(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記監視装置のメインスイッチは、前記シートの裏面側に設けられ、前記シートを前記電気計装盤の盤面又は盤内に取付けた状態で、前記メインスイッチをオフにすることができないことを特徴とする請求項4に記載の危険区画標示装置。
【背景技術】
【0002】
配電盤関係の作業を安全に行うには、作業を行う対象機器(作業対象機器)とその他の機器、特に運転中の機器(作業対象外機器)とを明確に区分けする必要がある。発変電所では、作業対象外機器の前面をビニールシートで覆い、あるいは作業対象外機器のスイッチ類にビニールテープを貼り、注意を喚起すると共に作業対象外機器を操作できないようにしている。
【0003】
作業対象機器の点検作業、修理作業などにおいて、作業対象外機器を操作する必要がない場合には、前記方法を用いることで安全に作業を進めることができる。しかしながら作業対象機器の動作確認を行うために、作業対象外機器側のスイッチを操作する必要が生じるケースもある。この場合、一時的にビニールシートをめくり、あるいはビニールテープを取り去り、スイッチ操作することとなる。
【0004】
このような場合、ビニールシートあるいはビニールテープの復旧を失念すると、不意に作業対象外機器を誤操作し、結果、停電事故や感電事故につながる。また作業対象外機器をビニールシートで覆っていても、何らかの理由でビニールシートを外してしまい、誤操作する場合もある。
【0005】
このような誤操作については、これまでに電気設備、計装設備の制御盤でも指摘されており、これを解決する誤操作防止装置も提案されている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の装置は、制御盤の盤面に配置されたスイッチに作業者の手指などが接近したことをセンサーを介して検出し、この検出された位置にあるスイッチと制御盤上のスイッチの設定状態との組み合わせが、誤操作履歴と一致するときは、スピーカーを介して警報を発し、作業者の誤操作を防止するものである。特許文献1に記載の技術を、既設の配電盤等に適用する場合には、大掛かりな改造が必要となり、多大な時間と費用とが必要となる。さらに操作履歴、誤操作情報を配電盤毎に記憶させる必要があるため、メンテナンスにも多くの労力を必要とする。
【0008】
従来の作業対象外機器の前面をビニールシートで覆う方法は、安価で容易に実施できる方法であるからこれを利用し、配電盤のスイッチ等の誤操作を防止し、あるいは誤操作につながる行為に対して注意を喚起することができれば好ましく、既設の配電盤などを何ら改造することなく使用することができればより好ましい。
【0009】
本発明の目的は、既設の配電盤などを改造することなく、配電盤などに簡単に取付け使用することができる、危険区画を標示し、該区画へアクセスする者に対して注意を喚起し、誤操作を防止可能ならしめる危険区画標示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、電気計装盤の機器を操作不能に前記電気計装盤の盤面又は盤内を覆う、柔軟性を有するシートと、前記シートの周縁部に取付けられ、前記シートを前記電気計装盤の盤面又は盤内に着脱自在に固定する磁石と、前記シートの周縁部に取付けられ、前記シートが前記電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられたことを検知する検知手段と、前記検知手段と接続し、前記電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられた前記シートがめくられたか否かを監視し、前記シートがめくられたと判断すると警報を発する監視装置と、を備えることを特徴とする危険区画標示装置である。
【0011】
本発明の危険区画標示装置は、シートが電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられたことを検知する検知手段を備え、監視装置が電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられたシートがめくられたと判断すると警報を発するので、危険区画標示装置を操作が禁止されている電気計装盤に取付けておけば、該区画が危険区画であることを標示し、該区画へアクセスする者に対して注意を喚起し、さらには該区画へアクセスがあったことを周囲の者に報知することで誤操作を防止することができる。本発明の危険区画標示装置は、シートが、磁石を介して電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられるので、電気計装盤を改造することなく簡単に取付け使用することができる。
【0012】
また本発明の危険区画標示装置は、前記構成に加え、前記シートは矩形形状を有し、前記検知手段は、少なくとも前記シートの4角に取付けられていることを特徴とする。
【0013】
電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられたシートをめくるときは、通常、角からめくられる。本発明によれば、検知手段が少なくともシートの4角に取付けられているので、少ない検知手段の数で効率的に電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられたシートがめくられたことを検知することができる。
【0014】
また本発明の危険区画標示装置は、前記構成に加え、前記検知手段は、さらに前記シート各辺に1個以上取付けられており、前記シートは、シートの一部分のみで前記電気計装盤の盤面又は盤内を覆い、残りの部分を折畳み、丸め、垂らし又は床に這わせた状態で使用することが可能であり、前記監視装置は、前記シートの一部分のみで前記電気計装盤の盤面又は盤内を覆っていても、覆っている部分のシートがめくられたか否かを判定可能なことを特徴とする。
【0015】
本発明の危険区画標示装置は、シートの一部分のみを使用して電気計装盤の盤面又は盤内を覆い、残りの部分を折畳み、丸め、垂らし又は床に這わせた状態で使用することが可能であり、この状態であってもシートがめくられたことを判定可能なため、種々の大きさの電気計装盤に使用可能であり、使い勝手がよい。
【0016】
また本発明の危険区画標示装置は、前記構成に加え、前記監視装置は、監視を開始するスイッチを備え、該スイッチへのアクセスが制限されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、監視装置の監視を開始するスイッチは、アクセスが制限されているので、関係者以外の者が勝手にスイッチを操作し、監視装置を停止させることはできない。これにより電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられたシートをめくると確実に警報が発せられ、該区画へアクセスする者に対して注意を喚起し、さらには該区画へアクセスがあったことを周囲の者に報知することができる。
【0018】
また本発明の危険区画標示装置は、前記構成に加え、前記監視装置のメインスイッチは、前記シートの裏面側に設けられ、前記シートを前記電気計装盤の盤面又は盤内に取付けた状態で、前記メインスイッチをオフにすることができないことを特徴とする。
【0019】
関係者以外の者が勝手に監視装置のメインスイッチをオフにすると、電気計装盤の盤面又は盤内を覆っているシートをめくっても警報が発せられないので、該区画へのアクセスを適切に防止することができない。しかしながら本発明の危険区画標示装置は、シートを電気計装盤の盤面又は盤内に取付けた状態でオフにすることができないので、関係者以外の者が勝手に監視装置のメインスイッチをオフにすることはなく、電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられたシートをめくると確実に警報が発せられ、該区画へアクセスする者に対して注意を喚起し、さらには該区画へアクセスがあったことを周囲の者に報知することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の危険区画標示装置を、操作が禁止されている電気計装盤に取付けておけば、該区画が危険区画であることを標示し、該区画へアクセスする者に対して注意を喚起し、さらには該区画へアクセスがあったことを周囲の者に報知することで誤操作を防止することができる。本発明の危険区画標示装置は、シートが、磁石を介して電気計装盤の盤面又は盤内に取付けられるので、電気計装盤を改造することなく簡単に取付け使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の実施の一形態である危険区画標示装置1を配電盤100の前面(盤面)に取り付けた状態を示す正面図である。
図2は、
図1の切断線A−Aで切断した断面図、
図3は、
図1の切断線B−Bで切断した断面図である。
図4は、危険区画標示装置1を折畳んだ状態で配電盤100の前面(盤面)に取り付けた状態を示す断面図である。なお、図面は必ずしも同一な縮尺で描かれていない。
【0023】
危険区画標示装置1は、配電盤、制御盤、動力盤などに設けられたスイッチ等の操作を防止するために盤面に取付け、あるいはスイッチギア内の保護バリアを単独で開かないように保護バリアの前面を覆うようにスイッチギアを収納する盤内に取付け使用する装置である。以下、危険区画標示装置1を配電盤100の盤面102に取付け使用する場合を例として取り上げ、危険区画標示装置1の構成、動作を説明する。
【0024】
危険区画標示装置1は、配電盤100の盤面102を覆うシート3と、シート3を配電盤100の盤面102に着脱自在に固定する磁石15と、シート3が配電盤100の盤面102に取付けられたことを検知するセンサー17と、配電盤100の盤面102に取付けられたシート3がめくられたか否かを監視する監視装置21と、警報を発する表示灯41を有する。
【0025】
シート3は、矩形形状の透明な樹脂性のシートであり、折畳み又は丸めて使用することができる柔軟性を備える。シート3は、透明でなくてもよいが、取付けた後も内部が視認できる透明シートが好ましい。シート3の厚さは、特定の厚さに限定されるものではないが、必要以上に厚くすると柔軟性が失われ、重量も重くなるので好ましくない。一方で、配電盤100の盤面102には、計器104、スイッチ106等が取付けられているので、これらに接触して破損しない強度は必要である。
【0026】
本実施形態に示すシート3の大きさは、1の配電盤100の前面全体を覆うことができる大きさであるが、シート3の大きさは、特定の大きさに限定されるものではなく、対象とする配電盤100の大きさに応じて適宜決定すればよい。
【0027】
シート3は、
図4に示すように折畳んだ状態で配電盤100に取付け使用することも可能であり、さらにシート3の一部を丸めて使用し、あるいはシート3の一部を垂らし又は床に置いた状態でも使用することができるので小さな配電盤にも使用することができる。なお、配電盤全体、配電盤の1/2、配電盤の1/4を覆うことができる大きさのシート3を備える3種類の危険区画標示装置1を準備しておけば使い易い。
【0028】
磁石15は、シート3を配電盤100の盤面102に固定するため、シート3の裏面5の周縁部7全体に接着されている。磁石15は、帯状のゴム磁石であり、シート3を折畳み又は丸めたとき、シート3と一体となって折畳み又は丸めることができる。ゴム磁石は、公知のように合成ゴムと磁石粉末とを混合して成形した磁石であり、柔軟性を有するのでシート3を固定する磁石として好ましい。ゴム磁石に代え、柔軟性を有するプラスチック磁石を用いてもよく、さらに他の磁石を用いることもできる。
【0029】
磁石15の吸着力は、配電盤100の盤面102に取付けたシート3が簡単に外れなければよく、特定の吸着力が要求されるものではない。また磁石15は、シート3を配電盤100の盤面102にしっかり固定することができれば、必ずしもシート3の周縁部7全体に隙間なく取付ける必要はなく、間隔を開けてスポット的に取付けてもよい。磁石15をシート3の周縁部7にスポット的に取付けると、磁石15自体に柔軟性がなくてもシート3を折畳み又は丸めることができる。
【0030】
センサー17は、シート3の裏面に取付けられ、シート3が配電盤100の盤面102に取付けられたことを検知する検知手段である。ここではセンサー17に感圧センサーを使用し、シート3を配電盤100の盤面102に取付けたときセンサー17に加わる圧力からシート3が配電盤100の盤面102に取付けられたことを検知する。このような圧力を感知するセンサーとしては、圧電センサー、歪ゲージが例示される。
【0031】
センサー17は、シート3が配電盤100の盤面102に取付けられたか否か、あるいはセンサー17を含むシート3が、配電盤100の盤面102に接触しているか否かを検知することができればよい。よって感圧センサー以外のセンサー、例えばタッチパネル、導通を検知するセンサーを使用することができる。さらにセンサー以外に突起部分が押されるとスイッチがオンとなるテープスイッチなどを使用することもできる。
【0032】
以上のようにシート3が配電盤100の盤面102に取付けられたか否かを検知する検知手段は、種々の形式のセンサー、スイッチを利用することができるが、使用目的から小型、薄型で安価なものが好ましい。さらに消費電力の少ないものが好ましい。
【0033】
センサー17は、シート3の4角と各辺に所定の間隔を設け複数個取付けられている。配電盤100の盤面102に取付けられたシート3を取外すとき、あるいは配電盤100の盤面102に取付けられたシート3をめくるとき、シート3が矩形であれば、通常、シート3の角から行われる。このため、シート3が配電盤100の盤面102に取付けられたか否かを検知するセンサー17は、シート3の4角に取付けることが効率的である。危険区画標示装置1を特定の配電盤100に専用的に使用し、シート3を折畳み、丸め、垂らし又は床に這わせることなく使用するのであれば、センサー7は、4角にのみ取り付けてもよい。
【0034】
本実施形態の危険区画標示装置1のように、シート3を折畳み、丸め、一部を垂らし又は床に這わせて使用することがある場合には、センサー17をシート3の4角と各辺に複数個取付けることで、シート3が配電盤100の盤面102に取付けられたか否かを確実に検知することができる。
【0035】
例えば
図4において、中央部の3つのセンサー17aは、配電盤100の盤面102に接触していないので、このセンサー17aではシート3が配電盤100の盤面102に取付けられたか否かを検知することができないが、他のセンサー17bが配電盤100の盤面102に接触しているので、センサー17bを介してシート3が配電盤100の盤面102に取付けられたことを検知することができる。
【0036】
コストを考えればセンサー17の数は少ない方が好ましいが、シート3を折畳み、丸め、一部を垂らし又は床に這わせて使用する場合には、センサー17が配電盤100の盤面102に接触しないこともあり得るので、使用態様を考えセンサー17の取付け間隔、個数を決めることが好ましい。
【0037】
図5にセンサー17の取付け要領を示す。
図5(A)は、
図1のC部のセンサー17の取付け要領を示し、(B)は他の取付け要領を示す。
図5(A)は、磁石15の上にセンサー17を直接取付けるケースである。このセンサー17は、フィルム状の感圧センサーであり厚さが薄い。センサー17の厚さが薄い場合には、磁石15の上にセンサー17を取付けても、センサー17とセンサー17との間の磁石15bが、配電盤100の盤面102に吸着するためシート3を配電盤100の盤面102にしっかりと固定することができる。
【0038】
図5(B)は、磁石15を間隔を設けてシート3に取付け、磁石15と磁石15との間にセンサー17を取付けてある。センサー17の厚さが厚い場合には、このような取付け要領を採用すればよい。センサー17の端面18が磁石の端面16よりも僅かに突出するように取付ければ、シート3を配電盤100の盤面102に取付けたことを確実に検知することができる。
【0039】
監視装置21は、配電盤100の盤面102に取付けられたシート3がめくられたか否かを監視する監視手段と、シート3がめくられたと判断すると警報を発する警報手段とを備え、さらにシート3がめくられたと判断すると表示灯41を点灯させ危険を報知する。監視装置21の構成及び動作を
図6、
図7及び
図8を用いて説明する。
【0040】
図6は、監視装置21の構成を示すブロック図、
図7は、監視装置21の入力手段25を示す正面図である。
図8は、監視装置21の動作手順を示すフローチャートである。
【0041】
監視装置21は、センサー17から信号を得て配電盤100の盤面102に取付けられたシート3がめくられたか否かを監視、判定すると共に信号の入出力を制御するCPU23、タッチパネル方式の入力装置25、データを記録するメモリ27及び記録手段29を備える。さらに監視装置21は、配電盤100の盤面102に取付けられたシート3がめくられたか否かを判断すると警報音を発する警報装置31とバッテリ33とを備える。
【0042】
入力装置25は、タッチパネル方式の入力装置であり、監視装置21の本体前面にテンキー部37と表示部39とを備える。ここで使用するタッチパネル方式の入力装置には、汎用のタッチパネル方式の入力装置を使用することができる。またタッチパネル方式の入力装置に代え、公知の押しボタン式の入力装置を使用してもよい。さらに他の方式の入力装置25であってもよく、小型で安価なものが好ましい。
【0043】
記録手段29には、監視装置21を動作させるためのプログラムがインストールされており、さらに各センサー17の識別番号、監視装置21にアクセスするためのパスワードも予め入力され、記録されている。なお、各センサー17の識別番号、監視装置21にアクセスするためのパスワードは、入力装置25を介して設定、変更可能にプログラミングされている。
【0044】
監視装置21は、バッテリ33を内蔵し、センサー17及び表示灯41に電源を供給する。監視装置21のメインスイッチ35は、裏面に設けられており、シート3が配電盤100の盤面102に取付けられた状態で操作することはできない。このような監視装置21は、コンピュータ、マイコン、プログラマブルロジックコントローラなどを用いて実現することができる。
【0045】
本実施形態では、監視装置21が警報装置31を内蔵するが、監視装置21と警報装置31とが分離していてもよい。また本実施形態では、警報装置31は警報音を発するが、警報音に代え、音声による警報を発し、注意を喚起するようにしてもよい。
【0046】
表示灯41は、シート3がめくられたとき危険を報知するための装置であり、監視装置21から電源供給を受けLEDを点灯させ、危険を報知する。
【0047】
監視装置21の動作を説明する。メインスイッチ35をオンにし、シート3で配電盤100を覆うように危険区画標示装置1を配電盤100の盤面102に取付ける(ステップS1)。シート3の裏面には磁石15が設けられているので配電盤100をシート3で覆うことができる。次に、入力装置25であるタッチパネルを操作し、予め決められたパスワードを入力して操作画面を開く(ステップS2)。
【0048】
操作画面から動作スイッチをオンとする(ステップS3)。CPU23は、動作スイッチがオンとなると、記録手段29からプログラムを読み出し、各センサー17から信号を受信し、これを初期データとし、各センサー17に設けられた識別番号と関連付けてメモリ27に記録する(ステップS4)。以降、CPU23は、各センサー17から信号を受信し(ステップS5)、このデータと初期データとを比較する(ステップS6)。
【0049】
シート3で配電盤100を覆うように危険区画標示装置1を配電盤100の盤面102に取付けた状態においては、磁石15が盤面102に吸着しているためセンサー17には、荷重が加わっている。この状態からシート3の一部でもめくると、めくられた部分のセンサー17には、加わっていた荷重が取り除かれるため、センサー17の出力が初期状態と異なる。
【0050】
CPU23は、いずれか1のセンサー17が初期状態と異なっていると判断すると(ステップS6)、シート3がめくられたと判断し、危険を報知するために警報装置31を通じて警報音を発すると共に、表示灯41を点灯させる(ステップS7)。
【0051】
監視装置21の動作を停止させるときは、入力装置25であるタッチパネルを操作し、予め決められたパスワードを入力して操作画面を開き、操作画面から動作スイッチをオフとする。その後、危険区画標示装置1を配電盤100から取外しメインスイッチ35をオフとする。
【0052】
監視装置21は、メインスイッチ35がシート3の裏面5側に設けられているので、危険区画標示装置1を配電盤100に取付けた状態で操作することができない。このため関係者以外の者が、勝手に監視装置21を停止させることはできない。また電源が電源コードを通じて供給されないので、勝手に電源コードをコンセントから抜き去り、監視装置211を停止させることもない。
【0053】
さらに監視装置21を動作させ、あるいは停止させるにはパスワードが必要であるので、関係者以外の者が、勝手に監視装置21を動作、停止させることはできない。以上のように、危険区画標示装置1を配電盤100に取り付けた後は、監視が確実に行われるので、安心して使用することができる。
【0054】
危険区画標示装置1の一部を使用し、配電盤100を覆う場合、例えば
図4に示すように危険区画標示装置1の中央部を折畳んだ状態で配電盤100の前面に取り付けたような場合、さらには危険区画標示装置1の中央から上の部分のみで配電盤100を覆い、危険区画標示装置1の中央から下の部分を床に置いたような場合であっても、配電盤100を覆っている部分のシート3に取付けられたセンサー17の信号の変化から、シート3がめくられたことを検知することができる。
【0055】
以上のように危険区画標示装置1は、シート3が配電盤100の盤面102に取付けられたことを検知するセンサー17を備え、監視装置21が配電盤100の盤面102に取付けられたシート3がめくられたと判断すると警報を発するので、危険区画標示装置1を操作が禁止されている配電盤100に取付けておけば、該区画が危険区画であることを標示し、該区画へアクセスする者に対して注意を喚起し、さらには該区画へアクセスがあったことを周囲の者に報知することで誤操作を防止することができる。
【0056】
また危険区画標示装置1は、シート3が、磁石15を介して配電盤100の盤面102に取付けられるので、配電盤100を改造することなく簡単に取付け使用することができる。さらに危険区画標示装置1は、構成が単純であり、シート3を折畳むこともできるので簡単に持ち運ぶことができる。
【0057】
本発明の危険区画標示装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく要旨を変更しない範囲で種々変更することができる。