(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955295
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】シャーカッター自動位置合わせ装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/26 20060101AFI20160707BHJP
B26D 1/24 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
B26D7/26
B26D1/24 E
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-227002(P2013-227002)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-85463(P2015-85463A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2015年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】501395993
【氏名又は名称】高荷 喜三
(73)【特許権者】
【識別番号】507012788
【氏名又は名称】高荷 一智
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】高荷 喜三
(72)【発明者】
【氏名】高荷 一智
【審査官】
豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−330351(JP,A)
【文献】
特開2002−66833(JP,A)
【文献】
特開2012−071414(JP,A)
【文献】
実開平05−000399(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/26
B26D 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上軸に備えた上刃と、下軸に備えた下刃を一対にかみ合わせて切断するシャーカッターに用いる一対の上刃ホルダと下刃ホルダの位置を、自動的に任意の位置に変更することが可能な刃ホルダ固定機構を備えたカッター自動位置合わせ装置であって、
該装置は、上刃と下刃の設定位置を検出するセンサを備え、
前記装置の刃ホルダ固定機構は、上軸及び下軸に形成したピン収容穴に収容する一対のカッター固定ピンと、カッター固定ピンを上軸と下軸に取付けるためのピンと、上軸及び下軸に仮止めされる複数のカッター仮止めリングと、エアを供給または吸引可能に上軸及び下軸に形成され、ピン収容穴に連通される送気路部分と、を備え、
センサにより測定された測定値に基づいて、上軸に対して上刃ホルダを、また、下軸に対して下刃ホルダを、それぞれ所定の位置に移動させてカッター仮止めリングで仮止めした状態で送気路部分にエアを供給して、一対のカッター固定ピンを、上軸または下軸から突出するように互いに離れる方向に同時に動作させて、上軸に対して上刃ホルダを、また、下軸に対して下刃ホルダをそれぞれ位置決めして固定することを特徴とするシャーカッター自動位置合わせ装置。
【請求項2】
カッター固定ピンの上面は、上軸または下軸の外表面に対応した曲率で湾曲されていることを特徴とする請求項1に記載のシャーカッター自動位置合わせ装置。
【請求項3】
カッター仮止めリングの外径は、上軸または下軸の外径より大きく、かつ、バネ特性を有することを特徴とする請求項1に記載のシャーカッター自動位置合わせ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、紙、フィルム等の連続したシート状の長尺巻物を連続して任意の幅で切断しながらその製品を巻取るシャーカッターまたはスリッターに関するものである。本願の発明は、特に、シャーカッターの上軸に備えられた上刃と、下軸に備えられた下刃を、夫々対にかみ合うように自動的に任意の位置に変更させることができるシャーカッター自動位置合わせ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
布、複合材料等の製品を、シャーカッターまたはスリッターによって任意の幅で切断しながらその製品を巻取る作業が国内外の工場において行われている。
【0003】
シャーカッターの上軸に備えられた上刃と、下軸に備えられた下刃の位置を任意に定め(つまり製品の切断面の幅を決定する)、上下の刃を固定するための従来技術として、特許文献1には、下刃の位置の変更に伴い該下刃と対になる上刃の位置を変更することを特徴としたスリッター装置が開示されている。
また、特許文献2には、重合テープを繰分けながら切断した後、再度重合テープを形成するように巻き取るスリッター装置が開示されている。このスリッター装置は、吸引機により負荷のかからない状態でスペーサー(保護テープ)を巻取軸まで送るようにすることで、巻取軸の張力によってスペーサーが引っ張られずに、安定して、巻取軸上に巻回させることができ、効率的に不良品の発生率を低減することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−071414号公報
【特許文献2】特開2006−193290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のスリッター装置には、以下のような解決すべき課題が残されている。
以下、特許文献1及び2を参照して、従来のスリッター装置が有する課題について説明する。
【0006】
特許文献1で開示されているスリッター装置は、上刃の位置を変更する場合には、下刃に対して上刃を位置決めした後、係脱機構の係合体を凹部から後退させ、クランプ片が圧縮コイルバネ装置の付勢力により棒に押し付けられて棒を把持し、それによって刃物台が棒に固定されることによって、上刃を備えた刃物台を所定位置に固定している。また、特許文献2で開示されているスリッター装置に備えられる上刃の位置を調整する場合には、上刃の調整位置をセンサで読み取って、センサの数値に基づいて、操作ハンドルを操作することにより支軸を定位置で固定させることによって、上刃が所定位置にロックされる。
特許文献1及び2のスリッター装置では、ユーザーが係脱機構の係合体や操作ハンドルなどの機構を作動させることによって、上刃を所定位置に固定していたため、この上刃の固定機構を設置するための複雑な機構設計、配置スペース、さらに、刃交換時や製品の切断位置を変更する時などに、ユーザーが上下の軸に備えられた複数の刃を固定している複数の刃固定機構を、1つずつ固定解除、移動、または固定させる作業、などを要していた。
【0007】
本願の発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、
図2(a),(b)に示す刃ホルダ固定機構36を用いることにより、特許文献1または2に係るスリッター装置のように、刃ホルダを固定解除、移動、または固定するために、スリッター装置(シャーカッター装置)に複雑な機構を設置することなく、または、ユーザーが作業を行うことなく、簡素な刃ホルダ固定機構をスリッター装置に設置して、刃ホルダを自動的に任意の位置に変更/固定することができるシャーカッター自動位置合わせ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本願の請求項1のシャーカッター自動位置合わせ装置に係る発明は、上軸に備えた上刃と、下軸に備えた下刃を一対にかみ合わせて切断するシャーカッターに用いる一対の上刃ホルダと下刃ホルダの位置を、自動的に任意の位置に変更することが可能な刃ホルダ固定機構を備えたカッター自動位置合わせ装置であって、該装置は、上刃と下刃の設定位置を検出するセンサを備え、前記装置の刃ホルダ固定機構は、上軸及び下軸に形成したピン収容穴に収容する一対のカッター固定ピンと、カッター固定ピンを上軸と下軸に取付けるためのピンと、上軸及び下軸に仮止めされる複数のカッター仮止めリングと、エアを供給または吸引可能に上軸及び下軸に形成され、ピン収容穴に連通される送気路部分と、を備え、センサにより測定された測定値に基づいて、上軸に対して上刃ホルダを、また、下軸に対して下刃ホルダを、それぞれ所定の位置に移動させてカッター仮止めリングで仮止めした状態で送気路部分にエアを供給して、一対のカッター固定ピンを、上軸または下軸から突出するように互いに離れる方向に同時に動作させて、上軸に対して上刃ホルダを、また、下軸に対して下刃ホルダをそれぞれ位置決めして固定することを特徴とする。
【0009】
上述した課題を解決するために、本願の請求項2のシャーカッター自動位置合わせ装置に係る発明は、カッター固定ピンの上面は、上軸または下軸の外表面に対応した曲率で湾曲されていることを特徴とする。
【0010】
上述した課題を解決するために、本願の請求項3のシャーカッター自動位置合わせ装置に係る発明は、カッター仮止めリングの外径は、上軸または下軸の外径より大きく、かつ、バネ特性を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願の請求項1のシャーカッター自動位置合わせ装置に係る発明によれば、上軸に備えた上刃と、下軸に備えた下刃を一対にかみ合わせて切断するシャーカッターに用いる一対の上刃ホルダと下刃ホルダの位置を、自動的に任意の位置に変更することが可能な刃ホルダ固定機構を備えたカッター自動位置合わせ装置であって、該装置は、上刃と下刃の設定位置を検出するセンサを備え、前記装置の刃ホルダ固定機構は、上軸及び下軸に形成したピン収容穴に収容する一対のカッター固定ピンと、カッター固定ピンを上軸と下軸に取付けるためのピンと、上軸及び下軸に仮止めされる複数のカッター仮止めリングと、エアを供給または吸引可能に上軸及び下軸に形成され、ピン収容穴に連通される送気路部分と、を備え、センサにより測定された測定値に基づいて、上軸に対して上刃ホルダを、また、下軸に対して下刃ホルダを、それぞれ所定の位置に移動させてカッター仮止めリングで仮止めした状態で送気路部分にエアを供給して、一対のカッター固定ピンを、上軸または下軸から突出するように互いに離れる方向に同時に動作させて、上軸に対して上刃ホルダを、また、下軸に対して下刃ホルダをそれぞれ位置決めして固定するため、シャーカッター自動位置合わせ装置に複雑な機構を設置することなく、または、ユーザーが上刃ホルダと下刃ホルダを固定解除、移動、または固定するための作業を行うことなく、上刃ホルダと下刃ホルダを、自動的に固定解除/任意の位置に移動/固定させることができるシャーカッター自動位置合わせ装置を提供することができる。
本願の請求項2のシャーカッター自動位置合わせ装置に係る発明によれば、エアが送気路部分から吸引されている場合、上刃ホルダと下刃ホルダがカッター固定ピン上を通過することを可能にする。
本願の請求項3のシャーカッター自動位置合わせ装置に係る発明によれば、上刃ホルダまたは下刃ホルダがカッター仮止めリング上に存在している場合、カッター仮止めリングが上刃ホルダまたは下刃ホルダを仮止めすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1(a)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置の全体構造を示す側面図である。
図1(b)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置の全体構造を示す正面図である。
【
図2】
図2(a)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置の下軸に設置されている刃ホルダ固定機構の拡大断面図である。
図2(b)は、
図2(a)に示されているA‐A線における断面図である。
【
図3】
図3(a)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置に設置されている刃ホルダ固定機構のカッター固定ピンの正面図である。
図3(b)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置に設置されている刃ホルダ固定機構のカッター固定ピンの側面図である。
【
図4】
図4(a)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置に設置されている刃ホルダ固定機構のカッター仮止めリングの側面図である。
図4(b)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置に設置されている刃ホルダ固定機構のカッター仮止めリングの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願の発明に係る好適な実施の形態を、添付図面を参照しながら説明するが、以下に記載される装置及びその各構成要素、各部品、各箇所、各材料は、本願の発明の実施の形態の一例であり、これに限られるものではない。また、図中、同一の符号を付した部分は同一物、同一部材を表し、装置や部材の各寸法、各比率は実際のものを反映したものではなく、概略的に示したものである。
【0014】
図1(a)及び(b)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置の全体構造を示す側面図及び正面図であり、この図を参照して、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置1の全体動作について説明する。
【0015】
図1(b)に示されているように、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置1は、フレーム上に第1回転軸(上軸)2と第2回転軸(下軸)4が設置されており、上軸2と下軸4の夫々に、対にかみ合うように、複数の上刃6と下刃8が取付けられる。通常、上軸2と下軸4は、夫々、水平方向に並行に並んで、鉛直方向に相対峙する。そして、上軸2と下軸4は、夫々、回転軸O
1,O
2を中心にして、互いに逆方向に回転する。これら上軸2と下軸4の間には、図示しないローラー等からなる搬送路を介して被切断物(製品)が供給されて、上刃6と下刃8によって直線状に切断される。
【0016】
ここで、下軸4は、シャーカッター自動位置合わせ装置1のフレーム上で両端を軸支されて回転自在に固定されている。下刃8は、下軸4に沿って移動可能な下刃ホルダ18を用いて下軸4上に位置決めされて取付けられている。下刃の種類を特定する必要はないが、下刃8は、例えば、丸刃又は厚刃が用いられる。
それに対して、上軸2は、シャーカッター自動位置合わせ装置1のフレーム上で両端を軸支されているが、下軸4に対して上下動可能に取付けられている。
図1(b)を参照すると、上刃6と下刃8はかみ合っていないが、上軸2を下軸4に対して水平状態を保ちながら接近させることで、上刃6と下刃8をかみ合わせることができる。このため、上軸2の端部側には、任意の駆動機構、例えば、モータ20’,20’を接続させてもよい。上軸2上には、任意の数の上刃6を取付けるが、この数は下刃8の数と対応している。上刀の種類を特定する必要はないが、上刃6は、例えば、薄刃が用いられる。
【0017】
上刃6は、上軸2に沿って移動可能な上刃ホルダ16を用いて上軸2上に取付けられている。また、下刃8は、下軸4に沿って移動可能な下刃ホルダ18を用いて下軸4上に取付けられている。この上刃ホルダ16及び下刃ホルダ18は、通常、ホルダ1個に対して、取付けられる刃が1枚または2枚となるように構成されている。
本発明の実施形態において、エアシリンダ10,10に取付けられている位置決めスライサ12,12は、モータ20,20が駆動されることによって、モータ20,20に連結されているボールねじ14,14上を、エアシリンダ10,10と共に移動することができるように構成されている。本発明の上刃ホルダ16と下刃ホルダ18は、この位置決めスライサ12,12によって上軸2及び下軸4に沿って移動させることによって、位置決めスライサ12,12と共に左右に任意の位置に位置決めすることができる。
【0018】
この位置決めスライサ12は、エアシリンダ10内のシリンダロッドを動作させることにより、鉛直方向に伸縮することができる。従って、位置決めスライサ12を任意の1つの上刃ホルダ16または下刃ホルダ18に当接させて上刃ホルダ16または下刃ホルダ18を上軸2または下軸4に沿って移動させて所望の位置に位置決めした後、エアシリンダ10内のシリンダロッドを縮める方向に動作させることによって、位置決めスライサ12を引っ込めて上刃ホルダ16または下刃ホルダ18と位置決めスライサ12との接触を解除し、次の隣接した上刃ホルダ16または下刃ホルダ18の近くまでエアシリンダ10を左右方向に移動させる。その後、エアシリンダ10内のシリンダロッドを伸ばす方向に動作させることによって、位置決めスライサ12をその隣接した上刃ホルダ16または下刃ホルダ18に接触させて、隣接した上刃ホルダ16または下刃ホルダ18を上軸2または下軸4に沿って移動させて所望の位置に位置決めするという、動作を繰り返すことにより、複数の上刃ホルダ16または下刃ホルダ18を、各々上軸2または下軸4の所望の位置に位置決めさせることができる。
【0019】
複数の上刃6の上軸2上の位置及び複数の下刃8の下軸4上の位置は、製品の寸法に合わせて
図1(a)に示されている刃物位置検出センサ24,24により測定された測定値(現在位置)に基づいて設定されるため、この測定値に基づいて上刃ホルダ16または下刃ホルダ18を各々上軸2または下軸4の所望の位置に正確に位置決めすることができ、その結果、製品(被切断物)を所望の幅で正確に切断することができる。
上述したように、本発明の上刃ホルダ16と下刃ホルダ18を位置決めスライサ12を利用することで上刃6と下刃8を上軸2と下軸4の所望の位置に移動させて、切断する製品の寸法に合わせて、自在に位置変更することが可能となる。
【0020】
以下、本発明の上刃ホルダ16と下刃ホルダ18を、ユーザーが作業することなしに、自動的に固定解除、移動、固定させるためのシャーカッター自動位置合わせ装置1の刃ホルダ固定機構36,36について、
図2〜4を参照して詳細に説明する。
【0021】
図2(a)を参照すると、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置1の下軸4に設置されている刃ホルダ固定機構36の拡大断面図が示されている。本発明の刃ホルダ固定機構36は、下軸4に形成したピン収容穴34,34に収容する上下一対のカッター固定ピン28,28と、このカッター固定ピン28,28を下軸4に取付けるためのピン30,30と、下軸4に仮止めされる複数のカッター仮止めリング26と、エアを供給または吸引可能に下軸4に形成され、ピン収容穴34,34に連通される送気路部分32を含む。
この
図2(a)では本発明における1つの実施形態として、カッター仮止めリング26と上下一対のカッター固定ピン28が、下軸4に交互に配置されており、2つの下刃ホルダ18がそれらの上に設置されて示されている。
【0022】
刃ホルダ固定機構36のカッター仮止めリング26は、下刃ホルダ18がカッター仮止めリング26上を通過することができる程度に、下軸4の外径より少し大きい外径(例えば下軸4の外径より+0.4mm程度大きい)を有している。カッター仮止めリング26は、さらに、下刃ホルダ18がカッター仮止めリング26上に存在しているときに、カッター仮止めリング26が少したわむようなバネ特性を有するように隙間(M)を有する(
図4(b)参照)。このカッター仮止めリング26の外径の寸法条件とバネ特性により、カッター仮止めリング26は、下刃ホルダ18がカッター仮止めリング26上に存在している場合、下刃ホルダ18をその位置において仮止めすることができる。
【0023】
図2(b)に示されているように、刃ホルダ固定機構36の一対のカッター固定ピン28,28は、一対のカッター固定ピン28,28を下軸4に形成したピン収容穴34,34に収容した状態で、ピン30,30を、下軸4に設けられたピン30とほぼ同径の丸穴からカッター固定ピン28に設けられた丸穴B(
図3(a),(b)参照)に嵌め込むことによって、下軸4に上下一対に取付けられている。このカッター固定ピン28の丸穴Bの径は、ピン30の径より少し大きく形成されており(例えばピン30の径より+0.5mm大きい)、一対のカッター固定ピン28,28は、このマージンだけ下軸4の軸線方向に対して鉛直軸方向に上下動するように下軸4のピン収容穴34,34内に収容されている。
【0024】
図2(b)に示されているように、一対のカッター固定ピン28,28は送気路部分32に連通したピン収容穴34,34に収容されており、エアが送気路部分32に供給されている場合、一対のカッター固定ピン28,28はピストンのように下軸4の外表面から鉛直軸方向において互いに少し突出する方向に動作する(例えば、一対のカッター固定ピン28,28の夫々が図の上下方向に0.5mm移動する)。従って、複数の一対のカッター固定ピン28,28は、エアが送気路部分32に供給されている場合、鉛直軸方向において下軸4の外表面から突出するように互いに離れる方向に同時に動作し、一対のカッター固定ピン28,28と接触している下刃ホルダ18を下軸4の所定の位置に位置決めして固定させることができる。
【0025】
また、複数の一対のカッター固定ピン28,28は、エアが送気路部分32から吸引されている場合、上述した下軸4の外表面から鉛直軸方向において互いに少し突出した状態から下軸4のピン収容穴34,34内に収容される状態に同時に戻されて下刃ホルダ18が複数の一対のカッター固定ピン28,28上を通過することを許容する。
なお、上記の本発明の刃ホルダ固定機構36は、上軸2においても同様に用いられる。
【0026】
このように、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置1によれば、
図2(a),(b)に示されている刃ホルダ固定機構36を用いて、シャーカッター位置合わせ装置1に複雑な機構を設置することなく、または、ユーザーが上刃ホルダ16と下刃ホルダ18を固定解除、移動、または固定するための作業を行うことなく、上刃ホルダ16と下刃18を自動的に任意の位置に変更/固定することができる。
【0027】
図3(a),(b)を参照すると、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置1に設置されている刃ホルダ固定機構36のカッター固定ピン28の正面図と側面図が示されている。このカッター固定ピン28は、例えば、真空焼入されたダイス鋼のような化学的耐性を有する材料から形成されており、センターレス研磨がなされている。カッター固定ピン28は、カッター固定ピン28を上軸2と下軸4の夫々に取付けるためのピン30(
図2(b)参照)を通すためのピン穴B、及び、カッター固定ピン28と上軸2及び下軸4に形成されたピン収容穴34との間を密封するためのO-リングを取付けるための溝Dが形成されている。
【0028】
図3(b)に示されているように、カッター固定ピン28の上面には、さらに、上軸2または下軸4の外表面の形状に対応した曲率で湾曲させた面Rに形成されている。従って、このカッター固定ピン28の面Rは、エアが送気路部分32から吸引されている場合、上刃ホルダ16または下刃ホルダ18が一対のカッター固定ピン28,28上を通過することを許容する。
【0029】
図4(a),(b)は、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置1に設置されている刃ホルダ固定機構36のカッター仮止めリング26の側面図及び正面図である。このカッター仮止めリング26は、例えば、焼入された高硬度鋼のような化学的耐性を有する材料から形成されており、硬質クロームメッキとバフ仕上げがなされている。
図4(a)に示されているように、このカッター仮止めリング26は、さらに、上刃ホルダ16または下刃ホルダ18が上軸2または下軸4に仮止めされたカッター仮止めリング26上を通過しやすいように、両端部に面取りCが施されている。
【0030】
上述したように、本発明のシャーカッター自動位置合わせ装置1は、刃ホルダ固定機構36を用いることによって、上軸2に対して上刃ホルダ16を、また、下軸4に対して下刃ホルダ18を、所定の位置に位置決めする場合には、被切断物(製品)に対応させて設定した上刃ホルダ16及び下刃ホルダ18の設定位置を制御装置(図示省略)で予め設定しておいて、刃物位置検出センサ24で測定した測定値を、上刃ホルダ16及び下刃ホルダ18の設定位置に一致させるように、位置決めスライサ12を用いて上刃ホルダ16を上軸2上で、また、下刃ホルダ18を下軸4上で、それぞれ所定の位置まで移動させる。
【0031】
この場合、上刃ホルダ16及び下刃ホルダ18は、上軸2及び下軸4に設置されているカッター仮止めリング26上を通過することになるが、カッター仮止めリング26の両端部に面取りCが形成されているため、上刃ホルダ16及び下刃ホルダ18は、上軸2及び下軸4に沿ってスムーズに移動することができる。その後、それぞれカッター仮止めリング26で仮止めした状態で送気路部分32にエアを供給して、一対のカッター固定ピン28,28を、上軸2または下軸4から突出するように互いに離れる方向に同時に動作させて、上軸2に対して上刃ホルダ16を、また、下軸4に対して下刃ホルダ18をそれぞれ位置決めして自動的に固定することができる。
【0032】
また、本発明の刃ホルダ固定機構36は、上刃ホルダ16または下刃ホルダ18が何度も通過することなどによって生じる、一対のカッター固定ピン28,28またはカッター仮止めリング26の磨耗による交換が必要となった場合、一対のカッター固定ピン28,28とカッター仮止めリング26を交換するか、または、上軸2または下軸4ごとカセット式に交換される。この交換時に上軸2の設置位置に小さなずれが生じうるため、上軸2を固定する部材37の端部の位置Eが側圧センサ22により測定されている(
図1(b)参照)。ずれが生じた場合は、この測定値が、上述した複数の上刃6の位置決めを行う際の複数の上刃6の現在位置に反映される。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、自動的に固定解除/並進移動/固定することが望ましい部品を含むシステムであれば、そのようなシステムに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 シャーカッター自動位置合わせ装置 2 上軸(第1回転軸)
4 下軸(第2回転軸) 6 上刃(薄刃)
8 下刃(厚刃) 10,10 エアシリンダ
12,12 位置決めスライサ 14,14 ボールねじ
16 上刃ホルダ 18 下刃ホルダ
20,20’ モータ 22 側圧センサ
24,24 刃物位置検出センサ 26 カッター仮止めリング
28,28 カッター固定ピン 30,30 ピン
32 送気路部分 34 カッター固定ピン収容穴
36 刃ホルダ固定機構 37 固定部材