(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の端末装置及び前記第2の端末装置のうちの何れか一方は、前記第2の端末装置からの前記第1の端末装置の共通領域のデータの閲覧を拒否するための閲覧拒否通知を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記閲覧許可通知又は前記閲覧要求を受信すると、前記閲覧許可通知又は前記閲覧要求に含まれる前記第1の端末装置の識別情報及び前記第2の端末装置の識別情報を記憶し、
前記閲覧拒否通知を受信すると、前記第1の端末装置の共通領域のデータを前記第2の端末装置について登録された全ての利用者により前記第2の端末装置から閲覧不可に変更するとともに、前記第1の端末装置及び前記第2の端末装置のうちの他方から受信していた前記閲覧許可通知又は前記閲覧要求に含まれる前記第1の端末装置の識別情報及び前記第2の端末装置の識別情報を再登録情報として使用できるように削除せずに記憶したままにし、
前記第1の端末装置の共通領域のデータを前記第2の端末装置から前記閲覧不可に変更した後に、前記一方の端末装置から前記閲覧許可通知又は前記閲覧要求を受信すると、当該閲覧許可通知又は当該閲覧要求に含まれる前記第1の端末装置の識別情報及び前記第2の端末装置の識別情報と、前記再登録情報として使用できるように記憶したままにした前記第1の端末装置の識別情報及び前記第2の端末装置の識別情報とを照合し、一致する場合、前記第1の端末装置の共通領域のデータを前記第2の端末装置について登録された利用者により前記第2の端末装置から閲覧可能に設定する、請求項1に記載のデータ管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のデータ管理システムの一つの実施形態である警備システムについて図を参照しつつ説明する。
本発明を適用した警備システムは、家屋、マンションの一室等それぞれ異なる物件に設置される複数の警備装置と、各警備装置で使用する画像、メモなどのデータ(電子ファイル)を格納し、格納したデータを各警備装置からの要求に応じて送信するデータサーバとを有する。この警備システムにおいて、データサーバは、例えば、ある利用者により自宅にある警備装置を介して登録されたデータを、その利用者のみが自宅の警備装置から閲覧可能に設定する。ただし、データサーバは、登録されたデータのうちその警備装置に登録された自分を含む他の利用者(全員であってもよい)に対して閲覧可能に設定されたデータについては、自宅の警備装置に登録された他の利用者により自宅の警備装置から閲覧可能に設定する。一方、自宅の警備装置と、その利用者の実家等にある他の警備装置との間で公開設定がなされると、データサーバは、自分を含む他の利用者により自宅の警備装置から閲覧可能に設定したデータの中で「公開」として設定されたデータを、実家等にある他の警備装置に登録された何れかの利用者(全員であってもよい)により他の警備装置から閲覧可能に設定する。ただし、他の利用者により自宅の警備装置から閲覧可能に設定していないデータについては、「公開」としての設定を禁止し他の警備装置からは閲覧可能としない。このように、警備システムは、利用者が、同居している家族に対しても閲覧を禁止しているプライバシー性の高いデータを、実家等で誤って閲覧することを防止する。これにより、警備システムは、データサーバに格納されたデータを閲覧できる警備装置及び利用者を適切に設定可能とする。
【0014】
図1は、本発明のデータ管理システムの一つの実施形態に係る警備システム1の全体システム構成を示す図である。
図1に示すように、警備システム1は、それぞれ異なる家屋、マンションの一室等の物件に設置され、設置された物件を監視対象とする複数の警備装置3−1、3−2と、インターネット等のネットワークを介して各警備装置3−1、3−2と接続される警備センタ装置4及びデータサーバ5とを有する。各警備装置3−1、3−2は、データ管理システムにおいて利用者が操作する端末装置の例であり、データサーバ5は、各端末装置が利用するデータを管理するサーバ装置の例である。また、各警備装置3−1と、3−2には、それぞれ監視対象の異常を検出するための1以上のセンサ2−1−1、2−1−2と、2−2−1、2−2−2が接続される。各センサは、例えば、火災を検知するための熱感知センサあるいは煙感知センサ、窓、ドア等の開閉部に取り付けられ、その開閉を検知するマグネットセンサ、又は受光した赤外線の光量変化に基づいて探知範囲内への侵入者等の有無を検知する赤外線センサである。あるいは、センサは、撮像画像と予め記憶された正常時の画像との差分信号に基づいて撮像範囲内への侵入者等の有無を検知する画像センサでもよい。
【0015】
警備装置3−1又は3−2は、構内LANなどを介してそれ自体に接続されたセンサ2−1−1、2−1−2又は2−2−1、2−2−2から監視対象の異常を検出したことを示す異常発生信号を受信すると、その異常発生信号及び警備装置3−1又は3−2自体の識別信号または警備装置3−1又は3−2が設置された物件あるいは異常を検出したセンサの識別信号を警備センタ装置4へ送信する。
また、警備装置3−1、3−2は、画像、メモなどの入力された各データをネットワークを介してデータサーバ5へ送信し、データサーバ5に登録する。また、警備装置3−1、3−2は、利用者から所定のデータの表示を要求する操作がされると、ネットワークを介してデータサーバ5へそのデータの取得要求を送信し、その応答として取得したデータを表示する。
なお、警備装置3−1、3−2には、それぞれ自己の警備装置が設置された物件を識別するため物件IDが割り当てられている。この物件IDは、警備装置3−1、3−2が設置された物件の識別番号であり、警備システム1全体でユニークな番号が割り当てられる。以下では、各警備装置を識別するための識別情報としてこの物件IDを用いる。また、警備装置3−1、3−2は、警備システム1の全ての利用者のうち自己の警備装置について登録された利用者のユーザIDとその利用者が所持し警備装置を操作するために利用する利用者カードなどのICカードのカードIDとを関連付けて記憶する。ユーザIDは、各利用者の識別番号であり、警備システム1全体でユニークな番号が割り当てられる。カードIDは、ICカードの識別番号であり、警備システム1全体でユニークな番号が割り当てられる。
【0016】
警備センタ装置4は、いわゆるサーバで構成され、ネットワークを介して各警備装置3−1、3−2と通信するための通信インターフェースと、液晶ディスプレイなどの表示装置と、ブザー、LED等で構成される報知部を備える。そして、警備センタ装置4は、各警備装置3−1、3−2からネットワークを介して異常発生信号を受信すると、その異常発生信号を送信した警備装置3−1、3−2が設置された物件及び検出された異常の内容を、報知部及び表示装置を通じて、監視員に報知する。
【0017】
データサーバ5は、各警備装置3−1、3−2から登録されたデータを格納するサーバである。データサーバ5は、各警備装置3−1、3−2についてこれを利用できる利用者を登録するとともに、各警備装置3−1、3−2の利用者が登録された利用者であるか否かの認証処理を行う。
【0018】
そして、データサーバ5は、利用者の認証に成功した警備装置3−1、3−2からネットワークを介して受信したデータを格納する。なお、データサーバ5は、警備装置毎にその警備装置から受信したデータを格納するための記憶領域を割り当てる。各警備装置に割り当てられた記憶領域は、データを登録した利用者のみが閲覧可能なデータを記憶する個人領域と、その警備装置について登録された全ての利用者が閲覧可能なデータを記憶する共通領域とに分けられる。
データサーバ5は、利用者の認証が成功した警備装置を介してデータが登録されると、まず、そのデータをその警備装置及びその利用者に割り当てられた個人領域に、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶する。データを登録した利用者は、登録したデータのうちその警備装置に登録された全ての利用者の閲覧を許可するデータを、そのデータを登録した警備装置を介して指定することができる。各警備装置は、利用者により閲覧を許可するデータが指定されると、指定されたデータを共通領域に記憶させる指示、即ちその警備装置に登録された全ての利用者の閲覧が許可されたデータとする指示を示すデータ情報をデータサーバ5に通知する。一方、データサーバ5は、各警備装置から受信したデータ情報に示されるデータを個人領域から共通領域にコピー又は移動させ、その警備装置及びその警備装置に登録された全ての利用者と対応付けて記憶する。
また、データサーバ5は、利用者の認証に成功した警備装置からのデータの取得要求に応じて、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶したデータをその警備装置に送信する。ただし、データサーバ5が記憶する各データは、記憶時にそのデータと対応付けられた警備装置及び利用者のみが閲覧可能であり、データサーバ5は、そのデータと対応付けられた利用者の認証に成功し、且つそのデータと対応付けられた警備装置から要求された場合に限りそのデータをその警備装置に送信する。つまり、各利用者は、自分が登録して自分の個人領域に記憶されたデータと、その警備装置を利用可能な他者(例えば家族)が登録したデータのうちその他者が指定して共通領域に記憶されたデータとを閲覧することが可能となる。また、利用者は、自分が利用しない他の警備装置からデータサーバ5に登録されたデータのうち、当該他の警備装置の利用者が自分が利用する警備装置に対して「公開」と指定したデータを閲覧することが可能となる。
【0019】
また、データサーバ5には利用者のユーザIDとその利用者の利用者情報と当該利用者が登録されている警備装置についての物件IDとが関連付けられて記憶されている。利用者情報は、利用者の氏名、フリガナ、生年月日、パスワード、利用者が所持する利用者カードなどのICカードのカードIDを含む。また、データサーバ5には各警備装置についての物件IDとその物件の名称情報とが関連付けられて記憶されている。なお、本実施形態では、個人情報となる利用者情報を警備装置に極力保持させないようにした例について説明するが、これに限定されず、データサーバ5だけでなく警備装置にもカードIDに加えて他の利用者情報を記憶させるようにしてもよい。これにより警備装置が利用者情報取得のためにデータサーバ5と通信することが省略でき、操作レスポンス、通信セッション処理などが向上する。
【0020】
次に、ある警備装置を介してデータサーバ5に登録されたデータについて、他の警備装置からの閲覧を許可するために警備装置間でなされる公開設定について説明する。以下、データサーバ5にデータを登録した警備装置を登録元の警備装置と称し、データサーバ5に登録されたデータを閲覧する警備装置を公開先の警備装置と称する。
図2は、警備システム1における、公開設定処理の動作シーケンス図である。この例では、登録元の警備装置を警備装置3−1とし、公開先の警備装置を警備装置3−2として説明する。また、警備装置3−1及び警備装置3−2のそれぞれについて利用者が利用可能に登録されており、警備装置3−1及び警備装置3−2のそれぞれにおいて登録された利用者による認証が成功しているものとする。また、警備装置の利用者には、予め契約書などを通じて警備会社など警備システム1の運営事業者から警備装置についての物件IDが通知されている。従って、警備装置3−1及び警備装置3−2の利用者同士は事前に電話等の情報交換により、警備装置3−1及び警備装置3−2について物件IDを知ることができ、これをデータサーバ5に送信することで両警備装置の対応付けを行うことができる。
【0021】
まず、公開設定の事前準備として、警備装置3−2を公開先の警備装置としてデータサーバ5に登録する公開先設定処理が実施される。
まず、警備装置3−1について登録された利用者により、公開先の警備装置3−2についての物件IDが警備装置3−1に入力されると(ステップS101)、警備装置3−1は、登録元の警備装置3−1を介して登録されたデータについて公開先の警備装置3−2からの閲覧を許可するための閲覧許可通知をデータサーバ5に送信する(ステップS102)。なお、閲覧許可通知には、登録元の警備装置3−1、つまり自己の警備装置についての物件IDと、利用者により入力された公開先の警備装置3−2についての物件IDとが含まれる。
【0022】
一方、データサーバ5は、閲覧許可通知を受信すると、受信した閲覧許可通知に含まれる、登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDを、登録元の警備装置3−1を介して登録されたデータを他の警備装置から閲覧可能に設定する処理が行われることを表す閲覧許可フラグと関連付けて記憶する(ステップS201)。これにより、公開設定の事前準備が完了し、警備装置3−2が公開先の警備装置としてデータサーバ5に登録される。
【0023】
警備装置3−2について登録された利用者により、登録元の警備装置3−1についての物件IDが警備装置3−2に入力されると(ステップS301)、警備装置3−2は、登録元の警備装置3−1を介して登録されたデータについて公開先の警備装置3−2からの閲覧の許可を要求するための閲覧要求をデータサーバ5に送信する(ステップS302)。なお、閲覧要求には、利用者により入力された登録元の警備装置3−1についての物件IDと、公開先の警備装置3−2についての物件ID、つまり自己の警備装置についての物件IDとが含まれる。また、警備装置3−1についての物件IDは、データサーバ5において公開先の警備装置3−2についての物件IDと関連付けて記録された登録元の警備装置についての物件IDに対応する警備装置の情報の取得をデータサーバ5に要求し、取得した警備装置の情報を選択可能に表示することで利用者に選択させて特定してもよい。
【0024】
一方、データサーバ5は、警備装置3−2から閲覧要求を受信すると、受信した閲覧要求に含まれる、登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDを、他の警備装置を介して登録されたデータを公開先の警備装置3−2から閲覧可能に設定する処理が行われることを表す閲覧要求フラグと関連付けて記憶する(ステップS202)。そして、閲覧要求フラグと関連付けて記憶した登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDを、登録元の警備装置3−1についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶している登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDとそれぞれ照合する(ステップS203)。データサーバ5は、各物件IDがそれぞれ一致する場合、登録元の警備装置3−1と公開先の警備装置3−2との間で公開設定がなされたと判定する。そして、登録元の警備装置3−1を介してデータサーバ5に登録されたデータのうち共通領域に記憶されたデータ(既に記憶されているデータ及び今後記憶されるデータ)を、公開先の警備装置3−2に登録された全ての利用者により公開先の警備装置3−2から閲覧可能とするように、公開先の警備装置3−2及びその全ての利用者に対応付けて記憶する(ステップS204)。
このとき、登録元の警備装置3−1を介してデータサーバ5に登録されたデータのうち個人領域に記憶されたデータについては、公開先の警備装置3−2に登録された全ての利用者により公開先の警備装置3−2から閲覧不可とし、公開先の警備装置3−2及びその全ての利用者に対応付けて記憶しない。つまり、登録元の警備装置3−1を介してデータを登録した利用者と同一人物が公開先の警備装置3−2について登録されていても(同じ利用者が警備装置3−1と3−2とを利用可能に登録されていても)、その利用者は警備装置3−1の個人領域にのみ記憶しているデータを公開先の警備装置3−2から閲覧することはできない。これにより、利用者が、同居している家族に対しても閲覧を禁止しているプライバシー性の高いデータを、自宅以外で誤って閲覧することを防止することができる。
【0025】
なお、登録元の警備装置3−1を介してデータサーバ5に登録されたデータを公開先の警備装置3−2に対応付けて記憶するために、例えば、データサーバ5は、公開先の警備装置3−2に割り当てられた記憶領域に、登録元の警備装置3−1の共通領域へのリンク先を記憶する。そして、利用者の認証に成功した公開先の警備装置3−2からのデータの取得要求に応じて、その警備装置3−2のその利用者の個人領域に格納しているデータ、その警備装置3−2の共通領域に格納しているデータ、又はそのリンク先の共通領域に格納しているデータを公開先の警備装置3−2に送信する。
あるいは、データサーバ5は、公開先の警備装置3−2の共通領域に、登録元の警備装置3−1の共通領域に格納されたデータをコピーしてもよい。その場合、データサーバ5は、公知のミラーリングの技術を用いて、定期的に、又は登録元の警備装置3−1の共通領域に格納されたデータが変更されたときに差分データをコピーする。これにより、データサーバ5は、登録元の警備装置の共通領域のデータと公開先の警備装置の共通領域のデータの同一性を維持する。
【0026】
次に、データサーバ5は、登録元の警備装置3−1についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶している登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDに、公開設定がなされたことを表す公開設定フラグをさらに関連付けて記憶する。同様に、データサーバ5は、公開先の警備装置3−2についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶している登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDにも公開設定フラグをさらに関連付けて記憶する(ステップS205)。
【0027】
次に、データサーバ5は、登録元の警備装置3−1を介してデータサーバ5に登録されたデータを公開先の警備装置3−2の全ての利用者により公開先の警備装置3−2から閲覧可能に設定したことを示す設定通知を公開先の警備装置3−2に送信する(ステップS206)。なお、設定通知には登録元の警備装置3−1についての物件ID及びその物件の名称情報が含まれる。
一方、警備装置3−2は、データサーバ5から設定通知を受信すると、設定通知に含まれる物件ID又は名称情報を公開先の警備装置3−2から閲覧可能なデータの登録元の警備装置として記憶するとともに、個人領域及び共通領域とともに警備装置3−1を閲覧可能なデータの格納場所として表示し(ステップS303)、一連のステップを終了する。なお、複数の警備装置が登録元の警備装置として設定された場合、公開先の警備装置3−2は、登録元の警備装置の情報をそれぞれ表示する。これらの情報はそれぞれ利用者により選択可能に表示され、公開先の警備装置3−2を利用する利用者は、データを閲覧する際、そのデータを登録した警備装置を選択することができる。
【0028】
一方、ステップS203において公開先の警備装置3−2についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶した各物件IDと、登録元の警備装置3−1についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶した各物件IDとが一致しなかった場合は特に処理を行わず、一連のステップを終了する。従って、この場合、登録元の警備装置3−1の共通領域に記憶されたデータは公開先の警備装置3−2に登録された全ての利用者により公開先の警備装置3−2から閲覧不可となる。
【0029】
このように、本実施形態では、公開元の警備装置3−1よりデータサーバ5の共通領域に記憶された全てのデータを公開先の警備装置3−2より閲覧可能とする例について説明しているが、これに限定されず公開するデータは個別に指定するよう構成してもよい。例えば、公開元の警備装置3−1よりデータサーバ5の共通領域に記憶されたデータのうち、警備装置3−1の利用者に個別に指定され「公開」として設定操作されたデータのみを公開先の警備装置3−2より閲覧可能としてもよい。この場合、ステップS205にて、公開元となる警備装置3−1と公開先となる警備装置3−2に公開設定フラグが関連付けられたことで、警備装置3−1では警備装置3−2に対してデータサーバ5の共通領域に記憶されたデータの「公開」設定が可能となるよう構成する。警備装置3−1の利用者は、任意のタイミングで、自分または他者によりデータサーバ5における警備装置3−1の共通領域に記憶されているデータを指定して、警備装置3−2に対して「公開」の設定操作を行い、また、既に「公開」設定されているデータを指定して「公開解除」の設定操作を行う。一方で、データサーバ5において警備装置3−1の個人領域に記憶されたデータは「公開」の設定操作を禁止する。そして、データサーバ5では、ステップS204と同様に、警備装置3−2に対して「公開」と設定されたデータについて公開先の警備装置3−2から閲覧可能とするように、公開先の警備装置3−2及びその全ての利用者に対応付けて記憶する。
【0030】
次に、公開設定がなされた後に、公開先設定をしていた登録元の警備装置がその公開先設定を取り消す公開取消処理について説明する。
図3は、警備システム1における、公開取消処理の動作シーケンス図である。この例では、公開先設定を取り消す登録元の警備装置を警備装置3−1とし、公開先の警備装置を警備装置3−2として説明する。
【0031】
まず、警備装置3−1について登録された利用者により、公開先設定を取り消す公開先の警備装置3−2についての物件IDが警備装置3−1に入力されると(ステップS111)、警備装置3−1は、登録元の警備装置3−1を介してデータサーバ5に登録されたデータについて公開先の警備装置3−2からの閲覧を拒否するための閲覧拒否通知をデータサーバ5に送信する(ステップS112)。なお、閲覧拒否通知には、登録元の警備装置3−1、つまり自己の警備装置についての物件IDと、利用者により入力された公開先の(既に公開設定がされている)警備装置3−2についての物件IDとが含まれる。
【0032】
一方、データサーバ5は、閲覧拒否通知を受信すると、受信した閲覧拒否通知に含まれる登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDと同一の、登録元の警備装置3−1について、過去に閲覧許可通知を受信したことにより閲覧許可フラグと関連付けて記憶していた各物件IDを削除する(ステップS211)。そして、閲覧拒否通知に含まれる登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDを、公開先の警備装置3−2について、過去に閲覧要求を受信したことにより閲覧要求フラグ及び公開設定フラグと関連付けて記憶していた登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDとそれぞれ照合する(ステップS212)。データサーバ5は、各物件IDがそれぞれ一致する場合、その登録元の警備装置3−1について警備装置3−2に対し公開設定がなされていると判定する。そして、登録元の警備装置3−1の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置3−2について登録された全ての利用者により公開先の警備装置3−2から閲覧不可にするように、公開先の警備装置3−2及びその全ての利用者との対応付けを解除する(ステップS213)。
【0033】
例えば、登録元の警備装置3−1を介してデータサーバ5に登録されたデータを公開先の警備装置3−2に対応付けて記憶するために、公開先の警備装置3−2に割り当てられた記憶領域に、登録元の警備装置3−1の共通領域へのリンク先を記憶している場合、データサーバ5はそのリンク先を削除する。あるいは、公開先の警備装置3−2の共通領域に、登録元の警備装置3−1の共通領域に格納されたデータをコピーしている場合、そのコピーしていたデータを削除する。
【0034】
次に、データサーバ5は、公開先の警備装置3−2についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶している登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDについて公開設定フラグを削除するとともに、各物件IDを公開設定を取り消したことを表す公開取消フラグと関連付けて記憶する(ステップS214)。
このとき、データサーバ5では、登録元の警備装置3−1から過去に閲覧許可通知を受信したことによる閲覧許可フラグとこれに対応する物件IDは削除されているが、公開先の警備装置3−2から過去に閲覧要求を受信したことによる閲覧要求フラグとこれに対応する物件IDは公開設定を解除されて記憶されたままとなる。即ち、警備装置3−2から閲覧要求を受信しており、警備装置3−1からは閲覧許可通知を受信していない状態となる。従って、この、警備装置3−2から過去に閲覧要求を受信したことによる閲覧要求フラグとこれに対応する物件IDとは、再度登録元の警備装置3−1から閲覧許可通知が送信された場合に照合するための再登録情報として機能することとなる。
【0035】
次に、データサーバ5は、登録元の警備装置3−1を介してデータサーバ5に登録されたデータを公開先の警備装置3−2の全ての利用者により公開先の警備装置3−2から閲覧不可に設定したことを示す取消通知を公開先の警備装置3−2に送信する(ステップS215)。なお、取消通知には登録元の警備装置3−1についての物件ID及びその物件の名称情報が含まれる。
一方、警備装置3−2は、データサーバ5から取消通知を受信すると、取消通知に含まれる物件ID又は名称情報を警備装置3−2からのデータの閲覧の許可を取り消した警備装置として記憶するとともに、警備装置3−1について閲覧可能なデータの格納場所としての表示を非活性とし(ステップS311)、一連のステップを終了する。なお、警備装置3−2は、閲覧不可となったデータの登録元の警備装置と、閲覧可能なデータの登録元の警備装置とを利用者が区別できるように表示する。また、警備装置3−2は、取消通知で指定された警備装置を介して登録されたデータを閲覧することができなくなるため、この警備装置の情報は利用者により選択できないように表示する。
【0036】
一方、ステップS212において登録元の警備装置3−1について公開設定がなされていないと判定した場合は特に処理を行わず、一連のステップを終了する。
【0037】
次に、公開取消処理がなされた後に、再度公開設定を行う公開再設定処理について説明する。
図4は、警備システム1における、公開再設定処理の動作シーケンス図である。この例では、公開先設定を取り消した後に、再度公開先設定を行う登録元の警備装置を警備装置3−1とし、公開先の警備装置を警備装置3−2として説明する。
【0038】
まず、警備装置3−1について登録された利用者により、公開先の警備装置3−2についての物件IDが警備装置3−1に入力されると(ステップS121)、警備装置3−1は、閲覧許可通知をデータサーバ5に送信する(ステップS122)。
【0039】
一方、データサーバ5は、閲覧許可通知を受信すると、受信した閲覧許可通知に含まれる、登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDを、登録元の警備装置3−1についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶する(ステップS221)。次に、データサーバ5は、閲覧許可フラグと関連付けて記憶した登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDを、過去に閲覧要求を受信したことにより公開先の警備装置3−2についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶している登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDとそれぞれ照合する(ステップS222)。なおこの照合は、閲覧許可フラグと関連付けて記憶した各物件IDが過去に記憶した公開取消フラグに関連する各物件IDと一致するかの照合であってもよい。データサーバ5は、各物件IDがそれぞれ一致する場合、登録元の警備装置3−1の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置3−2に登録された全ての利用者により公開先の警備装置3−2から閲覧可能とするように、再度公開先の警備装置3−2及びその全ての利用者に対応付けて記憶する(ステップS223)。これにより、例えば、登録元の警備装置3−1と公開先の警備装置3−2との間で公開設定がなされた後、誤って登録元の警備装置3−1から公開先設定を取り消した場合でも、公開先の警備装置3−2からデータサーバ5に閲覧要求を再度送信することなく、公開設定を行うことが可能となる。
【0040】
次に、データサーバ5は、登録元の警備装置3−1についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶している登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDに、公開設定フラグを関連付けて記憶する。同様に、データサーバ5は、公開先の警備装置3−2についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶している登録元の警備装置3−1についての物件ID及び公開先の警備装置3−2についての物件IDにも公開設定フラグを関連付けて記憶する(ステップS224)。
【0041】
次に、データサーバ5は、登録元の警備装置3−1についての物件ID及びその物件の名称情報を含む設定通知を公開先の警備装置3−2に送信する(ステップS225)。
一方、警備装置3−2は、データサーバ5から設定通知を受信すると、設定通知に含まれる物件ID又は名称情報を公開先の警備装置3−2からのデータの閲覧を許可した登録元の警備装置として記憶するとともに、個人領域及び共通領域とともに警備装置3−1を閲覧可能なデータの格納場所として表示し(ステップS321)、一連のステップを終了する。
【0042】
一方、ステップS222において登録元の警備装置3−1についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶した各物件IDと、公開先の警備装置3−2についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶した各物件IDとが一致しなかった場合は特に処理を行わず、一連のステップを終了する。
【0043】
次に、本発明を適用した警備装置3−1、3−2の詳細について説明する。なお、警備装置3−1及び3−2の構成は同じであるため、以下では代表して警備装置3−1について説明する。
図5に、警備装置3−1の機能ブロック図を示す。
図5に示すように、警備装置3−1は、センサインターフェース部31と、通信部32と、表示部33と、操作部34と、入出力部35と、記憶部36と、制御部37とを有する。
【0044】
センサインターフェース部31は、
図1に示した各センサ2と通信を行うための入出力インターフェースであり、各センサ2と接続ケーブル、LANなど有線/無線通信回線を介して接続するための接続端子、インターフェース回路及びその制御プログラム等で構成される。センサインターフェース部31は、各センサ2との間で定められた所定の通信プロトコルにしたがって通信を行う。そして、センサ2等で検知された場合の異常発生信号を受信して制御部37に送信する。
【0045】
通信部32は、警備装置3−1をネットワークに接続するためのインターフェース回路を有する。そして、通信部32は、例えば、センサ2からの異常発生信号を警備センタ装置4へ通知する場合、又は入出力部35もしくは操作部34を介して入力された画像、メモなどの各データをデータサーバ5へ送信する場合、制御部37の制御に従って、警備装置3−1と警備センタ装置4又はデータサーバ5との間の接続処理を行う。そして、通信部32は、警備装置3−1と警備センタ装置4との間で接続が確立された後、センサ2から受信したその異常発生信号と、警備装置3−1自体の識別情報、警備装置3−1が設置された物件の物件IDまたは異常を検出したセンサの識別情報とを警備センタ装置4へ送信する。
また、通信部32は、警備装置3−1とデータサーバ5との間で接続が確立された後、制御部37からの制御に従って、閲覧許可通知、閲覧要求又は閲覧拒否通知をデータサーバ5に送信する。また、通信部32は、利用者の操作により警備装置がデータサーバ5と通信する場合に操作部34を介して利用者が入力する情報に基づき制御部37の制御に従って認証要求をデータサーバ5に送信し、利用者の認証結果を受信する。通信部32は、上記のような各種情報の通報が終わると、警備装置3−1と警備センタ装置4又はデータサーバ5との間の接続を開放する処理を行う。
【0046】
表示部33は、液晶ディスプレイ、タッチパネルディスプレイなどの表示デバイスで構成され、異常発生の有無、制御部37から受け取った各種情報等を表示して、利用者へ報知する。
【0047】
操作部34は、警備装置3−1の利用者が警備装置3−1を操作するための操作インターフェースである。操作部34は、キーボード、テンキー等の入力デバイスで構成され、利用者からの各種操作を受け付け、それらの操作に対応する信号を制御部37へ出力する。なお、表示部33をタッチパネルディスプレイで構成した場合、タッチパネルディスプレイに利用者が各種操作を入力するためのキーボード画面を表示することにより、操作部34の機能を実現してもよい。その場合、操作部34は、そのキーボード画面を利用者が操作することにより、それらの操作に対応する信号を制御部37へ出力する。
さらに、操作部34は、利用者カードに記録された情報を読み取るカードリーダを有する。操作部34は、カードID等の識別情報が記録された利用者カードがカードリーダに挿入されると、その利用者カードから各識別情報を読み取り、制御部37へ通知する。
【0048】
入出力部35は、不図示のカメラ、SDメモリカード等の各種フラッシュメモリ等と通信を行うための入出力インターフェースであり、カメラ、フラッシュメモリ等と接続するための接続端子、インターフェース回路及びその制御プログラム等で構成される。インターフェース回路は、例えば、ビデオインターフェース又はユニバーサル・シリアル・バスといったシリアルバスに準じる回路である。入出力部35は、カメラ、フラッシュメモリ等との間で定められた所定の通信プロトコルにしたがって通信を行う。そして、カメラ、フラッシュメモリからの画像データ等を受信して制御部37に送信する。
【0049】
記憶部36は、半導体メモリ、磁気記録媒体及びそのアクセス装置並びに光記録媒体及びそのアクセス装置のうちの少なくとも一つを有する。そして、記憶部36は、警備装置3−1を制御するためのコンピュータプログラム、各種パラメータ及びデータなどを記憶する。
また、記憶部36は、自己の警備装置3−1が設置された物件の物件IDを記憶する。また、記憶部36は、警備システム1の全ての利用者のうち自己の警備装置3−1について登録された利用者のユーザIDをその利用者のカードIDと関連付けて記憶する。
【0050】
制御部37は、一個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。そして、制御部37は、家屋、マンション等の監視対象における異常発生を監視するとともに、画像データ、テキストデータ等を通信部32を介してデータサーバ5と送受信する。そのために、制御部37は、そのプロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールとして、警備手段371と、利用者登録要求手段372と、認証要求手段373と、データ送受信手段374と、閲覧許可通知手段375と、閲覧要求手段376と、閲覧拒否通知手段377と、結果表示手段378とを有する。
なお、制御部37が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、制御部37の各部について詳細に説明する。
【0051】
警備手段371は、センサインターフェース部31を介して各センサ2−1−1、2−1−2から異常発生信号を受信すると、異常が発生したことを表示部33に表示させるとともに、その異常発生信号と、警備装置3−1自体の識別情報、警備装置3−1が設置された物件の物件IDまたは異常を検出したセンサの識別情報とを通信部32に警備センタ装置4へ送信させる。また、警備手段371は、操作部34に挿入された利用者カードから読み出されたカードIDが自己の警備装置の利用者として記憶部36に記憶されていれば、警備装置3−1を操作可と判断し、警備機能の有効無効などの設定操作を受け付ける。
【0052】
利用者登録要求手段372は、操作部34を介して利用者の登録操作を受け付ける。なお、利用者の登録に先立って、新規登録される利用者が予め申請することにより、その利用者が使用する利用者カード(ICカード)が警備システム1の管理者により発行されている。利用者登録要求手段372は、警備装置3−1を操作することが許可されている保守者又は既に警備装置3−1について登録されている利用者(以下、登録者と称する)により操作部34に挿入された利用者カードから読み取ったカードIDを取得する。さらに、利用者登録要求手段372は、操作部34を介して登録者により入力された利用者情報を取得し、利用者を新規に登録するための利用者登録要求を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。なお、利用者登録要求には、警備装置3−1についての物件IDと利用者情報とが含まれる。そして、データサーバ5によりその利用者が登録され、利用者のユーザIDが発行されると、通信部32を介してデータサーバ5からその利用者のユーザIDを受信する。そして、利用者登録要求手段372は、その利用者を警備装置3−1について登録された利用者として、そのユーザIDと利用者カードのカードIDとを関連付けて記憶部36に記憶する。
【0053】
認証要求手段373は、利用者が、画像、メモなどのデータの登録もしくは読み出しを要求するとき、又は公開設定もしくは公開取消設定を要求するとき、警備装置3−1に対する利用者の認証処理をデータサーバ5に要求する。認証要求手段373は、利用者カードが操作部34に挿入されると、操作部34からその利用者カードに記憶されたカードIDを取得し、そのカードIDと関連付けられたユーザIDを記憶部36から読み出す。更に操作部34を介して利用者によりパスワードが入力されると、その利用者のユーザIDと、利用者が入力したパスワードと、警備装置3−1についての物件IDとを含む認証要求を通信部32にデータサーバ5に送信させる。
【0054】
データ送受信手段374は、操作部34を介して利用者によりデータの登録要求がなされるとデータサーバ5による利用者の認証が成功した後に、入出力部35を介してカメラ、フラッシュメモリ等から入力された画像データ、操作部34を介して利用者により入力されたテキストデータ等を利用者のユーザIDと共に通信部32にデータサーバ5へ送信させる。また、データ送受信手段374は、操作部34を介して利用者から所定のデータの表示を要求する操作がされると、そのデータの取得要求を利用者のユーザIDと共に通信部32にデータサーバ5へ送信させる。その応答として、通信部32を介してデータサーバ5に格納された画像データ、テキストデータ等を受信すると、受信したデータを表示部33に表示させる。
【0055】
閲覧許可通知手段375は、利用者により操作部34を介して公開先の警備装置についての物件IDが入力されると、登録元の警備装置(自己)についての物件IDと、操作部34を介して入力された、公開先の警備装置についての物件IDとを含む閲覧許可通知を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。
【0056】
閲覧要求手段376は、利用者により操作部34を介して登録元の警備装置についての物件IDが入力されると、操作部34を介して入力された、登録元の警備装置についての物件IDと、公開先の警備装置(自己)についての物件IDとを含む閲覧要求を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。
【0057】
閲覧拒否通知手段377は、利用者により操作部34を介して公開設定を取り消す公開先の警備装置についての物件IDが入力されると、登録元の警備装置(自己)についての物件IDと、操作部34を介して入力された、公開先の警備装置についての物件IDとを含む閲覧拒否通知を通信部32にデータサーバ5へ送信させる。
【0058】
結果表示手段378は、通信部32を介してデータサーバ5から設定通知を受信すると、設定通知に含まれる物件ID又は名称情報を公開先の警備装置からのデータの閲覧を許可した登録元の警備装置として記憶部36に記憶するとともに、個人領域及び共通領域とともに登録元の警備装置を閲覧可能なデータの格納場所として表示部33に表示させる。また、結果表示手段378は、通信部32を介してデータサーバ5から取消通知を受信すると、取消通知に含まれる物件ID又は名称情報を公開先の警備装置からのデータの閲覧の許可を取り消した警備装置として記憶部36に記憶するとともに、その登録元の警備装置について閲覧可能なデータの格納場所としての表示部33への表示を非活性とする。
なお、利用者は、記憶部36に記憶された各警備装置の名称情報を変更するための操作を操作部34を介して行うことができる。制御部37は、操作部34から出力されたその操作に対応する信号に従って、記憶部36に記憶された名称情報を変更する。これにより、表示部33に表示する各警備装置の名称を変更することができる。
【0059】
次に、本発明を適用したデータサーバ5の詳細について説明する。
図6に、データサーバ5の機能ブロック図を示す。
図6に示すように、データサーバ5は、サーバ通信部51と、サーバ記憶部52と、制御部53とを有する。
【0060】
サーバ通信部51は、データサーバ5をネットワークに接続するためのインターフェース回路を有する。そして、サーバ通信部51は、制御部53の制御に従って、データサーバ5と各警備装置3−1、3−2との間の接続処理を行う。そして、サーバ通信部51は、データサーバ5と各警備装置3−1、3−2との間で接続が確立された後、各警備装置3−1、3−2から閲覧許可通知、閲覧要求又は閲覧拒否通知を受信すると、受信した閲覧許可通知、閲覧要求又は閲覧拒否通知を制御部53に通知する。また、サーバ通信部51は、各警備装置3−1、3−2から画像データ又はテキストデータを受信するとともに、サーバ記憶部52に格納されたデータを各警備装置3−1、3−2に送信する。サーバ通信部51は、上記のような各種情報の通報が終わると、データサーバ5と各警備装置3−1、3−2との間の接続を開放する処理を行う。
【0061】
サーバ記憶部52は、半導体メモリ、磁気記録媒体及びそのアクセス装置並びに光記録媒体及びそのアクセス装置のうちの少なくとも一つを有する。そして、サーバ記憶部52は、データサーバ5を制御するためのコンピュータプログラム、各種パラメータ及びデータなどを記憶する。
また、サーバ記憶部52は、警備システム1が有する全ての警備装置3−1、3−2に対応する物件IDを記憶するとともに、警備システム1の全ての利用者のユーザIDと利用者情報とをその利用者について登録された警備装置3−1、3−2についての物件IDと関連付けて記憶する。
また、サーバ記憶部52は、利用者の認証に成功した警備装置3−1、3−2から受信したデータを記憶する。なお、サーバ記憶部52は、警備装置毎にその警備装置から受信したデータを格納するための記憶領域を割り当てる。各警備装置に割り当てられた記憶領域は個人領域と共通領域とに分けられる。そして、サーバ記憶部52は、制御部53からの制御に従って、利用者の認証が成功した警備装置を介して登録されたデータをその警備装置及びその利用者に割り当てられた個人領域に、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶する。さらに、サーバ記憶部52は、利用者が警備装置を介して特定のデータを共通領域に置く旨の入力を行うと制御部53からの制御に従って、個人領域に記憶されたデータのうち、その警備装置について登録された全ての利用者の閲覧が許可されたデータを共通領域に、その警備装置及びその警備装置に登録された全ての利用者と対応付けて記憶する。また、サーバ記憶部52は、上述した公開設定の処理が行われると制御部53からの制御に従って、各警備装置の共通領域に記憶されたデータを他の警備装置及び他の警備装置に登録された全ての利用者と対応付けて記憶する。
【0062】
制御部53は、一個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。そして、制御部53は、各警備装置3−1、3−2について利用者の登録処理を行う。また、制御部53は、各警備装置3−1、3−2の利用者が各警備装置3−1、3−2について登録された利用者であるか否かの認証処理を行い、認証に成功した警備装置3−1、3−2から受信した画像データ又はテキストデータをサーバ記憶部52に格納し、管理する。また、制御部53は、認証に成功した警備装置3−1、3−2からのデータの取得要求に応じて、サーバ記憶部52に格納しているデータをその警備装置3−1、3−2に送信する。そのために、制御部53は、そのプロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールとして、利用者登録手段531と、認証手段532と、データ管理手段533と、設定手段534とを有する。
なお、制御部53が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、制御部53の各部について詳細に説明する。
【0063】
利用者登録手段531は、サーバ通信部51を介して警備装置から利用者登録要求を受信すると、利用者のユーザIDを発行し、その利用者をその警備装置について登録された利用者として、そのユーザIDと受信した利用者登録要求に含まれる利用者情報とその警備装置の物件IDとを関連付けてサーバ記憶部52に記録する。そして、そのユーザIDをサーバ通信部51にその警備装置へ送信させる。
【0064】
認証手段532は、サーバ通信部51を介して警備装置から認証要求を受信すると、その認証要求に含まれるユーザIDとパスワードと物件IDとを関連付けて記憶しているか否かを判定する。そして、認証要求に含まれるユーザIDとパスワードと物件IDとを関連付けて記憶している場合、認証成功と判定し、認証要求に含まれるユーザIDと物件IDとを関連付けて記憶していない場合、認証失敗と判定する。そして、認証手段532は、その認証結果をサーバ通信部51にその警備装置へ送信させる。
【0065】
データ管理手段533は、認証手段532が利用者の認証に成功した警備装置からサーバ通信部51を介して受信した画像データ又はテキストデータを、サーバ記憶部52の、その警備装置及び利用者に割り当てた個人領域に、その警備装置及びその利用者と対応付けて記憶する。また、データ管理手段533は、警備装置からサーバ通信部51を介して特定のデータを共通領域に記憶させる指示、即ちその警備装置に登録された全ての利用者の閲覧が許可されたデータとする指示を示すデータ情報を受信すると、そのデータ情報に示されるデータを、サーバ記憶部52の、そのデータを記憶していた個人領域から共通領域にコピーする。そして、そのコピーしたデータをその警備装置及びその警備装置に登録された全ての利用者と対応付けて記憶する。また、データ管理手段533は、利用者の認証に成功した警備装置からのデータの取得要求に応じて、その警備装置及び利用者に対応付けて記憶している画像データ又はテキストデータをサーバ記憶部52から読み出し、サーバ通信部51にその警備装置へ送信させる。
【0066】
設定手段534は、サーバ通信部51を介して閲覧許可通知を受信すると、受信した閲覧許可通知に含まれる、登録元の警備装置についての物件ID及び公開先の警備装置についての物件IDを登録元の警備装置についての閲覧許可フラグと関連付けてサーバ記憶部52に記憶する。また、設定手段534は、サーバ通信部51を介して閲覧要求を受信すると、受信した閲覧要求に含まれる、公開先の警備装置についての物件ID及び公開先の警備装置についての物件IDを、登録元の警備装置についての閲覧要求フラグと関連付けてサーバ記憶部52に記憶する。
【0067】
設定手段534は、閲覧許可通知と閲覧要求の両方を受信すると、登録元の警備装置についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶した登録元の警備装置についての物件ID及び公開先の警備装置についての物件IDを、公開先の警備装置についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶した登録元の警備装置についての物件ID及び公開先の警備装置についての物件IDとそれぞれ照合する。そして、各物件IDがそれぞれ一致する場合、登録元の警備装置と公開先の警備装置との間で公開設定がなされたと判定する。そして、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧可能とするように、公開先の警備装置及びその全ての利用者に対応付けてサーバ記憶部52に記憶する。また、上述したように、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータのうち登録元の利用者が指定したもののみであってよい。ただし、登録元の警備装置の個人領域に記憶されたデータについては、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧不可とするように、公開先の警備装置及びその全ての利用者に対応付けて記憶しない。そして、登録元の警備装置についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶している各物件IDと、公開先の警備装置についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶している各物件IDに、それぞれ公開設定フラグを関連付けてサーバ記憶部52に記憶する。そして、設定手段534は、登録元の警備装置についての物件ID及びその物件の名称情報を含む設定通知をサーバ通信部51に公開先の警備装置へ送信させる。一方、各物件IDのうちの少なくとも一つが一致しない場合、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧不可とするように、公開先の警備装置及びその全ての利用者に対応付けて記憶しない。
【0068】
また、設定手段534は、サーバ通信部51を介して、公開先設定をしていた登録元の警備装置から閲覧拒否通知を受信すると、受信した閲覧拒否通知に含まれる登録元の警備装置についての物件ID及び公開先の警備装置についての物件IDと同一の、登録元の警備装置について、過去に閲覧許可通知を受信したことにより閲覧許可フラグと関連付けて記憶していた各物件IDを削除する。そして、設定手段534は、閲覧拒否通知に含まれる各物件IDを、公開先の警備装置3−2について、過去に閲覧要求を受信したことにより閲覧要求フラグ及び公開設定フラグと関連付けて記憶していた各物件IDとそれぞれ照合する。そして、各物件IDがそれぞれ一致する場合、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置について登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧不可とするように、公開先の警備装置及びその全ての利用者との対応付けを解除する。そして、設定手段534は、公開先の警備装置についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶している各物件IDについて公開設定フラグを削除するとともに、各物件IDを公開取消フラグと関連付けてサーバ記憶部52に記憶する。そして、登録元の警備装置についての物件ID及びその物件の名称情報を含む取消通知をサーバ通信部51に公開先の警備装置へ送信させる。
【0069】
また、設定手段534は、サーバ通信部51を介して、公開先設定を取り消した登録元の警備装置から閲覧許可通知を受信した場合、受信した閲覧許可通知に含まれる各物件IDを、過去に閲覧要求を受信したことにより公開先の警備装置についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶している各物件IDとそれぞれ照合する。そして、各物件IDがそれぞれ一致する場合、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧可能とするように、公開先の警備装置及びその全ての利用者に対応付けてサーバ記憶部52に記憶する。これも、上述と同様に、登録元の利用者が指定したもののみであってよい。
【0070】
以上説明してきたように、本発明の一つの実施形態に係る警備システムは、それぞれ異なる物件に設置される複数の警備装置と、各警備装置で使用するデータを格納し、各警備装置からの要求に応じて送信するデータサーバとを有する。この警備システムにおいて、データサーバは、登録元の警備装置を介して登録されたデータのうち、そのデータを登録した利用者のみにより登録元の警備装置から閲覧可能なデータを個人領域に記憶し、登録元の警備装置に登録された全ての利用者により登録元の警備装置から閲覧可能なデータを共通領域に記憶する。そして、登録元の警備装置と他の警備装置との間で公開設定がなされると、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータの少なくとも何れかを、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧可能に設定する。一方、登録元の警備装置の個人領域に記憶されたデータについては、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧不可とする。これにより、利用者が、同居している家族に対しても閲覧を禁止しているプライバシー性の高いデータを、自宅以外で誤って閲覧することを防止することができる。従って、データサーバと複数の警備装置を有し、警備装置毎に利用者が登録される警備システムにおいて、データサーバに格納されたデータを閲覧できる警備装置及び利用者を適切に設定することができる。
【0071】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、各警備装置を識別するための識別情報として各警備装置が設置された物件の物件IDを用いるのではなく、警備装置自体に警備システム1全体でユニークな番号を割り当て、その番号を警備装置の識別情報として用いてもよい。あるいは、各警備装置を識別するための識別情報として警備システムの契約時に各物件毎に発行される契約コードを用いてもよい。その場合、各警備装置の識別情報である契約コードは、各警備装置の記憶部に予め記憶されているのではなく、公開設定又は公開取消の際に利用者により操作部を介して入力されてもよい。
【0072】
また、公開設定処理において、登録元の警備装置が閲覧許可通知を送信した後に、公開先の警備装置が閲覧要求を送信するのではなく、公開先の警備装置が閲覧要求を送信した後に、登録元の警備装置が閲覧許可通知を送信してもよい。その場合、データサーバは、公開先の警備装置から閲覧要求を受信すると、受信した閲覧要求に含まれる各物件IDを公開先の警備装置についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶する。そして、登録元の警備装置から閲覧許可通知を受信したときに、受信した閲覧許可通知に含まれる各物件IDを、公開先の警備装置についての閲覧要求フラグと関連付けて記憶した各物件IDとそれぞれ照合する。そして、各物件IDがそれぞれ一致する場合、公開設定がなされたと判定し、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧可能とする。
【0073】
また、データサーバの設定手段は、登録元の警備装置と公開先の警備装置との間で公開設定がなされたときに、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを公開先の警備装置から閲覧可能に設定するだけでなく、公開先の警備装置の共通領域に記憶されたデータも登録元の警備装置から閲覧可能にしてもよい。即ち、本実施形態では、公開元の警備装置3−1から公開先の警備装置3−2に対してデータを公開する例について説明したが、
図2にて説明した公開設定処理により、警備装置3−1と警備装置3−2で相互に、データサーバ5の自己の共通領域に記憶されたデータを他方の警備装置に対して公開可能としてよい。この場合、警備装置3−2では、ステップS301及びステップS302において警備装置3−1を公開先として指定した閲覧許可通知をデータサーバ5に送信し、以後データサーバ5ではステップS203において、閲覧許可通知(閲覧許可フラグ)と閲覧要求(閲覧要求フラグ)との比較に代えて両者から送信された閲覧許可通知(閲覧許可フラグ)を比較する処理を行う。そして、両者の閲覧許可通知に含まれた各物件ID(自己と公開先)が互いに一致すると、ステップS204と同様に、警備装置3−1と警備装置3−2とで公開設定がなされたと判定し、警備装置3−1だけでなく、警備装置3−2においても、共通領域に記憶されたデータを他方の警備装置に対して公開可能とする。その場合、データサーバは、警備装置3−1についての物件ID及びその物件の名称情報を含む設定通知又は取消通知を警備装置3−2に送信するとともに、警備装置3−2についての物件ID及びその物件の名称情報を含む設定通知又は取消通知を警備装置3−1に送信する。そして、各警備装置は、受信した設定通知又は取消通知に含まれる物件ID又は名称情報を表示する。これにより、警備装置は、自己の警備装置が登録したデータと他の警備装置が登録したデータを相互に閲覧することができる。
【0074】
また、
図3、4に示した動作シーケンス図では、登録元の警備装置から閲覧拒否通知を送信して公開取消処理を実行し、その後に登録元の警備装置から閲覧許可通知を再度送信して公開再設定処理を実行する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、公開先の警備装置から閲覧拒否通知を送信して公開取消処理を実行し、その後に公開先の警備装置から閲覧要求を再度送信して公開再設定処理を実行してもよい。その場合、データサーバは、公開先の警備装置から閲覧拒否通知を受信すると、受信した閲覧拒否通知に含まれる各物件IDと同一の、登録元の警備装置についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶していた各物件IDを削除する。そして、データサーバは、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置について登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧不可にする。そして、登録元の警備装置についての閲覧許可フラグと関連付けて記憶している各物件IDについて、公開設定フラグを削除するとともに、公開取消フラグを関連付けて記憶する。
その後、データサーバは、公開先の警備装置から閲覧要求を受信すると、受信した閲覧要求に含まれる各物件IDを、登録元の警備装置についての公開取消フラグと関連付けて記憶している各物件IDとそれぞれ照合する。そして、各物件IDがそれぞれ一致する場合、公開設定がなされたと判定し、登録元の警備装置の共通領域に記憶されたデータを、公開先の警備装置に登録された全ての利用者により公開先の警備装置から閲覧可能とする。
【0075】
また、本発明を適用することができるのは警備システムに限定されない。本発明は複数の端末装置とサーバ装置とを有し、サーバ装置において各端末装置から登録されたデータを端末装置毎及びその端末装置の利用者毎に管理する、他のデータ管理システムにも適用できる。
【0076】
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。