(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの分割されたシールドを形成するステップをさらに含み、分割されたシールドの第1の部分は第1のリーダスタックと電気的に接触し、分割されたシールドの第2の部分は第2のリーダスタックと電気的に接触し、分割されたシールドの第1の部分および分割されたシールドの第2の部分は電気絶縁体によって隔てられる、請求項8に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】マルチリーダヘッドと使用可能なハードディスクドライブ装置の例を示す図である。
【
図2A】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図2B】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図2C】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図2D】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図2E】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図2F】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図2G】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図2H】一実施例に従ってマルチリーダを製造するプロセスを示す図である。
【
図3A】一実施例に従って、マルチリーダと使用される、分割されたシールドを製造するプロセスの例を示す図である。
【
図3B】一実施例に従って、マルチリーダと使用される分割されたシールドを製造するプロセスの例を示す図である。
【
図3C】一実施例に従って、マルチリーダと使用される分割されたシールドを製造するプロセスの例を示す図である。
【
図3D】一実施例に従って、マルチリーダと使用される分割されたシールドを製造するプロセスの例を示す図である。
【
図3E】一実施例に従って、マルチリーダと使用される分割されたシールドを製造するプロセスの例を示す図である。
【
図3F】一実施例に従って、マルチリーダと使用される分割されたシールドを製造するプロセスの例を示す図である。
【
図4A】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図4B】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図4C】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図4D】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図4E】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図4F】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図4G】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図4H】さまざまな実施例に従った、さまざまな分割されたリーダの例を示す図である。
【
図5】一実施例に従った方法を示すフローチャートである。
【
図6】別の実施例に従った方法を示す別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
メモリ素子上で用いられるトラックの密度は改良され続けている。一例として、ハードディスクドライブ上で用いられるトラックの密度は、トラック同士がさらに一層近接して配置されるように改良され続けている。一実施例に従うと、現在では、複数のトラックが同時に読取られることもある。たとえば、マルチトラックリーダのうち1つのリーダを用いて1つのトラックを読取り、マルチトラックリーダの第2のリーダを用いて第2のトラックを読取ってもよい。一実施例に従うと、マルチリーダを形成するのに用いられ得る或る技術の場合、リーダスタックは、リーダスタックの隣接する端縁間の間隔が約100ナノメートル以下などとなるように、互いにごく近接して配置される。
【0010】
ここで
図1を参照すると、マルチリーダ装置の一例を見ることができる。
図1はハードディスクドライブを示す。ハードディスクドライブはリーダヘッドによって読取ることができる。
図1に示される例においては、2つの領域から同時に読取るために2つのリーダを有するリーダヘッドが示される。
図1は、これを、ハードディスクの第1のトラックから読取り、同時にハードディスクの第2のトラックから読取るものとして示す。これは、第1のリーダスタックおよび第2のリーダスタックを有するように読取ヘッドを作製することによって実現される。ハードディスクドライブは、たとえば、少なくとも2つのトラックを同時に読取ることができるので、より効率的であり得る。
【0011】
図1は、複数の読取センサ116を備えたトランスデューサヘッド120の例の平面図を示す。ディスク108は、動作中にディスクの回転軸を中心に回転する。さらに、ディスク108は外径102および内径104を含み、これら外径102と内径104との間には、円形の破線によって示されるいくつかの同心のデータトラック106が存在する。データトラック106は実質的に円形であり、たとえば、分解図に示され、ディスク108上でドットまたは楕円形としても示されるように、規則的に間隔を空けて配置されパターン化されたビットから構成される。しかしながら、上述の技術が連続的な磁気媒体およびディスクリートトラック(DT:discrete track)媒体を含む他のタイプの記憶媒体とともに使用され得ることが理解されるはずである。
【0012】
情報は、ディスク108上のさまざまなデータトラック106におけるパターン化されたビットに書込まれ、当該パターン化されたビットから読取られてもよい。トランスデューサヘッド120は、アクチュエータアセンブリ上において、アクチュエータの回転軸の遠位側にある端部に搭載され、ディスク動作中にディスク108の表面上方を当該表面にごく近接して移動する。アクチュエータアセンブリ110は、シーク動作中、ディスク108近傍に位置決めされたアクチュエータ回転軸を中心に回転する。シーク動作では、対象のデータトラック上にトランスデューサヘッド120が位置決めされる。分解図は、2つの読取センサ116を備えたトランスデューサヘッドを示す(アクチュエータアセンブリ110は図示せず)。
【0013】
例示を目的として、データトラック方向は、データトラックの円周または接線に沿った方向を表わし、横断するトラック方向は、(たとえば半径に沿って)トラックの幅を横断する方向を表わす。「アップトラック(Up-track)」は、トラックに対するヘッドの移動方向を指す。
【0014】
単一のトラックから読取れるようにマルチリーダが方向付けされ得ることも理解されるはずである。たとえば、マルチリーダは、同じトラックのうち2つの異なる領域から同時に読取ることができるだろう。このため、たとえば、一実施例では、トラック上のサーボデータを第1のリーダから読取りつつ、トラック上の記憶データを第2のリーダで読取ることを可能にし得る。これは、トラックの幾何学的形状のせいで、より困難になる可能性があり、トラックの幅がより広ければより容易に機能するだろう。
【0015】
ここで、
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、
図2E、
図2F、
図2Gおよび
図2Hを参照すると、マルチリーダ装置を構成するためのプロセスを見ることができる。
図2Aにおいては、装置200が、ベースコート層204、シールド層、スタック層およびハードマスク層から形成されている。この例におけるシールド層は、分割されたシールドとして示されており、部分208および212が絶縁体216によって互いから電気的に絶縁されている。絶縁体はたとえばAl
2O
3から形成されてもよい。ベースコートは、たとえば、Al
2O
3、SiO
2または他の絶縁体から形成されてもよい。シールドのための材料は、たとえば、NiFe、NiFeX、CoNiFe(X)、Co(X)、CoFe(X)、FeSiAl(X=遷移金属)または他の好適な磁気的に軟質の合金から形成されてもよい。スタック材料は、たとえば、トンネル接合スタック材料または巨大磁気抵抗効果(GMR:giant magnetoresistance)スタック材料から形成されてもよい。ハードマスクは、たとえば、非晶質炭素、SiC、Ta(N)または他の耐エッチング材料から形成されてもよい。読取りヘッドの空気軸受面の面は、
図2Aが描かれる面に対して実質的に平行になるだろう。
【0016】
現在、典型的なリーダが面垂直電流(CPP:current-perpendicular-to-the-plane)型であって、電流がスタック材料の厚みを通って流れることに留意されたい。シールド材料は磁気遮蔽をもたして分解能(resolution)を改善させる。電気的機能および磁気的機能がともに、2つ以上のリーダのために維持される。シールドが回路におけるリーダを電気的に結合するための電気的リードとして機能し得ることも理解されるはずである。
【0017】
図2Bは、心棒228が堆積可能であることを示す。心棒は、たとえば、カーボンブロックとして形成されてもよい。心棒は、リーダ同士の所定位置間において対称的に位置決めされてもよい。以下に示すように、リーダは、その後、心棒の位置に相対的に形成される。このため、心棒の位置決めは、リーダ同士を互いの近くに形成することを可能にするだけではなく、リーダの位置を規定するのに用いることもできる。
【0018】
次いで、心棒は、コンフォーマルコート(conformal coat)232によって覆われてもよい。コンフォーマルコートは、たとえば、SiO
2、Al
2O
3または他の酸化物もしくは窒化物から形成されてもよい。コンフォーマルコートの一局面は、側面の堆積をもたらすようにコンフォーマルコートが心棒の側面に塗布され得ることである。「極めてコンフォーマルなコーティング(Highly conformal coating)」が用いられてもよく、この場合、コーティングにより、磁界堆積(field deposition)に相当する側壁堆積をもたらすことができる。しかしながら、側壁堆積が磁界堆積よりも薄くなる「部分的なコンフォーマルコーティング」が用いられてもよいことも認識されるべきである。コンフォーマルコーティングという語は、極めてコンフォーマルなコーティングおよび部分的なコンフォーマルコーティングを包含するよう意図されている。次いで、コンフォーマルコートのかなりの部分が、
図2Bの水平面に沿ってコンフォーマル材料を取除くように、たとえば異方性エッチングによって除去されてもよい。これにより心棒が露出され、心棒の側壁に沿って、全てではないにしてもほとんどのコンフォーマル材料が保持される。次いで、心棒自体が取除かれてもよい。たとえば、心棒は選択性エッチングでエッチングされてもよい。結果として、コンフォーマル材料の側壁が第1の壁236および第2の壁240として保持されることとなる。
【0019】
壁236および240が形成されると、これらの壁236および240はリーダスタックを形成する際に用いられてもよい。
図2Cは、壁の下にあるハードマスク材料を除いては、ハードマスク層が除去され得ることを示す。たとえば、ハードマスク材料は、誘導結合プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)エッチングプロセスまたは他の反応性イオンエッチング(RIE:reactive ion etch)プロセスによって除去されてもよい。これにより、スペーサパターンから実質的に直線的な転写がもたらされる。このプロセスにより、結果として、壁240および236の下方にあるハードマスクを適所に残しつつ、ハードマスク層224の残りが除去されることとなる。ハードマスクキャップだけが存在し得る異なる実施例においては、壁のハードマスクを直接的に用いて、スタックをパターン化してもよい。
【0020】
次いで、
図2Eにおけるリーダスタック256および252を形成するために、
図2Dに示される構造がエッチングされ得る。たとえば、反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、第1のリーダおよび第2のリーダを規定するようにパターンをスタック層にまで転写してもよい。ミリングまたは反応性イオンビームエッチング(RIBE:reactive ion beam etching)などの他のエッチング技術が用いられてもよい。以上のように、リーダスタックは、心棒の元の位置に対して対称的に形成される。次いで、
図2Eにおける構造がコンフォーマル層260で覆われ得る。コンフォーマル層は、たとえば、
図2Fに図示のとおり、原子層揮発(ALV:atomic layer volatilization)または化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)プロセスから形成されてもよい。
【0021】
図2Gは、
図2Fに図示される構造上に絶縁層が堆積され得ることを示す。絶縁層は、たとえば、第2のリーダスタック256から第1のリーダスタック252を電気的に絶縁させることができる。
【0022】
最後に、
図2Hは、
図2Gに示される構造が残りのハードマスクを除去するために平坦化され得ることを示す。そして、上部シールド層264が追加され得る。結果として、2つのリーダスタックが互いにごく近接して構成されることとなる。たとえば、リーダスタックは、互いから約100ナノメートル以内に位置するよう形成されてもよい。リーダを用いてハードディスクドライブから読取りを行う場合、これらのリーダは、この例に従うと、約50ナノメートルのトラックピッチを有するトラックから読取るのに用いられ得る。たとえば、各々のリーダは、25ナノメートルの幅を有してもよく、他のリーダから25ナノメートルだけ隔てられてもよい。これにより、各トラックの幅が50ナノメートルである第1のトラックおよび第2のトラック上で各リーダを中心に配置させることが可能となる。
【0023】
分離された底部シールドをすべての実施例において用いる必要はない。しかしながら、分離された底部シールドが所望される場合、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3Eおよび
図3Fに示されるプロセスが用いられてもよい。
図3Aは、ベースコート層304が堆積され得ることを示す。第1のシールド部分308はベースコート層の上に堆積され得る。第1のシールド部分が構成されると、この第1のシールド部分はハードマスク層311によって覆うことができる。
【0024】
図3Bは、絶縁材料310が堆積され得ることを示す。絶縁材料310の側壁堆積を用いて、第1のシールド部分とその後のシールド部分との間に電気絶縁を形成することができる。
【0025】
図3Cにおいては、絶縁材料が、側壁絶縁およびハードマスク層311だけを残すようにエッチング除去されたものとして示される。絶縁材料は、たとえば、Al
2O
3、SiO
2またはフェライトなどの磁性絶縁体から形成されてもよい。磁性絶縁体は優れた電気絶縁をもたらし、シールド磁化構造に対する影響を低減させることができる。
【0026】
図3Dにおいては、付加的なシールド材料を堆積させたものが示される。次いで、この構造は、第2のシールド部分を作成するよう平坦化され得る。平坦化は、たとえば、化学−機械平坦化(CMP:chemical-mechanical planarization)またはエッチングによって実行されてもよい。結果として得られる構造が
図3Eによって示される。最後に、
図3Fは、残りのハードマスク層が除去され得ること、および構造が平坦化されて実質的に平坦な面が作成され得ることを示す。
図3Fに示される結果として得られる構造は、絶縁体316によって隔てられる第1のシールド部分308および第2のシールド部分312から構成される分割されたシールドを有する。
【0027】
図3Fにおける分割された底部シールドが作成されると、この底部シールドはさらに、
図2Aに示される構造を得るためにスタック層およびハードマスク層で構成され得る。2つのシールド部分間の絶縁体により、2つのシールド部分間に電気絶縁がもたらされる。
【0028】
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3Eおよび
図3Fは、分割された底部シールド構造を形成するための実施例を示す。同様のプロセスを後に続けて行うことで、分割された上部シールドも形成され得ることが認識されるべきである。さらに、底部シールドと上部シールドとのさまざまな組合せが用いられ得ることが認識されるべきである。ここで、
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4E、
図4F、
図4Gおよび
図4Hを参照すると、さまざまなシールド構成を見ることができる。
【0029】
図4Aは、分割された底部シールドおよび分割されていない上部シールドの例を示す。
図4Bは、分割された上部シールドおよび分割されていない底部シールドの例を示す。
図4Cは、分割された上部シールドおよび分割された底部シールドを示す。
【0030】
図4Dは、分割された底部シールドおよび分割されていない上部シールドを示す。しかしながら、この実施例は、CoFe/Ru/CoFeまたはNiFe/CoFe/Ru/CoFe/NiFeなどの任意の合成反強磁性体(SAF:synthetic antiferromagnet)シールド層が、リーダスタックの上部と分割されていない上部シールドとの間に配置されている点が、
図4Aに示される実施例とは異なる。
図4Eは、分割された上部シールドおよび分割されていない底部シールドを示す。任意のSAFシールド層は、分割されていない底部シールドとリーダスタックとの間に配置される。
【0031】
図4Fは、より大きな特徴の中心においてトレンチをエッチングすることによって、分割された上部シールドで2つのリーダが形成される場合の代替的なプロセス法を示す。
【0032】
図4Gは、ダウントラックのシールドおよび個々の電気接続をともにもたらすスタックの上部上に個々のリードが形成されている別の代替例を示す。さらに、これらの構造は、上部シールドから電気的に絶縁されており、シールドを電気的に細分割する必要性をなくす。
【0033】
図4Hは、3つ以上のリーダが作製可能であることを例示する。たとえば、
図4Hに示される実施例は、3つのリーダが構成可能であることを示す。
図4Hは、分割された上部シールドおよび分割された底部シールドを有する3つのリーダを示す。4つ以上のリーダを利用することを選択してもよい。
【0034】
ここで
図5を参照すると、一実施例を図示するフローチャート500が示される。フローチャートのうち第1の動作ブロックは動作502として示される。この動作においては、第1の壁が形成される。動作504においては、第2の壁が形成される。第1の壁および第2の壁は、半導体処理技術によって同時に形成され得る。壁の形成を別々に説明する場合、それは、これらの壁が別々の時に形成されなければならないことを示唆するよう意図したものではない。第1の壁および第2の壁が形成されると、動作506は、第1の壁および第2の壁を用いて2つの隣接するリーダスタックを形成し得ることを示す。
【0035】
ここで
図6を参照すると、マルチリーダを構築する別の例がフローチャート600によって例示され得る。動作ブロック602においては、心棒材料を堆積させ得る。心棒材料の位置は、構成されることとなるリーダスタックの選択された位置に対して対称的な関係になるよう選択され得る。たとえば、心棒は、構成されることとなる第1のリーダスタックおよび第2のリーダスタックについての指定された位置間において、対称的な分割線である中心線に沿って中心に配置されてもよい。これは動作604によって示される。
【0036】
動作606においては、第1の壁および第2の壁のための材料が心棒上に堆積される。この堆積は、心棒の側壁に沿った材料の堆積を含む。堆積後、心棒の上面に沿った材料が除去され得る。一実施例においては、動作608によって示されるように、心棒の上部上に堆積した如何なる材料もエッチングによって除去される。心棒の上面が再度露出されると、心棒材料が除去され得る。これは動作610として示される。
【0037】
心棒材料を除去することにより、結果として、動作612および616によって示されるように、心棒に沿って設けられた側面堆積物が適所に残されて、第1の壁および第2の壁が形成されることとなる。壁は、動作606において堆積した材料から作製されることとなる。このため、たとえば、動作614は、第1の壁および第2の壁を形成するためにポリシリコンが使用可能であることを例示する。
【0038】
第1の壁および第2の壁がリーダスタック材料の層の上方に設けられると、リーダスタック材料がエッチングされて、このリーダスタック材料が別々の部分に分割され得る。これは、谷部を形成するように壁同士の間のリーダスタック材料を除去することによって実現することができる。材料は、リーダスタックの下方にある材料の層に至るまで除去される。これにより、形成される2つのリーダスタック間に電気的分離を形成することが可能となる。この態様で、2つのリーダが、対称的な接合部を形成するようにこれら2つのリーダ間において絶縁体を中心として対称的に形成される。こうして、動作618は、壁を用いて2つの隣接するリーダスタックを形成することを示す。
【0039】
リーダスタックがリーダスタック材料からなる同じ初期層から形成されているので、動作620によって示されるように、リーダスタックは同じ層において有効に形成される。リーダスタックは、複数のトラックからの読取りを可能にするよう狭い寸法で互いにごく近接して配置され得る。たとえば、上述のこの技術は、リーダスタックの最も近接した端縁を互いから約100ナノメートル以内に構成することを可能にする。別の実施例に従うと、リーダスタックの最も近接した端縁は、互いから約25ナノメートル以内に配置されてもよい。さらに別の実施例に従うと、リーダスタックの最も近接した端縁は、互いから約5ナノメートル以内に配置されてもよい。
【0040】
最後に、動作624は、少なくとも1つの分割されたシールドがリーダスタックの底部または上部のいずれかにおいて使用され得ることを例示する。
【0041】
上述の技術により、リーダスタックを互いにごく近接させて構成することが可能となる。これにより、互いにごく近接している2つトラックから読取り可能なリーダスタックを構成することが可能となる。心棒に幅があることで、壁同士を互いの近くに構成することが可能となる。これは、心棒を取外す前に、心棒に沿った材料の側面堆積を用いることによって達成される。次いで、壁は、別個のリーダスタックを互いに近接させて形成するようにリーダスタック材料をエッチングすることを可能にし得る。これらの壁を用いることにより、昨今のリソグラフィツールの制約により通常構成することができなかったリーダを構成することが可能となる。さらに、この明細書中に記載されるプロセスは、さほど高価でないリソグラフィツールまたは処理を使用することを可能にする。場合によっては、これにより、リーダスタックの均一性を改善し、さらに、シグマ制御を改善することができる。2つのリーダスタックを同時に形成することにより、標準的な処理技術しか用いられなかった場合に複数のリーダを形成するのに必要となるであろうステップ数に比べて、プロセスステップを減らすことができる。加えて、同じ層からリーダを形成することにより、結果として得られるリーダの品質のばらつきを低減させることが可能となる。なぜなら、リーダはともに、同じリーダスタック形成プロセスの一環として堆積させた材料に基づいたものであるからである。
【0042】
壁は、また、シャドーイング(shadowing)に関する問題を克服する助けともなる。このシャドーイングに関する問題とは、リーダスタックを形成しようとするためにイオンミリングプロセスが用いられることになっていた場合に引起される可能性のあるものである。上述のプロセスにおいては、シャドーイングの影響なしに、リーダスタックが対称的な形状で形成され得る。シャドーイングは、反応性イオンエッチング(RIE)、反応性イオンエッチング(RIE)とイオンビームエッチング(IBE)との組合せ、または反応性イオンビームエッチング(RIBE)を用いることによっても減らすことができる。
【0043】
この明細書中に記載されるマルチリーダ構造は、たとえば、記憶媒体のトラック密度が増大すると有益になり得る。トラック密度が増大すると、ハードディスクドライブ面密度の成長が可能となる。マルチリーダは、一実施例に従って、同時に存在する複数のリーダから改善されたTPI能力および高いデータレートを得ることを可能にする。現在のTPHプロセス技術では、近接した小さなリーダを、好適に制御して優れた歩留まりが得られるようにパターン化することができるとは思われない。
【0044】
この明細書中に開示される図およびフローチャートは、例示および説明を目的として記憶装置の文脈においてさまざまな実施例を記載しているが、この明細書中に開示される技術が単純にディスクドライブの範囲を超えて記憶媒体のためにより広範囲に使用可能であることが理解されるはずである。
【0045】
この明細書中に記載される実施例は論理ステップとして実現され得る。したがって、この明細書中に記載される実施例を構成する論理演算は、動作、ステップ、オブジェクトまたはモジュールとさまざまに称される。さらに、特に明確に主張されない限り、または特定の順序が請求項の言語によって本質的に必要とされない限り、論理演算が如何なる順序でも実行され得ることが理解されるはずである。
【0046】
上述の明細書、例およびデータにより、例示的な実施例の構造および用途の完全な説明が提供される。主張された発明の精神および範囲から逸脱することなく多くの実施例が実施され得るので、主張された発明は、それぞれの請求項の言語およびサポートする明細書によって規定される。