【実施例】
【0030】
添付の図面は、本発明を完全ならしめるため、および必要な場合には、その定義を行うために用いられる。
【0031】
本発明の目的は、(中間点又は端点の)通信機器Ejの器材が認識する、ローカル情報のアイテムに対して注意を向けることである。この通信機器Ejは、通信パスを選択する間に、通信セッションに参加する。
【0032】
以下、比制限的な例示として、通信機器Ejの器材は、固定された(fixed)コンピュータ又はコンテンツサーバである。なお、本発明は、これらのタイプの通信機器に限定されるものではない。これは、実際、(有線、又は無線、及びデータのパケットを他の通信機器の器材Ej’(j’≠j)と交換することが可能な、異なるタイプであってもよい)少なくとも1つの通信インターフェースI
jiを有するいかなる機器のタイプEjにも関連する。したがって、これは、例えば、固定電話、固定又はポータブルコンピュータ、PDA(ポケットPDAを含む)、コンテンツレシーバ(例えば、デコーダ、宅内ゲートウエイ、又はセットトップボックス(STB)、又は、データパケットの伝送に関わるいかなる他のタイプのネットワーク機器をも含む。
【0033】
非制限的な例示として、2つの(通信)機器の器材Ej(j=1又は2)のペアリングが、
図1に動的に示されている。
【0034】
第1の機器の器材E1(j=1)は、この例においては、第1のアクセスネットワークR1(例えばADSLタイプ)に接続可能な単一の通信インターフェースI
11を有する。この第1の機器の器材E1は、例えば固定のコンピュータである。
【0035】
第2のタイプの機器E2(j=2)は、この比制限的な例においては、2つの通信インターフェースI
2iを有する。この第1の通信インターフェースI
21(i=1)は、第2のアクセスネットワークR2(例えば、R1と同じADSLタイプ)に接続することができる。第2の通信インターフェースI
22(i=2)は、第3のアクセスネットワークR3(例えばWiFiタイプ)に接続することができる。そして、第1のアクセスネットワークR1及び第2のアクセスネットワークR2とペアを組んでいる。第2の機器の器材E2は、例えば(ビデオ等の)コンテンツサーバである。
【0036】
更に、比制限的な例示として示されるように、第1のパケット通信パスC
1(m=1)は、第1の機器の器材E1の単一の(通信)インターフェースI
11と、第2の機器の器材の第1の(通信)インターフェースI
21との間で、第1のアクセスネットワークR1及び第2のアクセスネットワークR2を介して確立される。そして、第2のパケット通信パスC
2(m=2)は、第1の機器の器材E1の単一の(通信)インターフェースI
11と、第2の機器の器材E2の第2の(通信)インターフェースI
22との間で、第1のアクセスネットワークR1及び第3のアクセスネットワークR3を介して確立される。
【0037】
機器の器材Ejが機器の器材Ej’のローカル情報の特定のアイテムを知ることができ、これによって、通信セッションを確立することができる。本発明は、機器の器材Ejの間での情報の伝達のための第1の方法をインプリメントすることを提案する。
【0038】
この第1の方法は、2つのステップ(i)及び(ii)を有する。
【0039】
第1のステップ(i)は、受信K
jiにおいて達成できる(すなわち、最適に達成できる)最大バンド幅を示す少なくとも1つの第1の情報のアイテムに関連する各前記(通信)インターフェースI
jiの各通信アドレスを含む制御メッセージを、前記通信機器の器材Ejの少なくとも1つにおいて生成する。
【0040】
所定の機器の器材EjのインターフェースI
jiのレベルにおける受信K
jiにおいて、達成できるこの最大のバンド幅(すなわち、最大のビットレート)は、例えば、バンド幅の平均値と等しい。このバンド幅の平均値は、受信において、考慮されている通信セッションのために、インターフェースI
jiのレベルで(有効に)利用される。
例えば、第1の機器の器材E1と、第1のアクセスネットワークR1との間のADSLリンクのトータルのバント幅は、8Mbpsに等しい。そして、第2の機器の器材E2のビデオダウンロードタイプの通信セッションのための受信においてそのインターフェースI
11のレベルで利用され得るバンド幅の平均値は、2.5Mbpsに等しい。この場合、受信K
11におけるインターフェースI
11の最大のバンド幅は、2.5Mbpsと等しい。
【0041】
以下の点に留意すべきである。機器の器材Ej’のインターフェースI
j’iが、幾つかの(少なくとも2つの)通信パスC
mの端を形成しており、反対側の端は、他の機器の器材Ej’(j’≠j)の少なくともインターフェースI
jiで形成されている場合、第1の機器の器材E1の単一のインターフェースI
11がこの場合に該当し、受信K
j’iにおいて達成できるこの最大のバンド幅(すなわち最大のバイナリ・デビット)は、考慮されている通信セッションに対して、上述のように異なる通信パスC
mに対する受信k
mにおけるインターフェースI
j’iのレベルで達成できる最大バンド幅の総和として認識される。すなわち以下の通りである。
【0042】
【数1】
例えば、図示の例においては、K
11=k
1+k
2 である。
【0043】
また、以下の点にも留意すべきである。機器の器材Ejが、幾つかの(少なくとも2つの)インターフェースI
jiを有する場合、第1のステップ(i)において、各々のインターフェースI
jiは、この通信インターフェースI
jiの利用優先順位のレベルを示す関連する情報の第2のアイテムとして、生成された制御メッセージに追加することが可能である。例えば、第2の機器の器材E2の場合、第1のインターフェースI
21が優先的に利用されることが望まれる。第2のインターフェースI
22は、したがって、より低い優先順位を持つ(これは、第1インターフェースI
21が利用できない場合、又は考慮される第2の通信セッションが関連するアプリケーションの要求に対して第1の通信パスC
1において利用されるバンド幅を満足させることができないときに後者(I
21)と共に使われる場合である)。
【0044】
利用優先のレベルは、所定の機器の器材Ejに関係する。例えば、レベルが小さければ小さいほど、対応するインターフェースI
jiが優先的に利用される。以下、インターフェースI
jiは、利用優先のレベルの値が1に等しいとし、これは、利用優先のレベルが2に等しいインターフェースI
ji’(i≠i’)よりも大きな優先度を有するとする。
【0045】
留意すべき点は、所定の機器の器材Ejの利用優先のレベル及び/又は受信K
jiにおけるインターフェースI
jiのレベルの最大バンド幅は、日、及び/又は時刻及び/又は場所によって変化するということである。更に、機器の器材Ejは、ローカルインターフェースI
jiに関連する受信(K
ji)で達成されるバンド幅を示す(及び/又はバンド幅の平均を示す)その時々で変化するということである。これは、例えば、アップストリームのトラフィックのより高い推定によるものである(アップストリームとダウンストリームのトラフィックにセパレーションがない場合)。
【0046】
例えば、各々の制御メッセージは、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)通信プロトコルに従う。なお、「マルチホーミング」、すなわちマルチパスをサポートするいかなる他の通信プロトコルも利用することができる。例えば、SCTPプロトコルのINIT及びASCONFタイプのメッセージは、各々のインターフェースI
jiに関連して情報(受信K
jiにおいて達成できる最大バンド幅、及び可能な利用優先のレベル)をこれに付加するために修正することができる。したがって、IPv4タイプの通信アドレスの場合、「長さ」のフィールドの値は、8ビットから12ビットをパスするよう変更され、そして、そのフィールドの定義用にIPv4アドレス(32ビット)、又は、K
jiの定義(28ビット)及び第2のフィールドとして、利用優先のレベルの定義(4ビット)を追加する。IPv6タイプの通信アドレスの場合、「長さ」フィールドの値は、(「長さ」=20ビット)は維持され、IPv6アドレス(128ビット)の定義のためのフィールド、又は、K
ji(32ビット)の定義のためのフィールド、又はK
jiの定義の最初のフィールド(28ビット)及び利用優先のレベルの定義のための第2のフィールド(4ビット)を追加する。
【0047】
留意すべき点は、第1のステップ(i)は、(制御メッセージの生成のために)第1のデバイスD1
jによってインプリメントされる。デバイスD1
jは、それぞれの機器の器材Ejに関連している。第1のデバイスD1
jの各々は、制御メッセージを生成する役割を担う。
【0048】
ここで、「関連する(associated)」とは、機器の器材Ej(図示)の一部分を構成するという事実と、機器の器材Ejに直接又は間接的にペアリングしている事実を意味する。したがって、(制御メッセージの生成のための)第1のデバイスD1
jは、ソフトウエアモジュール又は電子回路又は電子回路とソフトウエアの組合せとしてインプリメントすることができる。
【0049】
第1の方法の第2のステップ(ii)は、それに含まれる特に情報の第1のアイテムの各々に従って、これらのインターフェースI
2iの1つと、(制御メッセージを伝送した)第1の機器の器材E1の通信インターフェースI
1i(この場合I
11)との間において考慮された通信セッションのパケットを伝送するための少なくとも1つの通信パスC
mを決定するために、第1の機器の器材(例えばE1)により生成された制御メッセージを、第2の機器の器材(例えばE2)に伝送する。
【0050】
上述した制御メッセージに含まれたローカル情報を利用するために、本発明は、2つの機器の器材Ejとの間の、通信セッションの通信パケットの通信パスを決定する第2の方法を提案する。
【0051】
この第2の方法は、考慮されている通信セッションのパケットの伝送を可能とするために、前記第2の機器の器材Ej(ここではE2)の通信インターフェースI
ji(この場合I
2i)と、第1の機器の器材Ej’(ここではE1)通信インターフェースI
j’i(ここではI
1i)との間に存在する通信パケットC
mの少なくとも1つを、選択するステップを有する。この選択は、受信K
1i(ここではK
11)でのインターフェースI
1i(ここではI
11)に対して達成できるバンド幅、及び存在する通信パスC
mと異なるもので利用されている(今の)バンド幅の、少なくとも最大のバンド幅に従ってなされる。通信パスC
mが選択されるためには、この通信パスC
mにおいて利用され得るバンド幅が、接続されているインターフェースに対して受信で達成できる最大のバンド幅と等しいか、より大きくなければならない。
【0052】
留意すべき点は、第1の機器の器材E1が、異なる通信アドレスを持つ少なくとも2つのインターフェースI
1iを有し(これは、図示した例とは異なる)、かつ、ローカル情報の第2のアイテム(インターフェースI
1iの各々に関連する利用優先のレベルを示す)を含む制御メッセージが受信されている場合、これらのインターフェースI
1iの1つが、通信パスの一端を形成するよう、最初に選択され、これらに関連する利用優先のレベルに従ってこれが選択されなければならない(この場合C
1)。この目的のため、リストを作成することから開始される。このリストでは、インターフェースI
1iが、それぞれの利用優先のレベルの降順に分類される。そして、例えば、受信K
1iにおいて達成され得る(以前に受信した制御メッセージによって提供された)最大のバンド幅に関連する、第1の機器の器材E1の通信インターフェースI
1iから、インターフェースの選択が行われる。このバンド幅は、考慮されている通信セッションのパケットのバンド幅より大きい。これは、第2の機器の器材E2から第1の機器の器材E1に伝送されなければならない。
【0053】
例えば、第2の機器の器材E2の第1のインターフェースI
21が、同じ第2の機器の器材E2の第2のインターフェースI
22より大きな優先度を持っている場合、この第1のインターフェースI
21は、好適に選択される。したがって、第1の通信パスC
1(これは、第1のインターフェースI
21と単独のインターフェースI
11とをペアリングする)は、第2の機器の器材E2の通信セッションのパケットを(少なくとも一定の期間)第1の機器の器材E1に伝送する。なお、これは、第1の通信パスC
1が、第1のインターフェースI
21のための受信K
21において達成され得る最大のバンド幅より大きいか等しい場合に限られる。
【0054】
留意すべき点は、選択された通信パスC
m(例えばC
1)で(有効に)利用され得るバンド幅B
mが、インターフェースI
1i(ここではI
11)に対して受信K
1i(ここではK
11)において達成できる最大のバンド幅より極端に小さい(小さくなった)場合、第2の機器の器材E2のインターフェースI
2i’と、第1の機器の器材E1のインターフェースI
11との間に存在する他の通信パスC
m(m≠1、この場合m=2)の少なくとも1つが、選択され得る。幾つかの通信パスが潜在的に利用できる場合、通信パスの選択は、例えば、これらの通信パスC
m(m≠1)でパケットを伝送するために必要な時間R
mに従って決定される。通信セッションのパケットは、その後、第2の機器の器材E2から第1の機器の器材E1に伝送される。この伝送は、最初に選択された通信パスC
1と新たに選択された通信パスC
m(m≠1、この場合m=2)とによって共有の形で行われるか、又は、新たに選択されたC
m(m≠1、この場合m=2)によって排他的に行われる。これらの状況は、通信パスとして最初は、C
1が選択されており、ネットワークの機能を司り、これが、一時的に重い利用がなされ、あるいは、サチュレートした場合が挙げられる(これは、インターネットにおいてよく見られる)。
【0055】
留意すべき点としては、第2の方法は、機器の器材Ejにそれぞれ関連する(通信パスを決定する)第2のデバイスD2
jによってインプリメントされる。第2のデバイスD2
jの各々は、1つ又は幾つかの通信パスを決定する責任を有している。
【0056】
例えば、非制限的に図示されているように、第2のデバイスD2
jは、受信K
jiにおいて達成できる少なくとも1つの最大のバンド幅に従って、及び、必要な場合には存在する異なる通信パスに関連する利用優先のレベルに従って、少なくとも1つの通信パスC
mを選択する役割を担う、選択するための第1の手段MS1を有する。
【0057】
ここで、「関連する(associated)」とは、機器の器材Ej(図示)の一部分を構成するという事実と、機器の器材Ejに直接又は間接的にペアリングしている事実を意味する。したがって、(制御メッセージの生成のための)第1のデバイスD2
jは、ソフトウエアモジュール又は電子回路又は電子回路とソフトウエアの組合せとしてインプリメントすることができる。
【0058】
本発明は、上述の、情報の伝送のための方法、通信パスを決定するための方法、制御メッセージを生成するためのデバイス、パケット通信パスを決定するためのデバイス、及び、通信機器の器材の実施例に限定されるものではない。これらは、例示に過ぎない。なお、これらは、以下に記載する請求項の技術的範囲内にある当業者が考えられ得る変形例を包含する。