば、検査日時が古く線量値が小さくなるほど色が薄くなり、逆に、検査日時が新しく線量値が大きくなるほど色が濃くなる。
【0052】
この線量チャートG3は画像生成部8による画像生成の色基準となり、画像生成部8は線量チャートG3内の色を用い、被曝線量に応じて色を変えて被曝線量画像G1を生成する。したがって、画像生成部8は、被検体に対する検査結果情報に含まれる検査日時、すなわち被爆日時を加味して被曝線量画像G1を生成することになる。
【0053】
また、前述の実施形態においては、検査結果情報を元にX線の線量情報を生成し、その線量情報から被曝線量画像G1を生成しているが、これに限るものではなく、例えば、被検体に対する検査計画情報を元にX線の線量情報(予測線量情報)を求め、その予測線量情報から被曝線量画像G1を生成するようにしても良い。例えば、検査計画情報には、どのような撮像モードや照射強度(管電流値)で検査を行うか、また、被検体のどの部位(照射範囲)を検査するかなどの各種の情報が含まれている。
【0054】
このような場合には、予測線量情報に基づく被曝線量画像G1が表示されるため、被検体の今後の検査での被爆に関して、被検体の被曝領域R1及び被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。なお、前述のように一つの検査計画情報を用いて線量情報を生成するだけではなく、複数の検査計画情報を用いて線量情報を生成するようにしても良く、さらに、検査計画情報及び検査結果情報の両方を組み合わせて線量情報を生成するようにしても良い。それら両方を組み合わせた場合には、被検体の過去の検査での被曝と今後の検査での被爆とのトータルの被曝に関して、被検体の被曝領域R1及び被曝線量の強弱を直感的に把握することができる。
【0055】
また、前述の実施形態においては、線量チャートG3としてグレースケールチャート又はカラーチャートなどの各種のチャートを採用しているが、例えば、操作部5に対する操作者の入力操作に応じて、それらのチャートを切り替えるようにしても良い。この場合には、例えば、線量チャートG3が赤色系のカラーチャートから青色系のカラーチャートに切り替えられると、被曝線量画像G1も赤色系から青色系により切り替えられる。したがって、線量チャートG3の表示色の切り替えに応じて被曝線量画像G1の表示色も切り替えられることになる。なお、部位(胸部や腹部、頭部など)ごとに被曝線量画像G1の表示色を変えるようにしても良い。この場合には、被曝線量画像G1の表示色に応じて線量チャートG3の表示色が切り替えられることになる。
【0056】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。