特許第5955277号(P5955277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5955277切削インサート及び切削インサートの取付構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955277
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】切削インサート及び切削インサートの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/22 20060101AFI20160707BHJP
   B23B 27/16 20060101ALI20160707BHJP
   B23C 5/20 20060101ALN20160707BHJP
【FI】
   B23B27/22
   B23B27/16 Z
   !B23C5/20
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-129492(P2013-129492)
(22)【出願日】2013年6月20日
(65)【公開番号】特開2015-3359(P2015-3359A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2015年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】307017925
【氏名又は名称】有限会社大谷鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】大谷 幸義
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−150902(JP,A)
【文献】 特開平01−115505(JP,A)
【文献】 特表2009−533235(JP,A)
【文献】 特開2011−104738(JP,A)
【文献】 実開平05−056304(JP,U)
【文献】 国際公開第2013/142885(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/14−27/16
B23B 27/22
B23C 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状の板状体からなるインサート本体(8)の中心部に取付孔(9)を有し、該取付孔(9)の周辺の裏表両面側にインサート本体(8)の厚みを規定する取付面(11a)を備えたボス部(11)を形成し、多角形のコーナー部に切削刃(12)を形成し、該切削刃(12)と取付面(11a)との間に厚み方向に傾斜して陥没するすくい面(13)を形成した両面型の切削インサートにおいて、上記すくい面(13)と取付面(11a)との間には、取付面(11a)よりも表面側に山形に突出する突起部(14)が形成されるとともに、該突起部(14)の切削刃(12)側の表面には、前記すくい面(13)の一部を構成し且つ内側に向かって上昇傾斜する切屑案内用のガイド面(17)が形成され、前記すくい面(13)及び該すくい面(13)の一部を構成する前記ガイド面(17)は、前記インサート本体(8)の中心部と前記多角形のコーナー部とを結んだ直線を含み且つ該インサート本体(8)の厚み方向(T)に平行な面による断面視で、単一の凹曲線をなすように形成された切削インサート。
【請求項2】
切削刃(12)の高さを取付面(11a)より突出しない取付面(11a)と同一又はそれ以下の高さに形成した請求項1に記載の切削インサート。
【請求項3】
突起部(14)を、ボス部(11)に押接されるインサート本体(8)の取付具(22)の押圧部(32)と干渉しない外側位置に形成した請求項1又は2の何れかに記載の切削インサート。
【請求項4】
先端に段状に形成された受け面(23)と、受け面(23)の外周側に先端側に向ってV字形又は逆八の字形に開放される一対の壁面をなすインサート規制面(24)とで切削インサートの取付部(21)を形成したバイト本体(1)に対し、多角形状の板状体からなる切削インサートを位置決め状態で載置収容して締着固定する切削インサートの取付構造において、上記受け面(23)の所定位置に凹部(29)を凹設し、請求項1乃至3の何れか一に記載の切削インサートを上記取付部(21)に取付け時に、上記凹部(29)がインサート本体(8)の突起部(14)を収容する逃がし用凹部となる切削インサートの取付構造。
【請求項5】
先端に段状に形成された受け面(23)と、受け面(23)の外周側に先端側に向ってV字形又は逆八の字形に開放される一対の壁面をなすインサート規制面(24)とで切削インサートの取付部(21)を形成したバイト本体(1)に対し、多角形状の板状体からなる切削インサートを位置決め状態で載置収容して締着固定する切削インサートの取付構造において、受け面(23)とインサート本体(8)の間に介挿させる所定厚みのプレート状のスペーサ(26)を着脱可能に設け、該スペーサ(26)の上面を請求項1乃至の何れか一に記載の切削インサートを載置する受け面(23a)とするとともに、スペーサ(26)の上面にインサート本体(8)の突起部(14)を収容する逃がし用の凹部を形成してなる切削インサートの取付構造。
【請求項6】
前記凹部(29)をバイト本体(1)の取付部(21)又はスペーサ(26)を貫通する孔又は有底の穴とした請求項4又は5の何れかに記載の切削インサートの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作物を切削加工する切削インサートと、その切削インサートの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
多角形状の板状体からなるインサート本体の中心部に取付孔を有し、該取付孔の周辺の裏表両面側にインサート本体の厚みを規定する取付面を備えたボス部を形成し、多角形のコーナー部に切削刃形成し、該切削刃と取付面との間に厚み方向に傾斜して陥没するすくい面を形成することにより、工作物を切削する際の切屑をすくい面に沿って安定的に排出するものは、特許文献1及び2に記載の切削インサートが従来公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−179667号公報
【特許文献2】特開2012−254509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1によれば、切削刃を取付面よりも厚み方向に大きく成形することにより、前記すくい面を大きくとって切削作業時の切屑の排出を安定させているが、インサート本体全体を厚く成形する必要があるため、製造コストが高くなる欠点があった。
【0005】
一方で、特許文献2のように、切削刃を厚み方向に突出させずに取付面の厚み内に収めつつ、前記すくい面を大きく形成すると、すくい面を形成した箇所の厚みが薄くなるため、切削インサートの強度維持に問題が生じる。
【0006】
本発明では、工作物を切削加工する切削インサート及び該切削インサートの取付構造において、切削インサート全体の厚みを必要最小限に抑えつつ、切削作業時の切屑を安定して排出させることのできる切削インサートと、該切削インサートが着脱自在に取付けられるバイト本体側の取付構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は第1に、多角形状の板状体からなるインサート本体8の中心部に取付孔9を有し、該取付孔9の周辺の裏表両面側にインサート本体8の厚みを規定する取付面11aを備えたボス部11を形成し、多角形のコーナー部に切削刃12を形成し、該切削刃12と取付面11aとの間に厚み方向に傾斜して陥没するすくい面13を形成した両面型の切削インサートにおいて、上記すくい面13と取付面11aとの間には、取付面11aよりも表面側に山形に突出する突起部14が形成されるとともに、該突起部14の切削刃12側の表面には、前記すくい面13の一部を構成し且つ内側に向かって上昇傾斜する切屑案内用のガイド面(17)が形成され、前記すくい面13及び該すくい面13の一部を構成する前記ガイド面17は、前記インサート本体8の中心部と前記多角形のコーナー部とを結んだ直線を含み且つ該インサート本体8の厚み方向Tに平行な面による断面視で、単一の凹曲線をなすように形成されたことを特徴としている。
【0008】
第2に、切削刃12の高さを取付面11aより突出しない取付面11aと同一又はそれ以下の高さに形成したことを特徴としている。
【0009】
第3に、突起部14をボス部11に押接されるインサート本体8側の取付具22の押圧部32と干渉しない外側位置に形成したことを特徴としている。
【0010】
第4に、先端に段状に形成された受け面23と、受け面23の外周側に先端側に向ってV字形又は逆八の字形に開放される一対の壁面をなすインサート規制面24とで切削インサートの取付部21を形成したバイト本体1に対し、多角形状の板状体からなる切削インサートを位置決め状態で載置収容して締着固定する切削インサートの取付構造において、上記受け面23の所定位置に凹部29を凹設し、前記切削インサートを上記取付部21に取付ける際に、上記凹部29がインサート本体8の突起部14を収容する逃がし用凹部となることを特徴としている。
【0011】
第5に、先端に段状に形成された受け面23と、受け面23の外周側に先端側に向ってV字形又は逆八の字形に開放される一対の壁面をなすインサート規制面24とで切削インサートの取付部21を形成したバイト本体1に対し、多角形状の板状体からなる切削インサートを位置決め状態で載置収容して締着固定する切削インサートの取付構造において、受け面23とインサート本体8の間に介挿させる所定厚みのプレート状のスペーサ26を着脱可能に設け、該スペーサ26の上面を前記切削インサートを載置する受け面23aとするとともに、スペーサ26の上面にインサート本体8の突起部14を収容する逃がし用の凹部を形成してなることを特徴としている。
【0012】
第6に、前記凹部29をバイト本体1の取付部21又はスペーサ26を貫通する孔又は有底の穴としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように構成される本発明によれば以下のような効果を生じる。
切削刃と切削刃のすくい面を内側に拡大延長するための突起を切削インサートの表裏両面側に設けたので、切屑の排出ガイド性能を保ちながら両面の使用ができる利点がある他、すくい面を拡大延長するためにインサート本体の全体の厚みを必要以上に厚くする必要がなく、経済的である。
さらに、切削刃の高さを取付面より突出させず、取付面と同一又はそれ以下の高さに形成することもインサート本体の厚みを必要以上に厚くする必要を生じさせないという利点を生じる。
【0014】
また、切削刃の高さを取付面より突出しない取付面と同一又はそれ以下の高さに形成したものによれば、インサート本体全体の厚みを薄く形成できるため、コストを低く抑えることができる。
【0015】
受け面の所定位置に凹部を凹設し、前記突起部を備えた切削インサートを上記取付部に取付ける際に、上記凹部がインサート本体の突起部を収容する逃がし用凹部とすることにより、取付面から厚み方向に両面側に突出した突起部のある切削インサートを安定してバイト本体側に取付けることができる。
【0016】
受け面とインサート本体の間に介挿させる所定厚みのスペーサを設け、該スペーサの上面を受け面として使用するとともに、スペーサの上面に前記凹部同様の又は前記凹部に代わる逃がし用の凹部を形成したものによれば、凹部を設けない在来の取付部を有するバイト本体にも本発明の切削インサートが使用できる他、バイト本体側とスペーサ側の凹部位置を異なるものとして、突起部の位置の異なる切削インサートも装着できるため、汎用性が向上する。
【0017】
前記凹部をバイト本体の取付部又はスペーサを貫通する孔又は有底の穴とすることにより、凹部の位置を切削インサート側の突起部の位置に応じた位置に設けることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】切削インサートが取付けられた交換式切削工具を示した斜視図である。
図2】切削インサートが取付けられた交換式切削工具を示した側面図である。
図3】切削インサートの取付構造を示した要部断面図である。
図4】切削インサートの構成を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図1乃至4に基づき説明する。図1及び図2は、切削インサートが取付けられた交換式切削工具を示した斜視図及び側面図、図3は、切削インサートの取付構造を示した要部断面図、図4は、切削インサートの構成を示した斜視図である。本実施例の交換式の切削インサートを備えた交換式切削工具であるバイトは、金属材料等からなる被削材(工作物)に旋削加工を施すものであり、工作物を回転させバイト本体で削り加工を行う倣い加工や、球面加工等の仕上げ切削に用いられる。
【0020】
図1乃至4に示されるように、前記バイト本体は、通常は四角形断面の鋼材からなるシャンク部2と、該シャンク部2の先端側に設けられた直方体状のインサート取付部3と、超硬合金等からなり該インサート取付部3にネジ止め等により着脱可能に取付けられる切削インサート4とを備えている。
【0021】
前記シャンク部2は、その長手方向に沿う先端部以外の部分が、角柱状に成形されており、該シャンク部2を刃物台に固定支持した状態で、バイト本体の先端側に装着された切削インサート4を工作物に押接することにより、旋削作業を行う。
【0022】
前記インサート取付部3は、シャンク部2の先端側に成形され、先端側にチップ状に形成された交換式の切削インサート4を着脱自在に取付固定するためのインサート取付構造が構成されている。切削インサート4の取付構造の具体的な構成については後述する。
【0023】
前記切削インサート4は、図4に示されるように、プレス成形等によってブロック状の多角形板状(図示する例では菱形板状)に成形されており、厚み方向Tを向く対向面となる裏表面6,6と、4側面7とによってインサート本体8が構成されている。
【0024】
該インサート本体8は、その中心部に厚み方向に貫通するように穿設された取付孔9と、該取付孔9の周辺の裏表面にインサート本体8の厚みを規定する取付面11aを形成したボス部11と、インサート本体8のコーナーに形成された切削刃12と、切削刃12と取付面11aとの間に設けられたすくい面13とを備えている。また、上記すくい面13と取付面11aとの間には、厚み方向に山状に突出する突起部14が設けられている。
【0025】
前記切削刃12は、菱形の鋭角なコーナー部の裏表面6,6のそれぞれに形成されている。菱形の各辺はコーナー部から中途部にかけて厚み方向に湾曲している。すなわち、切削刃12は、コーナー部で厚み方向に若干突出する主切削部12aを構成している。
【0026】
ちなみに、裏表面6,6における該切削刃12とボス部11との間は、厚み方向に凹設された溝部16が形成されている(図4参照)。
【0027】
前記すくい面13は、裏表面6,6の切削刃12の内側にそれぞれ設けられており、前記切削刃12のコーナー部から取付面11a側(裏表面の中心側)に向って厚み方向に滑らかに傾斜させて円弧状に陥没させることにより成形されている。また、本実施例では、裏表面6,6側に設けた突出部14の外側に、すくい面13に連続して内側に向って上昇方向に傾斜しながら延長されるガイド面17が形成され、すくい面13の一部を形成している。ガイド面17を構成する突出部14について以下説明する。
【0028】
前記突起部14は、前記すくい面13と取付面11aとの間に配置されて、インサート本体8の裏表面6,6側に一対設けられている(図示する例では計4箇所)。また、前記突起部14は、切削インサート4をプレス成形する際にインサート本体8と一体的成形する構成としても良いし、ガイド面17を備えた別部材である図示しない突出片をインサート本体8の裏表面6,6側に溶着等により付設しても良い。
【0029】
上記より、上述の切削インサート4は、前記主切刃部12aがインサート本体8の厚みを規定するボス部11上の取付面11aと略同一かそれ以下の高さに形成されており、その一方で、前記突起部14に設けられたガイド面17は、ボス部11(インサート本体8)よりも厚み方向に突出されるように構成されている。
【0030】
このような構成によれば、インサート本体8の厚みとなるボス部11の厚みを必要以上に厚く成形することなく、すくい面13を長くするガイド面17のみを厚み方向外側に突出させることができるため、すくい面13による切削作業中の切屑の排出の安定化と、製造コストを低く抑えることとを両立させることができる。
【0031】
このとき、切削インサートの裏表面6,6には、ボス部11よりも突起部14が厚み方向に突出した構成となるため、前記インサート取付部3はこれに対応した取付構造となっている。以下、切削インサートの取付構造について説明する。
【0032】
次に、図3に示すように、前記インサート取付部3は、先端側の一角に設けられた切削インサート4が収容される取付部21と、該取付部21に配置された切削インサート4を固定保持するための取付具22とからなる取付機構を備えている。
【0033】
前記取付部21は、インサート取付部3の先端側に段状に凹設することにより、切削インサート4が載置される受け面23と、該受け面23の外周側に先端に向ってV字又は逆八字状に開放される一対の壁面をなすインサート規制面24,24とで形成され、形成されたスペースに切削インサート4を収容した状態で位置決めすることができる。
【0034】
このとき、図示する例においては、取付部21に嵌合するスペーサ26を設け、該スペーサ26上に前記受け面23aを形成しており、前記切削インサート4を、スペーサ26上の受け面23aに載置するように構成している。該スペーサ26は、前記インサート規制面24,24と当接する菱形板状に成形されており、その中心部に穿設された固定孔27と固定ボルト28とにより取付部21の段部に固定されている。
【0035】
上記構成によれば、取付部21は、菱型状の切削インサート4を前記スペーサ26上の受け面23aに載置することにより、インサート本体8の隣接する一対の側面7,7が、前記インサート規制面24,24に当接することによって、取付部21内に収容された切削インサート4の平面方向の動きが規制され、位置決めされる。
【0036】
このとき、切削インサート4が載置される前記スペーサ26の受け面23には、位置決めされた切削インサート4の裏表面6,6に突設された前記突起部14が収容される収容部(逃がし用凹部)29が凹設されている。この構成によれば、突起部14が収容部29に収容された状態で切削インサート4を受け面23,23a上に載置することにより、切削インサート4上の取付面11aと前記受け面23,23aとが当接した安定した状態で切削インサート4を位置決めできる。
【0037】
ちなみに、スペーサ26の受け面23a上に形成した収容部29は、図示されるように、厚み方向中途部まで凹設した有底の収容穴により形成しても良いし、スペーサ26を貫通する収容孔によって形成しても良い。
【0038】
上記構成によれば、突起部14の位置の異なる切削インサート4を用いる場合であっても、その切削インサート4の突起部14に応じた位置に収容部29が凹設されたスペーサ26を別途に用意することにより、バイト本体ごと変更することなく使用することができるため、汎用性も高くなる。
【0039】
前記取付具22は、取付部21に配置された切削インサート4を受け面23側に押圧する押圧面を備えた押圧部32と、該押圧部32をバイト本体側に着脱可能に締着する締着機構33とを備えている。
【0040】
上記押圧部32には、取付面11aを押圧する際に取付孔9に挿入される挿入突起30と、押圧部32が取付面11a側の前記突起部14と干渉することを防止するために切欠かれた退避部34とを備えている。また、押圧部32の先端側も主切刃部12a側の突起部14に干渉しないように構成されている。
【0041】
前記締着機構33は、インサート取付部3側に穿設されたボルト孔36と、該ボルト孔36と前記押圧部32に穿設されたボルト孔38とに挿通されて押圧部32を取付部31側に締付可能にする固定ボルト37と、該固定ボルト37に挿通されて押圧部32を取付部21側から離間する方向に付勢する圧縮スプリングである弾性部材39とを備えている。
【0042】
また、固定ボルト37の後方側には、インサート取付部3と押圧部32とに形成された挿通孔35A,35Bに挿通されるピン35により、押圧部32が固定ボルト37回りで回動することが規制され、押圧部32が、前記ボス部11を押圧する位置で位置決めされるように構成されている。
【0043】
上述の構成によれば、前記取付具22は、切削インサート4が取付部21に位置決めされた状態で前記締着機構33の固定ボルト37を締付けることにより、押圧部32が弾性部材39の付勢力に抗して下降し、退避部34により突起部14を避けつつ、取付面11aを押圧し、切削インサート4をバイト側に固定することができる。
【符号の説明】
【0044】
8 インサート本体
9 取付孔
11 ボス部
11a 取付面
12 切削刃
13 すくい面
14 突起部
17 ガイド面
21 取付部
22 押圧具(取付具)
23 受け面
23a 受け面
24 インサート規制面
26 スペーサ
29 収容部(凹部)
T 厚み方向
図1
図2
図3
図4