【実施例1】
【0030】
本発明に係る充填装置の実施例について、本願明細書に添付された図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る充填装置1の概略構成を示す図である。充填装置1は、圧縮性流体としての物性を有するアイスクリーム類の冷菓(以下、単に「アイスクリーム」と称する)を、当該装置による容器への充填対象物とする。アイスクリームは、乳脂肪及び無脂乳固形分の含量により、更にアイスクリーム、アイスミルク、及びラクトアイスに分類され、個別的には様々な方法によって製造されるが、一般には、乳脂肪、植物性油脂、又はこれらを混合した油脂3〜20%、無脂乳固形分3〜12%、糖類8〜20%、その他必要に応じ少量の安定剤、乳化剤、色素、香料等を含む殺菌した冷菓原料に、オーバーランを10〜150%に調整しながら連続式フリーザーで空気を吹き込み、凍結し、容器に充填し、硬化して製造される。そのため、製造されたアイスクリームは、容器に充填される前は、流動性物質ではあるものの、微視的に見れば油脂の粒、気泡、氷晶等が混在している含気泡性の流動性物質である。このように流動性物質でありながら、その内部に比較的多くの気泡を有する含気泡性の流動性物質は、その気泡が外部からの圧力や外部の温度等によって膨張、圧縮しやすいため、圧縮性流体としての物性を示す流体である。
【0031】
図1に示す充填装置1は、このような圧縮性流体であるアイスクリームを、容器に振り
分け充填するための装置であり、振り分け充填の対象となるアイスクリームがタンク2に貯留されている。なお、タンク2は、図示しないフリーザーを介して製造されたアイスクリームを一時的に貯留するものであってもよく、また、フリーザーに供給するための原材料を貯留するものであってもよい。なお、後者の場合、貯留されている原材料が図示しないフリーザーに供給されて、その後、後述する定量ポンプ3によって圧送され、振り分け充填されることになる。
【0032】
充填装置1においては、タンク2から、アイスクリームが充填される容器までの充填ラインは、第一充填流路4と、第二充填流路5で構成されている。第一充填流路4は、タンク2の放出口に位置する始点41から終点42まで延出する一本の流路であり、その途中にアイスクリームを圧送するための定量ポンプ3が配置されている。定量ポンプ3は、ポンプの駆動速度に応じて、流動性物質を一定流量で圧送可能な圧送装置である。第一充填流路4の終点42においては、第二充填流路5が接続されている。第二充填流路5は、複数の枝管5a、5b、5cを有しており、各枝管が、第一充填流路4と第二充填流路5の連結点(すなわち、第一充填流路4の終点42)から下流側に向かって分岐して形成される。本実施例においては、第二充填流路5における枝管は3本に設定され、各枝管および該枝管に対応するように設置又は配置されている構造物については、その参照番号にa、b、cを付している。
【0033】
具体的には、第二充填流路5に含まれる3本の枝管5a、5b、5cのそれぞれには、そこを流れるアイスクリームの流量を、内部に有するバタフライバルブの開度を変更することで調節可能な調節弁6a、6b、6cが設けられている。これらの調節弁のバタフライバルブ61は、
図2に示すようにそのバルブ径D1が、従来技術に係るバタフライバルブ62のバルブ径D2より小さく形成されている。そのため、従来技術においては、バタフライバルブ62が全閉状態となると枝管における開度がほぼ0%となるが、本願発明に係る充填装置1の枝管においては、仮にバタフライバルブ61が全閉状態となっても従来のバタフライバルブ62より小さいことから、枝管は完全に閉塞した状態にはならない。これにより、調節弁の制御性が向上される。
【0034】
更に、各枝管において、調節弁6a、6b、6cの下流側に開閉弁ユニット7が配置されている。開閉弁ユニット7は、各枝管のアイスクリームの流れを遮断、もしくは流通させるための開閉弁を、それぞれの枝管に対応して有しており、且つ、それら全ての開閉弁が完全に同期して開閉するように構成されている。そして、開閉弁ユニット7の下流側の各枝管の端部には、圧送されてきたアイスクリームが、各枝管に対応して配列された容器8a、8b、8cに充填するための充填口が形成されている。
【0035】
ここで、充填装置1においては、定量ポンプ3による圧送とともに各枝管から開閉弁ユニット7での弁開閉により、アイスクリームが容器8a、8b、8cに同時に充填される。そして、アイスクリームが充填された後の容器8a’、8b’、8c’は、充填位置(すなわち、各枝管の充填口の直下の位置)から、図示しない搬送手段であるベルトコンベアで所定量移送された位置であって、いずれの充填位置にも干渉しない計測位置において、各容器内に充填されたアイスクリームの充填量が計測される。本実施例においては、計測位置に配置された、質量計測手段であるロードセル9a、9b、9cによって、アイスクリームの充填量(充填されたアイスクリームを含む容器の質量から既知の容器の質量を減算した値)が計測される。なお、ロードセル9a、9b、9cによって充填量が計測されたアイスクリームは、ベルトコンベヤによって更に下流側に移送され、所定の冷蔵処理等が施される。
【0036】
そして、充填装置1には、制御装置10が併設されており、該制御装置10は、定量ポンプ3、調節弁6a、6b、6c、開閉弁ユニット7、ロードセル9a、9b、9cと電
気的に接続されている。これにより、各ロードセルによって計測されたアイスクリームの充填量が制御装置10に引き渡され、その内部のメモリに格納される。また、定量ポンプ3の駆動速度や、調節弁6a、6b、6cにおけるバタフライバルブの開度が、制御装置10からの指示に従って制御され、また、開閉弁ユニット7の開弁および閉弁の状態も制御装置10からの指示に従って制御される。
【0037】
このように構成される充填装置1では、タンク2に貯留されているアイスクリームが、先ずは第一充填流路4を経て、その後、第二充填流路5が有する3つの枝管5a、5b、5cによって振り分けられたのち、各枝管の充填口から各容器へ充填されることで、いわゆる振り分け充填が行われる。なお、充填装置1においては、容器に充填されるアイスクリームの充填量が、所定の下限値および所定の上限値で画定される所定の充填量範囲に属するように、各枝管から容器への充填が行われる。
【0038】
ここで、この振り分け充填の対象となるアイスクリームは、その内部に比較的多くの気泡を有し、圧縮性流体の物性を有する含気泡性流体である。そのため、定量ポンプ3による加圧でアイスクリーム内の気泡が圧縮されたり、又は充填装置1の外部の温度変化(例えば、充填装置1が設置される空間内の空調による温度変化)によりアイスクリーム内の気泡が圧縮、膨張されたりすることで、流路内でのアイスクリームの挙動は変動しやすい。その結果、仮に定量ポンプ3の圧送能力が一定であり、また各枝管の構造(例えば、流路内の面積や流路長さ等)を全て統一したとしても、アイスクリームが含気泡性流体であることに起因して、必ずしも各枝管におけるアイスクリームの流れの挙動は同じにはならず、また常に変動し得るものでもある。
【0039】
一方で、充填装置1では、3つの枝管5a、5b、5cからの振り分け充填を行うことで、アイスクリームの容器への充填効率の向上が図られており、このとき、各容器へのアイスクリームの充填量が、所定の充填範囲(下限値をLg、上限値をUgとする範囲)に属するように充填される。しかしながら、上記の通り、アイスクリームが含気泡性流体であることに起因して各枝管からの充填量においてばらつきが生じやすく、振り分け充填を効率的に行うことが容易ではない。そこで、充填装置1においては、アイスクリームを振り分け充填するにあたり、
図3に示す振り分け充填制御を行い、効率的なアイスクリームの振り分け充填の実現を図る。なお、当該制御は、制御装置10に格納された制御プログラムが実行されることで、行われる。
【0040】
先ず、S101では、各枝管における容器へのアイスクリームの充填量Mnが、各枝管に対応したロードセルによって計測され、その計測値が制御装置10へ引き渡される。具体的には、枝管5aから容器8aに充填されたアイスクリームの充填量はロードセル9aによって計測され、枝管5bから容器8bに充填されたアイスクリームの充填量はロードセル9bによって計測され、枝管5cから容器8cに充填されたアイスクリームの充填量はロードセル9cによって計測される。そして、計測された各枝管に対応する充填量Mnは、充填されたタイミング(
図1に示す充填装置では、開閉弁ユニット7により、3つの枝管からの充填タイミングは同じである点に留意する)の情報とともに、対応する枝管に関する情報と併せて、制御装置10内のメモリに記憶される。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
【0041】
S102では、S101で計測された充填量Mnの平均値Maveが算出される。詳細には、当該平均値Maveは、直近のタイミングにおいて3つの枝管5a、5b、5cから充填されたアイスクリームの充填量の単純平均である。また、これに代えて、直近のタイミングを含む、複数のタイミングでの3つの枝管5a、5b、5cからの充填量の単純平均を採用してもよい。また、このように複数のタイミングにわたる充填量の平均値を算出する場合には、単純平均に代えて、タイミング間の重みを異ならせて加重平均を採って
もよい。このように加重平均を採る場合には、直近のタイミングにおける充填量の重みを最も大きく設定するのが好ましい。S102の処理が終了すると、S103へ進む。
【0042】
S103では、S101において直近のタイミングで計測された充填量MnとS102で算出された平均値Maveに基づき下記の式1に従って、各枝管に対応する充填差分量ΔMが算出される。
ΔM = Mn−Mave ・・・(式1)
平均値Maveは、上記の通り3つの枝管5a、5b、5cからの充填量の平均値であるとともに、当該平均値の基礎となる充填量は、流路等を流れている状態のアイスクリームに関する量ではなく、容器に充填された後のアイスクリームの充填量である。そのため、充填量Mnと平均値Maveの差分として定義される充填差分量ΔMは、アイスクリームが含気泡性流体であることに起因する挙動の不安定さの影響を可及的に排除したうえで算出された、枝管間の充填量のばらつきを意味することになる。そして、充填差分量ΔMを利用して下記のS104以降の処理を行うことで、好適な振り分け充填を実現することが可能となる。
【0043】
なお、以下に説明するS104〜S109の処理は、枝管5a、5b、5cのそれぞれに対して行う処理であるが、説明を簡便にするために、一つの枝管(例えば、枝管5a)について例示的に言及することとする。
【0044】
S104では、S103で算出された枝管5aに対応する充填差分量ΔMが、第一閾値MH(MH>0)より大きいか否かが判定される。この第一閾値MHは、枝管間の充填量のばらつきを意味する充填差分量ΔMが、上記平均値Maveより大きくなり過ぎることで、そのばらつきが顕著な状態となっていることを判断するための基準値である。したがって、S104で肯定判定されると、枝管5aからの充填量が過多となることでばらつきが顕著となることを意味し、以て後述するS105に示す調節弁6aの開度調節が行われる。
【0045】
一方で、S104で否定判定されると、次にS106へ進み、そこで、上記充填差分量ΔMが、第二閾値ML(ML<0)より小さいか否かが判定される。この第二閾値MLは、充填差分量ΔMが上記平均値Maveより小さくなり過ぎることで、そのばらつきが顕著な状態となっていることを判断するための基準値である。したがって、S106で肯定判定されると、枝管5aからの充填量が過少となることでばらつきが顕著となることを意味し、以て後述するS107に示す調節弁6aの開度調節が行われる。なお、S106で否定判定されると、S108へと処理は進み、そこでは、枝管5aに設けられた調節弁6aの開度は現状のまま維持される。
【0046】
ここで、S105およびS107での調節弁6aの開度調節について、
図4に基づいて説明する。
図4は、充填差分量ΔMに基づいた調節弁の開度の調節量を設定するための、制御装置10に設けられた入力画面を表している。
図4に示す上側が、充填差分量ΔMが正の値である場合の調節量、すなわち、S105の処理に利用される調節量の設定画面であり、
図4に示す下側が、充填差分量ΔMが負の値である場合の調節量、すなわち、S107の処理に利用される調節量の設定画面である。このように、本実施例に係るS105およびS107の処理では、充填差分量ΔMの値に応じて、調節弁6aの開度の調節量が調節される。例えば、充填差分量ΔMの値が+3.0である場合は、S105の処理において調節弁6aの開度は、2%閉側に開度調節され、充填差分量ΔMの値が−12.0である場合は、S107の処理において調節弁6aの開度は、5%開側に開度調節される。なお本実施例における調節弁6a、6b、6cの開度は、全開を100%開度とし、全閉を0%開度とする。
【0047】
図4からも理解できるように、調節弁6aの開度調節は、充填差分量ΔMが+1.0より大きい場合に行われ、又は充填差分量ΔMが−1.0より小さい場合に行われることになる。したがって、
図3に示す振り分け充填制御における第一閾値MHは、+1.0であり、第二閾値MLは、−1.0である。換言すれば、充填差分量ΔMが−1.0〜+1.0の間は、枝管間の充填量のばらつきは正常とされ、この場合にはS108の処理が行われる。そして、
図4に示す入力画面を介して、充填差分量ΔMと開度の調節量との相関を適宜設定することで、
図3に示す振り分け充填制御を調整(チューニング)することができる。
【0048】
また、繰り返しにはなるが、
図3に示す振り分け充填制御のS104以降の処理は、枝管5a、5b、5cのそれぞれに対応して、
図4に示す充填差分量ΔMと開度の調節量との相関に従って、調節弁6a、6b、6cの開度調節を行うものである。そして、S105、S107、S108の処理が終了すると、再びS101の処理が繰り返される。
【0049】
このような
図3に示す振り分け充填制御によれば、第二充填流路5を形成する3つの枝管5a、5b、5cにそれぞれ設けられた調節弁6a、6b、6cの開度は、各枝管から容器に充填されたアイスクリームの充填量から算出される、各枝管に対応する充填差分量ΔMに応じて調節される。上記の通り、充填差分量ΔMは、アイスクリームが含気泡性流体であることに起因する不安定さの影響を可及的に排除した、枝管間のばらつきを示すパラメータであるから、上記振り分け充填制御によれば、含気泡性流体のアイスクリームを安定して振り分け充填することが可能となる。
【0050】
ここで、本実施例に係る充填装置1を試作し、
図3に示す振り分け充填制御の試験を実行した。試作における充填装置1の代表的な仕様、および試験条件は以下の通りである。
[充填装置1の仕様]
試作に係る充填装置1において、第一充填流路4の直径はφ47.8mm、第二充填流路5の各枝管の直径はφ35.7mmである。また、3つの枝管のうち、枝管5aと枝管5cは、枝管5bと比べて15%、流路が長い。
また、調節弁6a、6b、6c内のバタフライバルブは、全て同じ形状であって、
図2に示した通り、市販(従来技術)のバタフライバルブの直径を約20%切除し、φ28.0mmとなっている。したがって、バタフライバルブが全閉状態となった場合でも、枝管の断面において、約27%の面積が非遮断状態となる。
[試験条件]
貯留タンクにアイスクリームを貯留し、3つの枝管5a、5b、5cに流し、開閉弁ユニット7の開閉動作に従い充填を行った。なお、充填される容器は、150mlの紙製容器であり、アイスクリームを容器3個に同時に充填した。
【0051】
[試験結果]
図5および
図6に、上記試験の結果を示す。
図5は、上記試作機において
図3に示す振り分け充填制御が実行されたときの、充填差分量ΔMの推移を示す図であり、図中の線L1aは枝管5aにおける充填差分量ΔMの推移を表し、線L1bは枝管5bにおける充填差分量ΔMの推移を表し、線L1cは枝管5cにおける充填差分量ΔMの推移を表している。また、
図6は、その際の各調節弁の開度の推移を示す図であり、線L2aは調節弁6aの開度の推移を表し、線L2bは調節弁6bの開度の推移を表し、線L2cは調節弁6cの開度の推移を表している。なお、
図5および
図6の横軸の時間のスケールは、同じである。
【0052】
これらから理解できるように、充填当初においては、各調節弁の開度は同じように70%程度であるにもかかわらず、各枝管での充填差分量ΔMには、大きなばらつきが存在する。このように、調節弁の開度が同じであっても各枝管でのアイスクリームの挙動が大き
く異なるのは、アイスクリームが含気泡性流体であることに依るところが大きい。しかしながら、その後時間の経過とともに、すなわち、
図3に示す振り分け充填制御が繰り返し実行されることにより、充填差分量ΔMのばらつきは速やかに収束し、そして、充填差分量ΔMのばらつきが小さい状態が安定的に継続している。なお、このように充填差分量ΔMのばらつきが小さく安定している状態(たとえば、
図5、
図6中のタイミングT1のとき)では、各枝管における調節弁の開度は、同じ、もしくは近似している開度ではなく、互いにかけ離れている。これも、アイスクリームが含気泡性流体であることに依るところが大きく、故に、本願発明に係る充填装置1および充填装置1で行われるアイスクリームの充填方法が有用であることを示すものである。
【0053】
<変形例>
上記実施例では、充填装置1は、容器へのアイスクリームの充填量が、所定の充填量範囲に属するように、そして、枝管間の充填量のばらつきが可及的に少なくなるように、振り分け充填を行うものである。ここで、枝管間の充填量のばらつきが抑制された状態で安定した場合でも、そのときの充填量が、所定の充填量範囲の上限値もしくは下限値に近い場合には、何らかの要因で充填量が一時的に変動すると、所定の充填量範囲から外れた充填が行われるおそれがある。そのため、枝管間の充填量のばらつきが抑制された安定状態においても、充填量が不意に一時的に変動しても所定の充填量範囲から逸脱しにくい充填が行われているのが好ましい。
【0054】
そこで、当該安定状態での充填量が所定の充填量範囲の中央値となるように、当該所定の充填量範囲に対して、その中央値((Lg+Ug)/2)がアイスクリームの充填の基準となる基準目標量Mstdとして設定される。そして、上記実施例での充填差分量ΔMに基づいた調節弁の開度調節に加えて、定量ポンプ3による圧送量に関連するパラメータを調節することで、当該安定状態での充填量が基準目標量Mstdとなるように制御される。
【0055】
具体的には、S105、S107、S108の何れかの処理が終了すると、S102で算出された平均値Maveと基準目標量Mstdとの比較が行われる。そして、平均値Maveが基準目標量Mstdから乖離している場合には、その乖離量に基づいて、定量ポンプ3の圧送量に関するパラメータ(たとえば、単位時間当たりの圧送量等)が調整される。一例としては、平均値Maveが基準目標量Mstdより大きい場合には、第一充填流路4を流れるアイスクリームの流量が、その乖離量に応じて減少するように、制御装置10により定量ポンプ3の調整が行われる。これにより、各枝管での充填量を基準目標量Mstdに近づけることができる。
【実施例2】
【0056】
本発明に係る充填装置1において実行される振り分け充填制御の第二の実施例について、
図7に基づいて説明する。なお、
図7に示す振り分け充填制御に含まれる処理のうち、
図3に示す振り分け充填制御に含まれる処理と同じ処理については、同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。ここで、
図7に示す制御では、S105又はS107の処理が終了すると、S201へ進む。
【0057】
S201では、3つの枝管5a、5b、5cに対応する全ての調節弁6a、6b、6cの開度が、所定の開度Vt以下であるか否かが判定される。充填装置1においては上記振り分け充填制御により、各枝管に対応する充填差分量ΔMに基づいて、その枝管に設けられた調節弁の開度が調整されるが、その結果、全ての枝管5a、5b、5cにおいて調節弁6a、6b、6cの開度が小さくなると、すなわち閉側寄りの開度となると、第一充填流路4および第二充填流路5内の圧力が上昇し、圧力損失が大きくなるおそれがある。そこで、本実施例においては、枝管における圧力損失が過度に大きいと判断される調節弁6
a、6b、6cの開度の閾値を、上記所定の開度Vtと設定する。したがって、S201では、調節弁6a、6b、6cの開度に基づいて、全枝管での圧力損失が過度に大きくなるか否かが判定されることになる。S201で肯定判定されるとS202へ進み、否定判定されると本制御がS101から再び繰り返される。
【0058】
そして、S201で肯定判定された後、S202では、全ての調節弁6a、6b、6cの開度を、強制的に、換言すれば、充填差分量ΔMの値にかかわらず開側に調節する。具体的には、各枝管での圧力損失の過度な上昇を軽減するのに十分な程度に、もしくは、圧力損失の過度な上昇を停止させるのに十分な程度に、全ての調節弁6a、6b、6cの開度を所定量だけ開く。S202の処理が終了すると、本制御がS101から再び繰り返される。
【0059】
ここで、
図8に、
図7に示す振り分け充填制御が行われた際の各調節弁の開度の推移を示す。なお、当該制御が行われた際の充填装置1の仕様および試験条件については、上記の実施例に示した通りである。なお、
図8に示す線L3aは調節弁6aの開度の推移を表し、線L3bは調節弁6bの開度の推移を表し、線L3cは調節弁6cの開度の推移を表している。そして、
図8に示す実施例では、所定の開度Vtは、70%の開度に設定されており、そのため、全調節弁の開度が70%の開度以下となったタイミングT2の時点で、S201の肯定判定に基づきS202の処理が実行される。
【0060】
その結果、タイミングT2の直後には、3つの調節弁6a、6b、6cの開度が70%を超え、更に、その後3つのうち調節弁6cの開度は、70%超の状態が継続され、全枝管における圧力損失の過度な上昇が回避されたことが理解できる。