(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5955327
(24)【登録日】2016年6月24日
(45)【発行日】2016年7月20日
(54)【発明の名称】直立した患者の乳房をx線で撮像するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20160707BHJP
A61B 6/04 20060101ALI20160707BHJP
【FI】
A61B6/03 323P
A61B6/03 321Z
A61B6/04 309B
A61B6/03ZDM
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-532914(P2013-532914)
(86)(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公表番号】特表2013-538668(P2013-538668A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】US2011054926
(87)【国際公開番号】WO2012048000
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年9月26日
(31)【優先権主張番号】61/390,053
(32)【優先日】2010年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100076185
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】スミス, アンドリュー ポール
(72)【発明者】
【氏名】ステイン, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】デフレイタス, ケニス
(72)【発明者】
【氏名】シャウ, イアン
(72)【発明者】
【氏名】ジン, ツエンシウ
(72)【発明者】
【氏名】ニクラソン, ローレン
(72)【発明者】
【氏名】レン, バオルイ
(72)【発明者】
【氏名】ルス, クリストファー
【審査官】
九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−093135(JP,A)
【文献】
特開平10−165403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直立した患者の乳房をx線で撮像するシステムであって、
直立した患者の乳房を上部圧迫面と下部圧迫面との間で固定化するように構成される、乳房固定化ユニットと、
前記乳房固定化ユニットの一方の側のx線源、および他方の側のx線撮像受像器であって、前記線源が、x線の撮像ビームを選択的に放出し、前記受像器が、前記固定化ユニットを通過した後の前記撮像ビームを受け取り、前記線源および受像器が、前記乳房固定化ユニットの周りでの選択的移動のために載置される、x線源およびx線撮像受像器と、
前記線源および受像器に結合され、前記線源および受像器が、前記乳房固定化ユニット、またそれゆえその中で固定化される直立した患者の乳房の周りを、少なくとも180°のCT角度にわたって移動し、前記受像器が、前記CT角度の範囲内の種々の角度で取得される、前記乳房の複数個の投影画像CTpに関する画像データを生成するCTモードで、前記システムを選択的に動作させるように構成される、x線データ取得ユニットと、
前記画像CTpに関する前記画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、選択的な厚さおよび配向を有する前記乳房の断層を表す、再構成画像CTrを生成し、それに基づいて表示断層画像CTrdを作り出すように構成される、画像処理ユニットと、
視認するために、前記表示画像CTrdを受け取って選択的に表示する、ディスプレイユニットと、
を含む、x線システム。
【請求項2】
前記x線データ取得ユニットが、前記線源が180°未満のトモシンセシス角度Tを横断し、前記受像器が、前記トモシンセシス角度の範囲内の前記線源の種々の角度位置で取得される、前記乳房のトモシンセシス投影画像Tpを生成する、トモシンセシスモードTで、選択的に前記システムを動作させるように更に構成され、
前記画像処理ユニットが、前記画像Tpの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、選択的な厚さおよび配向を有する前記乳房の断層を表す、再構成画像Trを生成し、表示断層画像Trdと、前記画像Tpに基づく表示投影画像Tpdとを作り出すように更に構成され、
前記ディスプレイユニットが、前記表示画像Tpd、Trd、および前記表示画像CTrdを選択的に表示するように更に構成され、
前記データ取得ユニットおよび前記ディスプレイユニットが、前記CTモードおよび前記トモシンセシスモードの動作の少なくとも一方を選択して、前記固定化ユニット内で固定化された患者の乳房を検査するように更に構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記x線データ取得ユニットが、選択的に、(i)少なくとも前記線源に、前記乳房に対する角度位置を、比較的狭い角度Tnにわたって横断させ、前記受像器に、前記角度Tnの範囲内の種々の角度位置で取得される、前記乳房のトモシンセシス投影画像Tpnを生成させることによる前記モードTで、および(ii)少なくとも前記線源に、前記乳房に対する角度位置を、前記角度Tnよりも広い角度Twにわたって横断させ、前記受像器に、前記角度Twの範囲内の、前記線源の種々の角度位置で取得される、前記乳房のトモシンセシス投影画像Tpwを生成させることによる、比較的広角のモードTwで、動作するように更に構成され、
前記画像処理ユニットが、画像Tpnおよび画像Tpwに関する前記画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、選択的な厚さおよび配向を有する前記乳房の断層を表す、再構成画像Trを生成し、表示断層画像Trdと、投影画像Tpnおよび/または投影画像Tpwに関する前記画像データに基づく、表示投影画像Tpndおよび/または表示投影画像Tpwdとを作り出すように更に構成され、
前記ディスプレイユニットが、前記表示画像Tpnd、Tpwd、Trd、および前記表示画像CTrdを、選択的に表示するように更に構成され、
前記データ取得ユニットおよび前記ディスプレイユニットが、前記CTモード、前記Tnモード、および前記Twモードの動作のうちの少なくとも1つを選択するように更に構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記x線データ取得ユニットが、マンモグラフィーモードMで、選択的に前記システムを動作させることにより、1つ以上の投影マンモグラムMpに関する画像データを、それぞれ前記画像Tpの単一の患者x線量よりも高い患者x線量で生成するように更に構成され、
前記画像処理ユニットが、前記1つ以上の画像Mpに関する前記画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、1つ以上の表示マンモグラム画像Mpdを生成するように更に構成され、
前記ディスプレイユニットが、前記表示画像Tpd、Trd、CTrd、および前記表示画像Mpdを選択的に表示するように更に構成され、
前記データ取得ユニットおよび前記ディスプレイユニットが、前記CTモード、前記Tnモード、前記Twモード、および前記Mモードの動作のうちの少なくとも1つを選択するように更に構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ディスプレイユニットが、前記画像CTrdのうちの少なくとも1つ、ならびに前記画像Tpdおよび前記画像Trdのうちの少なくとも1つを、共登録して同時に表示することにより、前記同時に表示される画像のうちの1つでの解剖学的特徴の選択によって、前記同時に表示される画像のうちの少なくとも別の1つで、適合する解剖学的特徴が自動的に特定されるように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記データ取得ユニットが、少なくとも前記CTモードおよび前記Tモードの動作の一方で、前記乳房に対する前記線源の移動と共に、前記x線の撮像ビームの硬度を変化させるように更に構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムに固定され、前記システムが前記CTモードおよび前記Tモードで動作している間、前記直立した患者と少なくとも前記x線源の軌道との間に障壁を形成する、患者シールドを更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記上部圧迫面及び下部圧迫面の両方が平坦状であるか又はそれらの内の少なくとも一方が少なくとも部分的に凹状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムに固定され、前記システムが前記CTモードおよび前記Tモードで動作している際、前記直立した患者と少なくとも前記x線源の軌道との間に障壁を形成する、患者シールドを更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項10】
前記ディスプレイユニットが、前記画像CTrdのうちの少なくとも1つ、ならびに前記画像Tpdおよび前記画像Trdのうちの少なくとも1つを、共登録して同時に表示することにより、前記同時に表示される画像のうちの1つでの解剖学的特徴の選択によって、前記同時に表示される画像のうちの少なくとも別の1つで、適合する解剖学的特徴が自動的に特定されるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記データ取得ユニットが、少なくとも前記CTモードおよび前記Tモードの動作の一方で、前記乳房に対する前記線源の移動と共に、前記x線の撮像ビームの硬度を変化させるように更に構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記x線データ取得ユニットが、マンモグラフィーモードMで、選択的に前記システムを動作させることにより、前記直立した患者の乳房の、1つ以上の投影マンモグラムMpに関する画像データを生成するように更に構成され、
前記画像処理ユニットが、前記1つ以上の画像Mpに関する前記画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、1つ以上の表示マンモグラム画像Mpdを生成するように更に構成され、
前記ディスプレイユニットが、前記表示画像CTrdおよび前記表示画像Mpdを選択的に表示するように更に構成され、
前記データ取得ユニットおよび前記ディスプレイユニットが、前記CTモードおよび前記Mモードの動作の少なくとも一方を選択するように更に構成される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記x線データ取得ユニットが、前記線源が180°未満のトモシンセシス角度を横断し、前記受像器が、前記トモシンセシス角度の範囲内の前記線源の種々の角度位置で取得される、前記乳房のトモシンセシス投影画像Tpを生成する、トモシンセシスモードTで、選択的に前記システムを動作させるように更に構成され、
前記画像処理ユニットが、前記画像Tpの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、選択的な厚さおよび配向を有する前記乳房の断層を表す、再構成画像Trを生成し、表示断層画像Trdと、前記画像Tpに基づく表示投影画像Tpdとを作り出すように更に構成され、
前記ディスプレイユニットが、前記表示画像Tpd、Trd、および前記表示画像CTrdを選択的に表示するように更に構成され、
前記データ取得ユニットおよび前記ディスプレイユニットが、前記CTモードおよび前記トモシンセシスモードの動作の少なくとも一方を選択して、前記固定化ユニット内で固定化された患者の乳房を検査するように更に構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムに固定され、前記システムが前記CTモードおよび前記Tモードで動作しているとき、前記直立した患者と少なくとも前記x線源の軌道との間に障壁を形成する、患者シールドを更に含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記ディスプレイユニットが、前記画像CTrdのうちの少なくとも1つ、ならびに前記画像Tpdおよび前記画像Trdのうちの少なくとも1つを、共登録して同時に表示することにより、前記同時に表示される画像のうちの1つでの解剖学的特徴の選択によって、前記同時に表示される画像のうちの少なくとも別の1つで、適合する解剖学的特徴が自動的に特定されるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記データ取得ユニットが、少なくとも前記CTモードおよび前記Tモードの動作の一方で、前記乳房に対する前記線源の移動と共に、前記x線の撮像ビームの硬度を変化させるように更に構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
直立した患者の乳房をx線で撮像する方法であって、
前記直立した患者の乳房を、上部プレートと下部プレートとの間で固定化することと、
前記プレートの一方の側にx線源を提供し、他方の側にx線撮像受像器を提供することと、
選択的に撮像することであって、
(a)少なくとも前記x線源を、前記固定化された乳房の周囲で、少なくとも180°のCT角度にわたって移動させ、2次元投影x線画像CTpのそれぞれを、前記CT角度の対応する増分に関して生成することによって取得される、前記乳房の複数個の2次元投影x線画像CTpを生成する、コンピュータ断層撮像(CT)モードと、
(b)少なくとも前記線源を、前記CT角度よりも実質的に小さいトモシンセシス角度にわたって移動させ、2次元トモシンセシス投影画像CTpのそれぞれを、前記トモシンセシス角度の対応する増分に関して生成することによって取得される、前記固定化された乳房の複数個の2次元トモシンセシス投影画像CTpを生成する、トモシンセシスモードTと、
(c)前記圧迫された乳房の1つ以上の2次元投影画像Mpを、それぞれ従来のマンモグラムに関する患者線量に近似の患者線量を使用して生成する、マンモグラフィーモードMと、
において前記x線源からのx線が、前記乳房を通過した後に、前記x線受像器で受け取られることで、前記患者の固定化された乳房を選択的に撮像することと、
選択的に、前記画像CTpから断層画像CTrを再構成し、前記画像Tpから断層トモシンセシス画像Trを再構成することであって、いずれの場合も、前記撮像される乳房の、対応する3次元断層に関するものであり、前記断層が、対応する選択的な厚さおよび配向を有する、再構成することと、
前記画像CTr、Tp、Tr、および前記画像Mを選択的にコンピュータ処理して、対応する表示画像CTrd、Tpd、Trd、および表示画像Mdを生成することと、
同時に視認するために、前記CTrd画像、Tpd画像、Trd画像、およびMd画像のうちの1つ以上の、選択的な組み合わせを表示することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記モードTでの前記乳房の前記撮像が、
(a)比較的狭い範囲の、前記乳房に対する前記x線源の対応する種々の角度にわたって取得される、前記乳房の複数個のトモシンセシス投影x線画像Tpnを生成する、狭角トモシンセシスモードと、
(b)比較的広い範囲の、前記乳房に対する前記x線源の対応する種々の角度で取得される、前記乳房の複数個のトモシンセシス投影画像Tpwを生成する、広角トモシンセシスモードと、
を選択的に含み、
前記再構成が、前記画像Tpnおよび前記画像Tpwを、対応する厚さおよび配向を有する、前記撮像された乳房の対応する3次元断層を表す、トモシンセシス断層画像Trへと選択的に再構成することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記x線源および前記x線撮像受像器を、前記固定化された乳房の長さに概して沿った方向で、前記モードのうちの1つに関する位置から、前記モードのうちの別の1つに関する位置へと、選択的に移動させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記固定化された乳房に対する前記x線源の前記角度と共に、前記モードのうちの少なくとも1つで、前記固定化された乳房に衝突する、前記線源からの前記x線の硬度を変化させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許明細書は、乳房のx線撮像に関し、より具体的には、CTモード、1つ以上のトモシンセシスモード(例えば、狭角乳房トモシンセシスおよび広角乳房トモシンセシス)、およびマンモグラフィーモードのうちの1つ以上で、直立した患者の乳房を選択的に撮像するためのシステムに関する。本システムは、好ましくは、これらの撮像モードのうちの任意の1つ以上に関して、本装置を使用することができるように、統合される。患者は、従来のCTでのように横たわるのではなく、マンモグラフィーおよびトモシンセスに関して典型的であるように、起立していることができる。CTモードでは、撮像x線ビームは、乳房のみを通過し、従来のCTシステムを使用して乳房を撮像する場合のように、患者の胴体を通過することがない。
【背景技術】
【0002】
x線マンモグラフィーは、乳癌および他の病変に関する、確立されたスクリーニングモダリティーであり、かつまた、診断およびその他の目的に関しても信頼されている。長年にわたって、乳房の画像は、x線フィルム上に記録されていたが、最近では、本明細書の共通の譲渡人であるHologic Inc.(Bedford,Mass.)、およびその部門であるLorad Corporation(Danbury,Conn.)より商品名Seleniaで入手可能なマンモグラフィーシステムでのように、デジタルx線受像器が広く使用されるようになっている。マンモグラフィーでは、典型的には、ピラミッド形状のx線ビームが、圧迫された乳房を通過して、2次元投影画像、すなわち、本明細書では画像Mとして識別されるマンモグラムを形成する。CC(頭尾)またはMLO(内外斜位)などの、数多くの配向のうちの任意の1つを使用することができる。
【0003】
より最近では、乳房x線トモシンセシスが使用されるようになっている。共通の譲渡人は、米国で、臨床用途のための乳房トモシンセシスシステムを導入し、そのようなシステムを海外に販売している。この技術は、典型的には、固定された乳房の2次元(2D)投影画像(本明細書では画像Tpとして識別される)を、その乳房に対するx線ビームの多数の角度のそれぞれで取得することを伴う。得られたx線測定は、コンピュータ処理され、乳房断層の画像(本明細書では画像Trとして識別される)を再構成し、この画像は、典型的には、同じ乳房のマンモグラムの画像面と平行であるような、x線ビームの軸線を横断する平面内にあるが、任意の他の配向とすることができ、選択的な厚さの乳房断層を表すことができる。角度の範囲は、従来のCT(コンピュータ断層撮像)の場合よりも実質的に小さく、すなわち、180°に、ファン角度、例えば±15°の範囲を加えたものよりも実質的に小さい。
【0004】
乳房x線トモシンセシスシステムの一例は、商品名Selenia Dimensionsで入手可能な、共通の譲渡人のシステムであり、このシステムは、海外で販売され、米国では、臨床試験のために導入されており、トモシンセシスモードの動作およびマンモグラムモードの動作の双方を含む。米国特許第7,123,684号、ならびに米国特許出願公開第2005/0113681(A1)号および同第2009/0003519(A1)号、米国特許第4,496,557号、同第5,051,904号、同第5,359,637号、同第6,289,235号、同第6,375,352号、同第6,645,520号、同第6,647,092号、同第6,882,700号、同第6,970,531号、同第6,940,943号、同第7,356,113号、同第7,656,994号、米国特許出願公開第2004/0066904号、および同第2007/0263765号、並びにDigital Clinical Reports,Tomosynthesis(GE パンフレット
98−5493、1998年11月)もまた参照されたい。トモシンセシス画像を再構成する方法は、DG Grantの「Tomosynthesis:a three−dimensionalimaging technique」
(IEEE Trans.Biomed.Engineering,VolBME−19,#1,(1972年1月),20〜28ページ)で論じられている。2004年11月15日出願の「Matching geometry generation and display of mammograms and Tomosynthesis images」と題された米国仮特許出願第60/628,516号、およびI.M.S.Internazionale Medico Scintifica(Bologna, Italy)により、Giotto Image 3Dの名称で発表されたシステムもまた参照されたい。マンモグラフィーおよび断層撮像のシステムはまた、生検ステーション(例えば、共通の譲渡人より、商品名StereoLoc II Upright Stereotactic Breast Biopsy Systemで入手可能なシステム)を追加することによって、バイオプシーなどの介入手順にも使用することができる。上記ならびに下記で引用される特許、出願、パンフレット、および論文は、本明細書に完全に記載されるかのように、参照として本特許明細書に組み込まれる。
【0005】
商品名Selenia Dimensionsシステムで入手可能なシステムなどの、トモシンセシス投影画像および従来のマンモグラムを選択的に取得することができるx線乳房撮像システムは、既知である。それらのシステムは、x線源およびx線撮像受像器を含み、これらは、互いに固定された関係で保持され、単一体として移動して、従来のマンモグラムMを取得することができ、また少なくとも一方が、他方および患者の乳房に対して移動して、トモシンセシス投影画像Tpを取得することができるように、互いに分離させることができる。共通の譲渡人に譲渡された米国特許第7,583,786号もまた参照されたい。
【0006】
CT技術は、乳房のx線撮像に関しては広く使用されていない。従来のCTでは、患者が、ガーニーまたはプラットフォーム上に横たわっている間に、x線源および検出器が患者の周りを回転する。そのx線測定は、典型的には、その患者の平面的断層の画像(本明細書では画像CTrと称される)へと再構成される。乳房と交差する結像面はまた、胴体とも交差するため、乳房のx線画像のみが関心対象である場合、患者の身体は、x線照射に不必要に曝される。更には、乳房の画像のための従来のCTの使用は、不当に高価である場合がある。乳房のみを撮像し、胴体までも撮像することのないCTシステムへの提案がなされているが、それらのCTシステムは、患者を腹臥位にする必要があり、また汎用性も見出されていない。例えば、腹臥位の患者の乳房を開口部内に垂下させて、その開口部の周囲でx線源およびx線検出器を水平面で回転させることを提案している、米国特許第3,973,126号を参照されたい。より最新の構成要素を使用する、極めて類似の配置構成を提案している、米国特許第6,987,831号もまた参照されたい。更には、米国特許出願公開第2010/0080343(A1)号は、患者の乳房を、垂直の壁内の開口部に通過させて突出させることにより、壁の反対側まで延出させ、ガントリーが、x線源および検出器を、渦巻走査運動または連続的断層走査運動で回転させて、その乳房の突出部分を撮像する、乳房CTシステムを提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
数多くの理由から、患者の乳房の種々のタイプのx線画像を査定することが望ましい場合がある。例えば、従来のマンモグラムMを数十年にわたって読み取ることで、医療専門家は、貴重な専門解釈知識を発展させている。マンモグラムMは、微小石灰化の良好な視覚化を提供することができ、トモシンセシス画像Tpまたはトモシンセシス画像Trと比較して、より高い空間分解能を提供することができる。トモシンセシス画像Trは、異なる望ましい特性を有し得、例えば、それらの画像Trは、従来のマンモグラムMでは上方または下方に位置する組織によって不明瞭にされる恐れがある構造の、より良好な視覚化を提供することができる。CT画像CTrは、乳房の内部の特定の組織に関する減衰値を取得して、全般的に幾何学的歪みを含まず、またそれゆえ任意の配向および任意の厚さでの乳房断層の画像へと簡便に再処理することができる、乳房内の体素(ボクセル)の3次元画像を生成する能力などの、他の利益を提供することができる。しかしながら、患者を1つの撮像システムから別の撮像システムへと、また恐らくは1つの医療施設から別の医療施設へと移動させることなく、単一のシステムで取得される乳房画像の、これらの3つのタイプのうちの1つ以上のいずれかを選択することを可能にするシステムは、本明細書の発明者らの既知とするところではない。
【0008】
また、種々のx線モダリティーで取得された乳房画像を共に登録することが望ましい場合もあり、例えば、そのことにより、同じ実在病変または同じ疑診病変を、2つ以上のモダリティーからの画像内で、視認および査定することができると同時に、各モダリティーは、その病変についての異なる情報に寄与することができる。共登録の一部の態様は、トモシンセシス画像Trおよびトモシンセシス画像Tp、ならびにマンモグラムMに関しては提供されているが(共通の譲渡人の米国特許第7,577,282号および同第7,616,909号を参照)、x線CT乳房画像に関しては、特に直立した患者から取得される場合には、乳房のTr、Tp、およびMのx線画像との共登録は、既知ではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本特許明細書は、x線CTシステムを含むマルチモードシステムを説明し、このシステムは、従来のマンモグラフィーシステムに対する患者の位置と同様の方式で、システムに対して位置決めされる、直立した患者のCT乳房x線画像を取得する一方で、乳房のx線CT走査に一意的に適合される設計を使用して、移動するアセンブリからの防護を提供する。同システムは、CTではなく、トモシンセシス画像Tpおよびトモシンセシス画像Trを、広角モードおよび狭角モードなどの、少なくとも2つのトモシンセシスモードのうちの一方で、選択的に取得するように構成することができる。また、同システムは、マンモグラフィーシステムで取得される従来のマンモグラムと本質的に同じか、または見かけ上は同様のマンモグラムMを選択的に取得するように構成することができる。それゆえ、同システムは、乳房撮像に関する幾つかのモードである、CTモード、複数のトモシンセシスモード(例えば、広角トモシンセシスモードおよび狭角トモシンセシスモードを含めた)、およびマンモグラフィーモードのうちの、任意の1つで、または任意の2つ以上で動作することができる。患者の乳房画像は、これらのモードのうちの単一のモードで、またはこれらのモードのうちの2つ以上で取得することができるが、患者の乳房は、同じ検査の間、または異なる時間で、固定化されたまま維持されるか、あるいは乳房の異なる固定化技術で維持される。好ましくは、撮像x線受像器は、マンモグラフィーモードで乳房の全体を撮像することができる2次元受像器であることにより、好ましくは、同受像器を、CT走査モードでは、単一の回転運動で使用することができ、それゆえ、乳房の複数の断層に関するx線測定を取得するために、乳房の周囲で複数回走査する必要性が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】CTモードで動作しているように示されるが、少なくとも2つのトモシンセシスモードおよびマンモグラフィーモードで選択的に動作するようにも構成される、直立乳房x線撮像システムの一部分の斜視図である。
【
図3】
図1および
図2に示すシステムと同様のシステムに関する、患者シールドを示す正面図である。
【
図4】
図2と同じであるが、患者シールドを示す側面図である。
【
図5】
図1および
図2と同様であるが、トモシンセシスモードまたはマンモグラフィーモードで使用される際のシステムを示し、
図2および
図4よりも、支持コラムから遠くに離間しているガントリーを示す。
【
図6】
図1および
図2と同様であるが、トモシンセシスモードまたはマンモグラフィーモードで使用される際のシステムを示し、
図2および
図4よりも、支持コラムから遠くに離間しているガントリーを示す。
【
図7】受像器ハウジングの内部で旋回することができる、撮像受像器を示す斜視図である。
【
図8】患者の圧迫された乳房を通過するx線の、種々の経路長の概略図である。
【
図9】統合されたx線システムを示すブロック図である。
【
図10】システムの動作および患者の快適性を改善することができる、代替的実施形態の諸部分を示す。
【
図11】システムの動作および患者の快適性を改善することができる、代替的実施形態の諸部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に示す実施例および好ましい実施形態を説明する際に、特定の用語法が、明瞭性のために採用される。しかしながら、本特許明細書の開示は、そのように選択された特定の用語法に限定されるものではなく、それぞれの特定の要素は、同様の方式で動作する全ての技術的等価物を包含することを理解されたい。
【0012】
図1および
図2は、CTモードで動作可能であるが、広角トモシンセシスモードおよび狭角トモシンセシスモードを含めたトモシンセシスモード、ならびにマンモグラフィーモードで、選択的に動作するようにも構成される、マルチモード乳房x線撮像システムの、非限定的な実施例の諸部分を示す。説明の明瞭性のために、CTモードで使用される患者シールドは、
図1および
図2からは省略されるが、
図3、4、10、および
図11には、実施例が示される。支持コラム100が床に固定され、コラム100内の開口部100aを通って突出する、水平方向に延出するアクスル102を上昇および下降させ、かつアクスル102を、その中心軸線の周りで回転させるための、電動式機構を収容する。同様にアクスル102は、アクスル102と共に、または独立して回転することができる、同軸性のアクスル102aを支持する。アクスル102は、上部プレート104aおよび下部プレート104bを含む、乳房固定化ユニットを支持することにより、各プレートは、アクスル102およびアクスル102aと共に、支持体100の長さ寸法に沿って、上下に移動することができ、少なくとも一方のプレートは、他方に向かって移動することができ、ユニット104は、アクスル102およびアクスル102aの共通の中心軸線の周りを回転することができる。更には、アクスル102は、ガントリー106を、2つのタイプの電動式移動(アクスル102の中心軸線の周りでの回転、およびアクスル102に対するガントリー106の長さに沿った動き)に関して、支持する。ガントリー106は、一方の末端部に、全般的に108で指示される、被筒x線管などのx線源を保有し、他方の末端部に、撮像x線受像器112(
図1および
図2では不可視であるが、
図7に示される)を包囲する受像器ハウジング110を保有する。
【0013】
CTモードで動作する場合、
図1および
図2のシステムは、プレート104aとプレート104bとの間で、患者の乳房を固定化する。この目的のために、患者が直立している間、例えば、起立または着席している間に、ユニット104を、アクスル102と共に乳房の高さまで上昇または下降させる。患者は、
図2に示す場合の本システムの左側から、ユニット104に向かって身体を傾け、医療専門家、典型的にはx線技師が、
図2での右へと組織を引き付けながら、プレート104aとプレート104bとの間で乳房を調節し、プレート104aおよびプレート104bの少なくとも一方を、他方に向けて移動させて、好ましくは、乳房組織が実行可能な限りユニット104の内側にある状態で、乳房を固定化して定位置に保つ。CT投影x線画像(この画像から、対応する乳房断層の画像CTrが再構成される)を表す、x線測定を取得する過程では、ガントリー106は、アクスル102の中心軸線の周りを回転する一方で、乳房は、ユニット104内に固定化されたまま維持される。好ましくは、ハウジング110の内部の撮像受像器112は、ガントリー106の回転中、x線管108に対して固定されたまま維持される。管108からのx線のピラミッド形状のビームは、ユニット104内に固定化された乳房を横断して、撮像受像器102に衝突し、それに応じて、撮像受像器102が、この受像器の結像面内の対応するピクセル位置で、それぞれの回転の増分に関して受け取ったx線エネルギーの量に関連するピクセル値の、対応する2次元配列を生成する。画像CTpに関する、これらのピクセル値の配列は、コンピュータシステム(
図1および
図2には示されないが、
図9に示される)に送られて処理され、乳房の断層画像CTrを再構成する。ガントリー106は、ユニット104内での乳房の位置決めに関する、患者の乳房へのx線技師のアクセスを容易にするための、コラム100に向けた電動式移動と、x線管108、およびハウジング110の内部の撮像受像器112が、確実に適切な乳房組織を撮像することができるようにするための、コラム100から遠ざかる電動式移動とに関して、構成することができる。あるいは、ガントリー106は、撮像x線ビームが、ユニット104内に固定化された乳房組織を実現可能な限り通過することができるように、
図2に示す位置の左へ、コラム100から固定された距離で維持することができ、この場合には、その距離を変化させるための機構は必要とされない。
【0014】
患者の直立位置、並びにCTモードの動作でのx線管108および受像器ハウジング110の大角度にわたる回転のために、独自の課題が生じる。既知のように、CT走査は、典型的には、180°に、撮像x線ビームによって規定される角度を加えた角度にわたる、線源および受像機の回転と、好ましくは、より大きい角度、例えば360°にわたる回転とを伴う。しかしながら、その回転が、
図1および
図2に示すような、x線源108の0°の位置を含む場合には、患者の頭部は、x線源108に過度に接近する恐れがある。回転式アセンブリと患者との衝突、およびそのような衝突に対する懸念は、本特許明細書で以下で論じられるように、完全な360°にまでも回転するアセンブリから患者を隔てる、シールドの使用によって回避することができるが、特定の実施形態でのシールドおよび回転式アセンブリの設計に応じて、患者は、自身の頭部および脚が本システムから遠ざかるように、
図2に示す左へと、自らの身体を弓状に反らせることが必要となる場合がある。以下でも論じられるような代替案は、
図1および
図2に示すx線源108の位置の周囲の、扇形または区画を、回転から除外することである。非限定的な実施例として、
図1および
図2に示すx線管108の位置を、0°の位置と指定する場合には、CT撮像に関する回転は、45°〜315°の間の90°の扇形または区画で、60°〜300°の間の120°の扇形または区画で、あるいは高品質のCTr画像の再構成のために十分な回転角にわたってx線CTデータを取得している間に、患者の頭部の位置を排除するために十分な、何らかの他の扇形または区画で、x線源108の位置を除外する。x線管108および受像器ハウジング110の回転が、更に患者の身体の下方部分も排除しなければならない間は、患者が、自身の身体の下方部分を、
図2に示すような左へと(かつ好ましくはシールドの背後に)、回転式構成要素から離れる方向に保つことは、自身の頭部および肩を後ろに反らすことよりは、一般的に容易である。
【0015】
そのようなシールドの実施例を、
図3および
図4に示す。
図4は、中心開口部114cを有する患者シールド114を追加的に示す以外は、
図2と同じである側面図である。シールド114は、正面図での、
図3の破線での弧を含む円によって示されるように、正面図では完全な円形とすることができる。その場合には、ガントリー106は、CTモードで、完全な円にわたって回転することができる。代替案としては、シールド114は、破線の弧の下方の、シールド114の実線の間の領域として
図3に示す、扇形または区画114aを、開放させたまま残すことができる。その場合には、ガントリー106は、CTモードで、360°未満の角度にわたってのみ回転することができるが、患者は、より快適な姿勢のために、シールド114のV形状の切り欠き部114b内に、自身の頭部、また恐らくは肩および腕のための空間を有し得る。具体的には、
図3に示すように、ガントリー106は、V形状の切り欠き部114bの外側にある、シールド114の部分の内部のみで回転することができる。ガントリー106ならびに管108および受像器ハウジング110の可能な位置のうちの1つを、実線で示す。別の可能な位置を破線で示し、x線源108´および受像器ハウジング110´を保有する、ガントリー106´として指定する。
図4は、シールド114の可能な形状を側面図で示す。シールド114は、コラム100から遠ざかる方向で、中心開口部114cから離れて隆起することにより、患者の乳房がユニット104に到達して、ユニット104内で固定されることを可能にする一方で、患者の身体は、シールド114によって、回転式構成要素、すなわち、ガントリー106ならびにx線源108および受像器ハウジング110から隔てられる。開口部114cは、乳房が固定化されている際、x線技師による患者の乳房へのアクセスを容易にするために、
図3および
図4(これらはノンスケールである)よりも大きいものとすることができ、また異なる形状にすることもできる。シールド114の諸部分を、取り外し可能またはヒンジ式として、更にアクセスを容易にすることができる。例えば、破線114dおよび破線114eの上方のシールド114の部分の、一方もしくは双方を、取り外し可能またはヒンジ式とすることができ、それにより、技師が患者の乳房を位置決めおよび固定化している間は、それらの部分を取り払い、またCTモードでの走査が開始する前に付け戻して、患者を防護することができる。患者シールドは、コラム100上および/または床上に載置することができる。
図3および
図4の実施例では、回転式ガントリー106は、患者により接近するか、またはより遠ざかるように、左へ、または右へと、すなわち、
図4に示す位置および
図6に示す位置の一方から他方へと、移動させることができる。それゆえ、
図3の実施例を使用する乳房のCT撮像に関しては、回転式ガントリー106は、
図6に示すコラム100に対する位置へと、コラム100から離間するが、実際に患者の乳房を撮像するのは、受像器ハウジング110が切り欠き部114bの外側にある間のみである。それゆえ、患者は、撮像されている乳房、また恐らくは周囲を取り囲む組織が、より多くx線撮像の照射野内に入ることができるように、前方へ、部分的に切り欠き部114b内へと、身体を傾けることができる。
【0016】
直立乳房CTの別の課題は、乳房を固定化する方法である。一部の場合には、様々な理由により、乳房が殆ど圧迫されないか、または全く圧迫されないことが望ましい場合がある。他の場合には、例えば、撮像のために乳房組織を患者の胸壁から引き離して、ユニット104内に確実に保持することができるように、乳房を圧迫するか、または他の方法で作用を及ぼすことが望ましい場合がある。この目的のために、また患者の快適性を全般的に増大させるために、プレート104aおよびプレート104bの少なくとも一方、好ましくは双方が、
図6に示すような凹状の接合面を有し、この接合面は、CT撮像のために乳房を保持しつつ、その乳房をほぼ丸形に保つことにより、少なくとも個々のCT断層の内部では、ほぼ等しいx線の経路長を有するように設計される。プレート104aおよびプレート104bは、取り外し可能に固定することができるため、種々のセットのプレートを使用して、種々のサイズまたは形状の乳房に対応することができる。
図1〜4のシステムを動作させる医療専門家によって選択される、種々の程度の乳房の圧迫を、使用することができる。更に他の場合には、
図9によるブロック図に示すように、乳房、また恐らくは周囲を取り囲む組織が、真空、接着、もしくは他の手段によって中に引き込まれる、カップ形状または漏斗形状の包囲体を提供することなどの、x線撮像の照射野内に乳房および胸壁を引き込むための、他の手段を使用することが望ましい場合がある。
【0017】
直立乳房CTの更に別の課題は、乳房を通過するx線の経路長が、それらのx線が横断する乳房の部分に応じて異なる場合があることである。例えば、乳頭の、または乳頭付近の、乳房部分を通過する経路長は、胸壁の付近の経路長よりも遙かに短い場合がある。CTモードで動作する場合、x線技師は、患者の乳房がユニット104内で固定化されているときに、x線透過枕または同様の物品を使用して、乳頭の末端部を胸壁に向けて押し込むことによって、乳房の断面をほぼ均一にさせるように成形し、そのように成形された乳房を、ユニット104内で固定化することにより、乳房を通過するx線の経路長をほぼ均等にすることができる。固定化された乳房をそのように成形することを伴わない代替案としては、x線管108のハウジング内で成形x線フィルターを使用して、乳頭から胸壁に向かう方向でビーム硬度が増大するように、撮像x線ビームのx線エネルギー分布を成形することができる。更に別の手法としては、x線源からのx線ビームの経路内で乳房の周囲に配置構成される、好適な形状のx線減衰材料によって、x線の経路長を均等にするか、または少なくともより均一にさせることができる。
【0018】
トモシンセシスモードでの本システムの使用を、
図5および
図6に示し、これらの図は、ガントリー106が、乳房固定化ユニット104およびアクスル102ならびにコラム100に対して異なる位置にあり、シールド114が示されないことを除いて、それぞれ
図1および
図2と同じである。具体的には、x線源108が、ユニット104およびコラム100からより遠ざかり、受像器ハウジング110が、よりユニット104に接近している。トモシンセシスモードでは、患者の乳房はまた、プレート104aとプレート104bとの間で固定化され、これらのプレートは、撮像の間、定位置に維持される。一実施例では、x線管108および受像器ハウジング110は、固定化された乳房の周りでの回転を受けることができ、この回転は、CTモードの動作での回転と同様であるが、より小さい角度にわたるものである。CTモードでのように、または参照として組み込まれる共通の譲渡人に譲渡された米国特許第7,123,684号で原理的に説明されるように、x線管108、およびハウジング110内部の撮像受像器112が、互いに対して固定され、単一体として回転する間に、回転の各増分に関して、対応する2次元投影画像Tpが取得される。あるいは、固定化された乳房に対するx線管108および受像器112の動きは、共通の譲渡人の、商品名Selenia Dimensionsで提供される上記のシステムでの動きと同じものとすることができ、このシステムの特定の態様は、参照として本明細書に組み込まれる、共通の譲渡人に譲渡された米国特許第7,616,801号で説明される。この代替的な場合には、x線管は、アクスル102の中心軸線の周りを回転するが、受像器ハウジング110は定位置に維持され、一方で撮像受像器112は、ハウジング110の内部で、典型的には受像器の結像面を通過し、アクスル102の中心軸線と平行であり、かつ撮像受像器112を二等分する軸線の周りを、回転または旋回する。この受像器112の回転または旋回は、典型的には、x線管108の回転角よりも小さい角度にわたるものであり、受像器112の結像面に対する法線が、撮像x線ビームが放出されるx線管108内の焦点を、または焦点の近位を指し続けることができるように、またそのビームが、受像器112の結像面の全て、または殆どを照射し続けるように計算される。トモシンセシスモードの動作の一実施例では、x線管108は、約±15°の弧にわたって回転し、一方で撮像受像器は、その結像面を二等分する水平軸線の周りで、約±5°にわたって回転または旋回する。この動きの間、回転角の規則的な増分で、20個または21個の画像などの、複数個の投影画像Tpが取得される。x線源108の±15°の弧の中心角は、0°の角度、すなわち、
図5および
図6に示すx線源108の位置とすることができ、または何らかの他の角度、例えば、従来のマンモグラフィーでのMLO撮像に関して典型的なx線源の位置に関する角度とすることもできる。トモシンセシスモードでは、乳房は、ユニット104内に固定化することができるが、あるいは、商品名Seleniaで提供される上記のシステムで乳房が固定化される方法と類似した方式で、乳房が受像器ハウジング110と上部プレート104aとの間で支持されるように、下部プレート104bを取り外すことができる。トモシンセシスモードでは、オペレーターの制御下で、CTモードの場合よりも大きい程度の圧迫を使用することができる。同じ凹状のプレート104aおよびプレート104bを使用することができ、または概して平坦なプレートに置き換えることができ、または商品名Seleniaで提供される上記のシステムで使用されるように、受像器ハウジング110の上面によって乳房を支持しながら、単一の圧迫パドルを使用することができる。
【0019】
トモシンセシスモードで動作する場合、
図5および
図6のシステムは、オペレーターによって選択可能な、そのトモシンセシスモードの複数の選択肢、例えば、狭角モードおよび広角モードを提供する。狭角トモシンセシスモードでは、x線源108は、ユニット104、およびそのユニット104内で固定化された乳房の周囲を、±15°などの角度にわたって回転するが、一方で、広角トモシンセシスモードでは、x線管108は、約±15°〜±60°の範囲などの角度にわたって回転する。この広角モードは、狭角モードと同じ数か、またはそれよりも多くの数の投影画像Tpを取得することを伴い得る。非限定的な実施例としては、狭角モードが、x線源108が乳房の周囲でその弧にわたって移動する際に、総計20個または21個のトモシンセシス投影画像Tpを取得することを伴う場合には、広角モードは、典型的には規則的な角度の増分で、同じ数か、または40個もしくは60個もしくは何らかの他の数などの、より多くの数の画像Tpを取得することを伴い得る。このx線源108の回転角の例は、限定的なものではない。重要な点は、複数のモードのトモシンセシスの動作が提供されることであり、この場合、1つのモードは、別のトモシンセシスモードよりも、乳房の周囲での大きい角度にわたるx線源の回転を伴う。
【0020】
図7は、受像器ハウジング110内部の撮像受像器112を示す。受像器112は、結像面がハウジング110の上面と平行な状態で、ハウジング110に対して固定された位置にすることができ、または上述のように、ハウジング110に対して、回転もしくは旋回することができる。
図7は、受像器112を、その回転または旋回の一方の極限で示す。他方の極限は、その左側(
図7で示される場合)が、最大限上昇して、ハウジング110の上壁に接触または近接し、その右側が最大限下降している場合である。更には、
図7は、散乱線除去グリッド116を示し、この散乱線除去グリッド116は、オペレーターによる命令、またはこのx線撮像システムを動作させるコンピュータによる命令の下で、グリッドモーター制御118によって、x線撮像ビームから外れて
図7に示す位置へと、または受像器112の結像面の上に重なるように前方へと移動させることができる。典型的には、グリッド116は、受像器112がx線検査の過程でハウジング110内部で回転または旋回しているとき、撮像ビームから外れており、受像器112が、乳房のx線曝露の間、ハウジング110内の固定された位置で維持される場合には、そのビームの中にある。上述のモードのそれぞれでの使用に関しては、撮像受像器112は、共通の譲渡人より入手可能であり、商品名Seleniaで提供される上記のシステムで現在使用されている、2次元の、セレンをベースとする、平坦パネルのデジタル検出器とすることができる。具体的な撮像受像器のリフレッシュレートに対応するために、CTモードおよびトモシンセシスモードで連続投影画像を取得するタイミングを、適宜調節することができる。より高速で連続投影画像を取得することができる撮像受像器を、必要に応じて使用することができる。別の代替案としては、乳房全体を同時に撮像することができない撮像受像器は、乳房に対してその受像器を走査して、1回以上の掃引で乳房全体を適用範囲とすることによって、使用することができる。
【0021】
トモシンセシスモードでは、参照として本明細書に組み込まれる、共通の譲渡人に譲渡された米国特許第7,245,694号で開示されるような、異なる患者シールドを使用して患者を防護することができ、かつ/または管108に関する異なる軌道を使用することができる。そのような患者シールドを、
図6の物品120として概略的に示す。
【0022】
マンモグラフィーモードMで動作する場合、
図5および
図6のシステムは、ハウジング110の内部の撮像受像器112を、x線源108、およびユニット104内で固定化された乳房の双方に対して、固定したまま維持する。CCマンモグラムMpの取得に関しては、線源は、
図5および
図6に示す位置とすることができる。MLOマンモグラムMpを取得するために、患者の乳房が、ユニット104から解放され、ガントリー106が、ユニット104と共に、単一体としてアクスル102の中心軸線の周りを回転して、従来のマンモグラフィーで、また商品名Seleniaで提供される上記のシステムで使用されるものと類似した方式で、患者の乳房が、再度ユニット104内で固定化される。あるいは、本システムのトモシンセシスモードでのように、下部プレート104bを取り外すことができ、受像器ハウジング110の上面と上部プレート104aとの間で、乳房を固定化することができる。典型的には、マンモグラフィーMpの取得に関する、患者に対するx線量は、トモシンセシス投影画像Tpのいずれか1つの取得に関する線量よりも、著しく高い。例えば、1つのマンモグラムMpに関する線量は、x線源108の、その弧にわたる1回の掃引で取得される、全ての画像Tpに関する総線量と同じか、または同程度である。トモシンセシスモードでのように、同じ凹状のプレート104aおよびプレート104bを使用することができ、または商品名Seleniaで提供される上記のシステムで使用されるタイプの、概して平坦なプレートに置き換えることができ、またハウジング110の上面を、下部プレート104bの代わりとすることができる。
【0023】
一部または全てのモードでは、ユニット104内で固定化される乳房の冠状断面は、
図8の乳房122に関して示すように、おおよそ楕円形とすることができ、そのため、固定化または圧迫された乳房122の幅は、その厚さよりも著しく大きい。その場合には、
図8に示すように、撮像ビームの範囲内のx線に関しては、乳房122を通過する線Aに沿った経路長「a」は、線Bに沿った経路長「b」よりも短い。この状況に対応するために、乳房に対する撮像ビームの角度と共に、x線のスペクトルを変化させることが望ましい場合がある。例えば、x線画像を改善するために、経路「a」に関しては、経路「b」に関するよりも軟らかいx線を使用することができる。この目的のために、本システムは、CTモードまたはトモシンセシスモードで使用され、かつ乳房122が、その厚さよりも著しく幅広の断面へと固定化される場合、例えばx線管108を駆動する電圧(kV)を変化させることによってx線ビーム硬度を適宜変化させる、コンピュータ制御の下で動作することができる。医療専門家が、種々のx線モダリティーで取得される患者の乳房の画像を、同時に視認することが重要な場合がある。本特許明細書で開示されるシステムは、その機会を提供しつつ、CT画像CTr、トモシンセシス画像Tpおよびトモシンセシス画像Tr、ならびにマンモグラムMを作り出すことができる。
【0024】
図9に示すように、上述のように動作するx線源108および撮像受像器112を含むデータ取得システム124を使用して取得されるx線測定は、そのx線測定(投影画像CTp、Tp、および投影画像Mpの形態とすることができる)を、視認するための対応する表示画像CTrd、Trd、および表示画像Mdに関する画像データへとコンピュータ処理するように構成される画像処理ユニットを含み、かつデータ取得システム124を制御して上述のように動作させるための、コンソール126に提供される。明瞭性および簡潔性のために、電力供給源、オペレーター制御、および安全装置などの、従来の要素は示されない。トモシンセシス画像およびマンモグラムに関しては、コンソール126の動作は、商品面Selenia Dimensionsで提供される上記のシステムで使用されるもの、または上記の参照文献で論じられるようなものと同様、もしくは同一とすることができる。CTr画像に関しては、そのコンピュータ処理は、上記の米国特許第6,987,831号で論じられるように動作させることができる。マンモグラムに関しては、その処理は、商品面Seleniaで提供される上記のシステムの場合のようにすることができる。コンソール126での処理から得られた画像は、ワークステーション128(共通の譲渡人により商品名SecurViewで提供されるワークステーションとすることができる)、および/またはディスプレイユニット130に提供することができ、このディスプレイユニット130は、1つ以上のコンピュータディスプレイ画面を含み、2つ以上の乳房の画像を同時に示すことができる。例えば、ディスプレイユニット130は、CTrd画像を、Tpd画像、および/またはTrd画像、ならびに/あるいはMpd画像と共に、同時に示すことができる。これらのタイプの画像のうちの任意の1つを、単一の画像として、2つ以上の画像として、またはシネモードで示すことができる。例えば、Trd画像を、1つの乳房断層の画像から別の断層の画像へと変化するシネモードで示すことができる。同時に表示される画像は、その同時に表示される画像のうちの1つでの解剖学的特徴の選択により、同時に表示される画像のうちの少なくとも別の1つで、適合する解剖学的特徴が自動的に特定されるように、共登録することができる。ユニット104とは異なる装置を使用して、撮像のために乳房を固定化および位置決めすることが望ましい場合には、データ取得システム124は、カップ形状または漏斗形状の乳房受容器104´(
図10)などの装置を代わりに含み得、この装置の中に、乳房、また恐らくは周囲を取り囲む組織を、真空または接着剤などの手段によって引き込むことができ、そのような装置は、
図9に示す制御125によって制御することができる。このカップまたは漏斗は、ユニット104の代わりに、x線源108からの撮像ビームの範囲内にある。
【0025】
図10は、コラム1000が、垂直から、旋回支持体1002の旋回軸1001の周りを、例えば、図示のように10°の角度にわたって旋回することにより、患者がシールド1004に対して前方に寄り掛かることができる、別の実施形態を示す。回転式Cアーム1006は、上述の実施形態でのように、x線ビーム109を放出するx線源108、および撮像受像器ハウジング110を保有することができ、コラム1000を上下に移動して、種々の高さの患者に適合することができる。シールド1004は、x線源108が乳房圧迫ユニット104の周囲を回転する際に、x線源108から患者を保護し、また、x線撮像受像器ハウジング110のいずれの回転からも患者を保護する。シールド1004は、シールド1004に対して寄り掛かる患者を安定させる役割を更に果たし、患者の快適性および安定性を更に促進するために、患者が保持することができるハンドルを含み得る。シールド1004は、その線源108およびハウジング110の回転軌道を取り囲むことができ、患者の乳房のための開口部を有する前方部分1004bを含み得、この開口部は、乳房が圧迫されているときに、医療専門家が手を入れて、その乳房を調節することが可能となるように、十分に大きいものとすることができる。シールド1004は、ハウジング110と乳房圧迫ユニット104の一部分との間にある、乳房プラットフォームを更に含み得、特にCTモードの動作に関してではあるが、恐らくは他のモードの場合にも、患者の乳房を、この乳房プラットフォーム上に安置して、乳房の他方の側のパドルによって圧迫することができる。この乳房プラットフォームは、平坦なものとすることができ、または乳房の輪郭に合わせて成形することができ(例えば、このプラットフォームは凹状にすることができる)、患者ごとに変更することができる、種々のサイズで作製することができる。代替的なシールド1004を、シールド1004の代わりに、またはシールド1004に加えて使用することができる。シールド1004aは、圧縮ユニット104(104´)を取り囲むものであり、好ましくは、ガントリー1006の動きからも患者を防護する部分1004bを含む。部分1004bの一部または全ては、特にマンモグラムMの取得に関して、取り外し可能とすることができる。
【0026】
図11は、別の実施例を示し、この実施例は、異なる成形の患者シールド1004dを有すること以外は、
図10の実施例と同様であり、この患者シールド1004dは、アクスル102上に支持することができ、
図10の部分1004bと位置および機能が同様であるが、ある程度異なる成形の、前方部分1004b´を含み得る。シールド1004と同様に、シールド1004dは、平坦または成形された乳房プラットフォームを含み得、種々のサイズにすることができ、患者用ハンドルを含み得る。シールド1004aとは異なる形状を有するが、同様の目的に役立つ、代替的なシールド1004eを、シールド1004dに加えて、またはシールド1004dの代わりに使用することができる。
図12の実施例は、x線システムに対する患者の下半身の位置決めに関して、シールド1004よりも大きい自由度を可能にする。
【0027】
上記の具体的な実施例および実施形態は、例示的なものであり、本開示の趣旨から逸脱することなく、これらの実施例および実施形態に対して、多くの変型を導入することができる。例えば、上述の種々の例示的実施形態の要素および/または特徴は、本開示の範囲内で、互いに組み合わせ、かつ/または互いに置き換えることができる。
【0028】
それゆえ、本特許明細書は、直立した患者の乳房を撮像するためのマルチモードx線システムを説明し、このシステムは、直立した患者の乳房を固定化するように構成される、乳房固定化ユニットと;このユニット内に固定化された患者の乳房の一方の側のx線源、および乳房の他方の側のx線撮像受像器であって、この線源が、x線の撮像ビームを選択的に放出し、この受像器が、その撮像ビームを受け取り、この線源および受像器が、乳房の周りでの選択的移動のために載置されることと;この線源および受像器に結合され、線源および受像器が、直立した患者の固定化された乳房の周りを、少なくとも180°のCT角度にわたって移動し、受像器が、このCT角度の範囲内の種々の角度で取得される、乳房の複数個の投影画像CTpに関する画像データを生成するCTモードで、このシステムを選択的に動作させるように構成される、x線データ取得ユニットと;この画像CTpに関する画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、再構成画像CTrを生成し、それに基づいて表示断層画像CTrdを作り出すように構成される、画像処理ユニットと;視認するために、この表示画像CTrdを受け取って選択的に表示する、ディスプレイユニットとを含む。
【0029】
x線データ取得ユニットは、CTモードではなく、トモシンセシスモードTで、選択的に本システムを動作させるように更に構成することができ、このモードTでは、線源は、乳房に対する角度位置を、180°未満のトモシンセシス角度Tにわたって横断し、受像器は、この角度Tの範囲内の、線源の種々の角度位置で取得される、乳房のトモシンセシス投影画像Tpを生成し;画像処理ユニットは、画像Tpに関する画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、再構成画像Trを生成し、表示断層画像Trdと、画像Tpに関する画像データに基づく表示投影画像Tpdとを作り出すように更に構成することができ;ディスプレイユニットは、これらの表示画像Tpd、Trd、および表示画像CTrdを選択的に表示するように更に構成することができ;データ取得ユニットおよびディスプレイユニットは、動作に関して、CTモードまたはトモシンセシスモードを選択するように更に構成される。
【0030】
トモシンセシスモードは、狭角トモシンセシスモードTnおよび広角トモシンセシスモードTwを含み得、x線データ取得ユニットは、(i)少なくとも線源に、乳房に対する角度位置を、比較的狭い角度にわたって横断させ、受像器に、その狭い角度の範囲内の種々の角度位置で取得される、乳房のトモシンセシス投影画像Tpnを生成させることによるモードTと、(ii)少なくとも線源に、乳房に対する角度位置を、この狭い角度よりも広い、比較的広い角度にわたって横断させ、受像器に、その角度Twの範囲内の、線源の種々の角度位置で取得される、乳房のトモシンセシス投影画像Tpwを生成させることによるモードTwとで、選択的に動作するように更に構成され;画像処理ユニットは、画像Tpnおよび画像Tpwに関する画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、再構成画像Trを生成し、表示断層画像Trdと、投影画像Tpnおよび/または投影画像Tpwに関する画像データに基づく、表示投影画像Tpndおよび/または表示投影画像Tpwdとを作り出すように更に構成することができ;ディスプレイユニットは、表示画像Tpnd、Tpwd、Trd、および表示画像CTrdを選択的に表示するように更に構成することができ;データ取得ユニットおよびディスプレイユニットは、CTモード、Tnモード、およびTwモードの中から、動作のモードを選択するように更に構成される。
【0031】
x線データ取得ユニットは、CTモードまたはトモシンセシスモードTではなく、マンモグラフィーモードMで、選択的に本システムを動作させることにより、1つ以上の投影マンモグラムMpに関するM画像データを、それぞれ画像Tpの単一の患者x線量よりも高い患者x線量で生成するように更に構成することができ、;画像処理ユニットは、1つ以上の画像Mpに関する画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理することにより、1つ以上の表示マンモグラム画像Mpdを生成するように更に構成することができ;ディスプレイユニットは、表示画像Tpd、Trd、CTrd、および表示画像Mpdを選択的に表示するように更に構成することができ;データ取得ユニットおよびディスプレイユニットは、CTモード、Tモード、またはMモードの動作を選択するように更に構成される。
【0032】
データ取得ユニットは、少なくともCTモードおよびTモードの動作の一方で、乳房に対する線源の移動と共に、x線の撮像ビームの硬度を変化させるように構成することができる。
【0033】
乳房固定化ユニットは、互いに向かい合う、上部プレートおよび下部プレートを含み得、このプレートの向かい合う部分は凹状であり、その部分で、乳房を固定化するために乳房と係合する。
【0034】
ディスプレイユニットは、画像CTrdのうちの少なくとも1つ、ならびに画像Tpdおよび画像Trdのうちの少なくとも1つを、共登録して同時に表示することにより、その同時に表示される画像のうちの1つでの解剖学的特徴の選択によって、同時に表示される画像のうちの少なくとも別の1つで、適合する解剖学的特徴が自動的に特定されるように構成することができる。
【0035】
データ取得ユニットは、上記の動作モードのそれぞれで移動している線源およびx線受像器から、患者を隔てる一方で、プラットフォームとパドルとの間で乳房が固定化されたまま維持されることを許容する、シールドを含む。
【0036】
別の好ましい実施形態では、圧迫された患者の乳房をx線で撮像するためのx線システムは、患者の乳房を圧迫するように構成される、乳房固定化ユニットと;このユニット内で圧迫された乳房の周りでの移動のために載置される、固定化ユニットの一方の側のx線源、および他方の側のx線撮像受像器と;この線源および受像器に結合され、線源および受像器が、乳房の周りを少なくとも180°の角度にわたって移動し、x線受像器が、乳房の複数個の投影画像CTpに関する画像データを生成するCTモードで、本システムを動作させるように構成される、x線データ取得ユニットと;この画像CTpに関する画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理するように構成され、その受け取ったデータをコンピュータ処理して、選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、再構成CT画像CTrを生成し、それに基づいて表示断層画像CTrdを作り出す、画像処理ユニットと;視認するために、この表示画像CTrdを受け取って選択的に表示する、ディスプレイユニットとを含む。
【0037】
固定化ユニットは、直立した患者の乳房を圧迫するように構成することができる。
【0038】
圧迫された乳房は、第1方向の寸法を有し得、この寸法は、第1方向を横断する第2方向の寸法よりも実質的に小さく、データ取得ユニットは、乳房に対する線源の移動と共に、x線の撮像ビームの硬度を変化させるように構成することができるため、x線ビームは、第1方向よりも第2方向にx線が接近する場合に、より硬くなる。
【0039】
x線源はx線管を含み得、データ取得システムは、このx線管を駆動する電力の選択的特性を変化させることによって、撮像ビームの硬度を変化させるように構成することができる。この選択的特性は、x線管を駆動する電力の電圧(kV)とすることができる。
【0040】
更に別の好ましい実施形態では、開示される発明は、患者の乳房を撮像するためのx戦システムとすることができ、このシステムは、互いに向かい合い、患者の乳房を固定化するように構成される、上部プレートおよび下部プレートと;そのプレートのそれぞれが、圧迫された乳房に係合する凹状の乳房係合面を有することと;このプレートの一方の側のx線源、および他方の側のx線撮像受像器であって、少なくともこの線源が、乳房の周りでの移動のために載置されることと;線源および受像器に結合され、乳房に対する線源の複数個の角度のそれぞれで、線源に、撮像x線ビームを選択的に発生させて、受像器に、乳房の複数個の投影x線画像に関する画像データを生成させるように構成される、データ取得ユニットと;受け取ったデータの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理し、乳房の表示画像を生成するように構成される、画像処理ユニットと;視認するために、この表示画像を受け取って選択的に表示する、ディスプレイユニットとを含む。このシステムでは、データ取得ユニットは、x線ビームが、そのビームの乳房に対する角度に応じて変化するx線硬度を有するように、更に構成することができる。
【0041】
更に別の実施形態は、患者の乳房を撮像するための、マルチモードx線トモシンセシスシステムであって、このシステムは、患者の乳房を固定化するように構成される、乳房固定化ユニットと;固定化ユニットの一方の側のx線源、および他方の側のx線撮像受像器と;少なくともx線源が、固定化された乳房の周りでの移動のために載置されることと;線源および受像器に結合され、(i)予め設定された狭角トモシンセシスモードTn、および(ii)予め設定された広角トモシンセシスモードTwで、選択的に本システムを動作させて、(a)Tnモードでは、少なくとも線源が、乳房に対する角度位置を、比較的狭い角度Tnにわたって横断し、受像器が、この角度Tnの範囲内の、乳房のトモシンセシス投影x線画像Tpnに関する画像データを生成し、(b)Twモードでは、少なくとも線源が、乳房に対する角度位置を、比較的広い角度Twにわたって横断し、受像器が、角度Twの範囲内の、乳房の第2の複数個のトモシンセシス投影x線画像Tpwに関する画像データを生成するように構成される、x線データ取得ユニットと;画像Tpnおよび画像Tpwに関する画像データの少なくとも一部を受け取ってコンピュータ処理し、(i)この画像Tpnおよび画像Tpwの少なくとも一部、ならびに(ii)画像Tpnおよび画像Tpwの少なくとも一部に関する画像データから導き出され、選択的な厚さおよび配向の乳房の断層を表す、再構成トモシンセシス画像Trの、表示画像を選択的に生成するように構成される、画像処理ユニットと;視認するために、これらの表示画像のうちの1つ以上のセットを選択的に表示する、ディスプレイユニットとを含み、データ取得ユニットおよびディスプレイユニットは、Tnモード、またはTwモードの動作を選択するように更に構成される。
【0042】
更に別の実施形態は、患者の乳房を撮像するための、マルチモードx線システムであって、このシステムは、患者の乳房を固定化するように構成される、乳房固定化ユニットと;固定化された乳房の周りでの移動のために載置される、固定化ユニットの一方の側のx線源、および他方の側のx線撮像受像器と;線源および受像器に結合され、(i)狭角トモシンセシスモードTn、(ii)広角トモシンセシスモードTw、(iii)コンピュータ断層撮像(CT)モード、および(iv)マンモグラフィーモードMで、選択的に本システムを動作させて、(a)Tnモードでは、少なくとも線源が、乳房に対する第1の複数個の角度位置を、比較的狭い角度にわたって横断し、受像器が、乳房の第1の複数個のトモシンセシス投影x線画像Tpnに関する画像データを生成し、(b)Twモードでは、少なくとも線源が、乳房に対する第2の複数個の角度位置を、比較的広い角度にわたって横断し、受像器が、乳房の第2の複数個のトモシンセシス投影x線画像Tpwに関する画像データを生成し、(c)CTモードでは、線源および受像器が、乳房の長さの周りを、この広い角度よりも大きい角度にわたって回転し、受像器が、乳房の第3の複数個の投影画像CTpに関する画像データを生成し、この画像CTpは、複数個の画像Tpnおよび画像Tpwのそれぞれでの画像よりも、数が多く、(d)Mモードでは、線源および受像器が、乳房の1つ以上の投影画像Mpを、この画像Mpのそれぞれに関して、画像Tpnおよび画像Tpwのいずれの1つに関するよりも大きい患者x線量を使用して生成するように構成される、x線データ取得ユニットと;これらの画像データの少なくとも一部を受け取り、その受け取ったデータをコンピュータ処理して、(i)これらの投影画像Tpnおよび/または投影画像Tpw、(ii)これらの投影画像Tpnおよび/または投影画像Tpwの少なくとも一部に関する画像データから導き出され、選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、再構成トモシンセシス画像Tr、(iii)選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、再構成CT画像CTr、ならびに(iv)乳房の投影画像を表す1つ以上のマンモグラムMpのうちの、少なくとも一部の表示画像を生成するように構成される、画像処理ユニットと;視認するために、この表示画像のうちの1つ以上のセットを選択的に表示する、ディスプレイユニットとを含む。
【0043】
更に別の実施形態は、患者の乳房を撮像するための、マルチモードx線システムであって、このシステムは、患者の乳房を固定化するように構成される、乳房固定化ユニットと;固定化された乳房の周りでの移動のために載置される、固定化ユニットの一方の側のx線源、および他方の側のx線撮像受像器と;線源および受像器に結合され、このシステムを動作させて、少なくともx線源の、乳房に対する種々の角度で取得される、投影画像に関する画像データを生成するように構成される、x線データ取得ユニットと;この画像データの少なくとも一部を受け取り、その受け取ったデータをコンピュータ処理して、選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、乳房のCT断層画像を生成し、また、(i)トモシンセシス投影画像Tp、ならびに(ii)この画像Tpに関する画像データの少なくとも一部から再構成され、選択的な厚さおよび配向を有する乳房の断層を表す、トモシンセシス断層画像Trのうちの、少なくとも一部を更に生成するように構成される、画像処理ユニットと;視認するために、これらのCT画像、TP画像、およびTr画像のうちの、少なくとも1つ以上を選択的に表示する、ディスプレイユニットとを含む。
【0044】
更に別の実施形態は、患者の乳房を撮像するためのx線システムであって、このシステムは、撮像x線ビームが、乳房を通過した後に受像器に衝突するような、患者の乳房に関する位置の周りでの移動のために載置される、x線源およびx線撮像受像器と;線源および受像器に結合され、少なくとも線源を、乳房に対する種々の角度位置に移動させて、それぞれの角度位置で撮像x線ビームを発生させ、受像器に、その角度位置で取得される、投影画像に関する画像データを生成させるように構成される、x線データ取得ユニットと;このデータ取得ユニットが、その角度位置の1つから別の角度位置への線源の移動と共に、この撮像x線ビームのx線硬度を変化させるように構成されることと;この画像データの少なくとも一部を受け取り、その受け取ったデータをコンピュータ処理して、その投影画像から導き出される、乳房の表示画像を生成するように構成される、画像処理ユニットと;視認するために、この表示画像を受け取って選択的に表示する、ディスプレイユニットとを含む。
【0045】
更に別の実施形態は、患者の乳房の共登録されるx線CT画像および他のx線画像を、同時に視認するために、取得および表示するためのシステムであって、このシステムは、(i)患者の乳房の第1の断層を表すCT断層画像、および(ii)乳房の非CTx線画像を説明する、x線画像データの供給源と;この画像データの少なくとも一部を受け取り、その画像データから(i)乳房の断層の表示CT画像、および(ii)乳房の非CT表示画像を生成するように構成される、画像処理ユニットと;この表示CT画像のうちの少なくとも1つ、および非CT表示画像のうちの少なくとも1つを、同時に視認するために表示するように構成される、ディスプレイユニットとを含み、このディスプレイユニットは、この同時に表示される画像を共登録させることにより、本システムまたはユーザーによって、1つの表示画像上の解剖学的特徴に付けられたマークが、少なくとも1つの他の同時表示画像の、適合する解剖学的特徴に自動的に出現するように、更に構成される。
【0046】
上記の開示による乳房撮像の方法の一実施形態は、直立した患者の乳房を、上部プレートと下部プレートとの間で圧迫する工程と;これらのプレートの一方の側にx線源を提供し、他方の側にx線撮像受像器を提供する工程と;x線源からのx線が、(a)比較的狭い範囲の、乳房に対するx線源の対応する種々の角度にわたって取得される、圧迫された乳房の複数個のトモシンセシス投影x線画像Tpnを生成する、狭角トモシンセシスモード、(b)比較的広い範囲の、乳房に対するx線源の対応する種々の角度で取得される、圧迫された乳房の複数個のトモシンセシス投影画像Tpwを生成する、広角トモシンセシスモード、(c)x線源およびx線撮像が、この比較的広い範囲よりも大きい角度にわたって乳房の周りを移動する間に取得される、圧迫された乳房の複数個のCT画像を生成する、コンピュータ断層撮像(CT)モード、ならびに(d)圧迫された乳房の1つ以上の投影画像Mpを、それぞれ従来のマンモグラムに関する患者線量に近似の患者線量を使用して生成する、マンモグラフィーモードで、乳房を通過した後に、x線受像器で受け取られることで、患者の圧迫された乳房を選択的に撮像する工程と;x線源およびx線撮像受像器を、圧迫された乳房の長さに概して沿った方向で、これらのモードのうちの1つに関する位置から、これらのモードのうちの別の1つに関する位置へと、選択的に移動させる工程と;これらの画像Tpwおよび/またはCT画像を取得する間、乳房に対するx線源の角度と共に、x線源のkVを変化させる行程と;同時に視認するために、これらのTpn画像、Tpw画像、Tr画像、およびCT画像のうちの1つ以上の、選択的な組み合わせを表示する工程とを含む。