(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、X線コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography)の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、X線コンピュータ断層撮影装置には、高電圧発生部とX線管とX線検出器とDAS(Data Acquisition System)と呼ばれるデータ収集回路とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate−Type、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、高電圧発生部とX線管とが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate−Type等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。なお、高電圧発生部は、支持フレームに搭載されず、架台部内に設けられてもよい。ここでは、高電圧発生部は支持フレームに搭載されているものとして説明する。
【0009】
また、画像を再構成するには被検体の周囲一周、360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角度分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式に対しても本実施形態へ適用可能である。また、入射X線を電荷に変化するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線によるセレン等の半導体内での電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。X線検出素子としては、それらのいずれの方式を採用してもよい。さらに、近年では、高電圧発生部とX線管とX線検出器とデータ収集回路との複数のペアを支持フレームに搭載したいわゆる多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本実施形態においては、従来からの一管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であっても、多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であってもいずれも適用可能である。ここでは、一管球型として説明する。
【0010】
なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0011】
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成を示す図である。第1の実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1は、寝台部100と、架台部200と、前処理部110と、再構成部120と、表示部130と、記憶部140と、入力部150と、制御部160とを有する。
【0012】
図2は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の外観の一例を示す外観図である。
図2は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1のうち、寝台部100と架台部200とに関する外観を示している。
【0013】
寝台部100は、被検体が載置される略長方形の形状を有する天板101と、天板101を長手方向、横手方向、上下方向に個々に移動可能に支持する図示していない天板支持機構と、天板支持機構を制御する図示していない天板制御部とを有する。天板制御部は、操作者の指示に従って天板支持機構を制御する。天板支持機構は、天板制御部から出力された制御信号に従って、長手方向、横手方向、上下方向のうち少なくとも一つの方向に沿って、天板101を移動する。天板101には、被検体が載置される。
【0014】
架台部200には、回転支持機構201および回転駆動部202が収容される。回転支持機構201は、支持フレームと、回転軸Zを中心として回転自在に支持フレームを支持する軸受と、軸受を固定する固定部とを有する。支持フレームには、高電圧発生部203と、X線管205と、2次元アレイ型または多列型とも称されるX線検出器207(アレイ検出器)と、データ収集回路209とが搭載される。回転駆動部202は、後述する制御部160による制御のもとで、回転支持機構201の支持フレームを、回転軸Z周りに回転させる。具体的には、回転駆動部202は、後述する制御部160による制御の下で、ダイレクトドライブまたはベルトドライブにより、支持フレームを回転させる。
【0015】
図3は、
図2の架台部200の断面ABCDにおける断面図である。支持フレーム2010は、第1フレーム2013、2015と第2フレーム2017とを有する。すなわち、支持フレーム2010は、第1フレーム2013と第2フレーム2017とに分割ライン2019で分割可能な構造と、第1フレーム2015と第2フレーム2017とに分割ライン2021で分割可能な構造とを有する。分割ライン2019、2021は、後述するフレーム保持軸受交換処理において軸受2023を回転軸Zに沿って取り外し(以下、軸受取り外し方向と呼ぶ)可能なように、支持フレーム2010に設けられる。第1フレーム2013は、治具を介して固定部2025に連結可能な治具取り付け部2027を有する。第1フレーム2015は、治具を介して固定部2025に連結可能な治具取り付け部2029を有する。
【0016】
第2フレーム2017は、軸受取り外し方向に取り外し可能である。第2フレーム2017の大きさは、例えば、第2フレーム2017を架台部200から取り外すと、軸受取り外し方向から軸受2023が露出する程度の大きさである。加えて、第2フレーム2017の重量は、例えば、第2フレーム2017の取り外しにおいて、治具などを用いなくとも取り外し可能な重量を有する。
【0017】
架台部200は、複数の架台カバーで覆われる。複数の架台カバーのうち、寝台部100側の架台カバーを前方カバー2001と呼ぶ。前方カバー2001は、例えば、架台部200の上端にヒンジが設けられたガル翼機構により架台部200の上方に開放される。複数の架台カバーのうち、寝台部100の反対側の架台カバーを後方カバー2003と呼ぶ。また、前方カバー2001および後方カバー2003は、架台部200から取り外し可能な構造で、架台部200に設けられる。なお、後方カバー2003は、例えば、ガル翼機構により、架台部200上方に開放可能であってもよい。
【0018】
高電圧発生部203は、X線管205に供給するための高電圧を発生する。具体的には、高電圧発生部203は、後述する制御部160からスリップリング211を介して入力された制御信号に従って、高電圧を発生する。
【0019】
X線管205は、高電圧発生部203から電圧の印加および電流の供給を受けて、X線の焦点からX線を放射する。X線の焦点から放射されたX線は、X線管205のX線放射窓に取り付けられたコリメータ部により、例えばコーンビーム形(角錐形)に整形される。X線の放射範囲は、点線213で示されている。
【0020】
X線検出器207は、回転軸Zを挟んでX線管205に対峙する位置およびアングルで、支持フレーム2010に取り付けられる。X線検出器207は、複数のX線検出素子を有する。ここでは、単一のX線検出素子が単一のチャンネルを構成しているものとして説明する。複数のチャンネルは、回転軸Zに直交し、かつ放射されるX線の焦点を中心として、この中心から1チャンネル分のX線検出素子の受光部中心までの距離を半径とする円弧方向(チャンネル方向)とZ方向との2方向に関して2次元状に配列される。また、X線検出器207は、複数のX線検出素子を1列に配列した複数のモジュールで構成されてもよい。モジュール各々は、上記チャンネル方向に沿って略円弧方向に1次元状に配列される。
【0021】
また、複数のX線検出素子は、チャンネル方向とスライス方向との2方向に関して2次元状に配列されてもよい。すなわち、2次元状の配列は、上記チャンネル方向に沿って一次元状に配列された複数のチャンネルを、スライス方向に関して複数列並べて構成される。このような2次元状のX線検出素子配列を有するX線検出器207は、略円弧方向に1次元状に配列される複数の上記モジュールをスライス方向に関して複数列並べて構成されてもよい。
【0022】
撮影又はスキャンに際しては、X線管205とX線検出器207との間の円筒形の撮影領域内に、被検体が天板101に載置され挿入される。X線検出器207の出力側には、データ収集回路209が接続される。
【0023】
データ収集回路209(以下、DASと呼ぶ)には、X線検出器207の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このアンプの出力信号をディジタル信号変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに取り付けられている。DAS209から出力されるデータ(純生データ(pure raw data))は、磁気送受信又は光送受信を用いた非接触データ伝送部215を経由して、前処理部110に伝送される。
【0024】
前処理部110は、DAS209から出力される純生データに対して前処理を施す。前処理には、例えばチャンネル間の感度不均一補正処理、X線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下または、信号脱落を補正する処理等が含まれる。前処理部110から出力される再構成処理直前のデータ(生データ(raw data)または、投影データと称される、ここでは投影データという)は、データ収集したときにビューアングルを表すデータと関連付けられて、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリを備えた記憶部140に記憶される。
【0025】
なお、投影データとは、被検体を透過したX線の強度に応じたデータ値の集合である。ここでは説明の便宜上、ワンショットで略同時に収集したビューアングルが同一である全チャンネルにわたる一揃いの投影データを、投影データセットと称する。また、ビューアングルは、X線管205が回転軸Zを中心として周回する円軌道の各位置を、回転軸Zから鉛直上向きにおける円軌道の最上部を0°として360°の範囲の角度で表したものである。なお、投影データセットの各チャンネルに対する投影データは、ビューアングル、コーン角、チャンネル番号によって識別される。また、投影データセットの各チャンネルに対する投影データは、X線管205から放出されるX線のエネルギーに応じて、識別されてもよい。
【0026】
再構成部120は、ビューアングルが360°又は180°+ファン角度の範囲内の投影データセットに基づいて、フェルドカンプ法またはコーンビーム再構成法により、略円柱形の3次元画像を再構成する機能を有する。フェルドカンプ法は、コーンビームのように再構成面に対して投影レイが交差する場合の再構成法である。フェルドカンプ法は、コーン角が小さいことを前提として畳み込みの際にはコーンビームをファン投影ビームとみなして再構成し、逆投影においてはスキャンの際のレイに沿って再構成する近似的画像再構成法である。コーンビーム再構成法は、フェルドカンプ法よりもコーン角のエラーが抑えられる方法として、再構成面に対するレイの角度に応じて投影データを補正する再構成法である。
【0027】
表示部130は、再構成部120で再構成された医用画像、X線コンピュータ断層撮影のために設定される条件などを表示する。
【0028】
記憶部140は、再構成部120で再構成された医用画像(以下、再構成画像と呼ぶ)を記憶する。記憶部140は、後述する入力部150により入力された操作者の指示、画像処理の条件、撮影条件などの情報を記憶する。記憶部140は、前処理部110から出力された投影データを記憶する。記憶部140は、X線コンピュータ断層撮影のために、寝台部100、架台部200などを制御する制御プログラムを記憶する。
【0029】
入力部150は、操作者が所望するX線コンピュータ断層撮影の撮影条件、所定の値などを入力する。具体的には、入力部150は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本X線コンピュータ断層撮影装置1に取り込む。入力部150は、図示しないが、関心領域の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等を有する。入力部150は、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標を制御部160に出力する。なお、入力部150は、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルを有していてもよい。この場合、入力部150は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を制御部160に出力する。
【0030】
制御部160は、本X線コンピュータ断層撮影装置1の中枢として機能する。制御部160は、図示しないCPUを備える。制御部160は、記憶部140に記憶された制御プログラムに基づいて、X線コンピュータ断層撮影のために架台部200、寝台部100などを制御する。制御部160は、所定の画像発生・表示等を実行するための制御プログラムを、記憶部140から読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・処理等を実行する。
【0031】
(フレーム保持軸受交換機能)
フレーム保持軸受交換機能とは、軸受け交換時において、支持フレームのうち第1フレームを治具を介して固定部2025に保持して、軸受の交換を実行する機能である。以下、フレーム保持軸受交換機能に係る処理(以下、フレーム保持軸受交換処理と呼ぶ)について説明する。
【0032】
図4は、フレーム保持軸受交換処理の手順を示すフローチャートの一例を示す図である。架台部200における後方カバー2003が取り外される(ステップSa1)。後方カバー2003は、例えば、
図2において、辺AB側の架台カバーである。なお、後方カバー2003が架台部200の上方に開放可能である場合、ステップSa1は省略可能である。
【0033】
後方カバーの取り外し後、治具が治具取り付け部2027、2029と固定部2025とに取り付けられる(ステップSa2)。治具により、第1フレーム2013、2015と固定部2025とが連結される。
図5は、
図2の架台部200の断面ABCDにおいて、治具2031、2033を介して固定部2025に連結された第1フレーム2013、2015の一例を示す図である。
図5に示すように、第1フレーム2013における治具取り付け部2027と固定部2025とに、治具2031が取り付けられる。また、第1フレーム2015における治具取り付け部2029と固定部2025とに、治具2033が取り付けられる。
【0034】
第2フレーム2017に搭載されているユニットが取り外される(ステップSa3)。なお、第1フレーム2013、2015に搭載されているユニットは、取り外されず、第1フレーム2013、2015に搭載されたままとなる。支持フレーム2010において、第1フレーム2013と第2フレーム2017とが、分割ライン2019に沿って分割される。支持フレーム2010において、第1フレーム2015と第2フレーム2017とが、分割ライン2021に沿って分割される。第2フレーム2017が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向に沿って取り外される(ステップSa4)。
【0035】
図6は、本実施形態に係り、
図2の架台部の断面ABCDにおいて、第2フレーム2017を軸受取り外し方向2035に沿って取り外す一例を示す図である。第2フレーム2017は、円環状の形状を有するため、軸受取り外し方向2035は、辺AB側に向かう方向である。第2フレーム2017の取り外しにより、軸受2023が露出する。
【0036】
軸受2023が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向2035に沿って取り外される(ステップSa5)。軸受2023は、円環状の形状を有する。軸受取り外し方向2023は、辺AB側に向かう方向である。
図7は、本実施形態に係り、
図2の架台部200の断面ABCDにおいて、軸受2023を軸受取り外し方向2035に沿って取り外す一例を示す図である。
【0037】
軸受2023の取り外し後、新しい軸受が固定部2025に取り付けられる(ステップSa6)。次いで、取り外されていた第2フレーム2017が、分割ライン2019で第1フレーム2013に取り付けられる。さらに、第2フレーム2017が、分割ライン2021で第1フレーム2015に取り付けられる。第2フレーム2017から取り外されていたユニットが、第2フレーム2017に搭載される。後方カバー2003が、架台部200に取り付けられる。第1フレーム2013と固定部2025とを連結していた治具2031が取り外される。第1フレーム2015と固定部2025とを連結していた治具2033が取り外される。上記手順により、第1フレーム2013、2015を保持した状態での軸受2023の交換が終了する。
【0038】
(第1の変形例)
第1の実施形態との相違は、回転支持機構201において、軸受2023が軸受押さえにより固定部2025に固定され、かつ前方カバー2001側の方向に第2フレーム2017、軸受押さえ、軸受2023を取り外す構造を有していることにある。以下、上記実施形態と異なるフレーム保持軸受交換処理について説明する。
【0039】
(フレーム保持軸受交換機能)
図8は、本実施形態の第1の変形例に係るフレーム保持軸受交換処理の手順を示すフローチャートの一例を示す図である。治具2031、2033が治具取り付け部2027、2029と固定部2025とに取り付けられる(ステップSb1)。治具2031、2033により、第1フレーム2013、2015と固定部2025とが連結される。
【0040】
図9は、本実施形態の第1の変形例に係り、
図2の架台部200の断面ABCDにおいて、治具2031、2033を介して固定部2025に連結された第1フレーム2013、2015の一例を示す図である。
図9に示すように、第1フレーム2013における治具取り付け部2027と固定部2025とに、治具2031が取り付けられる。第1フレーム2015における治具取り付け部2029と固定部2025とに、治具2033が取り付けられる。治具2031、2033の取り付け後、架台部200を覆う複数の架台カバーのうち前方カバー2001が、開放される。前方カバー2001は、例えば、
図2において、辺CD側の架台カバーである。
【0041】
第2フレーム2017に搭載されているユニットが取り外される(ステップSb2)。なお、第1フレーム2013、2015に搭載されているユニットは、取り外されず、第1フレーム2013、2015に搭載されたままとなる。支持フレーム2010において、第1フレーム2013と第2フレーム2017とが、分割ライン2020に沿って分割される。支持フレーム2010において、第1フレーム2015と第2フレーム2017とが、分割ライン2019に沿って分割される。
【0042】
第2フレーム2017が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向に沿って取り外される(ステップSb3)。第2フレーム2017の大きさは、例えば、第2フレーム2017を架台部200から取り外されたとき、軸受取り外し方向から軸受2024が露出する程度の大きさである。加えて、第2フレーム2017の重量は、例えば、第2フレーム2017の取り外しにおいて、治具などを用いなくとも取り外し可能な重量を有する。
【0043】
図10は、本実施形態の第1の変形例に係り、
図2の架台部200の断面ABCDにおいて、第2フレーム2017を軸受取り外し方向2036に沿って取り外す一例を示す図である。第2フレーム2017は、円環状の形状を有する。軸受取り外し方向2036は、辺CD側(前方カバー側)に向かう方向である。第2フレーム2017の取り外しにより、軸受押さえ2022が露出する。
【0044】
軸受押さえ2022が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向2036に沿って取り外される(ステップSb4)。
図11は、本実施形態の第1の変形例に係り、
図2の架台部200の断面ABCDにおいて、軸受押さえ2022を軸受取り外し方向2036に沿って取り外す一例を示す図である。軸受押さえ2022は、円環状の形状を有する。軸受取り外し方向2036は、辺CD側に向かう方向である。軸受押さえ2022の取り外しにより、軸受2024が露出する。
【0045】
軸受2024が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向2036に沿って取り外される(ステップSb5)。軸受2024は、円環状の形状を有する。軸受取り外し方向2036は、辺CD側に向かう方向である。
図12は、本実施形態に係り、
図2の架台部の断面ABCDにおいて、軸受2024を軸受取り外し方向2036に沿って取り外す一例を示す図である。
【0046】
軸受2024の取り外し後、新しい軸受が固定部2025に取り付けられる(ステップSb6)。次いで、取り外されていた第2フレーム2017が、分割ライン2020で第1フレーム2013に取り付けられる。さらに、第2フレーム2017が、分割ライン2019で第1フレーム2015に取り付けられる。第2フレーム2017から取り外されていたユニットが、第2フレーム2017に搭載される。第1フレーム2013と固定部2025とを連結していた治具2031が取り外される。第1フレーム2015と固定部2025とを連結していた治具2033が取り外される。次いで、前方カバー2001が、閉じられる。上記手順により、第1フレーム2013、2015を保持した状態での軸受2023の交換が終了する。
【0047】
(第2の変形例)
第1の実施形態および第1の変形例との相違は、第2フレーム2017が回転軸Z周りの回転方向に沿って複数の部分フレームに分割可能な分割構造を有することにある。例えば、第2フレーム2017は、回転方向に沿って2分割される。以下、2分割された第2フレーム2017のうち、天板101の載置面より上方に位置する第2フレーム2017を上部フレームと呼ぶ。2分割された第2フレーム2017のうち、天板101の載置面より下方に位置する第2フレーム2017を下部フレームと呼ぶ。第2フレーム2017を上部フレームと下部フレームとに分割する分割ラインは、例えば、半径方向に沿って、開口210より低い位置に設けられる。
【0048】
具体的には、第2フレーム2017における分割ラインは、下部フレームを架台部200から取り外す際、寝台部100に干渉しないように設けられる。
図13は、
図2の架台部100の断面ABCDにおいて治具を介して固定部2025に連結された第1フレーム2015を、寝台部100(前方側)から見た第2フレーム2017とともに示す図である。
図13に示すように、第2フレーム2017は、上部フレーム2040と下部フレーム2042とに分割ライン2043により分割可能である。この時、分割ライン2043は、天板101より下方に設けられる。
【0049】
以下、上記実施形態および第1の変形例と異なるフレーム保持軸受交換処理について説明する。
【0050】
(フレーム保持軸受交換機能)
図14は、本実施形態の第2の変形例に係るフレーム保持軸受交換処理の手順を示すフローチャートの一例を示す図である。
【0051】
架台部200の寝台部100側(前方側)にやぐらが組み立てられる(ステップSc1)。なお、上部フレーム2040および下部フレーム2042が、やぐらなしで取り外し可能な重量である場合、ステップSc1は不要となる。やぐらの組み立て後、前方カバー2001が取り外される(ステップSc2)。なお、前方カバー2001は、架台部200の上方に持ち上げられることにより、開放されてもよい。この時、ステップSc2は不要となる。
【0052】
前方カバー2001の取り外し後、治具2033が第1フレーム2015の治具取り付け部2029と固定部2025とに取り付けられる(ステップSc3)。治具2033により、第1フレーム2015と固定部2025とが連結される。具体的には、
図13に示すように、第1フレーム2015における治具取り付け部2029と固定部2025とに、治具2033が取り付けられる。治具2033により、第1フレーム2015と固定部2025とが連結される。
【0053】
第2フレーム2017に搭載されているユニットが取り外される(ステップSc4)。なお、第1フレーム2015に搭載されているユニットは、取り外されず、第1フレーム2015に搭載されたままとなる。支持フレーム2010において、第1フレーム2015と第2フレーム2017のうち下部フレーム2042とが、分割ライン2028、2043に沿って分割される。下部フレーム2042が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向2036に沿って取り外される(ステップSc5)。
【0054】
下部フレーム2042の大きさは、軸受取り外し方向2036に沿って取り外されるときに、寝台部100に干渉しない大きさである。支持フレーム2010において、第1フレーム2015と第2フレーム2017のうち上部フレーム2042とが、分割ライン2019に沿って分割される。上部フレーム2042が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向2036に沿って取り外される(ステップSc6)。上部フレーム2040および下部フレーム2042の取り外しにより、軸受押さえ2022が露出する。
【0055】
軸受押さえ2022が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向2036に沿って取り外される(ステップSc7)。軸受押さえ2022は、円環状の形状を有する。軸受取り外し方向2036は、辺CD側に向かう方向である。軸受押さえ2022の取り外しにより、軸受2024が露出する。
【0056】
軸受2024が、回転軸Zに沿った軸受取り外し方向2036に沿って取り外される(ステップSc8)。軸受2024は、円環状の形状を有する。
【0057】
軸受2024の取り外し後、新しい軸受が固定部2025に取り付けられる(ステップSc9)。次いで、取り外されていた上部フレーム2040が、分割ライン2019で第1フレーム2015に取り付けられる。取り外されていた下部フレーム2042が、分割ライン2028で第1フレーム2015に取り付けられる。また、下部フレーム2042は、分割ライン2042で上部フレーム2040に取り付けられる。第2フレーム2017から取り外されていたユニットが、第2フレーム2017に搭載される。前方カバー2001が、架台部200に取り付けられる。第1フレーム2015と固定部2025とを連結していた治具2033が、第1フレーム2015の治具取り付け部2029と固定部2025とから取り外される。上記手順により、第1フレーム2015を保持した軸受交換が終了する。
【0058】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態におけるX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、やぐらの組み立てることなく、第1フレーム2013、2015の治具取り付け部2027、2029と固定部2025とを治具2031、2033を介して連結することができる。これにより、第1フレーム2015に搭載された複数のユニットと第1フレーム2015とを取り外すことなく、第2フレーム2017に搭載された複数のユニットを取り外すことで、第2フレーム2017、軸受2023を取り外すことができる。第1フレーム2015に搭載された複数のユニットと第1フレーム2015とを架台部200から取り外すことが省略されるため、重量物およびユニットの脱着によるサービスマンの怪我および不具合の発生などを回避することができる。これらのことから、軸受2023の交換作業が簡便となり、軸受2023の交換に要する時間が短縮される。
【0059】
本実施形態第1の変形例におけるX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、やぐらの組み立ておよび前方カバー2001を取り外すことなく、第1フレーム2013、2015の治具取り付け部2027、2029と固定部2025とを治具2031、2033を介して連結することができる。これにより、軸受2024の交換作業が簡便となり、軸受2024の交換に要する時間がさらに短縮される。
【0060】
本実施形態第2の変形例におけるX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、第2フレーム2017を、上部フレーム2040と下部フレーム2042とに、分割ライン2043で分割することができる。これにより、前方側から第2フレーム2017を取り外すとき、第2フレーム2017を寝台部100に干渉させることなく、第2フレーム2017を固定部2025から取り外すことができる。これにより、軸受2024の交換作業が簡便となり、軸受2024の交換に要する時間がさらに短縮される。
【0061】
以上のことから、本実施形態によれば、やぐらの組み立て、架台カバーと寝台部100との取り外しを不要にすることができる。さらに、支持フレーム2017に搭載された複数のユニットのうち、第1フレーム2013、2015に搭載された複数のユニットの取り外しが不要となる。これらのことから、軸受2023、2024の交換に要する時間を大幅に短縮することができる。これにより、病院におけるダウンタイムを短縮することができる。加えて、軸受2023、2024の交換を、X線コンピュータ断層撮影装置1の設置場所で実施することが可能となる。また、軸受2023、2024の交換において、サービスマンが重量物を取り扱う作業が削減されるため、サービスマンが怪我をするリスクを低減することができる。軸受2023、2024の交換する際、支持フレーム2017に搭載されたユニットに不具合が発生するリスクも低減させることが可能となる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。