特許第5955009号(P5955009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955009
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】ニットウェア
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/04 20060101AFI20160707BHJP
   D04B 1/24 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   A41D1/04 S
   D04B1/24
   A41D1/04 T
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-20150(P2012-20150)
(22)【出願日】2012年2月1日
(65)【公開番号】特開2013-159862(P2013-159862A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151221
【氏名又は名称】株式会社島精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 宏
(72)【発明者】
【氏名】奥野 昌生
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−089225(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/066947(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 1/02
A41D 1/02 〜 1/04
A41D 3/00 〜 3/08
A41D 27/00 〜 29/00
D04B 1/00 〜 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側編地部と裏側編地部とが筒状に繋がる筒状編地部と、その筒状編地部に繋ぎ合わされた単層編地部と、を備えるニットウェアにおいて、
前記筒状編地部を構成する裏側編地部のうち、前記単層編地部側の少なくとも1目の編幅を持った部分を部分編地部、その部分編地部を除いた残りの部分を残部編地部としたとき、
前記単層編地部と前記部分編地部とが第一編糸で編成され、前記残部編地部と前記表側編地部とが第二編糸で編成され、かつ、
前記単層編地部と前記表側編地部とが無縫製で接合され、前記部分編地部と前記残部編地部とが無縫製で接合されており、
前記部分編地部を構成する編目のうち、少なくとも前記単層編地部側の編目は、前記ニットウェアを表側から見たときに表目であることを特徴とするニットウェア。
【請求項2】
前記単層編地部と前記表側編地部との接合は、タックにより行なわれていることを特徴とする請求項1に記載のニットウェア。
【請求項3】
前記第二編糸を用いて編成され、前記表側編地部における前記単層編地部側の端部に繋がり、その単層編地部の裏側に配置される追加編地部を備え、
前記単層編地部と前記表側編地部との接合は、前記第一編糸における前記単層編地部と前記部分編地部とを繋ぐ部分と、前記第二編糸における前記表側編地部と前記追加編地部とを繋ぐ部分と、の交差により行なわれていることを特徴とする請求項1に記載のニットウェア。
【請求項4】
前記残部編地部における前記部分編地部側の端部が、その端部にほぼ対向する位置にある前記表側編地部と繋がっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のニットウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状編地部と、その筒状編地部に繋ぎ合わされた単層編地部と、を備えるニットウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも前後一対の針床を備える横編機を用いて、例えば、ポロシャツやカーディガンなど、身頃が左右に分かれた部分を有するニットウェアを編成することが行なわれている。その左右に分かれた部分に、身頃のベースとなる部分とは異なる編糸からなる前立て部が形成される場合がある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-89225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
身頃に前立て部を設けたニットウェアとして、デザイン上、アクセントとして前立て部がニットウェアの表側に膨らんだニットウェアが求められることがある。そのようなニットウェアを作製する一般的な手法としては、例えば、前立て部を編幅方向の一端が開口した筒状編地部を別編成とし、その筒状編地部の表側編地部と裏側編地部との間に、単層編地部である身頃のベース編地部を挟み込んで、縫製する手法(リンキング)が挙げられる。このリンキングは、前立て部を別途用意する手間、および前立て部を縫製する手間がかかるため、無縫製で前立て部を身頃に一体に編成しつつ、前立て部に膨らみを持たせることが望まれている。しかし、無縫製でベース編地部(単層編地部)と前立て部(筒状編地部)とを繋ぎ合わせたニットウェアは、上記特許文献1などで公知であるものの、そのニットウェアでは、ベース編地部と前立て部が連続して編成されており、両者はフラットに繋がる。そのため、前立て部に膨らみを持たせた無縫製のニットウェアは、現在のところ提案されていない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、筒状編地部と単層編地部とを無縫製で繋ぎ合わせ、かつ筒状編地部の側に膨らみを持たせたニットウェアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明ニットウェアは、表側編地部と裏側編地部とが筒状に繋がる筒状編地部と、その筒状編地部に繋ぎ合わされた単層編地部と、を備える。この本発明ニットウェアでは、筒状編地部を構成する裏側編地部のうち、単層編地部側の少なくとも1目の編幅を持った部分を部分編地部、その部分編地部を除いた残りの部分を残部編地部としたとき、単層編地部と部分編地部とが第一編糸で編成され、残部編地部と表側編地部とが第二編糸で編成され、かつ、単層編地部と表側編地部とが無縫製で接合され、部分編地部と残部編地部とが無縫製で接合されている。そして、本発明ニットウェアを構成する部分編地部を構成する編目のうち、少なくとも単層編地部側の編目は、ニットウェアを表側から見たときに表目であることを特徴とする。なお、当該表目は、編幅方向に少なくとも1目あれば良いが、編幅方向に2〜3目並んであることが好ましい。
【0007】
本発明ニットウェアの一形態として、単層編地部と表側編地部との接合は、タックにより行なわれている形態を挙げることができる。その場合、表側編地部の編成に利用する第二編糸を単層編地部にタックする方が、単層編地部の編成に利用する第一編糸を表側編地部にタックするよりも単層編地部と表側編地部との境界部を見栄え良く仕上げることができる。なお、部分編地部と残部編地部との接合は、タックにより行なわれていることが好ましい。
【0008】
本発明ニットウェアの一形態として、単層編地部と表側編地部との接合は、第一編糸と第二編糸との交差により行なわれている形態を挙げることができる。その場合、後述する編成例2に示すように、第二編糸を用いて編成され、表側編地部における単層編地部側の端部に繋がり、その単層編地部の裏側に配置される追加編地部を形成する。そして、第一編糸における単層編地部と部分編地部とを繋ぐ部分と、第二編糸における表側編地部と追加編地部とを繋ぐ部分とを交差させることで、単層編地部と表側編地部とが接合される。なお、部分編地部と残部編地部との接合は、タックにより行なわれていることが好ましい。
【0009】
本発明ニットウェアの一形態として、残部編地部における部分編地部側の端部が、その端部にほぼ対向する位置にある前記表側編地部と繋がっている形態を挙げることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明ニットウェアは、単層編地部と筒状編地部とが無縫製で接合されたニットウェアであって、筒状編地部の表側編地部うち、単層編地部側の部分がニットウェアの表側に膨らんだニットウェアである。表側編地部がニットウェアの表側に膨らむのは、筒状編地部の裏側編地部の一部である部分編地部に形成される表目が、表側編地部を裏側から押すからである。この本発明ニットウェアは、無縫製で編成されるため、生産性に優れる。また、本発明ニットウェアは、接合される単層編地部と筒状編地部との間に縫製箇所がないため、伸縮性に富む。
【0011】
単層編地部と筒状編地部の表側編地部とをタックにより接合した本発明ニットウェアは、ニットウェアを編幅方向に引っ張っても、単層編地部と筒状編地部との境界部に孔が空き難いニットウェアである。単層編地部と筒状編地部の表側編地部とがタックにより強固に接合され、両編地の境界部で編目間の間隔が空き難いからである。
【0012】
単層編地部と筒状編地部の表側編地部とを第一編糸と第二編糸との交差により接合した本発明ニットウェアは、単層編地部と筒状編地部との境界部の見栄えが良いニットウェアである。当該境界部に接合のための重ね目が形成されないからである。
【0013】
残部編地部における部分編地部側の端部と表側編地部とを繋げることで、筒状編地部の表側編地部と裏側編地部の部分編地部との間が開かないように両編地部を繋ぎ合わせることができる。その結果、部分編地部を表側編地部に押し付けることができ、部分編地部の表目で効果的に表側編地部をニットウェアの表側に膨らませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(A)は、実施形態に記載されるカーディガン(ニットウェア)の概略図、(B)は、(A)のB−B断面図である。
図2】編成例1に記載されるニットウェアの編成方法の編成工程図である。
図3】編成例2に記載されるニットウェアの編成方法の編成工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明ニットウェアの実施形態として、横編機で編成されたカーディガンを例にして説明する。
【0016】
図1(A)のカーディガン1は、前身頃2と後身頃3とを備え、前身頃2は右前身頃部2Rと左前身頃部2Lとに分かれている。右前身頃部2Rは、ベース編地部20Rと、このベース編地部20Rに接合される前立て部25Rと、を有する(左前身頃部2Lも同様の構成を備えるので、その説明は省略する)。このカーディガン1の最も特徴とするところは、ベース編地部20Rと、前立て部25Rとの接合状態にある。以下、図1(A)のB−B断面図である図1(B)を参照し、ベース編地部20Rと前立て部25Rとの接合状態を説明すると共に、図2図3を参照し、その接合状態を作り出すための編成方法の一例を説明する。
【0017】
図1(B)に示すように、ベース編地部20Rは筒状になっていない単層編地部であり、前立て部25Rはカーディガン1の厚み方向に重なる表側編地部5Fと裏側編地部5Bを備える筒状編地部である。このカーディガン1では、前立て部25Rを構成する裏側編地部5Bが、ベース編地部20R側の部分編地部50と、この部分編地部50を除いた残部編地部59とに分けられており、部分編地部50は、ベース編地部20Rと同じ第一編糸でベース編地部20Rに連続して編成されている。一方、残部編地部59は、表側編地部5Fと同じ第二編糸で編成されている。
【0018】
ベース編地部20Rと前立て部25Rの表側編地部5Fとは無縫製で接合されている(矢印αを参照)。また、前立て部25Rの裏側編地部5Bを構成する部分編地部50と残部編地部59とは無縫製で接合されている(矢印βを参照)。つまり、カーディガン1では、ベース編地部20Rが従来構成よりも前立て部25R側に延長され、その延長された部分が前立て部25Rの一部となる部分編地部50を構成している。ここで、延長された部分は、カーディガン1の裏側にあるため、カーディガン1の見栄えが損なわれることはない。
【0019】
さらに、本実施形態のカーディガン1では、部分編地部50を構成する編目のうち、少なくともベース編地部20R側の編目は、カーディガン1を表側から見たときに表目となっている。表目はカーディガン1の表面側に凸となるため、表側編地部5Fのうち、部分編地部50に重なる部分が、部分編地部50に押されて、カーディガン1の表側に膨らむ。
【0020】
以上説明したカーディガン1におけるベース編地部20Rと前立て部25Rの具体的な編成例を二つ説明する。これら編成例はいずれも、左右方向に延び、かつ、前後方向に互いに対向する下部前針床(以下、FD)と下部後針床(以下、BD)、およびこれらFDとBDの上方に設けられ、下部の針床と同ピッチで多数の編針が列設された上部前針床(以下、FU)と上部後針床(以下、BU)を備える4枚ベッド横編機を用いた編成例である。この横編機は、前後の針床間で編目の目移しが可能であり、しかも横編機に備わるBD,BUは左右にラッキング可能である。
【0021】
≪編成例1≫
編成例1では、図1(B)の矢印αの部分をタックにより接合するニットウェアの編成方法を説明する。図2は、その編成工程図である。図中の左欄に記載される「アルファベット+数字」は編成工程の番号を、中欄の左右方向の矢印および上下方向の矢印はそれぞれ、給糸口の移動方向(Kはニットを伴う)および編目の目移しの方向を示す。また、図中の右欄は、各編成工程で実際に行なった編成動作を示し、黒点は編針、●は新たに形成する編目、○は旧編目、V字はタック目を示す。なお、右欄のA〜QはFDまたはFUの編針の位置、a〜qはBDまたはBUの編針の位置、点線X−Xはベース編地部20Rと前立て部25Rとの境界部を示す。
【0022】
S1には、給糸口8から給糸される第一編糸を用いて、BDの編針k〜iに部分編地部50の編目列を、FDの編針H〜Aにベース編地部20Rの編目列を編成した状態が示されている。また、S1には、給糸口9から給糸される第二編糸を用いて、FDの編針I〜Qに表側編地部5Fの編目列を、BDの編針l〜qに残部編地部59の編目列を編成した状態も示されている。給糸口8は紙面左側、給糸口9は紙面右側に配置されている。給糸口8は、給糸口9よりも前針床(FD,F)寄りの給糸口である。
【0023】
S2では、BDの編針i,jに係止される部分編地部50の編目を、FUの編針I,Jに目移しする。なお、BDの編針kに係止される部分編地部50の端部編目もFUに目移ししても良い。部分編地部50の端部編目をBDに残しているのは、上記部分編地部50の編目の目移しと、次のS3,S4の編成を安定させるためである。
【0024】
S3,S4では、給糸口8を往復させて、FDの編針A〜Hでベース編地部20Rの編目列を、FUの編針I,JとBDの編針kで部分編地部50の編目列を編成する。
【0025】
S5では、S4において編成した部分編地部50の編目をFUの編針I,JからBDの編針i,jに目移しする。この二つの編目は、FUで編成したため、カーディガン1を表側から見たときに表目となる。このS5は、次のS6以降で前立て部25Rの表側編地部5Fを編成する際、その表側編地部5Fに部分編地部50が編み込まれないようにするために必須の工程である。
【0026】
S6では、給糸口9をベース編地部20R側に移動させ、FDの編針Q〜Iで表側編地部5Fの編目列を編成する。そして、S7では、給糸口9を前立て部25R側に移動させ、FDの編針Hに係止されるベース編地部20Rの編目にタックを行なった後、FDの編針I〜Kで表側編地部5Fの編目列の一部を、BDの編針l〜qで残部編地部59の編目列を編成する。S7においてベース編地部20Rの編目にタックを行なうことで、ベース編地部20Rと前立て部25Rとを境界部Xで接合することができる。また、S7において表側編地部5Fを途中まで編成し、続いて残部編地部59(裏側編地部5B)を編成することで、部分編地部50と残部編地部59との境界の位置で、表側編地部5Fと裏側編地部5Bとが繋ぎ合わされる。
【0027】
S8では、給糸口9をベース編地部20R側に移動させ、FDの編針Q〜Lで表側編地部5Fの編目列の一部(S7で編成しなかった部分)を編成し、S9では、給糸口9を前立て部25R側に移動させて、BDの編針kに係止される部分編地部50の編目にタックを行なった後、BDの編針l〜qで残部編地部59の編目列を編成する。S9のタックにより、部分編地部50と残部編地部59とを無縫製で接合することができる。このS9により部分編地部50の編幅方向の両端部が固定され、部分編地部50が表側編地部5Fを裏側から押すことができる状態になる。特に、本編成例では、上記S7で表側編地部5Fと裏側編地部5Bとを繋ぎ合わせているため、裏側編地部5Bの一部である部分編地部50と、表側編地部5Fと、の間が空き難く、部分編地部50を効果的に表側編地部5Fに押し付けることができる。
【0028】
以降は、S2〜Sを繰り返して、ベース編地部20Rと前立て部25Rの編成コースを増しつつ、両者20R,25Rを接合する。以上説明した編成例1によれば、主として表目で構成される部分編地部50によって前立て部25Rの表側編地部5Fをカーディガンの表面側に膨らませることができる。
【0029】
≪編成例2≫
編成例2では、図1(B)の矢印αの部分を、第一編糸と第二編糸の交差により接合するニットウェアの接合方法を説明する。図3はその編成工程図であり、この図3の見方は図2と同様である。なお、本編成例2により図1(B)の矢印αの部分を接合した場合、図1(B)には示していないが、表側編地部5Fがベース編地部20Rの裏側に延長された状態になる(後述する図3の追加編地部55を参照)。
【0030】
図3のT1には、編成例1と同様に給糸口8からの第一編糸でベース編地部20Rと部分編地部50の編目列を、給糸口9からの第二編糸で残部編地部59と表側編地部5Fの編目列を編成した状態が示されている。本編成例2ではさらに、給糸口9からの第二編糸で、BDの編針f〜hにも追加の編地部55を編成した。この追加編地部55は、表側編地部5Fに連続しており、ベース編地部20Rの裏側に配置されている。
【0031】
T2〜T4では、編成例1のS2〜S4と同じ編成を行ない、ベース編地部20Rと部分編地部50の編目列を増す。
【0032】
T5では、T4において編成し、FUの編針I,Jに係止される部分編地部50の編目をBDの編針i,jに目移しすると共に、BDの編針g,hに係止される追加編地部55の編目をFUの編針G,Hに目移しする。なお、部分編地部50の目移しは、後工程で部分編地部50が表側編地部5Fに編み込まれないようにするために必須の工程であるが、追加編地部55の目移しは必須の工程ではない。追加編地部55の一部を目移しし、追加編地部55に表目と裏目を混在させたのは、追加編地部55が丸まることを抑制するためである。
【0033】
T6では、FDの編針Q〜Iで表側編地部5Fの編目列を、FUの編針H,G、およびBDの編針fで追加編地部55の編目列を編成する。そして、T7では、FUの編針H,G、およびBDの編針fで追加編地部55の編目列を、FDの編針I〜Kで表側編地部5Fの一部の編目列と、BDの編針L〜Qで残部編地部59の編目列を編成する。以上説明した一連の編成(T2〜T7)によって、第一編糸におけるベース編地部20Rと部分編地部50とを繋ぐ部分と、第二編糸における表側編地部5Fと追加編地部55とを繋ぐ部分の交差が確定し、ベース編地部20Rと前立て部25Rとが境界部Xで無縫製に繋ぎ合わされる。また、T7において、表側編地部5Fと部分編地部50との間が開かないように両編地部5F,5Bが繋ぎ合わされる。
【0034】
T8では、T7においてFUの編針G,Hに編成した追加編地部55の編目をBDの編針g,hに目移しする。これは、次にベース編地部20Rを編成するときに、追加編地部55がベース編地部20Rの表側に配置されないようにするためである。
【0035】
T9では、給糸口9をベース編地部20R側に移動させ、FDの編針Q〜Lで表側編地部5Fの編目列を編成し、T10では、給糸口9を前立て部25R側に移動させて、BDの編針kに係止される部分編地部50の編目にタックを行なった後、BDの編針l〜qで残部編地部59の編目列を編成する。T10のタックにより、部分編地部50と残部編地部59とを無縫製で接合することができる。
【0036】
以降は、T2〜T10を繰り返して、ベース編地部20Rと前立て部25Rの編成コースを増しつつ、両者20R,25Rを接合する。以上説明した編成例2によれば、編成例1と同様に、前立て部25Rの表側編地部5Fをカーディガンの表面側に膨らませることができる。
【0037】
≪その他の編成例≫
編成例1,2における側編地部5Fと残部編地部59の編成順序は変更することができる。例えば、図2のS7でFDの編針Hにタックを行なった後、FDの編針I〜Qで表側編地部5Fの編目列を編成する。次いで、BDの編針q〜lで残部編地部59の編目列を編成し、最後にS9と同じ編成を行なう。
【0038】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、実施形態のニットウェアは、2枚ベット横編機で編成することもできる。その場合、隣接する編目の間に空針を設ける針抜き編成を行なうと良い。
【符号の説明】
【0039】
1 カーディガン(ニットウェア)
2 前身頃 3 後身頃
2R 右前身頃部
20R ベース編地部(単層編地部) 25R 前立て部(筒状編地部)
2L 左前身頃部
5F 表側編地部 5B 裏側編地部
50 部分編地部 59 残部編地部 55 追加編地部
8,9 給糸口
図1
図2
図3