(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955167
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】交流電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20160707BHJP
【FI】
H02M7/48 F
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-194202(P2012-194202)
(22)【出願日】2012年9月4日
(65)【公開番号】特開2014-50304(P2014-50304A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年8月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】500350829
【氏名又は名称】富士電機エフテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】宮川 圭介
(72)【発明者】
【氏名】山田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】大島 宏一
【審査官】
北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−262071(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/132269(WO,A1)
【文献】
特開2003−125597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれダイオードを逆並列接続した第1及び第2の半導体スイッチを直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第3及び第4の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第5及び第6の半導体スイッチを直列接続した第3の半導体スイッチ直列回路と、スイッチング時のサージ電圧を吸収するスナバとを並列接続した交流−交流変換回路と、前記第3の半導体スイッチ直列回路の直列接続点と前記第2の半導体スイッチ直列回路の直列接続点との間に接続したフィルタリアクトルとフィルタコンデンサからなる交流フィルタと、前記第3の半導体スイッチ直列回路を構成する第5及び第6の半導体スイッチのオン期間同士の重なりを防止するためのデッドタイムを設けたオンオフ信号を生成するパルス生成手段と、を備え、前記第1の半導体スイッチ直列回路の直列接続点と前記第2の半導体スイッチ直列回路の直列接続点との間には単相交流電源を、前記フィルタコンデンサと並列に負荷を、それぞれ接続した交流電源装置において、
前記パルス生成手段は、出力電圧指令値と同期信号とを入力とし、前記出力電圧指令値と搬送波とを比較してパルス幅を求めるパルス幅変調(PWM)回路と、前記出力電圧指令値を前記搬送波のピーク値より小さい値に制限するリミッタと、前記出力電圧指令値が前記リミッタの値を越えた場合に必要なオン信号幅を演算する過変調幅演算手段と、デッドタイム付加機能を備えたパルス分配回路と、前記出力電圧指令値が前記リミッタの制限値を越えた場合に前記リミッタにより制限された前記出力電圧指令値の制限値と前記搬送波とを比較して得られる信号と前記過変調幅演算手段の出力とから得られる信号との論理和を求める論理和演算器と、前記論理和演算器の出力信号にデッドタイム機能を付加して前記第5及び第6の半導体スイッチ用の信号を生成する前記パルス分配回路と、を備え、前記過変調幅演算手段の出力信号は前記同期信号に同期して出力することを特徴とする交流電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の交流電源装置において、前記同期信号との同期点は前記単相交流電源の電圧の半周期における90度とし、前記過変調幅演算手段の出力信号は前記同期点90度を中心として0度側及び180度側へそれぞれ出力することを特徴とする交流電源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の交流電源装置において、前記同期信号との同期点は前記単相交流電源の電圧の半周期における0度及び180度とし、前記過変調幅演算手段の出力信号は前記同期点0度から90度側及び前記同期点180度から90度側へそれぞれ出力することを特徴とする交流電源装置。
【請求項4】
前記請求項1〜3の何れかに記載の交流電源装置を2台用いて、それぞれの交流電源装置の入出力共通線同士の接続点とそれぞれの交流電源装置の他の交流入力点それぞれに3相交流電源を、それぞれの交流電源装置の入出力共通線同士の接続点とそれぞれの交流電源装置の他の交流出力点それぞれに3相交流負荷を、それぞれ接続することを特徴とする交流電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流入力を電圧制御又は電力制御して負荷へ交流を供給する交流電源装置に関し、特に最大電圧を出力する時の制御安定性の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に特許文献1に記載された交流−交流変換回路の主回路接続図を、
図6に
図4の主回路を駆動するための制御回路ブロック図を、
図7に
図4と
図6の動作波形を、各々示す。
図4は単相交流入力電圧を周波数が等しく電圧の異なる単相交流出力電圧に変換する交流−交流変換回路の主回路図である。変換回路部は半導体スイッチとしてIGBTを使用した単相交流入力電圧を周波数が等しく電圧の異なる単相交流出力電圧に変換する交流−交流変換回路である。変換回路部はそれぞれダイオードが逆並列接続されたIGBTTuとIGBTTxとが直列接続された第1のIGBT直列回路と、それぞれダイオードが逆並列接続されたIGBTTvとIGBTTyとが直列接続された第2のIGBT直列回路と、それぞれダイオードが逆並列接続されたIGBTTwとIGBTTzとが直列接続された第3のIGBT直列回路と、スイッチング時のサージ電圧を抑制するスナバコンデンサCsとが並列接続された回路構成である。
【0003】
第1のIGBT直列回路のIGBTTuとIGBTTxとの直列接続点と第2のIGBT直列回路のIGBTTvとIGBTTyとの直列接続点との間には単相交流電源と入力フィルタとしてのコンデンサCi1が、それぞれ接続される。第3のIGBT直列回路のIGBTTwとIGBTTzとの直列接続点と第2のIGBT直列回路のIGBTTvとIGBTTyとの直列接続点との間には出力リアクトルLo1と出力コンデンサCo1とから構成された波形整形用の出力交流フィルタが、出力コンデンサCo1と並列に負荷LD1が、各々接続された構成である。
【0004】
このような構成における制御回路ブロック図を
図6に示す。交流出力電圧の平均値を制御するための制御ブロック図である。出力電圧は整流回路rectで整流平滑され、この値と電圧設定器AJとの偏差を加算器ADで求め、この偏差が零になるように電圧調節器AVRで調節する。この電圧調節器AVRの出力Vor(出力電圧指令値)はコンパレータCPと搬送波CWで構成されたいわゆるパルス幅変調(PWM)回路でオンオフ信号に変換される。コンパレータCPの出力Pwはデッドタイム付加機能を備えたパルス分配回路PDで各IGBT用のオンオフ信号に整形され、ゲート駆動回路GDを介して、各IGBTのゲートに供給される。
【0005】
図7に、各部の動作波形を示す。搬送波CWとして三角波を用い出力電圧指令Vorとして直流量を用いたいわゆる降圧形交流チョッパの動作波形である。オンオフパルス波形Pwは
図6におけるコンパレータCPの出力で、交流電源の正の半周期はIGBTTuとTyがオンの状態でIGBTTwを高周波スイッチングさせ、負の半周期ではIGBTTxとTvがオンの状態で、IGBTTzのスイッチングで出力電圧を制御する。ここでIGBTTw用の信号とIGBTTz用の信号とはお互いの信号が反転された排他的信号であるが、交流電源又はスナバコンデンサCsの短絡を防止するために二つのオン期間が重ならないように両方の信号が同時にオフとなるデッドタイム期間を設ける。
図8にデッドタイムとIGBTTwとTzのオンオフ信号の関係を示す。デッドタイムTdはオン信号の立上がり時間を遅延させる構成であるため、デッドタイムTdを付加した後のオンオフ波形は、デッドタイムを付加する前(Ta)に比べてオフ信号期間は長く(Tb)なり、オン信号期間は短くなる。
【0006】
出力電圧Voは交流電圧をチョッピングした波形となり、この波形を出力リアクトルLo1と出力コンデンサCo1とから構成された出力交流フィルタを通すことにより、交流電源の電圧より低い電圧で、歪の小さな正弦波状の電圧が得られる。出力電圧を高くするには出力電圧指令を搬送波CWのピーク値に近づけ、出力電圧を低くするには出力電圧指令を搬送波CWのボトム値に近づける。出力電圧指令Vorを搬送波CWのピーク値に近づけるとコンパレータCPの出力PwのHレベルの比率が大きくなり、出力電圧を高くすることができ、出力電圧指令Vorを搬送波CWのボトム値に近づけるとコンパレータCPの出力PwのHレベルの比率が小さくなり、出力電圧を低くすることができる。
【0007】
図5は、
図4の回路を2回路用いて3相入出力にした時の回路構成で、特許文献2に基づいて、本提案の降圧形の回路に変更した回路図である。2台の交流−交流変換回路を用い、各変換回路の入出力共通線同士を接続し、3相交流電源ACP2と3相交流負荷LD2をV結線接続する構成である。各変換回路の制御と動作は
図4の従来例と同じである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−9660号公報
【特許文献2】特開平9−28038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、IGBTTwとTzのスイッチングにより、交流出力電圧を制御することができるが、出力電圧として交流電源電圧値に近い最大電圧を出力するために、出力電圧指令Vorを搬送波CWのピーク値に近づけると、デッドタイム分により出力電圧が不安定状態となる問題が生じる。これを解決するため、出力電圧指令値に制限をかけて出力電圧の安定化を図る制御方法があるが、出力電圧として100%の電圧(交流入力電圧)を出力できなくなる。
【0010】
従って、本発明の課題は、最大出力電圧指令値を搬送波のピーク値より低い値に制限をかけた場合にも出力電圧として100%の電圧を安定して出力可能な交流電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために、第1の発明においては、それぞれダイオードを逆並列接続した第1及び第2の半導体スイッチを直列接続した第1の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第3及び第4の半導体スイッチを直列接続した第2の半導体スイッチ直列回路と、それぞれダイオードを逆並列接続した第5及び第6の半導体スイッチを直列接続した第3の半導体スイッチ直列回路と、スイッチング時のサージ電圧を抑制するスナバとを並列接続した交流−交流変換回路と、前記第3の半導体スイッチ直列回路の直列接続点と前記第2の半導体スイッチ直列回路の直列接続点との間に接続したフィルタリアクトルとフィルタコンデンサからなる交流フィルタと、前記第3の半導体スイッチ直列回路を構成する第5及び第6の半導体スイッチのオン期間同士の重なりを防止するためのデッドタイムを設けたオンオフ信号を生成するパルス生成手段と、を備え、前記第1の半導体スイッチ直列回路の直列接続点と前記第2の半導体スイッチ直列回路の直列接続点との間には単相交流電源を、前記フィルタコンデンサと並列に負荷を、それぞれ接続した交流電源装置において、前記パルス生成手段は、出力電圧指令値と同期信号とを入力とし、前記出力電圧指令値と搬送波とを比較してパルス幅を求めるパルス幅変調(PWM)回路と、前記出力電圧指令値を前記搬送波のピーク値より小さい値に制限するリミッタと、前記出力電圧指令値が前記リミッタの値を越えた場合に必要なオン信号幅を演算する過変調幅演算手段と、デッドタイム付加機能を備えたパルス分配回路と、前記出力電圧指令値が前記リミッタの制限値を越えた場合に前記リミッタにより制限された前記出力電圧指令値の制限値と前記搬送波とを比較して得られる信号と前記過変調幅演算手段の出力とから得られる信号との論理和を求める論理和演算器と、前記論理和演算器の出力信号にデッドタイム機能を付加して前記第5及び第6の半導体スイッチ用の信号を生成する前記パルス分配回路と、を備え、前記過変調幅演算手段の出力信号は前記同期信号に同期して出力する。
【0012】
第2の発明においては、第1の発明における前記同期信号との同期点は前記単相交流電源の電圧の半周期における90度とし、前記過変調幅演算手段の出力信号は前記同期点90度を中心として0度側及び180度側へそれぞれ出力する。
【0013】
第3の発明においては、第1の発明における前記同期信号との同期点は前記単相交流電源の電圧の半周期における0度及び180度とし、前記過変調幅演算手段の出力信号は前記同期点0度から90度側及び前記同期点180度から90度側へそれぞれ出力する。
【0014】
第4の発明においては、前記請求項1〜3の何れかに記載の交流電源装置を2台用いて、それぞれの交流電源装置の入出力共通線同士の接続点とそれぞれの交流電源装置の他の交流入力点それぞれに3相交流電源を、それぞれの交流電源装置の入出力共通線同士の接続点とそれぞれの交流電源装置の他の交流出力点それぞれに3相交流負荷を、それぞれ接続する。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、第1〜第3の半導体スイッチ直列回路とスイッチング時のサージ電圧を抑制するスナバとを並列接続した交流電源装置の出力電圧制御回路として、出力電圧指令値にリミッタで制限を掛けた信号と搬送波とを比較して得られる信号と、出力電圧指令値が前記リミッタによる制限値より大きい場合に必要なオン信号幅を演算する過変調幅演算手段の出力信号との論理和を求め、前記過変調幅演算手段の出力信号の出力同期点は交流電源の半周期の90度又は0度と180度としている。
【0016】
この結果、出力電圧指令値へのリミッタによる制限値も設けることにより出力電圧の安定性を確保し、出力電圧指令値へのリミッタによる制限による電圧低下を過変調幅演算手段の出力信号で補うことにより100%の電圧の出力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例を示す制御回路ブロック図である。
【
図4】本発明が対象とする単相交流電源装置の主回路図である。
【
図5】本発明が対象とする3相交流電源装置の主回路図である。
【
図8】デッドタイム付加によるオンオフ波形説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の要点は、第1〜第3の半導体スイッチ直列回路とスナバを並列接続した交流電源装置の出力電圧制御回路として、出力電圧指令値にリミッタで制限を掛けた信号と搬送波を比較して得られる信号と、出力電圧指令値が前記リミッタによる制限値より大きい場合に必要なオン信号幅を演算する過変調幅演算手段の出力信号との論理和を求め、前記過変調幅演算手段の出力信号の出力同期点は交流電源の半周期の90度、又は0度及び180度とし、同期点が90度の場合は演算された過変調幅信号は0度側及び180度側へ出力され、同期点が0度及び180度の場合は演算された過変調幅信号はそれぞれ90度側へ出力される点である。
【実施例1】
【0019】
図1に、本発明の第1の実施例を示す。主回路構成は
図4と同じであるので説明は省略する。尚、スイッチング時のサージ電圧を抑制するスナバとしてはコンデンサを用いた例を示したが、ダイオードと抵抗との並列回路とコンデンサとを直列接続したRCDスナバや抵抗とコンデンサとを直列接続したRCスナバなども適用可能である。
図1において、出力電圧設定値と出力電圧検出値の偏差を零にする調節器などから得られる出力電圧指令VorはリミッタLMを介してコンパレータCPの一方の入力に、コンパレータCPの他方の入力には搬送波CW(この例では三角波)が、各々接続され、コンパレータCPの出力は論理和演算器ORの一方の端子に入力される。また、出力電圧指令Vorは過変調幅(連続ON領域の時間)を演算する過変調幅演算手段VTCへ入力され、過変調幅演算手段VTCの出力はスイッチSWを介して論理和演算器ORの他方の端子に入力される。ここで、過変調幅演算手段VTCには演算結果を出力する時の同期点を決めるための同期信号SSが入力される。論理和演算器ORの出力はデッドタイム付加機能を備えたパルス分配回路PDに入力され、IGBTTw、Tzのオンオフ信号に加工され、ゲート駆動回路GDを介して、IGBTTw及びTzのゲートに接続される。
【0020】
過変調幅(連続ON領域の時間)を演算する過変調幅演算手段VTCでは、下記の(式1)に基づいて過変調幅τを演算する。
τ=T/4×(λ−λ
LM)/(1−λ
LM) (式1)
ここで、Tは交流電源の1周期の時間、λ
LMは出力電圧指令値のリミット値の変調率、λは出力電圧指令値の変調率である。
リミット値の変調率λ
LMは出力電圧リミット値と搬送波との比較で得られるコンパレータCPの出力パルスPwの幅がデッドタイムTd以上となるような変調率を選ぶ。
例えば、交流電源の1周期の時間を20ms、搬送波の周波数を20kHz、必要なデッドタイムを5μsとすると、λ
LM=0.9以下であればよい。仮にλ
LM=0.9で、出力電圧指令値の変調率λを0.9とすると、τ=0で過変調幅は零となり、全領域λ
LM=0.9で決まるオンオフ波形となる。
また、λ
LM=0.9で、出力電圧指令値の変調率λを0.95とすると、τ=T/4/2=2.5msとなり、1/4周期の1/2が過変調幅で残りはλ
LM=0.9で決まるオンオフ波形となる。
さらに、λ
LM=0.9で、出力電圧指令値の変調率λを1.0とすると、τ=T/4=5msとなり、全領域を過変調幅とすることになる。即ち交流入力電圧をスイッチング動作なしで、交流出力とすることになる。
【0021】
ここで、過変調幅τの計算は交流電源の1/4周期の時間T/4を例に計算例を示したが、半周期の時間T/2を用いても可能である。
図2に、上述の計算に基づいて、過変調幅(連続ON領域の時間)を計算し、同期信号との同期点を単相交流電源の電圧の半周期における90度とし、過変調幅演算手段の出力信号を前記同期点90度を中心として0度側及び180度側へそれぞれ出力した波形例を示す。連続ON領域では交流電源の電圧波形がそのまま出力され、その他の領域では変調率λ
LMでPWM制御されたオンオフ波形となることがわかる。
【0022】
図3に、上述の計算に基づいて、過変調幅(連続ON領域の時間)を計算し、同期信号との同期点を単相交流電源の電圧の半周期における0度及び180度とし、過変調幅演算手段VTCの出力信号を前記同期点0度から90度側及び180度から90度側へ、それぞれ出力した波形例を示す。連続ON領域では交流電源の電圧波形がそのまま出力され、その他の領域では変調率λ
LMでPWM制御されたオンオフ波形となることがわかる。
【実施例2】
【0023】
図5に、本発明の第2の実施例を示す。
図4に示す実施例1が対象とする回路を2台用いて、3相入出力に対応させる回路構成である。
図4に示す回路の入出力共通線同士を接続して3相交流電源ACP2の1相に、その他の交流入力をそれぞれ3相交流電源ACP2の他の相にそれぞれ接続する。交流出力部においても交流入力部と同様に入出力共通線同士の接続線を3相負荷LD2の1端に、その他の交流出力をそれぞれ3相交流負荷LD2の他の端子にそれぞれ接続する。制御方式は実施例1と同じであるので、説明は省略する。
【0024】
尚、上記実施例には交流出力電圧を制御する例を示したが、交流出力の電力を制御する場合や交流出力の電流を制御する場合でも実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、交流入力電源電圧から安定した100%の交流電圧を出力する時の制御に関する提案であり、交流安定化電源装置(AVR)、交流電力調整装置(APR)などへの適用が可能である。
【符号の説明】
【0026】
ACP1・・・単相交流電源 ACP2・・・3相交流電源
LD1・・・単相負荷 LD2・・・3相負荷
Ci1、Ci2、Co1、Co2・・・フィルタコンデンサ
Lo1、Lo2・・・フィルタリアクトル
Cs、Cs1、Cs2・・・スナバコンデンサ
Tu,Tv,Tw、Tx,Ty、Tz・・・IGBT
Tu1,Tv1,Tw1、Tx1,Ty1、Tz1・・・IGBT
Tu2,Tv2,Tw2、Tx2,Ty2、Tz2・・・IGBT
rect・・・整流回路 AD・・・加算器
AJ・・・電圧設定器 AVR・・・電圧調節器
CP・・・コンパレータ CW・・・搬送波
PD・・・パルス分配回路 GDゲート駆動回路
OR・・・論理和演算器 SW・・・スイッチ
LM・・・リミッタ VTC・・・過変調幅演算手段