特許第5955194号(P5955194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5955194高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955194
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/08 20060101AFI20160707BHJP
【FI】
   E04G23/08 Z
   E04G23/08 C
   E04G23/08 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-231468(P2012-231468)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-84561(P2014-84561A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】599165968
【氏名又は名称】多摩火薬機工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502097698
【氏名又は名称】株式会社 千代田組
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】児島 郁男
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−162787(JP,A)
【文献】 特開平04−247191(JP,A)
【文献】 特開2004−190330(JP,A)
【文献】 特開2003−090136(JP,A)
【文献】 特開2009−007832(JP,A)
【文献】 特開2001−298904(JP,A)
【文献】 特開平04−082609(JP,A)
【文献】 特開2004−160949(JP,A)
【文献】 特開2009−046843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/08
B28D 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さが2.5m程度に制限された解体現場で、小型の重機を用いて、コンクリート構造物を解体する、高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法において、
解体しようとするコンクリート構造物に穿孔機を用いて複数の下孔を穿孔する穿孔工程と、
前記下孔穿孔後のコンクリート構造物を割岩機を用いて圧壊する一次破砕工程と、
前記一次破砕後のコンクリート構造物を破砕機を用いて破砕する二次破砕工程と、
を有し、
前記穿孔工程では、
前記解体現場に入り得る高さ2.5m以内の小型の自走式車両を用い、小型の自走式車両に、高さ2.5m以内のガイドセルと前記ガイドセルに送り機構を介して移動可能に配置されるドリフタとからなるガイドを各種の支持機構を介して揺動可能に備え、前記穿孔機として前記ドリフタにロータリーパーカッションドリルを装着するとともに当該ロータリーパーカッションドリルにケーシングを取り付けて、
前記ガイドを前記支持機構により前記穿孔機を解体しようとするコンクリート構造物の穿孔位置に合わせて位置決めし、前記ロータリーパーカッションを駆動し、前記ロータリーパーカッションを前記ガイドの案内により当該コンクリート構造物に向けて移動させながら、前記ケーシングの打撃、回転及び給進により、当該コンクリート構造物に中心部分にコアを残してリング状の孔を穿つ工程と、前記リング状の孔内のコアを先端で折って抜き取る工程とを行い、前記下孔を穿孔する、
ことを特徴とする高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法。
【請求項2】
前記一次破砕工程では、小型の自走式車両に前記ガイドを各種の支持機構を介して装着し、前記ドリフタに全長2.5m以内の割岩機を装着して、前記ガイドを前記支持機構により前記割岩機を前記コンクリート構造物のコア抜き取り後の前記下孔に合わせて位置決めし、前記割岩機を前記ガイドの案内により前記下孔に挿入して、前記割岩機の楔作用により前記下孔の周囲を圧壊する、請求項1に記載の高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法。
【請求項3】
前記二次破砕工程では、小型の自走式車両にブレーカを含む破砕機を各種の支持機構を介して揺動可能に取り付け、前記破砕機を前記支持機構により前記一次破砕後のコンクリート構造物に向けて移動し、前記破砕機の破砕作用により前記一次破砕後のコンクリート構造物を破砕する、請求項1又は2に記載の高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地下のコンクリート構造物の解体など、高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンクリート圧砕機やブレーカなどコンクリート構造物の解体に有用な重機の開発が進み、大規模なコンクリート構造物の解体でも、コンクリート圧砕機(大割)や大型ブレーカなど10tクラスの大型の重機を用いて、効率良く行われている(特許文献1、2参照)。また、地下のコンクリート構造物の解体では、上床版、側壁、下床版などの破壊撤去が行われるため、この場合でも、解体作業を効率良く行うには、大型の重機の使用が必要になる(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−234633公報
【特許文献2】特開2012− 21308公報
【特許文献3】特開平06− 93651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地下のコンクリート構造物の解体では、高さが2.5m程度に制限された現場が多く、大型の重機が入れないために、5tクラス以下の小型の重機を使用せざるを得ず、特に、地中梁や耐圧盤などを解体するには、未だなお、作業効率が悪く、多くの時間を要している、という現実的な問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、地下のコンクリート構造物の解体など、高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法において、高さが2.5m程度に制限された解体現場に入る得る5tクラス以下の小型の重機を用いながらも、コンクリート構造物の解体を効率良く行い、従来に比べて、施工に要する時間を短縮すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、高さが2.5m程度に制限された解体現場で、小型の重機を用いて、コンクリート構造物を解体する、高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法において、解体しようとするコンクリート構造物に穿孔機を用いて複数の下孔を穿孔する穿孔工程と、前記下孔穿孔後のコンクリート構造物を割岩機を用いて圧壊する一次破砕工程と、前記一次破砕後のコンクリート構造物を破砕機を用いて破砕する二次破砕工程とを有し、前記穿孔工程では、前記解体現場に入り得る高さ2.5m以内の小型の自走式車両を用い、小型の自走式車両に、高さ2.5m以内のガイドセルと前記ガイドセルに送り機構を介して移動可能に配置されるドリフタとからなるガイドを各種の支持機構を介して揺動可能に備え、前記穿孔機として前記ドリフタにロータリーパーカッションドリルを装着するとともに当該ロータリーパーカッションドリルにケーシングを取り付けて、前記ガイドを前記支持機構により前記穿孔機を解体しようとするコンクリート構造物の穿孔位置に合わせて位置決めし、前記ロータリーパーカッションを駆動し、前記ロータリーパーカッションを前記ガイドの案内により当該コンクリート構造物に向けて移動させながら、前記ケーシングの打撃、回転及び給進により、当該コンクリート構造物に中心部分にコアを残してリング状の孔を穿つ工程と、前記リング状の孔内のコアを先端で折って抜き取る工程とを行い、前記下孔を穿孔する、ことを要旨とする。
この場合、前記一次破砕工程では、小型の自走式車両に前記ガイドを各種の支持機構を介して装着し、前記ドリフタに全長2.5m以内の割岩機を装着して、前記ガイドを前記支持機構により前記割岩機を前記コンクリート構造物のコア抜き取り後の前記下孔に合わせて位置決めし、前記割岩機を前記ガイドの案内により前記下孔に挿入して、前記割岩機の楔作用により前記下孔の周囲を圧壊することが好ましい。
また、この場合、前記二次破砕工程では、小型の自走式車両にブレーカを含む破砕機を各種の支持機構を介して揺動可能に取り付け、前記破砕機を前記支持機構により前記一次破砕後のコンクリート構造物に向けて移動し、前記破砕機の破砕作用により前記一次破砕後のコンクリート構造物を破砕することが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の解体方法によれば、上記のとおり、穿孔工程で、小型の重機としてロータリーパーカッションドリルにケーシングを取り付けた穿孔機を用いて、ロータリーパーカッションドリル方式ボーリングにより、解体しようとするコンクリート構造物に中心部分にコアを残してリング状の孔を穿孔した後、このリング状の孔内のコアを先端で折り抜き取ることにより、下孔を穿孔するので、小型の重機による穿孔面積は小さくてすみ、大型の重機に比べて能力の小さい小型の重機でも大きな下孔を穿つことができ、そして、この下孔に割岩機を入れて一次破砕し、続いて、この一次破砕後のコンクリート構造物をブレーカなどの破砕機で二次破砕するので、大型の重機に比べて能力の小さい小型の重機でもコンクリート構造物を効率良く破砕することができる。
したがって、高さが2.5m程度に制限された解体現場で、当該現場に入り得る5tクラス以下の小型の重機を用いながらも、コンクリート構造物の解体を効率良く行うことができ、従来に比べて、施工に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態における高さが2.5m程度に制限された解体現場でのコンクリート構造物の解体方法を示す図
図2】同方法において穿孔工程で使用する重機を拡大して示す図
図3】同方法において穿孔工程で使用する重機により穿孔したリング状の孔を拡大して示す図((A)は平面断面図(B)は側面断面図)
図4】同方法において一次破砕工程で使用する重機を拡大して示す図
図5】同方法において二次破砕工程で使用する重機を拡大して示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1に地下のコンクリート構造物など、高さが2.5m程度に制限された解体現場において、小型の重機を用いて、コンクリート構造物を解体する工法を示している。図2にこの工法において穿孔工程で使用する重機を拡大して示し、図3にこの重機により穿孔したリング状の孔を拡大して示す。図4にこの工法において一次破砕工程で使用する重機を拡大して示し、図5にこの工法において二次破砕工程で使用する重機を拡大して示す。
【0010】
図1に示すように、この工法では、解体しようとするコンクリート構造物に穿孔機14を用いて複数の下孔1を穿孔する穿孔工程と、下孔1穿孔後のコンクリート構造物を割岩機15を用いて圧壊する一次破砕工程と、一次破砕後のコンクリート構造物を破砕機16を用いて破砕する二次破砕工程とを採用し、これらの工程を順次行う。
【0011】
図1において、穿孔工程では、解体現場に入る得る高さ2.5m以内の小型の自走式車両11Aを用い、この自走式車両11Aに、ガイド12を各種の支持機構13を介して揺動可能に取り付け、このガイド12に穿孔機14を移動可能に取り付けて、かかる重機を使って、コンクリート構造物に所定の間隔で複数の下孔1を穿つ。
この場合、図2に示すように、自走式車両11Aは、クローラドリルなどに使用される、高さ2.5m以内のクローラ式の車両で、車両11Aの前方に支持機構13をなすブーム131がブーム駆動用のシリンダにより起倒可能に取り付けられる。
ガイド12は、高さ2.5m以内のガイドセル121と、このガイドセル121に送り機構を介してガイドセル121の長手方向に移動可能に配置されるドリフタ122とからなり、ガイドセル121が自走式車両11Aのブーム131の先端に起伏揺動可能に取り付けられる。
穿孔機14は、全長がガイドセル121上に納まる長さで、ロータリーパーカッションドリル141と、ロータリーパーカッション141(のチャック部)に連結されるケーシング142とを備え、ロータリーパーカッション141の駆動により、ケーシング142を打撃、回転及び給進するようになっている。この穿孔機14はロータリーパーカッションドリル141がドリフタ122に取り付けられ、ケーシング142がガイドセル121上にガイドセル121と平行に配置されて、ガイド12に装着され、ロータリーパーカッションドリル141とともにケーシング142がガイドセル121の長さ方向に移動可能になっている。
このようにして作業員は、図1(1)に示すように、自走式車両11Aを運転し、解体しようとするコンクリート構造物に対して予め定めた穿孔位置毎に、ブーム131を操作して穿孔機14を各穿孔位置に合わせてガイド12を位置決めし、穿孔機14を操作して、ロータリーパーカッション141を駆動し、このロータリーパーカッション141をガイド12の案内によりコンクリート構造物に向けて移動させながら、ケーシング142の打撃、回転及び給進により、コンクリート構造物の各穿孔位置に中心部分にコア101を残してリング状の孔10(図3参照)を穿つ。
なお、この工程で、ケーシング142の打撃、回転及び給進によってコンクリート構造物から発生する繰粉は、エアコンプレッサーなどの圧縮空気供給源からエアーをケーシング142内に通すことによって、ケーシング142の外に排出する。
このような穿孔作業を繰り返し、コンクリート構造物に所定の間隔で複数のリング状の孔10を穿孔する。
そして、このリング状の孔10の穿孔後、図1(2)に示すように、この孔10内のコア101を先端で折って抜き取り、下孔1を穿孔する。なお、この場合、コア101の抜き取り作業は作業員の人力による。
この穿孔工程での工法により、小型の重機による穿孔面積は小さくてすみ、大型の重機に比べて能力の小さい小型の重機でも大きな下孔1を穿つことができる。また、このような工法により、騒音の低い施工を行うことができる。
なお、この種の下孔は、通常、クローラドリルやコアボーリングを使って穿孔するが、前者の場合、機械が大型になり、後者は穿孔に多くの時間がかかるため、このような高さが2.5m程度に制限された解体現場での使用には適していないが、この穿孔工程での穿孔機は上記機械の欠点をいずれも克服するものとなる。
【0012】
図1において、一次破砕工程では、小型の自走式車両11Aにガイド12を各種の支持機構13を介して装着し、ドリフタ122に全長2.5m以内の割岩機15を装着して、ガイド12を支持機構13により割岩機15をコンクリート構造物のコア抜き取り後の下孔1に合わせて位置決めし、割岩機15をガイド12の案内により下孔1に挿入して、割岩機15の楔作用により下孔1の周囲(のコンクリート)を圧壊する。
この場合、図4に示すように、自走式車両11A、支持機構13、及びガイド12は既述のとおりである。割岩機15は全長2.5m以内の長さで、油圧シリンダなどの駆動部を内蔵された円筒状の本体151と、本体151の先端部に突出して取り付けられるウェッジ152、及びウェッジ152の両側に配置される一対のウェッジライナー153とを備え、本体151駆動部の駆動により、ウェッジ152を前進して、各ウェッジライナー153をウェッジ152の両側に押し広げ、拡張するようになっている。この割岩機15は本体151がドリフタ122に取り付けられ、ウェッジ152、一対のウェッジライナー153がガイドセル121上にガイドセル121と平行に配置されて、ガイド12に装着され、割岩機15全体がガイドセル121の長さ方向に移動可能になっている。
このようにして作業員は、図1(3)に示すように、自走式車両11Aを運転し、解体しようとするコンクリート構造物に設けた下孔1毎に、ブーム131を操作して割岩機15を下孔1に合わせてガイド12を位置決めし、ガイド12の案内により割岩機15を下降させ、先端のウェッジ152を下孔1に挿入する。そして、本体151駆動部の駆動により、ウェッジ152を前進し、一対のウェッジライナー153を押し広げて、この拡張時の圧力で下孔1周囲のコンクリートを破砕する。
この一次破砕工程での工法により、割岩機15を姿勢を安定させてコンクリート構造物の下孔1に確実かつ容易に挿入でき、下孔1周囲のコンクリートを確実に破砕することができる。また、この工法により、騒音、振動の低い施工を行うことができる。
なお、一般に割岩機は全長が3m程度あり、バックホウなどに吊り下げる懸垂式で使用されるので、地下構造物など狭いエリアでの使用は不向きであるが、この工程で用いる割岩機15は全長2.5m以内の長さに短縮され、ガイド12に取り付けてスライドさせるようにしているので、上空制限2.5mまでであれば、コンクリート構造物を支障なく割岩可能となる。
【0013】
図1において、二次破砕工程では、小型の自走式車両11Bにブレーカを含む破砕機16を各種の支持機構13を介して揺動可能に取り付け、破砕機16を各種の支持機構13により一次破砕後のコンクリート構造物に向けて移動し、破砕機16の破砕作用によりコンクリート構造物を破砕する。
この場合、図5に示すように、自走式車両11Bは、油圧ショベルなどに使用される、高さ2.5m以内で3tクラスのクローラ式の車両で、クローラの上部が旋回体として構成され、この旋回体の前方に支持機構13をなすブーム131がブーム用のシリンダにより起倒可能に取り付けられ、ブーム131の先端に支持機構13をなすアーム132がアーム用のシリンダにより揺動可能に取り付けられ、アーム132の先端にコンクリート破砕機として、ブレーカ16がブレーカ用のシリンダにより揺動可能に取り付けられる。ブレーカ16は、この小型の車両11Bに搭載可能な型式で、シリンダを有する本体161と、本体161の先端に突出され、シリンダにより駆動されるチゼル162とを備え、本体161のシリンダの駆動により、チゼル162を軸方向に往復移動するようになっている。このブレーカ16は本体161の基端側が自走式車両11Bのアーム132の先端に揺動可能に取り付けられる。なお、このブレーカに代えて大割を用いてもよい。
このようにして作業員は、図1(3)に示すように、自走式車両11Bを運転し、ブーム131、アーム132、ブレーカ16の操作により、ブレーカ16を一次破砕後のコンクリート構造物に向けて移動し、ブレーカ16のチゼル162の打撃力によりコンクリート構造物を破砕する。
一次破砕工程に続くこの二次破砕工程により、一次破砕後のコンクリート構造物を確実かつ容易に破砕することができる。また、この工法により、騒音、振動の低い施工を行うことができる。
【0014】
以上説明したように、この工法によれば、上記のとおり、穿孔工程で、ロータリーパーカッションドリル141にケーシング142を取り付けた小型の重機を用いて、ロータリーパーカッションドリル方式ボーリングにより、解体しようとするコンクリート構造物に中心部分にコア101を残してリング状の孔10を穿孔した後、このリング状の孔10内のコア101を先端で折り、抜き取ることにより、下孔1を穿孔するので、小型の重機による穿孔面積は小さくてすむ一方、大型の重機に比べて能力の小さい小型の重機でも大きな下孔1を穿つことができ、そして、この下孔1に割岩機15を入れて一次破砕し、続いて、この一次破砕後のコンクリート構造物をブレーカ16で二次破砕するので、大型の重機に比べて能力の小さい小型の重機でもコンクリート構造物を効率良く破砕することができる。
したがって、高さが2.5m程度に制限された解体現場で、当該現場に入る5tクラス以下の小型の重機を用いながらも、コンクリート構造物の解体を効率良く行うことができ、従来に比べて、施工に要する時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0015】
1 下孔
10 リング状の孔
101 コア
11A、11B 自走式車両
12 ガイド
121 ガイドセル
122 ドリフタ
13 支持機構
131 ブーム
132 アーム
14 穿孔機
141 ロータリーパーカッションドリル
142 ケーシング
15 割岩機
151 本体
152 ウェッジ
153 ウェッジライナー
16 破砕機(ブレーカ)
161 本体
162 チゼル
図1
図2
図3
図4
図5