【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様によれば、本発明は、映像デコーダの入力ビットストリームを、外部の映像デコーダにより復号化された、処理済み映像シーケンスと時間的に同期するための方法であって、
a)入力ビットストリームを捕捉し、それをビットストリーム分析器に供給するステップ、
b)ビットストリーム分析器により、捕捉された入力ビットストリームをパースかつ分析するステップ、
c)入力ビットストリームを復号化し、それから再構成された画像N
recを提供するステップ、
d)再構成された画像N
recをバッファに記憶するステップ、および、
e)マッチングフレームn
*を、バッファ内の再構成された画像の集合から探し出すために、映像デコーダの出力側から受信される、処理済み映像シーケンスを、記憶された再構成された画像の各個と比較するステップ
を含む方法を提供する。
【0016】
この方法は、マッチングフレームn
*、およびそのビットストリームの対応する部分を、映像品質評価ユニットに供給するステップf)をさらに含み得る。映像品質評価ユニットは、ビットストリームおよび処理済み映像シーケンスからの取得情報に基づいて、主観品質スコアを推定することができる。
【0017】
この方法のステップb)は、ビットストリームから、各画像に対して、伝送エラーによって失われていたパケット、およびパケット損失により影響を受けていた各フレーム内の対応する領域、ならびに、各フレームのどの画素が、それらの予測のために、エラーを含む部位を参照するか、したがって、パケット損失により影響を及ぼされていた傾向にあるかを示す、動きベクトルおよびマクロブロックタイプに基づくエラー伝播マップ(error propagation map)を抽出するステップをさらに含み得る。
【0018】
さらに、ステップe)は、ビットストリー
ムから抽出される情報を活用することにより、処理済み映像シーケンスと、バッファ内の再構成された画像との間の距離メトリック(distance metric)を計算するステップを含み得る。ビットストリームから抽出される情報は、パケット損失による劣化(impairment)の空間的および時間的な場所を含み得る。
【0019】
第2の態様によれば、本発明は、画素ドメインに対して映像ビットストリームを完全に復号化することなく、映像デコーダの入力ビットストリームを、映像デコーダにより復号化された、処理済み映像シーケンスと時間的に同期するための方法であって、
a)入力ビットストリームを捕捉し、それをビットストリーム分析器に供給するステップ、
b)エラーマップI(x,y,t)、およびパケット損失により影響を及ぼされていた画素の集合Aを生成するために、ビットストリーム分析器により、捕捉されたビットストリームを分析するステップであって、I(x,y,t)が、第tのフレームの場所(x,y)でのエラーマップ値を示し、ただし、x=0、1、…、M、およびy=0、1、…、Nであり、M、Nがそれぞれ、映像シーケンスの各フレームの水平方向および垂直方向のサイズであるステップ、
c)ステップ(b)でビットストリーム分析器により生成される、N
recのフレームのエラーマップをバッファに記憶するステップ、ならびに、
d)処理済み映像シーケンスの現在の画像とマッチングする、マッチングフレームn
*を、バッファ内の再構成されたフレームの集合から探し出すために、生成されたN
recのフレームの記憶されたエラーマップを、現在の処理済み映像シーケンスの対応するエラーマップと比較するステップ
を含む方法を提供する。
【0020】
この方法は、マッチングフレームn
*、およびそのビットストリームの対応する部分を、映像品質評価ユニットに供給するステップe)を含み得る。
【0021】
ステップc)とd)との間で、以下のステップ、すなわち、
処理済み映像シーケンスの現在の画像のエッジを抽出するステップ、
パケット損失により影響を受けた領域に属する可能性があるエッジの輪郭を計算するステップ、
処理済み映像シーケンスのエッジ輪郭を、バッファに記憶されたエラーマップのエッジ輪郭と比較するステップ
が実行されることがさらに好ましい。
【0022】
第3の態様によれば、本発明は、映像デコーダの暗号化された入力ビットストリームを、映像デコーダにより復号化された、処理済み映像シーケンスと時間的に同期するための方法であって、
a)暗号化された入力ビットストリームを分析モジュールに供給するステップ、
b)分析モジュールで、暗号化された入力ビットストリームのパケットヘッダ情報を分析し、ビットストリームに包含されるピクチャのサイズおよびタイプを算出するステップ、
c)算出されたピクチャのサイズおよびタイプを基にして、映像ピクチャで描写されるコンテンツを表す特徴を抽出するステップ、
d)処理済み映像シーケンスのピクチャから、コンテンツのタイプ、およびコンテンツを表すそれぞれの特徴を抽出するステップ、
e)現在の処理済み映像シーケンスに対応するビットストリームの部分を計算するために、ステップd)で、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャから抽出される特徴を、ステップc)で、分析されたピクチャから抽出される特徴と比較するステップ
を含む方法を提供する。
【0023】
ステップc)およびd)で抽出される特徴は、好ましくは、時間依存性(time-varying)の特徴であり、これらのステップは、画素ドメインにおいて実行され得る。
【0024】
好ましい実施形態によれば、検査中の処理済み映像シーケンスに対応するビットストリームの特徴および部分は、映像品質評価モジュールにさらに入力される。
【0025】
ステップb)は、パケット損失により影響を受けていたフレームをさらに検出し得るものであり、
f)パケット損失によって生成されたアーチファクトに関して、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャを検査するステップ、および、
g)処理済み映像シーケンスの、ビットストリームの対応するフレームとのマッチングのステップであって、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャが、ステップf)で、パケット損失の結果として挿入されたアーチファクトを包含することが検出されたならば、そのピクチャが、ステップb)で、パケット損失を包含することがわかったフレームに対応するビットストリームの部分とマッチングされるステップ
をさらに含み得る。
【0026】
本発明のさらなる態様は、映像デコーダの入力ビットストリームを、外部の映像デコーダにより復号化された、処理済み映像シーケンスと時間的に同期するための装置であって、
入力ビットストリームを受信し、入力ビットストリームをパースかつ分析するように構成されるビットストリーム分析器、ならびに、
分析されたビットストリームを、処理済み映像シーケンスと同期するように構成され、
ビットストリーム分析器から分析されたビットストリームを受信し、それから再構成された画像N
recを提供するように構成されるデコーダと、
処理済み映像シーケンスにより表される出力画像が、この特定の数の、前に再構成された画像と比較され得るように、前記デコーダからの前記再構成された画像N
recを記憶するように構成されるバッファと、
ビットストリーム分析器から分析されたビットストリームを、バッファから再構成された画像を、および処理済み映像シーケンスを受信し、
処理済み映像シーケンスを、バッファ内の再構成された画像のうちのそれぞれと比較するように、かつ、
映像バッファ内の最良のマッチング画像を決定するように
構成される画素ドメイン比較ユニットと
を備える同期モジュール
を備える装置に関する。
【0027】
装置は、好ましくは、映像シーケンスの品質を査定するために、ビットストリームおよび処理済み映像シーケンスからの情報を組み合わせる映像品質評価モジュールを備える。比較ユニットは、ビットストリームから抽出される情報を活用することにより、処理済み映像シーケンスと、バッファ内の検査される再構成された画像との間の距離メトリックを計算するようにさらに構成され得る。さらに、比較ユニットは、ビットストリームおよび処理済み映像シーケンスからの情報に基づいて、主観品質スコアを推定するために、映像品質評価モジュールに最良のマッチング画像を出力するように構成される。
【0028】
ビットストリーム分析器は、ビットストリームから、各ピクチャに対して、伝送エラーによって失われていたパケット、およびパケット損失により影響を受けていた各フレーム内の対応する領域、ならびに、各フレームのどの画素が、それらの予測のために、エラーを含む部位を参照するか、したがって、パケット損失により影響を及ぼされていた傾向にあるかを示す、動きベクトルおよびマクロブロックタイプに基づくエラーマップを抽出するように構成されることがさらに好ましい。
【0029】
さらなる態様によれば、本発明は、映像デコーダの入力ビットストリームを、映像デコーダにより復号化された、処理済み映像シーケンスと時間的に同期するための装置であって、
入力ビットストリームを受信し、暗号化された入力ビットストリームのパケットヘッダ情報のために入力ビットストリームを分析するように、かつ、ビットストリームに包含されるフレームのサイズおよびタイプを算出するように構成されるビットストリーム分析器、ならびに、
分析されたビットストリームを、処理済み映像シーケンスと同期するように構成され、
ビットストリーム分析器から、分析されたビットストリームを受信し、エラーマップI(x,y,t)、およびパケット損失により影響を及ぼされていた画素の集合Aを生成するように構成される抽出モジュールであって、I(x,y,t)が、第tのフレームの場所(x,y)でのエラーマップ値を示し、ただし、x=0、1、…、M、およびy=0、1、…、Nであり、M、Nがそれぞれ、映像シーケンスの各フレームの水平方向および垂直方向のサイズである、抽出モジュールと、
プローブ内でビットストリーム分析器により内部で生成される、N
recのフレームのエラーマップを記憶するように構成されるバッファと、
バッファから、再構成されたフレームN
recのエラーマップを、および処理済み映像シーケンスの対応するエラーマップを受信し、
N
recの再構成されたフレームの記憶されたエラーマップを、現在の処理済み映像シーケンスの対応するエラーマップと比較するように、かつ、
処理済み映像シーケンスの現在の画像とマッチングする、マッチングフレームn
*を、バッファ内の再構成されたフレームの集合から決定するように
構成されるエラーパターン検索モジュールと
を備える同期モジュール
を備える装置を提供する。
【0030】
さらなる態様によれば、本発明は、映像デコーダの暗号化された入力ビットストリームを、映像デコーダにより復号化された、処理済み映像シーケンスと時間的に同期するための装置であって、
暗号化された入力ビットストリームを受信し、入力ビットストリームをパースかつ分析するように構成されるビットストリーム分析器、ならびに、
分析されたビットストリームを、処理済み映像シーケンスと同期するように構成される同期モジュールであって、
算出されたピクチャのサイズおよびタイプを基にして、映像ピクチャで描写されるコンテンツを表す特徴を抽出するように構成される第1の抽出モジュールと、
処理済み映像シーケンスのピクチャから、コンテンツのタイプ、およびコンテンツを表すそれぞれの特徴を抽出するように構成される第2の抽出モジュールと、
第1の抽出ユニットおよび第2の抽出ユニットに接続され、
処理済み映像シーケンスの現在のピクチャから抽出される特徴を、分析されたピクチャから抽出される特徴と比較するように、かつ、
現在の処理済み映像シーケンスに対応するビットストリームの部分を計算するように
構成される比較ユニットと
を備えることを特徴とする同期モジュール
を備える装置を提供する。
【0031】
本発明の目的に戻ると、それは、一般論的には、本発明によって、入力ビットストリームをパースかつ復号化するためのビットストリーム分析器、ビットストリームをPVSと時間的に同期することに関与している同期モジュールを含む、デバイス(プローブ)の提供により実現され得る。
【0032】
映像ビットストリームとPVSとの時間的な同期に関与しているデバイスは、デコーダから出力される再構成された画像を記憶するバッファを備える。このバッファは、復号化デバイスからの特定の数の再構成された画像N
recをプローブ内で記憶可能であるべきであり、それによって、出力画像が、この特定の数の、前に再構成された画像と比較され得る。
【0033】
PVSと映像ビットストリームとの同期に関与しているモジュールは、以下の動作、すなわち、
a)PVSをバッファ内の再構成された画像のうちのそれぞれと比較する
b)ビットストリームから抽出される情報(例えば、パケット損失による劣化の空間的および時間的な場所)を活用することにより、PVSと、バッファ内の検査される再構成された画像との間の距離メトリックを計算する
c)映像バッファ内の最良のマッチング画像を決定し、それを、ビットストリームおよびPVSからの情報に基づいて主観スコアMOSを推定することに関与している映像品質評価モジュールに出力する
を実行する。
【0034】
以下では、本発明がより詳細に説明される。
【0035】
第1に、ビットストリームとPVSとの間の時間的な同期の第1の実施形態が、
図2を参照して説明される。
【0036】
ビットストリームと復号化/処理済み映像シーケンスとの間の時間的な同期は、2つのステップからなる。最初に、第1のステップでは、本発明による装置、すなわちプローブデバイスは、ビットストリームを捕捉し、それを、各ピクチャに対して以下の情報、すなわち、
a.伝送エラーによって失われていたパケット、およびパケット損失により影響を受けていた各フレーム内の対応する領域、ならびに、
b.各フレームのどの画素が、それらの予測のために、エラーを含む部位を(予測のために)参照するか、したがって、パケット損失により影響を及ぼされていた傾向にあるかを示す、動きベクトルおよびマクロブロックタイプに基づくエラー伝播マップ
を抽出するビットストリーム分析器に送り込む。
【0037】
Aによって、パケット損失により影響を受けていた画素、および、それらの予測のために、失われた画素を参照する画素の集合を示す。さらに、I(x,y,t)によって、第tのフレームの場所(x,y)でのエラー伝播マップ値を示し、ただし、x=1、2、…、M、およびy=1、2、…、Nであり、M、Nがそれぞれ、映像シーケンスの各フレームの水平方向および垂直方向のサイズである。集合Aに属する画素に対する値は1であり、そうでない場合は、それらの値は0である。したがって、次式となる。
【0038】
【数1】
【0039】
換言すれば、集合Aは、異なるエラー隠蔽技法によって、処理済み映像シーケンスと、プローブ内のデコーダの再構成された画像との間で同一でないことになるすべての画素を包含する。この理由で、集合Aに属するすべての画素は、以下の段階での時間的な同期のために利用不可能と示される。エラー伝播マップの導出の例が、
図5に図示される。パケット損失が第1のフレームで発生し(
図5では、右側のピクチャ内の暗い領域が、パケット損失によって劣化されていたマクロブロックを示す)、予測処理のために第1のフレームの影響を受けた領域を参照する後続のフレームの画素が、計算され、同期処理のために利用不可能とマーキングされる。これは、プローブの内部の映像デコーダと、復号化デバイス、例えばSTBのデコーダとの間での異なるエラー隠蔽技法の適用によって、再構成された画像と処理済み映像シーケンスとの間で異なり得る画素をなくすのに役立つことになる。
【0040】
以下では、内部のデコーダ内のエラー伝播マップの生成のためのより多くの情報が提供される。各ピクチャに対して、プローブ分析器が、ビットストリームで、(例えば、ネットワークの劣化および/またはパケット損失によって)正しく受信されなかったマクロブロックの数および位置を検出する。検出は、新しいスライスの始まりを示すスライスヘッダのパーシングに基づく。現代の符号化スキームでは、スライスは、同じピクチャから他の情報を参照することなく、独立して符号化され得る符号化ユニットと定義されることに留意されたい。したがって、損失が発生する所とスライスの末端との間のすべてのマクロブロックが、復号化不可能とマーキングされる。例として、
図6では、エラーがフレームtで発生し、影響を受けたマクロブロックが灰色で示されるものとする。エラー伝播マップの値が、そのマクロブロックに属するすべての座標に対しては1に設定され、他のすべての(正しく受信かつ復号化された)フレームに対しては0に設定される。
【0041】
加えて、エンコーダの予測的性質によって、後続のフレームでのマクロブロックは、復号化されるために前のフレームを参照する場合がある。インター予測ピクチャ(PピクチャおよびBピクチャ)に対しては、前のフレームでの参照される場所に対する情報が、ビットストリームにおいて、各マクロブロックに対する以下の構文要素、すなわち、(a)使用されるべき参照フレームを示す参照インデックス、(b)マクロブロックの元の場所からの(水平方向および垂直方向の)変位を示す動きベクトルに包含される。現代のエンコーダ、例えばH.264/AVCでは、参照インデックスおよび動きベクトルは、マクロブロックのサブパーティションに対しては異なる場合があることに留意されたい。したがって、エラー伝播マップが、参照フレームでのエラーを含む領域を参照するマクロブロックのすべての座標に対しては1に設定され、そうでない場合は0に設定される。
【0042】
この手順の例が、
図6に図示される。
図6は、時間的な(インター)予測による、内部のデコーダでのエラー伝播マップの生成を示す。エラーは、元はフレームtで発生し(灰色のマクロブロック)、後続のフレームt+1に対して、フレームtでのエラーを含むマクロブロックを参照する、位置(x
1,y
1)および(x
2,y
2)でのマクロブロックにおいて伝播する。新たなエラーはフレームt+1では発生しないが、マクロブロックは、参照フレームでのエラーを含む情報を参照することによってエラーを含むことに留意されたい。すなわち、フレームt+1でのマクロブロック、位置(x
1,y
1)および(x
2,y
2)でのマクロブロックは、フレームtでのエラーを含むマクロブロックを参照し、したがって、エラーを含むとして示される(すなわち、これらのフレームに対するエラー伝播マップが1に設定される)。
【0043】
したがって、時間的に予測されるマクロブロックに対しては、次式となる。
I(x,y,t)=I(x+mv
x,y+mv
y,t+r) 式(2)
ただし、x、yは、考慮中のマクロブロックの行および列を示し、tは、フレーム番号を示し、mv
xおよびmv
yは、そのマクロブロックの水平方向および垂直方向の動きベクトルを示し、t+rは、参照として使用されるべきフレームに対する参照インデックスを示す。
【0044】
さらに、エラーは、イントラ予測によって、すなわち、同じフレームでの近傍のマクロブロックからのマクロブロックの予測によって伝播する場合がある。現代の符号化スキームでは、マクロブロックは、それがインター予測ピクチャに属する場合でも、イントラモードで符号化され得ることに留意されたい。これは
図7に例示され、マクロブロックA、B、およびCは、(パケット損失がその位置で発生したため、または、それらが、時間的に予測され、前に復号化されたピクチャでのエラーを含む領域を参照するためのいずれかで)エラーを含み、したがって、デコーダにより隠蔽される。しかしながら、マクロブロック、例えばDが、イントラ符号化され、マクロブロックA、B、およびCを参照として使用するならば、エラーがそのマクロブロックに伝播し、エラー伝播マップが1に設定される。そうでない場合、マクロブロックが、エラーを含むマクロブロックを参照として使用しないならば、そのマクロブロックの座標に対するエラー伝播マップが0に設定される。マクロブロックF、D、Eは、正しく受信される。しかしながら、マクロブロックEは、マクロブロックD、B、およびCを参照し、したがって、エラーがそれに伝播する。
【0045】
エラー伝播マップの生成は、画素レベルでのビットストリームの完全な復号化を必要としないことに留意しなければならない。実際、それは、ビットストリーム分析器によりビットストリームから抽出される以下の情報、すなわち(a)スライスヘッダ、(b)ピクチャタイプ、(c)マクロブロックタイプ、(d)時間的に予測されたマクロブロックの参照インデックスを使用することにより生成され得る。
【0046】
さらに、プローブデバイス内の別個のデコーダが、受信されたビットストリームを復号化し、再構成されたピクチャが、バッファに記憶される。バッファのサイズは、STBによりもたらされ得る遅延に対して責任をもつのに十分に大きくあるべきである。最大の予期される遅延が、d(秒単位)であるとし、fが、映像シーケンスのフレームレートであるとする。その場合、バッファは、総計でN
rec=d・fのフレームを記憶可能であるべきである。
【0047】
第2のステップでは、処理済み映像シーケンスが、バッファ内の再構成されたピクチャのうちのそれぞれと比較される。この比較の目的は、以下の式に基づいて、マッチングフレームn
*を、バッファ内の再構成されたピクチャの集合から探し出すことである。
【0048】
【数2】
【0049】
ただし、F'(x,y,t)は、検査下における処理済み映像ピクチャのtフレームの位置(x,y)での画素値であり、F(x,y,n)は、再構成されたピクチャのバッファ内の第nのフレームの同じ位置での画素であり、ここで、n=0、1、…、N
recである。エラー伝播マップとの各ピクチャの画素値の乗算は、(直接、またはエラー伝播によってのいずれかで)パケット損失により影響を受けていた画素を排除し、マッチング処理が、2つのピクチャ間でより類似している可能性がある画素に制限されることを確実にするために適用される。最小化のために(差分絶対値和、SADと呼ばれる)ここで使用される特定の関数の代わりに、任意の類似の関数、例えば平均二乗誤差が使用され得ることにもまた留意しなければならない。
【0050】
マッチング処理が完了した後、マッチングされたフレームn
*が、再構成されたピクチャのバッファから取り出され、マッチングされたフレームは、そのビットストリームの対応する部分とともに、例えば、ハイブリッド映像品質評価に関与しているモジュールへの入力として使用されるために、さらに用いられ得る。
【0051】
以下では、映像ビットストリームと復号化された映像シーケンスとの間の同期の第2の実施形態が説明される。
【0052】
本発明の第2の実施形態では、ビットストリームと処理済み映像シーケンスとの間の同期は、ビットストリームを分析すること、パケット損失から影響を受けている各フレームの領域に対する情報を抽出すること、およびその後、エラーの同じパターンが、処理済み映像シーケンスに出現するかを検査することにより実行される。全体的な手続のブロック図が、
図3に図示される。
【0053】
第1のステップでは、プローブデバイス内のビットストリーム分析器が、(各フレームに対して)第1の実施形態の文脈において上記で定義されたような、エラーマップI(.,.,.)、および、したがって、パケット損失により影響を及ぼされていた画素の集合Aを生成するために、ビットストリームを処理かつ分析する。N
recのフレームのエラーマップが、それらが、下記で解説されるように、処理済み映像シーケンスの対応するエラーマップと後でマッチングされ得るように、バッファに記憶される。
【0054】
続くステップでは、パケット損失によって劣化されていた、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャのマクロブロックが推定され、第1の実施形態の文脈において上記で定義されたような、エラーマップI
PVS(...)および集合A
PVSが生成される。次に、エラーマップI
PVS(...)の画素の輪郭が推定される。現在のピクチャの劣化マクロブロック、およびこれらのマクロブロックに属する画素の輪郭を推定するための方法は、本発明の範囲外であり、したがって、当業者に知られている任意の方法、例えば、G. Valenziseら、「Estimating channel-induced distortion in H.264/AVC video without bitstream information」、QoMEX、2010年で提案される方法が使用され得る。
【0055】
処理済み映像シーケンスの輪郭のエッジが、バッファに前に記憶されていたエラーマップの輪郭のエッジと比較されることになる。輪郭のマッチングが、集合Aに属する画素である、エラーマップにより定義される領域に制限されるならば、処理済み映像シーケンスから検出される輪郭のエッジは考慮されない。さらに、エラーを含むとして検出される領域、および処理済み映像シーケンスからエラーを含むとして検出される対応する領域の、典型的にはわずかな誤解釈が存在するので、検索の領域は、デコーダにより検出される輪郭のエッジが、処理済み映像シーケンスで検出されるものより小さくないことについて保証するために、kの画素だけ増大される。この実施形態では、kは5に等しいように選択される。しかしながら、任意の他の値が選択され得る。
【0056】
このようにして、(上記のように増大された)パケット損失による輪郭のエッジが検出される領域に属する画素の集合A
PVSが生じ、エラーマップI
PVSが生成される。I
PVS(x,y,t)によって、場所(x,y)での第tの処理済み映像シーケンスピクチャのエラーマップ値を示し、ただし、x=1、2、…、M、およびy=1、2、…、Nであり、M、Nがそれぞれ、映像シーケンスの各フレームの水平方向および垂直方向のサイズである。さらに、次式となる。
【0057】
【数3】
【0058】
第3のステップでは、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャのエラーマップが、バッファに記憶されている、(第1のステップでビットストリームを分析することにより生成された)エラーマップのうちのそれぞれと比較される。この比較の目的は、以下の式に基づいて、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャとマッチングする、マッチングフレームn
*を、バッファ内の再構成されたピクチャの集合から探し出すことである。
【0059】
【数4】
【0060】
ただし、I
PVS(x,y,t)は、検査中のPVSのエラーマップのtフレームの位置(x,y)での値であり、I(x,y,n)は、第nのフレームに対応するエラーマップの同じ位置での画素であり、ここで、n=1、2、…、N
recである。
【0061】
最後に、映像シーケンスの品質を査定するために、ビットストリームおよび処理済み映像シーケンスからの情報を組み合わせるハイブリッド映像品質評価モジュールが、
図3に示されるように存在し得る。
【0062】
関数f(.,.)は、輪郭パターンマッチングに基づいて、2つのエラーマップ間の類似度を決定するために使用され得る関数である。輪郭ベースのパターンマッチングアルゴリズムは、本発明の範囲外であり、任意の関連性のある方法が使用され得るものであり、例えば、T. Adamek、およびN. O'Connor、「Efficient contour-based shape representation and matching」、Multimedia Information Retrieval、2003年での方法が、この目的のために使用され得る。
【0063】
以下では、本発明のさらなる実施形態による、ビットストリームと、暗号化された映像シーケンスの復号化された画像との間の時間的な同期が説明される。
【0064】
フレーム同期の問題は、映像シーケンスが暗号化され、ビットストリームに対する唯一の利用可能な情報がパケットヘッダから抽出され得る場合に、より明白になる。パケットヘッダの精査のみに基づいてビットストリームから抽出され得るパラメータは、各フレームのサイズおよびタイプである。
【0065】
フレームベースの特徴マッチングに基づく同期
映像ビットストリームと、暗号化された映像シーケンスの復号化された画像との間の同期のための方法の第1の実施形態は、ビットストリームでパケット損失が存在しない場合を対象とし、
図4に示される。
【0066】
第1のステップでは、映像ビットストリームが、パケットヘッダ情報の分析、ならびに、フレーム(イントラ、予測、または双予測)のサイズおよびタイプの算出に関与しているモジュールに送り込まれる。暗号化された映像のフレームのタイプの、それらのサイズに基づく抽出のための方法は、本特許の範囲外である。例えば、この説明の最後に説明される方法が使用され得る。
【0067】
第2のステップでは、フレームのサイズおよびタイプに関する情報が、映像フレームで描写されるコンテンツを表す(例えば時間依存性の)特徴を抽出するために使用される。ペイロード情報は暗号化によって利用可能でないので、コンテンツクラスの概略のみが推定され得ることは明らかである。フレームサイズおよびフレームタイプに基づくコンテンツクラスの推定のための方法は、本発明の範囲外である。この目的のための任意の利用可能な方法、例えば、A. Clark、「Method and system for content estimation of packet video streams」、国際公開第2009/012297号が使用され得る。
【0068】
同様に、コンテンツのタイプ、およびコンテンツを表すそれぞれの(例えば時間依存性の)特徴が、処理済み映像シーケンスのピクチャから抽出される。本発明は、ビットストリームと処理済み映像シーケンスとの間の同期の態様のみを重点的に取り扱うので、(画素ドメインでの)ピクチャからの特徴の抽出、およびコンテンツタイプの検出のための方法は、その範囲内ではない。
【0069】
第3のステップでは、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャから抽出される特徴が、パケットヘッダ分析モジュールにより分析されたフレームから抽出される特徴とマッチングされる。検査中の現在のPVSに対応するビットストリームの部分に関する、対応する特徴および同期の情報は、映像品質の評価に関与しているモジュールへの入力として使用され得ることに留意されたい。
図4に示されるように、映像シーケンスの品質を査定するために、ビットストリームおよび処理済み映像シーケンスからの情報を組み合わせるハイブリッド映像品質評価モジュールが存在し得る。
【0070】
パケット損失イベントトリガに基づく時間的な同期
本発明のこの実施形態では、ビットストリームおよび処理済み映像シーケンスは、前の小節で説明された方法に基づいて、(例えば、パケット損失による)エラーが発生しない場合は同期されているものとし、それは、パケット損失が検出される場合に同期が必要とされるときの場合を考慮する。
【0071】
第1のステップでは、映像ビットストリームが、パケットヘッダ情報の分析、フレームタイプの算出、および、パケット損失により影響を受けていたフレームの検出に関与しているモジュールに送り込まれる。すべてのフレームのタイプが検出され、したがって、パケット損失が、予測処理によって、その後続のフレームに伝播するか否かが決定される。
【0072】
続くステップでは、処理済み映像シーケンスの現在のピクチャが、パケット損失によって生成されていた可能性があるひずみに関して検査される。このアルゴリズムは、パケット損失により引き起こされるひずみと、元の映像シーケンスの非可逆圧縮の結果として生じたひずみとの間で分類可能であるべきであるということに留意しなければならない。ひずみの検出および分類のためのアルゴリズムは、本発明の範囲外である。例えば、G. Valenziseら、「Estimating channel-induced distortion in H.264/AVC video without bitstream information」、QoMEX、2010年での方法が、この目的のために使用され得る。
【0073】
第3のステップでは、処理済み映像シーケンスの、ビットストリームの対応するフレームとのマッチングが実行される。処理済み映像シーケンスの現在のピクチャが、パケット損失の結果として引き起こされたひずみを包含することが検出されたならば、そのピクチャは、(最初のステップで)パケット損失を包含することがわかったフレームに対応するビットストリームの部分とマッチングされる。
【0074】
最後に、同期情報が(すなわち、PVSの現在のフレームが、その映像ビットストリームの対応する部分とともに)計算される。この情報は、映像品質の評価に関与しているモジュールへの入力として転送され得る。
【0075】
上記の導入部で述べられた従来技術は、エラーを含むネットワークにわたる映像シーケンスの伝送、またはシーケンスの処理によってもたらされ得る、フレームのスキッピング、重複、欠落、シャフリング、およびデータ圧縮による、2つの映像シーケンス間の時間的な同期の問題を考慮する。それとは反対に、本発明は、エンドユーザ側でのビットストリームとの処理済み映像シーケンスの同期のみを考慮し、したがって、同期の損失の唯一の原因は、デコーダデバイスおよびビットストリーム分析器によりもたらされる遅延、ならびに、デコーダ(STB)およびプローブデバイス内のデコーダにより適用される異なるエラー隠蔽技法である。