【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔発行者名〕 岩崎電気株式会社 〔刊行物名〕 「NEW LINEUP 2012 第4回 LED Next Stage 2012」製品カタログ 〔発行年月日〕 平成24年3月1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記投光面の背後側に位置する前記基板収容部、又は前記基板収容部の背面に設けたユニット部に、前記発光素子の調光指示信号を有線又は無線を通じて受信する信号受信部、及び/又は、前記発光素子の調光のために周囲の明るさを検知する光センサを設けた、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照明器具。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態では、発光素子の一例たるLEDを光源に備えた投光器を例示する。
図1は本実施形態に係る投光器1の構成を示す図であり、
図1(A)は正面、
図1(B)は背面、
図1(C)は底面を示す。
図2は投光器1の側面図である。また
図3は投光器1の分解斜視図である。
投光器1は、屋外に設置される屋外照明器具であり、建物の壁面や看板を照明する。
図1に示すように、投光器1は、器具本体3と、支持アーム4とを備え、器具本体3は高熱伝導性を有する材料を用いた例えばアルミダイカスト等で成形され、また支持アーム4は同じく高熱伝導性を有する例えばステンレスを用いて成形されている。
【0013】
器具本体3は、投光部5と、基板収容部6とを一体に備えている。
投光部5は、
図1〜
図3に示すように、幅がW、高さがHの正面視略矩形であって、厚みT(
図2)が幅W、及び高Hよりも十分に小さな薄い板状に形成され、正面側が投光面14として構成される。すなわち、
図3に示すように、この投光部5の正面の投光面14には略矩形の開口7が設けられ、この開口7に光源ユニット8が正面に臨むように配置される。投光部5の開口7は、正面視略矩形の樹脂製、又はガラス製の透明な前面カバー9で閉塞される。開口7の縁と前面カバー9の間にはシーリング材(図示せず)が塗布されて防水が図られている。
光源ユニット8は、照明用の複数個の発光素子であるCOB(Chip On Board)型のLEDチップ10と、反射鏡11とを備えて構成される。この光源ユニット8の構成については後に詳述する。
【0014】
図4は、投光器1の機能的構成を示すブロック図である。
基板収容部6は、電源基板12を収容する空間である。電源基板12は、光源ユニット8に点灯電力を供給する回路基板であり、
図4に示すように、電力変換回路13と、調光回路60と、信号受信部61とが実装されている。電力変換回路13は、商用電源62の交流電力を直流電力に変換し、投光部5の光源ユニット8に点灯電力として供給する。調光回路60は、電力変換回路13を制御して直流電力を可変することで、光源ユニット8の明るさを可変し調光する。信号受信部61は、光源ユニット8の明るさを決定付ける基となる調光信号63の入力インターフェースである。すなわち、調光信号63は信号受信部61を通じて調光回路60に入力され、調光回路60は、調光信号63が入力されると、当該調光信号63に基づいて光源ユニット8の明るさを決定し、当該明るさが得られるように電力変換回路13を制御する。
【0015】
また投光器1の信号受信部61は、
図4に示すように、例えば建物に設置された制御盤64と所定の信号線65で有線接続されており、調光信号63は信号線65を通じて制御盤64から入力される。本実施形態では、時刻又は時間帯ごとに投光器1の明るさがタイムスケジュールデータ66に規定されており、制御盤64からは、このタイムスケジュールデータ66にしたがって調光信号63が出力される。
【0016】
前掲
図3に戻り、基板収容部6は、底部が開放した略箱型に形成され、上記投光部5の下端5Aから背面側に斜め下方(又は垂直でも良い)に延びるように一体に設けられている。この基板収容部6の底部には、アルミダイカストで成形された高熱伝導材から成る底蓋15がネジ止めされて当該底部が閉じられている。
図3に示すように、底蓋15には、電源基板12を支持する支持部16が設けられている。支持部16は、電源基板12の基板面と底蓋15の面に固定されるL字状の留め具であり、電源基板12を底蓋15に立てた状態で支持する。電源基板12を支持した底蓋15を基板収容部6の底部に装着することで、電源基板12が基板収容部6に挿入されて収められる。
【0017】
底蓋15の外側の面には、横幅方向に延びる多数の放熱フィン17が一体に形成されており、電源基板12の熱が効率良く放熱される。なお、底蓋15の面上に電源基板12を立てるのではなく面上に電源基板12の面を合わせるように設置しても良い。
また底蓋15には、
図1、及び
図3に示すように、商用電源の電線や点灯・調光制御の制御信号の信号線等の各種の配線18を内部に引き込む引込部19が形成されている。引込部19は、
図3に示すように、底蓋15に形成された引込開口部20と、この引込開口部20に差し込まれ、配線18を通すパイプ21と、引込開口部20とパイプ21との差し込み部分を固定する固定プレート22とを備える。パイプ21には、引込開口部20、及び固定プレート22との間をシールする防水パッキン23が装着されている。
【0018】
支持アーム4は、上述の通り、長板状のステンレス材をコ字状に折り曲げて成り、その両端が器具本体3の両サイドに締付ネジ24を用いて結合されている。支持アーム4には、
図1(C)に示すように、複数のボルト穴25が設けられており、各ボルト穴25に固定用ボルトを通して、屋外の適宜の場所に設置される。
【0019】
上述の通り、この投光器1の器具本体3は、正面視矩形の投光部5と、この投光部5に下端5Aに一体に設けられた箱型の基板収容部6とを備えるため、器具本体3には、投光部5、及び基板収容部6の両方に風圧が加わる。
本実施形態では、器具本体3への風圧荷重を低減すべく、投光部5の下端5Aから背面側に延びるように基板収容部6を一体に設けた構成としている。換言すれば、器具本体3は、投光部5の投光面14を正面側(外側)に向けつつ、当該投光部5の下端5Aで背面側に角度θ(
図2)で屈曲することで、全体として略くの字状に屈曲し、背面側に屈曲した箇所が基板収容部6として構成されている。
この構成によれば、基板収容部6が背面側に延びるため、器具本体3を正面視したときの投影面積が小さくなり、器具据付時に、器具本体3が受ける風圧荷重を低減することができる。
また、器具本体3は、これら投光部5と基板収容部6とがアルミダイカストによって一体に成形されているため、器具本体3の生産が容易であり、生産性の向上が図られる。
上記角度θを約90度とすることで、基板収容部6が投光部5の背面側に隠れ、この基板収容部6が正面側からの風圧を受けることなく、風圧加重を最小にできる。また、角度θを約90度〜約135度の範囲とすることで、風圧加重を良好に低減することができる。
【0020】
基板収容部6の正面6Aには、
図1(A)に示すように、多数の放熱フィン26が一体に形成されている。この正面6Aは、器具本体3が受ける風のうち、投光部5の下端5Aで基板収容部6の側に分けられた風に曝されることから、この正面6Aに放熱フィン26を設けることで、基板収容部6の熱を効率良く放熱できる。
【0021】
また、器具本体3の背面には、
図1(B)及び
図2に示すように、放熱性を高めるべく、投光部5、及び基板収容部6のそれぞれに対応した位置に、多数の放熱フィン27、28が一体に設けられている。放熱フィン27、28は、雨水や埃等が放熱フィン27同士、及び放熱フィン28同士の間に溜まってしまうことを防止するために、28の上下(高さHの方向)に延びる板状に形成され、これら放熱フィン27、28が幅Wの方向に多数並べられている。
これにより、器具本体3の背面にあっては、放熱フィン27同士の間、及び放熱フィン28同士の間を上方から下方に向けてスムーズに雨水や埃等が流れ落ちることとなる。
【0022】
ただし、器具本体3の投光面14を鉛直下方(すなわち地面側)に向け、背面側を鉛直上方(すなわち空側)に向けた姿勢で設置した場合、器具本体3が略くの字状に屈曲することから、背面の谷部分3A(
図2)に、雨水や埃等が溜まりやすくなる。
そこで、器具本体3の背面側には、上述の通り、谷部分3Aの上方の投光部5に放熱フィン27を設け、また谷部分3Aの下方の基板収容部6に放熱フィン27とは別の放熱フィン28を設けることで、これら放熱フィン27、及び放熱フィン28が谷部分3Aで分離した構成としている。この構成により、谷部分3Aには、
図2に示すように、幅Wの方向に貫通して延びる一条の流路29が形成され、谷部分3Aに溜まることなく、雨水や埃が流路29から流れ落ちることとなる。
【0023】
これに加え、投光部5に放熱フィン27と、基板収容部6の放熱フィン28とが分離されているため、投光部5と基板収容部6との熱的結合を弱くでき、電源基板12の発熱が基板収容部6を通じて投光部5の光源ユニット8に伝えられ、LEDチップ10が適性温度を超えて高温になってしまうのを防止できる。
特に、この投光器1にあっては、高熱伝導性を有する上記支持アーム4が、投光部5と基板収容部6の連接部分に取り付けられているため、投光部5と基板収容部6との熱的結合を更に弱くでき、光源ユニット8が電源基板12の発熱の影響を受け難く光源ユニット8のLEDチップ10が適性温度に維持されるようになっている。
このように、投光部5と基板収容部6とを一体に形成しつつ、両者の熱的結合を弱くできるため、器具本体3をダウンサイズしても、光源ユニット8が電源基板12の発熱の影響を受け難くでき、器具本体3の小型軽量化が可能となる。
【0024】
次いで、光源ユニット8の構成について詳述する。
図5は光源ユニット8の構成を示す図であり、
図5(A)は平面図、
図5(B)は側面図、
図5(C)は正面図である。また
図6は光源ユニット8の断面図であり、
図6(A)は
図5(A)のI−I線断面図、
図6(B)は
図5(A)のII−II線断面図である。
光源ユニット8は、前掲
図3、
図5、及び
図6に示すように、複数のLEDチップ10と、セラミック基板31と、LED保護パッキン32と、反射鏡11とを備えている。
【0025】
LEDチップ10は、面発光の面発光素子の一例たるCOB型LEDであり、平面視矩形状の発光面10A(
図5)を有している。本実施形態では、複数個(図示例では3つ)のLEDチップ10を幅W(
図1)の方向に横並びに連接してLEDパッケージ30を構成し、3個のLEDパッケージ30を高さH方向(
図1)に連接配置することで、3×3個のLEDチップ10を格子状に配列している。
LEDパッケージ30は、面発光の1又は複数個(本実施形態では3個)の面発光素子をモジュール化して構成された面発光素子体である。なお、面発光の面発光素子には、COB型LEDの他に、例えば有機ELが挙げられる。
【0026】
LEDチップ10の個数、及び配列は、所定の寸法形状の被照射領域を含む被照射面(例えば看板の看板面や建物の壁面等)を所定距離離れた位置から光源ユニット8が照射したときに、被照射面の被照射領域の全域が所定の照度で照らされるように規定される。このとき、LEDチップ10の各々は面発光の発光面10Aの形状と略相似な輪郭の照射野を形成することから、被照射面の被照射領域の全域を照度ムラを抑えて照射するために、LEDチップ10の各々は、それぞれの照射野が被照射領域の中に敷き詰められるように配列される。このようにLEDチップ10を配列した場合、光源ユニット8の発光面形状は、最外周に位置する各々のLEDチップ10の発光面10Aの外側を縁取るように結んだ外形D(
図5)によって規定され、この外形Dは、概ね被照射領域の輪郭と相似、或いは近い形状となる。
本実施形態の光源ユニット8は、縦横比3:4の矩形の看板ボードを被照射領域としており、
図5に示すように、光源ユニット8の発光面形状の外形Dは、縦Eと横Fの比が略3:5の矩形形状とさている。
【0027】
ここで、COB型LEDや有機ELのように、面発光の面発光素子は、照射野の照度分布のムラが点光源に比べて少ない。
したがって、この面発光素子たるLEDチップ10を照射に用いて光源ユニット8を構成することで、被照射面の被照射領域での照度ムラが抑制される。また、被照射面の所定の被照射領域の全域が照射されるように各LEDチップ10を配列しているため、レンズや反射鏡を用いて配光を作る必要が無く、光の取り出し効率の低下が押さえられる。
【0028】
ここで、通常、最外周側に配置されたLEDチップ10の放射光の一部は、被照射面の所定の被照射領域から外れる。そこで、光源ユニット8にあっては、LEDチップ10の配列を包囲する反射鏡11を備え、被照射領域から外れる光を反射鏡11で当該被照射領域内に向けて反射する構成としている。
具体的には、反射鏡11は、LEDチップ10の配列の外形Dの外形線(輪郭)に沿って反射面11Aを有する。本実施形態では、この反射面11Aは、
図6に示すように、傾斜角度αが約35度(又は、35度以下でも良い)に形成されている。
このとき、反射面11Aは、あくまでも被照射面から外れる光を反射するためのものであるから、その高さG(
図6(A))は、従来の配光制御用の反射鏡に比べて小さく(本実施形態では約15mm(又は、15mm以下でも良い))、反射による光束低下が比較的小さく押さえられている。
【0029】
このように、かかる反射鏡11で各LEDチップ10の配列を包囲することにより、被照射領域での照度が効率良く高められる。
また反射鏡11は、LEDチップ10の配列の囲む形状であるため、個々のLEDチップ10ごとに反射鏡を配置する構成に比べ、LEDチップ10の発熱が籠もることなく、LEDチップ10のジャンクション温度の上昇を抑制できる。
【0030】
さらに、反射鏡11がLEDチップ10の配列を包囲するため、例えば
図3に示すように、器具本体3に光源ユニット8を収めたときに、LEDチップ10が器具本体3の投光面14を形成する開口7から奥まった位置に配置された場合でも、器具本体3の内側面に向かい吸収されてしまう光が反射鏡11によって反射されて開口7から取り出されることとなる。なお、本実施形態では、開口7からの光の取り出し等を勘案し、LEDチップ10の配列の中心(発光部中心)を基準O(
図5)とした場合に、カットオフ角は、縦Eに延びる反射面11Aの側で15度以下、横Fに延びる反射面11Aの側で20度以下となっている。
【0031】
上記セラミック基板31は、LEDパッケージ30を載置する高熱伝導性、及び電気的絶縁性を有する例えばアルミナ(酸化アルミニウム)等から形成された基板であり、光源ユニット8のベース部材である。光源ユニット8を器具本体3に組み付ける際には、前掲
図3に示すように、器具本体3の投光部5の底面である担持面5Bにセラミック基板31を密着させて組み付けられる。これにより、各LEDチップ10と器具本体3との間をセラミック基板31で絶縁しつつ、当該セラミック基板31を通じて各LEDチップ10の発熱を器具本体3に伝えて均等に冷却される。
【0032】
ここで、LEDパッケージ30は、例えば高熱伝導性の接着剤等を用いてセラミック基板31に固定されているが、LEDパッケージ30の発熱によりLEDパッケージ30に歪みが生じ、セラミック基板31との密着性が損なわれて冷却性能が低下したり、当該LEDパッケージ30の照射方向が変わったりする虞がある。
特に、LEDパッケージ30が含むLEDチップ10は、面状の発光面10Aを有する面発光素子であるため、発光面10Aの内でも歪みが生じ易く、その影響も大きい。
そこで、反射鏡11には、各LEDチップ10を押さえ付ける押さえ桟11Bが一体に設けられている。
【0033】
これにより、LEDチップ10が発熱した場合でも、歪みが抑制され、LEDチップ10とセラミック基板31との密着性を維持できる。
また、反射鏡11の押さえ桟11Bは、熱伝導性が高い金属材で形成されており、押さえ桟11Bを通じてLEDチップ10の発熱が反射鏡11に伝えられて放熱されることで、各LEDチップ10の温度上昇が抑えられている。
【0034】
反射鏡11にあっては、
図5等に示すように、横F方向の両側の縁部が水平に折り曲げられてフランジ部11Cが形成され、このフランジ部11Cに複数のネジ孔35が形成されている。
光源ユニット8を器具本体3に組み付ける際には、セラミック基板31を担持面5Bに接着剤等で固定し、反射鏡11のフランジ部11Cのネジ孔35にネジを通して器具本体3にネジ止め固定する。このように、反射鏡11が器具本体3に固定されることで、反射鏡11に伝えられた熱が器具本体3から効率良く放熱される。
また反射鏡11の器具本体3へのネジ止めにより、セラミック基板31が担持面5Bに押さえ付けられるとともに、押さえ桟11Bによって、各LEDパッケージ30が発光面10Aに歪みが生じないように押さえ付けられることとなる。
【0035】
また、本実施形態では、反射鏡11を器具本体3にネジ止めしたときに、押さえ桟11BがLEDチップ10の各々を均等な力で押さえ付け、また反射鏡11がLEDチップ10を損傷することが無いように、反射鏡11とLEDチップ10の間には、前掲
図3等に示すように、LED保護パッキン32が設けられている。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の光源ユニット8、及び投光器1によれば、照射野の照度分布のムラが点光源に比べて少ない面発光の面発光素子たるLEDチップ10を照射に用いる構成であるため、被照射面での照度ムラが抑制される。また、被照射面の所定領域の全域が照射されるように複数のLEDチップ10を配列しているため、レンズや反射鏡を用いて配光を作る必要が無く、光の取り出し効率の低下が押さえられる。これに加え、被照射面の所定領域から外れる光を当該被照射面の所定領域内に向けて反射鏡11で反射する構成であるため、所定領域の照度が効率良く高められる。また反射鏡11は、LEDチップ10の配列の囲む形状であるため、個々のLEDチップ10ごとに反射鏡を配置する構成に比べ、LEDチップ10の発熱が籠もることなく、LEDチップ10のジャンクション温度の上昇を抑制でき、温度上昇による光束低下を防止できる。
【0037】
このように、本実施形態の光源ユニット8、及び投光器1によれば、高い照明率を実現でき、省エネルギー効果が高められる。換言すれば、入力電力に対し、LEDチップ10の全光束を投光器1の外に照射する割合、いわゆる消費効率を増大することが可能となり、エネルギーの省力化に大きく貢献できる投光器1を提供できる。
またLEDチップ10に投入されるエネルギーのうち、投光器1の外の光に使用される割合が高いことからLEDチップ10の発熱量も低減される。したがって、器具本体3の小型、軽量化により熱容量が小さくなった場合でも、LEDチップ10に対する十分な冷却性能を維持することができる。
このように、小型軽量化した投光器1が実現できることから、HIDランプを光源に使用した看板照明等の照明器具を取り付ける架台に、補強工事などをすることなく投光器1を取り付けて使用することができる。すなわち、HIDランプを光源にした照明器具を、省施工により投光器1に置き換え、消費電力削減による省エネルギー化が容易となる。
【0038】
また本実施形態によれば、配列されたLEDチップ10の各々を押さえる押さえ桟11Bを反射鏡11に設ける構成としたため、LEDチップ10が発熱した場合でも、LEDチップ10や発光面10Aの歪みが抑制される。
【0039】
また本実施形態によれば、器具本体3が、照明用の発光素子たるLEDチップ10を配した投光面14を有する投光部5と、LEDチップ10の電源基板12を収める基板収容部6とを一体に備え、投光面14を外側(正面側)に向けて、全体が略くの字状に屈曲する構成としたため、当該略くの字状の屈曲により、器具本体3に外側から当たる風を二手に分けて裏側に流し、また外側への風圧加重を低減することができる。
【0040】
特に、投光面14と、基板収容部6とのなす角度θを90度〜135度としたため、十分な風圧荷重の低減効果が得られる。
【0041】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0042】
(第1変形例)
図7は、本発明の変形例に係る投光器100の構成を示す図であり、
図7(A)は側面図、
図7(B)は背面図である。また
図8は投光器100の機能的構成を示すブロック図である。なお、これらの図において、実施形態で説明した部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
この投光器100は、
図7に示すように、器具本体3の背面に、無線受信ユニット150を備える点で投光器1と構成を異にする。
【0043】
無線受信ユニット150は、
図8に示すように、調光信号63を無線により受信して、電源基板12の調光回路60に出力するものであり、調光信号63を受信する無線受信器によって構成された信号受信部161を備える。なお、
図8において、電源基板12に、有線接続用の信号受信部61(
図4)を更に設け、有線、及び無線の両方を用いて調光信号63を電源基板12に入力可能に構成しても良い。
【0044】
図7に示すように、無線受信ユニット150は、信号受信部161を内蔵した箱型のユニット本体151と、このユニット本体151を器具本体3の背面に支持する支持部材152とを備える。
図7(A)に示すように、ユニット本体151は、基板収容部6の背面に放熱フィン28から突出した位置で支持部材152により支持され、ユニット本体151の内部の受信器と、電源基板12とは、支持部材152の内部を通した信号線により接続される。
【0045】
図8に示すように、調光信号63は、送信機164から無線を通じて信号受信部161に入力される。この送信機164は、例えば建物に設置され、或いは作業者に所持される。本変形例では、上述の実施形態と同様に、送信機164からは、タイムスケジュールデータ66にしたがって調光信号63が無線送信される。
また、送信機164には、明るさを可変指示するための操作ボタン167が設けられている。これにより、例えば投光器100が建物の高所に設置されている看板等を照明している場合でも、作業者が地上から被照射面の照明具合(照度や明るさ等)を目視で確認しながら操作ボタン167を操作して投光器100を適切な明るさに調光できる。
【0046】
(第2変形例)
図9は、本変形例に係る投光器200の機能的構成を示すブロック図である。なお、同図において、実施形態、及び第1変形例で説明した部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
同図に示すように、本変形例では、光センサ268を基板収容部6に内蔵する点で実施形態と構成を異にする。光センサ268は、投光器200の周囲の明るさに応じた信号を信号受信部61を通じて調光回路60に入力する。調光回路60は、この信号に基づき周囲の明るさに応じて光源ユニット8を自律的に調光する。
なお、本変形例において、実施形態と同様に、信号受信部61に、例えば制御盤64等から調光信号63を別途に入力する構成としても良い。
【0047】
(第3変形例)
図10は、本変形例に係る投光器300の構成を設置の態様と共に示す図である。なお、同図において、実施形態、第1及び第2変形例で説明した部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
同図に示すように、本変形例の投光器300は、第1変形例で説明したユニット本体151を備え、当該ユニット本体151に第2変形例で説明した光センサ268を内蔵し、この光センサ268で周囲の明るさを検知して自律的に調光する点で、第1及び第2変形例と構成を異にしている。なお、第1変形例と同様に、ユニット本体151に信号受信部161を内蔵し無線による調光も可能にしても良い。
【0048】
ユニット本体151は、
図10に示すように、投光部5の投光面14の背後側に位置する基板収容部6の背後に配置されてる。すなわち、ユニット本体151は、器具本体3のうち被照射面72から隠れた箇所に配置されているため、投光面14から出射した照射光70が被照射面72で反射した場合でも、当該反射による反射光73が器具本体3に遮られてユニット本体151に直接的に届くことがない。
したがって、かかるユニット本体151に光センサ268を内蔵することで、照射光70の影響を抑えて周囲の明るさを検知し、周囲の明るさに応じた調光が正確に行われることとなる。
【0049】
なお、上述した実施形態、及び各変形例では、看板や壁面を照明する投光器を例示したが、これに限らず、発光素子を光源に備える任意の照明器具でも良い。
また、LEDチップ10のような面発光の面発光素子に代えて、点光源となる発光素子を光源に用いても良い。