特許第5955196号(P5955196)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955196
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】ケースパッカ
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/08 20060101AFI20160707BHJP
【FI】
   B65B5/08
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-233745(P2012-233745)
(22)【出願日】2012年10月23日
(65)【公開番号】特開2014-84138(P2014-84138A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2014年8月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】505193313
【氏名又は名称】三菱重工食品包装機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】古野 元俊
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−102478(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01584559(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックケースにグリッパで挟持された容器を導入して箱詰めするケースパッカにおいて、前記グリッパで挟持された容器を相対的に下降させて前記プラスチックケースへ導入する際に、前記プラスチックケース側面の開口部に該側面の外方から内方に向けて出退する出退式容器ガイドを設けて、出状態の前記出退式容器ガイドの案内により容器の位置規制をして、前記容器を前記プラスチックケースへ導入するように構成したことを特徴とするケースパッカ。
【請求項2】
請求項1に記載するケースパッカにおいて、前記グリッパで挟持された容器を相対的に下降させて前記プラスチックケースへ導入する際に、前記プラスチックケース側面の外方から内方に向けて出退する出退式プッシャーを設けて、出状態の前記出退式プッシャーのプラスチックケース側面プッシュにより前記プラスチックケースの位置規制をして、前記容器を前記プラスチックケースへ導入するように構成したことを特徴とするケースパッカ。
【請求項3】
請求項1に記載するケースパッカにおいて、前記出退式容器ガイドに加えて、前記プラスチックケース側面の外方から内方に向けて出退する出退式プッシャーを設けて、出状態の前記出退式プッシャーのプラスチックケース側面プッシュにより前記プラスチックケースの位置規制をするとともに、出状態の前記出退式容器ガイドの案内により容器の位置規制をして、前記容器を前記プラスチックケースへ導入するように構成したことを特徴とするケースパッカ。
【請求項4】
請求項1に記載するケースパッカにおいて、前記出退式容器ガイドを前記プラスチックケースの複数側面の開口部に設けたことを特徴とするケースパッカ。
【請求項5】
請求項2に記載するケースパッカにおいて、前記出退式プッシャーを前記プラスチックケースの複数側面部に設けたことを特徴とするケースパッカ。
【請求項6】
請求項3に記載するケースパッカにおいて、前記出退式容器ガイドまたは前記出退式プッシャーを前記プラスチックケースの複数側面部に設けたことを特徴とするケースパッカ。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載するケースパッカにおいて、前記容器を箱詰めしていない時には上昇し、前記容器を箱詰めする際には下降して前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部を側面方向位置規制する昇降式位置規制プレートを設けたことを特徴とするケースパッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックケースにびん等の容器を箱詰めするケースパッカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックケースにびん等の容器を箱詰めするケースパッカは、搬送装置上で所定数所定位置に整列された容器の頭部をグリップヘッドのグリッパで挟持し、下方の定位置に待機しているプラスチックケースに向けて下降させて、容器をプラスチックケースに導入し、箱詰めするようにしている(例えば、特許文献1参照)。
前記プラスチックケースは再使用されることが多く、経年変化からプラスチックケースが湾曲変形することがあるが、プラスチックケースが湾曲変形すると容器をプラスチックケースに導入する際に、容器がプラスチックケースに干渉して不具合を生じることがある。
近年、資源保護の観点からプラスチックケースの湾曲変形が大きくても再使用する機運が高まっており、プラスチックケースの湾曲変形が大きい場合でも容器のプラスチックケースへの導入に不具合を生じないようにする技術が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭58−37588号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先ず、プラスチックケースについて図7を基に説明する。
図7はプラスチックケースを説明する図で、(a)はプラスチックケースの上面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(b)の側面図である。
図7において、プラスチックケースを箱Pとして示し、箱Pは上面に開口部リブRaおよび開口部リブRbを有し、側面に設けられた開口部Waおよび開口部Wbにそれぞれ開口部下リブRcおよび開口部下リブRdを有しており、箱Pの内部は開口部下リブRcおよび開口部下リブRdの高さと類似した高さの格子状の分配枠Gが箱Pの底面および側面に一体成形された構成となっていて、箱Pに箱詰めされる図示二点鎖線の容器Bが、前記分配枠Gの空間内に適宜の隙間をもって収容されるようになっている。
【0005】
前記箱Pは、経年変化により、上面の開口部リブRaが図示二点鎖線のように湾曲形状の開口部リブRa1に変形し、同様に、開口部リブRbが図示二点鎖線のように湾曲形状の開口部リブRb1に変形する傾向にある。
なお、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cは、前記湾曲形状の変形は少ない。
【0006】
このような状況から、ケースパッカにより、容器Bが頭部をグリップヘッドのグリッパで挟持されながら箱Pに向けて下降、或いは、箱Pが前記グリップヘッドに向けて上昇して容器Bが箱詰めされる際に、前記変形により箱Pの位置規制が不十分となって、容器Bの底部が前記箱Pの分配枠Gの空間内にうまく収まらないことがある。
特に、前記容器Bの底部が、前記湾曲した開口部リブRa1または開口部リブRb1と干渉しなくても、前記開口部下リブRcまたは開口部下リブRdに干渉して、箱詰めが適切に行われないことがある。
【0007】
前記特許文献1によれば、ケースパッカは、搬送装置上で所定数整列された容器の頭部をグリッッパで挟持し、下方の定位置に待機しているプラスチックケースに向けて下降して、容器をグリッパ挟持の解除により先金を介してプラスチックケースに導入するとしている。
しかしながら、前記特許文献1の技術では、プラスチックケースの湾曲変形が少ない場合を前提としていると考えられ、プラスチックケースの湾曲変形が大きい場合には、前記説明のように、該湾曲変形により容器をプラスチックケースへ導入する際に容器がプラスチックケースに干渉して不具合を生じる恐れがある。
また、プラスチックケースの湾曲変形が大きい場合を考慮してプラスチックケースの容器収容スペースに余裕を持たせた分配枠にするとプラスチックケースの大きさが大きくなってしまって、容器の収容効率が低下してしまうという恐れがあるとともに物流効率が低下してしまうという恐れがある。
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑み、プラスチックケースの湾曲変形が大きい場合でもプラスチックケースへの容器の導入に支障をきたすことがなく、容器が円滑に箱詰めされるケースパッカを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段のケースパッカは、プラスチックケースにグリッパで挟持された容器を導入して箱詰めするケースパッカにおいて、前記グリッパで挟持された容器を相対的に下降させてプラスチックケースへ導入する際に、前記プラスチックケース側面の開口部に該側面の外方から内方に向けて出退する出退式容器ガイドを設けて、出状態の前記出退式容器ガイドの案内により容器の位置規制をして、前記容器をプラスチックケースへ導入するように構成したことを特徴とする。
【0010】
(2)第2の手段のケースパッカは、前記第1の手段のケースパッカにおいて、前記グリッパで挟持された容器を相対的に下降させてプラスチックケースへ導入する際に、前記プラスチックケース側面の外方から内方に向けて出退する出退式プッシャーを設けて、出状態の前記出退式プッシャーのプラスチックケース側面プッシュにより前記プラスチックケースの位置規制をして、前記容器をプラスチックケースへ導入するように構成したことを特徴とする。
【0011】
(3)第3の手段のケースパッカは、前記第1の手段のケースパッカにおいて、前記出退式容器ガイドに加えて、前記プラスチックケース側面の外方から内方に向けて出退する出退式プッシャーを設けて、出状態の前記出退式プッシャーのプラスチックケース側面プッシュにより前記プラスチックケースの位置規制をするとともに、出状態の前記出退式容器ガイドの案内により容器の位置規制をして、前記容器をプラスチックケースへ導入するように構成したことを特徴とする。
【0012】
(4)第4の手段のケースパッカは、前記第1の手段のケースパッカにおいて、前記出退式容器ガイドを前記プラスチックケースの複数側面の開口部に設けたことを特徴とする。
【0013】
(5)第5の手段のケースパッカは、前記第2の手段のケースパッカにおいて、前記出退式プッシャーを前記プラスチックケースの複数側面部に設けたことを特徴とする。
【0014】
(6)第6の手段のケースパッカは、前記第3の手段のケースパッカにおいて、前記出退式容器ガイドまたは前記出退式プッシャーを前記プラスチックケースの複数側面部に設けたことを特徴とする。
【0015】
(7)第7の手段のケースパッカは、前記第1から第6の手段の何れか一つのケースパッカにおいて、前記容器を箱詰めしていない時には上昇し、前記容器を箱詰めする際には下降して前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部を側面方向位置規制する昇降式位置規制プレートを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1および4に係わる本発明は、プラスチックケースにグリッパで挟持された容器を導入して箱詰めするケースパッカにおいて、前記グリッパで挟持された容器を相対的に下降させてプラスチックケースへ導入する際に、前記プラスチックケース側面の開口部に該側面の外方から内方に向けて出退する出退式容器ガイドを設けて、出状態の前記出退式容器ガイドの案内により容器の位置規制をして、前記容器をプラスチックケースへ導入するように構成したことにより、容器をプラスチックケースの開口部下リブ等に干渉させることなく、プラスチックケースの分配枠の空間の隙間に円滑に導入して箱詰めできるという効果を有する。
また、前記出退式容器ガイドをプラスチックケースの複数側面の開口部に設けたことにより、プラスチックケースの形状状態等によって臨機応変に対応できるという効果を有する。
【0017】
請求項2および5に係わる本発明は、プラスチックケースにグリッパで挟持された容器を導入して箱詰めするケースパッカにおいて、前記グリッパで挟持された容器を相対的に下降させてプラスチックケースへ導入する際に、前記プラスチックケース側面の外方から内方に向けて出退する出退式プッシャーを設けて、出状態の前記出退式プッシャーのプラスチックケース側面プッシュにより前記プラスチックケースの位置規制をして、前記容器をプラスチックケースへ導入するように構成したことにより、容器とプラスチックケースの分配枠との間の隙間を適宜に位置規制でき、容器をプラスチックケースへ円滑に導入して箱詰めできるという効果を有する。
また、前記出退式プッシャーをプラスチックケースの複数側面部に設けたことにより、プラスチックケースの形状状態等によって臨機応変に対応できるという効果を有する。
【0018】
請求項3および6に係わる本発明は、請求項1に記載したケースパッカにおいて、前記出退式容器ガイドに加えて、前記プラスチックケース側面の外方から内方に向けて出退する出退式プッシャーを設けて、出状態の前記出退式プッシャーのプラスチックケース側面プッシュにより前記プラスチックケースの位置規制をするとともに、出状態の前記出退式容器ガイドの案内により容器の位置規制をして、前記容器をプラスチックケースへ導入するように構成したことにより、容器のプラスチックケースへの円滑な導入を確実に行うことができるとともに、プラスチックケースの湾曲変形量が大きくても対応できるという効果を有する。
また、前記出退式ガイドまたは前記出退式プッシャーをプラスチックケースの複数側面部に設けたことにより、プラスチックケースの形状状態等によって臨機応変に対応できるという効果を有する。
【0019】
請求項7に係わる本発明は、請求項1から6に記載したケースパッカにおいて、前記容器を箱詰めしていない時には上昇し、前記容器を箱詰めする際には下降して前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部を側面方向位置規制する昇降式位置規制プレートを設けたことにより、前記容器をプラスチックケースへ導入する際に、前記出状態の出退式プッシャーのプラスチックケース側面プッシュによる前記プラスチックケース側面の位置規制に加え、前記プラスチックケースの上面開口部の側面コーナ部も前記昇降式位置規制プレートによって側面方向位置規制されるので、前記プラスチックケースの位置規制がより確実になり、それに伴って前記出状態の出退式容器ガイドの案内による容器の位置規制も確実に行われるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施の形態に係わるケースパッカの正面図である。
図2図1のII矢視図であり、右90度に向きを変えた図である。
図3図2のIII−III断面図である。
図4】本発明の第2の実施の形態に係わるケースパッカで、図3に相当する図である。
図5】本発明の第3の実施の形態に係わるケースパッカで、図3図4に相当する図である。
図6】本発明の第4の実施の形態に係わるケースパッカで、図3図4図5に相当する図である。
図7】プラスチックケースを説明する図で、(a)はプラスチックケースの上面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(b)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明の側面とはプラスチックケースの底面に対する側面のことを表し、図の説明で便宜的に正面図、側面図で表す面は、双方とも本発明の側面に含まれる。
【0022】
(本発明の第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるケースパッカの正面図である。
図2は、図1のII矢視図であり、右90度に向きを変えた図である。
図3は、図2のIII−III断面図である。
図1から図3において、ケースパッカ1は、搬送装置11により図示しないガイドに案内されながら矢印FBの方向へ搬送されて所定数の容器Bが所定位置に整列されたことを図示しない容器センサーによって検出されると、図示しないストッパによって搬送装置11上の後続の容器Bの搬送が阻止されるとともに、複数個のグリッパ13を有するグリップヘッド12が前記所定数所定位置に整列された容器Bの上方位置への矢印F1のような横移動と矢印F2のような下降をして、グリッパ13が容器Bの頭部を挟持し、矢印F3のような上昇と箱Pの上方位置への矢印F4のような横移動をした後、先金16に容器Bの胴部を案内されながら矢印F5のような下降をして、グリッパ13が容器Bの頭部の挟持を解除することによって、容器Bを箱Pの分配枠Gの空間内に導入して箱詰めするように制御装置10により制御される構成となっている。
なお、グリッパ13は容器Bの頭部挟持解除後グリッパヘッド12とともに矢印F6のように上昇し、前記先金16は前記グリップヘッド12の矢印F5および矢印F6の昇降の際に、矢印F7のように昇降するようになっている。
【0023】
前記グリップヘッド12或いは複数個のグリッパ13は、容器Bの箱Pへの箱詰め位置に適合するように図示しない位置調整手段により予め位置調整ができるようになっている。
また、グリッパ13および先金16の詳細構造は、公知の実公昭58−37588号公報に記載されている構造と類似であり、本発明の限定技術ではないので、詳細説明は省略する。
【0024】
図1から図3において、箱Pは、ケースコンベヤ14によってガイド15およびガイド15aに案内されながら矢印FPの方向から搬送され、図示しないストッパによって所定位置に停止されて、前記グリッパ13に頭部を挟持された容器Bが下降して箱詰めされるようになっている。
なお、前記箱詰めされる箱Pの個数は1個の場合、2個以上の複数個の場合があるが、ここでは説明の便宜上1個の場合として説明する。
【0025】
箱詰め対象の箱Pの側面の開口部Wa近辺には、制御装置10からの指令により図示しないアクチュエータによって矢印Mと矢印Nの方向に出退する軸7に取付けられたプッシュプレート6が設けられており、さらに前記プッシュプレート6には容器ガイド5が設けられていて、前記容器ガイド5とプッシュプレート6の出退位置は予め設定されている。
【0026】
前記プッシュプレート6は、制御装置10からの指令により、図示二点鎖線で示すように容器Bを箱詰めする際には、図示二点鎖線で示す退避位置から図示実線で示す出状態位置に前出して箱詰め対象の箱Pの側面をプッシュして、箱Pをガイド15a側に押し付けて箱Pの矢印S方向の位置を規制し、それに伴って前記容器ガイド5も図示二点鎖線で示す退避位置から図示実線で示す出状態位置に前出して、前記プッシュプレート6による箱Pの位置規制後に下降してきた前記頭部挟持の容器Bが前記容器ガイド5により案内され、位置規制されて、グリッパ13による容器Bの挟持が解除されることによって、容器Bが分配枠Gの適度な隙間に案内されて導入されるように構成されている。
【0027】
また、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制する図2および図3に一点鎖線で示す昇降式位置規制プレート16cが、前記先金16に取付けられており、前記先金16の昇降とともに昇降するようになっている。
なお、前記プッシュプレート6によるプラスチックケースの位置規制が、図示しないアクチュエータのプッシュ作用により行われるので、前記昇降式位置規制プレート16cによるプラスチックケースの位置規制よりも優先して行われるようになっている。
【0028】
次に、本発明の第1の実施の形態のケースパッカ1の作用を説明する。
箱Pがケースコンベヤ14によって搬送される際、搬送を円滑にするために、箱Pの側面とガイド15およびガイド15aとの間に適宜の隙間が設けられており、何もしなければグリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが箱Pに箱詰めされる際に箱Pの位置規制がなされていないが、プッシュプレート6の作動によって箱Pの側面がガイド15aに押し付けられることによって、箱Pの矢印S方向の位置規制がなされ、また、グリッパ13によって頭部を挟持されて下降してきた容器Bが開口部Waにおいて出状態の容器ガイド5に案内されて、容器Bが位置規制されることにより、容器Bが開口部下リブRcに干渉することなく、分配枠Gの空間に適度な隙間で導入され、箱詰めされる。
【0029】
また、前記プッシュプレート6によるプラスチックケースの位置規制に加え、昇降式位置規制プレート16cが前記容器Bの箱詰めの際には下降して、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制するので、プラスチックケースの位置規制がより確実となり、前記出状態の出退式の容器ガイド5の案内による容器の位置規制が確実に行われる。
【0030】
このようにして、箱Pに側面等の変形がある場合でも、前記プッシュプレート6および昇降式位置規制プレート16cによる箱Pの位置規制と、前記容器ガイド5による容器案内の位置規制によって、図3に一点鎖線で示すように箱詰めされようとする容器Bが箱Pの分配枠Gの空間に適度な隙間で導入され、箱詰めすることができる。
【0031】
なお、前記説明では、容器ガイド5とプッシュプレート6を、開口部Waに設けた場合を説明したが、開口部Wbに設けてもよく、その技術思想は同様であるので、詳細内容の記載は省略する。
また、前記説明では、容器ガイド5とプッシュプレート6の高さ方向の位置関係を、ほぼ同じ高さ位置とした場合について説明したが、これに限定するものではなく、容器Bが開口部下リブRc、開口部下リブRd等に干渉しないようにする最適な高さでそれぞれが異なった高さ方向の位置関係としてもよい。
【0032】
さらに、図2および図3並びに前記説明では、昇降式位置規制プレート16cを複数箇所の側面コーナ部Cに設けた場合を説明したが、これに限定するものではなく、プラスチックケースの湾曲変形の度合い或いは容器Bの箱詰め状況によっては、前記昇降式位置規制プレート16cを設けないこととしてもよい。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態のケースパッカを図1および図4に基づいて説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係わるケースパッカで、図3に相当する図である。図4において、図3と同じ構造のものは同じ記号を付してあり、重複する説明は省略する。
なお、図1においては、本発明の第2の実施の形態に係わるケースパッカ2の記号を( )表示してある。
図1および図4において、ケースパッカ2は、箱詰め対象の箱Pの2箇所の側面の開口部Waに、制御装置10からの指令により図示しないアクチュエータによって矢印Mと矢印Nの方向に出退する軸7および軸7aに取付けられた容器ガイド5および容器ガイド5aが設けられており、本発明の第1の実施の形態で設けられていたプッシュプレート6は、本発明の第2の実施の形態では設けられていない。
前記容器ガイド5および容器ガイド5aは、制御装置10からの指令によって、グリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが箱詰めされない間は、図示二点鎖線で示す退避位置に退避し、前記容器Bを箱詰めする際には、図示実線で示す出状態位置に前出して、図示二点鎖線で示すように箱詰めされようとしている容器Bを案内して位置規制し、箱Pの分配枠Gの空間に適度な隙間で挿入できるように構成されている。
【0034】
また、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制する図4に一点鎖線で示す昇降式位置規制プレート16cが、前記先金16に取付けられており、前記先金16の昇降とともに昇降するようになっている。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態のケースパッカ2の作用を説明する。
箱Pの変形があまり大きくない場合、或いは、分配枠Gによる容器Bを収容する空間が適度に余裕をもっている場合等においては、出状態の容器ガイド5および容器ガイド5aによって図4に示す二点鎖線のように箱詰めされようとする容器Bが案内され、位置規制されて箱Pに導入され、開口部下リブRcに干渉することなく、容器Bが箱Pの分配枠Gの空間に適度な隙間で挿入される。
【0036】
また、昇降式位置規制プレート16cが前記容器Bの箱詰めの際には下降して前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制する。これにより前記出状態の出退式の容器ガイド5および容器ガイド5aの案内による容器の位置規制が確実に行われる。
【0037】
なお、前記説明では、容器ガイド5および容器ガイド5aを、開口部Waに設けた場合を説明したが、開口部Wbに設けてもよく、その技術思想は同様であるので、詳細内容の記載は省略する。
また、前記説明では、容器ガイド5および容器ガイド5aを箱Pの2箇所の側面に設ける場合を説明したが、容器ガイドは箱Pの1箇所の側面に設けるとしてもよく、箱Pの変形状態、分配枠Gと容器Bとの隙間の余裕状態によって、容器ガイドを設ける箇所の選定を適宜行ってよい。
【0038】
さらに、図4並びに前記説明では、昇降式位置規制プレート16cを複数箇所の側面コーナ部Cに設けた場合を説明したが、これに限定するものではなく、プラスチックケースの湾曲変形の度合い或いは容器Bの箱詰め状況によっては、前記昇降式位置規制プレート16cを設けないこととしてもよい。
【0039】
次に、本発明の第3の実施の形態を図1および図5に基づいて説明する。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係わるケースパッカで、図3図4に相当する図である。
図5において、図3図4と同じ構造のものは同じ記号を付してあり、重複する説明は省略する。
なお、図1においては、本発明の第3の実施の形態に係わるケースパッカ3の記号を( )表示してある。
図1および図5において、ケースパッカ3は、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と対比して、箱詰め対象の箱P3の側面の開口部Wa3および開口部Wb3の大きさが小さくて、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合の容器ガイド5または容器ガイド5aを設けることが困難な場合に、箱P3の側面に制御装置(図示省略)からの指令により図示しないアクチュエータによって矢印Mと矢印Nの方向に出退する軸7および軸7aに取付けられたプッシュプレート6およびプッシュプレート6aが設けられて、前記容器Bを箱詰めする際に、前記プッシュプレート6aが図示実線で示す出状態の位置に箱Pをプッシュして箱詰め対象の箱P3の側面を予め位置規制し、次いでプッシュプレート6のプッシュ作動によって箱P3の矢印S方向の位置規制をするようになっており、該プッシュプレート6による箱Pの位置規制後にグリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが下降して箱詰めされるようになっている。
【0040】
なお、前記プッシュプレート6aの箱Pを押し付ける力は、前記プッシュプレート6の箱Pを押し付ける力よりも大きくなっており、箱Pの図示S方向の位置規制は前記プッシュプレート6aの出状態位置になるように構成されている。
【0041】
また、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制する図5に一点鎖線で示す昇降式位置規制プレート16cが、前記先金16に取付けられており、前記先金16の昇降とともに昇降するようになっている。
なお、前記プッシュプレート6およびプッシュプレート6aによるプラスチックケースの位置規制が、図示しないアクチュエータのプッシュ作用により行われ、前記昇降式位置規制プレート16cによるプラスチックケースの位置規制よりも優先して行われるようになっている。
【0042】
次に、本発明の第3の実施の形態のケースパッカ3の作用を説明する。
グリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが、箱P3に箱詰めされる際に、箱P3の側面が出状態のプッシュプレート6およびプッシュプレート6aによって矢印S方向の位置規制がなされ、それに伴って箱P3の分配枠G3と容器Bとの隙間の位置規制がなされて、グリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが下降して挟持を解除されることにより、開口部下リブRc3に干渉することなく箱詰めされる。
箱P3の変形が大きい場合等においては、該変形の状況により、前記プッシュプレート6aの前出位置を適宜選定できて箱P3の位置規制の対応が容易である。
【0043】
また、前記プッシュプレート6およびプッシュプレート6aによるプラスチックケースの位置規制に加え、昇降式位置規制プレート16cが前記容器Bの箱詰めの際には下降して、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制するので、プラスチックケースの位置規制がより確実となる。
【0044】
なお、前記説明では、プッシュプレート6,6aを箱P3の2箇所の側面に設ける場合を説明したが、プッシュプレートは箱P3の1箇所の側面に設けて箱P3をガイド15またはガイド15aに押し付けてもよく、箱P3の変形状態、分配枠G3と容器Bとの隙間の状態によって、箱P3のプッシュプレートを設ける箇所の選定を適宜行ってもよい。
また、前記プッシュプレート6およびプッシュプレート6aの高さ方向の位置については、容器Bが箱Pに導入される際に開口部下リブRc等に干渉しないようにする最適な高さ位置を選定することができる。
【0045】
さらに、図5並びに前記説明では、昇降式位置規制プレート16cを複数箇所の側面コーナ部Cに設けた場合を説明したが、これに限定するものではなく、プラスチックケースの湾曲変形の度合い或いは容器Bの箱詰め状況によっては、前記昇降式位置規制プレート16cを設けないこととしてもよい。
【0046】
次に、本発明の第4の実施の形態を図1および図6に基づいて説明する。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係わるケースパッカで、図3図4図5に相当する図である。
図6において、図3図4図5と同じ構造のものは同じ記号を付してあり、重複する説明は省略する。
なお、図1においては、本発明の第4の実施の形態に係わるケースパッカ4の記号を( )表示してある。
図1および図6において、ケースパッカ4は、箱詰め対象の箱Pのガイド15側の側面の開口部Wa側に、制御装置10からの指令により図示しないアクチュエータによって矢印Mと矢印Nの方向に出退する軸7に取付けられたプッシュプレート6が設けられており、さらに前記プッシュプレート6には容器ガイド5が設けられている。
また、箱詰め対象の箱Pのガイド15a側の側面の開口部Wa側には、制御装置10からの指令により図示しないアクチュエータによって矢印Mと矢印Nの方向に出退する軸7aに取付けられたプッシュプレート6aが設けられており、さらに前記プッシュプレート6aには容器ガイド5aが設けられている。
【0047】
前記容器Bを箱詰めする際には、前記プッシュプレート6aが図示実線で示す出状態位置に前出して箱詰め対象の箱Pの側面を予め位置決めし、次いで、前記プッシュプレート6が図示実線で示す出状態位置に前出して箱詰め対象の箱Pの側面をプッシュして、箱Pの矢印S方向の位置規制をするようになっており、該プッシュプレート6による箱Pの位置規制後にグリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが下降されるようになっている。
なお、前記プッシュプレート6aの箱Pを押し付ける力は、前記プッシュプレート6の箱Pを押し付ける力よりも大きくなっており、箱Pの図示S方向の位置規制は前記プッシュプレート6aの出状態位置になるように構成されている。
【0048】
前記容器ガイド5および容器ガイド5aは、制御装置10からの指令によって、それぞれグリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが箱詰めされない間は、図示二点鎖線で示す退避位置に退避し、前記容器Bを箱詰めする際には、図示実線で示す出状態位置に前出して箱詰めされようとしている容器Bを案内して位置規制し、容器Bを分配枠Gの適度な隙間に導入できるように構成されている。
【0049】
また、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制する図6に一点鎖線で示す昇降式位置規制プレート16cが、前記先金16に取付けられており、前記先金16の昇降とともに昇降するようになっている。
なお、前記プッシュプレート6およびプッシュプレート6aによるプラスチックケースの位置規制が、図示しないアクチュエータのプッシュ作用により行われ、前記昇降式位置規制プレート16cによるプラスチックケースの位置規制よりも優先して行われるようになっている。
【0050】
次に、本発明の第4の実施の形態のケースパッカ4の作用を説明する。
グリッパ13によって頭部を挟持された容器Bが、箱Pに箱詰めされる際に、箱Pの側面が出状態のプッシュプレート6aおよびプッシュプレート6によって矢印S方向の位置規制がなされ、次いで、容器ガイド5および容器ガイド5aによって容器Bが案内され、位置規制されて、図6に示す一点鎖線のように箱詰めされようとする容器Bが箱Pの分配枠Gの空間に適度な隙間で導入され、開口部下リブRcに干渉することなく、箱詰めされる。なお、箱Pの変形が大きい場合等においては、該変形の状況により前記プッシュプレート6aの前出位置を適宜選定できて箱Pの位置規制の対応が容易である。
【0051】
また、前記プッシュプレート6およびプッシュプレート6aによるプラスチックケースの位置規制に加え、昇降式位置規制プレート16cが前記容器Bの箱詰めの際には下降して、前記プラスチックケースの上面開口部を形成する枠の側面コーナ部Cを側面方向位置規制するので、プラスチックケースの位置規制がより確実となり、前記出状態の出退式の容器ガイド5および容器ガイド5aの案内による容器の位置規制が確実に行われる。
【0052】
このようにして、箱Pに側面等の変形がある場合でも、前記プッシュプレート6およびプッシュプレート6a並びに昇降式位置規制プレート16cによる箱Pの位置規制と、前記容器ガイド5および容器ガイド5aによる容器案内の位置規制によって、図6に二点鎖線で示すように箱詰めされようとする容器Bが箱Pの分配枠Gの空間に適度な隙間で導入され、箱詰めすることができる。
【0053】
なお、前記説明では、容器ガイド5および容器ガイド5aとプッシュプレート6およびプッシュプレート6aを、開口部Wa側に設けた場合を説明したが、開口部Wb側に設けてもよく、その技術思想は同様であるので、詳細内容の記載は省略する。
また、前記説明では、容器ガイド5および容器ガイド5aとプッシュプレート6およびプッシュプレート6aの高さ方向の位置関係を、ほぼ同じ高さ位置とした場合について説明したが、これに限定するものではなく、容器Bが開口部下リブRc、開口部下リブRd等に干渉しないようにする最適な高さでそれぞれが異なった高さ方向の位置関係を選択することができる。
【0054】
さらに、図6並びに前記説明では、昇降式位置規制プレート16cを複数箇所の側面コーナ部Cに設けた場合を説明したが、これに限定するものではなく、プラスチックケースの湾曲変形の度合い或いは容器Bの箱詰め状況によっては、前記昇降式位置規制プレート16cを設けないこととしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1,2,3,4 ケースパッカ
5,5a 容器ガイド
6,6a プッシュプレート
7,7a 軸
10 制御装置
12 グリップヘッド
13 グリッパ
14 ケースコンベヤ
15,15a (ケースコンベヤ14の)ガイド
16c (昇降式)位置規制プレート
B 容器
P,P3 (P)箱
G,G3 (箱P、箱P3の)分配枠
Rc,Rd,Rc3 (箱P、箱P3の)開口部下リブ
Wa,Wb,Wa3,Wb3 (箱P、箱P3の)開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7