特許第5955002号(P5955002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5955002タッチパネル装置の補正方法及びタッチパネル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955002
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】タッチパネル装置の補正方法及びタッチパネル装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20160707BHJP
   G06F 3/045 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   G06F3/041 520
   G06F3/045 A
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-13491(P2012-13491)
(22)【出願日】2012年1月25日
(65)【公開番号】特開2013-152649(P2013-152649A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2014年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】坂井 敏彦
【審査官】 原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−095698(JP,A)
【文献】 特開2001−154806(JP,A)
【文献】 特開平08−171451(JP,A)
【文献】 特開2010−237913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触点が入力されるタッチパネル接触部と、前記タッチパネル接触部を制御する制御部と、前記制御部内に設けられた記憶部と、を有するタッチパネル装置の補正方法において、
前記タッチパネル接触部上の接触点により分補正を行なう部分補正領域設定される工程と、
前記部分補正領域において、前記タッチパネル接触部における接触位置と、前記接触位置に接触した際に前記タッチパネル接触部において検出される検出位置との差に基づき部分補正データを算出する工程と、
前記部分補正データを記憶部に記憶する工程と、
を有することを特徴とするタッチパネル装置の補正方法。
【請求項2】
前記タッチパネル装置に接触した接触点の位置座標を前記記憶部に記憶されている前記部分補正データに基づき補正する工程を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル装置の補正方法。
【請求項3】
前記タッチパネル接触部の全体において、前記タッチパネル接触部における接触位置と、前記接触位置に接触した際に前記タッチパネル接触部において検出される検出位置との差に基づき全体補正データを算出する工程と、
前記全体補正データを記憶部に記憶する工程と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のタッチパネル装置の補正方法。
【請求項4】
前記タッチパネル装置に接触した接触点の位置座標を前記記憶部に記憶されている前記全体補正データに基づき補正する工程を有するものであることを特徴とする請求項に記載のタッチパネル装置の補正方法。
【請求項5】
前記タッチパネル接触部における接触点が、前記部分補正領域内から前記部分補正領域の外に移動した際には、前記部分補正領域の外に移動した接触点の位置座標は、前記部分補正データに基づき補正された位置座標と、前記全体補正データに基づき補正された位置座標とに基づき算出されるものであることを特徴とする請求項4に記載のタッチパネル装置の補正方法。
【請求項6】
前記タッチパネル接触部における接触点が、前記部分補正領域の外から前記部分補正領域内に移動した際には、前記部分補正領域内に移動した接触点の位置座標は、前記部分補正データに基づき補正された位置座標と、前記全体補正データに基づき補正された位置座標とに基づき算出されるものであることを特徴とする請求項4または5に記載のタッチパネル装置の補正方法。
【請求項7】
前記部分補正領域は複数であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のタッチパネル装置の補正方法。
【請求項8】
接触点が入力されるタッチパネル接触部と、
前記タッチパネル接触部を制御する制御部と、
前記制御部内に設けられた記憶部と、
を有し、前記記憶部には、
前記タッチパネル接触部の全体において、前記タッチパネル接触部における接触位置と、前記接触位置に接触した際に前記タッチパネル接触部において検出される検出位置との差に基づき得られた全体補正データと、
前記タッチパネル接触部上の接触点により設定される部分補正を行う部分補正領域において、前記タッチパネル接触部における接触位置と、前記接触位置に接触した際に前記タッチパネル接触部において検出される検出位置との差に基づき得られる部分補正データと、
が記憶されているものであることを特徴とするタッチパネル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル装置の補正方法及びタッチパネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在普及している電子機器には、タッチパネルが搭載されているものが数多くある。タッチパネルは、直接タッチパネルの接触領域に指等を接触させることにより電子機器への情報入力をすることができるものであり、簡易な情報入力手段として、今後、更なる普及が期待されている。
【0003】
このようなタッチパネルにおいては、使用しているうちに実際にタッチパネルに接触している位置座標と検出される位置座標とにおいて、ずれが生じる場合がある。このようにずれが生じた場合には、タッチパネルの所定に位置に指等を接触させ、実際の接触位置の位置座標と検出された検出位置の位置座標とのずれを測定し、測定されたずれに基づき、タッチパネルの全体において、実際の接触位置の位置座標と検出位置の位置座標とが一致するような補正が、一般的に行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−171451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、タッチパネルを使用しているうちに生じる特性等の変化は、全体的に生じる場合の他、部分的に生じる場合があり、このような部分的に生じている検出位置のずれは、タッチパネルの全体における補正を行なっても、解消することができない。
【0006】
よって、部分的に生じた検出位置のずれを補正し調整することのできるタッチパネル装置の補正方法及びタッチパネル装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、接触点が入力されるタッチパネル接触部と、前記タッチパネル接触部を制御する制御部と、前記制御部内に設けられた記憶部と、を有するタッチパネル装置の補正方法において、前記タッチパネル接触部上の接触点により分補正を行なう部分補正領域設定される工程と、前記部分補正領域において、前記タッチパネル接触部における接触位置と、前記接触位置に接触した際に前記タッチパネル接触部において検出される検出位置との差に基づき部分補正データを算出する工程と、前記部分補正データを記憶部に記憶する工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、接触点が入力されるタッチパネル接触部と、前記タッチパネル接触部を制御する制御部と、前記制御部内に設けられた記憶部と、を有し、前記記憶部には、前記タッチパネル接触部の全体において、前記タッチパネル接触部における接触位置と、前記接触位置に接触した際に前記タッチパネル接触部において検出される検出位置との差に基づき得られた全体補正データと、前記タッチパネル接触部上の接触点により設定される部分補正を行う部分補正領域において、前記タッチパネル接触部における接触位置と、前記接触位置に接触した際に前記タッチパネル接触部において検出される検出位置との差に基づき得られる部分補正データと、が記憶されているものであることを特徴とする。

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部分的に生じた検出位置のずれを補正し調整することのできるタッチパネル装置の補正方法及びタッチパネル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】タッチパネルにおける検出位置のずれの説明図(1)
図2】タッチパネルにおける検出位置のずれの説明図(2)
図3】本実施の形態におけるタッチパネル装置の構造図
図4】本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法のフローチャート
図5】本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法の説明図(1)
図6】本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法の説明図(2)
図7】本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法の説明図(3)
図8】本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法の説明図(4)
図9】本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法の説明図(5)
図10】本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法の説明図(6)
図11】部分補正の行なわれているタッチパネル装置に線入力した場合の説明図
図12】平均化処理の行なわれているタッチパネル装置に線入力した場合の説明図
図13】本実施の形態におけるタッチパネル装置の位置検出方法の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0012】
(タッチパネルの検出位置のずれ)
最初に、タッチパネルにおける検出位置のずれについて説明する。図1(a)は、タッチパネルの接触領域910に対し、タッチパネルにおける検出領域920aが全体的に内側にずれている場合を示す。尚、タッチパネルにおける検出領域とは、実際に、タッチパネルの接触領域910に指等を接触させた際に、座標位置として検出される領域を示すものであり、正常なタッチパネルであれば、タッチパネルの接触領域910と検出領域とは一致している。しかしながら、タッチパネルにおいて検出位置のずれが生じている場合には、タッチパネルの接触領域910と検出領域とは一致しなくなる。
【0013】
このような検出位置のずれが生じている場合としては、例えば、図1(a)に示すように、タッチパネルの接触領域910に対し検出位置920aは内側に狭くなっている場合があり、更に、図1(b)に示すように、タッチパネルの接触領域910に対し、出領域920bが全体的に上方向にずれている場合があり、図1(c)に示すように、タッチパネルの接触領域910に対し、検出領域920cが全体的に下方向にずれている場合があり、図2(a)に示すように、タッチパネルの接触領域910に対し、検出領域920dが全体的に右方向にずれている場合があり、図2(b)に示すように、タッチパネルの接触領域910に対し、検出領域920eが全体的に左方向にずれている場合がある。また、図2(c)に示すように、タッチパネルの接触領域910に対し、検出領域920fの一部921fが部分的に歪み、ずれが生じている場合がある。
【0014】
ここで、図1(a)〜図2(b)に示す場合には、前述したようにタッチパネルの接触領域910において、全体の補正を行なうことにより調整することができる。しかしながら、図2(c)に示す場合には、タッチパネルの接触領域910において全体的な補正を行なっただけでは、部分的に歪み、ずれが生じている検出領域920fの一部921fは、十分に調整することができない。即ち、全体の補正を行なっただけでは、検出領域920fの一部921fにおけるずれは解消されず、タッチパネルにおける検出位置のずれは残ったままとなる。
【0015】
本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法は、このような検出領域920fの一部921fにおいて、部分的に歪んだずれが生じているタッチパネルについて補正を行なう補正方法であり、本実施の形態におけるタッチパネル装置は、このような補正のなされたタッチパネル装置である。
【0016】
(タッチパネル装置)
次に、図3に基づき、本実施の形態におけるタッチパネル装置について説明する。本実施の形態におけるタッチパネル装置は、指等により直接接触するタッチパネルの接触領域となるタッチパネル接触部10と、タッチパネル接触部10に接続されているタッチパネルコントローラ20と、タッチパネルコントローラ30に接続されている制御部30とを有している。また、制御部30は、コンピュータ等の装置であってもよい。制御部30には、タッチパネルドライバ31、記憶部32、タッチパネルを入力手段として操作されるオペレーティングシステム33、アプリケーションプログラム34等を有している。タッチパネル接触部10は、タッチパネルコントローラ20を介し制御部30において制御されており、タッチパネル接触部10において指等により入力された情報は、タッチパネルコントローラ20を介し、制御部30に入力される。尚、本実施の形態では、記憶部32において、補正されたデータ等が保存されている。また、記憶部32は、オペレーティングシステム33内のデータ保存領域等に設けられているものであってもよい。
【0017】
(補正方法)
次に、図4に基づき、本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法について説明する。本実施の形態におけるタッチパネル装置には、本実施の形態における補正方法を行なうためのソフトウェアが組み込まれており、本実施の形態における補正を行う際には、タッチパネル接触部10の背面に設置されている表示装置の表示画面に、図5に示すような表示がなされる。具体的には、タッチパネル接触部10の背面に設置されている表示装置の表示画面は、部分補正を実行するための表示領域111、部分補正を削除するための表示領域112、全体補正を実行するための表示領域113、全体補正を削除するための表示領域114、部分補正が行なわれる領域を示す表示領域115、この補正方法のソフトウェアを終了させるための表示領域116、現在の部分補正がなされている領域を表示する表示領域120等が表示される。このソフトウェアにおける操作は、表示画面に表示されている表示領域111〜116の上におけるタッチパネル接触部10に、指等を接触させることにより、表示領域111〜116の表示されている操作を行なうことができる。例えば、部分補正を実行するための表示領域111に指等を接触させた場合には、部分補正データを得るための制御がなされ、部分補正を削除するための表示領域112に指等を接触させた場合には、記憶部32に記憶されている部分補正データが削除される。また、全体補正を実行するための表示領域113に指等を接触させた場合には、全体補正データを得るための制御がなされ、全体補正を削除するための表示領域114に指等を接触させた場合には、記憶部32に記憶されている全体補正データが削除される。
【0018】
最初に、ステップ102(S102)において、タッチパネル接触部10における全体補正を行なう。この工程は、タッチパネル装置を出荷する前に行ってもよく、また、出荷した後に検出位置のずれが生じた場合に行ってもよい。具体的には、この工程は、本実施の形態における補正方法を行なうためのソフトウェアを起動させた後、図5に示される表示画面に表示されている全体補正を実行するための表示領域113に指等を接触させることにより行なう。この後、図6に示されるように、タッチパネル接触部10の四隅の部分と中央部分における接触点131a、131b、131c、131d,131eに指等を接触させ、指等が接触点131a、131b、131c、131d,131eにおいて接触した位置座標と、タッチパネル装置において検出された位置座標とのずれ量(差)を測定し、このずれ量に基づきタッチパネル接触部10における全体補正データを算出する。
【0019】
次に、ステップ104(S104)において、ステップ102において得られた全体補正のデータを制御部30の記憶部32等に保存する。
【0020】
次に、ステップ106(S106)において、タッチパネル接触部10において、部分補正を行なう部分補正領域を特定する。具体的には、タッチパネル接触部10において、図5に示される表示画面に表示されている部分補正を実行するための表示領域111に指等を接触させる。これにより、表示画面が、図7に示されるような表示画面に切り替わり、「部分補正領域の左上をタッチして下さい。」と表示される。この後、タッチパネル接触部10に指等を接触させると、図8に示されるような表示画面に切り替わり、「部分補正領域の右下をタッチして下さい。」と表示される。この後、再度、タッチパネル接触部10に指等を接触させる。これにより、図9に示されるように、指等により接触させた2つの接触点131a及び131bを左上、右下の隅とする略長方形の部分補正を行なう部分補正領域140が指定される。尚、接触点132aは、図7における表示に従って指等が接触した接触点を示し、接触点132bは、図8における表示に従って指等が接触した接触点を示す。
【0021】
次に、ステップ108(S108)において、タッチパネル接触部10の表示画面において部分補正を行なう。具体的には、図10に示されるように、部分補正を行なう部分補正領域140における四隅の部分と中央部分における接触点141a、141b、141c、141d、141eに指等を接触させ、指等が接触点141a、141b、141c、141d、141eにおいて接触した位置座標と、タッチパネル装置において検出された位置座標とのずれ量(差)を測定し、このずれ量に基づきタッチパネル接触部10において、部分補正を行なう部分補正領域140における部分補正データを算出する。
【0022】
次に、ステップ110(S110)において、ステップ108において得られた部分補正のデータを制御部30の記憶部32等に保存する。
【0023】
本実施の形態は、ステップ102及び104をタッチパネル装置の出荷前に行ない、タッチパネル装置を出荷した後、部分的に検出位置の位置ずれが生じた場合に、タッチパネル装置のメンテナンスの際に、ステップ106から110を行ってもよい。また、使用しているタッチパネル装置において検出位置の位置ずれが生じた場合には、上述したステップ102から110の全ての工程を行ってもよい。更に、タッチパネル装置において全体補正を行なわない場合には、ステップ106から110に示される部分補正のみを行ってもよい。
【0024】
以上、上述した本実施の形態におけるタッチパネル装置の補正方法を行なうことにより、本実施の形態におけるタッチパネル装置の制御部30内の記憶部32には、タッチパネル接触部10における全体補正のデータと、部分補正のデータとが記憶される。
【0025】
尚、このように、本実施の形態におけるタッチパネル装置では、記憶部32内に補正データが記憶されており、部分補正が行なわれた部分補正領域においては、部分補正のデータに基づき接触位置の位置座標から変換された位置座標が検出位置となり、部分補正領域を除く領域においては、全体補正のデータに基づき接触位置の位置座標から変換された位置座標が検出位置となる。
【0026】
(平均化処理)
次に、本実施の形態における補正方法について、位置座標の平均化処理について説明する。上述したように、部分補正が行なわれた部分補正領域では、部分補正のデータに基づき接触位置の位置座標から補正された位置座標が検出位置となり、部分補正領域を除く領域では、全体補正のデータに基づき接触位置の位置座標から補正された位置座標が検出位置となる。この場合、タッチパネル接触部10における表示画面に指等を接触させて直線を引くと、図11に示すように、部分補正が行なわれた部分補正領域140の境界140aにおいて、検出位置に不連続な部分が発生する。即ち、部分補正が行なわれた部分補正領域140内において検出された線150aと部分補正領域140の外において検出された線150bとが連続した線とはならず、部分補正領域140の境界140aにおいて不連続なものとなる。これはタッチパネル接触部10において、部分補正領域140内では部分補正のデータが用いられ、部分補正領域140の外では全体補正のデータが用いられることに起因して生じるものである。このように、指等により連続したラインとして入力させたつもりのものが、不連続なラインとして検出されると、指等により情報を入力するジェスチャ機能に支障をきたし、ジェスチャ入力による所望の操作を行なうことができない場合がある。
【0027】
よって、本実施の形態においては、数1及び数2に示される式に基づき、検出され座標位置について平均化処理を行なう。数1及び数2に示される式において、Aは部分補正がなされる前の接触点の座標位置、例えば、接触点において全体補正が行なわれた座標位置である。また、Bは接触点において部分補正が行なわれた座標位置であり、tは平均化処理のなされる領域の境界140aからの距離であり、sは境界140aから接触点までの距離等である。尚、出力データは、数1又は数2に示される式に基づき補正された後の座標位置であり、また、s≦tであるものとする。
【0028】
この平均化処理において、数1は、指等による接触が、部分補正領域140の外から部分補正領域140内に移動する場合に用いられ、数2は、指等による接触が、部分補正領域140内から部分補正領域140の外に移動する場合に用いられる。尚、この平均化処理は、制御部30におけるタッチパネルドライバ31において行なわれる。
【0029】
【数1】
【0030】
【数2】
【0031】
部分補正領域140の外から部分補正領域140内に指等を接触させながら移動させる場合には、図12(a)に示されるように、数1に基づき平均化処理のなされた座標が検出座標として認識される。具体的には、接触点が部分補正領域140の外においては、全体補正における補正データ等に基づき線150bが認識され、接触点が部分補正領域140内においては、境界140aから距離sの範囲までは、数1に基づく平均化処理がなされ、線151aと認識され、距離sを超える範囲では、部分補正における補正データに基づき線150aと認識される。これにより、指等により操作されたラインは、連続的なラインとして認識される。
【0032】
また、部分補正領域140内から部分補正領域140の外に指等を接触させながら移動させる場合には、図12(b)に示されるように、数2に基づき平均化処理のなされた座標が検出座標として認識される。具体的には、接触点が部分補正領域140内においては、部分補正における補正データに基づき線150aと認識され、接触点が部分補正領域140の外においては、境界140aから距離sの範囲までは、数2に基づく平均化処理がなされ、線151bと認識され、距離sを超える範囲では、全体補正における補正データ等に基づき線150bと認識される。これにより、指等により操作されたラインは、連続的なラインとして認識される。
【0033】
(座標位置の検出)
次に、図13に基づき本実施の形態におけるタッチパネル装置において、座標位置の検出方法について説明する。
【0034】
最初に、ステップ202(S202)において、本実施の形態におけるタッチパネル装置のタッチパネル接触部10に指等を接触させる。即ち、タッチする。
【0035】
次に、ステップ204(S204)において、タッチパネルコントローラ20からタッチパネル接触部10において接触した接触点における座標位置が制御部30に出力(送信)される。
【0036】
次に、ステップ206(S206)において、制御部30内におけるタッチパネルドライバ31において、タッチパネルコントローラ20より送信された接触点の座標位置を受信する。
【0037】
次に、ステップ208(S208)において、全体補正がなされているか否かが判断される。具体的には、制御部30内における記憶部32に全体補正のデータが記憶されている場合には、全体補正がなされているものと判断され、ステップ210に移行する。一方、制御部30内における記憶部32に全体補正のデータが記憶されていない場合には、全体補正がなされていないものと判断され、ステップ212に移行する。
【0038】
次に、ステップ210(S210)において、全体補正データに基づき座標位置の補正が行なわれる。
【0039】
次に、ステップ212(S212)において、部分補正がなされているか否かが判断される。具体的には、制御部30内における記憶部32に部分補正のデータが記憶されている場合には、部分補正がなされているものと判断され、ステップ214に移行する。一方、制御部30内における記憶部32に部分補正のデータが記憶されていない場合には、部分補正がなされていないものと判断され、ステップ220に移行する。
【0040】
次に、ステップ214(S214)において、接触点が部分補正の行なわれている部分補正領域140内であるか否かが判断される。接触点が部分補正領域140内であるものと判断された場合には、ステップ216に移行する。一方、接触点が部分補正領域140内ではないものと判断された場合には、ステップ218に移行する。
【0041】
次に、ステップ216(S216)において、部分補正データに基づき座標位置の補正が行なわれる。
【0042】
次に、ステップ218(S218)において、平均化処理がなされる。具体的には、部分補正領域140の境界140aからの距離が距離sの位置よりも接触点の方が近い場合には、数1又は数2に示す式に基づき座標位置の平均化処理がなされる。
【0043】
次に、ステップ220(S220)において、タッチパネルドライバ31より、オペレーティングシステム33に座標位置を出力(送信)する。
【0044】
以上により、本実施の形態におけるタッチパネル装置において、接触点の座標位置を検出することができる。
【0045】
本実施の形態は、部分補正を行なうことにより正確な位置検出を行なうことができる。また、部分補正を行なった場合においても、指等により入力された連続的なラインが不連続なラインとして認識されることなく連続的なラインとして認識することができる。尚、本実施の形態では、部分補正領域が1つの場合について説明したが、部分補正領域は複数であってもよい。
【0046】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0047】
10 タッチパネル接触部
20 タッチパネルコントローラ
30 制御部
31 タッチパネルドライバ
32 記憶部
33 オペレーティングシステム
34 アプリケーションプログラム
140 部分補正領域
140a 境界
150a 線
150b 線
151a 線(平均化処理により得られた線)
151b 線(平均化処理により得られた線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13