特許第5955315号(P5955315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955315
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】グリースポンプユニット
(51)【国際特許分類】
   F16N 7/38 20060101AFI20160707BHJP
   F16N 39/00 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
   F16N7/38 D
   F16N39/00
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-508726(P2013-508726)
(86)(22)【出願日】2012年1月17日
(86)【国際出願番号】JP2012000233
(87)【国際公開番号】WO2012137393
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2014年12月16日
(31)【優先権主張番号】特願2011-82546(P2011-82546)
(32)【優先日】2011年4月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000198352
【氏名又は名称】株式会社IHI回転機械
(73)【特許権者】
【識別番号】000145611
【氏名又は名称】株式会社コガネイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】特許業務法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 寛之
(72)【発明者】
【氏名】田中 広和
【審査官】 北中 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−191878(JP,A)
【文献】 特開2010−203206(JP,A)
【文献】 特開昭61−090909(JP,A)
【文献】 特開2001−234851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16N 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリース缶を載置する載置台と、前記載置台上に立設したリフタと、前記リフタにより昇降するポンプ装置と、前記グリース缶内に気密に装入されたフォロアプレートを貫通するよう前記ポンプ装置に設けたサクションチューブを有し、前記ポンプ装置の作動により前記グリース缶内のグリースを前記サクションチューブ内に吸引して吐出口から吐出するようにしたグリース供給装置と、
定量弁と
からなるグリースポンプユニットであって、
前記吐出口から吐出されるグリースを導入管により導入しグリース中の気泡を微細化し、気泡が微細化したグリースを供給管により前記定量弁に供給するよう前記載置台上に設けた気泡分断装置と、
前記定量弁から吐出されない分のグリースを前記フォロアプレートを貫通して前記グリース缶内に戻す戻し管
有することを特徴とするグリースポンプユニット。
【請求項2】
前記定量弁が単一の弁本体からなり、該単一の弁本体と前記気泡分断装置とを接続する供給管における前記弁本体の注入口近傍に、前記戻し配管を接続した請求項1に記載のグリースポンプユニット。
【請求項3】
前記定量弁が、複数の弁本体をマニホールドにより直列に接続した構成を有し、マニホールドの出口に前記戻し配管を接続した請求項1に記載のグリースポンプユニット。
【請求項4】
前記戻し管は、グリース缶の底部近傍に開口している請求項1に記載のグリースポンプユニット。
【請求項5】
前記戻し管は、フォロアプレートの貫通部下面に開口している請求項1に記載のグリースポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリース缶内のグリースを、グリースに含まれる気泡を微細化して給油場所の定量弁に供給することができ、且つ、定量弁で消費されない分のグリースを前記グリース缶内に戻す循環を行ってグリースが油分分離する問題を抑制できるようにしたグリースポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりグリース缶の上部に設置して、グリース缶内のグリースを、給油場所の装置機器に備えられる定量弁等に供給するようにした潤滑用ポンプがある(特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1の潤滑用ポンプは、グリース缶の上部に載置してグリース缶の開口を覆うことができる蓋の上側に吸引装置を一体に備えており、前記蓋の下側には前記吸引装置に連通して下方へ延設したサクションパイプを備えており、更に、該サクションパイプには、中心の貫通口が嵌合し且つ外周がグリース缶の内面に接するようにしたフォロアプレートがボールチェーンによって昇降可能に吊り下げられている。
【0004】
そして、このような潤滑用ポンプを使用する際には、開放したグリース缶内部のグリース上に密着するようにフォロアプレートを装入し、このフォロアプレートの中心の貫通口にサクションパイプを貫通させて、前記吸引装置が備えられた蓋をグリース缶の上端に被せる。このようにセットした状態で吸引装置を駆動すると、サクションパイプを介してグリース缶内部のグリースが吸引されて給油場所の定量弁に供給される。グリース缶内のグリースが減量すると、それに伴ってフォロアプレートは下降し、フォロアプレートがグリース缶の底部まで下降するとグリースの供給は停止される。特許文献1の潤滑用ポンプでは、フォロアプレートの作用によりグリース缶内部のグリースの殆ど全てを吸引して供給することができる。グリースの供給が終了すると、吸引装置を持ち上げてサクションパイプを上昇させると共に、空になったグリース缶からフォロアプレートを吊り上げて取り出すようにしている。
【0005】
しかし、前記吸引装置によってグリース缶内のグリースを吸引する際には、グリース内に混在している微細な気泡が結合して大径の気泡に成長する問題があり、このように大径化した気泡が定量弁に供給されると、定量弁による給油場所の装置機器へのグリースの供給が大径気泡によって断続するという問題が生じ、このために、グリースを常に微細な量で定量供給することが要求される装置機器に対して、安定した潤滑性能が維持できなくなるという重大な問題が生じる。又、グリース缶を開封した後は、内部のグリースが外気と接することによって酸化し、更に、重力により油分が分離して、グリースが変質するという問題を生じていた。
【0006】
上記したような大径気泡の発生を防止するようにしたグリース供給装置がある(特許文献2参照)。
【0007】
特許文献2のグリース供給装置は、グリース缶のグリースを、圧送ポンプによってグリース調整ユニットに備えた気泡分断装置に供給しており、気泡分断装置では、圧送ポンプからのグリースを多孔部材の微細流路に通して気泡を分断し、更に、該多孔部材の出口面に沿って移動する孔開きの移動部材により微細通路を通過したグリースの気泡を分断するようにしており、分断によって気泡が微細化されたグリースを定量弁に供給するようにしている。前記グリース調整ユニットには、前記気泡分断装置の出口から分岐したグリースを、循環流路を経て孔から貯留タンク内に充填することにより気泡の微細化とグリースの混合とを行う多孔ノズルと、貯留タンク内のグリースを前記気泡分断装置を経由して定量弁へ供給する供給ポンプとを備えている。
【0008】
上記特許文献2のグリース供給装置によれば、気泡分断装置によってグリースの気泡を微細化して供給するので、定量弁によって給油場所の装置機器に供給されるグリースの供給が大径気泡によって断続されるといった問題を防止することかできる。更に、グリースを密閉構造の貯留タンクに循環するようにしているので、混合が有効に行われて油分が分離する等の変質の問題も防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−234851号公報
【特許文献2】特開2009−191878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献2のグリース供給装置では、グリース缶のグリースを圧送ポンプによりグリース調整ユニットに備えた気泡分断装置に供給し、気泡を分断したグリースを定量弁に供給すると共に、気泡分断装置出口から分岐したグリースを、多孔ノズルの孔から貯留タンク内に充填することにより気泡の微細化とグリースの混合とを行い、貯留タンク内のグリースを供給ポンプによって前記気泡分断装置に供給するようにした構成であるため、グリース調整ユニット全体の構成が大型且つ複雑になるという問題がある。
【0011】
又、気泡分断装置からのグリースは、供給管によって定量弁に供給されるのみであるため、定量弁が休止した場合には、気泡分断装置と定量弁との間の供給管内にグリースが停滞することになるので、その容量分のグリースが停滞中に油分分離する問題や気泡が生長してしまう可能性を有していた。
【0012】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなしたもので、グリース缶のグリースを、グリースに含まれる気泡を微細化して給油場所の定量弁に供給することができ、且つ、定量弁で消費されない分のグリースを前記グリース缶内に戻す循環を行ってグリース缶内及び供給管内全容量分のグリースが油分分離する問題を抑制できるようにしたグリースポンプユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、グリース缶を載置する載置台と、前記載置台上に立設したリフタと、前記リフタにより昇降するポンプ装置と、前記グリース缶内に気密に装入されたフォロアプレートを貫通するよう前記ポンプ装置に設けたサクションチューブを有し、前記ポンプ装置の作動により前記グリース缶内のグリースを前記サクションチューブ内に吸引して吐出口から吐出するようにしたグリース供給装置と、
定量弁と
からなるグリースポンプユニットであって、
前記吐出口から吐出されるグリースを導入管により導入しグリース中の気泡を微細化し、気泡が微細化したグリースを供給管により前記定量弁に供給するよう前記載置台上に設けた気泡分断装置と、
前記定量弁から吐出されない分のグリースを前記フォロアプレートを貫通して前記グリース缶内に戻す戻し管
有することを特徴とする。
【0014】
上記グリースポンプユニットにおいて、前記定量弁が単一の弁本体からなり、該単一の弁本体と前記気泡分断装置とを接続する供給管における前記弁本体の注入口近傍に、前記戻し配管を接続してもよい。
【0015】
又、上記グリースポンプユニットにおいて、前記定量弁が、複数の弁本体をマニホールドにより直列に接続した構成を有し、マニホールドの出口に前記戻し配管を接続してもよい。
【0016】
又、上記グリースポンプユニットにおいて、前記戻し管は、グリース缶の底部近傍に開口していてもよい。
【0017】
又、上記グリースポンプユニットにおいて、前記戻し管は、フォロアプレートの貫通部下面に開口していてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のグリースポンプユニットによれば、載置台上に載置したグリース缶のグリースを、昇降するポンプ装置のサクションチューブから吸引して気泡分断装置に導入し、気泡分断装置においてグリース内部に含まれている気泡の微細化を行ったグリースを定量弁に供給するようにしたので、簡略な構成にて大径気泡を含むグリースが定量弁に供給される問題を防止することができ、且つ、定量弁から吐出されない分のグリースを、戻し配管によりフォロアプレートを貫通してグリース缶内に戻すようにしたので、定量弁が休止した場合にも全供給管内のグリースは停滞することなく循環され、グリースが油分分離する問題を抑制できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のグリースポンプユニットの一実施例を示す全体正面図である。
図2図1をII−II方向から見た側面図である。
図3図1をIII−III方向から見た平面図である。
図4】気泡分断装置の一例を示す断面図である。
図5図1の定量弁の他の例であるマニホールドを有する定量弁を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1 載置台
2 リフタ
11 ポンプ装置
16 サクションチューブ
17 吐出口
19 フォロアプレート
23 気泡分断装置
24 導入管
36 供給管
37 定量弁
40 注入口
47 戻し配管
48 マニホールドを有する定量弁
49 出口
50 グリース供給装置
M マニホールド
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のグリースポンプユニットの一実施例を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は本発明のグリースポンプユニットの一実施例を示す全体正面図、図2図1をII−II方向から見た側面図、図3図1をIII−III方向から見た平面図であり、グリースポンプユニットは、グリース供給装置50と定量弁37とを有している。
【0023】
グリース供給装置50は、グリース缶100を載置するための載置台1を有し、該載置台1の一側である奥側にはリフタ2が立設している。該リフタ2は、エアシリンダ3の場合を示しており、該エアシリンダ3から上方へ突出するシリンダロッド4の上端にはL字形のプレートからなる昇降部材5が固定されている。前記エアシリンダ3のシリンダロッド4は、外部に設けた操作パネル6に接続されている空気管7(図3)によって供給される圧縮空気により伸縮駆動する。前記操作パネル6には、シリンダロッド4の伸縮を行うエアシリンダ3の作動空気圧力を調整して昇降部材5の昇降速度を所定値に保持するための昇降用のレギュレータ8が設けてあり、更に、シリンダロッド4の上昇と下降を切り替える昇降切替スイッチ9と、シリンダロッド4の移動を寸動させるインチングスイッチ10が設けられている。
【0024】
前記昇降部材5には、ポンプ装置11が固定されている。このポンプ装置11は、前記昇降部材5に固定された駆動シリンダ12を有している。この駆動シリンダ12は、内部にピストン(図示せず)を備えており、前記操作パネル6に接続した空気管13から供給される圧縮空気を電磁弁14により切り替えて前記ピストンを昇降させるようになっている。図1中、15は、前記操作パネル6に備えられて前記駆動シリンダ12の作動空気圧力を調整し、グリースの性状等に応じてグリースの吐出圧力を設定するためのポンプ用のレギュレータである。
【0025】
前記駆動シリンダ12の下側にはサクションチューブ16が延設してあり、該サクションチューブ16の内部には前記ピストンに連結されて昇降する弁体(図示せず)が備えてあり、前記ピストンが昇降すると弁体の作用によってサクションチューブ16下端の吸引口からグリース缶100内のグリースを吸引し、サクションチューブ16上端の吐出口17から吐出するようになっている。図1中、18は吐出するグリースの圧力計である。
【0026】
前記グリース缶100の内部には、フォロアプレート19が気密に装入、取出可能に設けてあり、このフォロアプレート19は、グリース缶100の内部に気密に装入される大きさの円形のゴム板20を、該ゴム板20よりも径が小さい下側の金属板21(鉄板)と上側の錘22によって挾持した構成を有しており、前記フォロアプレート19の中心には該フォロアプレート19を貫通する貫通孔を設けると共にシールリングが設けてあり、前記サクションチューブ16は気密を保持して貫通孔に挿通できるようになっている。従って、フォロアプレート19は、その自重とポンプ装置11の吸引力及びグリースの表面張力により、グリース面に密着されているため、グリースの消費に追従してフォロアプレート19も下降する。前記錘22はグリースの硬度が高い場合に備えるものであり、グリースが軟らかい場合には備えなくてもよい。又、前記サクションチューブ16には、該サクションチューブ16が貫通する透明の蓋部材101が設けてあり、該蓋部材101は開放されたグリース缶100上を覆うことによってグリース缶100内に異物が侵入するのを防止すると共に、蓋部材101を通してグリース缶100内部の状況を観察できるようにしている。更に、前記駆動シリンダ12には、下端が前記蓋部材101を貫通してフォロアプレート19の錘22にマグネット等により取り付けられてフォロアプレート19と共に昇降するレベルロッド19aが設けてあり、該レベルロッド19aによってフォロアプレート19の高さ位置(グリース残量)を検出できるようにしている。前記昇降部材5には、前記レベルロッド19aの上端を検出するローレベルスイッチ19bが設けてあり、グリース残量が0になると、ローレベルスイッチ19bはそれを検出してポンプ装置11を停止し、コントローラへ異常を出力するようになっている。
【0027】
前記グリース供給装置50に備えた前記載置台1上の図1における左側には気泡分断装置23が設置してあり、前記サクションチューブ16上端の吐出口17から吐出されるグリースを導入管24を介して前記気泡分断装置23に導入するようにしている。
【0028】
図4は気泡分断装置23の一例を示すもので、図1図4に示すように、前記載置台1上に固定できるようにした台部材25の上部に容器本体26が設けてあり、容器本体26の内部には、前記導入管24による上部の入口24'からグリースを受ける下向きに凹形の筒形多孔部材27が固定してあり、該筒形多孔部材27の下部外周を僅かな間隔を有して包囲し、前記容器本体26の中心底部を貫通する回転軸28に固定された孔開きの筒形回転部材29が設けられている。前記回転軸28の下端には、プーリ30が設けてあり、前記台部材25における容器本体26の側部に設置した駆動モータ31の下部駆動軸32の下端にはプーリ33が設けてあり、前記プーリ30とプーリ33との間にはベルト34が備えられ、前記駆動モータ31によって前記孔開きの筒形回転部材29が回転されるようになっている。図中35は前記筒形回転部材29下部空間のグリースを吐出する吐出口である。
【0029】
前記筒形多孔部材27は、金属粒子を円筒状に焼結したもの、或いは円筒部材の周面に径方向に多数の微細な孔を貫通させたもの等からなる微細流路を備えたものであり、このときの微細流路の口径は例えば10〜60メッシュ程度とすることができる。前記筒形多孔部材27は、グリースの性状に応じて異なるメッシュのものに容易に交換することができ、幅広いグリースに対応できるようにしている。
【0030】
又、前記孔開きの筒形回転部材29は、円筒部材の周面に前記微細流路よりも大きい例えば直径2〜10mm程度の開口29aを多数貫通形成したものを用いることができ、筒形回転部材29は例えば60〜100rpm程度の速度で回転させることができる。
【0031】
前記気泡分断装置23は、図4では、微細流路にグリースを通して気泡を分断する筒形多孔部材27と、該筒形多孔部材27の外側に沿って移動して筒形多孔部材27の微細流路を通過したグリースの気泡を移動によって分断する筒形回転部材29を備えた場合について示したが、筒形多孔部材27の内側に、前記前記孔開きの筒形回転部材29を備えた場合にも同様にグリースの分断効果を発揮することができる。又、図1では前記グリース供給装置50に備えた前記載置台1上に気泡分断装置23を設置した場合について示したが、前記気泡分断装置23は前記グリース供給装置50に対して別個に設けてもよい。
【0032】
前記気泡分断装置23の吐出口35から吐出したグリースは、供給管36によって定量弁37に供給される。この定量弁37は単一の弁本体37aからなる場合を示しており、切換弁部39と定量弁部44とそれらを連通する連通路43を有している。切換弁部39は切換弁38により供給される圧縮エアによりサブプランジャ42を図中下方に移動させて、定量弁部44と吐出口41とを連通させる吐出位置と、切換弁38により供給された圧縮エアを排気してばねによりサブプランジャ42を図中上方に移動させて、吐出口41を閉じ、注入口40から流入するグリースを小径部42aと連通部43とを介して定量弁部44に送る吸入位置との2つの位置をとる。定量弁部44は、ばね力で図中上方に移動するメインプランジャ45によって連通路43を介して流入するグリースをメインプランジャ45の下部室45aに吸引することによってグリースの計量を行い、切換弁46から供給される圧縮エアによりメインプランジャ45を図中下方に移動することで計量されたグリースを前記吐出口41から吐出する。図中45bはメインエアプランジャ45の上限位置を調節することによりメインプランジャ45の移動量を変えてグリースの吐出量を任意に調節するための調節器である。尚、図1の定量弁37では、単一の弁本体37a内に切換弁部39と定量弁部44とそれらを連通する連通路43を内蔵した場合について例示したが、切換弁部39と定量弁部44を別体に設けて、該切換弁部39と定量弁部44との間を連通路43によって接続してもよい。
【0033】
前記供給管36における前記定量弁37の注入口40の直前には戻し配管47が分岐してあり、該戻し配管47は前記蓋部材101及びフォロアプレート19を貫通し、図1では戻し配管47の下端がグリース缶100の底部近傍に導かれて開口している。尚、戻し配管47は、前記フォロアプレート19を貫通した位置、即ち、貫通部下面に開口していてもよい。
【0034】
図5は前記図1における定量弁37の他の例を示すもので、この定量弁は、複数の弁本体48a,48b,48c,48dを直列に接続したマニホールドMを有する定量弁48の場合を示している。そして、前記供給管36からマニホールドMの注入口40に供給されたグリースは、切換弁によって任意の弁本体48a、48b,48c,48dから吐出されるようになっている。前記マニホールドMの出口49は前記戻し配管47に接続されており、各弁本体48a、48b,48c,48dから吐出されず消費されなかったグリースは前記グリース缶100に戻されるようになっている。
【0035】
次に、上記実施例の作動を説明する。
【0036】
前記グリースポンプユニットによりグリースの供給を行うには、前記リフタ2のエアシリンダ3のシリンダロッド4を伸長させてポンプ装置11及びサクションチューブ16を上昇させた状態において、蓋を開放し上部開口から内部にフォロアプレート19を気密に装入したグリース缶100を載置台1上に設置する。続いて、前記エアシリンダ3のシリンダロッド4を縮小させてポンプ装置11及びサクションチューブ16と戻し配管47を下降させ、サクションチューブ16の下端が前記フォロアプレート19中心の貫通孔に一致するように位置合わせして、サクションチューブ16の下端をグリース缶100の内部に挿入して底部近傍に位置させる。
【0037】
続いて、ポンプ装置11に圧縮空気を供給して駆動させることにより、サクションチューブ16の下端からグリース缶100内のグリースを吸引する。サクションチューブ16によって吸引されたグリースは、上端の吐出口17から導入管24に吐出されて入口24'から前記気泡分断装置23に導入される。
【0038】
前記気泡分断装置23に導入されたグリースは、筒形多孔部材27に供給され、この筒形多孔部材27の微細流路をグリースが通る際に、前記大径気泡は微細化される。更に、筒形多孔部材27の外周には、僅かな間隔を隔てて包囲し駆動モータ31によって回転される孔開きの筒形回転部材29が設けられているので、前記筒形多孔部材27の微細流路を通ったグリースが、孔開きの筒形回転部材29の移動による剪断を受けることにより更に気泡が分断され、これにより気泡の微細化が更に促進されるようになる。
【0039】
上記したように気泡が微細化されたグリースは、図1における吐出口35から供給管36を介して定量弁37に供給され、定量弁37により定量されて吐出口41から供給場所の装置機器に供給される。このとき、前記したように気泡が微細化したグリースが定量弁37に供給されるので、定量弁37から装置機器に供給されるグリースが大径気泡の存在によって断続するといった問題の発生を防止することができる。
【0040】
一方、前記供給管36における前記定量弁37の注入口40の直前には戻し配管47が分岐されて、定量弁37において吐出されない分のグリースをグリース缶100に戻すようにしているので、前記定量弁37による装置機器へのグリースの供給量が減少、或いは供給が停止した際には、吐出されない分のグリースはグリース缶100の底部近傍に戻される。このため、グリースは外気と接することなく密閉域内において循環することによって混合が促進され、これによりグリースの油分が分離する問題を抑制して、グリースが変質するという問題の発生を抑制することができる。又、図5に示すマニホールドMを有する定量弁48においても、マニホールドMの出口49から吐出されるグリースを、前記戻し配管47によって前記グリース缶100に戻すようにしているので、図1の場合と同様にグリースが変質する問題を抑制することができる。
【0041】
ここで、図1に示すように、戻し配管47の下端をグリース缶100の底部近傍に開口させた場合には、該戻し配管47の開口とサクションチューブ16先端の吸込口が缶底の近い位置にあるため、気泡分断装置23により気泡が微細化され且つ成分分離も抑制されたグリースは、缶内に長時間滞留することなく比較的短時間でサクションチューブ16から吸引されて吐出されるようになる。従って、気泡分断装置23により気泡が微細化されてグリース缶100に戻って来たグリースは優先的にサクションチューブ16に吸引されて消費されるようになる。
【0042】
一方、前記戻し配管47は、前記フォロアプレート19を貫通した位置の貫通部下面に開口していてもよい。上記戻し管47の先端をフォロアプレート19の貫通部に固定した場合には、グリースの消費に伴って戻し管47はフォロアプレート19と共に下降するようになる。このとき、フォロアプレート19に固定した戻し配管47の開口と、缶底に開口しているサクションチューブ16の吸込口との距離は離れているため、グリース缶100内のグリースは全体的に気泡分断装置23に供給されて戻り配管47から戻される循環が行われるようになり、グリース全体の気泡の微細化と成分分離の抑制が図られる。
【0043】
本発明の実施例によれば、グリース缶100内、供給管36内、戻し管47内の全てのグリースは循環され、しかもこの循環は繰り返して行われるので、気泡の微細化、油分分離の抑制効果を大幅に高めることができる。更に、上記したようにグリースを循環することにより、グリースの粘性が低下されるようになり、グリースの圧送性を高めることができる。
【0044】
又、本実施例では、特許文献2のようなグリースを受けるための貯留タンクを備える必要がなく、簡略な構成で、規格サイズを持たない1〜3kgのような小型グリース缶によるグリースの供給に使用できる。
【0045】
尚、本発明のグリースポンプユニットは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のグリースポンプユニットは、グリースに含まれる気泡を微細化して給油場所の定量弁に供給し、定量弁で吐出されない分のグリースはグリース缶内に戻すことによりグリース缶内及び供給管内でグリースが油分分離するのを防止する際に好適に用い得る。
図1
図2
図3
図4
図5