【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による第1の特徴構成は、一対のダクト側板を備えたダクト本体の複数個がダクト配設経路に沿って連結配置されている長尺体用化粧ダクトの連結構造であって、
隣接する前記両ダクト本体のダクト側板の端部側には、当該両ダクト本体が設定連結状態にあるときに重合する重合連結部が設けられ、この両ダクト本体の重合連結部には、当該両ダクト本体がダクト長手方向から設定連結状態に接続操作されたときに係合して両ダクト本体の相対離脱移動を阻止する係合手段が設けられているとともに、前記係合状態にある両ダクト本体の重合連結部同士を締付け固定する締結手段が設けられている点にある。
【0008】
上記構成によれば、両ダクト本体をダクト長手方向から設定連結状態に接続操作したとき、両ダクト本体のダクト側板の端部側に設けた重合連結部が重合するとともに、この重合連結部に設けられた係合手段が係合して、両ダクト本体の相対離脱移動が阻止された仮止め状態となる。
【0009】
そのため、例えば、架台等に載置されている先付けのダクト本体に対して後付けのダクト本体の配設姿勢を修正する際に、後付け側のダクト本体を動かしても、この後付け側のダクト本体が先付け側のダクト本体から抜け出して架台等から脱落することもない。
【0010】
しかも、両ダクト本体の重合連結部同士を締結手段で締付け固定する場合、この重合連結部に設けられた係合手段の係合によって設定連結状態に略維持されているため、締結手段による締付け固定操作を容易に行うことができるとともに、係合手段の係合力と締結手段による締付け力とによって、両ダクト本体の重合連結部同士を強固に連結することができる。
【0011】
したがって、ジョイント板を用いる従来の連結構造に比して連結部品点数及び組付け工数を低減することができるので、ダクト連結構造の簡素化と製造コストの低廉化とを図ることができる。しかも、先付け側のダクト本体に対する後付け側のダクト本体の配設姿勢の調整操作及び固定連結操作も能率良く容易に行うことができるとともに、両ダクト本体の重合連結部同士を強固に連結することができる。
【0012】
本発明による第2の特徴構成は、前記重合連結部が、前記ダクト本体の両ダクト側板におけるダクト長手方向両側の各端部をもって構成され、且つ、連結対象の他のダクト本体の両ダクト側板におけるダクト長手方向の一端部に対して、ダクト側板の弾性変形によりダクト長手方向から重合状態で嵌合接続可能に構成されている点にある。
【0013】
本発明による第3の特徴構成は、前記ダクト側板の弾性変形が、外方側に位置するダクト側板又は内方側に位置するダクト側板若しくは内外両方のダクト側板の弾性変形である点にある。
【0014】
また、前記両ダクト本体の重合連結部が、当該重合連結部の弾性変形で重合状態に接続可能に構成されているとともに、前記係合手段には、接続時に弾性変形した重合連結部の弾性復元変形を係合深さが深くなる方向で許容する弾性復元許容手段が設けられていてもよい。
【0015】
上記構成によれば、前記両ダクト本体の重合連結部を、一方又は両方の重合連結部の弾性変形を利用して重合状態に接続することができるから、その重合接続によって後付け側のダクト本体の配設姿勢を略設定配設姿勢又はそれに近い姿勢に修正することができるとともに、両ダクト本体が設定連結状態に接続操作されたときには、係合手段に設けた弾性復元許容手段により、接続時に弾性変形した重合連結部の弾性復元力を利用して係合手段による係合深さを深くすることができる。
【0016】
本発明による第4の特徴構成は、前記係合手段が、ダクト側板の上端部に形成された上側フランジのうち、前記重合連結部に対応する部位に、連結対象の他のダクト側板の上側フランジに形成された係合凹部に上方から係合可能な係合部と、連結対象の他のダクト側板の上側フランジに形成された係合部が上方から係合可能な係合凹部とを形成して構成されている点にある。
【0017】
上記構成によれば、係合手段を構成するにあたっても、ダクト側板の上側フランジにおける重合連結部に対応する部位に係合部と係合凹部とを形成するだけで済むから、ダクト連結構造の簡素化と製造コストの低廉化とを促進することができる。
【0018】
しかも、外方側のダクト本体におけるダクト側板の上側フランジに形成されている係合部を、内方側のダクト本体におけるダクト側板の上側フランジに形成されている係合凹部に対して上方から係合させることにより、外方側のダクト本体の荷重を内方側のダクト本体のダクト側板に受止め支持させることができるから、外方側のダクト本体のダクト側板が下方に滑り落ちることを防止することができる。
【0019】
特に、第2の特徴構成を備えている場合では、接続時に弾性変形した重合連結部の弾性復元力を利用して、外方側のダクト本体の係合部を内方側のダクト本体の係合凹部に対して係合深さが深くなる状態で係合させることができるので、接続された両ダクト本体に離脱方向の外力が作用しても、一方のダクト本体の係合部と他方のダクト本体の係合凹部とがダクト長手方向から確実に係合することになり、嵌合接続された両ダクト本体の離脱阻止機能を向上することができる。
【0020】
また、前記係合部が、前記上側フランジの幅よりも小なる突出寸法に構成されていてもよい。
【0021】
上記構成によれば、前記係合部が、前記上側フランジの幅と同一又はそれに近い突出寸法に構成されている場合に比して、係合部の折曲がり変形を抑制することができるから、この係合部の折れ曲がり変形に起因する引っ掛かりが少なくなり、両ダクト本体のダクト長手方向からの接続操作を容易に行うことができる。
尚、前記係合部が、前記上側フランジの幅と同一又はそれに近い突出寸法に構成されている場合には、その突出寸法の長い分だけダクト側板が側方に移動しても脱落し難くなるメリットがある。
【0022】
また、前記係合凹部のダクト長手方向での寸法が、前記係合部のダクト長手方向での寸法よりも大に構成され、この係合凹部と係合部との寸法差をもって、前記係合手段で係合された両ダクト本体のダクト長手方向での相対移動を一定範囲内で許容する融通が構成されていてもよい。
【0023】
上記構成によれば、ダクト配設長さを微調整する必要が発生した場合でも、係合凹部と係合部との寸法差をもって構成される融通の範囲内で両ダクト本体をダクト長手方向で伸縮操作することにより対応することができる。
【0024】
しかも、係合凹部のダクト長手方向での寸法を、係合部のダクト長手方向での寸法よりも大に構成するだけであるから、ダクト連結構造の簡素化と製造コストの低廉化とを促進することができる。
【0025】
本発明による第5の特徴構成は、一対のダクト側板を備えたダクト本体に、それの上部開口を覆う天蓋が脱着自在に装着されている長尺体用化粧ダクトであって、
前記ダクト本体の両ダクト側板の端部側に、設定連結状態にある他のダクト本体の両ダクト側板の端部側と重合する重合連結部が設けられ、この重合連結部には、他のダクト本体がダクト長手方向から設定連結状態に接続操作されたときに係合して両ダクト本体の相対離脱移動を阻止する係合手段と、前記係合状態にある両ダクト本体の重合連結部同士を締付け固定する締結手段に対する取付け部とが設けられている点にある。
【0026】
上記構成によれば、例えば、先付け側のダクト本体に対して後付け側のダクト本体をダクト長手方向から設定連結状態に接続操作したとき、両ダクト本体のダクト側板の端部側に設けた重合連結部が重合するとともに、この重合連結部に設けられた係合手段が係合して、両ダクト本体の相対離脱移動が阻止された仮止め状態となる。
【0027】
そのため、架台等に載置されている先付けのダクト本体に対して後付けのダクト本体の配設姿勢を修正する際に、後付け側のダクト本体を動かしても、この後付け側のダクト本体が先付け側のダクト本体から抜け出して架台等から脱落することもない。
【0028】
しかも、両ダクト本体の重合連結部同士を締結手段で締付け固定する場合、この重合連結部に設けられた係合手段の係合によって設定連結状態に略維持されているため、締結手段による締付け固定操作を容易に行うことができるとともに、係合手段の係合力と締結手段による締付け力とによって、両ダクト本体の重合連結部同士を強固に連結することができる。
【0029】
したがって、ジョイント板を用いる従来の連結構造に比して連結部品点数及び組付け工数を低減することができるので、ダクト連結構造の簡素化と製造コストの低廉化とを図ることができる。しかも、先付け側のダクト本体に対する後付け側のダクト本体の配設姿勢の調整操作及び固定連結操作も能率良く容易に行うことができるとともに、両ダクト本体の重合連結部同士を強固に連結することができる。
【0030】
また、前記係合手段に、当該係合手段で係合された両ダクト本体のダクト長手方向での相対移動を一定範囲内で許容する融通が設けられていてもよい。
【0031】
上記構成によれば、ダクト配設長さを微調整する必要が発生した場合でも、係合手段に設けた融通の範囲内で両ダクト本体をダクト長手方向で伸縮操作することにより対応することができる。