(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
(光源装置100の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源装置100の構成図である。
図1で示されるように、本実施の形態に係る光源装置100は、外管1、口金2、供給ピン3a、3b、内部構造体4、発光体5及びICタグ6を備えている。
【0013】
外管1は、内部構造体4を内包する円筒形状の外囲器であり、樹脂等の透光性の絶縁材料で構成されており、その両端には口金2が設置されている。
【0014】
供給ピン3a、3bのうち、供給ピン3aは、内部構造体4を構成する基板への電源供給するための2本の金属ピンであり、供給ピン3bは、接地側の1本の金属ピンである。
【0015】
内部構造体4は、LED等の発光体5が実装された基板4a、その基板4aを外管1内に固定する手段、及び、その基板4aへの給電電線等によって構成されたものである。
【0016】
ICタグ6は、設置する光源装置100の製造時期又は設置時期等を記憶することが可能な小型の記憶媒体である。このICタグ6は、例えば、樹脂製のカバーに覆われており、基板4aにおける発光体5の実装面とは反対側の面に、かつ、金属部及び電源部を避けて固定されているものとする。さらに、ICタグ6は、基板4a上のうち、供給ピン3a側寄りはなく、接地側の供給ピン3b側寄りに設置されている。また、ICタグ6に記憶された情報は、ICタグリーダー(図示せず)によって読み取られ、別の場所に設置されたホストコンピューター(図示せず)等に送信され、このホストコンピューター上で、このICタグ6に記憶された情報に基づいて光源装置100の状態を管理することができる。
【0017】
この供給ピン3aと供給ピン3bとの間に電圧が印加されることによって、基板4aに実装されたLED等である発光体5に電力が供給され、発光体5が点灯する。また、供給ピン3a及び供給ピン3bへの電圧の印加については、光源装置100を照明器具(図示せず)に設置することによって、この照明器具から供給ピン3a及び供給ピン3bに電圧が印加される。
なお、
図1においては、上側が天井側であり、下側が照射側であるものとしている。
【0018】
(実施の形態1の効果)
以上のような構成のように、光源装置100の製造時期又は設置時期等を記憶したICタグ6を、外管1内部の基板4a上に設置し、かつ、基板4aにおける発光体5の実装面とは反対側の面に設置しているので、光源装置100の外観を損なうことがなく、また、発光体5の照射方向を覆ってしまう等の不具合を避けることができる。
【0019】
また、光源装置100の情報が記憶されたICタグ6の情報をICタグリーダーによって読み取ることによって、このICタグリーダーが接続されたホストコンピューター等において、光源装置100の製造時期又は設置時期等の情報を確認することができ、各光源装置100の製造時期又は設置時期等を一元管理することができる。
【0020】
また、ICタグ6は、基板4aにおける発光体5の実装面とは反対側(設置時の天井側)に設置し、かつ、金属部及び電源部を避けて設置しているので、光源装置100が照明器具に設置された状態においても、光源装置100の上側(設置時の天井側)からICタグリーダーによって読み取ることが可能となる。
【0021】
さらに、ICタグ6は、基板4a上において、供給ピン3a側寄りではなく、接地側の供給ピン3b側寄りに設置されているので、ICタグリーダーによるICタグ6の情報の読み取りの際に、電磁界の影響が比較的少なくなるので、情報の読み取りの確実性が向上する。
【0022】
なお、前述したように、供給ピン3aを2本の金属ピン、そして、供給ピン3bを1本のピンとしたが、これに限定されるものではなく、蛍光灯のように両側にそれぞれ2本のピンを備えた形状のものでも適用可能である。
【0023】
また、発光体5としてLEDを例として説明したが、これに限定されるものではなく、発光体5として、長寿命が期待できる有機EL(Electro−Luminescence)を使用してもよい。
【0024】
また、ICタグ6は、基板4a上のうち、接地側の供給ピン3b側寄りに設置されているものとしているが、これに限定されるものではなく、ICタグ6の情報が読み取れるような電磁界の影響が少ない位置であれば、基板4a上のうちのいずれの位置に設置されてもよい。
【0025】
実施の形態2.
本実施の形態に係る光源装置100について、実施の形態1に係る光源装置100の構成及び動作と相違する点を中心に説明する。
【0026】
(光源装置100の構成)
図2は、本発明の実施の形態2に係る光源装置100の長手方向から見た断面図であり、
図3は、同光源装置100の平面視(天井側から見た場合)における要部図である。なお、
図2の矢印は天井側を示している。
【0027】
図2で示されるように、外管1の上側の曲面形状部分(例えば、外管1内の基板4aより上側に相当する部分)は、アルミニウム等の金属で形成された外管金属部1aによって構成されている。一方、外管1の下側の曲面形状部分(例えば、外管1内の基板4aより下側に相当する部分)は、樹脂等の透光性材料で形成された外管樹脂部1bによって構成されている。この外管金属部1a及び外管樹脂部1bによって構成された外管1の内部において、内部構造体4は、外管金属部1aの内側に固定されているものとする。
【0028】
また、
図3で示されるように、基板4a上の接地側の供給ピン3b側寄りに設置されたICタグ6の上方の外管金属部1a部分には、切欠部7が形成されており、ICタグ6の上方が開口されている態様となっている。
【0029】
(実施の形態2の効果)
以上の構成のように、外管1の上側部分は金属によって形成されているので、基板4aの発光体5等から発生する熱を放熱することができる。
【0030】
また、
図2で示されるように、基板4aに設置されたICタグ6は、外管金属部1aによって覆われることになるが、
図3で示されるように、ICタグ6の上方に対応する外管金属部1aの部分に切欠部7を形成したので、金属である外管金属部1aの影響を受けずに、ICタグ6の情報をICタグリーダーによって読み取ることができる。
【0031】
また、基板4aから発生する熱の放熱を担う外管金属部1aの切欠部7の部分だけを切り欠くだけなので、その放熱動作に大きな影響を与えることもない。
【0032】
なお、
図2において、外管1について、外管1内の基板4aより上側の曲面形状に相当する部分を外管金属部1aとし、基板4aより下側の曲面形状に相当する部分を外管樹脂部1bとしているが、この構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、外管金属部1aに着目した場合、外管1のうち基板4aの上側の少なくとも一部が外管金属部1aによって構成され、又は、外管1のうち基板4aの上側から、下側の一部にかけて外管金属部1aによって構成されるものとしてもよい。
【0033】
実施の形態3.
本実施の形態に係る光源装置100について、実施の形態2に係る光源装置100の構成及び動作と相違する点を中心に説明する。
【0034】
(光源装置100の構成)
図4は、本発明の実施の形態3に係る光源装置100の側面から見た切欠部7近傍の要部断面図である。
図4で示されるように、実施の形態2とは異なり、ICタグ6は、基板4a上には設置されておらず、絶縁材によって成形された封入手段8の内部に封入されている。そして、この封入手段8は、切欠部7を閉口する態様で、切欠部7に固定されており、封入手段8の外側端部は、外管金属部1aの外曲面よりも外側に突出している。
【0035】
(実施の形態3の効果)
以上のように、金属である外管金属部1aに形成され、絶縁材によって成形された封入手段8内にICタグ6を設置することにより、ICタグリーダーをICタグ6を封入している封入手段8にかざすことによって、ICタグ6の情報を読み取ることができる。
【0036】
また、基板4aから発生する熱の放熱を担う外管金属部1aの切欠部7の部分だけを切り欠くだけなので、その放熱動作に大きな影響を与えることもない。
【0037】
さらに、切欠部7に固定された封入手段8の外側端部が、外管金属部1aの外曲面よりも外側に突出しているので、このような光源装置100の取り付け作業時に、平面台等に光源装置100を置いた場合、円筒形状の外管1が転がることを防止し、平面台等からの落下によって光源装置100を破損してしまう事態を回避することができる。また、封入手段8の外側端部が、外管金属部1aの外曲面よりも外側に突出しているので、ICタグ6の設置個所が容易に視認でき、ICタグリーダーによって容易にICタグ6の情報を読み取ることができる。
【0038】
実施の形態4.
本実施の形態に係る光源装置100について、実施の形態3に係る光源装置100の構成及び動作と相違する点を中心に説明する。
【0039】
図5は、本発明の実施の形態4に係る光源装置100の側面から見た切欠部7近傍の要部断面図である。
図5で示されるように、実施の形態3と同様に、ICタグ6は、基板4a上には設置されておらず、絶縁体によって成形された封入手段8aの内部に封入されている。ただし、本実施の形態においては、実施の形態3とは異なり、封入手段8aは、外管1の内部から切欠部7を閉口する態様で、切欠部7に固定されており、さらに、封入手段8aの下面は、基板4aに当接して固定されている。したがって、外管1の外側から見た場合、切欠部7において、外管金属部1aの厚さだけ窪んだ状態で、封入手段8aによって内部から切欠部7が閉口されていることになる。
【0040】
(実施の形態4の効果)
以上のように、金属である外管金属部1aに形成され、絶縁材によって成形された封入手段8a内にICタグ6を設置することにより、ICタグリーダーをICタグ6を封入している封入手段8aにかざすことによって、ICタグ6の情報を読み取ることができる。
【0041】
また、基板4aから発生する熱の放熱を担う外管金属部1aの切欠部7の部分だけを切り欠くだけなので、その放熱動作に大きな影響を与えることもない。
【0042】
さらに、切欠部7に固定された封入手段8aの外側端部によって、切欠部7の内部から閉口され、外管金属部1aの厚さだけ窪んだ状態となっているので、このような光源装置100の取り付け作業時に、平面台等に光源装置100を置く場合において、ICタグ6を封入した封入手段8aとぶつかりにくいので、衝撃によるICタグ6の損傷を抑制することができる。また、切欠部7の部分が外管金属部1aの厚さだけ窪んだ状態となっているので、ICタグ6の設置個所が容易に視認でき、ICタグリーダーによって容易にICタグ6の情報を読み取ることができる。
【0043】
なお、
図5で示されるように、封入手段8aは切欠部7を閉口するため切欠部7に固定され、かつ、基板4aにも当接して固定されているものとしているが、これに限定されるものではない。すなわち、少なくとも、封入手段8aは、切欠部7を閉口するために切欠部7に固定されていればよく、必ずしも基板4aに固定される必要はない。
【0044】
実施の形態5.
本実施の形態に係る光源装置100について、実施の形態1に係る光源装置100の構成及び動作と相違する点を中心に説明する。
【0045】
(光源装置100の構成)
図6は、本発明の実施の形態5に係る光源装置100の構成図である。このうち、
図6(a)は、接地側の金属ピンである供給ピン3b近傍の要部断面図であり、
図6(b)は、本実施の形態に係る光源装置100の長手方向から見た断面図である。なお、
図6(b)の矢印は天井側を示している。
【0046】
図6で示されるように、外管1の両端に設置された口金2は樹脂材料によって成形されている。また、実施の形態1とは異なり、ICタグ6は、基板4a上には設置されておらず、接地側の供給ピン3b側の口金2の下側に形成された窪みに収納され、その窪みの開口部が樹脂製のカバーによって塞がれて口金2内に埋設されている。あるいは、ICタグ6を窪みに収納した後、その窪みにシリコン材等を充填して、ICタグ6を窪み内に埋設する構成としてもよい。
【0047】
(実施の形態5の効果)
以上のような構成において、ICタグリーダーをICタグ6が埋設された口金2にかざすことによって、その口金2に埋設されたICタグ6の近傍には金属部品がないので、ICタグ6の情報を容易に読み通ることができる。また、ICタグ6は、口金2の下側に埋設されているので、光源装置100が照明器具に設置された状態においても、光源装置100の下側からICタグリーダーによって読み取ることができる。
【0048】
また、ICタグ6は、接地ピンである供給ピン3b側の口金2に埋設されているので、ICタグリーダーによるICタグ6の情報の読み取りの際に、電磁界の影響が比較的少なくなるので、情報の読み取りの確実性が向上する。
【0049】
また、ICタグ6は、口金2に埋設されており直接視認することができないので、ICタグリーダーによる読み取りに手間を要する場合があるので、口金2におけるICタグ6の埋設箇所に文字、図形又は記号等を表示しておくと、読み取りが容易になる。
【0050】
なお、
図6で示されるように、ICタグ6を口金2に埋設させる態様としたが、これに限定されるものではなく、口金2から下方に向かう凸部を設け、その凸部内にICタグ6を埋設させる構成としてもよい。これによって、上記のように文字、図形又は記号等を表示させなくても、ICタグ6の埋設箇所を容易に見つけ出すことができ、ICタグリーダーによる読み取りが容易となる。
【0051】
また、本実施の形態に係る光源装置100は、実施の形態1に係る光源装置100と相違する点を中心に説明したが、本実施の形態の構成を、実施の形態2に係る光源装置100に適用するものとしてもよい。
【0052】
また、ICタグ6は、接地側の供給ピン3b側の口金2の下側に形成された窪みに収納するものとしているが、これに限定されるものではなく、電磁界の影響が少なくICタグ6の情報が読み取れるような雰囲気が確保されていれば、供給ピン3a側の口金2に収納するものとしてもよい。
【0053】
また、ICタグ6は、口金2の下側に形成された窪みに収納するものとしているが、少なくとも円筒形状の口金2の中央部よりも下側に位置するように収納する態様とすれば、上記の効果を得ることができる。
【0054】
実施の形態6.
本実施の形態に係る光源装置100について、実施の形態5に係る光源装置100の構成及び動作と相違する点を中心に説明する。
【0055】
(光源装置100の構成)
図7は、本発明の実施の形態6に係る光源装置100の長手方向から見た断面図である。なお、
図7の矢印は天井側を示している。
【0056】
図7で示されるように、ICタグ6は、接地側の供給ピン3b側の口金2の上側(天井側)に形成された窪みに収納され埋設されている。この場合、供給ピン3b側の口金2は、実施の形態5と同様に、樹脂材料によって成形されている。
【0057】
なお、実施の形態5のように、口金2が外側(本実施の形態においては上方)に向かって凸部を設け、その凸部内にICタグ6を埋設させる構成にすると、その凸部が、光源装置100を設置する照明器具(図示せず)にぶつかることがあり好ましくない。
【0058】
(実施の形態6の効果)
以上の構成のように、ICタグ6を口金2に埋設する場合、その埋設箇所が目立つ場合があり、外観的に違和感を与える場合がある。しかし、本実施の形態のように、ICタグ6の埋設箇所を口金2の上側にすることによって、外観的な違和感を与えることがないようにすることができる。その他、実施の形態5に係る効果を備えることは言うまでもない。
【0059】
また、ICタグ6は、口金2の上側(天井側)に形成された窪みに収納するものとしているが、少なくとも円筒形状の口金2の中央部よりも上側に位置するように収納する態様とすれば、上記の効果を得ることができる。
【0060】
実施の形態7.
本実施の形態においては、長寿命な発光体であるLED等を有する光源装置を搭載する照明器具側にICタグを備えた場合について説明する。
(照明器具101の構成)
図8は、本発明の実施の形態7に係る照明器具101の構成図である。
図8で示されるように、光源装置100aは、外管1、口金2、供給ピン3a、3b及びLED等の発光体を備えた内部構造体(図示せず)を備えている。すなわち、光源装置100aは、実施の形態1〜実施の形態6に係る光源装置100と異なり、それ自身にICタグ6を備えていない。本実施の形態に係る照明器具101は、光源装置100aの供給ピン3a、3bが嵌入され、それぞれのピンに電圧を印加するための樹脂製のソケット9、そのソケット9を支持する器具筐体10を備えている。上記の2つのソケット9のうち、光源装置100の接地側の供給ピン3bが嵌入される側のソケット9の下側に形成された窪みに収納され、その窪みの開口部が樹脂製のカバーによって塞がれてソケット9内に埋設されている。あるいは、ICタグ6を窪みに収納した後、その窪みにシリコン材等を充填して、ICタグ6を窪み内に埋設する構成としてもよい。
【0061】
(光源装置100aの交換方法)
管理者は、ICタグリーダーによって、ソケット9に埋設されたICタグ6の情報を読み出す。その読み出された情報である光源装置100aの製造時期又は設置時期等から、交換すべきか否かを判断する。照明器具101aの交換作業は、通常の蛍光灯のように、照明器具101aの供給ピン3a、3bをソケット9から引き抜き、照明器具101から光源装置100aを取り出す。そして、新しい光源装置100aの供給ピン3a、3bを、ソケット9に嵌入させることによって、光源装置100aを照明器具101に取り付ける。このとき、供給ピン3b側のソケット9に埋設されたICタグ6には、交換する前の照明器具101aの情報が書き込まれているので、新しく照明器具101に取り付けた照明器具101aの製造時期又は設置時期等の情報を、ICタグライター(リーディング機能及びライティング機能を備えたICタグリーダーライターでもよく、この場合、前述のICタグリーダーに代えて兼用できる)によってICタグ6に書き込む(更新する)。ICタグライター(又はICタグリーダーライター)が、別の場所に設置されたホストコンピューター(図示せず)等がネットワークを介して、あるいは、直接接続されている場合、新しくICタグ6に書き込んだ情報がこのホストコンピューターに送信され、新しく交換された光源装置100aの状態が管理される。したがって、本実施の形態におけるICタグ6は、記憶された情報の読み出しだけではなく、情報を更新、すなわち、書き込むことが可能であることが必要である。
【0062】
(実施の形態7の効果)
以上のような構成において、ICタグリーダーをICタグ6が埋設されたソケット9にかざすことによって、そのソケット9に埋設されたICタグ6の近傍には金属部品がないので、ICタグ6の情報を容易に読み通ることができる。また、ICタグ6は、ソケット9の下側に埋設されているので、光源装置100aが照明器具に設置された状態においても、照明器具101の下側からICタグリーダーによって読み取ることができる。
【0063】
また、ICタグ6は、接地ピンである供給ピン3b側のソケット9に埋設されているので、ICタグリーダーによるICタグ6の情報の読み取りの際に、電磁界の影響が比較的少なくなるので、情報の読み取りの確実性が向上する。
【0064】
また、ICタグ6は、ソケット9に埋設されており直接視認することができないので、ICタグリーダーライター等による読み取り又は書き込みに手間を要する場合があるので、ソケット9におけるICタグ6の埋設箇所に文字、図形又は記号等を表示しておくと、読み取り又は書き込みが容易になる。
【0065】
なお、
図8で示されるように、ICタグ6をソケット9に埋設させる態様としたが、これに限定されるものではなく、ソケット9から下方に向かう凸部を設け、その凸部内にICタグ6を埋設させる構成としてもよい。これによって、上記のように文字、図形又は記号等を表示させなくても、ICタグ6の埋設箇所を容易に見つけ出すことができ、ICタグリーダーライターによる読み取り又は書き込みが容易となる。
【0066】
また、ICタグ6は、光源装置100の接地側の供給ピン3bが嵌入される側のソケット9の下側に形成された窪みに収納するものとしているが、これに限定されるものではなく、電磁界の影響が少なくICタグ6の情報が読み取れる雰囲気が確保されていれば、供給ピン3aが嵌入される側のソケット9に収納するものとしてもよい。
【0067】
実施の形態8.
(照明器具101aの構成)
図9は、本発明の実施の形態8に係る照明器具101aの構成図である。このうち、
図9(a)は、本実施の形態に係る照明器具101aの側面図であり、
図9(b)は、同照明器具101aを下方から見た図である。なお、
図9の矢印は天井側を示している。
【0068】
図9で示されるように、本実施の形態に係る照明器具101aは、いわゆるダウンライトと称されるものであり、器具筐体10a、ベース部11、内部構造体4、発光体5及びICタグ6を備えている。
【0069】
内部構造体4は、LED等の発光体5が実装された基板4a、その基板4aをベース部11に固定する手段、及び、その基板4aへの給電電線等によって構成されたものである。
なお、
図9(b)で示されるように、発光体5は、基板4aの略中央部に設置される構成としているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の発光体5が、基板4aの実装面に配置されている構成としてもよい。
【0070】
ベース部11は、椀形状をしており、その開口面が下側に向くように、器具筐体10aに固定されている。また、このベース部11の内側底面には、内部構造体4が固定されており、そのうちの基板4aにおける発光体5が実装された実装面が下側に向くことになる。また、このベース部11の開口面の周縁部には、樹脂製の外周部12がフランジ状に形成されている。
【0071】
器具筐体10は、ベース部11を支持するものであり、ベース部11に固定された内部構造体4において発生する熱を放熱するための放熱フィン等を備えている。
【0072】
ICタグ6は、設置する照明器具101aの製造時期又は設置時期等を記憶することが可能な小型の記憶媒体であり、ベース部11に形成された外周部12の器具筐体10a側の平面に設置されている。
【0073】
以上のような構成の照明器具101aは、天井面50に取り付けられ、具体的には、天井面50に開口部を設け、ベース部11の開口面が下側(すなわち、発光体5による照射方向が下向きとなるような位置)となるように、その開口部周辺と、外周部12の器具筐体10a側の平面とを当接させ、ネジ等の固定器具によって固定させる。すなわち、照明器具101aの本体は、天井面50の上部側に設置されることになる。この際、外周部12の器具筐体10a側の平面に設置されたICタグ6の部分に相当する天井面50の開口部周辺に切欠部を形成することによって、天井面50とICタグ6との干渉を避けることができる。
【0074】
(実施の形態8の効果)
以上のような構成において、ICタグリーダーをICタグ6が設置された外周部12にかざすことによって、ICタグ6の近傍には金属部品がないので、ICタグ6の情報を容易に読み取ることができる。このように、ICタグリーダーによってICタグ6の情報を読み取る際に、照明器具101aを天井面50から取り外す必要がないのは言うまでもない。
【0075】
また、ICタグ6は、外周部12の器具筐体10a側の平面に設置されており、天井面50の下側から直接視認することができず、ICタグリーダーによる読み取りに手間を要する場合があるので、外周部12におけるICタグ6の設置箇所に文字、図形又は記号等を表示しておくと、読み取りが容易になる。
【0076】
なお、
図9で示される外周部12は樹脂製であり、そのため、ICタグ6を外周部12の器具筐体10a側の平面に設置するのみで、ICタグリーダーによって読み取ることが可能であるが、外周部12が金属製である場合には、次のように構成すればよい。すなわち、金属製である外周部12のICタグ6の設置個所に切欠部を形成し、その切欠部に樹脂で覆ったICタグ6を固定するものとすればよい。このような構成にすれば、外周部12が金属製であっても、ICタグリーダーによって、ICタグ6の情報を読み取ることができる。
【0077】
実施の形態9.
(照明器具101bの構成)
図10は、本発明の実施の形態9に係る照明器具101bの構成図である。このうち、
図10(a)は、本実施の形態に係る照明器具101bの外観斜視図であり、
図10(b)は、
図10(a)のA−A断面図である。なお、
図10の矢印は天井側を示している。
【0078】
図10で示されるように、本実施の形態に係る照明器具101bは、器具筐体10b、反射手段13、内部構造体4、発光体5及びICタグ6を備えている。
【0079】
器具筐体10bは、照明器具101bの外形を形成するものであり、直方体形状を呈し、下面が開口したものである。
【0080】
反射手段13は、器具筐体10bの下面の開口部を覆う樹脂製のものであり、
図10(b)で示されるように、波形状を呈している。この反射手段13の波形状の山部には、長手方向に沿って、内部構造体4が設置されている。また、
図10(b)で示されるように、反射手段13の波形状の山部は2つ形成されており、それぞれの山部に内部構造体4が設置されている。また、反射手段13の下面が反射面となっている。
なお、
図10(b)で示されるように、反射手段13の波形状の山部は2つ形成されたものとしているが、これに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上の山部が形成された反射手段13を設置する構成としてもよい。
【0081】
内部構造体4は、LED等の発光体5が実装された基板4a、その基板4aを反射手段13に固定する手段、及び、その基板4aへの給電電線等によって構成されたものであり、前述のように、反射手段13の波形状の山部に設置されており、発光体5が実装された実装面が下方に向くように設置されている。
【0082】
ICタグ6は、設置する照明器具101bの製造時期又は設置時期等を記憶することが可能な小型の記憶媒体であり、
図10(a)で示されるように、反射手段13における器具筐体10b内部側に設置されている。
【0083】
(実施の形態9の効果)
以上のような構成において、ICタグリーダーをICタグ6が設置された反射手段13にかざすことによって、ICタグ6の近傍には金属部品がないので、ICタグ6の情報を容易に読み取ることができる。このように、ICタグリーダーによってICタグ6の情報を読み取る際に、照明器具101bを天井から取り外す必要がないのは言うまでもない。
【0084】
また、ICタグ6は、反射手段13における器具筐体10b内部側に設置されており、下方側から直接視認することができず、ICタグリーダーによる読み取りに手間を要する場合があるので、反射手段13におけるICタグ6の設置箇所に文字、図形又は記号等を表示しておくと、読み取りが容易になる。
【0085】
なお、
図10で示される反射手段13は樹脂製であり、そのため、ICタグ6を反射手段13における器具筐体10b内部側に設置するのみで、ICタグリーダーによって読み取ることが可能であるが、反射手段13が金属製である場合には、次のように構成すればよい。すなわち、金属製である反射手段13のICタグ6の設置個所に切欠部を形成し、その切欠部に樹脂で覆ったICタグ6を固定するものとすればよい。このような構成にすれば、反射手段13が金属製であっても、ICタグリーダーによって、ICタグ6の情報を読み取ることができる。
【0086】
また、発光体5としてLEDを例として説明したが、これに限定されるものではなく、発光体5として、長寿命が期待できる有機ELを使用してもよい。
【0087】
実施の形態10.
本実施の形態に係る照明器具101bについて、実施の形態9に係る照明器具101bの構成及び動作と相違する点を中心に説明する。
【0088】
(照明器具101bの構成)
図11は、本発明の実施の形態10に係る照明器具101bの構成図である。
図11で示されるように、ICタグ6は、反射手段13における器具筐体10b内部側に設置され、かつ、器具筐体10bの長手方向の端部側に設置されている。また、基板4a(図示せず)に実装された発光体5を点灯する光源点灯装置14を、ICタグ6が配置された器具筐体10bの長手方向の端部側と反対の端部側に設置している。すなわち、ICタグ6と光源点灯装置14とを、器具筐体10bの長手方向に対して互いに逆の端部に位置するように、距離を離して設置するものとしている。これは、光源点灯装置14が発生する電磁界によってICタグリーダーによるICタグ6の情報の読み取り動作へ影響されることを抑制するためである。
【0089】
なお、
図11で示されるように、器具筐体10bは直方体形状としているが、例えば器具筐体10bの平面形状が正方形形状である場合、ICタグ6と光源点灯装置14とを、その正方形形状の対角線上に配置するものとすれば、ICタグ6と光源点灯装置14との距離を最も大きくすることができる。
また、
図11においては、発光体5と、光源点灯装置14とを別々に配置するものとしたが、例えば、発光体5を搭載した基板4a上に、光源点灯装置14の電子回路部品を搭載する場合、ICタグ6は、光源点灯装置14において電磁界を発生するコイル部品等とできるだけ距離が離れるように配置するものとすればよい。
【0090】
(実施の形態10の効果)
以上のような構成によって、実施の形態9の効果を有するのはもちろんのこと、発光体5を点灯するための光源点灯装置14による電磁界の影響を抑制した状態で、ICタグ6の読み取り動作が可能となる。