(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示条件設定手段は、前記表示条件に含まれる前記ワンタイムパスワードの表示箇所として、前記特定の画面における可変の文字の表示箇所のみが指定されることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のワンタイムパスワード表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法においては、ワンタイムパスワードが入力画面において常に同じ箇所、すなわち、固定箇所に表示されるので、ワンタイムパスワードが他人に盗み見られる可能性が少なからずあるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、セキュリティー性能を向上することができるワンタイムパスワード表示装置、ワンタイムパスワード表示プログラムおよびワンタイムパスワード表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のワンタイムパスワード表示装置は、表示部と、ワンタイムパスワードの表示箇所を含む前記ワンタイムパスワードの表示条件を設定する表示条件設定手段と、前記表示条件設定手段によって設定された前記表示条件に応じて前記ワンタイムパスワードを前記表示部に表示させるパスワード表示手段とを備え、前記表示条件設定手段は、特定の画面における指定された表示箇所を、指定された利用者に対する前記ワンタイムパスワードの表示箇所として、前記表示条件を設定し、前記パスワード表示手段は、前記特定の画面が前記表示部に表示される場合に、指定された利用者に対して前記表示条件に含まれる表示箇所に前記ワンタイムパスワードを表示させることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、ワンタイムパスワードを固定箇所ではなく利用者によって指定された表示箇所に表示させるので、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。すなわち、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、セキュリティー性能を向上することができる。
【0008】
また、本発明のワンタイムパスワード表示装置において、前記表示条件設定手段は、前記表示条件に含まれる前記ワンタイムパスワードの表示箇所として、前記特定の画面における可変の文字の表示箇所のみが指定されることが可能であっても良い。
【0009】
この構成により、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、可変の文字の表示箇所にワンタイムパスワードを表示させるので、固定の文字の表示箇所にワンタイムパスワードを表示させる構成と比較して、ワンタイムパスワードを表示しているか否かが認識され難い。すなわち、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。
【0010】
また、本発明のワンタイムパスワード表示装置において、前記可変の文字は、可変の数字であっても良い。
【0011】
この構成により、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、可変の数字の表示箇所にワンタイムパスワードを表示させるので、ワンタイムパスワードが数字のみからなる場合には、ワンタイムパスワードを表示しているか否かが認識され難い。すなわち、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。
【0012】
また、本発明のワンタイムパスワード表示装置において、前記表示条件設定手段は、指定された画面を、前記特定の画面として、前記表示条件に含めても良い。
【0013】
この構成により、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、ワンタイムパスワードの表示箇所を利用者に指定させることができるだけではなく、ワンタイムパスワードを表示させる画面自体も利用者に指定させることができるので、画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。
【0014】
また、本発明のワンタイムパスワード表示装置において、前記表示条件設定手段は、前記特定の画面までの画面の遷移を前記表示条件に含め、前記パスワード表示手段は、前記表示条件に含まれる画面の遷移通りに前記特定の画面が前記表示部に表示される場合に、指定された利用者に対して前記表示条件に含まれる表示箇所に前記ワンタイムパスワードを表示させ、前記表示条件に含まれる画面の遷移とは異なる遷移で前記特定の画面が前記表示部に表示される場合に、指定された利用者に対して前記表示条件に含まれる表示箇所に前記ワンタイムパスワードを表示させなくても良い。
【0015】
この構成により、本発明のワンタイムパスワード表示装置は、ワンタイムパスワードを表示させる特定の画面を利用者に指定させることができるだけではなく、この特定の画面までの画面の遷移もワンタイムパスワードの表示条件として利用者に指定させるので、セキュリティー性能を更に向上することができる。
【0016】
本発明のワンタイムパスワード表示プログラムは、表示部を備えたコンピューターによって実行されるワンタイムパスワード表示プログラムであって、ワンタイムパスワードの表示箇所を含む前記ワンタイムパスワードの表示条件を設定する表示条件設定手段、および、前記表示条件設定手段によって設定された前記表示条件に応じて前記ワンタイムパスワードを前記表示部に表示させるパスワード表示手段として前記コンピューターを機能させ、前記表示条件設定手段は、特定の画面における指定された表示箇所を、指定された利用者に対する前記ワンタイムパスワードの表示箇所として、前記表示条件を設定し、前記パスワード表示手段は、前記特定の画面が前記表示部に表示される場合に、指定された利用者に対して前記表示条件に含まれる表示箇所に前記ワンタイムパスワードを表示させることを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明のワンタイムパスワード表示プログラムは、ワンタイムパスワードを固定箇所ではなく利用者によって指定された表示箇所に表示させるので、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。すなわち、本発明のワンタイムパスワード表示プログラムは、セキュリティー性能を向上することができる。
【0018】
また、本発明のワンタイムパスワード表示システムは、表示部と、ワンタイムパスワードの表示箇所を含む前記ワンタイムパスワードの表示条件を設定する表示条件設定手段と、前記表示条件設定手段によって設定された前記表示条件に応じて前記ワンタイムパスワードを前記表示部に表示させるパスワード表示手段とを備え、前記表示条件設定手段は、特定の画面における指定された表示箇所を、指定された利用者に対する前記ワンタイムパスワードの表示箇所として、前記表示条件を設定し、前記パスワード表示手段は、前記特定の画面が前記表示部に表示される場合に、指定された利用者に対して前記表示条件に含まれる表示箇所に前記ワンタイムパスワードを表示させることを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明のワンタイムパスワード表示システムは、ワンタイムパスワードを固定箇所ではなく利用者によって指定された表示箇所に表示させるので、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。すなわち、本発明のワンタイムパスワード表示システムは、セキュリティー性能を向上することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のワンタイムパスワード表示装置、ワンタイムパスワード表示プログラムおよびワンタイムパスワード表示システムは、セキュリティー性能を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
まず、本実施の形態に係るワンタイムパスワード表示システムとしての画像形成システムの構成について説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0025】
図1に示すように、画像形成システム10は、ワンタイムパスワード表示装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20を管理するコンピューターであるサーバー30とを備えている。MFP20と、サーバー30とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能に接続されている。
【0026】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0027】
図2に示すように、MFP20は、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー23と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター24と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、ネットワーク11(
図1参照。)経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部26と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部27と、MFP20全体を制御する制御部28とを備えている。
【0028】
操作部21は、スキャナー23によって原稿から読み取られた画像をプリンター24によって記録媒体に印刷するコピーに関する操作を受け付けるコピー画面を表示部22に表示させるためのハードウェアであるコピーキー21aと、ネットワーク通信部26を介した送信に関する操作を受け付ける送信画面を表示部22に表示させるためのハードウェアである送信キー21bと、ファックス通信部25を介したファックス送信に関する操作を受け付けるファックス送信画面を表示部22に表示させるためのハードウェアであるファックスキー21cと、システムメニューを示すシステムメニュー画面を表示部22に表示させるためのハードウェアであるシステムメニューキー21dと、各種の選択を決定するためのハードウェアである決定ボタン21eとを備えている。操作部21は、表示部22とともにタッチパネルを形成する入力デバイスを含んでいても良い。
【0029】
記憶部27は、MFP20によって実行されるワンタイムパスワード表示プログラム27aを記憶している。ワンタイムパスワード表示プログラム27aは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、SDカード、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの記憶媒体からMFP20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク11上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0030】
制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部27に記憶されているプログラムを実行する。
【0031】
制御部28は、記憶部27に記憶されているワンタイムパスワード表示プログラム27aを実行することによって、ワンタイムパスワードの表示箇所(以下「パスワード表示箇所」と言う。)を含むワンタイムパスワードの表示条件(以下「パスワード表示条件」と言う。)を設定する表示条件設定手段28a、および、ワンタイムパスワードを表示部22に表示させるパスワード表示手段28bとして機能する。
【0032】
図3は、サーバー30のブロック図である。
【0033】
図3に示すように、サーバー30は、種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部31と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部32と、ネットワーク11(
図1参照。)経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部33と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、サーバー30全体を制御する制御部35とを備えている。サーバー30は、例えばPC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。
【0034】
記憶部34は、パスワード表示条件を示すパスワード表示条件情報34aを記憶することが可能である。
【0035】
図4は、パスワード表示条件情報34aの一例を示す図である。
【0036】
図4に示すように、パスワード表示条件情報34aは、利用者名と、特定の画面、すなわち、ワンタイムパスワードの表示画面(以下「パスワード表示画面」と言う。)と、パスワード表示箇所との組み合わせであるパスワード表示条件を、利用者名毎に含んでいる情報である。例えば、
図4に示すパスワード表示条件情報34aにおいて、利用者名“KDC”に対するパスワード表示画面とパスワード表示箇所は、それぞれアドレス帳画面とSMBパス表示領域である。
【0037】
図3に示すように、記憶部34は、ワンタイムパスワードを含むパスワード情報34bを記憶することが可能である。
【0038】
図5は、パスワード情報34bの一例を示す図である。
【0039】
図5に示すように、パスワード情報34bは、利用者名と、ワンタイムパスワードとの組み合わせの情報である。
図5の例では、パスワード情報34bは、利用者名「KDC」とワンタイムパスワード“12345678”との組み合わせである。
【0040】
図3に示す制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部34に記憶されているプログラムを実行する。
【0041】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0042】
まず、パスワード表示条件を設定する場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0043】
MFP20の制御部28は、パスワード表示条件の設定動作の開始が操作部21を介して指示されると、
図6に示す動作を実行する。
【0044】
図6は、パスワード表示条件を設定する場合のMFP20の動作のフローチャートである。
【0045】
図6に示すように、制御部28の表示条件設定手段28aは、
図7に示す利用者登録画面40を表示部22に表示する(S101)。
【0046】
図7に示す利用者登録画面40は、利用者名を設定するための利用者名設定テキストボックス41と、パスワード表示条件を設定するためのパスワード表示条件設定ボタン42とを含んでいる。利用者は、操作部21を介して利用者名設定テキストボックス41に利用者名を入力することができるとともに、操作部21を介してパスワード表示条件設定ボタン42を押すことができる。
【0047】
図6に示すように、表示条件設定手段28aは、S101の処理が終了すると、利用者名設定テキストボックス41に利用者名が入力されていると判断するまで、利用者名設定テキストボックス41に利用者名が入力されているか否かを判断する(S102)。
【0048】
表示条件設定手段28aは、利用者名設定テキストボックス41に利用者名が入力されているとS102において判断すると、パスワード表示条件設定ボタン42が押されたか否かを判断する(S103)。
【0049】
表示条件設定手段28aは、パスワード表示条件設定ボタン42が押されていないとS103において判断すると、S102の処理を実行する。
【0050】
表示条件設定手段28aは、パスワード表示条件設定ボタン42が押されたとS103において判断すると、利用者登録画面40以外の画面において可変の文字の表示箇所の何れかが指定されていると判断するまで、利用者登録画面40以外の画面において可変の文字の表示箇所の何れかが指定されているか否かを判断する(S104)。
【0051】
例えば、制御部28は、システムメニューキー21dが押されることによって、
図8に示すシステムメニュー画面50を表示部22に表示させる。
【0052】
図8に示すシステムメニュー画面50は、システムメニューの各項目として、例えば、共通設定を指定するための共通設定項目51と、プリンター24の設定を指定するためのプリンター項目52と、コピーの設定を指定するためのコピー項目53と、送信の設定を指定するための送信項目54と、アドレス帳の設定を指定するためのアドレス帳項目55とを含んでいる。また、システムメニュー画面50は、システムメニューの各項目の何れかを決定するためのOKボタン56を含んでいる。
【0053】
例えば、制御部28は、操作部21を介してアドレス帳項目55が指定されてOKボタン56が押されることによって、
図9に示すアドレス帳画面60を表示部22に表示させる。
【0054】
図9に示すアドレス帳画面60は、電子メールの宛先を設定するためのE−mailタブ61と、SMB(Server Message Block)の宛先を設定するためのSMBタブ62と、FTP(File Transfer Protocol)の宛先を設定するためのFTPタブ63と、設定の変更を中止するためのCancelボタン64と、設定の変更を記憶するためのSaveボタン65とを含んでいる。
【0055】
SMBタブ62には、SMBのホスト名を表示するためのSMBホスト名表示領域62aと、SMBのパスを表示するためのSMBパス表示領域62bと、SMBのログイン利用者名を表示するためのSMBログイン利用者名表示領域62cと、SMBのログインパスワードを表示するためのSMBログインパスワード表示領域62dとが含まれている。ここで、SMBのホスト名、パス、ログイン利用者名およびログインパスワードは、それぞれ、可変の文字である。したがって、SMBホスト名表示領域62a、SMBパス表示領域62b、SMBログイン利用者名表示領域62cおよびSMBログインパスワード表示領域62dは、それぞれ、可変の文字の表示箇所である。なお、
図9において、SMBホスト名表示領域62a、SMBパス表示領域62b、SMBログイン利用者名表示領域62cおよびSMBログインパスワード表示領域62dを示す二点鎖線は、理解の容易のために示した線であって、実際には表示部22に表示されない。
【0056】
また、SMBタブ62には、それぞれ、SMBのホスト名、パス、ログイン利用者名、ログインパスワードを変更するためのChangeボタン62e、62f、62g、62hが含まれている。
【0057】
利用者は、例えば、操作部21を介してSMBパス表示領域62bを指定することができる。表示条件設定手段28aは、操作部21を介してSMBパス表示領域62bが指定されると、
図10に示すようにSMBパス表示領域62bを反転表示する。
【0058】
図6に示すように、表示条件設定手段28aは、利用者登録画面40以外の画面において可変の文字の表示箇所の何れかが指定されているとS104において判断すると、決定ボタン21eが押されたか否かを判断する(S105)。
【0059】
表示条件設定手段28aは、決定ボタン21eが押されていないとS105において判断すると、S104の処理を実行する。
【0060】
表示条件設定手段28aは、決定ボタン21eが押されたとS105において判断すると、利用者登録画面40以外の画面において指定された可変の文字の表示箇所を、利用者登録画面40の利用者名設定テキストボックス41において指定されていた利用者名に対するパスワード表示箇所として、パスワード表示条件を設定する(S106)。具体的には、表示条件設定手段28aは、利用者登録画面40の利用者名設定テキストボックス41において指定されていた利用者名に対するパスワード表示条件であって、可変の文字の表示箇所が指定された画面をパスワード表示画面とし、このパスワード表示画面において指定された可変の文字の表示箇所をパスワード表示箇所としたパスワード表示条件を、パスワード表示条件情報34aに含めることを、サーバー30に指示する。例えば、表示条件設定手段28aは、利用者登録画面40の利用者名設定テキストボックス41において指定されていた利用者名に対するパスワード表示条件であって、アドレス帳画面60をパスワード表示画面とし、アドレス帳画面60において指定されたSMBパス表示領域62bをパスワード表示箇所としたパスワード表示条件を、パスワード表示条件情報34aに含めることを、サーバー30に指示する。
【0061】
表示条件設定手段28aは、S106の処理が終了すると、
図6に示す動作を終了する。
【0062】
次に、ワンタイムパスワードによって利用者を認証する場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0063】
MFP20の制御部28は、ワンタイムパスワードによる利用者の認証動作の開始が操作部21を介して指示されると、
図11に示す動作を実行する。
【0064】
図11は、ワンタイムパスワードによって利用者を認証する場合のMFP20の動作のフローチャートである。
【0065】
図11に示すように、制御部28は、ワンタイムパスワードによって利用者を認証するための
図12に示す認証画面70を表示する(S131)。
【0066】
図12に示す認証画面70は、利用者名を指定するための利用者名指定テキストボックス71と、ワンタイムパスワードを指定するためのワンタイムパスワード指定テキストボックス72と、認証を実行するためのOKボタン73とを含んでいる。利用者は、操作部21を介して利用者名指定テキストボックス71、ワンタイムパスワード指定テキストボックス72に、それぞれ、利用者名、ワンタイムパスワードを入力することができるとともに、操作部21を介してOKボタン73を押すことができる。
【0067】
図11に示すように、制御部28は、S131の処理が終了すると、利用者名指定テキストボックス71内の利用者名が変更されたか否かを判断する(S132)。
【0068】
制御部28は、利用者名指定テキストボックス71内の利用者名が変更されたとS132において判断すると、ワンタイムパスワードを生成し(S133)、生成したワンタイムパスワードをサーバー30に記憶させる(S134)。具体的には、制御部28は、利用者名指定テキストボックス71内の利用者名と、S133において生成されたワンタイムパスワードとの組み合わせを有するパスワード情報34bを記憶することを、サーバー30に指示する。
【0069】
制御部28のパスワード表示手段28bは、利用者名指定テキストボックス71内の利用者名が変更されていないとS132において判断されるか、S134の処理が終了すると、ワンタイムパスワードを表示可能であるか否かを判断する(S135)。具体的には、パスワード表示手段28bは、パスワード表示条件情報34aにおけるパスワード表示条件のうち、利用者名指定テキストボックス71において指定された利用者名に対するパスワード表示条件において設定されているパスワード表示画面が表示部22に表示されている場合に、ワンタイムパスワードを表示可能であるとS135において判断する。例えば、利用者名指定テキストボックス71において指定された利用者名が“KDC”であって、パスワード表示条件情報34aが
図4に示す情報である場合、利用者が操作部21を操作してアドレス帳画面60を表示部22に表示させたとき、パスワード表示手段28bは、ワンタイムパスワードを表示可能であるとS135において判断する。
【0070】
パスワード表示手段28bは、ワンタイムパスワードを表示可能であるとS135において判断すると、パスワード表示条件情報34aにおけるパスワード表示条件のうち、利用者名指定テキストボックス71において指定された利用者名に対するパスワード表示条件において設定されているパスワード表示箇所に、S134においてサーバー30に記憶させたワンタイムパスワードを表示する(S136)。例えば、利用者名指定テキストボックス71において指定された利用者名が“KDC”であって、パスワード表示条件情報34aが
図4に示す情報である場合、利用者が操作部21を操作してアドレス帳画面60を表示部22に表示させたとき、パスワード表示手段28bは、
図13に示すようにSMBパス表示領域62bに“12345678”というワンタイムパスワードを表示する。
【0071】
利用者は、表示部22に表示されたワンタイムパスワードを確認した後、このワンタイムパスワードを認証画面70のワンタイムパスワード指定テキストボックス72に操作部21を操作して入力することができる。
【0072】
制御部28は、ワンタイムパスワードを表示可能ではないとS135において判断されるか、S136の処理が終了すると、認証画面70においてOKボタン73が押されたか否かを判断する(S137)。
【0073】
制御部28は、OKボタン73が押されていないとS137において判断すると、S132の処理を実行する。
【0074】
制御部28は、OKボタン73が押されたとS137において判断すると、認証画面70の利用者名指定テキストボックス71において指定されている利用者名と、認証画面70のワンタイムパスワード指定テキストボックス72において指定されているワンタイムパスワードとに基づいて認証を実行する(S138)。具体的には、制御部28は、認証画面70の利用者名指定テキストボックス71において指定されている利用者名と、認証画面70のワンタイムパスワード指定テキストボックス72において指定されているワンタイムパスワードとの組み合わせがサーバー30上のパスワード情報34bに記憶されている場合に、認証が成功したと判断する。
【0075】
制御部28は、S138の処理が終了すると、サーバー30からワンタイムパスワードを削除する(S139)。具体的には、制御部28は、パスワード情報34bを削除することを、サーバー30に指示する。
【0076】
制御部28は、S139の処理が終了すると、
図11に示す動作を終了する。
【0077】
以上に説明したように、画像形成システム10は、ワンタイムパスワードを固定箇所ではなく利用者によって指定された表示箇所に表示させる(S136)ので、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。すなわち、画像形成システム10は、セキュリティー性能を向上することができる。
【0078】
特に、画像形成システム10は、可変の文字の表示箇所にワンタイムパスワードを表示させるので、ワンタイムパスワードを表示しているか否かが認識され難い。すなわち、画像形成システム10は、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。
【0079】
なお、ワンタイムパスワードが数字のみからなることを前提として、表示条件設定手段28aは、利用者登録画面40以外の画面において可変の数字の表示箇所の何れかが指定されたと判断した場合に限り、指定された表示箇所をパスワード表示箇所として、パスワード表示条件を設定しても良い。この場合、制御部28は数字のみからなるワンタイムパスワードを生成する。パスワード表示箇所として、例えば、印刷枚数の計数値などを設定することができる。この構成では、画像形成システム10は、可変の数字の表示箇所に数字のみからなるワンタイムパスワードを表示させるので、ワンタイムパスワードを表示しているか否かが認識され難い。すなわち、画像形成システム10は、ワンタイムパスワードを表示させた画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。
【0080】
また、画像形成システム10は、本実施の形態においてパスワード表示箇所として可変の文字の表示箇所のみが指定されることが可能であるが、パスワード表示箇所として固定の文字の表示箇所が指定されることが可能であっても良い。
【0081】
画像形成システム10は、パスワード表示箇所を利用者に指定させることができるだけではなく、パスワード表示画面自体も利用者に指定させることができるので、画面を見た他人によってワンタイムパスワードが認識される可能性を低減することができる。
【0082】
なお、画像形成システム10は、パスワード表示画面までの画面の遷移もパスワード表示条件に含めても良い。具体的には、表示条件設定手段28aは、パスワード表示条件設定ボタン42が押されたとS103において判断した後、パスワード表示箇所が指定される画面が表示されるまでの画面の遷移を、
図14に示すようにパスワード表示条件に含めても良い。
【0083】
図14は、パスワード表示条件情報34aの
図4に示す例とは異なる一例を示す図である。
【0084】
図14に示すパスワード表示条件情報34aは、利用者名と、パスワード表示画面までの画面の遷移と、パスワード表示画面と、パスワード表示箇所との組み合わせであるパスワード表示条件を、利用者名毎に含んでいる情報である。例えば、
図14に示すパスワード表示条件情報34aにおいて、利用者名“KDC”に対する画面遷移、パスワード表示画面、およびパスワード表示箇所は、それぞれ“システムメニュー画面→アドレス帳画面”、アドレス帳画面、およびSMBパス表示領域である。
【0085】
図14において、“システムメニュー画面→アドレス帳画面”とは、
図8に示すシステムメニュー画面50経由で
図9に示すアドレス帳画面60が表示されることを示す。“送信画面→アドレス帳画面”とは、
図15に示す送信画面80経由で
図9に示すアドレス帳画面60が表示されることを示す。
【0086】
なお、制御部28は、送信キー21bが押されることによって、
図15に示す送信画面80を表示部22に表示させる。
【0087】
図15に示す送信画面80は、アドレス帳を設定するためのアドレス帳ボタン81と、電子メールによる送信を実行するためのE−mailボタン82と、SMBによる送信を実行するためのSMBボタン83と、FTPによる送信を実行するためのFTPボタン84とを含んでいる。
【0088】
例えば、制御部28は、アドレス帳ボタン81が押されることによって、
図9に示すアドレス帳画面60を表示部22に表示させる。
【0089】
パスワード表示画面までの画面の遷移がパスワード表示条件に含まれている場合、パスワード表示手段28bは、パスワード表示条件情報34aにおけるパスワード表示条件のうち、利用者名指定テキストボックス71において指定された利用者名に対するパスワード表示条件において設定されている画面の遷移の通りに画面が遷移されて、このパスワード表示条件において設定されているパスワード表示画面が表示部22に表示されているときに、ワンタイムパスワードを表示可能であるとS135において判断する。
【0090】
例えば、利用者名指定テキストボックス71において指定された利用者名が“KDC”であって、パスワード表示条件情報34aが
図14に示す情報である場合、利用者が操作部21を操作してシステムメニュー画面50経由でアドレス帳画面60を表示部22に表示させたとき、パスワード表示手段28bは、ワンタイムパスワードを表示可能であるとS135において判断して、
図13に示すようにSMBパス表示領域62bに“12345678”というワンタイムパスワードをS136において表示する。
【0091】
一方、利用者名指定テキストボックス71において指定された利用者名が“KDC”であって、パスワード表示条件情報34aが
図14に示す情報である場合、利用者が操作部21を操作して送信画面80経由でアドレス帳画面60を表示部22に表示させたとき、パスワード表示手段28bは、ワンタイムパスワードを表示可能ではないとS135において判断して、SMBパス表示領域62bに“12345678”というワンタイムパスワードを表示させない。したがって、表示部22には、
図9に示すアドレス帳画面60が表示される。
【0092】
以上に説明したように、画像形成システム10は、パスワード表示画面までの画面の遷移もパスワード表示条件に含める場合、パスワード表示画面を利用者に指定させることができるだけではなく、パスワード表示画面までの画面の遷移もパスワード表示条件として利用者に指定させるので、セキュリティー性能を更に向上することができる。
【0093】
パスワード表示条件に含められる画面の遷移は、
図14に示すように2つの画面の間の1回の移動からなる遷移ではなく、2つ以上の画面の間の2回以上の移動からなる遷移であっても良い。画像形成システム10は、パスワード表示条件に含められる画面の遷移が複雑であるほど、セキュリティー性能を向上することができる。
【0094】
なお、画像形成システム10は、S106においてパスワード表示条件を設定するために決定ボタン21eが押されるが、決定ボタン21eに代えて表示部22に表示されるソフトウェアのボタンが採用されても良い。例えば、画像形成システム10は、アドレス帳画面60においてパスワード表示箇所が指定される場合に、パスワード表示条件を設定するためのボタンとしてアドレス帳画面60のSaveボタン65が採用されても良い。
【0095】
また、画像形成システム10は、利用者登録画面40以外の画面において何れかの表示箇所が指定されただけで、指定された表示箇所をパスワード表示箇所とするパスワード表示条件を設定しても良い。
【0096】
なお、画像形成システム10は、サーバー30を備えなくても良い。すなわち、MFP20は、サーバー30の機能を全て備えても良い。
【0097】
本発明のワンタイムパスワード表示装置は、本実施の形態においてMFPであるが、ワンタイムパスワードによる認証を実行する装置であれば、プリンター専用機、コピー専用機、FAX専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良いし、ATM(Automated Teller Machine)、PC(Personal Computer)、スマートフォンなど、画像形成装置以外のコンピューターであっても良い。