特許第5954959号(P5954959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5954959
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】印刷機
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20160707BHJP
   B41F 15/12 20060101ALI20160707BHJP
   B41F 15/34 20060101ALI20160707BHJP
   B41F 35/00 20060101ALI20160707BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   B41F15/08 303E
   B41F15/12 A
   B41F15/34
   B41F35/00 C
   H05K3/34 505D
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-245079(P2011-245079)
(22)【出願日】2011年11月9日
(65)【公開番号】特開2013-102063(P2013-102063A)
(43)【公開日】2013年5月23日
【審査請求日】2014年9月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 広己
(72)【発明者】
【氏名】光村 健志
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−261890(JP,A)
【文献】 特開平11−151797(JP,A)
【文献】 特開昭61−014956(JP,A)
【文献】 特開2005−067059(JP,A)
【文献】 特開平04−199762(JP,A)
【文献】 特開平08−034111(JP,A)
【文献】 特開2002−192703(JP,A)
【文献】 特開2003−311919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/08
B41F 15/12
B41F 15/34
B41F 35/00
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板上に印刷マスクをセットして該回路基板に印刷パターンを形成する印刷機において、
前記印刷マスクの下面の撮像対象部位を撮像するカメラと、
前記カメラで撮像した画像を処理して前記撮像対象部位を認識する画像処理手段とを備え、
予め前記印刷マスクの識別情報(以下「マスクID」という)を表示するマスクID表示部を前記印刷マスクの下面に設けると共に、当該印刷機で使用可能な複数の印刷マスクの固有情報を前記マスクIDと関連付けて記憶手段に記憶しておき、
前記カメラで前記印刷マスクの下面のマスクID表示部を撮像し、その撮像画像を前記画像処理手段で処理して前記マスクIDを認識し、前記記憶手段に記憶された前記複数の印刷マスクの固有情報の中から前記画像処理手段で認識したマスクIDに対応する固有情報を取得し、
前記印刷マスクの固有情報は、少なくとも前記印刷マスクのクリーニング条件である、クリーニング間隔、クリーニング速度、クリーニング距離、片道/往復、溶剤、吸引に関する固有情報を含み、その固有情報で指定されたクリーニング条件でクリーニング動作を実行することを特徴とする印刷機。
【請求項2】
回路基板上に印刷マスクをセットして該回路基板に印刷パターンを形成する印刷機において、
前記印刷マスクの下面の撮像対象部位を撮像するカメラと、
前記カメラで撮像した画像を処理して前記撮像対象部位を認識する画像処理手段とを備え、
予め前記印刷マスクの下面に該印刷マスクの固有情報を表示するマスク情報表示部を設けておき、
前記カメラで前記印刷マスクの下面のマスク情報表示部を撮像し、その撮像画像を前記画像処理手段で処理して前記印刷マスクの固有情報を認識し、
前記印刷マスクの固有情報は、少なくとも前記印刷マスクのクリーニング条件である、クリーニング間隔、クリーニング速度、クリーニング距離、片道/往復、溶剤、吸引に関する固有情報を含み、その固有情報で指定されたクリーニング条件でクリーニング動作を実行することを特徴とする印刷機。
【請求項3】
前記印刷マスクの固有情報は、その印刷マスクの印刷可能回数に関する固有情報を含み、その固有情報で指定された印刷可能回数を越える毎に前記印刷マスクを取り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷機。
【請求項4】
前記印刷マスクの固有情報は、前記カメラで撮像した画像を処理する際の輝度補正に関する固有情報を含み、画像処理時に前記固有情報で指定された輝度補正を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷機。
【請求項5】
前記印刷マスクの固有情報は、印刷位置の補正量、スキージング速度、スキージング距離、スキージング圧力、スキージのマスク離れ速度、マスク離れ距離、印刷マスクの厚み、マスク開口部の形状・サイズ、マスク製造日、製造会社、管理番号、これらの情報のリンク先のうちの少なくとも一部の情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板上に印刷マスク(スクリーンマスク)を被せて該回路基板に印刷パターンを形成する印刷機に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
回路基板に印刷パターンを形成する印刷機においては、特許文献1(特開2011−151078号公報)に記載されているように、印刷マスクを管理するために、当該印刷マスクの識別情報(以下「マスクID」という)を表示するマスクID表示部を印刷マスクに設け、印刷機に設けたID読取部でマスクIDを読み取るようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−151078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、印刷機に用いる印刷マスクは、印刷するパターン形状に応じて取り替えたり、印刷回数に応じて取り替える必要があり、また、同じパターン形状を印刷する印刷マスクでも、製造ばらつき等によって基準位置マーク(フィデューシャルマーク)の位置がずれていたり、印刷マスクのテンションがばらついていたり、印刷マスクの開口部の位置、形状、サイズがばらついている可能性がある。従って、印刷マスク毎のばらつきを補正しないと、印刷ずれや印刷不良が発生したり、基準位置マークの画像処理エラー等が発生する可能性がある。
【0005】
しかし、上記特許文献1では、印刷マスク毎にマスクIDを管理するだけであるため、印刷マスク毎のばらつきには十分に対応できない。このような印刷マスク毎のばらつきに対応するには、作業者が印刷マスクの固有情報のデータを手動で入力する必要があり、手間がかかると共に、入力ミスによる印刷ずれ、印刷不良、基準位置マークの画像処理エラー等が発生する可能性もある。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、印刷マスク毎のばらつきに自動的に対応できる印刷機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、回路基板上に印刷マスクをセットして該回路基板に印刷パターンを形成する印刷機において、前記印刷マスクの下面の撮像対象部位を撮像するカメラと、前記カメラで撮像した画像を処理して前記撮像対象部位を認識する画像処理手段とを備え、予め前記印刷マスクの識別情報(以下「マスクID」という)を表示するマスクID表示部を前記印刷マスクの下面に設けると共に、当該印刷機で使用可能な複数の印刷マスクの固有情報を前記マスクIDと関連付けて記憶手段に記憶しておき、前記カメラで前記印刷マスクの下面のマスクID表示部を撮像し、その撮像画像を前記画像処理手段で処理して前記マスクIDを認識し、前記記憶手段に記憶された前記複数の印刷マスクの固有情報の中から前記画像処理手段で認識したマスクIDに対応する固有情報を取得し、前記印刷マスクの固有情報は、少なくとも前記印刷マスクのクリーニング条件である、クリーニング間隔、クリーニング速度、クリーニング距離、片道/往復、溶剤、吸引に関する固有情報を含み、その固有情報で指定されたクリーニング条件でクリーニング動作を実行することを特徴とするものである。
【0008】
この構成では、印刷機で使用可能な複数の印刷マスクの固有情報をマスクIDと関連付けて記憶手段に記憶しておき、この記憶手段に記憶された複数の印刷マスクの固有情報の中から画像処理手段で認識したマスクIDに対応する固有情報を取得するようにしているため、印刷マスクの固有情報とマスクIDの両方を取得することができて、印刷マスク毎のばらつきに自動的に対応でき、従来の固有情報の入力ミスによる印刷ずれ、印刷不良、基準位置マークの画像処理エラー等を防止できる。
【0009】
或は、請求項2のように、予め印刷マスクの下面に該印刷マスクの固有情報を二次元コード等で表示するマスク情報表示部を設けておき、カメラで印刷マスクの下面のマスク情報表示部を撮像し、その撮像画像を画像処理手段で処理して印刷マスクの固有情報を認識するようにしても良い。この場合も、印刷マスクの固有情報は、少なくとも印刷マスクのクリーニング条件である、クリーニング間隔、クリーニング速度、クリーニング距離、片道/往復、溶剤、吸引に関する固有情報を含み、その固有情報で指定されたクリーニング条件でクリーニング動作を実行するようにすれば良い。このようにしても、前記請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0010】
更に、請求項3のように、印刷マスクの固有情報は、その印刷マスクの印刷可能回数に関する固有情報を含み、その固有情報で指定された印刷可能回数を越える毎に印刷マスクを取り替えるようにしたり、或は、請求項4のように、印刷マスクの固有情報は、前記カメラで撮像した画像を処理する際の輝度補正に関する固有情報を含み、画像処理時に前記固有情報で指定された輝度補正を実行するようにしても良い。
その他、請求項のように、印刷マスクの固有情報は、印刷位置の補正量、スキージング速度、スキージング距離、スキージング圧力、スキージのマスク離れ速度、マスク離れ距離、印刷マスクの厚み、マスク開口部の形状・サイズ、マスク製造日、製造会社、管理番号、これらの情報のリンク先のうちの少なくとも一部の情報が含まれるようにすれば良い。これらの情報の少なくとも一部を印刷マスクの固有情報に含ませれば、印刷マスク毎のばらつきを適正に補正することができ、印刷ずれや印刷不良を防止したり、基準位置マークの画像処理エラーを防止したり、印刷品質を向上したり、印刷マスクのクリーニング時期や交換時期を適正に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の実施例1を示す印刷機の主要部の構成を説明する拡大断面図である。
図2図2は印刷機の制御系の構成を示すブロック図である。
図3図3は印刷マスク管理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、図1乃至図3に基づいて本発明の実施例1を説明する。
印刷機には、回路基板11を搬送するコンベア12が設けられ、その上方には、印刷マスク13(スクリーンマスク)が水平に設置されている。この印刷マスク13には、スクリーン印刷する配線パターン、抵抗体パターン、絶縁体パターン等と同じ形状の開口部14が形成されている。この印刷マスク13の上方には、スキージ15が配置されている。スクリーン印刷を行う場合は、回路基板11を上昇させて(又は印刷マスク13を下降させて)、回路基板11上に印刷マスク13を被せた状態にして、該印刷マスク13上に供給した半田ペースト等をスキージ15で押し広げて、印刷マスク13の開口部14から半田ペースト等を押し出して回路基板11に配線パターン等をスクリーン印刷する。この際、スキージ15はスキージ移動装置17(図2参照)によって移動される。
【0014】
印刷機には、回路基板11の上面の基準位置マークと印刷マスク13の下面の基準位置マーク等の撮像対象部位を撮像するカメラ21が設けられている。このカメラ21は、カメラ移動装置22(図2参照)によってXY軸方向に移動されると共に、該カメラ21のレンズ側には、回路基板11側と、印刷マスク13側の両方を撮像するためのプリズム23が装着されている。印刷機の稼働中は、スクリーン印刷前に印刷マスク13を回路基板11の上方に退避させた状態で、カメラ21を回路基板11と印刷マスク13との間に移動させて回路基板11と印刷マスク13の基準位置マーク等を撮像した後、カメラ21を回路基板11の外側へ退避させて、回路基板11を上昇させて(又は印刷マスク13を下降させて)、回路基板11上に印刷マスク13を被せた状態にしてスクリーン印刷を行う。
【0015】
更に、印刷マスク13の下面には、該印刷マスク13の識別情報(以下「マスクID」という)を示すマスクIDコード24(マスクID表示部)がスクリーン印刷時に邪魔にならない位置に設けられている。このマスクIDコード24は、一次元コード、二次元コード等のいずれであっても良く、レーザ等で印刷マスク13の下面に描画したり、コードのシールを貼り付けても良い。このマスクIDコード24を読み取るリーダとしてカメラ21が用いられる。印刷マスク13が交換される毎に、上述した印刷マスク13の基準位置マークを画像認識する動作と同様の方法で、印刷マスク13下面のマスクIDコード24をカメラ21で撮像し、その撮像画像を印刷機の制御装置25(画像処理手段)で処理してマスクIDを認識する。
【0016】
一方、制御装置25の記憶装置26(又は制御装置25がアクセス可能なネットワークのサーバー等の記憶手段)には、印刷機で使用可能な複数の印刷マスク13の固有情報をマスクIDと関連付けてデータベース化した印刷マスク固有情報データベースが記憶されている。ここで、印刷マスク13の固有情報としては、例えば、次の情報の少なくとも一部が含まれる。
【0017】
(1) 印刷位置の補正量(X座標,Y座標,角度θの補正量)
(2) スキージング速度(スキージ15の移動速度)、スキージング距離(スキージ15の移動距離)
(3) スキージング圧力(印刷マスク13に対するスキージ15の押圧力)
(4) スキージ15のマスク離れ速度(印刷後の印刷マスク13からの上昇速度)、マスク離れ距離(印刷後の印刷マスク13からの上昇距離)、マスク離れは単動及び多段階の両者を含む。
(5) 印刷マスク13のクリーニング条件(クリーニング間隔、クリーニング速度、クリーニング距離、片道/往復、溶剤、吸引)
(6) 印刷マスク13の厚み、開口部14の形状・サイズ
(7) マスク製造日、製造会社、マスク型式、管理番号
(8) 印刷可能回数、
(9) これらの情報のリンク先(印刷機内、又はネットワーク上)
【0018】
印刷機の制御装置25は、印刷機の稼働中に図3の印刷マスク管理プログラムを所定周期で繰り返し実行することで、印刷マスク13が交換される毎に、交換された印刷マスク13の固有情報を取得して所定の処理を実行する。以下、図3の印刷マスク管理プログラムの処理内容を説明する。
【0019】
図3の印刷マスク管理プログラムが起動されると、まずステップ101で、印刷マスク13下面のマスクIDコード24をカメラ21で撮像し、次のステップ102で、カメラ21で撮像したマスクIDコード24の画像を画像処理してマスクIDを認識する。
この後、ステップ103に進み、印刷マスク13が交換されたか否かを判定し、印刷マスク13が交換されていなければ、以降の処理を行わずに本プログラムを終了する。
【0020】
これに対し、上記ステップ103で、印刷マスク13が交換されたと判定されれば、ステップ104に進み、記憶装置26に記憶された印刷マスク固有情報データベースを検索して、上記ステップ102で認識したマスクIDに対応する印刷マスク13の固有情報を読み込む。
【0021】
この後、ステップ105に進み、読み込んだ印刷マスク13の固有情報に基づいて所定の処理を実行する。ここで、所定の処理とは、例えば、印刷マスク13の固有情報に印刷位置の補正量が含まれる場合は、その固有情報に応じて印刷位置を補正して、印刷ずれを防止する。
【0022】
また、印刷マスク13の固有情報に、版合わせ時の密着性に関する固有情報(スキージング速度、スキージング距離、スキージング圧力、スキージ15のマスク離れ速度、マスク離れ距離等)が含まれる場合は、その固有情報に応じて印刷動作を補正する。これにより、印刷マスク13のテンションのばらつきによる版合わせ時の密着性のばらつきに起因する印刷不良を防止する。
【0023】
また、印刷マスク13の固有情報に印刷マスク13のクリーニング条件が含まれる場合は、その固有情報で指定されたクリーニング条件でクリーニング動作を実行する。また、印刷マスク13の固有情報に、印刷マスク13の基準位置マークの画像処理時の輝度補正に関する固有情報(マスク型式等)が含まれる場合は、その固有情報に応じて基準位置マークの画像処理時の輝度補正を行う。これにより、印刷マスク13のばらつきによる基準位置マークの画像処理エラーを防止する。
【0024】
また、印刷マスク13の固有情報に印刷マスク13の厚み、開口部14の形状・サイズ等が含まれる場合は、その固有情報に応じて印刷動作を補正する。また、印刷マスク13の固有情報に印刷マスク13の印刷可能回数が含まれる場合は、印刷回数が固有情報で指定された印刷可能回数を越える毎に印刷マスク13を取り替える。また、印刷マスク13の固有情報に情報のリンク先が含まれる場合は、その固有情報で指定されたリンク先のサーバー等から固有情報を取得する。
【0025】
この後、ステップ106に進み、プログラムで指定された印刷マスクであるか否かを判定する。これにより、プログラムで指定された印刷マスクであることが確認されれば、そのまま本プログラムを終了するが、プログラムで指定された印刷マスクではないと判定されれば、ステップ107に進み、制御装置25のモニタ等に警告表示したり、警告音を発生したりして、作業者にプログラムで指定された印刷マスクではないことを知らせる。
【0026】
以上説明した本実施例1によれば、印刷マスク13の下面に、マスクIDを記録したマスクIDコード24を設けると共に、記憶装置26に、印刷機で使用可能な複数の印刷マスク13の固有情報をマスクIDと関連付けてデータベース化した印刷マスク固有情報データベースを記憶しておき、印刷マスク13の下面のマスクIDコード24をカメラ21で撮像し、その撮像画像を画像処理してマスクIDを認識し、記憶装置26の印刷マスク固有情報データベースを検索してマスクIDに対応する印刷マスク13の固有情報を読み込むようにしたので、印刷マスク13の固有情報とマスクIDの両方を取得することができ、印刷マスク13毎のばらつきに自動的に対応でき、従来の固有情報の入力ミスによる印刷ずれ、印刷不良、基準位置マークの画像処理エラー等を防止できる。
【実施例2】
【0027】
上記実施例1では、印刷マスク13にマスクIDコード24を設け、記憶装置26に印刷マスク固有情報データベースを記憶し、記憶装置26の印刷マスク固有情報データベースを検索してマスクIDに対応する印刷マスク13の固有情報を読み込むようにしたが、本発明の実施例2では、印刷マスク13の下面に、該印刷マスク13の固有情報を二次元コード等で表示するマスク情報表示部(図示せず)を設けておき、カメラ21で印刷マスク13のマスク情報表示部を撮像し、その撮像画像を記憶装置26(画像処理手段)で処理して印刷マスク13の固有情報を認識するようにしている。尚、マスク情報表示部には、前記実施例1と同様の固有情報の他にマスクIDも記録しても良いし、マスク情報表示部とマスクIDコード24(マスクID表示部)とを別個に設けても良い。その他の事項は、前記実施例1と同じである。
【0028】
以上説明した本実施例2でも、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
その他、本発明は、記憶装置やマスク情報表示部に記録する印刷マスクの固有情報を適宜変更しても良いし、マスクの印刷回数をカウントしてメンテナンスツールとして使用しても良いし、印刷機のプログラムで指定されたマスクか否かを判断しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0029】
11…回路基板、12…コンベア、13…印刷マスク、14…開口部、15…スキージ、21…カメラ、23…プリズム、24…マスクIDコード(マスクID表示部)、25…制御装置(画像処理手段)、26…記憶装置(記憶手段)
図1
図2
図3